JP4201537B2 - 搬送車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば立体自動倉庫内に敷設したループ状レールに沿って前後進させる無人搬送車などの搬送車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無人搬送車の一例として図8に示すものがある。これは、車体1の一側縁に駆動輪機構2及び従動輪機構3が設けられる共に、該車体1の他側縁に前後一対のキャスタ4が設けられており、前記駆動輪機構2及び従動輪機構3は、車体1に主軸5を介して水平旋回可能に取り付けた支持枠6に枢支されてレール7の上面に当接する上面輪8及び該レール7の両側面に当接するガイドローラ9を有し、駆動輪機構2の上面輪8を回転駆動させるためのギヤドモータ(駆動機)10が支持枠6に固定されている。また、前記各キャスタ4は、車体1にキャスタ軸11を介して水平旋回可能に取り付けた支持枠12に枢支されて床面(またはレール)に当接するキャスタ輪13を有している。
【0003】
上記構成において、ギヤドモータ10を正逆駆動することにより、図8(A)に示すように、車体1をレール7の直線部に沿って直線的に前後進a,bさせると共に、図8(B)及び(C)に示すように、車体1をレール7の円弧部7aに沿って右旋回Rまたは左旋回Lさせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、駆動輪機構2の上面輪8を所定の輪圧でレール7の上面に押しつけて摩擦力を発生させ、該上面輪8を回転駆動することにより車体1をレール7に沿って前後進a,bさせるようになっているため、図8(A)に示すように、車体1のキャスタ4側に偏って荷重Wがかかった場合には、上面輪8が浮き上がって所定の輪圧が生じず、車体1を前後進a,bさせるための推力を充分に得ることができない場合がある。
【0005】
また、ギヤドモータ10が支持枠6に固定されており、車体1をレール7の円弧部7aに沿って右旋回Rまたは左旋回Lさせた場合に〔図8(B)及び(C)参照〕、該ギヤドモータ10が主軸5回りで左右に所定角度α,β分大きく振れるから、そのギヤドモータ10が車体1の外側に突出しないように、該車体1の前後幅Hを大きく設定する必要があり、その車体1が大型化して製作費が高くつく。また、省スペースとならない。
【0006】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、車体を小型化して確実に前後進させることができるようにした搬送車を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、車体の一側縁に駆動輪機構が設けられると共に、該車体の他側縁にキャスタが設けられており、前記駆動輪機構を駆動することにより車体をレールに沿って前後進させるようにした搬送車において、前記駆動輪機構が、前記車体に水平旋回可能に取り付けた支持枠に枢支されてレールの上面に当接する上面輪及び該レールの側面に当接する側面輪を有し、該側面輪を駆動機により回転駆動させるようにし、前記駆動機が、前記側面輪に歯車機構を介して連動連結したドライブシャフトに水平旋回可能に鞍乗され、該駆動機の旋回を規制する旋回規制機構が設けられ、該旋回規制機構は、前記車体の前記レールに沿った旋回に伴って前記支持枠が旋回したとき、前記駆動機を該支持枠の旋回の方向と逆方向に旋回させるよう構成されていることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、駆動機によりレールの側面に当接する側面輪を回転駆動させて車体をレールに沿って前後進させるようにしており、車体のキャスタ側に偏って荷重がかかって上面輪が浮き上がる状態になっても、その偏った荷重により前記側面輪が所定の輪圧でレールの側面に押し付けられて摩擦力を発生させるから、車体を前後進させるための推力を充分に得ることができる。
【0009】
更に、車体をレールの円弧部に沿って右旋回または左旋回させる場合に、旋回規制機構により駆動機の振れ角度が小さく押さえられているから、その小さくなった分だけ車体の前後幅を従来に比べて小さく設定することができ、これによって、車体を小型化して製作費を安くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態である無人搬送車を示すものであって、駆動輪機構2の支持枠6に、レール7の上面に当接する上面輪8と、該レール7の両側面に当接する側面輪15及びアイドラ輪16とが設けられ、ギヤドモータ10がドライブシャフト17に水平旋回c,d可能に鞍乗され、該ギヤドモータ10の旋回を規制する旋回規制機構18が設けられている。なお、図3中、19は車体1の下面に固着した軸受部であって主軸5を回転可能に支持する。上記以外の構成は図8に示す構成とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0011】
前記側面輪15は、図2から図5に示すように、支持枠6に一体形成したギヤボックス20の下面に前後進a,b方向に所定間隔をおいて2つ設けられ、該各側面輪15の支軸15aとドライブシャフト17とがギヤボックス20内の歯車機構21を介して連動連結されており、ギヤドモータ10を駆動することにより、ドライブシャフト17及び歯車機構21を介して各側面輪15を正逆回転させて車体1を前後進a,bさせるようになっている。従って、図1(A)に示すように、車体1のキャスタ4側に偏って荷重Wがかかって上面輪8が浮き上がる状態になっても、その偏った荷重Wにより側面輪15が所定の輪圧でレール7の側面に押し付けられて摩擦力を発生させるから、車体1を前後進a,bさせるための推力を充分に得ることができる。
【0012】
また、側面輪15は1つ設けるだけでもよいが、図示するように、側面輪15を2つ設けることが好ましい。これによって、各側面輪15にかかる輪圧(一定の摩擦力を得るための押圧力)が半減されるので、その各側面輪15を小径化すると共に、レール7の剛性も小さくして、製作費を安くすることができる。
【0013】
前記アイドラ輪16は、図2から図6に示すように、支持枠6の両側部に固着した軸受ブロック22に枢支軸23を介して揺動可能に枢着した一対の揺動アーム24に垂下軸25を介して回転可能に取り付けられており、レール7を間に挟んで前記各側面輪15に対向している。また、支持枠6の側面に突設した一対のガイドロッド26が各揺動アーム24の先端突起部24aに設けたボス部24bに挿通され、該各ガイドロッド26の先端に固着したナットなどの固定具28と各揺動アーム24との間にばね(付勢手段)27が介在されており、そのばね27の付勢力により各アイドラ輪16をレール7の側面に弾性的に押しつけることにより、該各アイドラ輪16と各側面輪15とでレール7を両側から確実に挟持して、車体1を前後進a,bさせるための推力を充分に得ることができる。
【0014】
前記旋回規制機構18は、図3及び図6に示すように、ギヤドモータ10の上面に固着した長孔状カム孔30付きトルクアーム31と、車体1に取り付けられて前記カム孔30に嵌入するカムフォロア32とからなっている。
【0015】
上記構成において、図1(A)に示すように、車体1をレール7の直線部に沿って前後進a,bさせる場合には、トルクアーム31が車体1の幅方向にほぼ沿うと共に、ギヤドモータ10が車体1の中央寄りになるように若干傾斜状態にされている。
【0016】
図1(B)に示すように、車体1をレール7の円弧部7aに沿って右旋回Rさせる場合には、支持枠6が主軸5を中心にして右回りされることから、トルクアーム31がカムフォロア32を中心に左回りされ、これによって、ギヤドモータ10もドライブシャフト17を中心に左回りcして車体1のほぼ横断方向に沿うようになる。
【0017】
図1(C)に示すように、車体1をレール7の円弧部7aに沿って左旋回Lさせる場合には、支持枠6が主軸5を中心にして左回りされることから、トルクアーム31がカムフォロア32を中心に右回りされ、これによって、ギヤドモータ10もドライブシャフト17を中心に右回りdして車体1の中央寄りになる。
【0018】
上記構成によれば、車体1をレール7の円弧部7aに沿って右旋回Rまたは左旋回Lさせる場合に、旋回規制機構18によりギヤドモータ10の振れ角度α,βが小さく押さえられているから、その小さくなった分だけ車体1の前後幅Hを従来に比べて小さく設定することができ、これによって、車体1を小型化して製作費を安くすることができる。また、旋回規制機構18がカム孔30付きトルクアーム31とカムフォロア32とからなり、その構造が簡単で製作費が安くつく。
【0019】
図7は旋回規制機構18の変形例を示すものであって、ギヤドモータ10の上面に固着したトルクアーム31と、一端部がベアリング付のピン35を介して車体1に回転可能に枢着され他端部がベアリング付のピン36を介してトルクアーム31の先端に枢着されたリンク37とからなり、その作用は図1に示す旋回規制機構18とほぼ同じであるから、その説明を省略する。
【0020】
上記構成によれば、図1に示す旋回規制機構18とほぼ同じ効果を得るとができ、特に、ピン35,36によってギヤドモータ10が連結されていることにより、上述した図1の旋回規制機構18であるトルクアーム31とカムフォロア32とのスライドする構成に比べガタが生じにくく、かつ小さく支持することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、駆動機によりレールの側面に当接する側面輪を回転駆動させて車体をレールに沿って前後進させるようにしており、車体のキャスタ側に偏って荷重がかかって上面輪が浮き上がる状態になっても、その偏った荷重により前記側面輪が所定の輪圧でレールの側面に押し付けられて摩擦力を発生させるから、車体を前後進させるための推力を充分に得ることができる。
【0022】
更に、車体をレールの円弧部に沿って右旋回または左旋回させる場合に、旋回規制機構により駆動機の振れ角度が小さく押さえられているから、その小さくなった分だけ車体の前後幅を従来に比べて小さく設定することができ、これによって、車体を小型化して製作費を安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態である搬送車を示す概略平面図である。
【図2】 同駆動輪機構の一部切欠き平面図である。
【図3】 同縦断面図である。
【図4】 図3のD−D矢視図である。
【図5】 図3のE−E矢視図である。
【図6】 同駆動輪機構の斜視図である。
【図7】 同旋回規制機構の変形例を示す概略平面図である。
【図8】 従来例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 駆動輪機構
4 キャスタ
6 支持枠
7 レール
8 上面輪
10 ギヤドモータ(駆動機)
15 側面輪
16 アイドラ輪
17 ドライブシャフト
18 旋回規制機構
21 歯車機構
24 揺動アーム
27 ばね(付勢手段)
30 カム孔
31 トルクアーム
32 カムフォロア
a,b 前後進
Claims (1)
- 車体の一側縁に駆動輪機構が設けられると共に、該車体の他側縁にキャスタが設けられており、前記駆動輪機構を駆動することにより車体をレールに沿って前後進させるようにした搬送車において、
前記駆動輪機構が、前記車体に水平旋回可能に取り付けた支持枠に枢支されてレールの上面に当接する上面輪及び該レールの側面に当接する側面輪を有し、該側面輪を駆動機により回転駆動させるようにし、
前記駆動機が、前記側面輪に歯車機構を介して連動連結したドライブシャフトに水平旋回可能に鞍乗され、該駆動機の旋回を規制する旋回規制機構が設けられ、
該旋回規制機構は、前記車体の前記レールに沿った旋回に伴って前記支持枠が旋回したとき、前記駆動機を該支持枠の旋回の方向と逆方向に旋回させるよう構成されていることを特徴とする搬送車。
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