JP4201434B2 - 耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材、とくに、自動車、鉄道車両、航空機等の輸送機器の構造材として好適に使用される耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
6000系(Al−Mg−Si系)のアルミニウム合金は、加工性が良く製造が容易であり、耐食性にも優れているため、輸送機器部材として広く実用化されているが、7000系(Al−Zn−Mg系)や2000系(Al−Cu系)の高強度アルミニウム合金と比べ強度面で劣るという難点がある。一方、7000系合金、2000系合金は、強度的には優れているものの、耐食性や製造性に問題があるため用途面での制約がある。
【0003】
このような状況の下で、6000系アルミニウム合金の強度を向上させるための試みが行われ、従来の6061系より高強度を有する6013合金、6056合金、6082合金等が開発された。また、Mg、Si、Cuの硬化元素に加えてMn、Cr、Zrを特定範囲で含有させ、靱性の改善を図ったアルミニウム合金(特開昭59−50147号公報)も提案され、発明者の一人らにより、輸送機器の構造体用として、Mg、Si、Cuの含有量の相互の関係を規定し、不純物のMnの含有量を制限した強度、耐食性に優れたAl−Cu−Mg−Si系合金押出材(特開平10−306338号公報)も提案されている。
【0004】
自動車部材等、輸送機器部材については、近年、地球環境保持の面から、排気ガスの規制が厳しくなり、燃料消費量を減らし有害ガスや炭酸ガスの排出量を低減させるために、車両重量の軽量化が強く推し進められている。その一つとして、従来使用されていた鉄系の部材をアルミニウム系の部材に変更することにより効果を上げているが、軽量化の進行に伴って材料の薄肉化の要求も厳しくなっており、上記の6013等の開発合金や提案されているアルミニウム合金材では、強度、耐食性の面で必ずしも満足すべきものではない。
【0005】
発明者らは、輸送機器、特に自動車の軽量化に関連する諸要求を満足させることができるアルミニウム合金の押出材を得るために、先に提案したAl−Cu−Mg−Si系合金押出材(特開平10−306338号公報)をベースとし、その特性を更に改善するための検討過程において、Mnを含有させて強度を向上させた場合、押出材の結晶層厚が制御され、耐食性を維持できることを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の知見に基づいて、さらに実験を重ねた結果としてなされたものであり、その目的は、耐食性及び強度に優れ、押出性の良好なアルミニウム合金押出材及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1による耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材の製造方法は、Si:0.5%〜1.5%、Mg:0.9%〜1.6%、Cu:0.8%〜2.5%を含有すると共に、下記の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足し、
3≦Si%+Mg%+Cu%≦4---(1)
Mg%≦1.7×Si%---(2)
Mg%+Si%≦2.7---(3)
Cu%/2≦Mg%≦(Cu%/2)+0.6---(4)
更にMn:0.8%〜1.2%を含有し、更にCr:0.02%〜0.4%、Zr:0.03%〜0.2%、V:0.03%〜0.2%、Zn:0.03%〜2.0%のうちの1種以上を含有し、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金を造塊して得た鋳塊を、450℃以上該鋳塊の融点未満の温度で均質化処理した後、均質化処理温度から少なくとも250℃までは平均冷却速度25℃/h以上で冷却する均質化処理工程と、均質化処理後のアルミニウム合金鋳塊を450℃以上該鋳塊の融点未満の温度に加熱して押出加工を行う押出工程と、押出直後の押出材の表面温度が450℃以上に保持された状態で10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却するプレス焼入れ工程及び前記押出材を450℃以上押出材の融点未満の温度で溶体化処理した後10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却する焼入れ処理工程のいずれか一方の工程と、150〜200℃で2〜24時間の熱処理を施す焼戻し処理工程とからなり、前記押出材の最小肉厚をt(mm)、押出比をRとしたとき、押出材の表層部の再結晶層の厚さG(μm)がG≦0.326t×Rを満たす押出材を得ることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の耐食性に優れた高強度アルミニウム合金における合金成分の意義およびその限定理由について説明する。
Siは、Mgと共存してMg2 Siを析出してアルミニウム合金の強度を向上させる機能を有する。Siの好ましい含有範囲は0.5 %〜1.5 %であり、0.5 %未満ではその効果が十分でなく、1.5 %を越えると耐食性が低下する。Siのより好ましい含有範囲は0.7 %〜1.2 %である。
【0011】
Mgは、Siと共存してMg2 Siを析出し、更にCuと共存することによりCuMgAl2 を微細析出させ、アルミニウム合金の強度を向上させる。Mgの好ましい含有範囲は0.9 %〜1.6 %であり、0.9 %未満ではその効果が十分でなく、1.6 %を越えて含有すると耐食性が低下する。Mgのより好ましい含有範囲は0.9 %〜1.2 %である。
【0012】
Cuは、Si、Mgと同様に強度向上に寄与する元素成分であり、その好ましい含有範囲は0.8 %〜2.5 %である。0.8 %未満ではその効果が小さく、2.5 %を越えて含有すると製造が困難となり耐食性も低下する。Cuのより好ましい含有範囲は0.9 %〜2.0 %である。
【0013】
Mnは、熱間加工中の再結晶を抑制して繊維状組織とし、高強度を得るために重要な役割を演じる。Mnの好ましい含有範囲は0.5 %〜1.2 %であり、0.5 %未満では再結晶の抑制効果は不十分となり、1.2 %を越えると粗大な金属間化合物の生成及び熱間加工性の劣化を生じる。Mnのより好ましい含有範囲は0.6 %〜1.0 %である。
【0014】
本発明の高強度アルミニウム合金は、Si、Mg、Cu、Mnを必須成分とし、Si、Mg、Cu相互間の条件式(1) 〜(4) を満足する必要がある。これによって、金属間化合物の生成量、分布状態が制御され、アルミニウム合金にバランスの良い高強度及び耐食性が付与される。必須成分Si、Mg、Cuの合計含有量が3 %未満では所望の強度を得ることが出来ず、4 %を越えると耐食性が低下し、MgとSiの合計含有量が2.7 %を越えると耐食性が低下し、延性が劣化する。
【0015】
上記の本発明のアルミニウム合金に、選択成分として添加されるCr、Zr、V、Znは、結晶粒径を微細にする機能を有する。Cr、Zr、V、Znが、それぞれ下限値に満たないとその効果が小さく、上限値を越えると粗大な金属間化合物が生成し、伸び、靱性の低下等、押出材の機械的性質に悪影響を及ぼす。なお、本発明のアルミニウム合金には、通常、鋳塊組織微細化のために添加される少量のTi、Bが含まれていても本発明の特性が害されることはない。
【0016】
本発明のアルミニウム合金押出材においては、その表層部の再結晶層の厚みG(μm)が、G≦0.326t×R(条件式(5) )満たすことが重要である。本合金においては、焼入、焼戻によってAl−Mg−Si−Cuの4元化合物が微細に析出して高強度が達成されるが、この4元化合物は、プレス焼入工程もしくは焼入工程中に、再結晶層の粒界に優先的に析出して強度および耐食性を低下させる。従って、耐食性を維持しながら高強度を達成させるために再結晶層の制御が必要である。Gが0.326t×Rより大きくなると、粒界腐食を生じ易くなり、強度の低下も生じる。
【0017】
次いで、本発明のアルミニウム合金押出材の好ましい製造方法について説明すると、まず、上記した配合のアルミニウム合金素材の溶湯を、例えば、半連続鋳造により造塊し、その鋳塊を均質化処理工程で、450℃以上鋳塊の融点未満の温度で均質化処理し、均質化処理温度から少なくとも250℃までを、25℃/h以上の平均冷却速度で冷却して押出用ビレットとする。
【0018】
均質化処理温度が450℃未満では、均質化が十分に行われず、溶質元素の溶入化も不十分となって、押出直後に水冷する所謂プレス焼入れによって強度を得ようとしても十分な強度を得られない。均質化処理温度が鋳塊の融点以上の場合には、熱処理炉の汚染、アルミニウム合金素材の変形等があり工業的に実施が難しくなる。
【0019】
250℃までを平均冷却速度25℃/h以上の冷却速度で冷却することにより、均質化処理で溶入した溶質元素の固溶状態が維持され、高強度が達成される。冷却速度が25℃/hに満たないと、均質化処理で固溶した溶質成分が析出、且つ凝集して粗大となり、凝集化した成分は再固溶し難いから十分な強度が得難くなる。安定して高強度を得るために、より好ましい冷却速度は100℃/h以上である。
【0020】
均質化処理工程終了後、押出用ビレットを、押出加工工程において、450℃以上押出用ビレットの融点未満の温度に加熱して熱間押出を行い押出材を得る。この際、押出前の押出用ビレットの温度が450℃未満では、溶質元素の溶入化が不十分となり、プレス焼入れで十分な強度を得られず、その温度が融点以上になると押出操作中に割れを引き起こす。
【0021】
更に、押出直後の表面温度が450℃以上の温度に保持された状態の押出材を、プレス焼き入れ工程において10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却する。又は、上記の押出材を焼入れ処理工程に従い、雰囲気炉や塩浴炉等の熱処理炉で450℃以上押出材の融点未満の温度で溶体化処理した後、10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下まで冷却する。
【0022】
プレス焼入れ工程の際、押出材の表面温度が450℃未満では、溶質成分が析出する所謂焼入れ遅れが生じ、所望の強度が得られない。より好ましい押出材の表面温度は500℃以上である。更に、その冷却速度が10℃/秒に満たないと、冷却中に溶質成分の析出が生じ所望の強度が得らず、耐食性も低下する。より好ましい冷却速度は16℃/秒以上である。
【0023】
また、焼入れ処理工程の際、溶体化処理時の熱処理温度が450℃未満では、溶質元素の溶入化が不十分となり所望する強度を得られず、その温度が押出材の融点以上の場合には、熱処理炉の汚染、押出材の変形等があり工業的に実施が困難となる。更に、その冷却速度が10℃/秒に満たないと、プレス焼入れ工程の場合と同様に、冷却中に溶質成分の析出が生じて所望の強度が得らず、耐食性も低下する。より好ましい冷却速度は16℃/秒以上である。
【0024】
焼入れの終了した押出材は、焼戻し処理工程において150〜200℃で2〜24時間焼戻し処理を行い、最終製品とする。この際、焼戻し処理温度が150℃未満では、十分な強度を得るために24時間を越える焼戻し処理を行わなければならず、工業生産上不都合となり、200℃を越えると、最高到達強度が低くなる。更に、熱処理時間が2時間に満たないと十分な強度を得られず、24時間を越えると強度が低下する。
【0025】
【実施例】
実施例1
表1に示す組成を有するアルミニウム合金を半連続鋳造により造塊して、直径200mmの鋳塊を製造した。これらの鋳塊を530℃で8時間均質化処理をした後、530℃から250℃までを平均冷却速度250℃/hで冷却し、各押出用ビレットを得る。これらの各押出用ビレットを520℃で外径30mm、内径20mmの管形状に押出加工(押出比:80)した。
【0026】
次いで、得られた管状押出材を、540℃で溶体化処理した後、10秒以内に水冷による焼入れ処理を行い、焼入れ処理の3日後に、175℃で8時間の人工時効処理(焼戻し処理)を行い各管状押出材をT6材に調質した。これらのT6材を試験材として、以下の方法に従って、(1)引張試験、(2)粒界腐食試験を行い特性を評価した。
【0027】
(1)引張試験
JIS Z2241に基づいて、各試験片について引張強さ(UTS)、耐力(YS)、破断伸び(δ)を測定する。
(2)粒界腐食試験
塩化ナトリウム(NaCl)57g、30%H2 O2 10mlを蒸留水で1リットルに調整して試験液とし、この試験液を30℃にして各試験片を6時間浸漬し腐食減量を測定する。腐食減量が1.0%未満のものを耐食性良好と判断した。
【0028】
各試験材について、表層部の再結晶層厚(G)、0.326t×Rの値、引張特性および粒界腐食試験結果を表2に示す。表2にみられるように、本発明に従う試験材はいずれも、優れた強度と良好な耐食性をそなえている。なお、表層部の再結晶層厚(G)の測定は、表層部の粗大再結晶粒層の直角断面のミクロ組織を倍率100倍で写真撮影し、外形の輪郭線に垂直な直線を1測定当たり50本以上引き、これらの直線が粗大再結晶粒層を横切る長さを実測し、その実測値を平均することにより行った。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
比較例1
表3に示す組成のアルミニウム合金を半連続鋳造により造塊して、直径200mmの鋳塊を製造した。これらの鋳塊を、実施例1と同様に処理して管状押出材とし、更にT6材に調質した。これらのT6材を試験片として、実施例1と同じく、(1)引張試験、(2)粒界腐食試験を行い、特性を評価した。結果を表4に示す。なお、表3において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
表4に示すように、試験材No.12はMn量が多いため、粗大な金属間化合物が生成し伸びが低下した。試験材No.13は、Si、Mg、Cuの合計量が本発明の範囲から外れているため耐食性が劣る。試験材No.14、15は、それぞれMg量、Mg≦1.7×Siが本発明の範囲から外れているため耐食性が劣っている。試験材No.16、17は、それぞれMg、Siの合計量、Si量が本発明の範囲から外れているため耐食性が劣り、延性の低下が生じた。試験材No.18はMg量が多いため耐食性が劣っている。
【0035】
実施例2
表1に示す組成を有するアルミニウム合金Aを半連続鋳造により造塊して、直径200mmの鋳塊を製造した。この鋳塊を表5に示す各製造条件により処理して管状押出材を作製し、管状押出材を、表5に示す条件でプレス焼入れ又は焼入れ処理し、更に実施例1と同一の条件で焼戻し処理してT6材とした。
【0036】
得られたT6材を試験片として、表層部の再結晶層厚(G)を測定し、0.326t×Rを算出した。更に、実施例1と同様、(1)引張試験、(2)粒界腐食試験を行い、特性を評価した。評価結果を表6に示す。
【0037】
比較例30〜34
表1に示す組成を有するアルミニウム合金Aを半連続鋳造により造塊して、直径200mmの鋳塊を製造した。この鋳塊を表5に示す各製造条件により処理して管状押出材を作製し、管状押出材を、表5に示す条件でプレス焼入れ又は焼入れ処理し、更に実施例1と同一の条件で焼戻し処理してT6材とした。
【0038】
得られたT6材を試験片として、表層部の再結晶層厚(G)を測定し、0.326t×Rを算出した。更に、実施例1と同様、(1)引張試験、(2)粒界腐食試験を行い、特性を評価した。評価結果を表6に示す。なお、表5において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
【0039】
【表5】
《表注》均質化後冷却速度は均質化処理温度から250℃までの平均冷却速度
プレス焼入れの冷却速度は水冷前の材料温度から100℃までの平均冷却速度
焼入れ処理の冷却速度は溶体化処理温度から100℃までの平均冷却速度
溶体化処理加熱は雰囲気炉を使用
【0040】
【表6】
【0041】
表6に示すように、本発明の製造条件に従い試験材No.19〜29はいずれも、優れた強度と良好な耐食性を示した。これに対して、試験材No.30〜34はいずれも、強度、耐食性のいずれかにおいて劣っている。すなわち、試験材No.30は均質化処理後の冷却速度が小さいため、人工時効処理後の強度が低く耐食性の低下も生じた。試験材No.31は押出温度が本発明の範囲より低いため、溶質元素の十分な固溶が達成されず、強度が低くなり耐食性も低下した。試験材No.32はプレス焼入れ時の冷却速度が低いため、強度が劣り耐食性も低下した。試験材No.33は溶体化処理後の冷却速度が小さいため、高強度が得られず耐食性も低い。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、耐食性に優れ、高強度で、押出性も良好なアルミニウム合金押出材及びその製造方法が提供される。当該アルミニウム合金は、従来の鉄系の構造材に代わって自動車、鉄道車両、航空機等の輸送機器の構造材として好適に使用することが出来る。
Claims (1)
- Si:0.5%(重量%、以下同じ)〜1.5%、Mg:0.9%〜1.6%、Cu:0.8%〜2.5%を含有すると共に、下記の条件式(1)、(2)、(3)、(4)を満足し、
3≦Si%+Mg%+Cu%≦4 --- (1)
Mg%≦1.7×Si% --- (2)
Mg%+Si%≦2.7 --- (3)
Cu%/2≦Mg%≦(Cu%/2)+0.6 --- (4)
更にMn:0.8%〜1.2%を含有し、更にCr:0.02%〜0.4%、Zr:0.03%〜0.2%、V:0.03%〜0.2%、Zn:0.03%〜2.0%のうちの1種以上を含有し、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金を造塊して得た鋳塊を、450℃以上該鋳塊の融点未満の温度で均質化処理した後、均質化処理温度から少なくとも250℃までは平均冷却速度25℃/h以上で冷却する均質化処理工程と、均質化処理後のアルミニウム合金鋳塊を450℃以上該鋳塊の融点未満の温度に加熱して押出加工を行う押出工程と、押出直後の押出材の表面温度が450℃以上に保持された状態で10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却するプレス焼入れ工程及び前記押出材を450℃以上押出材の融点未満の温度で溶体化処理した後10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却する焼入れ処理工程のいずれか一方の工程と、150〜200℃で2〜24時間の熱処理を施す焼戻し処理工程とからなり、前記押出材の最小肉厚をt(mm)、押出比をRとしたとき、押出材の表層部の再結晶層の厚さG(μm)がG≦0.326t×Rを満たす押出材を得ることを特徴とする耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材の製造方法。
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