JP4201419B2 - 汚泥脱水剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥脱水剤、特に下水、し尿処理場および各種産業排水の生物性汚泥およびその他汚泥との混合汚泥を脱水処理するのに適した汚泥脱水剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下水、し尿処理場および各種産業排水の生物性汚泥の余剰汚泥は、主としてカチオン性高分子凝集剤を添加して、遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリュウプレス脱水機等で脱水して処理されている。また、近年、汚泥の脱水性を向上するために、架橋性を有する多官能性単量体の存在下、逆相乳化重合法により得られた、カチオン性高分子凝集剤が特開昭64−85199や特開平2−219887に提案されている。
【0003】
上記カチオン性高分子凝集剤は特開平7−313997に記載されているように単独、或いは特開平7−313999に記載されているように無機凝結剤と併用した場合、従来のカチオン性高分子凝集剤単独に比べ凝集性や脱水性は改善されるが、難脱水性の汚泥が発生するオキシデーションデッチ法を使用した場合や機械脱水における高負荷運転した場合等の難脱水条件の場合には、汚泥の処理量を上げることが困難であり、上げられる場合でもかなり多くの高分子凝集剤の添加が必要で経済性を損なう問題があり、凝集性能の一層の向上が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、汚泥の脱水性を高めることにより、より少ない添加量において、単位時間当たりの汚泥処理量を向上させる経済性良好なる汚泥脱水剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者はこれらの課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の溶液粘度を有するカチオン性高分子と特定の両性高分子の混合物からなる汚泥脱水剤が極めて優れた汚泥脱水効果が発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1は、1M−塩化ナトリウム中でその0.1重量%溶解液の溶液粘度が4.0mPa・s以上であるカチオン性高分子(A)と、カチオン性単量体、酸基の3〜30モル%がアルカリにより中和されてなるアニオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドを重合して得られる両性高分子(B)を10〜90:90〜10、好ましくは20〜80:80〜20の重量比で混合してなる汚泥脱水剤である。
【0007】
本発明の第2は、上記カチオン性高分子(A)と、カチオン性単量体、アニオン性単量体、(メタ)アクリルアミド及びこれらの全単量体重量に対して3〜30ppmの多官能性単量体を重合して得られる両性高分子(C)を10〜90:90〜10、好ましくは20〜80:80〜20の重量比で混合してなる汚泥脱水剤である。
【0008】
本発明の第3は、カチオン性高分子(A)と、両性高分子(B)及び両性高分子(C)の混合物(D)を10〜90:90〜10、好ましくは20〜80:80〜20の重量比で混合してなる汚泥脱水剤である。
【0009】
【発明の実態の形態】
上記の如く、本発明の汚泥脱水剤はカチオン性高分子(A)と両性高分子(B)および/または(C)の混合物よりなる。
本発明のカチオン性高分子(A)は、カチオン性単量体の単独重合体もしくはカチオン性単量体とノニオン性単量体の共重合体である。カチオン性単量体としては、特に限定されないが、4級アンモニウム基および/または3級アミノ基を有するビニル単量体等であり、例えばジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、又はこれらの塩酸塩、硫酸塩、メチルクロライド第4級塩、ジメチル硫酸第4級塩、およびベンジルクロライド第4級塩等があり、これらの1種または2種以上を使用することができる。ノニオン性単量体としては、特に限定されないが、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等があり、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0010】
カチオン性高分子(A)に使用されるカチオン性単量体とノニオン性単量体のモル比は、好ましくは15〜100:0〜85である。また、カチオン性高分子(A)は、1M−塩化ナトリウム中に0.1重量%溶解液とした時、BL粘度計のBLアダプターで測定される溶液粘度が4.0mPa・s以上、好ましくは4.5mPa・s以上7.0mPa・s以下である。溶液粘度が4.0mPa・s未満の場合には目的とする汚泥の脱水性が改良された汚泥脱水剤が得られない。
【0011】
両性高分子(B)は、アニオン性単量体とカチオン性単量体および(メタ)アクリルアミドを水溶液中で共重合することにより得られる。アニオン性単量体としては、特に限定されないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およびシトラコン酸等があり、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。中でもアクリル酸及び/又はメタクリル酸の使用が好ましい。両性高分子(B)の合成に際し、アニオン性単量体の酸基の3〜30モル%をアルカリにより中和して使用することが本発明上必須である。酸基の中和が3モル%未満もしくは30%超の場合には好ましい汚泥脱水剤が得られない。中和に使用するアルカリは特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水酸化アンモニウム等が挙げられる。カチオン性単量体としては、前記のカチオン性高分子(A)に使用する単量体の1種もしくは2種以上を使用できる。
【0012】
また、両性高分子(B)に使用される共重合性単量体の比率は、モル比でアニオン性単量体:カチオン性単量体:(メタ)アクリルアミド=5〜30:10〜60:10〜85が好ましく、アニオン性単量体1モルに対しカチオン性単量体は1.5〜6.0モルで使用することが好ましい。また、必要に応じて他のノニオン性単量体、例えば(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を使用してもよい。
【0013】
両性高分子(C)は、例えばアニオン性単量体、カチオン性単量体、(メタ)アクリルアミド及びこれらの全単量体重量に対し3〜30ppmの多官能性単量体を水溶液中で混合した後、共重合することにより得られる。多官能性単量体が3ppm未満もしくは30ppm超の場合には目的とする汚泥脱水剤が得られない。
【0014】
両性高分子(C)に使用するアニオン性単量体、カチオン性単量体は前記両性高分子(B)の場合と同様であるが、アニオン性単量体の酸基のアルカリによる中和は必須ではない。多官能性単量体としては、例えばN,Nーメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物、メチロール(メタ)アクリルアミドなどのビニル系メチロール化合物、アクロレインなどのビニル系アルデヒド化合物、メチル(メタ)アクリルアミドグリコレートメチルエーテル等のビニル系エーテル化合物等が挙げられる。また、両性高分子(C)におけるアニオン性単量体、カチオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドの使用比率は両性高分子(B)の合成の場合と同様である。また、必要に応じて他のノニオン性単量体、例えば(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を使用してもよい。
【0015】
カチオン性高分子(A)、両性高分子(B)及び両性高分子(C)は、例えば1種または2種以上の疎水性液体からなる油相、必要な単量体を含む水相、および油中水型エマルションを生成させるのに有効な界面活性剤を混合した後、重合開始剤を添加し、これらの共重合性単量体を重合することにより、分散層である高分子物質を含む水層粒子の数平均粒径が未膨潤の状態で0.1μm〜10μmである油中水系エマルションとして得ることができる。界面活性剤としては、例えばソルビタンモノオレエートのようなソルビタンエステル系、グリコールモノオレエートのような脂肪酸エステル系などを、モノマーと水の合計重量に対し例えば0.5〜10%、好ましくは1〜5%用いることができる。合成に際し、必要に応じ連鎖移動剤やキレート剤を添加する。油中水系エマルションの重合方法は特開昭63−90510号や特開昭63−232888号に開示されている。
【0016】
また、カチオン性高分子(A)、両性高分子(B)および両性高分子(C)は、水層のみの中で共重合することにより水溶液として得ることもできる。さらに、これらの高分子はそれぞれ、油層や水層の溶剤を除去し、粉砕することにより粉末として得ることもできる。これらの高分子は分子量が大きいので、これらの水溶液は油中水系エマルションとして得る場合に比べて粘性が高く、濃度を低下させて稀薄溶液として取扱うのが好ましい。また、粉体として得る場合は、水に溶解して使用しなければならい。この点でこれらの高分子は油中水系エマルションとして得られたものが好ましいが、水溶液や粉末として得られた高分子を使用した場合も本発明の範囲に含まれる。
【0017】
各高分子を混合して本発明の汚泥脱水剤として使用する場合、これらの高分子の混合比率は、重量比でカチオン性高分子(A):両性高分子(B)及び/又は両性高分子(C)=10〜90:90〜10、好ましくは20〜80:80〜20である。カチオン性高分子(A)ないしは両性高分子(B)及び/又は両性高分子(C)のいずれか一方の混合比率が重量比で10%未満の場合には目標とする汚泥脱水効果は不十分となる傾向にある。
【0018】
カチオン性高分子(A)、両性高分子(B)および両性高分子(C)をそれぞれ油中水系エマルションによる方法で得る場合、分散層である高分子物質の数平均粒子径は未膨潤の状態で0.1μm〜10μm、好ましくは0.8〜5μmである。高分子物質の粒子径が0.1μm未満では目標とする汚泥脱水効果が不十分となる傾向にあり、10μm超ではエマルションの安定性が低下し凝集沈殿を生じ実用に適さなくなる傾向にある。
【0019】
油中水系エマルションによる方法で得られるカチオン性高分子(A)、両性高分子(B)および両性高分子(C)を混合使用する場合、例えば各々の油中水系エマルションを所望の比率で混合した後、水中へ投入し、水溶液に転相して使用する。その際、水溶液への転相を容易にするため、通常上記の油中水系エマルション混合物に予め転相用界面活性剤を添加しておくか、あるいは、水中へ投入した直後に転相用界面活性剤を添加する。
【0020】
本発明の汚泥脱水剤が適用される汚泥の種類に制限はないが、下水処理場やし尿処理場の生物性汚泥や混合汚泥、並びに、一般産業廃水処理で生じる生物性汚泥、並びに、凝集汚泥を含む混合汚泥等に特に効果がある。また、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、塩化第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、ポリ鉄(ポリ硫酸鉄、ポリ塩化鉄)、アルミン酸ソーダ等の無機凝結剤が予め含まれている汚泥や、これらの無機凝結剤の1種または2種以上が後から添加された汚泥についても本発明の汚泥脱水剤は効果がある。
【0021】
本発明の汚泥脱水剤の使用方法は、処理する汚泥の諸性状の相違により特定するものではないが、一般的な使用方法は、0.2〜1.0重量%の水溶液(汚泥脱水水溶液と称す)としたものを汚泥の蒸発残留分重量に対して、汚泥脱水水溶液中に含まれる有効成分(本発明の高分子重合体)で0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜2重量%を添加し、汚泥のフロック形成を促進することである。こうして得られた汚泥のフロックは、ベルトプレス、スクリュウプレス、フィルタープレス等の圧搾脱水機、または、遠心分離機、真空濾過機等の圧力脱水機で脱水処理される。本発明の汚泥脱水剤を使用することにより、これらの脱水機による脱水効率もしくは単位時間当たりの汚泥処理量が向上し、経済性を高めることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
高分子化合物の溶液粘度は以下の方法に従った。1000ppmの高分子化合物を含む水溶液50mlに塩化ナトリウム2.92gを加え溶解した試料を25℃に保ち、BL型回転粘度計にてBLアダプターを用い60rpmの回転数で測定する。得られた指示値を粘度計の補正式に従い計算し、当該高分子化合物の溶液粘度とする。
【0023】
実施製造例1
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル4級化物(以下、DAqと称す)101.2gおよびアクリルアミド(以下、AMDと称す)69.0gを1000ml四つ口セパラブルフラスコに投入し、蒸留水を加えて、全量が400gの単量体水溶液になるように調製した。この単量体水溶液に、全単量体重量に対し0.3重量%のイソプロピルアルコール(以下、IPAと称す)を加えた。さらに、この単量体水溶液をHLB4.2のノニオン性界面活性剤9.9gを溶解したパラフィン油160gに加え、ホモジナイザーにて高速撹拌し乳化した。撹拌機を通常の化学反応用の撹拌機に代え、撹拌しながらこの乳化液中に30分間窒素ガスを通し脱気した後、窒素ガス雰囲気下で重合開始剤の水溶性アゾ触媒を添加し共重合反応を行った。反応終了後、HLBが13.0のノニオン性界面活性剤10.5gを加えて溶解しカチオン性高分子化合物(A−1)を得た。(A−1)の各単量体のモル比は、カチオン性単量体(DAq):ノニオン性単量体(AMD)=35:65である。(A−1)の溶液粘度は、4.9mPa・sである。
【0024】
実施製造例2
実施製造例1で各単量体のモル比を、カチオン性単量体(DAq):ノニオン性単量体(AMD)を15:85に代えた他は同様の操作をしてカチオン性高分子化合物(A−2)を得た。(A−2)の溶液粘度は、5.4mPa・sである。
【0025】
比較製造例1
実施製造例1で単量体水溶液に加えるIPAの量を3.0重量%に代えた他は同様の操作をしてカチオン性高分子化合物(A−3)を得た。(A−3)の溶液粘度は、3.2mPa・sである。
【0026】
実施製造例1〜2、および比較製造例1で示されたカチオン性高分子(A−1)〜(A−3)について、溶液粘度と粒子径を測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004201419
【0028】
実施製造例3
DAq96.7g、AMD70.9gおよびアクリル酸(以下、AcAと称す)12.0gを1000ml四つ口セパラブルフラスコに投入し、350gの蒸留水を加え、さらに、アニオン性単量体の一部を中和するために50%水酸化ナトリウム溶液0.4gを加えた後、再び蒸留水を加えて、全量が400gの単量体水溶液になるように調製した。この単量体水溶液に、全単量体重量に対し0.3重量%のIPAを加えた。さらに、この単量体水溶液をHLB4.2のノニオン性界面活性剤9.9gを溶解したパラフィン油160gに加え、ホモジナイザーにて高速撹拌し乳化した。撹拌機を通常の化学反応用の撹拌機に代え、撹拌しながらこの乳化液中に30分間窒素ガスを通し脱気した後、窒素ガス雰囲気下で重合開始剤の水溶性アゾ触媒を添加し共重合反応を行った。反応終了後、HLBが13.0のノニオン性界面活性剤10.5gを加えて溶解し両性高分子化合物(B−1)を得た。(B−1)の各単量体のモル比は、カチオン性単量体(DAq):アニオン性単量体(AcA):ノニオン性単量体(AMD)=30:10:60である。また、アニオン性単量体(AcA)の中和度は3モル%である。
【0029】
実施製造例4
実施製造例3で単量体水溶液に加える50%水酸化ナトリウム溶液を1.3gに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(B−2)を得た。アニオン性単量体(AcA)の中和度は10モル%である。
【0030】
実施製造例5
実施製造例3で単量体水溶液に加える50%水酸化ナトリウム溶液を2.7gに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(B−3)を得た。アニオン性単量体(AcA)の中和度は20モル%である。
【0031】
実施製造例6
実施製造例3で単量体水溶液に加える50%水酸化ナトリウム溶液を4.0gに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(B−4)を得た。アニオン性単量体(AcA)の中和度は30モル%である。
【0032】
比較製造例2
実施製造例3で単量体水溶液に50%水酸化ナトリウム溶液を加えない他は同様の操作をして両性高分子化合物(B−5)を得た。アニオン性単量体(AcA)の中和度は0モル%である。
【0033】
比較製造例3
実施製造例3で単量体水溶液に加える50%水酸化ナトリウム溶液を6.7gに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(B−6)を得た。アニオン性単量体(AcA)の中和度は50モル%である。
【0034】
実施製造例3〜6、および比較製造例2〜3で示された両性高分子(B−1)〜(B−6)について、溶液粘度及び粒子径を測定した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0004201419
【0036】
実施製造例7
DAq96.7g、AMD70.9gおよびAcA12.0gを1000ml四つ口セパラブルフラスコに投入し、350gの蒸留水を加え、さらに、多官能性単量体としてメチレンビスアクリルアミド(以下、MBAと称す)0.54mgを加えた後、再び蒸留水を加えて、全量が400gの単量体水溶液になるように調製した。この単量体水溶液に、全単量体重量に対し0.3重量%のIPAを加えた。さらに、この単量体水溶液をHLB4.2のノニオン性界面活性剤9.9gを溶解したパラフィン油160gに加え、ホモジナイザーにて高速撹拌し乳化した。撹拌機を通常の化学反応用の撹拌機に代え、撹拌しながらこの乳化液中に30分間窒素ガスを通し脱気した後、窒素ガス雰囲気下で重合開始剤の水溶性アゾ触媒を添加し共重合反応を行った。反応終了後、HLBが13.0のノニオン性界面活性剤10.5gを加えて溶解し両性高分子化合物(C−1)を得た。C−1の各単量体のモル比は、カチオン性単量体(DAq):アニオン性単量体(AcA):ノニオン性単量体(AMD)=30:10:60である。また、DAq、AMD及びAcAの全重量に対する多官能性単量体(MBA)の重量は3ppmである。
【0037】
実施製造例8
実施製造例7で単量体水溶液に加えるMBAを0.90mgに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(C−2)を得た。DAq、AMD及びAcAの全重量に対する多官能性単量体(MBA)の重量は5ppmである。
【0038】
実施製造例9
実施製造例7で単量体水溶液に加えるMBAを1.79mgに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(C−3)を得た。DAq、AMD及びAcAの全重量に対する多官能性単量体(MBA)の重量は10ppmである。
【0039】
実施製造例10
実施製造例7で単量体水溶液に加える加えるMBAを5.39mgに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(C−4)を得た。DAq、AMD及びAcAの全重量に対する多官能性単量体(MBA)の重量は30ppmである。
【0040】
比較製造例4
実施製造例7で単量体水溶液にMBAをを加えない他は同様の操作をして両性高分子化合物(C−5)を得た。DAq、AMD及びAcAの全重量に対する多官能性単量体(MBA)の重量は0ppmである。
【0041】
比較製造例5
実施製造例7で単量体水溶液に加える加えるMBAを8.96mgに代えた他は同様の操作をして両性高分子化合物(C−6)を得た。DAq、AMD及びAcAの全重量に対する多官能性単量体(MBA)の重量は50ppmである。
【0042】
実施製造例7〜10、および比較製造例4〜5で示された両性高分子(C−1)〜(C−6)について、溶液粘度を測定した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0004201419
【0044】
実施例1−3および比較例1−6
し尿処理場から採取した混合汚泥(固形物濃度2.3%、pH6.5)150mlを300mlビーカーに取り、これに表4に示すカチオン性高分子(A)と両性高分子化合物(B)および/または(C)を表4に示す重量比で含む混合物からなる脱水剤を0.2重量%の水溶液として表4に示す量添加し、英国トライトン社製CSTミキサーで1000rpm、30秒撹拌した。生成したフロックのサイズを目視にて判定し、次に60メッシュのステンレス製濾過管上に注ぎ、10秒後の濾水量をメスシリンダーにて測定した。
ステンレス製濾過管上に残った汚泥を、60メッシュのナイロン布に包み、円沈管式遠心分離器で2000rpm、5分間脱水することにより、ナイロン布から洩れた汚泥を目視で観察し、脱水ケーキを得た。この脱水ケーキは常法によりケーキ含水率を測定した。以上の結果を表−4に示す。
【0045】
【表4】
Figure 0004201419
【0046】
実施例4−7および比較例7
化学工場から採取した汚泥(固形物濃度2.4%、pH6.7)150mlを300mlビーカーに取り、これに表5に示すカチオン性高分子(A)と両性高分子化合物(B)を表5に示す重量比で含む混合物からなる脱水剤を0.2重量%の水溶液として表5に示す量添加し、英国トライトン社製CSTミキサーで1000rpm、30秒撹拌した。生成したフロックのサイズを目視にて判定し、次に60メッシュのステンレス製濾過管上に注ぎ、10秒後の濾水量をメスシリンダーにて測定した。
ステンレス製濾過管上に残った汚泥を、60メッシュのナイロン布に包み、円沈管式遠心分離器で2000rpm、5分間脱水することにより、メッシュから洩れた汚泥を目視で観察し、脱水ケーキを得た。この脱水ケーキは常法によりケーキ含水率を測定した。以上の結果を表−5に示す。
【0047】
【表5】
Figure 0004201419
【0048】
実施例8−11および比較例8
化学工場から採取した汚泥(固形物濃度2.7%、pH6.8)150mlを300mlビーカーに取り、これに表6に示すカチオン性高分子(A)と両性高分子化合物(C)を表6に示す重量比で含む混合物からなる脱水剤を0.2重量%の水溶液として表6に示す量添加し、英国トライトン社製CSTミキサーで1000rpm、30秒撹拌した。生成したフロックのサイズを目視にて判定し、次に60メッシュのステンレス製濾過管上に注ぎ、10秒後の濾水量をメスシリンダーにて測定した。
ステンレス製濾過管上に残った汚泥を、60メッシュのナイロン布に包み、円沈管式遠心分離器で2000rpm、5分間脱水することにより、ナイロン布から洩れた汚泥を目視で観察し、脱水ケーキを得た。この脱水ケーキは常法によりケーキ含水率を測定した。以上の結果を表−6に示す。
【0049】
【表6】
Figure 0004201419
【0050】
実施例12−13および比較例9−11
表7に示すカチオン性高分子(A−1)と両性高分子化合物(C−2)で混合比20:80の混合物からなる脱水剤、両性高分子化合物(C−2)及び両性高分子化合物(B−2)を0.4重量%の水溶液として、実際の汚泥脱水用遠心脱水機に表7に示す量注入し、滋賀県、Aし尿処理場の混合汚泥(固形物濃度2.3%、pH6.6、粗浮遊物2.9%/TS、電気伝導度540μS/cm)を6.0m3/hrの汚泥供給速度(汚泥処理量)にて脱水処理を行った。遠心脱水機より排出される脱離液および汚泥脱水ケーキを採取し、常法により脱離液の汚泥SS量およびケーキ含水率を測定した。以上の結果を表−7に示す。
【0051】
【表7】
Figure 0004201419
【0052】
【発明の効果】
以上の実施例、比較例から明らかなように本発明の汚泥脱水剤を用いると、難脱水性汚泥や難脱水条件に対しても、より少ない添加量において、より大きな汚泥凝集フロックと高い濾水量が得られ、得られるケーキ含水率も著しく低下し、良好な処理が可能となる。

Claims (10)

  1. 1M−塩化ナトリウム中でその0.1重量%溶解液の溶液粘度が4.0mPa・s以上であるカチオン性高分子(A)と、カチオン性単量体、酸基の3〜30モル%がアルカリにより中和されてなるアニオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドを重合して得られる両性高分子(B)を10〜90:90〜10の重量比で混合してなる汚泥脱水剤。
  2. カチオン性高分子(A)と、カチオン性単量体、アニオン性単量体、(メタ)アクリルアミド及びこれらの全単量体重量に対して3〜30ppmの多官能性単量体を重合して得られる両性高分子(C)を10〜90:90〜10の重量比で混合してなる汚泥脱水剤。
  3. 1M−塩化ナトリウム中でその0.1重量%溶解液の溶液粘度が4.0mPa・s以上であるカチオン性高分子(A)と、カチオン性単量体、酸基の3〜30モル%がアルカリにより中和されてなるアニオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドを重合して得られる両性高分子(B)及びカチオン性単量体、アニオン性単量体、(メタ)アクリルアミド及びこれらの全単量体重量に対して3〜30ppmの多官能性単量体を重合して得られる両性高分子(C)の混合物(D)を10〜90:90〜10の重量比で混合してなる汚泥脱水剤。
  4. カチオン性高分子(A)は、85モル%以下の(メタ)アクリルアミドと15モル%以上のカチオン性単量体の1種または2種以上を重合して得られる請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚泥脱水剤。
  5. カチオン性単量体はジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、又はこれらの塩酸塩、硫酸塩、メチルクロライド第4級塩、ジメチル硫酸第4級塩、ベンジルクロライド第4級塩から選ばれた1種以上である請求項4の汚泥脱水剤。
  6. 両性高分子(B)は、(メタ)アクリルアミド、カチオン性単量体の1種または2種以上及びアニオン基の3〜30モル%がアルカリにより中和されてなるアニオン性単量体を重合して得られ、(メタ)アクリルアミド:カチオン性単量体:アニオン性単量体のモル比が10〜85:10〜60:5〜30であり、かつアニオン性単量体:カチオン性単量体のモル比が1:1.5〜6.0である請求項1又は3の汚泥脱水剤。
  7. カチオン性単量体はジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、又はこれらの塩酸塩、硫酸塩、メチルクロライド第4級塩、ジメチル硫酸第4級塩、ベンジルクロライド第4級塩から選ばれた1種以上であり、アニオン性単量体は(メタ)アクリル酸である請求項6の汚泥脱水剤。
  8. 両性高分子(C)は(メタ)アクリルアミド、カチオン性単量体の1種または2種以上、アニオン性単量体及びこれらの全単量体重量に対して3〜30ppmの多官能性単量体を重合して得られ、(メタ)アクリルアミド:カチオン性単量体:アニオン性単量体のモル比が10〜85:10〜60:5〜30であり、かつアニオン性単量体:カチオン性単量体のモル比が1:1.5〜6.0である請求項2〜3のいずれか1項記載の汚泥脱水剤。
  9. カチオン性単量体はジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、又はこれらの塩酸塩、硫酸塩、メチルクロライド第4級塩、ジメチル硫酸第4級塩、ベンジルクロライド第4級塩から選ばれた1種以上であり、アニオン性単量体は(メタ)アクリル酸である請求項8の汚泥脱水剤。
  10. カチオン性高分子(A)、両性高分子(B)または両性高分子(C)は1種または2種以上の疎水性液体からなる油相、原料である単量体を含む水相及び油中水型エマルションを生成させるのに有効な界面活性剤を混合した後、これらを重合することによりエマルションとして得られ、該エマルション粒子の未膨潤状態における数平均粒径が0.1μm〜10μmである高分子重合体からなる請求項1〜9項のいずれか1項記載の汚泥脱水剤。
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