JP4201317B2 - 回転偏向装置、これを用いた光書込み装置及びレーザ走査型ディスプレイ - Google Patents

回転偏向装置、これを用いた光書込み装置及びレーザ走査型ディスプレイ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転偏向装置、これを用いた光書込み装置及びレーザ走査型ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばレーザ光を一方向に偏向走査して感光体上に潜像を形成するレーザプリンタなどでは、レーザ光の偏向走査手段として回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いた回転偏向装置が広く利用されている。
【0003】
ポリゴンミラーを用いた回転偏向装置の回転駆動機構(軸受機構)としては、例えば、空気動圧軸受機構がある。このような空気動圧軸受機構では、回転速度30,000rpmレベルのものが実用化されており、50,000rpmレベルの報告例もあり、汎用的で量産コストが安いというメリットがある。
【0004】
しかし、空気動圧軸受機構の場合、回転数の上昇に伴い流体粘性抵抗に起因して軸部が発熱するので、これ以上の高速化が難しい。
【0005】
より高速の回転速度が得られる軸受方式としては、磁気浮上軸受が注目されている。磁気浮上軸受は、ロータとステータとが非接触であるため、接触による摩擦熱が発生しないという特徴があり、高速回転に適した方式と考えられる。製品としては、回転を安定させるために、6自由度のうち、回転を除く5軸の全てを能動的に制御する5軸制御型磁気浮上軸受が提案、実用化されており、100,000rpmを超える高速回転が得られ、工作機械などの用途に利用されている。
【0006】
この5軸制御型磁気浮上軸受に関する出願も多数あり、ターボ分子ポンプ応用に関するものが多い。ターボ分子ポンプ応用においては、ポンプ吸引動作に伴いロータに負荷がかかるので、回転が不安定状態に陥る場合があり、このような不安定状態を検知する技術をもって一旦回転を止めるなどの方法により、危険を回避しており、この課題に属する出願が多い。
【0007】
しかし、5軸制御型磁気浮上軸受は、磁力制御系が複雑であり、磁気によるエネルギー損失が比較的多い上に、コストも高く、装置の小型化にも課題が多い。このため、5軸制御型磁気浮上軸受を、ポリゴンミラー等を用いた回転偏向装置の軸受として採用することは原理的には可能であるが、装置のコストや大きさの点から課題があり、現実的には不適な方式である。
【0008】
また、より高速の回転速度が得られる軸受として、永久磁石による反発型磁気浮上軸受も提案されている。この反発型磁気浮上軸受は、ロータ側永久磁石とステータ側永久磁石とを対向させることで生じる反発力を利用して受動的にバランス制御を行う軸受であって、上述の5軸制御型磁気浮上軸受に比べると、機構制御に要する装置構成は極めて簡素である。即ち、反発型磁気浮上軸受においては、回転を除く5軸のうちの1軸のみを能動的に制御し、他の4軸においては永久磁石間の反発力によって受動的に磁力バランスをとることができ、1軸制御型磁気浮上軸受として構成でき、ロータを安定して回転させることができる。
【0009】
このような反発型磁気浮上軸受を用いた1軸制御型磁気浮上軸受として、ロータをステータの外側に配設するアウターロータ構成のものが特開2002−81445公報等により提案されている。
【0010】
また、反発型磁気浮上軸受を用いた1軸制御型磁気浮上軸受として、ロータをステータの内側に配設するインナーロータ構成のものが特開平8−33269号公報、特開平9−105413号公報等により提案されている。特開平8−33269号公報では、1軸制御型インナーロータ構成のターボ分子ポンプにおいて、受動型磁気軸受(反発型磁気浮上軸受)を軸方向の異なる位置に2つ設け、各々に半径方向振動を抑制する減衰機構を設けている。特開平9−105413号公報でも、1軸制御型インナーロータ構成の軸受に関して複雑な減衰部材保持機構をステータに設けることでロータの径方向の振動を抑制するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特開2002−81445公報等に示されるアウターロータ構成の1軸制御型磁気浮上軸受は、ポリゴンミラー等を用いた回転偏向装置の軸受として採用することはできるが、磁石径が大きい場合、形状均一性や着磁均一性に優れたロータ磁石の作製が必ずしも容易でない不具合がある。これらの特性が悪いと、回転のむらやぶれが生じてしまう。
【0012】
また、特開平8−33269号公報等に示される構成例では、反発型磁気浮上軸受に関して、永久磁石のSN極の磁極の方向を半径方向に配置させ、ロータ側永久磁石とステータ側永久磁石との対向面の極性を同極とすることで反発力を生じさせているが、このような構成では、装置の組付けが難しい上に、強い反発力を出させることが難しい(反発力を強くするには永久磁石を大きくする必要がある)等の不具合がある。特に、特開平9−105413号公報の場合には、複雑な減衰部材保持機構を設けているものでもあり、これらの点を考慮すると、ターボ分子モータのように装置が比較的大きい場合には実装可能といえるが、小型化を意図しているポリゴンミラー等を用いた回転偏向装置の軸受としては組付け・実装が困難といえる。
【0013】
また、別の問題として、回転体固有の固有振動によって回転動作が不安定になる回転速度(この速度を、本明細書中では危険速度という)の問題がある。このとき、ロータがステータに局所的に接触すると、回転系のバランスが崩れて回転動作が不安定になり、回転速度の向上を阻害することとなる。この点、従来の1軸制御型で開示されているロータ振動に伴うステータとの接触を回避する対策は、ステータの一部を可動的な構造とすることで、ロータがステータに接近するとステータがロータから逃げるというようなダンパによる振動抑制手段である。この場合、このようなダンパは特定の周波数に対しては有効に機能するが、回転系が持つ共振周波数は通常複数あるので、これらの複数の周波数全てに対して有効に機能するダンパを構成することは難しいものと思われる。
【0014】
即ち、永久磁石の反発力を利用した磁気浮上軸受の場合、永久磁石対によって受動安定となる軸は、能動制御での剛性に比べ、小さくかつ一定であるため、瞬時的な外乱や撹乱が加わる装置への応用には不向きであり、回転のみを利用する装置への適用が不可欠とされている。このような観点から、円筒型の永久磁石による反発力を利用した完全非接触の磁気浮上軸受の事例は、付帯的な使用や低回転若しくは無回転での使用などがあるが、小型かつ高速回転を実現した例としては上述したようなターボ分子ポンプに限定されているのが現状である。
【0015】
本発明の目的は、より簡易な制御構成が可能な1軸制御型磁気浮上軸受を用いて1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図れる回転偏向装置を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、半径方向にロータ軸がずれても戻りやすくし、浮上制御の容易化を図れる回転偏向装置を提供することである。
【0017】
本発明の目的は、回転トルクを下げ、回転駆動機構の駆動電流値を下げることで、消費電力を低下させ得る回転偏向装置を提供することである。
【0018】
本発明の目的は、ロータ回転の安定性向上を図り、高速化を実現するために、ロータの高剛性化を図れる回転偏向装置を提供することである。
【0019】
本発明の目的は、危険速度域を安定して脱出できる回転偏向装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の回転偏向装置は、位置固定されたステータと、このステータに内装されて回転軸方向を鉛直方向とするロータ軸を有するロータと、前記ロータ軸を回転駆動する回転駆動機構と、永久磁石の反発により前記ステータに対して前記ロータ軸を浮上させるよう半径方向に軸受する1軸制御型磁気浮上軸受と、前記ロータの浮上位置制御を含む姿勢を制御する制御機構と、前記ロータ軸の重心付近に結合されて入射した電磁波を反射させる偏向機能素子と、を備え、前記制御機構が、少なくとも、前記ロータに対して軸方向に離間させて取付けられた上下一対の吸引板と前記ステータ側に設けられて前記上下一対の吸引板の上部の吸引板を上向きに吸引し、下部の吸引板を下向きに吸引する上下一対のロータ浮上制御用電磁石とによる軸方向吸引制御機構と、これらのロータ浮上制御用電磁石に対する通電制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
ここに、電磁波としてはレーザ光が該当するが、レーザ光に限らず、赤外線からX線に至る電磁波全般が適用可能である。また、偏向機能素子としては、入射した電磁波を直接的に反射させる回転多面鏡が典型例となるが、このような回転多面鏡に限らず、入射した電磁波を反射させるものであれば、その途中で透過・回折等の過程を経るものであってもよい。
【0022】
従って、ロータがステータに内装されるインナーロータ構成にするとともに偏向機能素子をロータ軸の重心付近に結合させることにより、回転むらや回転ぶれを少なくすることが容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。即ち、1軸制御型磁気浮上軸受を構成するロータ側磁石やステータ側磁石を小径で厚さを増した構造にすることが容易となり、この結果、これらの磁石の形状精度や着磁均一性が高くなり、かつ、剛性が高くなるとともに磁力分布の均一性も高くなることから回転性能が安定することとなる。
【0023】
前記1軸制御型磁気浮上軸受は、前記ロータ軸の上下両端部付近に結合された一対のロータ磁石と、各々の前記ロータ磁石に対して永久磁石の反発力が作用するよう対向させて前記ステータに取付けられた一対のステータ磁石と、により構成されるようにしてもよい。
【0024】
従って、磁気的な反発力が作用するロータ磁石とステータ磁石との組を2組具備するが、これらをロータ軸の端の方に配設するようにすれば、ロータ軸の振動に対する剛性を高めることができ、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となるようにすることができる。即ち、装置の小型化を図るためには軸長を短く構成することとなるが、この際、ロータ磁石とステータ磁石との2組の軸方向距離は、ロータ軸の姿勢を安定化する上で重要なパラメータとなるもので、ロータ軸の両端位置に設けるのが好適である。要するに、これらのロータ磁石とステータ磁石との2組は極力離れて設けた方がロータの姿勢が安定できるようにすることができるようになる。
【0025】
前記ロータ磁石及び前記ステータ磁石は、円筒形状で磁極の向きが前記ロータ軸の軸方向に設定されるようにしてもよい。
【0026】
従って、ロータ磁石及びステータ磁石は、円筒形状で磁極の向きがロータ軸の軸方向に設定されるようにすれば、組付けが容易な上に強い反発力を出すことも容易であり、1軸方向のみの制御でロータ回転の小型化を図る上で有利とすることができるようになる。
【0027】
記制御機構は、少なくとも、前記ステータ側に設けられて前記ロータ軸の上下両端を各々軸方向外方に向けて付勢する上下一対のロータ浮上制御用電磁石と、これらのロータ浮上制御用電磁石に対する通電制御手段と、を備えるようにしてもよい。
【0028】
従って、ロータ軸の上下両端を各々軸方向外方に向けて磁気的に付勢する構造とするようにし、上下から引っ張ることで電磁石が1つの場合よりも制御剛性を上げるようにすれば、ロータの高剛性化が可能で、ロータの軸方向の制御が容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利とすることができるようになる。
【0029】
請求項1記載の回転偏向装置においては、上記のように、前記制御機構が、少なくとも、前記ロータに対して軸方向に離間させて取付けられた上下一対の吸引板と前記ステータ側に設けられて前記上下一対の吸引板の上部の吸引板を上向きに吸引し、下部の吸引板を下向きに吸引する上下一対のロータ浮上制御用電磁石とによる軸方向吸引制御機構と、これらのロータ浮上制御用電磁石に対する通電制御手段と、を備え、ロータ軸の上下両端を吸引板とロータ浮上制御用電磁石との組合せで各々軸方向外方に向けて磁気的に吸引する構造とし、その通電を制御することにしています。
【0030】
従って、上記のように、ロータ軸の上下両端を吸引板とロータ浮上制御用電磁石との組合せで各々軸方向外方に向けて磁気的に吸引する構造とし、その通電を制御することで、ロータの高剛性化が可能で、ロータの軸方向の制御が容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。
【0031】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転偏向装置において、下側の前記吸引板は前記ロータの下端に設けられ、該下側の吸引板の電磁石対向面は、下側の前記ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する前記ロータ軸中心の円錐形状又はR面形状に形成されていることを特徴とする
【0032】
従って、ロータ軸の下端側に設ける吸引板が平凸円盤形状の場合には、ロータ軸が半径方向にずれたときに自発的に軸中心方向に復帰する力が発生しないか発生しても極めて微弱であり、ロータを浮上安定させることができず、或いは、できても極めて不安定となってしまう可能性があるが、ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出するロータ軸中心の円錐形状又はR面形状に形成することで、磁気吸引力として半径方向に作用する分力も含まれることとなり、受動剛性を動的に変化させ得るため、ロータ軸が半径方向にずれたときの戻り剛性を強くすることができ、浮上時の半径方向安定化が容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。
【0033】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の回転偏向装置において、下側の前記吸引板の径は、前記ロータ軸の径よりも大きいことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の回転偏向装置において、前記偏向機能素子は、外面に複数の反射面を有する回転多面鏡であり、上側の前記吸引板は、前記回転多面鏡の上面に一体化されて前記ロータに取付けられていることを特徴とする
【0034】
従って、請求項4記載の発明では、いわゆるポリゴンミラーを用いる回転偏向装置に関して、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図ることができる。
【0035】
また、請求項4記載の発明では、側の前記吸引板は、前記ロータ軸より径大な前記回転多面鏡の上面に一体化されて前記ロータに取付けられているので、従って、上側の吸引板は回転多面鏡とは別個に設けてもよいが、回転多面鏡に一体に設けることで、装置構成の簡略化を図れ、かつ、一体構造により剛性も増し、撓みも起こり難いため、回転性能(回転むらや回転ぶれ)も安定するので、最も合理的な構成となる。この場合、回転多面鏡はロータ軸よりも径の大きなものとして、外周の反射面とは垂直となる平面部分の面積を確保し、この平面部分に吸引板を焼き嵌めして埋め込めばよい。また、このときの吸引板の形状はロータ軸に対して同心円状の円盤となるので、これに対向するロータ浮上制御用電磁石も同様にロータ軸に対して同軸対称のドーナツ形状とすれば、吸引面が同心円状で平行に対向しかつ吸引面積を広くとれるので吸引バランスも取りやすくなる。
【0036】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の回転偏向装置において、上側の前記吸引板は、前記ロータ軸に対して同心円状の円盤形状であることを特徴とする。
【0037】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の回転偏向装置において、上側の前記吸引板は、前記回転多面鏡の上面に焼き嵌めして埋め込まれることにより一体化されている。
【0038】
従って、吸引板を回転多面鏡に一体化する上で、焼き嵌めして埋め込むことにより、隙間なく嵌合させることができ、回転多面鏡を含むロータはガタツキのない剛性の高いものとなり、回転性能が安定し、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。なお、回転多面鏡の外周の反射面の鏡面加工は吸引板の焼き嵌め工程の後に行うのがよい。
【0039】
記回転多面鏡は、前記ロータ軸に対して軽圧入されて一体に結合されているようにしてもよい
【0040】
従って、回転多面鏡をロータ軸に軽圧入して一体に結合させるようにすれば、回転多面鏡を含むロータはガタツキのない剛性の高いものとなり、回転性能が安定するようにできるようになる。
【0041】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6の何れか一記載の回転偏向装置において、前記ロータ軸より径大でその上面に上側の前記吸引板が焼き嵌めして埋め込まれた前記回転多面鏡が、前記ロータ軸に対して軽圧入されて一体に結合されている。
【0042】
従って、回転多面鏡をロータ軸に軽圧入して一体化させた後に吸引板を回転多面鏡に焼き嵌めすると、この焼き嵌め処理時の温度上昇により軽圧入した回転多面鏡がロータ軸から脱離してしまう可能性があるが、吸引板が既に焼き嵌めされた回転多面鏡をロータ軸に軽圧入させることで、このような不具合は生じない。
【0043】
記偏向機能素子は、複数の狭帯域の光干渉性反射膜を重ね合わせて互いに平行に形成された複数の光干渉型反射面を前記ロータ軸の回転中心から放射状に配列した回転偏向器であるようにしてもよい
【0044】
従って、外周面ではなく回転中心を通る光干渉型反射面を利用して反射させることで電磁波の入射幅に収まるような小型対応の回転偏向器と小型対応の軸受構造との組合せ構造にすれば、より一層の小型化が可能な光偏向走査装置を構成することができるようになる。
【0045】
記回転偏向器は、結合手段により前記ロータ軸中に結合されているようにしてもよい
【0046】
従って、ロータ軸の直径と同径に収まるような回転偏向器をロータ軸に対して確実に結合させることができるようになる。
【0047】
ータ構成部品を前記ロータ軸に結合するねじ溝は、前記ロータ軸の回転方向と逆回転方向で締まるように切られているようにすることがよい。
【0048】
従って、ロータ構成部品をロータ軸に結合するねじ溝がロータ軸の回転方向とは逆回転方向で締まるように切るようにすれば、回転体の回転トルクは、部品を締める方向に作用することとなり、ロータ軸からの部品の脱離が起こらず、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上及び高速化を図る上で有利とすることができるようになる。
【0049】
前記偏向機能素子の反射面での入・反射光の入・反射窓16が電磁波透過領域として閉止されるようにするようにして、前記偏向機能素子を含む前記ロータと前記ステータとの間の空間を減圧封止する真空構造を備えるようにすることができる。
【0050】
従って、大気中でロータを回転させれば風損が生ずるのは明らかであるが、磁気浮上軸受によれば減圧環境下でも回転駆動可能な特徴を有するようにすることにより、少なくともステータとロータとの間や偏向機能素子周辺を減圧封止する真空構造とすることができるようにより、風損の抑制が可能となり、この結果、ロータの回転に要するエネルギーも下がるので、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び低消費電力化を図る上で有利となるようにすることができる。この際、真空構造のため、ステータは筐体構造を採ることとなるが、入・反射窓が確保されて電磁波透過領域として閉止されるようにすれば、真空構造に支障なく、電磁波の入・出射光路が確保され、回転偏向装置としての機能が発揮されるようになる。
【0051】
記真空構造の構成部材は、熱伝導性の高い非磁性金属により構成するようにするとよい
【0052】
従って、減圧封止する真空構造を採る場合、回転駆動機構部分等で発生する発熱に対する放熱対策が必要となるが、真空構造の構成部材を熱伝導性の高い非磁性金属により構成するようにすれば、放熱効果を確保できるようになる。
【0053】
記真空構造の構成部材は、黒体輻射効果を呈示するよう表面が黒くされているようにしてもよい。
【0054】
従って、構成部材の表面を黒くするようにすれば、黒体輻射効果により放熱効果を高することができるようになる
【0055】
前記ロータと前記ステータとの間の空間は、粘性抵抗が低く熱伝導性の高い不活性ガスで減圧封止されているようにすることがよい。
【0056】
従って、例えばヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを封止するようにすれば、真空雰囲気内の温度上昇を抑制でき、結果的に放熱効果を高めることができるようになる
【0057】
記ロータと前記ステータとの対向面に、ヘリカル溝を有するようにしてもよい
【0058】
従って、ロータとステータとの対向面にヘリカル溝を有するようにすれば、ロータの回転に伴いロータとステータとの間の対流循環の高い通風効果が得られ、結果的に放熱効果を高めることができるようになる
【0059】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置において、前記通電制御手段は、上側の前記ロータ浮上制御用電磁石による上方への吸引力をF1、下側の前記ロータ浮上制御用電磁石による下方への定常吸引力をFd、前記ロータの自重をm、重力をg、前記1軸制御型磁気浮上軸受における永久磁石の反発力をFpとしたとき、mg+Fp+F1=0を常に満たすように前記吸引力F1を制御する上側吸引力印加手段と、前記ロータ軸の回転速度が危険速度域に達した時に下側の前記ロータ浮上制御用電磁石に前記定常吸引力Fdを印加する下側吸引力印加手段と、を備える。
【0060】
従って、危険速度域を安全に脱出する目的に対して、危険速度域に達した場合には、下側のロータ浮上制御用電磁石に定常吸引力Fdを印加させるわけであるが、これは系に対して下向きの外乱を加えたことと等価的であり、その振動を上側のロータ浮上制御用電磁石で検知して、この上側のロータ浮上制御用電磁石に対する通電を付与された外乱を吸収するように制御し、以って、危険速度域を通過させる。即ち、危険速度域に達した場合には、積極的に危険速度自体を変化させることで、振動モードを回避するものであり、危険速度域が複数(共振周波数が複数)ある回転体に対して振動制御手段として効果的に機能する。特に、制御すべき量を見計らって制御しているので、安全で制御性に優れた対応策となる。
【0061】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置において、前記通電制御手段は、上側の前記ロータ浮上制御用電磁石による上方への吸引力をF1、下側の前記ロータ浮上制御用電磁石による下方への吸引力をF2、前記ロータの自重をm、重力をg、前記1軸制御型磁気浮上軸受における永久磁石の反発力をFpとしたとき、mg+Fp+F1+F2=0を常に満たすように前記吸引力F1,F2をプッシュプル制御するプッシュプル制御手段と、前記ロータ軸の回転速度が危険速度域に達した場合とそれ以外の場合とでプッシュプル制御の制御電流値を切換える切換え手段と、を備える。
【0062】
従って、基本的には上側のロータ浮上制御用電磁石による吸引力と下側のロータ浮上制御用電磁石による吸引力とのプッシュプル制御によりロータ軸の浮上量のバランス制御を行うが、危険速度域に達した場合にはプッシュプル制御の制御電流値を切換えることで系の剛性を高め、危険速度域の振動を抑制する。即ち、危険速度域に達した場合には、積極的に危険速度自体を変化させることで、振動モードを回避するものであり、危険速度域が複数(共振周波数が複数)ある回転体に対して振動制御手段として効果的に機能する。
【0063】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置において、前記通電制御手段は、前記ロータ軸の回転速度が予め測定された危険速度を超えた後に前記ロータを浮上させる浮上開始制御手段を備える。
【0064】
従って、予め当該装置の危険速度を測定し、それ以上の回転速度からロータを浮上させるように制御することによっても、危険速度域を安全に突破することができる。例えば、回転速度に対する周波数分析を行えば、当該装置の危険速度が例えば2,200rpm,3.800rpm付近に存在することがわかるので、このような危険速度を超えた後にロータの浮上動作を開始させると安定して浮上させることができ、その後、安定状態を維持して高速回転に移行することとなる。
【0065】
記ステータの底部にダンパを備えるようにしてもよい
【0066】
従って、ステータの底部にダンパを設ける構成にすれば、ロータとステータとの非接触状態を保持したまま、危険速度域を突破して、高速回転域に移行させることができるようになる
【0067】
記ダンパは、危険速度域における振動に対して作用するようにしてもよい
【0068】
従って、ダンパは危険速度域で比較的強い振動が発生したときのみ作用するようにすれば、十分な振動軽減効果が得られるようにすることができる。
【0069】
請求項11記載の発明の光書込み装置は、電磁波としてレーザ光を発するレーザ光源と、このレーザ光源から発せられたレーザ光を入・反射させて被照射面に向けて偏向走査する請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置と、を備える。
【0070】
従って、より簡易な制御構成が可能な1軸制御型磁気浮上軸受を用いて1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図れる請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置を備えるので、小型にして安定した高速書込みが可能となる。
【0071】
請求項12記載の発明のレーザ走査型ディスプレイは、電磁波としてレーザ光を発するレーザ光源と、このレーザ光源から発せられたレーザ光を画情報に応じて変調する外部変調器と、変調されたレーザ光を入・反射させて主走査方向に偏向走査する請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置と、変調されたレーザ光を副走査方向に走査する副走査装置と、主走査方向に偏向走査され副走査方向に走査されるレーザ光を投影面に向けて照射する投影手段と、を備える。
【0072】
従って、より簡易な制御構成が可能な1軸制御型磁気浮上軸受を用いて1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図れる請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置を備えるので、小型にして安定した高精細な表示が可能となる。
【0073】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。本実施の形態は、後述する光書込み装置等への応用に好適な回転偏向装置である光偏向走査装置1への適用例であり、図1はこの光偏向走査装置1の縦断正面図、図2はその水平端面図を示す。
【0074】
本実施の形態の光偏向走査装置1は、概略的には、ベース板2上に位置固定された円筒筐体形状のステータ3と、このステータ3に内装されて回転軸方向を鉛直方向(Z軸方向)とするロータ軸4を有するロータ5(インナーロータ構成)と、ロータ軸4を回転駆動する回転駆動機構としてのモータ6と、ロータ軸4に結合されて偏向機能素子として機能するポリゴンミラー(回転多面鏡)7と、永久磁石の反発によりステータ3に対してロータ軸4を浮上させるよう半径方向に軸受する1軸制御型磁気浮上軸受8と、ロータ5の浮上位置制御を含む姿勢を制御する制御機構9等を含んで構成されている。軸受に着目した場合には、1辺が10cmの立方体に収まる程度の小型でインナーロータ型の縦軸磁気浮上軸受として構成されている。
【0075】
まず、ステータ3は、ベース板2上に固定される円筒形状の下部ステータ筐体11と、この下部ステータ筐体11上に一体となるように固定される頂部に有底円筒形状の上部ステータ筐体12と、各々のステータ筐体11,12の内壁に一体となるよう固定されてロータ軸4の上下両端の外周付近に接近するドーナツ状の下部ステータ13と上部ステータ14とにより構成されている。上部ステータ筐体12の一部には図2に示すように電磁波であるレーザ光がポリゴンミラー7の外周の反射面15に対して入射し、かつ、反射光が出射するための入・反射窓16が形成され、電磁波透過領域となるガラス17により閉止されている。
【0076】
一方、ロータ5は複数の構成部品をロータ軸4に対してねじ止め、嵌合或いは圧入させることにより構成されている。まず、鉛直配置のロータ軸4の上端部付近には永久磁石によるロータ磁石21が固定されている。このロータ磁石21は図3等に示すように円筒形状(リング形状)のもので、その外径はロータ軸4の外径と等しく設定されている。このようなロータ磁石21をロータ軸4の上端部付近に嵌め込み、その上部から固定部材22によりねじ止め固定する場合、ねじの向きはロータ軸4の回転方向で締まる方向、即ち、逆回転方向の向きに切られており、ロータ軸4が回転しても緩んで抜けるようなことがないように構成される。固定部材22としては変位検出部を用い、その上面を平坦面とし、この平坦面に対しては軸方向変位センサ23が対向するようステータ3の頂部に取付けられている。この軸方向変位センサ23としては例えば渦電流式変位センサが用いられている。この軸方向変位センサ23により検知されるロータ5の上下方向(軸方向)移動量信号は後述する制御機構側に送られ、位置制御に供せられる。
【0077】
ロータ磁石21は図3等に示すようにその磁極S,Nの向きがロータ軸4の軸方向となるように着磁されている。上部ステータ14にはこのようなロータ磁石21の周縁を取り囲むように永久磁石による円筒形状(リング形状)のステータ磁石24が同軸配置で固定されている。このステータ磁石24も図3等に示すようにその磁極S,Nの向きがロータ軸4の軸方向となるように着磁されている。この着磁方向はロータ磁石21の場合と同一方向であり、ロータ磁石21・ステータ磁石24間には永久磁石の反発力が作用するように設定されている。これらのロータ磁石21、ステータ磁石24は、材料的には、例えば、強磁性ネオジ材(Nd−Fe−B)が好適であり、寸法的には、例えば、ロータ磁石21は外径8mm、内径4mm、高さ8mm、ステータ磁石24は外径14mm、内径10mm、高さ8mmの如く形成されている。
【0078】
ロータ軸4の下端部付近にも永久磁石によるロータ磁石25が固定されている。このロータ磁石25も図3等に示すように円筒形状(リング形状)のもので、その外径はロータ軸4の外径と等しく設定されている。このようなロータ磁石25をロータ軸4の下端部付近に嵌め込み、その下部からスペーサ26を嵌め込み、さらに、下部側の吸引板27をロータ軸4の下端に固定する。この場合も吸引板27をロータ軸4にねじ止め固定する場合、ねじの向きはロータ軸4の回転方向で締まる方向、即ち、逆回転方向の向きに切られており、ロータ軸4が回転しても緩んで抜けるようなことがないように構成される。
【0079】
ロータ磁石25は図3等に示すようにその磁極S,Nの向きがロータ軸4の軸方向となるように着磁されている。下部ステータ13にはこのようなロータ磁石25の周縁を取り囲むように永久磁石による円筒形状(リング形状)のステータ磁石28が同軸配置で固定されている。このステータ磁石28も図3等に示すようにその磁極S,Nの向きがロータ軸4の軸方向となるように着磁されている。この着磁方向はロータ磁石25の場合と同一方向であり、ロータ磁石25・ステータ磁石28間には永久磁石の反発力が作用するように設定されている。これらのロータ磁石25、ステータ磁石28も、材料的には、例えば、強磁性ネオジ材(Nd−Fe−B)が好適である。即ち、磁石21,24,25,28の材料は全て同一でよい。ロータ磁石25、ステータ磁石28は、寸法的にも、ロータ磁石21、ステータ磁石24の場合と同じとされる。
【0080】
これらの磁石21,24,25,28により、ステータ3に対してロータ軸4を浮上させるよう半径方向に軸受する1軸制御型磁気浮上軸受8が構成されているが、ロータ軸4に対しては極力その上下両端にロータ磁石・ステータ磁石の組が位置するよう離して配置されている。
【0081】
これにより、基本的に、ロータ軸4の振動に対する剛性を高めることができ、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。即ち、装置の小型化を図るためにはロータ軸4の軸長を短く構成することとなるが、この際、ロータ磁石21,25とステータ磁石24,28との2組の軸方向距離は、ロータ軸4の姿勢を安定化する上で重要なパラメータとなるもので、ロータ軸4の両端位置に設けるのが好適である。要するに、これらのロータ磁石・ステータ磁石の組は極力離して設けた方がロータ5の姿勢が安定することとなる。また、ロータ磁石21,25及びステータ磁石24,28は、円筒形状で磁極の向きがロータ軸4の軸方向に設定されているので、組付けが容易な上に強い反発力を出すことも容易であり、1軸方向のみの制御でロータ回転の小型化を図る上で有利となる。
【0082】
なお、磁石21,24,25,28が配置される周辺部材、例えば、ステータ13,14等は非磁性材料により構成される。具体的には、これらの永久磁石が発生する磁場を乱さず、かつ、剛性も高いステンレス材が好適であるが、アルミニウム等であってもよい。
【0083】
また、ポリゴンミラー7はロータ軸4の重心付近に位置させてロータ軸4に結合されている。この際、ポリゴンミラー7はロータ軸4に対して軽圧入して一体に結合させることが好ましい。これによれば、ポリゴンミラー7を含むロータ5はガタツキのない剛性の高いものとなり、回転性能が安定する。
【0084】
モータ6はポリゴンミラー7の下部に配置されており、ロータ側回転モータ機構31とステータ側回転モータ機構32との組合せにより構成されている。ロータ側回転モータ機構31は、内部が空洞構造で複数枚のケイ素鋼板モータ用鉄リング33が内蔵されるモータ用銅リング34をポリゴンミラー7の下面側にねじ止め固定することにより構成されている。この場合も、ねじの向きはロータ軸4の回転方向で締まる方向、即ち、逆回転方向の向きに切られており、ロータ軸4が回転しても緩んで抜けるようなことがないように構成される。ステータ側回転モータ機構32はロータ側回転モータ機構31の周縁を取り囲むようにステータ3側に構成されたもので、図4等に示すように6個のモータ固定子35は例えば厚さ0.3mmのケイ素鋼板を27枚(約8mm)積層することにより構成され、その周囲に0.3mm径の銅線36を200ターン巻くことにより、3相2極モータとして構成されている。このようなモータ固定子35の内径部には、モータ用銅リング34及びこれに内蔵されたモータ用鉄リング33がロータ軸4の一部として構成されている。
【0085】
このような構成に加えて、ロータ軸4の上下両端付近にはその軸方向の制御を能動的に行わせるための制御機構9中の軸方向吸引制御機構41が設けられている。まず、ロータ軸4の下端側にあっては、前述の吸引板27が端部に固定され、この吸引板27の下部にはロータ浮上制御用電磁石42が対向配置されている。ここに、吸引板27は鉄材により構成されており、ロータ浮上制御用電磁石42のコイル42aに通電したとき、そのコア42bにより吸引板27に対して下向き(軸方向外方)の吸引力が作用するように設定されている。また、吸引板27の電磁石対向面(下面)は、電磁石側に向けて突出する形状であって、ロータ軸4中心(軸対称)の円錐形状(又は、R面形状)に形成されており、ロータ浮上制御用電磁石42による吸引力を作用させたとき、その吸引力の一部が半径方向(r方向)にもベクトル分力として作用するように構成されている。これにより、ロータ軸4が半径方向にずれても自発的に中心方向に復帰する動作を行うこととなる。
【0086】
また、ロータ軸4の上部側にあっては、ロータ軸4よりも径が大きく形成されたポリゴンミラー7の非偏向走査面となる上面にドーナツ円盤形状の吸引板43が設けられている。この吸引板43はポリゴンミラー7の上面に同心円状の溝を形成しておき、この溝に焼き嵌めして表面がフラットになるように埋め込むことで一体化させることが好ましい。これによれば、吸引板43を隙間なく嵌合させることができ、ポリゴンミラー7を含むロータ5はガタツキのない剛性の高いものとなり、回転性能が安定し、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。なお、ポリゴンミラー7の外周の反射面15の鏡面加工は吸引板43の焼き嵌め工程の後に行うのがよい。また、吸引板43が予め焼き嵌めして埋め込まれたポリゴンミラー7を、ロータ軸4に対して軽圧入させて一体に結合させることが好ましい。ポリゴンミラー7をロータ軸4に軽圧入して一体化させた後に吸引板43をポリゴンミラー7に焼き嵌めすると、この焼き嵌め処理時の温度上昇により軽圧入したポリゴンミラー7がロータ軸4から脱離してしまう可能性があるためである。この吸引板43としても鉄材が好ましい。
【0087】
この吸引板43の上部にはステータ14に取付けられたロータ浮上制御用電磁石44が対向配置されている。ここに、ロータ浮上制御用電磁石44のコイル44aに通電したとき、そのコア44bにより吸引板43に対して上向き(軸方向外方)の吸引力が作用するように設定されている。これらの吸引板・ロータ浮上制御用電磁石の組合せにより軸方向吸引制御機構が構成されている。
【0088】
また、本実施の形態の光偏向走査装置1では、ステータ3のステータ筐体11,12をチャンバ筐体として密閉されて構成されており、ロータ5とステータ3との間の空間を圧力調整弁45を介して吸引ポンプ46に連結することにより、減圧封止可能な真空構造とされており、例えば、約15Torr程度の低真空状態にすることが可能とされている。なお、ステータ筐体11,12内を減圧した後は吸引ポンプ46は不要であるので、圧力調整弁45を封止した後に吸引ポンプ46を取り外すようにしてもよい。また、電磁石、コイル等に対する通電制御のための制御系回路はステータ筐体11,12外に設けられるが、その接続のための配線をステータ筐体11,12外に出すための開口(図示せず)を設け、気体が外部から流入しないようにその開口と配線との隙間は封止するように構成すればよい。また、入・反射窓16もガラス17により閉止されて真空用の閉止空間が確保されているが、例えば、上側ステータ筐体12全体を光透過性部材で構成することより閉止された入・反射窓の機能を持たせてもよい。
【0089】
このような構成において、ロータ5の回転時の特性として、回転数(回転速度)に対する半径方向振動幅のp−p(ピーク−ピーク)値(mm)を図5に示す。この測定では上述の真空構造を利用し、吸引ポンプ46で徐々に減圧し、低真空状態(約15Torr)とした雰囲気で測定したものである。4,500rpm以上では安定回転となり、回転数の上昇に伴い振動幅は減少する。最高回転数においては、半径方向振動は円軌道であり、20μm以下である。回転数を徐々に変化させて、振動幅が増大する回転数(危険速度域)を測定したところ、2,220rpm(並進モード)及び3,800rpm付近(傾きモード)であった。ちなみに、振動幅が特に急激に増加する3,800rpm付近では浮上方向への制御が不能となったため、図5では模擬的に点線で図示した。
【0090】
次に、このような危険速度を回避するための方法について説明する。ロータ5(回転体)の固有振動数に起因する危険速度は剛体モードであれば、図5に示したように低回転域で生ずる。また、永久磁石の反発力による半径方向剛性は比較的小さいことから、弾性モードなる回転数は高回転域となる。このような背景から低回転域で振動を回避する方法としては、幾つか考えられるが、本実施の形態では、危険速度自体を変化(シフト)させることで振動モードを回避するものである。
【0091】
このようなロータ5の浮上位置制御を含む姿勢制御(上下方向=軸方向の浮上安定制御)のとして1軸制御の能動制御を行うためにロータ浮上制御用電磁石42,44に対する通電制御(吸引力印加)を行う通電制御手段51の動作制御例及びその制御系構成例を図6及び図7を参照して説明する。
【0092】
図6は系に作用する力を模式的に示す説明図であり、実際には各作用力は回転周方向に対称分布しているが、便宜的にその一部を示したものである。また、径方向の成分は省略している。まず、上部の吸引板43に対向配置させたロータ浮上制御用電磁石44はこの吸引板43を上方に吸引する。一方、下部の吸引板27に対向配置させたロータ浮上制御用電磁石42はこの吸引板27を下方に吸引する。この場合の上方への吸引力をF1、下方への定常吸引力をFd、ロータ5の自重をm、重力をg、永久磁石21,24,25,28の反発力をFpとすると、mg+Fp+F1=0なる関係を満たすように吸引力F1を制御し(ロータ浮上制御用電磁石44に対する通電を制御し)、外乱がステップ状に印加された場合でも、定常偏差が残らないように制御する。ここでいう"外乱"とは下方への定常吸引力Fdである。なお、本実施の形態の光偏向走査装置1においては、ロータ軸4の径方向の位置は上下2組の永久磁石リング対によって自発的に(受動的に)制御されている。
【0093】
このような制御系の設定下に、ロータ5の回転速度が危険速度域に達した場合には、下方への定常吸引力Fdを印加すると(ロータ浮上制御用電磁石42に対して通電すると)、系の共振周波数が変化し、その速度における共振を抑制することができる(つまり、危険速度自体が変化する)。この時、定常吸引力Fdに対応して上方への吸引力F1も強くなるようバランス制御される。そして、当初の危険速度を通過した後に、定常吸引力Fdを初期値(=0=ロータ浮上制御用電磁石42に対する通電をオフ)に戻すようにする。
【0094】
図7は通電制御手段51の構成例を示すブロック図である。まず、上部のロータ浮上制御用電磁石44に対して吸引力F1を発生させるための電圧を印加する第1のパワーアンプ52と、下部のロータ浮上制御用電磁石42に対して定常吸引力Fdを発生させるためにステップ状の電圧を印加する第2のパワーアンプ53とが設けられている。第2のパワーアンプ53はモード切換部54中のスイッチ55がオンの時のみ動作する。一方、ロータ軸4の変位の状態を検知する変位センサ23の検知出力は、A/D変換器56によりA/D変換されてコントローラ57のDSPによる演算処理で制御量、つまり、その時点で発生すべき吸引力F1の算出に供された後、D/A変換器58によりD/A変換されて第1のパワーアンプ52の出力制御に供されるように構成されている。また、ロータ5の回転速度を検知する回転速度センサ59も設けられており、この回転速度センサ59により危険速度域に達したことが検知された場合にモード切換部54中のスイッチ55が切換え制御されるように構成されている。ここに、変位センサ23から第1のパワーアンプ52に至るループ系により上側吸引力印加手段60が構成され、第2のパワーアンプ53及びモード切換部54により下側吸引力印加手段61が構成されている。
【0095】
このような構成において、変位センサ23によって得られたロータ軸4のZ方向変位信号をA/D変換器56によりA/D変換してコントローラ57にてDSPで制御量つまり発生すべき吸引力F1を演算処理し、D/A変換器58でD/A変換して第1のパワーアンプ52で吸引力F1を発生させる電圧を上部側のロータ浮上制御用電磁石44に出力する。回転速度センサ59による監視の下、回転数が危険速度域に達したときにはモード切換部54のスイッチ55をオンにしてステップ状の電圧を第1のパワーアンプ52と第2のパワーアンプ53とに同時に印加する。第2のパワーアンプ53による増幅電圧を下部側のロータ浮上制御用電磁石42に出力し外乱として下向きの定常吸引力Fdを発生させるとともに、バランスする上方向の吸引力F1を発生させる電圧を第1のパワーアンプ52から上部側のロータ浮上制御用電磁石44に出力することで、系の共振周波数がシフトし、危険速度における共振を回避する。危険速度を通過した後には、モード切換部54のスイッチ55をオフにする。このような制御は、例えば(積分形)最適レギュレータ法によって実現できる。
【0096】
いま、実際の測定例として、通常動作時での静止時におけるインパルス応答の周波数特性を図8に示し、通常動作時と下部側のロータ浮上制御用電磁石42に対して2Aのステップ状の電流を与えた状態とで対比させたインパルス応答の周波数特性を図9に示す。図8により回転時の剛体モードにおけるピークが前述のように2箇所存在し、特に、38Hz付近での傾きモードに対する振動が急峻かつ大きく、図5に示した回転体の軸振動特性に合致することがわかる。また、図9によれば、円錐形状を有する吸引板27の効果により、下部側のロータ浮上制御用電磁石42に対して浮上位置を一体に保ちつつ浮上方向への定常吸引力Fdを発生させることで、同時に半径方向への振動抑制、即ち半径方向剛性を動的に増加させることが確認できる。
【0097】
このように、本実施の形態によれば、危険速度域を安全に脱出する目的に対して、危険速度域に達した場合には、下側のロータ浮上制御用電磁石42に定常吸引力Fdを印加させるわけであるが、これは系に対して下向きの外乱を加えたことと等価的であり、その振動を上側のロータ浮上制御用電磁石44で検知して、この上側のロータ浮上制御用電磁石44に対する通電を付与された外乱を吸収するように制御し、以って、危険速度域を通過させる。即ち、危険速度域に達した場合には、積極的に危険速度自体を変化させることで、振動モードを回避するものであり、危険速度域が複数(共振周波数が複数)ある回転体(ロータ5)に対して振動制御手段として効果的に機能する。特に、制御すべき量を見計らって制御しているので、安全で制御性に優れた対応策となる。
【0098】
ちなみに、特開2002−81445公報等に示されるアウターロータ構成の1軸制御型磁気浮上軸受を用いた従来方式と本実施の形態方式とのロータ軸の軸回り回転ブレ量(X方向軸ブレ量及びY方向軸ブレ量)を測定した比較結果を図10に示す。図10(a)が従来方式を示し、図10(b)が本実施の形態方式の結果を示している。この結果によれば、従来の軸ブレ量が±0.1mmであるのに対して、本実施の形態の軸ブレ量は±0.01mmに収まっている。つまり、アウターロータ型の10%以下に改善されたものである。
【0099】
また、本実施の形態では、前述したように減圧封止した低真空状態なる雰囲気中でロータ5を回転させているので、ロータ5の回転風損が減り、必要とされる回転エネルギーが省力化される。例えば、圧力を約50Torrにすると回転消費電力値は大気圧時よりも75%程度少なくなる(18,000rpm時)。減圧下では大気圧中に比べ、回転数が上昇するほど、省電力効果が大きくなる。
【0100】
結果として、光偏向走査装置1を主眼とした1軸制御型反発磁気浮上軸受方式で回転速度19,400rpmを実現できたものであり、その時のモータ消費電力は約2Wで収まったものである。
【0101】
ところで、本実施の形態では、風損低減等のために真空構造を採用しているが、このよう減圧封止する真空構造を採る場合、回転駆動機構であるモータ6部分等で発生する発熱に対する放熱対策が必要となる。このような対策として、例えば、真空構造の構成部材(ステータ3等)を熱伝導性の高い非磁性金属により構成するようにすれば、放熱効果を確保できる。或いは、真空構造の構成部材の表面を黒くすることで、黒体輻射効果を呈示し、より放熱効果が高くなる。又は、ロータ5とステータ3との間の空間を、粘性抵抗が低く熱伝導性の高い不活性ガス(例えば、ヘリウム、アルゴン等)を封止することで、真空雰囲気内の温度上昇を抑制でき、結果的に放熱効果を高めることができる。さらには、ロータ5とステータ3との対向面にヘリカル溝を有する構成としても、ロータ5の回転に伴いロータ5とステータ3との間の対流循環の高い通風効果が得られ、結果的に放熱効果を高めることができる。加えて、ステータ3を冷却、特にモータ6周りを冷却する水冷手段を併用すれば、より放熱効果が高くなる。
【0102】
本発明の第二の実施の形態を図11及び図12に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0103】
本実施の形態では、通電制御手段62の動作制御例及びその制御系構成例を図6及び図7の場合とは異ならせたものである。
【0104】
図11は系に作用する力を模式的に示す説明図であり、実際には各作用力は回転周方向に対称分布しているが、便宜的にその一部を示したものである。また、径方向の成分は省略している。前述のように、上部の吸引板43に対向配置させたロータ浮上制御用電磁石44はこの吸引板43を上方に吸引する。一方、下部の吸引板27に対向配置させたロータ浮上制御用電磁石42はこの吸引板27を下方に吸引する。この場合の上方への吸引力をF1、下方への吸引力をF2、ロータ5の自重をm、重力をg、永久磁石21,24,25,28の反発力をFpとすると、mg+Fp+F1+F2=0を満たすように吸引力F1,F2をプッシュプル制御する。なお、本実施の形態の光偏向走査装置1においてはロータ軸4の径方向の位置は2対の永久磁石リング対の反発力Fpによって自発的に制御されている。
【0105】
このようなプッシュプル制御系の設定下に、ロータ5の回転速度が危険速度域に達した場合には、プッシュプル制御で系に与える吸引力のうち吸引力F2を通常時よりも強くすると、系の共振周波数が変化し、その速度における共振を抑制することができる。このとき、吸引力F2を強くすることに対応して他方の吸引力F1も強くしてバランスしている。危険速度通過後、これらの吸引力F2,F1を初期値に戻すようにする。以上の制御方法によって危険速度における装置共振を回避させることができる。
【0106】
図12は通電制御手段62の構成例を示すブロック図である。本実施の形態の通電制御手段62では、コントローラ57に代えて通常時用の第1のコントローラ63と危険速度域用の第2のコントローラ64とが設けられ、回転速度センサ59の検知出力により切換え制御される切換え手段としてのモード切換え部5により何れかのコントローラ63又は64が選択されるように構成されている。ここに、変位センサ23から第1のパワーアンプ52に至るループ系と変位センサ23から第2のパワーアンプ53に至るループ系とによりプッシュプル制御手段66が構成されている。
【0107】
このような構成において、第1のパワーアンプ52、第2のパワーアンプ53は各々吸引力F1,F2を生成しているが、回転数が回転速度センサ59によって危険速度域に達したことが検知された時には、モード切換え部65により第1のコントローラ63による制御から第2のコントローラ64による制御に切換える。ここに、第1のコントローラ63は回転速度が危険速度でないときのプッシュプル信号を生成するのに対して、第2のコントローラ64は回転速度が危険速度域にある場合のプッシュプル信号を生成するものであり、第2のコントローラ64を動作させるときには吸引力F1,F2は危険速度でない場合よりも強くなっている。危険速度を脱したときにはモード切換え部65を切換えて第1のコントローラ63による制御に復帰させる。何れのコントローラ63,64を用いる場合においても吸引力F1,F2の双方を常にプッシュプル制御する点で第一の実施の形態の場合の浮上安定制御方式とは異なる。このような制御は、例えばプッシュプル形での積分形最適レギュレータ法によって実現可能である。
【0108】
なお、特に図示しないが、これらの実施の形態に示した通電制御に代えて、ロータ軸4の回転速度が予め測定された危険速度を超えた後にロータ5を浮上させる浮上開始制御手段を備えることで危険速度域を回避するようにしてもよい。即ち、予め当該光偏向走査装置1の危険速度を測定し、それ以上の回転速度からロータ5を浮上させるように制御することによっても、危険速度域を安全に突破することができる。例えば、回転速度に対する周波数分析を行えば、当該光偏向走査装置1の危険速度が例えば前述したように2,200rpm,3,800rpm付近に存在することが分かるので、このような危険速度を超えた後にロータ5の浮上動作を開始させると安定して浮上させることができ、その後、安定状態を維持して高速回転に移行することとなる。
【0109】
また、図13に示すように、ステータ3とベース板2との間に4〜6本位のポール67を介在させ、かつ、各ポール67中に例えばゴム製のダンパ68を介在させる構成や、図14に示すように、ステータ3とベース板2との間にダンパとしてのダンパプレート69を介在させた構成によっても、ロータ5とステータ3との非接触状態を維持して危険速度を通過させることができる。即ち、ロータ5の回転速度が危険速度域にある時に、ロータ5に発生する振動はステータ3に伝わるが、ダンパによってその振動エネルギーを吸収することができる。即ち、このようなダンパ68又は69を有しない場合には、図8に示したように33Hz付近に振動エネルギーのピークがあるが、ダンパ68又は69を備えた構成とした場合には図15に示すように33Hz付近のピークが吸収されたものである。このようなダンパ68又は69は、危険速度域で比較的強い振動が発生したときのみ作用すれば、十分な振動軽減効果が得られる。
【0110】
本発明の第三の実施の形態を図16ないし図19に基づいて説明する。本実施の形態は、回転駆動機構としてのモータ6に代えて、高速対応モータとして主流になりつつある静電モータ71を用いたものである。
【0111】
まず、この静電モータ71の動作原理について図16を参照して説明する。ここに、静電モータ71は原理的には多数の電極72が所定間隔で設けられた固定子73とこの固定子73に対向配置させた移動子74と各電極72に対する電圧の印加状態を制御する電源制御手段75とにより構成されている。そして、移動子74を固定子73上に置き、初期充電を行い、電荷を蓄積させた後、移動させるための駆動を行い、再度充電する、という動作制御を繰返すことで、移動子74をステップ状に駆動させるものである。
【0112】
最初、移動子74は電荷を持たないので、初期充電を行う。即ち、図16(a)に示すように、固定子73の電極72に3つを1組として、V(+),V(−),V(0)なる(+,−,0)の組合せパターンの電圧を印加し、移動子74上に電極72とは逆極性の電荷を誘導する。この場合、固定子73の電極パターンは電荷のパターンとして移動子74上に転写される。図16(b)に示すように、充電されると、移動子74は固定子73に吸引され、摩擦により強く保持される。
【0113】
次に、図16(c)に示すように、電極72に印加する電圧のパターンをV(−),V(+),V(−)なる(−,+,−)の組合せパターンに切換える。この時、電極72の電荷は瞬時に入れ替わるが、移動子74の電荷配置は、新たな平衡状態に変化するまでに或る程度時間がかかる。切換直後における移動子74の電荷配置は、図16(c)に示すように、(−,+,0)となる。この時、移動子74の電荷と、それに対向する電極72の電荷とは同符号になるため、移動子74には浮上力が作用する。それと同時に、斜め横の電極72の電荷の効果が加わり、移動子74は横方向への駆動力が働く。結果として、移動子74は図16(d)に示すように、電極72の1ピッチ分駆動される。
【0114】
このような駆動中には、移動子74の電荷が失われるため、連続駆動すると推力が減少する。そこで、移動子74が静止した状態で、図16(e)に示すように、電極72を1相ずらしたパターンの正負の電圧を印加し、再充電する。失われる電荷は全体の一部であるので、再充電時間は初期充電より短い。
【0115】
このような原理に従い、電圧を印加する電極72を1相ずつずらしてこれらの制御ステップを繰返すことにより、移動子74は連続的に駆動することになる。
【0116】
このような原理の静電モータ71は、ロータ軸4に固定されたポリゴンミラー7を移動子74とする一方、固定子73を図19に示すように円盤状に形成してその片面に電極72を72a,72b,72cで示す如く3個1組となるように円周方向に周期的として放射状に複数個、例えば、12個形成してロータ軸4中心にポリゴンミラー7の下面に対向するように配置させることにより構成される(図17及び図18参照)。そして、3個1組の電極72a,72b,72cへの電圧印加によってポリゴンミラー7の下面側に電荷を発生させるものであり、電極72a,72b,72cへの電圧印加のパターンを動作原理で説明したように順次切換えることによりポリゴンミラー7を回転させることができる。
【0117】
なお、電極72は3相単位の構成であればよく、総数は図示例に限らない。また、図18に示す軸方向断面図は、固定子73、ロータ軸4、ポリゴンミラー7等の配置を示すためのものであり、永久磁石等、他の構成要素は図示を省略してある。もっとも、固定子73は下側の永久磁石28よりも上方に位置するように配置される。また、図17ないし図19もロータ軸4に対する実装原理を誇張して示すもので、発生可能なトルクに対して装置を大きめに示しているが、実際的には当該静電モータ71は図示例よりも小型化された装置構成の場合に適用される。
【0118】
これにより、高速対応の軸受構造と高速対応のモータとの組合せ構造による光偏向走査装置1を構成することができる。
【0119】
本発明の第四の実施の形態を図20ないし図23に基づいて説明する。本実施の形態は、偏向機能素子としてポリゴンミラー(回転多面鏡)7に代えて、複数の狭帯域の光干渉性反射膜を重ね合わせて互いに平行に形成された複数の光干渉型反射面81a〜81fを中心Oから放射状に配列した回転偏向器82を用いたものである。即ち、反射面81a〜81fとして、特定の角度範囲のみの入射光を完全反射し、その他の角度では透明になる狭帯域の光干渉性反射膜を利用した平面反射鏡として構成したものであり、光源からの光ビームは中心Oに向かって入射させるように設定される。このような回転偏向器82を中心O周りに回転させると、入射光は各光干渉型反射面81a〜81fにより順次反射光が偏向走査される。
【0120】
ここに、反射面を構成する光干渉型反射面81a〜81fは多層膜からなり、特定の方位の光のみを反射させる。このような多層膜は、表裏の特性が殆ど同じであるので、1枚の光干渉型反射面81が1回転する間に表面と裏面とによる2回の光走査が可能である。図示例では、6枚の光干渉型反射面81a〜81fが配置された構成であるので、回転偏向器82が1周する間に12回の走査が可能である。従って、従来の6角柱状のポリゴンミラーに比べて回転数を1/2にすることができ、高速化を図る上で有利となる。
【0121】
次に、従来のポリゴンミラーと回転偏向器82との比較について図21を参照して説明する。図21は入射したビーム束が反射される様子を模式的に示したもので、図21(a)に示す従来の多角柱形状のポリゴンミラー83の場合、入射ビームの束に比べてポリゴンミラー83全体が何倍も大きい。これに対して、図21(b)に示す本実施の形態の回転偏向器82の場合、ほぼ入射ビームの束に等しい直径の回転部を持っていることが分かる。即ち、図21において矢印の幅は入射光束及び反射光束の幅を表しており、直感的にも、従来のポリゴンミラー83に比べて本実施の形態の回転偏向器82の直径が極端に小さくなることが分かる。図21(b)によれば、ほぼ光束幅の直径を有するロータがあればよいことが推測できる。また、ロータ径の4乗に比例して空気抵抗が増加するが、本実施の形態の回転偏向器82によれば風損をかなり低減させ得ることも容易に理解できる。
【0122】
ところで、このような光干渉型反射面81に利用される多層膜を構成する上では、2種類の屈折率の異なる透明物質を多層に渡って重ねると、波長選択性の高い反射膜が得られることが知られているので、この技術を利用すればよい。よって、理論的には、任意の帯域の、任意の波長幅の反射膜を設計できる。つまり、従来から知られている多層反射(或いは、無反射)コーティング膜は、強い波長選択性を有しており、従来にあっては、この波長選択性を除去するように工夫していたが、ここではこれを積極的に利用するように設計するものである。例えば、特定の波長λに対して正面から入射する光を完全反射するように設計した光干渉型反射膜があるとすれば、前後の特定角度θ分だけを完全反射し、その他は透過させるようにするには、λ、及び、λ(1−cosθ)の間の波長に対して完全反射させるように設計すればよい。
【0123】
実際的な透明物質の組合せ例は容易に見つけることができる。一般に、屈折率の近い透明物質は、光学用ガラスを始めとして多様な組合せが存在する。また、このような異なる屈折率の透明物質の交互層は、次のような特殊な場合でも有効である。即ち、ガラスはその酸化アルカリ元素を代表とする微量成分の組成によって屈折率が変化するが、微量成分を層状に添加することによって、このような構成が達成可能である。
【0124】
また、物質の混入の代わりに、空隙を設けることによって屈折率変化を持たせることもできる。即ち、ガラス基質中に多数の空孔層を形成するか、或いは、ポーラスシリカとして知られている低密度のガラスを蒸着させて、多層膜を形成することも可能である。
【0125】
このような回転偏向器82は円盤状の透明基質中に6枚構成の光干渉型反射面81a〜81fを埋め込む構成が作りやすく、かつ、回転偏向器82自体の外周面形状は回転対称形(例えば、円盤形状)が好ましい。
【0126】
ところで、光偏向走査装置1の小型化等を図る上で、実装される回転偏向器82も極力小さくするわけであるが、前述したような動作原理に基づき、回転偏向器82としては入射ビームの幅程度の直径にまで小型化できるので、本実施の形態では、回転偏向器82の直径をロータ軸4の直径と同径とするものである。また、回転偏向器82はその中心Oを横切る形で光干渉型反射面81a〜81fが存在するため、径大なポリゴンミラーの場合のようにロータ軸4の外周面上に嵌合させる形で結合させることはできない。そこで、本実施の形態では、回転偏向器82は、図22に示すように結合手段85を介してロータ軸4に結合される。即ち、回転偏向器82の上下両面には中心部に凸状にねじ86a,86bを有する結合部材87a,87bが一体化されており、上下2分割されたロータ軸4a,4bの端部に形成されたねじ溝88a,88bにねじ86a,86bをねじ込むことにより一体となるように結合されている。この場合も、ねじ86a,86bの向きはロータ軸4の回転方向で締まる方向、即ち、逆回転方向の向きに切られており、ロータ軸4が回転しても緩んで抜けるようなことがないように構成される。
【0127】
従って、本実施の形態によれば、小型対応の軸受構造と小型対応の回転偏向器82との組合せ構造による、より一層の小型化が可能な光偏向走査装置1を構成することができる。
【0128】
本発明の第五の実施の形態を図23に基づいて説明する。本実施の形態は、レーザプリンタ、デジタル複写機のプリンタ部等に用いられる光書込み装置への適用例を示す。
【0129】
この光書込み装置は、レーザ光源としての半導体レーザ91から出射されたレーザ光をカップリングレンズ92によりコリメートし、シリンドリカルレンズ93により副走査方向だけビームを絞ってポリゴンミラー7の或る反射面15に入射させてその反射により主走査方向に偏向走査させ、fθレンズ系94や面倒れ補正用レンズ95で収差補正し、折返しミラー96により被照射面となる感光体97の表面にレーザスポットを走査させることで、静電潜像を形成するものである。半導体レーザ91は画像データに基づき変調される。また、主走査方向の終端又は始端では、同期検出器98によりレーザ光を検知することにより、書込み開始位置を決定するようにしている。
【0130】
ここに、本実施の形態では、主走査偏向用のポリゴンミラー7を含む光偏向走査装置(回転偏向装置)1として、例えば第一の実施の形態に示したものが用いられている。これにより、低消費電力化、走査速度の向上による書込み速度の高速化及び低騒音化等を図れる。即ち、最近ではプリンタの高速化を図る上で、光源のマルチビーム化が検討・実施されているが、より一層の高速化を図るためにビーム数が8以上になると光源自体のコストアップが顕著となり、かつ、光学系の設計・構成も難しくなってしまう。この点、本実施の形態によれば、光偏向走査装置1の高速化により対処できる。
【0131】
なお、光書込み装置としての構成例は、図示例に限らない。また、光偏向走査装置(回転偏向装置)1としても第一の実施の形態に示したものに限らず、静電モータ71を用いたもの、回転偏向器82を用いたもの等、他の実施の形態によるもの等であってもよい。
【0132】
本発明の第六の実施の形態を図24及び図25に基づいて説明する。本実施の形態は、RGBフルカラーによるレーザ走査型ディスプレイへの適用例を示す。
【0133】
まず、レーザ光を発するDPSSL(ダイオード・ポンプド・ソリッド・ステート・レーザ)によるRGB3波長のレーザ光源101(101R,101G,101B)が設けられ、各々のレーザ光を外部変調器102に集光させて入射させる集光レンズ103が設けられている。外部変調器102により変調されコンデンサレンズ104により捕捉された各々のレーザ光を合成するミラー105a、ダイクロイックミラー105b,105cが設けられている。これらのミラー105a、ダイクロイックミラー105b,105cにより光軸が揃えられて合成されたレーザ光の入射を受けて主走査方向に偏向走査するポリゴンミラー7が設けられている。このポリゴンミラー7の反射による出射側には、駆動源(図示せず)による回動動作により副走査方向の走査を受け持つ副走査手段としてのガルバノミラー106が設けられている。このガルバノミラー106の出射側には折返しミラー107を介して、投影面であるスクリーン108にレーザ光を投影照射させる投影手段としての投影レンズ109が設けられている。
【0134】
このような構成において、1画面を順次的に高速に描画するが、描画に要する時間(フレームレート)を60Hz以上にすれば連続した1枚の画像に見える。
【0135】
RGB3波長のレーザ光源101(101R,101G,101B)は適宜入替えることができる。また、ガルバノミラー106と折返しミラー107とは逆配置でもよいが、ガルバノミラー106がポリゴンミラー7に近い方が収差が小さくなることが知られている。また、特に図示していないが、主走査の走査線数が所定回数に達したとき、副走査用のガルバノミラー106を高速でリターンさせて初期の走査開始位置にビームが戻るようにするため、主・副走査の同期が取られる。このため、例えばレーザ光の主走査端を非画像領域とし、その領域でレーザ光を検知して走査本数を計数し、所定回数に達したところでガルバノミラー106を高速でリターンさせる。
【0136】
外部変調器102としては、例えば、汎用されている音響光学変調素子(AOM)が用いられる。この音響光学変調素子(AOM)は入射ビーム径と変調速度が反比例するので、高速変調を想定して、本実施の形態ではビームを集光レンズ103により集光させて入射させている。外部変調器102としては、この他、電気光学変調素子(EOM)も使用可能である。
【0137】
ここに、本実施の形態では、主走査偏向用のポリゴンミラー7を含む光偏向走査装置(回転偏向装置)1として、例えば第一の実施の形態に示したものが用いられている。これにより、低コスト化、装置の小型化、低騒音化及び消費電力化等を図れる。
【0138】
即ち、この種のレーザ走査型ディスプレイにおいては、描画再生する画像の解像度を上げると、画素数が増えるが、1フレームを描画する時間(フレームレート)は長くできないので、高速に走査しなければならない(同時にレーザ光を高速変調する必要があるが、変調に関しては外部変調器で高速タイプのものが実用化されている)。高速に走査できない場合、複数本のレーザ光を同時に水平走査させる手段を講ずる必要があり、技術的に不可能ではないが、走査系が非常に複雑になり、かつ、各レーザ光毎に変調が必要なため、外部変調器の数も増えてしまう。外部変調器によるコストアップは装置全体のコストに大きく影響する。一方、半導体レーザなどを直接変調させる技術はあるものの、変調速度を上げるとビームパワーをあまり上げられず、結果として、ビーム数を増やさないと明るい画像を形成できず、装置が益々複雑化してしまう。また、半導体レーザとしては、G,B用がまだ実用化されておらず、発光しても実使用に耐えられるレベルにはない。このようなことから、残されたレーザ光源の選択として現在有力なのがDPSSL(ダイオード・ポンプド・ソリッド・ステート・レーザ)であり、RGB3色の発光が可能である。しかし、直接変調は難しいので、外部変調器を使用することとなる。このようなことから、ハイパワーのDSSL光源を外部変調器で高速変調し、3色を合成して高速走査する、というが最も現実的な選択といえる。将来的にRGB3色の半導体レーザを利用できるようになると、半導体レーザのマルチビーム化、或いは、半導体レーザを合成してハイパワー化を図る、等の方法も現実性が出てくるが、その場合においても、なお高速に走査できることは優位である。ここで、高速というのは50,000rpm以上、望ましくは100,000rpmの領域であり、このような高速領域を満たす回転軸受として5軸制御型磁気浮上軸受、或いは、玉軸受があるが、何れの軸受においても制御機構が複雑でコストが非常に高いものである。この点、前述した光偏向走査装置(回転偏向装置)1が有する軸受機構によれば、圧倒的に構成も制御も簡素であり、コスト的にも優位である。
【0139】
なお、図24及び図25はレーザ走査型ディスプレイの構成の一例を示すものであり、これらに図示例に限られない。また、主走査用の光偏向走査装置(回転偏向装置)1としても第一の実施の形態に示したものに限らず、静電モータ71を用いたもの、回転偏向器82を用いたもの等、他の実施の形態によるもの等であってもよい。
【0140】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の回転偏向装置によれば、位置固定されたステータと、このステータに内装されて回転軸方向を鉛直方向とするロータ軸を有するロータと、前記ロータ軸を回転駆動する回転駆動機構と、永久磁石の反発により前記ステータに対して前記ロータ軸を浮上させるよう半径方向に軸受する1軸制御型磁気浮上軸受と、前記ロータの浮上位置制御を含む姿勢を制御する制御機構と、前記ロータ軸の重心付近に結合されて入射した電磁波を反射させる偏向機能素子と、を備え、前記制御機構が、少なくとも、前記ロータに対して軸方向に離間させて取付けられた上下一対の吸引板と前記ステータ側に設けられて前記上下一対の吸引板の上部の吸引板を上向きに吸引し、下部の吸引板を下向きに吸引する上下一対のロータ浮上制御用電磁石とによる軸方向吸引制御機構と、これらのロータ浮上制御用電磁石に対する通電制御手段と、を備えることで、ロータがステータに内装されるインナーロータ構成にするとともに偏向機能素子をロータ軸の重心付近に結合させたので、回転むらや回転ぶれを少なくすることが容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。即ち、1軸制御型磁気浮上軸受を構成するロータ側磁石やステータ側磁石を小径で厚さを増した構造にすることが容易となり、この結果、これらの磁石の形状精度や着磁均一性が高くなり、かつ、剛性が高くなるとともに磁力分布の均一性も高くなることから回転性能を安定させることができる。
【0141】
気的な反発力が作用するロータ磁石とステータ磁石との組を2組具備するようにすれば、これらをロータ軸の端の方に配設することによって、ロータ軸の振動に対する剛性を高めることができ、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となるようにすることができる
【0142】
ータ磁石及びステータ磁石は、円筒形状で磁極の向きがロータ軸の軸方向に設定されるようにすれば、組付けが容易な上に強い反発力を出すことも容易であり、1軸方向のみの制御でロータ回転の小型化を図る上で有利とすることができるようになる。
【0143】
ータ軸の上下両端を各々軸方向外方に向けて磁気的に付勢する構造とするようにし、上下から引っ張ることで電磁石が1つの場合よりも制御剛性を上げるようにすれば、ロータの高剛性化が可能で、ロータの軸方向の制御が容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利とすることができるようになる。
【0144】
また、請求項1記載の回転偏向装置において、その通電を制御することで、ロータの高剛性化が可能で、ロータの軸方向の制御が容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。
【0145】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の回転偏向装置において、ロータ軸の下端側に設ける吸引板が平凸円盤形状の場合には、ロータ軸が半径方向にずれたときに自発的に軸中心方向に復帰する力が発生しないか発生しても極めて微弱であり、ロータを浮上安定させることができず、或いは、できても極めて不安定となってしまう可能性があるが、ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出するロータ軸中心の円錐形状又はR面形状に形成したので、磁気吸引力として半径方向に作用する分力も含まれることとなり、受動剛性を動的に変化させ得るため、ロータ軸が半径方向にずれたときの戻り剛性を強くすることができ、浮上時の半径方向安定化が容易となり、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。
【0146】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3の何れか一記載の回転偏向装置において、いわゆるポリゴンミラーを用いる回転偏向装置に関して、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図ることができる。
【0147】
また、請求項4記載の発明によれば、上側の吸引板は回転多面鏡とは別個に設けてもよいが、回転多面鏡に一体に設けることで、装置構成の簡略化を図れ、かつ、一体構造により剛性も増し、撓みも起こり難いため、回転性能(回転むらや回転ぶれ)も安定するので、最も合理的な構成となる。
【0148】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の回転偏向装置において、吸引板を回転多面鏡に一体化する上で、焼き嵌めして埋め込むことにより、隙間なく嵌合させることができ、回転多面鏡を含むロータはガタツキのない剛性の高いものとなり、回転性能が安定し、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図る上で有利となる。
【0149】
転多面鏡をロータ軸に軽圧入して一体に結合させるようにすれば、回転多面鏡を含むロータはガタツキのない剛性の高いものとなり、回転性能が安定するようにできるようになる。
【0150】
請求項7記載の発明によれば、請求項4ないし6の何れか一記載の回転偏向装置において、回転多面鏡をロータ軸に軽圧入して一体化させた後に吸引板を回転多面鏡に焼き嵌めすると、この焼き嵌め処理時の温度上昇により軽圧入した回転多面鏡がロータ軸から脱離してしまう可能性があるが、吸引板が既に焼き嵌めされた回転多面鏡をロータ軸に軽圧入させることで、このような不具合を生ずることなく一体化させることができる。
【0151】
記偏向機能素子は、複数の狭帯域の光干渉性反射膜を重ね合わせて互いに平行に形成された複数の光干渉型反射面を前記ロータ軸の回転中心から放射状に配列した回転偏向器であるので、外周面ではなく回転中心を通る光干渉型反射面を利用して反射させることで電磁波の入射幅に収まるような小型対応の回転偏向器と小型対応の軸受構造との組合せ構造にすれば、より一層の小型化が可能な光偏向走査装置を構成することができるようになる
【0152】
前記回転偏向器は、結合手段により前記ロータ軸中に結合されているようにすれば、ロータ軸の直径と同径に収まるような回転偏向器をロータ軸に対して確実に結合させることができるようになる
【0153】
ータ構成部品をロータ軸に結合するねじ溝がロータ軸の回転方向とは逆回転方向で締まるように切るようにすれば、回転体の回転トルクは、部品を締める方向に作用することとなり、ロータ軸からの部品の脱離が起こらず、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上及び高速化を図る上で有利とすることができるようになる
【0154】
気中でロータを回転させれば風損が生ずるのは明らかであるが、磁気浮上軸受によれば減圧環境下でも回転駆動可能な特徴を有するようにすることにより、少なくともステータとロータとの間や偏向機能素子周辺を減圧封止する真空構造とすることができるようになり、風損の抑制が可能となり、この結果、ロータの回転に要するエネルギーも下がるので、1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び低消費電力化を図る上で有利となるようにすることができる。この際、真空構造のため、ステータは筐体構造を採ることとなるが、入・反射窓が確保されて電磁波透過領域として閉止されているようにすれば、真空構造に支障なく、電磁波の入・出射光路が確保され、回転偏向装置としての機能が発揮されるようになる
【0155】
圧封止する真空構造を採る場合、回転駆動機構部分等で発生する発熱に対する放熱対策が必要となるが、真空構造の構成部材を熱伝導性の高い非磁性金属により構成するようにすれば、放熱効果を確保することができるようになる
【0156】
記真空構造の構成部材の表面を黒くするようににすれば、黒体輻射効果により放熱効果を高くすることができるようになる
【0157】
例えばヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを封止するようにすれば、真空雰囲気内の温度上昇を抑制でき、結果的に放熱効果を高めることができるようになる
【0158】
ータとステータとの対向面にヘリカル溝を有するようにすれば、ロータの回転に伴いロータとステータとの間の対流循環の高い通風効果が得られ、結果的に放熱効果を高めることができるようになる
【0159】
請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置において、危険速度域を安全に脱出する目的に対して、危険速度域に達した場合には、下側のロータ浮上制御用電磁石に定常吸引力を印加させるわけであるが、これは系に対して下向きの外乱を加えたことと等価的であり、その振動を上側のロータ浮上制御用電磁石で検知して、この上側のロータ浮上制御用電磁石に対する通電を付与された外乱を吸収するように制御し、以って、危険速度域を通過させる。即ち、危険速度域に達した場合には、積極的に危険速度自体を変化させることで、振動モードを回避するものであり、危険速度域が複数(共振周波数が複数)ある回転体に対して振動制御手段として効果的に機能する。特に、制御すべき量を見計らって制御しているので、安全で制御性に優れた対応策となる。
【0160】
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置において、基本的には上側のロータ浮上制御用電磁石による吸引力と下側のロータ浮上制御用電磁石による吸引力とのプッシュプル制御によりロータ軸の浮上量のバランス制御を行うが、危険速度域に達した場合にはプッシュプル制御の制御電流値を切換えることで系の剛性を高め、危険速度域の振動を抑制することができる。即ち、危険速度域に達した場合には、積極的に危険速度自体を変化させることで、振動モードを回避するものであり、危険速度域が複数(共振周波数が複数)ある回転体に対して振動制御手段として効果的に機能させることができる。
【0161】
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置において、予め当該装置の危険速度を測定し、それ以上の回転速度からロータを浮上させるように制御することによっても、危険速度域を安全に突破することができる。
【0162】
ステータの底部にダンパを設ける構成にすれば、ロータとステータとの非接触状態を保持したまま、危険速度域を突破して、高速回転域に移行させることができるようになる
【0163】
ンパは危険速度域で比較的強い振動が発生したときのみ作用するようにすれば、十分な振動軽減効果が得られるようにすることができる
【0164】
請求項11記載の発明の光書込み装置によれば、より簡易な制御構成が可能な1軸制御型磁気浮上軸受を用いて1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図れる請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置を備えるので、小型にして安定した高速書込みが可能となる。
【0165】
請求項12記載の発明のレーザ走査型ディスプレイによれば、より簡易な制御構成が可能な1軸制御型磁気浮上軸受を用いて1軸方向のみの制御でロータ回転の安定性向上、高速化及び小型化を図れる請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置を備えるので、小型にして安定した高精細な表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の光偏向走査装置を示す縦断正面図である。
【図2】その水平端面図である。
【図3】永久磁石の組合せを示す分解斜視図である。
【図4】モータ付近の構成を示す水平断面図である。回転数に対する半径方向振幅幅のP−P値を示すロータ回転時の特性図である。
【図5】回転数に対する半径方向振幅幅のP−P値を示すロータ回転時の特性図である。
【図6】系に作用する力を模式的に示す説明図である。
【図7】通信制御手段の構成例を示すブロック図である。
【図8】通常動作時での静止時におけるインパルス応答の周波数特性を示す特性図である。
【図9】通常動作時とステップ状の電流を与えた状態とを対比させたインパルス応答の周波数特性を示す特性図である。
【図10】アウターロータ構成の1軸制御型磁気浮上軸受を用いた従来方式と本実施の形態方式とのロータ軸の軸回り回転ブレ量の測定結果を示す特性図である。
【図11】本発明の第二の実施の形態において系に作用する力を模式的に示す説明図である。
【図12】通信制御手段の構成例を示すブロック図である。
【図13】ダンパが追加された光偏向走査装置の一例を示す縦断正面図である。
【図14】ダンパが追加された光偏向走査装置の他例を示す縦断正面図である。
【図15】ダンパ追加時の静止時におけるインパルス応答の周波数特性を示す特性図である。
【図16】本発明の第三の実施の形態の静電モータの動作原理を示す模式的な説明図である。
【図17】静電モータの概略斜視図である。
【図18】その軸方向断面図である。
【図19】固定子の平面図である。
【図20】本発明の第四の実施の形態の回転偏向器の動作原理を示す概略平面図である。
【図21】ポリゴンミラーと対比させて示す特徴説明図である。
【図22】回転偏向器の結合構造を示す分解正面図である。
【図23】本発明の第五の実施の形態の光書込み装置を示す斜視図である。
【図24】本発明の第六の実施の形態のレーザ走査型ディスプレイを示す平面的構成図である。
【図25】その側面的構成図である。
【符号の説明】
1 回転偏向装置
3 ステータ
4 ロータ軸
5 ロータ
6 回転駆動機構
7 回転多面鏡、偏向機能素子
8 1軸制御型磁気浮上軸受
9 制御機構
15 反射面
16 入・反射窓
21 ロータ磁石
24 ステータ磁石
25 ロータ磁石
27 下側の吸引板
28 ステータ磁石
41 軸方向吸引制御機構
42 ロータ浮上制御用電磁石
43 上側の吸引板
44 ロータ浮上制御用電磁石
51 通電制御手段
60 上側吸引力印加手段
61 下側吸引力印加手段
62 通電制御手段
65 切換え手段
66 プッシュプル制御手段
68,69 ダンパ
71 回転駆動機構
81 光干渉型反射面
82 回転偏向器、偏向機能素子
85 結合手段
91 レーザ光源
97 被照射面
101 レーザ光源
102 外部変調器
106 副走査装置
108 投影面 109 投影手段

Claims (12)

  1. 位置固定されたステータと、このステータに内装されて回転軸方向を鉛直方向とするロータ軸を有するロータと、
    前記ロータ軸を回転駆動する回転駆動機構と、
    永久磁石の反発により前記ステータに対して前記ロータ軸を浮上させるよう半径方向に軸受する1軸制御型磁気浮上軸受と、
    前記ロータの浮上位置制御を含む姿勢を制御する制御機構と、
    前記ロータ軸の重心付近に結合されて入射した電磁波を反射させる偏向機能素子と、を備え、
    前記制御機構が、少なくとも、前記ロータに対して軸方向に離間させて取付けられた上下一対の吸引板と前記ステータ側に設けられて前記上下一対の吸引板の上部の吸引板を上向きに吸引し、下部の吸引板を下向きに吸引する上下一対のロータ浮上制御用電磁石とによる軸方向吸引制御機構と、
    これらのロータ浮上制御用電磁石に対する通電制御手段と、を備えることを特徴とする回転偏向装置。
  2. 下側の前記吸引板は前記ロータの下端に設けられ、該下側の吸引板の電磁石対向面は、下側の前記ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する前記ロータ軸中心の円錐形状又はR面形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の回転偏向装置。
  3. 下側の前記吸引板の径は、前記ロータ軸の径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の回転偏向装置。
  4. 前記偏向機能素子は、外面に複数の反射面を有する回転多面鏡であり、
    上側の前記吸引板は、前記ロータ軸より径大な前記回転多面鏡の上面に一体化されて前記ロータに取付けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の回転偏向装置。
  5. 上側の前記吸引板は、前記ロータ軸に対して同心円状の円盤形状であることを特徴とする請求項4に記載の回転偏向装置。
  6. 上側の前記吸引板は、前記回転多面鏡の上面に焼き嵌めして埋め込まれることにより一体化されていることを特徴とする請求項4又は5記載の回転偏向装置。
  7. 前記ロータ軸より径大でその上面に上側の前記吸引板が焼き嵌めして埋め込まれた前記回転多面鏡が、前記ロータ軸に対して軽圧入されて一体に結合されていることを特徴とする請求項4ないし6の何れか一記載の回転偏向装置。
  8. 前記通電制御手段は、上側の前記ロータ浮上制御用電磁石による上方への吸引力をF1、下側の前記ロータ浮上制御用電磁石による下方への定常吸引力をFd、前記ロータの自重をm、重力をg、前記1軸制御型磁気浮上軸受における永久磁石の反発力をFpとしたとき、mg+Fp+F1=0を常に満たすように前記吸引力F1を制御する上側吸引力印加手段と、
    前記ロータ軸の回転速度が危険速度域に達した時に下側の前記ロータ浮上制御用電磁石に前記定常吸引力Fdを印加する下側吸引力印加手段と、を備えることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置。
  9. 前記通電制御手段は、上側の前記ロータ浮上制御用電磁石による上方への吸引力をF1、下側の前記ロータ浮上制御用電磁石による下方への吸引力をF2、前記ロータの自重をm、重力をg、前記1軸制御型磁気浮上軸受における永久磁石の反発力をFpとしたとき、mg+Fp+F1+F2=0を常に満たすように前記吸引力F1,F2をプッシュプル制御するプッシュプル制御手段と、
    前記ロータ軸の回転速度が危険速度域に達した場合とそれ以外の場合とでプッシュプル制御の制御電流値を切換える切換え手段と、を備えることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置。
  10. 前記通電制御手段は、前記ロータ軸の回転速度が予め測定された危険速度を超えた後に前記ロータを浮上させる浮上開始制御手段を備えることを特徴とする請求項請求項1ないし7の何れか一記載の回転偏向装置。
  11. 電磁波としてレーザ光を発するレーザ光源と、このレーザ光源から発せられたレーザ光を入・反射させて被照射面に向けて偏向走査する請求項1ないし10の何れか一記載の回転偏向装置と、を備えることを特徴とする光書込み装置。
  12. 電磁波としてレーザ光を発するレーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザ光を画情報に応じて変調する外部変調器と、
    変調されたレーザ光を入・反射させて主走査方向に偏向走査する請求項1ないし10何れか一記載の回転偏向装置と、
    変調されたレーザ光を副走査方向に走査する副走査装置と、
    主走査方向に偏向走査され副走査方向に走査されるレーザ光を投影面に向けて照射する投影手段と、を備えるレーザ走査型ディスプレイ。
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