JP4201075B2 - 平面コイルの構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は平面コイルの構造体とその製造方法に関し、特に、携帯端末、事務機器、映像音響機器などに用いられる平面コイルの構造体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話に代表される電子機器などは急速に小型化が進んでおり、当該機器に搭載される電子部品もいっそう細密化が進んでおり、高精度の加工処理が求められている。たとえば携帯電話には呼び出し用の振動モータが搭載されているが、この振動モータには、上述の電子部品の細密化の要請から、平面モータが使用されるようになってきている。この平面モータ等に使用可能な小型、薄型の平面コイルを形成する技術として、導箔付の基板にフォトリソグラフィーでパターンを形成してエッチングを行う方法や、レジストフレームを形成してめっきを行うパターンめっき方法等がある。
【0003】
このような方法によって形成された平面コイルを使用したモータの従来例について、図5を用いて説明する。図5において、1はステータである。2はステータ1に設けられた導体からなる配線、3は配線間を埋める絶縁体部で、これら配線2と絶縁体部3とによって上述のコイルが構成される。4はモータの回転子を構成するロータ、5はロータ4に設けられた永久磁石である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
絶縁体部3としては、通常レジストすなわち感光性樹脂等が用いられる。しかし、この絶縁体部3を形成する感光性樹脂等の絶縁体は、一般的に熱伝導率が低く、配線2に流れる電流によって生じる熱を蓄熱しやすいという問題がある。
【0005】
すなわち、小型、薄型化した平面モータで高トルクを実現するためには、使用される平面コイルの配線2の巻き回し数を増したり、この配線2に大電流を流すことが必要であり、いずれも発熱が大きくなる。発熱が大きくなると、配線2どうしの間の絶縁体物3の温度が耐熱温度以上に上昇して、コイル自身が破壊されてしまうという問題が発生する。よって、平面コイルの薄型化、小型化のためには、コイル内部に蓄積される熱を速やかにコイルの表面に逃がし、空中へ放熱することが必要である。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、放熱性の良好な平面コイルの構造体を得ることができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の平面コイルの構造体は、上記の課題を解決するために、導体配線のまわりに絶縁体部を設け、この絶縁体部に、この絶縁体部よりも熱伝導性の良い材料からなるとともにこの絶縁体部の外部へ熱を導くことができる放熱部を埋設したものである。
【0008】
すなわち、コイルの配線部分を流れる電流は、コイル自身の抵抗によって熱を生じる。配線間の絶縁体部を形成する絶縁物としては感光性の樹脂材料が一般的に用いられるが、この感光性の樹脂材料は、その熱伝導度が、配線材料であるCuやAl等の金属に比べて低い。このため、配線部で生じた熱がコイル内部に蓄熱されて高温になってしまう。
【0009】
本発明では、上記のような蓄熱を防ぐために、絶縁体部に、この絶縁体部よりも熱伝導性の良い材料からなるとともにこの絶縁体部の外部へ熱を導くことができる放熱部を埋設した。これにより、放熱部に達した熱は、この放熱部に沿って絶縁体部の外部へ導かれ、空気中に放熱される。この効果によってコイル内部の温度を低減できるため、コイルの破壊を防ぐことが可能である。放熱部の材料としては、熱伝導率の高い金属材料が効果が高く、例えばAu、Ag、Cu、Al等が良い。また、薄型のコイルにおいて絶縁体部の厚みが薄くなる場合は、放熱部の材料として、絶縁物であり、かつレジスト等に比べて熱伝導率の高いAlN、Al2O3等を使用すれば、放熱効果と絶縁性とを両立できる。また、配線間の絶縁材料として、感光性樹脂の代わりに、AlNやAl2O3等の熱伝導率の良好な材料を用いても良い。
【0010】
なお、放熱部の材料として金属材料を用いた場合は、コイルが発生する振動磁場により放熱部内に誘導電流が生じて、放熱部自身が過熱され、パワーロスを生じるという問題が起こる。この問題を解決するためには、放熱部にスリットを設けて、誘導電流が流れる経路を分断すれば良い。こうすれば、誘導電流が生じることを抑制できるため、それによって発熱を防ぐことが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、基板上にコイル状の導体配線を形成し、前記導体配線および基板を覆うようにレジスト膜によって絶縁体部を形成し、この絶縁体部の上に、この絶縁体部よりも熱伝導性の良い材料からなる放熱材料にて成膜を行い、その成膜部の上にさらにレジスト膜によって絶縁体部を形成するものである。このようにすると、絶縁体部に放熱部を設けることができて、この放熱部に達した熱をコイルの外表面に導いて空気中への放熱を進めることができ、このため、コイル内部の温度を低下させてコイルの破壊を防ぐという作用を有する。
【0016】
請求項2に記載の発明は、放熱部を金属材料にて形成するものである。これにより、放熱部に達した熱が効率良くコイルの外表面に導かれて、空気中に放熱が進むため、コイル内部の温度を低下させてコイルの破壊を防ぐという作用を有する。
【0017】
請求項3に記載の発明は、金属材料をAu、Ag、Cu、Alのいずれかとするものである。これにより、放熱部に達した熱が効率良くコイルの外表面に導かれて、空気中に放熱が進むため、コイル内部の温度を低下させてコイルの破壊を防ぐという作用を有する。
【0021】
以下、本発明の実施の形態にもとづく平面モータを、図1を用いて説明する。図1に、本発明の実施の形態にかかる平面モータを示す。この図1において、1はステータ、2は、このステータ1に設けられた導体からなる配線、3は配線間の絶縁体部である。4はモータの回転子を構成するロータ、5は、ロータ4に設けられた永久磁石である。6は放熱部としての放熱層6で、絶縁体部3よりも熱伝導性の良い材料にて形成されるとともに、絶縁体部3の外部へ熱を導くことができるように、絶縁体部3に埋設されている。これら配線2、絶縁体部3、放熱層6によって平面コイル7が形成され、この平面コイル7はステータ1に固定されている。
【0022】
このような構成において、平面コイル7に外部の駆動回路より電流を供給して磁場を発生させると、この平面コイル7と、この平面コイル7に対向するロータ4に固定された永久磁石5との間で力を及ぼしあい、ロータ4が回転する。このとき配線2に流れる電流は、配線2自身の抵抗によってジュール熱を生じる。配線2より発生した熱は、絶縁体部3を介して放熱層6へ達する。放熱層6の材料としてCuを使用した場合を例にとると、その熱伝導率は、397W/m・Kと、絶縁体部3を形成する感光性樹脂の一般的な値である0.1〜1W/m・Kと比較して非常に大きい。このため、放熱層6に達した熱はこの放熱層6にそって速やかにコイル7の表面へと伝わり、周囲の空気へ放出される。より放熱効果を高めるためには、この放熱層6の先端における空気に触れる部分に、ヒートシンクや、表面積を大きく取った放熱フィンなどを設ければ良い。
【0023】
上記のように放熱層6にCuなどの金属材料を用いた場合において、図2に示すように平面コイル7と平行な方向に放熱層6を設けると、コイル7すなわち配線2に電流が流れることにより発生する振動磁場8によって、放熱層6内で誘導電流9が生じる。この電流9がジュール熱を発生することでコイル7の温度が上昇し、パワーロスも生じるという問題がある。この問題を解決するためには、図3に示すように放熱層6にスリット10を入れて、誘導電流9の流れる経路を分断すると良い。スリット10の形状は直線状でも曲線状でも良いが、誘導電流9が流れようとする方向に対して概ね垂直に設けると効果が大きい。
【0024】
次に本発明にもとづく平面コイルの構造体の製造方法について説明する。配線2のパターン形成の際には、例えば、フォトレジストによりパターンを形成し、Cuをめっきで成膜するという方法がある。放熱層6の形成手法としては、スパッタリング等の蒸着やめっき、CVD、スクリーン印刷等の方法で良い。
【0025】
以下、その一例として、放熱層6の材料としてCuを用いて、めっき法で形成する場合について、図4を参照しながら説明する。
まず絶縁体からなる基板上にCuシード層をスパッタリングにより1μmの厚さで成膜を行い(S401)、その上にフォトレジストをスピンコートにより塗布する(S402)。次にコイルの配線パターンを描いたフォトマスクを使用して露光、現像を行い(S403)、レジストフレームを形成する。そして、先に成膜したCuシード層を電極として銅めっき液中にて電界めっきを行い、Cuを析出させる(S404)。さらに、レジストを除去し(S405)、その後にウェットエッチングにより配線部以外に存在するCuシード層を除去して、基板上に幅30μm、厚さ30μm、配線間の距離25μmのコイル状の配線2を形成する(S406)。
【0026】
次に層間の絶縁体部3として、レジストを2μm塗布する(S407)。レジスト塗布方法は、スピンコートやドライレジストの貼り付け等でよい。そして露光、現像を行ってスルーホール部を形成し(S408)、その後に放熱層6としてCu膜を3μmの厚さで成膜する(S409)。Cuのパターン成膜には、レジストフレームを用いたパターンめっき法を用いることができる。あるいは、Cuを除去すべき部分にあらかじめレジストパターンを形成して、Cuを成膜後にレジストを除去するリフトオフ工法や、その他の方法でも良い。さらに絶縁体部2としてレジストを2μm塗布し(S410)、露光、現像してスルーホール部を形成する(S411)。
【0027】
なお、図1に示すようにコイル7は多層構造として形成されており、2層目以降は上記の繰り返しによって形成する。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、導体配線のまわりに絶縁体部を設け、この絶縁体部に、この絶縁体部よりも熱伝導性の良い材料からなるとともにこの絶縁体部の外部へ熱を導くことができる放熱部を埋設したため、コイル内部の温度を低下させることができて、コイルの破壊を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる平面モータの断面図
【図2】図1における放熱層の構成を示す図であって、(a)は同放熱層の平面図、(b)は配線に電流が流れることによる振動磁場の発生を説明する図
【図3】放熱層にスリットが設けられている様子を示す図であって、(a)はスリットの一例を示す図、(b)はスリットの他の例を示す図
【図4】本発明の実施の形態にかかる平面コイルの製造方法を示すフローチャート
【図5】従来の平面モータの断面図
【符号の説明】
2 配線
3 絶縁体部
6 放熱層
7 平面コイル
10 スリット
Claims (3)
- 基板上にコイル状の導体配線を形成し、前記導体配線および基板を覆うようにレジスト膜によって絶縁体部を形成し、この絶縁体部の上に、この絶縁体部よりも熱伝導性の良い材料からなる放熱材料にて成膜を行い、その成膜部の上にさらにレジスト膜によって絶縁体部を形成することを特徴とする平面コイルの構造体の製造方法。
- 放熱材料を金属材料にて形成することを特徴とする請求項1記載の平面コイルの構造体の製造方法。
- 金属材料をAu、Ag、Cu、Alのいずれかとすることを特徴とする請求項2記載の平面コイルの構造体の製造方法。
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