JP4199952B2 - 中空の組立構造物及び航空機の動翼 - Google Patents

中空の組立構造物及び航空機の動翼 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空の組立構造物に係り、航空機の動翼やドア類等にも適用され得る中空の組立構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の部材を組み立ててなる中空の組立構造物では、それら部材を結合する結合手段が必要である。例えば、そのような結合手段として、接着剤やねじなどが挙げられる。
【0003】
しかし、接着剤による結合やねじ止めで軽量かつ十分な結合強度を確保することは、中空構造の場合、製造的に困難である。そのため、ある程度の結合強度が必要とされる用途では、接着剤やねじによる結合は満足のいくものとは言い難かった。
【0004】
また、ねじ止めによる結合では、予め部材に対してねじ孔を設けておく必要がある。ここで、部材が薄肉部材である場合には、ねじ孔の深さが浅くなるため、ねじ孔の内部に十分な長さのねじ溝を設けることが困難となる。そのため、特に、薄肉部材を組み立てる場合に、十分な結合強度を確保することが困難であった。
【0005】
そこで従来より、薄肉部材同士を高強度に結合する手段として、リベットが用いられている。ここで、図9及び図10を参照しながら、リベット結合について説明する。リベット結合では、結合しようとする薄肉部材101,102に予めリベット孔103,104を設けておき(図9(a)又は図10(a)参照)、これらリベット孔103,104にリベット105を挿入する。そして、リベット105の一端側に当て盤106を配置した後、リベット105の他端をリベッタ107で軸方向にたたきつける(図9(b)又は図10(b)参照)。これにより、図9(c)又は図10(c)に示すように、リベット105の中間部及び端部がそれぞれ広がり、薄肉部材101と薄肉部材102とがリベット105を介して互いに結合されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のリベット結合では、リベット105における裏側、すなわち、リベッタ107で打撃を行う側と反対の側を、当て盤106で押さえておく必要があった。そのため、作業効率が十分に高いとは言い難かった。
【0007】
また、特に組立構造物が密閉型の中空構造物である場合には、リベット105を外側から挿入する必要があるが、密閉されている中空部側には手を挿入することができないため、当て盤106を配置することは困難である。そのため、密閉型中空構造物に対して、リベット結合をそのまま用いることは難しかった。また、機械的挙動をするブラインドリベットを用いることしかできなかった。したがって、薄肉部材の組み合わせによって密閉型の中空構造物を構成しようとする場合、十分な結合強度を確保することは非常に困難であった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リベット結合が不要な結合強度の高い中空組立構造物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る組立構造物は、少なくとも第1及び第2の部材が組み立てられてなる中空の組立構造物であって、前記第1部材には、貫通孔が設けられ、前記第2部材には、前記第1部材の貫通孔に対応した大きさの凹部又は貫通孔が設けられ、前記第1部材と前記第2部材とは、柱状部材が前記第1部材の貫通孔と前記第2部材の凹部又は貫通孔とに挿入され且つ前記柱状部材の外周面が前記第1部材の貫通孔の壁面及び前記第2部材の凹部又は貫通孔の壁面各々と擦れ合って摩擦攪拌接合されることによって組み立てられているものである。
【0010】
上記組立構造物では、第1部材は貫通孔内において、柱状部材と摩擦攪拌接合される。また、第2部材も、その貫通孔又は凹部において、上記柱状部材と摩擦攪拌接合される。その結果、第1部材と第2部材とは、上記柱状部材を介して、十分な結合強度で互いに結合されることになる。
【0011】
柱状部材の摩擦攪拌接合に際しては、柱状部材を第1部材の貫通孔と第2部材の貫通孔又は凹部とに対して擦り合わせるように挿入するだけで足りるので、リベット結合のように第2部材の裏側に当て盤を設けること等は不要である。したがって、簡易な作業により第1部材と第2部材とを結合することができ、作業性が向上する。
【0012】
前記組立構造物は、内側に中空部を有するように筒状、箱状、又は密閉型の箱状に構成され、第1部材と第2部材とは、前記第1部材の貫通孔が前記第2部材の凹部又は貫通孔よりも外側に位置するように組み立てられていてもよい。
【0013】
なお、上記及び下記でいうところの「密閉型」は、完全に密閉されているものに限らず、一部が開放されているものも含む。
【0014】
筒状、箱状、又は密閉型の箱状の組立構造物では、内側に当て盤を設けることが難しいため、リベット結合の作業性が悪く、あるいはリベット結合自体が困難であった。しかし、上記の組立構造物では、内側に当て盤を設ける必要はないので、筒状、箱状又は密閉型の箱状であるにも拘わらず、容易に製造することができる。また、ねじ止めや接着剤による結合に比べて、十分な結合強度を有する。
【0015】
第1部材及び第2部材は、それぞれ薄板部材からなっていてもよい。
【0016】
柱状部材は、第1部材と第2部材とに摩擦攪拌接合されるので、両部材が薄肉の部材であっても、両部材は十分な結合強度で結合されることになる。第1部材及び第2部材が薄肉部材からなっていることにより、組立構造物は軽量化される。また、必要な部材量が少なくなるので、構造物の低コスト化が図られる。
【0017】
第1部材及び第2部材のうちのいずれか一方又は両方は、削り出し部材からなっていることが好ましい。
【0018】
近年の高速切削技術の発展に伴い、ある程度複雑な構成を有する部材であっても、削り出し部材によって形成することが可能となった。本発明では、薄肉部材であっても、十分な結合強度で結合することができるので、そのような削り出し部材を積極的に活用することができる。そして、削り出し部材を用いることにより、組立構造物の部品点数の低減、作業性の向上、組立工数の低減などが図られる。
【0019】
第1部材と第2部材と柱状部材とは、同種材料からなっていることが好ましい。
【0020】
このことにより、電食が抑制され、耐腐食性が向上する。
【0021】
第1部材と第2部材との接触面同士は、接着剤によって接着されていてもよい。
【0022】
このことにより、第1部材と第2部材との間の隙間が接着剤によって塞がれるので、組立構造物の内部に水等の異物が侵入することが防止される。また、第1部材と第2部材との結合強度が更に向上する。
【0023】
前記組立構造物は、翼の一部又は全部を構成していてもよい。
【0024】
なお、ここでいう翼は、航空機の翼、例えば、航空機の固定翼(主翼、尾翼等)、動翼(フラップ、エルロン、エレベータ等)、回転翼(ヘリコプターのブレード等)の他、潜水艦の翼、送風機の羽根車の羽根、水車の羽根、風車の羽根等、様々な翼を含むものである。
【0025】
このことにより、高強度且つ軽量の翼を形成することができる。
【0026】
本発明に係る航空機の動翼は、表面が一方の翼面をなすとともに裏面にリブが一体的に設けられた削り出し部材からなり、裏面側に開口部を有する箱状に形成される一方、前記開口の周辺に、複数の貫通孔が設けられた板状の結合部を有する本体部と、前記本体部の貫通孔に対応する貫通孔が設けられ、表面が他方の翼面をなす外板とを備え前記本体部と前記外板とは、前記本体部の結合部と前記外板の裏面とが接着剤で接着されるとともに、柱状部材が前記外板の貫通孔と前記本体部の貫通孔とに挿入され且つ前記柱状部材の外周面が前記外板の貫通孔の壁面及び前記本体部の貫通孔の壁面各々と擦れ合って摩擦攪拌接合されることによって結合されているものである。
【0027】
このことにより、高強度且つ軽量の動翼が得られることになる。また、部品点数が少なく、組立工数の少ない動翼が得られることになる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1部材と第2部材とに柱状部材を挿入し且つ柱状部材の外周面と前記第1部材の貫通孔の壁面及び前記第2部材の凹部又は貫通孔の壁面各々とを摩擦攪拌接合することとしたので、組立構造物の一方の側からの作業のみにより、両部材を十分な結合強度で結合することができる。したがって、結合強度の高い組立構造物を実現することができる。
【0029】
部材間の結合強度の高い筒状、箱状、又は密閉型の箱状の組立構造物を得ることができる。
【0030】
第1部材及び第2部材を薄肉部材で形成することとすれば、組立構造物の低コスト化及び軽量化を促進することができる。
【0031】
第1部材及び第2部材のうちの一方又は両方を削り出し部材によって形成することにより、組立構造物の部品点数の削減及び組立工数の低減を図ることができる。
【0032】
第1部材と第2部材と柱状部材とを同種材料で形成することにより、耐腐食性能を向上させることができる。
【0033】
第1部材と第2部材との接触面同士を接着剤で接着することにより、組立構造物の内部への異物の侵入を防止することができるとともに、両部材の結合強度を更に向上させることができる。
【0034】
前記組立構造物を翼として構成することにより、高強度且つ軽量の翼を得ることができる。
【0035】
また、本発明によれば、高強度且つ軽量であり、部品点数及び組立工数の少ない航空機の動翼を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
<実施形態1>
図1に示すように、本実施形態に係る組立構造物は、航空機の動翼1である。動翼1は、本体部2と外板3とが組み立てられて構成されている。
【0038】
本体部2は、薄板状の金属材料を削り出して形成された削り出し部材からなっている。本体部2の各部の肉厚は薄く、本体部2はいわゆる薄肉部材によって形成されている。本体部2には、一方の翼面を形成する底板部4と、底板部4のスパン方向(図示のY方向)の両端においてそれぞれ上方に延びる翼端部5,5と、両翼端部5,5の間において底板部4から上方に延びるリブ6,6と、底板部4の前端から上方に延びる前端部7とが一体的に形成されている。なお、ここでは説明の便宜上、図1の左側を前側、右側を後側、上側を上側、下側を下側と称することとするが、これらの向きは必ずしも動翼1の使用状態における向きを意味するものではない(後述の各実施形態においても同様である)。
【0039】
翼端部5とリブ6とは、それぞれ前後方向(図示のX方向)に延びる細長い薄板形状に形成されており、それらの側面は三角形状に形成されている。また、翼端部5とリブ6とは、互いに平行に形成されている。翼端部5及びリブ6の傾斜面は、前側から後側に向かうにしたがって下方に傾斜するように形成されている。
【0040】
このように翼端部5とリブ6と前端部7とは、本体部2の裏面側に突出しており、それらの内側には開口部15が形成されている。本実施形態では、本体部2は3つの開口部15を有する箱形状に形成されている。なお、本体部2の表面(図1の下方の面)は、一方の翼面を形成する。
【0041】
本体部2の上側部分(詳しくは、開口部15の周辺部分)には、薄板状の結合部8,9,10が設けられている。具体的には、翼端部5及びリブ6の上側には、当該翼端部5及びリブ6から横方向にL字型に屈曲した結合部8が設けられている。前端部7の上側には、当該前端部7から後方にL字型に屈曲した結合部9が設けられている。本体部2の後端部には、スパン方向に延びる結合部10が設けられている。この結合部10は、底板部4の後端部から前方に向かうように屈曲している。前端部7の結合部9と翼端部5及びリブ6の結合部8とは、滑らかに連続している。また、後端部の結合部10と翼端部5及びリブ6の結合部8も、滑らかに連続している。
【0042】
結合部8〜10はそれぞれ一定幅の細長い結合面を有しており、結合部8〜10には、これら結合面を貫く複数の貫通孔11が形成されている。貫通孔11の個数、間隔、及び配列パターンは特に限定されるものではないが、本実施形態では、貫通孔11は結合面8〜10の全体にわたって満遍なく形成され、一定の間隔で配列されている。
【0043】
一方、外板3は、他方の翼面を形成する部材であり、薄板の金属材料からなっている。したがって、外板3も薄肉部材によって形成されている。外板3は本体部2の外形に合った形状に形成され、外板3には、本体部2の貫通孔11に対応した複数の貫通孔12が設けられている。貫通孔12の数、大きさ、及び配置パターンは、貫通孔11と同様である。
【0044】
本体部2と外板3とは、円柱形状のスタッド13を貫通孔11,12内に摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding;FSW)することによって結合されている。次に、本体部2と外板3との結合方法について説明する。
【0045】
図2(a)に示すように、結合に際しては、まず、貫通孔11と貫通孔12とが連続するように外板3を本体部2の各結合部8〜10上に重ね合わせる。言い換えると、貫通孔11と貫通孔12とを重ねるように、外板3の裏面と本体部2の裏面とを接触させる。なお、この状態で、外板3と本体部2とは、内側に中空部を有するような密閉型の箱状構造体を形成することになる。次に、スタッド13を軸回りに回転させながら、貫通孔12,11に対して外側から挿入する。これにより、スタッド13は貫通孔12,11の壁面と擦れ合い、摩擦熱によって外周面が溶融し、最終的にそれら壁面と接合される。その結果、外板3と本体部2とは、スタッド13を介して結合されることになる。
【0046】
外板3と本体部2とが結合された後、図2(b)に示すように、スタッド13の一部13aが外板3の表面上に突出している場合には、外板3の表面とスタッド13とが面一になるように、スタッド13の突出部分13aを除去する。
【0047】
以上のように、本実施形態の外板3と本体部2とは、スタッド13を用いた摩擦攪拌接合によって、互いに強固に結合されている。
【0048】
なお、外板3と本体部2との接合強度を確保できる限り、スタッド13と外板3と本体部2との材料は特に限定されるものではない。ただし、それらの材料が同一種類(例えば、それらの材料がすべてアルミニウムの場合)であれば、スタッド13の外周面と外板3及び本体部2の貫通孔12,11の壁面との電位差が低くなるので、本実施形態では、耐腐食性能を向上させる観点から、スタッド13と外板3と本体部2との材料を同種材料としている。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、外板3及び本体部2の貫通孔12,11に対してスタッド13を回転させながら挿入することにより、スタッド13を外板3及び本体部2に摩擦攪拌接合させることができ、外板3と本体部2とを強固に結合することができる。外板3及び本体部2はそれぞれ薄肉の部材であるが、それら薄肉部材同士を堅固に固定することが可能となる。また、リベット結合と異なり、裏側に当て盤を設ける必要はないので、密閉型の中空構造物であるにも拘わらず、容易且つ迅速に組み立てることができる。
【0050】
本体部2を削り出し部材によって一体的に形成したので、本体部を複数の部材で形成する場合に比べて、結合手段が不要になる分、本体部2の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0051】
−変形例1−
なお、航空機の動翼1は、翼表面において結露が生じたり、雨にさらされることがある。そのため、動翼1の内部に水分が侵入するおそれがある。しかし、動翼1の内部に水分が侵入すると、腐食等の原因となり好ましくない。そこで、動翼1の内側空間部に水分が侵入しないように、本体部2と外板3との間にシール材を介在させることが好ましい。
【0052】
例えば、図3(a)又は(b)に示すように、シール材として接着剤14を介在させてもよい。このように、外板3と本体部2の結合面8〜10とを接着剤で接着することとすれば、動翼1の内部への水分の混入を防止することができるだけでなく、外板3と本体部2との結合強度を更に向上させることができる。
【0053】
−変形例2−
航空機の動翼の形状は、上記実施形態の形状に限定されるものではなく、他の様々な形状が可能である。例えば、図4に示すように、動翼は、断面形状が上下対称のいわゆる対称翼であってもよい。また、非対称翼であってもよい。外板3は平板形状に限らず、湾曲していてもよいことは勿論である。また、部品点数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0054】
<実施形態2>
図5に示すように、実施形態2に係る組立構造物は、2以上の部材を組み合わせてなる支柱20である。この支柱20は、第1支柱21と第2支柱22とが継手23によって結合されて構成されている。
【0055】
第1支柱21及び第2支柱22は、内部に中空部が設けられた矩形型の筒状部材である。第1支柱21及び第2支柱22の軸方向の一端部(詳しくは、第1支柱21の下端部及び第2支柱22の上端部)には、内外を貫く貫通孔(図示せず)が形成されている。これらの貫通孔は、支柱21,22の外周に沿って一定間隔で並んでいる。
【0056】
継手23は、第1支柱21及び第2支柱22よりも一回り大きな矩形型の筒状部材からなっている。継手23の上端部には、第1支柱21の貫通孔に対応した貫通孔24が設けられており、継手23の下端部には、第2支柱22の貫通孔に対応した貫通孔25が設けられている。
【0057】
継手23の上側の貫通孔24と第1支柱21の貫通孔との内部には、スタッド13が摩擦攪拌接合されている。同様に、継手23の下側の貫通孔25と第2支柱22の貫通孔との内部にも、スタッド13が摩擦攪拌接合されている。スタッド13の摩擦攪拌接合については、実施形態1と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0058】
本実施形態においても、実施形態1と同様、薄肉部材同士を強固に結合することができる。また、中空構造物であるにも拘わらず、容易且つ迅速に組み立てることができる。
【0059】
<実施形態3>
図6に示すように、実施形態3に係る組立構造物は、列車の車両30である。車両30は、骨組部材(図示せず)に対して複数の外板31が結合されて構成されている。上記骨組部材及び外板31には、それぞれ複数の貫通孔32が設けられている。外板31の貫通孔32と上記骨組部材の貫通孔との内部には、前記実施形態と同様にして、スタッド13が摩擦攪拌接合されている。したがって、本実施形態によれば、結合強度の高い車両30を容易且つ迅速に組み立てることができる。
【0060】
<実施形態4>
図7に示すように、実施形態4に係る組立構造物は、航空機の主翼の骨格部材40である。この骨格部材40は、前けた41と後けた42と複数のリブ43とが組み立てられて構成されている。各リブ43は、その前後の両端部において、断面L字型のアングル継手44を介して、前けた41及び後けた42と結合されている。
【0061】
前けた41及び後けた42には、スパン方向(図7の左右方向)に所定間隔毎に、図7の上下方向に並んだ複数の貫通孔45が設けられている。また、リブ43の両端部にも、上下方向に並んだ複数の貫通孔46が設けられている。アングル継手44には、これらの貫通孔45,46に対応した貫通孔47が設けられている。
【0062】
アングル継手44の貫通孔47と上記貫通孔45,46との内部には、実施形態1,2と同様に、スタッド13が摩擦攪拌接合されている。これにより、前けた41、後けた42及びリブ43は、アングル継手44と強固に結合されている。したがって、前けた41とリブ43と後けた42とは、アングル継手44を介して互いに堅固に組み立てられている。
【0063】
以上のように、本実施形態においても、前記実施形態と同様、薄肉部材同士を容易、迅速且つ強固に結合することができる。
【0064】
なお、上記の骨格部材40を形成した後、翼面を形成する外板等を当該骨格部材40に対して組み立てることになるが、そのような外板等と上記骨格部材40とを上記と同様にして結合してもよいことは勿論である。つまり、外板等と骨格部材40とを、スタッドを用いた摩擦攪拌接合を利用して結合してもよい。
【0065】
<実施形態5>
図8に示すように、実施形態5に係る組立構造物は、複数の部材を組み合わせてなる筐体50である。この筐体50は、天板51と側板52,53と底板54とを組み合わせて構成されている。
【0066】
天板51及び底板54の各々の四隅部には、貫通孔55が形成されている。一方、側板52,53の上面及び下面には、天板51及び底板54の貫通孔55に対応する凹部56が形成されている。つまり、側板52,53には、天板51及び底板54の貫通孔55に対応する位置に、それら貫通孔55に対応する大きさの凹部56が設けられている。
【0067】
天板51の貫通孔55と両側板52,53の上面の凹部56との内部には、前記実施形態と同様にして、スタッド13が摩擦攪拌接合されている。また、底板54の貫通孔55と両側板52,53の下面の凹部56との内部にも、スタッド13が摩擦攪拌接合されている。なお、スタッド13は、外側から挿入されている。すなわち、天板51と両側板52,53との結合に際しては、スタッド13は上方から挿入され、底板54と両側板52,53との結合に際しては、スタッド13は下方から挿入される。
【0068】
したがって、本実施形態においても、複数の部材を強固に結合することができ、筐体50を容易且つ迅速に組み立てることができる。
【0069】
なお、上記筐体50に対して前板及び後板(図示せず)を側板52,53と同様にして結合し、上記筐体50を完全密閉型の中空構造物としてもよい。
【0070】
本実施形態のように、一方の部材に貫通孔を設け、他方の部材に上記貫通孔に対応する凹部を設けることとすれば、他方の部材は薄肉部材に限定されない。したがって、薄肉部材と厚肉部材とを結合することも可能となる。
【0071】
<他の実施形態>
本発明の適用対象は、前記各実施形態に限定されるものではなく、他の様々な実施形態が可能である。例えば、航空機のドア類、ヘリコプターのブレード、風車の羽根、船舶のスクリュー、送風機の羽根車、水車の羽根等のように、流体にさらされるような用途に用いられる他の組立構造物に対して本発明を適用することも可能である。また、ラックや金属製家具等の組立構造物に対して、本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る動翼の分解斜視図である。
【図2】 (a)及び(b)は、スタッドを用いた摩擦攪拌接合についての説明図である。
【図3】 (a)及び(b)は、実施形態1の変形例1に係る動翼の部分断面図である。
【図4】 実施形態1の変形例2に係る動翼の分解斜視図である。
【図5】 実施形態2に係る支柱の斜視図である。
【図6】 実施形態3に係る車両の斜視図である。
【図7】 実施形態4に係る主翼の骨格部材の斜視図である。
【図8】 実施形態5に係る筐体の分解斜視図である。
【図9】 (a)〜(c)は、リベット結合の説明図である。
【図10】 (a)〜(c)は、リベット結合の説明図である。
【符号の説明】
1 動翼(組立構造物)
2 本体部(第2部材)
3 外板(第1部材)
4 底板部
5 翼端部
6 リブ
7 前端部
8〜10 結合部
11 貫通孔
12 貫通孔
13 スタッド(柱状部材)
14 接着剤
20 支柱
30 車両
40 主翼の骨格部材
50 筐体

Claims (8)

  1. 少なくとも第1及び第2の部材が組み立てられてなる中空の組立構造物であって、
    前記第1部材には、貫通孔が設けられ、
    前記第2部材には、前記第1部材の貫通孔に対応した大きさの凹部又は貫通孔が設けられ、
    前記第1部材と前記第2部材とは、柱状部材が前記第1部材の貫通孔と前記第2部材の凹部又は貫通孔とに挿入され且つ前記柱状部材の外周面が前記第1部材の貫通孔の壁面及び前記第2部材の凹部又は貫通孔の壁面各々と擦れ合って摩擦攪拌接合されることによって組み立てられている中空の組立構造物。
  2. 内側に中空部を有するように筒状、箱状、又は密閉型の箱状に構成され、
    第1部材と第2部材とは、前記第1部材の貫通孔が前記第2部材の凹部又は貫通孔よりも外側に位置するように組み立てられている請求項1に記載の中空の組立構造物。
  3. 第1部材及び第2部材は、それぞれ薄肉部材からなっている請求項1又は2に記載の中空の組立構造物。
  4. 第1部材及び第2部材のうちのいずれか一方又は両方は、削り出し部材からなっている請求項1〜3のいずれか一つに記載の中空の組立構造物。
  5. 第1部材と第2部材と柱状部材とは、同種材料からなっている請求項1〜4のいずれか一つに記載の中空の組立構造物。
  6. 第1部材と第2部材との接触面同士は、接着剤によって接着されている請求項1〜5のいずれか一つに記載の中空の組立構造物。
  7. 翼の一部又は全部を構成している請求項1〜6のいずれか一つに記載の中空の組立構造物。
  8. 表面が一方の翼面をなすとともに裏面にリブが一体的に設けられた削り出し部材からなり、裏面側に開口部を有する箱状に形成される一方、前記開口の周辺に、複数の貫通孔が設けられた板状の結合部を有する本体部と、
    前記本体部の貫通孔に対応する貫通孔が設けられ、表面が他方の翼面をなす外板とを備え、
    前記本体部と前記外板とは、前記本体部の結合部と前記外板の裏面とが接着剤で接着されるとともに、柱状部材が前記外板の貫通孔と前記本体部の貫通孔とに挿入され且つ前記柱状部材の外周面が前記外板の貫通孔の壁面及び前記本体部の貫通孔の壁面各々と擦れ合って摩擦攪拌接合されることによって結合されている航空機の動翼。
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