JP4198422B2 - 機械式自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の自動変速機に利用する。本発明は、機械式の変速機およびこの変速機を制御するプログラム制御装置を備え、自動的にシフトアップおよびシフトダウンを実行する装置の制御論理の改良に関する。本発明は、トラックあるいはバスなどの大型商用車に実施するために開発された装置であるが、本発明は機械式自動変速機を備えた車両に広く利用することができる。
【0002】
ここで「自動変速機」とは、運転者による操作がなくとも、入力情報にしたがって演算制御により段階的に設定された変速ギヤの組み合わせを選択制御する装置をいう。この「自動変速機」には、入力情報にしたがって変速ギヤの選択を自動的に実行する変速装置であって、操作により変速ギヤを選択するための変速レバーが装備され、あるいは操作によりクラッチを開閉するためのクラッチ・ペダルが装備され、運転者がこれらを操作することにより、制御装置により自動的に実行される制御に割り込み、操作による変速操作を行うことができるように構成された、いわゆる半自動形の変速装置をもその範疇に含む。
【0003】
【従来の技術】
トラックあるいはバスなどの商用車に、機械式の変速機およびクラッチを備え、このクラッチの開閉制御および変速機の選択制御をプログラム制御回路の制御により実行する自動変速機が広く利用されるようになった。この装置は、クラッチの開閉および変速機の選択について、運転者の具体的な操作がなくとも、設定された制御論理にしたがって、クラッチの開閉制御および変速機の変速比切替の制御を自動的に実行するように構成されている。
【0004】
このような自動的な変速制御装置を設けることにより、たとえば前進7段ないし16段などのように多段の変速機を設け、これを有効に利用して、加速性能などの運転特性を損なうことなく、燃料消費率を改善することができるようになった。また、商用車の場合には自動車の運転を職業とする運転者により運転されることが多く、すべての変速操作が自動化されることについての不満があったが、上記のような半自動型の変速装置を採用することが可能になり、ユーザにも運転者にも好評な装置を提供することができるようになった。
【0005】
従来装置では、変速機をシフトアップすべきかシフトダウンすべきかの判断を行うために、車速情報およびアクセル開度情報を二次元情報として入力し、この二次元情報に対応して制御マップを設定する制御論理が広く利用されている。これを説明すると、横軸に車速をとり縦軸にアクセル開度をとった平面上に、最適変速比の帯域を描いたマップを作成する(図5参照)。入力する二次元情報にしたがって、そのマップの上の一点が定まると、その時点の状態に対する最適変速比が求められるから、その最適変速比に対して現在の変速比が適当でないときには、それぞれシフトアップまたはシフトダウンを実行するように制御するものである。たとえば、いま入力二次元情報の入力が図5に示す点P1であり、変速機に4速が選択されているとすると、これは最適変速比が選択設定されている状態である。このとき、車速が次第に増加して入力二次元情報が点P2に移動すると、最適変速比は5速であり、自動的に一段のシフトアップが実行される。また点P1の状態からアクセル・ペダルが踏み込まれると、それは運転者による車両加速のための操作である。たとえば入力二次元情報が点P3に移動すると、そのアクセル・ペダルの踏み込み量に応じて最適なギヤ比は2速となり、変速機は自動的に2段シフトダウンされる。
【0006】
この例は横軸を車速情報とするものであるが、横軸をエンジン回転速度として縦軸をアクセル開度としても同様のマップができる。その場合には現時点で変速機に選択設定されている変速比ごとに、選択されるマップが異なることになる。すなわち変速機がn段の変速機である場合には、全体でn個のマップが用意されていて、変速比が切り替えられる毎にそれぞれ対応するマップが選択されて設定されることになる。
【0007】
従来例技術として、このマップの縦軸をアクセル操作量相当値とする制御論理が、特開2001−271920号公報(出願人、トヨタ)に開示されている。この制御論理と本発明との関連については後で詳しく説明する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、商用車にもオートクルーズ装置や速度制限装置が導入されることになった。オートクルーズ装置は、所定車速以上の状態でオートクルーズを「オン」に操作すると、運転者がアクセル・ペダルから足を離しても、あるいはアクセル・ペダルの踏み込み量が所定幅範囲にあるかぎり、その時点の車速を維持するように自動的に燃料流量が調節される装置である。速度制限装置は、その車両について法的に定められた最大速度に達すると、アクセル・ペダルを踏み込んでも燃料流量はその最大速度を維持するように制限される装置である。いずれも、装置が作動するとアクセル開度とエンジンに供給される燃料流量とが対応しない状態となる。したがって上記従来例装置の構成として説明した制御マップは、そのまま利用できないことになる。
【0009】
このような問題に対するもっとも単純な対応は、オートクルーズ装置や速度制限装置が作動したときには、自動変速装置の制御を停止してしまうように設計することである。オートクルーズ装置や速度制限装置が作動する状態は、多くの場合に変速機はトップ・ギヤまたはオーバドライブ・ギヤが選択されていて、車両はいわゆる巡航速度で走行している状態であるから、実用上はそのような設計でも容認できる場合が多い。しかしオートクルーズ装置や速度制限装置が作動中に、車両が登り勾配の路面にさしかかったようなときは、その車速を維持するためには変速機のシフトダウンを実行することが望ましい場合がある。また速度制限装置については、かならずしも巡航速度で利用されるだけではなく、貨物積み下ろし場の構内を設定された制限速度を越えないように走行するために利用することなども考えられ、このような場合には、速度制限装置が作動中でも自動変速機は適正に作動するように設計することが望ましい。
【0010】
本発明は、このような背景に行われたものであって、オートクルーズ装置や速度制限装置が装備された車両についても、適正な論理で作動する自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。本発明は、従来の設計を特別に変更することなく、オートクルーズ装置や速度制限装置が装備された車両についても、自動変速機を有効に利用することができる装置を提供することを目的とする。本発明は、一般的な規格を満足するエンジン制御回路を備えた車両について、特別の改修を行うことなく自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車速情報と、内部にオートクルーズや速度制限などの付加的な制御論理を含むエンジン制御回路(エンジンECU)の出力に送出されるエンジンに対する燃料供給量の情報とを二次元入力情報として、シフトアップまたはシフトダウンを決定する制御マップを備えたことを特徴とする。すなわち従来装置では、二次元入力情報の一つはアクセル開度の情報であったところ、これをエンジン制御回路の出力に送出されるエンジンに対する燃料流量の情報とするものである。
【0012】
本発明は、前記二次元入力情報の一つである車速情報に代えて、エンジン回転速度情報を入力情報とするように構成することができる。本発明のさらに具体的な実施態様として、前記エンジンに対する燃料流量の情報は、通信規格J1939のバスに送出されるエンジンの燃料流量率の情報を利用するように構成することが望ましい。
【0013】
本発明は、上記制御マップを利用して説明した従来例装置について、その制御マップの縦軸をアクセル開度の情報とするのではなく、エンジン制御回路(エンジンECU)から送出される燃料流量の情報を利用するところにある。すなわち、オートクルーズ装置や速度制限装置は、一般にエンジン制御回路の内部に付加的な制御論理として構成設定される。オートクルーズ装置および速度制限装置は、エンジン制御回路に入力情報として車速情報を取り込み、それぞれ操作により設定される車速または法的に規制された車速に対応して作動する。したがってエンジン制御回路の制御出力情報は、オートクルーズ制御あるいは速度制限制御が行われた後の情報であり、これがエンジンの燃料流量を制御する情報であり、これを上記制御マップの縦軸の情報として利用するものである。
【0014】
近年、商用車も含めエンジンやABS装置など電子制御化された装置が多く車両に搭載されるようになった。これら電子制御装置間のコミュニケーション手段としてより高機能かつ高速度の多重シリアル通信が利用され、現在ではSAE−J1939により主要な部分が規格化されるに至った。欧州も含め日本国内で製造されるエンジンECUはこの規格に準処した通信バスを備えることが一般的になっている。
【0015】
したがってこの通信バスに送出される燃料流量率の情報を利用するなら、どのようなエンジンに対しても一律になんら特別な装置を付加することなく本発明を実施することができる。この通信バスに送出される燃料流量率の情報は最大燃料流量に対する割合で表示されるようになっているから、エンジンの規格にかかわらずそのまま上記説明の制御マップの縦軸の情報として利用することができる。
【0016】
ここで、本発明を上記従来例として説明した特開2001−271920号公報(出願人、トヨタ)に開示された内容との関連に言及すると、この公報に開示された技術も二次元情報の一つとして、エンジンに供給する燃料流量に相当する情報を利用するものである。しかしこの燃料流量に相当する情報は、これを得るために別のマップを用いた演算を実行するように説明されている。これが上記公開公報の段落0035、同段落0038および同図3などで説明されているBマップであると考えられる。しかもこのBマップは、エンジン回転速度およびスロットル開度の二つの情報からアクセル相当値を求めることになり、これは三次元のマップが必要になるものと考えられる。これは実際にはかなり複雑なものになる。すなわち上記公報に開示された内容には、エンジンECUからエンジンに供給される制御情報をそのまま分岐して、これを変速機制御の情報として直接利用するとの考え方はない。この従来例技術とくらべると、本発明の構成では、アクセル相当値を演算するための演算回路は不要であるとともに、通信規格に準拠するエンジンECUが利用されている車両については、単純なバス接続により合理的な制御を行うことが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明を実施した自動変速装置の概要を説明する。この例は上記説明における半自動形の変速装置に係るものである。
【0018】
エンジン1の回転出力は、クラッチ2を介して変速装置3に伝達され、さらにプロペラ軸4から図外の車軸に伝達される。エンジン1の燃料噴射ポンプ5は、プログラム制御回路により構成されたエンジン制御回路6により制御される。この装置のクラッチ2はいわゆる機械式クラッチであり、その接断動作はクラッチ・アクチュエータ37により制御される。変速装置3はこの例では前進7段後退1段の機械式であり、シフト・ユニット7によりX−Y方向に制御される。このクラッチ・アクチュエータ37およびシフト・ユニット7は、エア・タンク8から供給される空気圧により制御される。クラッチ・アクチュエータ37に供給される空気圧は、クラッチ制御弁9により制御される。シフト・ユニット7には内部にX方向(シフト)およびY方向(セレクト)の制御弁が内蔵され、これらの制御弁を介してシフト・シリンダおよびセレクト・シリンダにそれぞれ空気圧が供給される。クラッチ制御弁9およびシフト・ユニット7に内蔵される制御弁は、プログラム制御回路により構成された変速機制御装置10により電気的に制御される。本発明はこの変速機制御装置10に実施されるものであり、その変速機制御装置10の制御論理を追加することにより実施される。
【0019】
クラッチ2は上記クラッチ・アクチュエータ37により制御されるほかに、クラッチ・ペダル11により駆動される油圧ポンプ12により、油圧系13を介して直接機械的に制御できるように構成されている。すなわち、このクラッチ2は接続状態にあるときに、運転席のクラッチ・ペダル11を踏むことにより、運転者が半クラッチを含む接断制御を行うことができる。このクラッチ・ペダル11によるクラッチ制御を利用して、運転者は車両が停止状態から発進するときに、自動クラッチの制御に頼らずに自らのクラッチ操作による制御を行うことができる。クラッチ・ペダル11によるクラッチ切断の動作は、変速機制御装置10によるクラッチ制御に優先する。一般にこのクラッチ・ペダル11によるクラッチ操作は発進時のみ、すなわち車速が零の状態から車両を発進させるときにのみ利用されることが多い。上で説明したように、この種の商用大型車両の運転者は一般に職業的な運転者であり、発進時にクラッチの接続状態を自らの左足で制御することをわずらわしいと感じることがない。むしろ発進時の低速ギヤにおける微妙なクラッチ制御を自ら所望のように行い、円滑な発進ができることからこの装置は運転者に好評である。そして、発進時に運転者の左足によりクラッチ制御を行うことにより、燃料消費量を節約し排気ガスの量を低減することができる。
【0020】
図1に示す構成の説明に戻って、クラッチ・ペダル11の操作に連動して、クラッチ・ペダル11が解放状態にあることを検出するクラッチ・スイッチ14、およびクラッチ・ペダル11が踏み込まれたことを検出するクラッチ・スイッチ15が設けられ、これらの検出出力は変速機制御装置10に取り込まれる。アクセル・ペダル16にはアクセル位置センサ17が設けられ、その出力はエンジン制御回路6に取り込まれる。
【0021】
運転席に設けられた変速レバー18の状態は変速機制御装置10に取り込まれる。この変速レバー18は、引き出し線により図1の左端に示すように、Nレンジ(ニュートラル位置)、Dレンジ(ドライブ位置)、Hレンジ(ホールド位置)およびRレンジ(後退位置)の四つの位置に設定することができる。ここでこのHレンジは、変速機制御装置10のシフト制御を運転者の操作により一時的に禁止するものであり、上で説明したマニュアルモードを設定するための操作位置である。
【0022】
この変速レバー18は、発進時にDレンジに設定すると、発進後のギヤ選択設定はすべて変速機制御装置10の制御により自動的に実行される。たとえば、変速レバー18をDレンジにシフトして車両を発進させると、車速零のときに2速が選択設定され、車両の発進後はその加速状態にしたがって、変速ギヤが自動的にシフトアップされてゆく。変速ギヤが転換されるつど、クラッチ2は変速機制御装置10の制御により切断および接続が繰り返されるとともに、それに同期してエンジン1に供給される燃料流量が加減される。
【0023】
さらに、この変速レバー18がH(ホールド)レンジにあるときには、変速制御が一時的に禁止され、その時点で選択設定されている変速ギヤが維持される。このH(ホールド) 位置から、変速レバー18を上または下に1回操作することにより、運転者は自動的なギヤ選択に対して、例外的なシフトアップまたはシフトダウンを指示することができる。この操作は、シフトアップあるいはシフトダウンに2回振ることにより、それぞれ2段シフトアップあるいはシフトダウンをすることができる。このときにも、クラッチ3は自動的に切断され、ギヤシフトが実行されて、クラッチ3が自動的に接続されるように制御されるし、燃料流量も自動的に加減される。
【0024】
車速情報はプロペラ軸4の回転を検出する車速センサ35から変速機制御装置10に取り込まれる。車速情報は車速センサ35の出力パルスを移動平均積分により演算された情報である。変速装置3の状態を検出するために、変速装置3にはカウンタシャフト回転センサ36が設けられ、この出力情報は変速機制御装置10に取り込まれる。
【0025】
図1についてさらに説明すると、変速機制御装置10は、エンジン制御回路6と通信バス34により接続されている。この通信バス34に上で説明した通信規格J1939が採用されている。そしてエンジン制御回路6は同じく通信バス34を介して、モニタ・インターフェース20および運転席に配置された表示器21に接続されている。さらに変速機制御装置10には運転席に配置された操作スイッチ22が接続され、変速機制御装置10には運転席に配置された警報ブザー23が接続される。変速機制御装置10には運転席に配置された非常操作端24の操作入力が取り込まれる。これらの操作スイッチ22、警報ブザー23、および非常操作端24は変速機制御装置10の動作が異常状態になったときに利用されるものであり、これらの構成および作用については本発明に直接関係がないのでここではさらに詳しい説明を省略する。
【0026】
変速機制御装置10には、エア・タンク8の圧力センサ25の状態情報が取り込まれる。これはエア・タンク8の空気圧が低下したときに、非常バルブ26に制御信号を送出して、非常用空気圧27を利用するように構成したものであり、自動変速装置の信頼性を向上させたものである。このほかに、変速機制御装置10には、PTO(Power Take Off)装置の状態情報28、リターダ装置の状態情報29、ブレーキ制御系の状態情報30、排気ブレーキ制御系の状態情報31、ブレーキ圧力情報33などが取り込まれる。
【0027】
ここで本発明実施例装置では、エンジン制御回路6の制御論理に、オートクルーズ装置および速度制限装置の制御が設定されている。オートクルーズ装置は、運転席に設けられたオートクルーズ操作端19の操作により、有効状態に設定操作されると、その設定操作の時点における車速を目標値として、その車速を維持するように燃料供給量が自動制御される。また速度制限装置は、同じくエンジン制御回路6に設けられ、入力情報として車速情報を取り込み、車速が法的に規制された最高車速(例えば90km/h) または操作端19から入力された車速を越えないように制御される。オートクルーズ装置または速度制限装置が作動すると、アクセル・ペダル16の踏み込み量と燃料供給量とは対応しなくなる。したがって、アクセル・ペダル16の踏み込み量を入力情報の一つとして変速制御を行っても適正な変速制御はできなくなる。
【0028】
図2はこの実施例装置のエンジン制御回路6について、その出力回路の構成を示す概念図である。すなわち、運転者が操作するアクセル・ペダルの操作量と、オートクルーズ装置の出力に現れるクルーズ・アクセルの開度とを比較し、その開度の大きい値を採用する。さらにこの値と速度制限装置の出力に現れる速度制限アクセルの開度とを比較し、その開度の小さい方を採用する。これが出力インターフェース(I/O)から燃料流量率の情報として、エンジン1の燃料噴射ポンプへ制御信号として送出される。
【0029】
さらに詳しくは、この燃料流量率の情報は最大流量に対する割合を表示する情報であり、この情報によりエンジン1が制御される。したがって、自動変速装置10の入力情報としてこれを直接利用することがきわめて有効である。この入力情報は、オートクルーズ装置が作動している状態でも、速度制限装置が作動している状態でも、その時点の燃料流量を適正に表示するものであり、この燃料流量率の情報を利用して変速機制御装置10の制御を適正に行うことができる。
【0030】
変速機制御装置10には制御マップが設定されている。図3にその制御マップの第一実施例を示す。これは変速装置が第n速に設定されているときに利用される制御マップであり、横軸に入力情報の一つであるエンジン回転速度をとり、縦軸にもう一つの入力情報である燃料流量率をとる。いま、二つの入力情報が点P0であれば、選択されている第n速は適正な変速比である。走行路面が上り坂になりマップに設定された境界線を上側に越えると、変速機はシフトダウンされる。車両が加速されマップに設定された境界線を下側に越えると、変速機はシフトアップされるように制御される。変速機のシフトダウンが実行されると、第n速のマップに代えて第n−1速のマップが設定される。変速機のシフトアップが実行されると、第n速のマップに代えて第n+1速のマップが設定される。
【0031】
図4に制御マップの第二実施例を示す。この例はマップの縦軸は上記と同様に燃料流量率であるが、マップの横軸を車速とするものである。この例では、一つのマップに複数の変速比に対する制御境界が表示されている。いま変速機が第4速にあり、入力する二次元情報のマップ上の点がP1であるとすると、そのときの変速比は適正である。その状態で車両が加速して入力二次元情報が点P2の位置に移動すると、変速機はシフトアップに制御される。また上り坂にさしかかり、エンジン負荷が大きくなり燃料流量か増大するとともに車速が小さくなり、二次元情報が点P3になると、変速機はシフトダウンに制御される。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、オートクルーズ装置や速度制限装置が装備された車両についても、適正な論理で作動する自動変速機の制御装置を提供することができる。本発明は、従来の設計を特別に変更することなく、オートクルーズ装置や速度制限装置が装備された車両についても、自動変速機を有効に利用することができる装置が得られる。本発明により、一般的な規格を満足するエンジン制御回路を備えた車両について、特別な改修を行うことなく、通信インターフェースの接続を行うことにより適正な自動変速機の制御装置を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のブロック構成図。
【図2】本発明実施例エンジン制御回路の出力回路ブロック構成図。
【図3】本発明実施例装置の制御マップを説明する概念図。
【図4】本発明実施例装置の制御マップを説明する概念図。
【図5】従来例装置の制御マップを説明する概念図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クラッチ
3 変速装置
4 プロペラ軸
5 燃料噴射ポンプ
6 エンジン制御回路
7 シフト・ユニット
8 エア・タンク
9 クラッチ制御弁
10 変速機制御装置
11 クラッチ・ペダル
12 油圧ポンプ
13 油圧系
14 クラッチ・スイッチ(上端)
15 クラッチ・スイッチ(下端)
16 アクセル・ペダル
17 アクセル位置センサ
18 変速レバー
19 オートクルーズ操作端
20 モニタ・インターフェース
21 表示器
22 操作スイッチ
23 警報ブザー
24 非常操作端
25 圧力センサ
26 非常バルブ
27 非常用空気圧
28 PTO装置情報
29 リターダ情報
30 ブレーキ制御系情報
31 排気ブレーキ制御系情報
32 ブレーキ状態情報
33 ブレーキ圧力情報
34 通信バス
35 車速センサ
36 カウンタシャフト回転センサ
37 クラッチ・アクチュエータ
Claims (3)
- 車速情報と、回路内部に付加的な制御論理を含むエンジン制御回路の出力に送出されるエンジンに対する燃料供給量の情報とを二次元入力情報として、シフトアップまたはシフトダウンを決定する制御マップを備えたことを特徴とする機械式自動変速機の制御装置。
- 前記二次元入力情報の一つである車速情報に代えて、エンジン回転速度情報を入力情報とする請求項1記載の機械式自動変速機の制御装置。
- 前記エンジンに対する燃料供給量の情報は、通信規格J1939のバスに送出される燃料流量率の情報である請求項1または2記載の機械式自動変速機の制御装置。
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