JP4198366B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4198366B2
JP4198366B2 JP2002036600A JP2002036600A JP4198366B2 JP 4198366 B2 JP4198366 B2 JP 4198366B2 JP 2002036600 A JP2002036600 A JP 2002036600A JP 2002036600 A JP2002036600 A JP 2002036600A JP 4198366 B2 JP4198366 B2 JP 4198366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
tread
circumferential direction
groove
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002036600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003237318A (ja
Inventor
直也 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2002036600A priority Critical patent/JP4198366B2/ja
Publication of JP2003237318A publication Critical patent/JP2003237318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4198366B2 publication Critical patent/JP4198366B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッドに複数のブロックを備えた空気入りタイヤに係り、特に、排水性能を向上しつつ、氷雪上性能を確保することのできる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
氷雪上性能をバランス良く発揮し得る冬用のタイヤ(所謂スタッドレスタイヤ)の従来知られているトレッドパターンは、図4に示すようなタイヤ周方向に連続した第1のストレート溝100、ジグザグ溝102、第2のストレート溝104、第1のラグ溝106、第2のラグ溝108、第3のラグ溝110を組み合わせたブロックパターンが一般的である。
【0003】
なお、これらの溝で区画されたブロック112,114,116には、各々サイプ118が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の冬用のタイヤのトレッドパターンは、上記のようにストレート溝とジグザグ溝とを組み合せた点対称パターンであった。
【0005】
周方向に延びるストレート溝は、排水性には有効であるが、雪上でのブレーキ、及びトラクション性能には不利である。一方、ラグ溝は、雪上でブレーキ及びトラクション性能には有利であるが、排水性には不利である。
【0006】
また、トレッドにジグザグ溝ばかりを形成すると、トラクション、及びブレーキ性能には有効であるが、排水性は悪化する。
【0007】
このように、各溝には一長一短があり、排水性、及び氷雪上性能の両方をバランス良く高めることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮し、ウエット路面走行時の排水性向上を狙いつつ、従来よりも氷雪上でのトラクション、及びブレーキ性能の向上を図ることのできる空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、タイヤ赤道面を中心としてトレッド幅の1/3のトレッド中央領域内に配置され、少なくともタイヤ赤道面の左右で対をなす幅狭周方向主溝と、前記幅狭周方向主溝のタイヤ幅方向外側に設けられ、前記幅狭周方向主溝よりも幅広で少なくともタイヤ赤道面の左右で対をなす幅広周方向主溝と、各トレッド端からタイヤ赤道面側へ向ってタイヤ周方向に対して傾斜して延びる傾斜溝と、を備え、トレッド幅方向に少なくとも5つブロック列を形成した空気入りタイヤであって、全ての前記傾斜溝が、少なくともタイヤ赤道面を越えて反対側の前記幅狭周方向主溝に到達すると共に、タイヤ赤道面側の一部同士が周方向に離間してオーバーラップするか、又は互いに接続するようにタイヤ赤道面の左右で対をなし、前記左右の幅狭周方向主溝に挟まれたセンター領域には、1つの頂点をタイヤ赤道面の一方側に他の2つの頂点をタイヤ赤道面の他方側に位置するようにトレッド平面視形状が略三角形とされた第1の三角ブロックと、1つの頂点をタイヤ赤道面の他方側に他の2つの頂点をタイヤ赤道面の一方側に位置するようにトレッド平面視形状が略三角形とされた第2の三角ブロックと、をタイヤ周方向に交互に配列した第1のブロック列が設けられ、トレッド平面視形状が略平行四辺形とされ、長い方の対角線がタイヤ周方向に対して傾斜し、タイヤ赤道面側の鋭角角部にトレッド平面視で半径0.5〜4mmの円弧部を形成した平行四辺形ブロックを、タイヤ周方向に配列した第2のブロック列が、前記第1のブロック列のタイヤ幅方向最外側に設けられている、ことを特徴としている。
【0010】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0011】
トレッドに、トレッド中央領域内にタイヤ周方向に延びる少なくとも少なくとも1対の幅狭周方向主溝を配置し、そのタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に延びる少なくとも1対の幅広周方向主溝を配置し、さらに、全ての傾斜溝が、少なくともタイヤ赤道面を越えて反対側の幅狭周方向主溝に到達すると共に、タイヤ赤道面側の一部同士が周方向に離間してオーバーラップするか、又は互いに接続するようにタイヤ赤道面の左右で対をなすことで、トレッド面には少なくとも5つのブロック列が形成され、基本的なハイドロプレーニング性能、及び雪上性能(ブレーキ、トラクション、コーナリング)が得られる。
【0012】
ここで、トレッド中央領域内に幅狭周方向主溝を形成したのは、トレッド中央領域内のネガティブ率を少なめに設定することで所謂センター摩耗(偏摩耗)を抑制するためである。
【0013】
傾斜溝を、トレッド端からタイヤ赤道面側へ延ばし、さらに幅狭周方向主溝間の陸部を横断させることにより、傾斜溝を長く設定することができ、雪上性能に有効な長いブロックエッジを確保することができる。
【0014】
トレッドにブロック列を5列以上設けることにより、氷雪上でのコーナリング性能を確保することができる。
【0015】
1つの頂点をタイヤ赤道面の一方側に、他の2つの頂点をタイヤ赤道面の他方側に位置するようにトレッド平面視形状が略三角形とされた第1の三角ブロックと、1つの頂点をタイヤ赤道面の他方側に、他の2つの頂点をタイヤ赤道面の一方側に位置するようにトレッド平面視形状が略三角形とされた第2の三角ブロックと、をタイヤ周方向に交互に配列してトレッドセンター領域ブロック列を形成したので、センター領域での傾斜溝が1本ごとに違う方向を向くことになり、コーナリング時の右きり、左きりに影響されることなく、常に高い雪上トラクション性能を発揮することができる。
【0016】
なお、センター領域においてタイヤ赤道面の一方の傾斜溝と他方の傾斜溝とをタイヤ周方向に離してオーバーラップさせた場合には、センター領域において傾斜溝によるブロックエッジの長さを2倍にすることができる。
【0017】
センター領域は、雪上トラクションに対して有効に働くため、この領域のブロックエッジを2倍にすることにより、より強いトラクション性能を発揮することができる。
【0018】
トレッド平面視形状が略平行四辺形とされ、長い方の対角線がタイヤ周方向に対して傾斜した平行四辺形ブロックをタイヤ周方向に配列した第2のブロック列を、センター領域のタイヤ幅方向外側に配置したので、ウエット路面走行時にセンター領域の水をスムースにその外側の領域、あるいは幅広周方向主溝へと流すことができる。
【0019】
そして、平行四辺形ブロックは、長い方の対角線をタイヤ周方向に対して傾斜させ、タイヤ赤道面側の鋭角角部にトレッド平面視で半径0.5〜4mmの円弧部を設けたので、タイヤ赤道面側からトレッド端側へスムーズに水を流すことができる。
【0020】
なお、円弧部の半径が4mmを越えると、ブロックの接地面積が減少してブロック剛性の低下につながるため、円弧部の半径の上限を4mmに抑えることが好ましい。
【0021】
なお、本発明の「タイヤ赤道面側の一部分同士がオーバーラップしたタイヤ赤道面の左右で対をなす傾斜溝」とは、例えば、タイヤ赤道面の右側の傾斜溝と左側の傾斜溝が互いのタイヤ赤道面側の一部分同士をタイヤ周方向に互い離間した状態でオーバーラップしている場合と、タイヤ赤道面の右側の傾斜溝と左側の傾斜溝がタイヤ赤道面付近で互いに接続している場合との2つの場合がある。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記傾斜溝のタイヤ赤道面側の一部分が、前記第1の三角ブロックの少なくとも1辺、及び前記第2の三角ブロックの少なくとも1辺を形成している、ことを特徴としている。
【0023】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0024】
第1の三角ブロックの少なくとも1辺、及び第2の三角ブロックの少なくとも1辺をそれぞれ傾斜溝と共有することで、センター領域に配置される溝の幅を細く設定しても(センター領域の剛性を確保するため)、センター領域の水をそのタイヤ幅方向外側の領域へとスムースに流すことができる。
【0025】
また、結果的に、ラグ溝成分を長くとれるので、雪上でのトラクション性能に対しても有効になる。
【0026】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記傾斜溝の溝幅は、トレッド端側からタイヤ赤道面側へ向って各ブロック列内では同一幅で、各ブロック列間では順次小さく設定されている、ことを特徴としている。
【0027】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0028】
センター領域は、ブロック剛性を確保し、ドライ、ウエット、雪上、氷上という全ての路面状態において操縦性を向上するため、また、センター部の偏摩耗抑制(比較的急速に生ずる)を抑制するため、さらに、ノイズの発生を抑制するためにもこの領域の傾斜溝は、その他の領域よりも幅狭に設定することが好ましい。
【0029】
また、トレッドのショルダー付近の領域は、トレッド中央側からの水をトレッド幅方向外側に排水する役目を負うため、効率良く排水するためにもこの領域の傾斜溝の幅を最も広く設定することが好ましい。
【0030】
そして、センター領域と、トレッドのショルダー付近の領域との間のブロックについては、これらの中間的な設定とすることが好ましい。
【0031】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記トレッド中央領域のネガティブ率が少なくともトレッド踏面部全体のネガティブ率よりも小さい、ことを特徴としている。
【0032】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0033】
トレッド中央領域のネガティブ率をトレッド踏面部全体のネガティブ率よりも小さくすることにより、トレッド中央領域の各ブロックの体積を増やすことができ、偏摩耗(比較的急速に生ずるセンター摩耗)を抑制することができる。
【0034】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記幅広周方向主溝は、トレッド半幅の中央部である1/4点よりもタイヤ幅方向外側に配置されている、ことを特徴としている。
【0035】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0036】
仮に、幅広周方向主溝が1/4点よりもタイヤ幅方向内側に配置されていると、幅広周方向主溝のタイヤ幅方向内側に形成されているブロックの幅が狭くなり過ぎてブロック剛性が低下し、ドライ、ウエット、雪上、氷上の様々な性能に悪影響を与える。
【0037】
一方、幅広周方向主溝が1/4点よりもタイヤ幅方向外側に配置されていると、ドライ、ウエット、雪上、氷上の様々な性能に悪影響を与える虞がなく、コーナリング時のハイドロプレーニング性能を向上することができる。
【0038】
ただし、幅広周方向主溝は、1/8点(トレッド端からタイヤ赤道面側へトレッド半幅の25%の位置)よりもショルダー側へは配置しないことが望ましい。幅広周方向主溝が、1/8点よりもショルダー側に配置されると、ショルダーブロックの幅が狭くなり過ぎて、ショルダーブロックのブロック剛性低下、及び偏摩耗を生ずる虞がある。
【0039】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記幅狭周方向主溝、及び前記幅広周方向主溝は、各ブロックの周方向1ピッチの範囲内で直線状であると共にタイヤ周方向に対する角度が20°以下である、ことを特徴としている。
【0040】
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0041】
幅狭周方向主溝、及び幅広周方向主溝が、各ブロックの周方向1ピッチの範囲内で直線状であると共にタイヤ周方向に対する角度が0°であると、幅狭周方向主溝とこれに隣接する幅広周方向主溝との間のブロックからの水を主にタイヤ周方向に流すことができ、直進時のハイドロプレーニング性能が向上する。
【0042】
なお、上記角度が徐々に大きくなるにつれてトレッド端側(タイヤ幅方向外側に位置する傾斜溝)にも排水するようになり、コーナリング時のハイドロプレーニング性能が向上して行く。
【0043】
なお、幅広周方向主溝の角度が20°を越えると、傾斜溝との間で形成されるブロックの角部の角度が鋭角になり過ぎてしまい、偏摩耗(段差摩耗)を生じ易くなる。
【0044】
また、幅狭周方向主溝の角度が20°を越えると、傾斜溝との間で形成されるブロックの角部の角度が鋭角になり過ぎてしまい、偏摩耗(段差摩耗)を生じ易くなる。
【0045】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記全ての傾斜溝は、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜している、ことを特徴としている。
【0046】
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0047】
全ての傾斜溝を、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜させると、トレッドパターンが所謂方向性パターンとなり、排水性能が向上する。
【0048】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7に記載の空気入りタイヤにおいて、前記全ての平行四辺形ブロックの長い方の対角線は、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜している、ことを特徴としている。
【0049】
次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0050】
全ての平行四辺形ブロックの長い方の対角線を、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜させると、平行四辺形ブロックが方向性の配置となり、直進、及びコーナリング時のハイドロプレーニング性能が向上する。
【0051】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道面の一方側の傾斜溝と他方側の傾斜溝は、同方向に傾斜している、ことを特徴としている。
【0052】
次に、請求項9に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0053】
タイヤ赤道面の一方側の傾斜溝と他方側の傾斜溝とを、それぞれタイヤ周方向に対して同方向に傾斜させると、トレッドパターンが方向性のないパターンとなり、車両に対してタイヤの装着位置が自由になり、前後左右のローテーションを自由に行え、ローテーションを行うことで偏摩耗を抑制することができる。
【0054】
また、タイヤ赤道面の一方側の傾斜溝と他方側の傾斜溝とを一直線状に接続配置することができ、雪上走行時にタイヤ周方向に対して交差する方向に一直線状に延びる雪柱により大きな雪中剪断力が得られ、その結果、雪上でのトラクション性能を若干向上させることもできる。
【0055】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、各ブロックに複数のサイプを形成した、ことを特徴としている。
【0056】
次に、請求項10に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0057】
各ブロックに複数のサイプを形成することにより、エッジ効果が増え氷雪上性能(特に氷上性能)を向上することができる。
【0058】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記平行四辺形ブロックの長い方の対角線のタイヤ周方向に対する角度が20〜50°の範囲内である、ことを特徴としている。
【0059】
次に、請求項11に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0060】
平行四辺形ブロックの長い方の対角線のタイヤ周方向に対する角度が20°未満になると、平行四辺形ブロックがタイヤ周方向の長くなり過ぎ、幅が狭くなるためブロック剛性が不足し、操縦安定性に悪影響を与える。
【0061】
一方、平行四辺形ブロックの長い方の対角線のタイヤ周方向に対する角度が50°を越えると、平行四辺形ブロックがタイヤ幅方向に長くなりすぎ、また、傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度が大きくなりすぎるため、ハイドロプレーニング性能に対するメリットが少なくなる。
【0062】
なお、平行四辺形ブロックの長い方の対角線のタイヤ周方向に対する角度は、30°近辺が最も良い。
【0063】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度は、前記幅広周方向主溝よりタイヤ幅方向外側のショルダー領域では鋭角側から計測して65〜90°の範囲内、前記センター領域、及び前記幅狭周方向主溝と前記幅広周方向主溝とで挟まれたセカンド領域では50〜85°の範囲内で傾斜している、ことを特徴としている。
【0064】
次に、請求項12に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0065】
ショルダー領域において、傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度が65°未満になると、トレッド側領域のブロックがタイヤ周方向に長くなりすぎ、幅狭となるためブロック剛性が低下して偏摩耗性が悪化する。
【0066】
一方、ショルダー領域において、傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度が90°を越えると、傾斜溝はタイヤ赤道面側に対してトレッド端側で傾斜方向が逆方向となってしまい、ハイドロプレーング性能が悪化する。
【0067】
次に、センター領域、及びセカンド領域において、傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度が50°未満になると、雪上での有効なトラクション性能が得られなくなる。
【0068】
一方、センター領域、及びセカンド領域において、傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度が85°を越えると、ハイドロプレーニング性能に対してメリットがなくなる。
【0069】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記傾斜溝は、前記幅広周方向主溝よりタイヤ幅方向外側のショルダー領域での溝幅を100%としたときに、前記センター領域での溝幅が10〜60%の範囲内、前記幅狭周方向主溝と前記幅広周方向主溝とで挟まれたセカンド領域での溝幅が40〜95%の範囲内である、ことを特徴としている。
【0070】
次に、請求項13に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0071】
ショルダー領域での溝幅を100%としたときに、センター領域での傾斜溝の溝幅が10%未満では、雪上トラクション性能を有効に発揮できなくなる。
【0072】
一方、ショルダー領域での溝幅を100%としたときに、センター領域での傾斜溝の溝幅が60%を越えると、相対的にセンター領域でのネガティブ率が大きくなりすぎ、トレッドセンター部が摩耗し易くなる。
【0073】
次に、ショルダー領域での溝幅を100%としたときに、セカンド領域での傾斜溝の溝幅が40%未満では、トラクション性能とハイドロプレーニング性能との両立が困難となる。
【0074】
一方、ショルダー領域での溝幅を100%としたときに、セカンド領域での傾斜溝の溝幅が95%を越えると、トレッド側領域内のブロックの剛性が低下し、また、ノイズ性能が低下する(即ち、パターンノイズが増加)。
【0075】
なお、以下に、本発明で言うトレッド幅の定義を説明する。
【0076】
本発明では、空気入りタイヤを以下に説明する標準リムに装着し、標準空気圧を充填し、標準荷重を作用させたときのタイヤ幅方向の一方のタイヤ幅方向最外端(トレッド端)から他方のタイヤ幅方向最外端(トレッド端)までのタイヤ幅方向の寸法をトレッド幅としている。
【0077】
標準リムとはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2001年度版規定のリムであり、標準空気圧とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2001年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、標準荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2001年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。
【0078】
なお、日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、空気圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”ApprovedRim" 、”Recommended Rim")のことである。
【0079】
規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
【0080】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の空気入りタイヤの第1の実施形態を詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッド12が平面図にて示されている。
【0081】
図1において、符号12Cは、タイヤ赤道面CLを中心としてトレッド幅W0の1/3の領域であるトレッド中央領域、符号12Sはトレッド側領域である。
【0082】
また、図1の矢印A(タイヤ回転方向)及び矢印Bは周方向、矢印Cはタイヤ幅方向を表している。
【0083】
図1に示すように、トレッド12には、タイヤ赤道面CLを中心としてトレッド幅W0の1/3の領域であるトレッド中央領域12C内に、それぞれタイヤ周方向に沿って直線状に延びタイヤ赤道面CLの左右で対を成す幅狭周方向主溝14が形成されており、幅狭周方向主溝14のタイヤ幅方向外側には、幅狭周方向主溝14よりも溝幅が広くタイヤ周方向に沿って直線状に延びる幅広周方向主溝16が形成されている。
【0084】
なお、幅広周方向主溝16は、本実施形態のようにトレッド12の1/4点18よりもタイヤ幅方向外側に配置することが好ましい。
【0085】
また、トレッド12には、トレッド端12Eからタイヤ赤道面CLを越えて反対側の幅狭周方向主溝14に到達すると共に、タイヤ赤道面CL側の一部分がタイヤ周方向にオーバーラップするタイヤ赤道面CLの左右で対をなす傾斜溝20がタイヤ周方向に複数形成されている。
【0086】
傾斜溝20は、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側(矢印A方向)となるように傾斜している。
【0087】
本実施形態では、トレッド12の踏面の内、左右の幅狭周方向主溝14で挟まれる領域をセンター領域12TC、幅狭周方向主溝14と幅広周方向主溝16とで挟まれる領域をセカンド領域12A、幅広周方向主溝16のタイヤ幅方向外側の領域をショルダー領域12SHとしている(なお、本実施形態では、各領域の境界は溝中心線位置としている。)。
【0088】
傾斜溝20のタイヤ周方向に対する角度θ1は、トレッド端12E側からタイヤ赤道面CL側へ向けて漸減させ、ショルダー領域12SHでは鋭角側から計測して65〜90°の範囲内、センター領域12TC、及びセカンド領域12Aでは50〜85°の範囲内であることが好ましい。
【0089】
また、傾斜溝20の溝幅は、タイヤ赤道面CL側からトレッド端12Eへ向けて漸増させ、ショルダー領域12SHでの溝幅(平均)を100としたときに、センター領域12TCでの溝幅が10〜60、セカンド領域12Aでの溝幅が40〜95の範囲内であることが好ましい。
【0090】
これにより、トレッド12には、幅広周方向主溝16のタイヤ幅方向外側に幅広周方向主溝16と傾斜溝20とで区画された複数のショルダーブロック22からなるショルダーブロック列23が形成され、幅広周方向主溝16と幅狭周方向主溝14との間には、幅広周方向主溝16と幅狭周方向主溝14と傾斜溝20とで区画された複数のセカンドブロック24からなるセカンドブロック列25と、タイヤ赤道面CL上には、幅狭周方向主溝14と傾斜溝20とで区画された第1のセンターブロック26及び第2のセンターブロック28を交互に配置したセンターブロック列29が形成されている。
【0091】
傾斜溝20の溝幅は、各ブロック列内では同一幅で、各ブロック列間では、トレッド端12E側からタイヤ赤道面CL側へ向けて順次小さく設定することが好ましい。
【0092】
幅狭周方向主溝14は、各ブロックの周方向1ピッチの範囲内で直線状であり、タイヤ周方向に対する角度θ2が20°以下であることが好ましい。
【0093】
同様に、幅広周方向主溝16は、各ブロックの周方向1ピッチの範囲内で直線状であり、タイヤ周方向に対する角度θ3が20°以下であることが好ましい。
【0094】
ここで、第1のセンターブロック26、及び第2のセンターブロック28は、トレッド平面視形状が略三角形である。
【0095】
第1のセンターブロック26は、三角形の1つの頂点をタイヤ赤道面CLの左側に、他の2つの頂点をタイヤ赤道面CLの右側に配置しており、第2のセンターブロック28は、三角形の1つの頂点をタイヤ赤道面CLの右側に、他の2つの頂点をタイヤ赤道面CLの左側に配置している。
【0096】
また、セカンドブロック24は、トレッド平面視形状が略平行四辺形である。
【0097】
本実施形態の全てのセカンドブロック24は、長い方の対角線が、タイヤ赤道面CL側がトレッド端12Eよりもタイヤ回転方向側となるように傾斜している。
【0098】
図2に示すように、セカンドブロック24は、長い方の対角線のタイヤ周方向に対する角度θ4を20〜50°の範囲内とすることが好ましい。
【0099】
セカンドブロック24のタイヤ赤道面CL側の鋭角角部には、トレッド平面視で円弧状とされた円弧部30が形成されている。
【0100】
円弧部30の曲率半径rは、0.5〜4mmの範囲内が好ましい。
【0101】
トレッド中央領域12Cのネガティブ率は、トレッド12踏面部全体(一方のトレッド端12Eから他方のトレッド端12Eまでの領域)のネガティブ率よりも小さいことが好ましい。
【0102】
また、第1のセンターブロック26、第2のセンターブロック28、セカンドブロック24、及びショルダーブロック22には、各々、略タイヤ幅方向に延びるジグザグ状のサイプ32が複数形成されている。
(作用)
本実施形態の空気入りタイヤ10では、図1に示すように、一対の幅狭周方向主溝14、一対の幅広周方向主溝16、及び傾斜溝20をトレッド12に配置して5つのブロック列を形成したので、基本的なハイドロプレーニング性能、及び雪上性能(ブレーキ、トラクション、コーナリング)が得られる。また、トレッドパターンが方向性パターンとしたるので、排水性能がより向上されている。
【0103】
トレッド中央領域12Cに幅の狭い幅狭周方向主溝14を形成したので、トレッド中央領域12Cのネガティブ率を小さく少なめに設定することができ、所謂センター摩耗(偏摩耗)を抑制することができる。
【0104】
傾斜溝20を、トレッド端12Eからタイヤ赤道面CL側へ延ばし、さらに幅狭周方向主溝14間の陸部を横断させたので、傾斜溝20を長く設定することができ、雪上性能に有効な長いブロックエッジを確保できる。
【0105】
また、センター領域12TCにおいてタイヤ赤道面CLの一方の傾斜溝20と他方の傾斜溝20とをタイヤ周方向にオーバーラップさせたので、センター領域12TCにおいて傾斜溝20によるブロックエッジの長さを2倍にすることができ、雪上においてより強いトラクション性能を発揮することができる。
【0106】
また、センター領域12TCでの傾斜溝20が1本ごとに違う方向に傾斜しているので、コーナリング時の右きり、左きりに影響されることなく、常に高い雪上トラクション性能を発揮することができる。
【0107】
トレッド平面視形状が略平行四辺形とされ、長い方の対角線がタイヤ周方向に対して傾斜した略平行四辺形のセカンドブロック24からなるセカンドブロック列25を、センターブロック列29のタイヤ幅方向外側に配置したので、ウエット路面走行時にセンター領域12TCの水をスムースにその外側の領域、あるいは幅広周方向主溝16へと流すことができる。
【0108】
セカンドブロック24は、長い方の対角線をタイヤ周方向に対して傾斜させ、タイヤ赤道面CL側の鋭角角部にトレッド平面視で半径rが0.5〜4mmの円弧部30を形成したので、タイヤ赤道面CL側からトレッド端12E側へスムーズに水を流すことができる。
【0109】
第1のセンターブロック26の1辺、及び第2のセンターブロック28の1辺をそれぞれ傾斜溝20と共有しているので、本実施形態のようにセンター領域12TCの剛性を確保するため傾斜溝20の溝幅をトレッド端12E側よりもセンター領域12TCの方で細く設定しても、センター領域12TCの水をそのタイヤ幅方向外側の領域へとスムースに流すことができる。
【0110】
結果的には、ラグ溝成分を長くとれるので、雪上でのトラクション性能に対しても有効になる。
【0111】
なお、センター領域12TCの剛性を上げることにより、ドライ、ウエット、雪上、氷上という全ての路面状態において操縦性が向上し、また、センター領域12TCの偏摩耗抑制を抑制でき、さらに、ノイズの発生を抑制することもできる。
【0112】
また、傾斜溝20は、タイヤ赤道面CL側よりもトレッド端12E側で広くなっているので、トレッド中央側からの水をトレッド幅方向外側に効率良く排水することができる。
【0113】
トレッド中央領域12Cのネガティブ率をトレッド踏面部全体のネガティブ率よりも小さくしたので、トレッド中央領域12Cの各ブロックの体積を増やすことができ、偏摩耗(比較的急速に生ずるセンター摩耗)を抑制することができる。
【0114】
幅広周方向主溝16を1/4点18よりもタイヤ幅方向外側に配置したので、タイヤ赤道面CL側のブロックの幅を狭くし過ぎてドライ、ウエット、雪上、氷上の様々な性能に悪影響を与える虞がなく、コーナリング時のハイドロプレーニング性能を向上することができる。
【0115】
幅狭周方向主溝14、及び幅広周方向主溝16を、各ブロックの周方向1ピッチの範囲内で直線状とすると共に、各々のタイヤ周方向に対する角度(θ2、θ3)を20°以内としたので、主にタイヤ周方向に水を流すことができ、直進時のハイドロプレーニング性能が向上する。
【0116】
全てのセカンドブロック24の長い方の対角線を、タイヤ赤道面CL側がトレッド端12E側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜させ、タイヤ周方向に対する角度を20〜50°の範囲内としているので、略平行四辺形のセカンドブロック24が方向性の配置となり、セカンドブロック24の剛性が確保されると共に、直進、及びコーナリング時のハイドロプレーニング性能が向上する。
【0117】
各ブロックに複数のサイプ32を形成したので、エッジ効果が増え氷雪上性能(特に氷上性能)を向上することができる。
[第2の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の空気入りタイヤの第2の実施形態を詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0118】
図3に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10では、タイヤ赤道面CLの右側の傾斜溝20と左側の傾斜溝20が同方向に傾斜しており、互いに略一方直線状に連結している。
【0119】
なお、本実施形態の第1のセンターブロック26、及び第2のセンターブロック28は、幅狭周方向主溝14及び傾斜溝20と、傾斜溝20とは反対方向に傾斜する傾斜溝34とによって区画されている。
【0120】
このため、本実施形態の空気入りタイヤ10では、トレッドパターンに方向性が無くなり、車両に対して装着位置が自由になり、前後左右のローテーションを自由に行え、ローテーションを行うことで偏摩耗を抑制することができ、さらに、雪上でのトラクション性能を若干向上させることもできる。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例の空気入りタイヤと本発明の適用された実施例1、及び2の空気入りタイヤとを用意し、雪上フィーリング性能、雪上ブレーキ性能、雪上トラクション性能、ウエットハイドロプレーニング性能(直進、及びコーナリング)の比較を行った。
【0121】
実施例1の空気入りタイヤ:上記第1の実施形態で説明したトレッドパターン(図1参照。方向性パターン。)を有する空気入りタイヤである。
【0122】
実施例2の空気入りタイヤ:上記第2の実施形態で説明したトレッドパターン(図3参照。)を有する空気入りタイヤである。
【0123】
従来例の空気入りタイヤ:図4に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤである。
【0124】
各タイヤの寸法等は以下の表1及び表2に記載した通りである。
【0125】
【表1】
Figure 0004198366
【0126】
【表2】
Figure 0004198366
なお、タイヤサイズは何れのタイヤもPSR195/65R15である。
【0127】
以下に試験方法及び評価を簡単に説明する。
・雪上フィーリング性能:圧雪路面のテストコースにおける、制動性、発進性、直進性、コーナリング性の総合評価(テストドライバーによる)。評価は従来例のフィーリングを100とする指数で表しており、数値が大きいほど雪上フィーリングが良いことを表している。
・雪上ブレーキ性能:圧雪上を40km/hからフル制動したときの制動距離を測定。評価は、従来例の制動距離の逆数を100とする指数で表しており、数値が大きいほど雪上ブレーキ性能に優れていることを表している。
・雪上トラクション性能:圧雪上50mの距離における発進からの加速タイムを計測。評価は、従来例の加速タイムの逆数を100とする指数で表しており、数値が大きいほど雪上トラクション性能に優れていることを表している。
・ウエットハイドロプレーニング性能(直進):水深5mmのウエット路面通過時のハイドロプレーニング発生限界速度のフィーリング。評価は従来例のフィーリングを100とする指数で表しており、数値が大きいほど直進時のウエットハイドロプレーニング性能が良いことを表している。
・ウエットハイドロプレーニング性能(コーナリング):水深5mm、半径80mのウエット路面通過時のハイドロプレーニング発生限界横Gを計測。評価は従来例のハイドロプレーニング発生限界横Gを100とする指数で表しており、数値が大きいほどコーナリング時のウエットハイドロプレーニング性能が良いことを表している。
【0128】
評価は以下の表3に示す通りである。
【0129】
【表3】
Figure 0004198366
試験の結果から、本発明の適用された実施例1,2の空気入りタイヤは、従来例の空気入りタイヤに対し、全ての性能が大幅に向上していることが分かる。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ウエット路面走行時の排水性向上を狙いつつ、従来よりも氷雪上でのトラクション、及びブレーキ性能の向上を図ることができる、という優れた効果を有する。
【0131】
請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ウエットハイドロプレーニング性能を更に向上することができ、雪上でのトラクション性能に対しても有効になる、という優れた効果を有する。
【0132】
請求項3に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ドライ、ウエット、雪上、氷上という全ての路面状態において操縦性を向上することができ、センター部の偏摩耗抑制を抑制することができ、さらに、ノイズの発生を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0133】
請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、トレッド中央領域の偏摩耗を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0134】
請求項5に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、コーナリング時のハイドロプレーニング性能を向上することができる、という優れた効果を有する。
【0135】
請求項6に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、直進時のハイドロプレーニング性能を向上することができる、という優れた効果を有する。
【0136】
請求項7に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、トレッドパターンが所謂方向性パターンとなり、ウエットハイドロプレーニング性能がさらに向上する、という優れた効果を有する。。
【0137】
請求項8に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、直進、及びコーナリング時のハイドロプレーニング性能がさらに向上する、という優れた効果を有する。
【0138】
請求項9に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、トレッドパターンが方向性のないパターンとなり、車両に対してタイヤの装着位置が自由になり、前後左右のローテーションを自由に行え、ローテーションを行うことで偏摩耗を抑制することができる、という優れた効果を有する。さらに、雪上でのトラクション性能を若干向上させることができる、という優れた効果を有する。
【0139】
請求項10に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、氷雪上性能(特に氷上性能)をさらに向上することができる、という優れた効果を有する。
【0140】
請求項11に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、平行四辺形ブロックの剛性と、ハイドロプレーニング性能とを両立することができる、という優れた効果を有する。
【0141】
請求項12に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ブロック剛性、ハイドロプレーング性能、雪上性能を両立することができる、という優れた効果を有する。
【0142】
請求項13に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、雪上トラクション性能、トレッドセンター部の摩耗、トラクション性能、ハイドロプレーニング性能、ノイズ性能を両立することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの部分拡大図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの部分拡大図である。
【図4】従来例の空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
CL タイヤ赤道面
12 トレッド
12A セカンド領域
12TC センター領域
12C トレッド中央領域
12E トレッド端
12S トレッド側領域
12SH ショルダー領域
14 幅狭周方向主溝
16 幅広周方向主溝
20 傾斜溝
22 ショルダーブロック
23 ショルダーブロック列
24 セカンドブロック
25 セカンドブロック列(第2のブロック列)
26 第1のセンターブロック(第1の三角ブロック)
28 第2のセンターブロック(第2の三角ブロック)
29 センターブロック列(第1のブロック列)
30 円弧部
32 サイプ
0 トレッド幅

Claims (13)

  1. タイヤ赤道面を中心としてトレッド幅の1/3のトレッド中央領域内に配置され、少なくともタイヤ赤道面の左右で対をなす幅狭周方向主溝と、
    前記幅狭周方向主溝のタイヤ幅方向外側に設けられ、前記幅狭周方向主溝よりも幅広で少なくともタイヤ赤道面の左右で対をなす幅広周方向主溝と、
    各トレッド端からタイヤ赤道面側へ向ってタイヤ周方向に対して傾斜して延びる傾斜溝と、を備え、
    トレッド幅方向に少なくとも5つブロック列を形成した空気入りタイヤであって、
    全ての前記傾斜溝が、少なくともタイヤ赤道面を越えて反対側の前記幅狭周方向主溝に到達すると共に、タイヤ赤道面側の一部同士が周方向に離間してオーバーラップするか、又は互いに接続するようにタイヤ赤道面の左右で対をなし、
    前記左右の幅狭周方向主溝に挟まれたセンター領域には、1つの頂点をタイヤ赤道面の一方側に他の2つの頂点をタイヤ赤道面の他方側に位置するようにトレッド平面視形状が略三角形とされた第1の三角ブロックと、1つの頂点をタイヤ赤道面の他方側に他の2つの頂点をタイヤ赤道面の一方側に位置するようにトレッド平面視形状が略三角形とされた第2の三角ブロックと、をタイヤ周方向に交互に配列した第1のブロック列が設けられ、
    トレッド平面視形状が略平行四辺形とされ、長い方の対角線がタイヤ周方向に対して傾斜し、タイヤ赤道面側の鋭角角部にトレッド平面視で半径0.5〜4mmの円弧部を形成した平行四辺形ブロックを、タイヤ周方向に配列した第2のブロック列が、前記第1のブロック列のタイヤ幅方向最外側に設けられている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記傾斜溝のタイヤ赤道面側の一部分が、前記第1の三角ブロックの少なくとも1辺、及び前記第2の三角ブロックの少なくとも1辺を形成している、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記傾斜溝の溝幅は、トレッド端側からタイヤ赤道面側へ向って各ブロック列内では同一幅で、各ブロック列間では順次小さく設定されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド中央領域のネガティブ率が少なくともトレッド踏面部全体のネガティブ率よりも小さい、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記幅広周方向主溝は、トレッド半幅の中央部である1/4点よりもタイヤ幅方向外側に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記幅狭周方向主溝、及び前記幅広周方向主溝は、各ブロックの周方向1ピッチの範囲内で直線状であると共にタイヤ周方向に対する角度が20°以下である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記全ての傾斜溝は、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記全ての平行四辺形ブロックの長い方の対角線は、タイヤ赤道面側がトレッド端側よりもタイヤ回転方向側となるように傾斜している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. タイヤ赤道面の一方側の傾斜溝と他方側の傾斜溝は、同方向に傾斜している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 各ブロックに複数のサイプを形成した、ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記平行四辺形ブロックの長い方の対角線のタイヤ周方向に対する角度が20〜50°の範囲内である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記傾斜溝のタイヤ周方向に対する角度は、前記幅広周方向主溝よりタイヤ幅方向外側のショルダー領域では鋭角側から計測して65〜90°の範囲内、前記センター領域、及び前記幅狭周方向主溝と前記幅広周方向主溝とで挟まれたセカンド領域では50〜85°の範囲内で傾斜している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記傾斜溝は、前記幅広周方向主溝よりタイヤ幅方向外側のショルダー領域での溝幅を100%としたときに、前記センター領域での溝幅が10〜60%の範囲内、前記幅狭周方向主溝と前記幅広周方向主溝とで挟まれたセカンド領域での溝幅が40〜95%の範囲内である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
JP2002036600A 2002-02-14 2002-02-14 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP4198366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002036600A JP4198366B2 (ja) 2002-02-14 2002-02-14 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002036600A JP4198366B2 (ja) 2002-02-14 2002-02-14 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003237318A JP2003237318A (ja) 2003-08-27
JP4198366B2 true JP4198366B2 (ja) 2008-12-17

Family

ID=27778445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002036600A Expired - Fee Related JP4198366B2 (ja) 2002-02-14 2002-02-14 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4198366B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104385857A (zh) * 2014-11-21 2015-03-04 双星东风轮胎有限公司 镶钉雪地轮胎
CN104972840A (zh) * 2014-04-11 2015-10-14 株式会社普利司通 充气轮胎

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009173211A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
US9085200B2 (en) 2008-07-16 2015-07-21 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
JP5102711B2 (ja) * 2008-07-16 2012-12-19 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP5205222B2 (ja) * 2008-11-14 2013-06-05 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP5146476B2 (ja) 2010-03-12 2013-02-20 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6012298B2 (ja) 2012-07-05 2016-10-25 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP6371112B2 (ja) * 2014-05-16 2018-08-08 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP6142930B1 (ja) * 2016-01-14 2017-06-07 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6922547B2 (ja) * 2017-08-21 2021-08-18 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104972840A (zh) * 2014-04-11 2015-10-14 株式会社普利司通 充气轮胎
US10603960B2 (en) 2014-04-11 2020-03-31 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
CN104385857A (zh) * 2014-11-21 2015-03-04 双星东风轮胎有限公司 镶钉雪地轮胎

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003237318A (ja) 2003-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2596390C2 (ru) Пневматическая шина
JP5102711B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP2586628B1 (en) Pneumatic tire
JP4048058B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4934175B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3954398B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6607041B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6701919B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4562268B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6558297B2 (ja) 空気入りタイヤ
US20160297251A1 (en) Pneumatic tire
JP6620557B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4316569B2 (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
WO2014077271A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP4268034B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5480866B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5045383B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4198366B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4570262B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4025120B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2016027647A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP3954397B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2002274126A (ja) 空気入りタイヤ
WO2018034088A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP4716551B2 (ja) 冬用空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080924

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081001

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4198366

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131010

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees