JP4197720B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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本発明は磁気記憶装置に用いられる磁気記録媒体に関する。特に、ノイズ低減を図ると共に、耐熱揺らぎ性(耐擾乱性)も備えている高密度記録が可能な磁気記録媒体に関する。
情報処理技術の発達に伴い、コンピュータの外部記憶装置として採用される磁気記憶装
置に対しては、高密度化の要求が年々高まっている。この要求を満たすため磁気記録媒体に求められる重要な特性の1つとして磁気記録媒体の高S/Nm(出力対媒体ノイズ比)化がある。
一般的な面内記録型の磁気記録媒体での再生波形のパルス幅Pw50は、その静磁気特性である保磁力Hc、残留磁化Br、磁性層膜厚tとの間に、
a∝(t×Br/Hc)1/2
Pw50=(2(a+d)+(a/2)1/2
の関係があることが知られている。ここで、dは磁気スペーシングを表している。
上記パルス幅Pw50は、狭いほど記録再生信号の分解能が向上する。よって、より高密度な記録媒体とするには、磁性層膜厚tがより薄く、より高い保磁力Hcを有するような磁気記録媒体を設計することが望ましい。
また、媒体ノイズの低減のためには、磁性層を形成する磁性粒子の微細化、及び磁性粒子間での磁気的相互作用を弱めることが必要であることが知られている。磁性粒子を微細化する方法としては、例えばCoCr合金の磁性層にTa、Nb、B、P等を添加する方法が提案されている。
また、高い保磁力Hcを有する磁性層を得るために、例えばCoCr合金の磁性層にPtを添加することが有効であることが知られている。
またさらに、磁性層内の磁性粒子の磁気的相互作用を弱めるには、CoCr合金の磁性層に多量のCr量を添加することが有効であるとの報告もある。その一方で、Co系合金に上記のように非磁性材料を多量に添加すると、Co系合金の磁化容易軸であるhcp−C軸の面内配向性が劣化するという問題が生じることも知られている。
そして、上記面内配向性の劣化を抑制するには、磁性層より高い面内配向性を有するCo系合金で形成した中間層を、上記磁性層と下地層との間に配設することが有効であるとの報告(例えば、非特許文献1)がある。
また、中間層として形成するCoCr合金にPt等の金属を添加し、保磁力を改善することについて、例えば特許文献1等に関連の技術が開示されている。
特開2000−251237号公報 S.Ohkijima et al, Digests of IEEE-Inter-Mag., AB-03, 1997
しかしながら、従来の磁気記録媒体は以下のように、第1及び第2の問題を有している。
まず、第1の問題は上記中間層に関する。上記中間層に含有される非磁性材料の成分が少ないほど磁性層の面内配向性が良好で、非磁性材料の添加量が多くなるほど面内配向性が劣化する傾向がある。よって、磁性層の良好な面内配向性を得る為には、Cr、Ta、Nb、B、Mn、Re、Pt等の添加量を抑制したCo系合金材料を用いて中間層を形成することが好ましいと言える。
しかしながら、このように非磁性材料の添加を抑制した場合には、中間層の飽和磁束密度Bsが大きくなってしまい、中間層と磁性層との膜界面での交換結合が強くなる。さらに、前述したように磁性層の膜厚tを相対的に薄く形成しなければならない。これらを理由として、磁気記録媒体の異方性磁界Hkが低下する。この異方性磁界Hkの低下は、磁気記録媒体の耐熱揺らぎ性を劣化させるので好ましくない。また、中間層の高飽和磁束密度Bs化は、磁性粒子間の磁気的相互作用の増大をもたらし遷移領域での媒体ノイズを増大させるという問題も招来してしまう。
次に、第2の問題は上記磁性層に関する。前述したように磁気記録媒体のノイズを低減させるには、磁性層の結晶粒を微細化させることが有効な手法である。しかしながら、結晶粒の微細化に伴い1ビット当たりの記録磁化の体積が減少するので、熱揺らぎ(熱擾乱)による記録破壊の問題が生じる。この熱揺らぎを抑制するには、前述したように磁性層のPt含有量を増加させ、異方性磁界Hkを向上させることが熱揺らぎの抑制に有効である。しかし、Pt組成量の増加は、結晶粒間相互作用の増加により、媒体ノイズを増幅するという結果を招来する。
磁気記録媒体における孤立波信号と媒体ノイズ比(Siso/Nm)は、Cr濃度を増加させることにより、所望レベルにまで向上させることができる。よって、仮にCr含有量を減らし、Ptの含有量を増して異方性磁界Hkを向上させようとした場合には、十分な低ノイズ特性が得られないことになる。
ところで、図1はCoβCrαPt(α=20〜25at%、β=100−(8+3+α))の組成を有する磁性層の保磁力HcとCr含有量との関係の一例を示した図である。図1から磁性層の保磁力Hcが磁性層のCr含有量に依存性を有することが確認できる。
上記のようにCrの含有量を増加させると媒体ノイズを低減させることができるが、図1から保磁力Hcが低下してしまうことが分かる。保磁力Hcの低下は異方性磁界Hkの低下に起因し、磁気記録媒体の耐熱揺らぎ性も劣化してしまうことを意味する。この様なことから、従来の技術では磁気記録媒体の低ノイズ性と耐熱揺らぎ性の向上との両立は実現困難であるとされていた。
したがって、本発明の目的は、第1に下地層と磁性層との間に設けられる中間層に特徴を有して低ノイズ性と共に耐熱揺らぎ性の向上も実現した磁気記録媒体を提供することであり、また第2に磁性層に特徴を有して低ノイズ性と共に耐熱揺らぎ性の向上も実現した磁気記録媒体を提供することである。
また、上記目的は、基板と該基板上に下地層を介して、少なくとも1層のコバルト系合金材料からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、
前記磁性層は、CoCrPtB合金にAgを含有し、該磁性層の組成比が、
Co(100−a−b−c−d)CrPtAg
(21≦a+c≦30at%、6≦b≦20at%、1≦d≦9at%)
の範囲にある構成とすることにより達成することができる。
この発明により、ノイズ低減が図られると共に、低いtBrでも耐熱揺らぎ性が向上した、高密度記録が可能な磁気記録媒体を提供できる。
なお、前記磁性層は、CoCrPtB及びCoCrPtBAgの磁性材料を組合せ、2層以上の複合磁性層として形成してもよい。
また、前記磁性層の膜厚tと残留磁束密度Brの積tBrが、2.0〜10.0nTmに設定さていることが好ましい。
前記下地層と前記磁性層との間に、コバルト系合金よりなる中間層を備えた構成を採用することがより好ましい。
本発明によれば、ノイズ低減を図ると共に低いtBrで耐熱揺らぎ性の向上も実現した高密度記録が可能な磁気記録媒体を提供できる。
以下、図面に基づいて本発明の第1実施例から第3実施例を説明する。第1及び第2実施例は下地層と磁性層との間に積層型の中間層を有する磁気記録媒体に関するものである。また、第3実施例はAgを含有する磁性層を含む磁気記録媒体に関するものである。
図2は本発明の第1実施例に係る磁気記録媒体10の積層構成を示した図である。図2に示した磁気記録媒体10の基板11としては、非磁性のAl基板の表面に無電解メッキによりNiP膜をコートし、テクスチャ処理を施したものを用いることができる。この基板11上に、下からCr及びCrMoによる2層の下地層12,13、Co(Cr、Pt、Ta、B)による第1中間層14、CoCrによる第2中間層15、CoCrPtBによる磁性層16、及びC(炭素)系保護膜17を順次積層して磁気記録媒体10とする。
なお、上記で第1中間層14についてCo(Cr、Pt、Ta、B)の表示は、第1中間層14がCr、Pt、Ta及びBの群から選択される少なくとも1つを含んだCo系合金で形成されることを示している。
また、図3は、本発明によらない比較例の磁気記録媒体100の積層構成を示した図である。この磁気記録媒体100は、上記磁気記録媒体10の基板11と同様に形成される基板101上に、下からCr及びCrMoによる2層の下地層102,103、CoCrTaによる中間層104、CoCrPtBによる磁性層105、及びC系保護膜107が順次積層された構造を有する。
上記2つの磁気記録媒体では、本実施例の磁気記録媒体10が第1中間層14及び第2中間層15による2層(複数)に積層した中間層を有するのに対して、比較例の磁気記録媒体100の場合には中間層104のみの単層である点が異なる。
ここで、図2に示した磁気記録媒体10の製造例を説明する。磁気記録媒体10はスパッタリング法を用いて各層を順次成膜することにより製造できる。例えば下地層12、13の成膜前にスパッタ室内を1.0×10−5Pa以下に排気し、基板温度を約210℃に加熱する。その後、Arガスを導入してスパッタ室内を0.67Pa程度に保持し、第1下地層12としてCrを5nm、第2下地層13としてCrMoを2nm、第1中間層14としてCoCrTaを2nm、第2中間層15としてCoCrを3nm、磁性層16としてCoCrPtBを15nm、C系保護膜17を5nmの順で、上記NiP−Al基板11上に成膜することにより磁気記録媒体10を得る。
なお、上記比較例の磁気記録媒体100についても、単層の中間層104を形成する以外は同様に製造できる。
以下さらに、比較例の磁気記録媒体100を参照しながら、本実施例の磁気記録媒体10の好ましい構成について説明する。ただし、ここでの本磁気記録媒体10は、特に説明を加えた場合を除いて、第1中間層14はCo80Cr18Ta(数値はat%、以下同様)の組成を有し、第2中間層15はCo58Cr42の組成を有している例である。また、磁気記録媒体100の単層中間層104はCo80Cr18Taの組成を有している。
図4は、磁気記録媒体10の磁性層16の保磁力Hcと中間層の膜厚との関係を示した図である。この図4には、磁性層16の保磁力Hcが中間層膜厚への依存性を有することが示されている。
なお、ここでは磁気記録媒体10については、第2中間層(Co58Cr42)の膜厚を3nmとし、第1中間層(Co80Cr18Ta)の膜厚を変更した場合の磁性層16の保磁力Hcを測定している。比較例の磁気記録媒体100では、単層中間層104(Co80Cr18Ta)の膜厚を変更した場合の磁性層105の保磁力Hcを測定している。
また、いずれの磁気記録媒体においても、磁性層の膜厚tと残留磁束密度の積tBr(以下、単にtBrとする)を5.0nTmに調整している。
図4で、単層中間層104を有する比較例の磁気記録媒体100は、単層中間層104の膜厚が1nm以上になると急激に保磁力Hcが低下する。
一方、本実施例による2層の中間層14,15を備えた磁気記録媒体10では、第1中間層(Co80Cr18Ta)を1nm以上で形成することにより、保磁力Hcが顕著に改善されることが確認できる。
なお、磁気記録媒体10の第1中間層(Co80Cr18Ta)、第2中間層(Co58Cr42)の各々について、膜厚を15nmとし、室温でVSM測定した場合の飽和磁束密度Bsはそれぞれ、0.6T、ほぼ0Tであった。
図5は、磁気記録媒体10の磁性層16の異方性磁界Hkと第1中間層の膜厚との関係を示した図である。この図5により、磁性層16の異方性磁界Hkが、第1中間層の膜厚に対して依存性を有することが示されている。
ここでは、DC−erase法により測定したDynamic−Hc値から求めた異方性磁界Hkに関し、第1中間層(Co80Cr18Ta)14膜厚への依存性を示している。磁気記録媒体10の第1中間層14を1nm以上に形成すると異方性磁界Hkが顕著に改善されることが確認できる。
図6は、本実施例による磁気記録媒体10及び比較例の磁気記録媒体100の各磁性層に関し、350kFCIの記録信号出力への経時変化について示した図である。磁気記録媒体10は出力の経時変化が小さく、耐熱揺らぎ性の高いことが確認できる。
本実施例による磁気記録媒体10の場合には、磁性層16を7.0nTm以下の低tBr状態に形成しても実用上障害の発生しない耐熱揺らぎ性を確保できる。これは、中間層を複数形成したことにより異方性磁界Hkが改善された為と解することができる。
図7は、磁気記録媒体10の孤立波Siso/Nmと第1中間層14の膜厚との関係を示した図である。この図7により、磁気記録媒体10による孤立波Siso/Nmが、第1中間層14の膜厚への依存性を有することが確認できる。図7から第1中間層14の膜厚を1〜5nmの範囲とすることで、例えば所望のSiso/Nm=25dB以上を確保できる。
図8は、磁気記録媒体10の孤立波Siso/Nmと第2中間層15の膜厚との関係を示した図である。第1中間層14の膜厚は1nmとしている。また、比較のため、図3に示した本発明によらない磁気記録媒体100の孤立波Siso/Nmと中間層104との関係も図8に示している。
この図8によると、孤立波Siso/Nmが第2中間層15の膜厚に依存性を有し、第2中間層15の膜厚を1〜5nmとすることにより、所望のSiso/Nm=25dB以上を確保できるようになる。
図9は、磁気記録媒体10を200kFCIの信号で記録再生を行った場合のS/Nmと、第1中間層14の飽和磁束密度Bsとの関係を示した図である。第1中間層14の飽和磁束密度Bsは、第1中間層14の材料組成を変更することで変化させることができる。
この図9により、磁気記録媒体10を200kFCIの信号で記録再生を行った場合のS/Nmが、第1中間層14の飽和磁束密度Bsへ依存性を有することが確認できる。ここで、各第1中間層材の飽和磁束密度Bs値は、Cr下地層上に各中間層材を単層で15nm形成したサンプルについて室温でのVSM測定により求めた。
図9より、磁気記録媒体10の第1中間層14に用いる材料の飽和磁束密度Bsは0.6T程度で最良のS/Nmが得られることが確認できる。例えば、所望の21dBを確保するには、第1中間層材の飽和磁束密度Bsを0.4〜0.9Tとすることが好ましい。
また、例えばCo−Crの2元合金を第1中間層14に用いる場合には、Cr含有量と飽和磁束密度Bsとの関係を示した図10から、飽和磁束密度Bsを0.4〜0.9TとするにはCr組成比(含有量)が7〜28at%の範囲となるように調整すれば良いことが分かる。
そして、本実施例の磁気記録媒体10では、第1中間層14より上の第2中間層15は、第1中間層14と磁性層16との強磁性相互作用(交換相互作用)を弱める役割を果たしている。よって、第2中間層を構成する材料は、第1中間層の材料の飽和磁束密度Bsよりも低く設定することが望ましい。第2中間層の飽和磁束密度Bsを0〜0.4Tとすることにより、良好な面内配向性と高い異方性磁界Hkを備え、耐熱揺らぎ性の高い、高S/Nmの磁気記録媒媒体10を作製することができる。
例えば、Co−Crの2元合金を第2中間層に用いる場合には、飽和磁束密度Bsを0〜0.4TとするにはCr組成比を29〜45at%とすれば良いことが、前記図10より確認できる。
本第1実施例の磁気記録媒体10は、2つの中間層14、15を設けた例であるが、中間層を3層以上設けた場合も同様であり、第1中間層より上層に形成する中間層の材料は第1中間層の材料の飽和磁束密度Bsよりも低く設定することが望ましい。第2中間層を含みこれより上層に形成する中間層材の飽和磁束密度Bsを0〜0.4Tとすることにより、中間層を3層以上設けた場合でも同様に良好な面内配向性と高い異方性磁界Hkを備え、耐熱揺らぎ性の高い、高S/Nmの磁気記録媒媒体を作製することができる。
図11は、磁気記録媒体10の孤立波Siso/Nmと磁性層16中のCr含有量との関係を示した図である。この図11により、磁気記録媒体10のSiso/Nmが、磁性層16中のCr含有量に対して依存性を有することが確認できる。
図11から、磁性層16中のCr含有量を増加させると磁気記録媒体10のノイズが低減されることが確認できる。例えば所望の25dBを確保するために、磁性層16中のCr含有量を17at%以上とすることが好ましいことが確認できる。
また、図12は磁性層16の飽和磁束密度Bsと磁性層16中のCr含有量との関係を示した図である。図12により、飽和磁束密度BsのCr含有量に対する依存性が認められ、磁性層16中のCrを過剰に添加すると飽和磁束密度Bsが低下することが確認できる。図12から、磁性層16として実用上必要な飽和磁束密度Bs値として0.25T以上を確保するにはCr含有量を27at%以下にする必要がある。
よって、図11及び図12から、磁性層16中の好ましいCr組成比は、17≦Cr≦27at%であり、より好ましくは20≦Cr≦26at%である。
図13は、磁性層16の保磁力Hcと磁性層16中のPt含有量との関係を示した図である。なお、ここでの磁性層16の構成は、CoαCr24Ptβであり、α=(100−(24+6+β))(at%)である。図13より、磁性層16の保磁力HcがPt含有量に対して依存性を有することが確認できる。この保磁力HcはPt(12at%)まで単調に増加する。
この図13から、磁性層16として例えば所望の保磁力Hc=2000(×4/πkA/m)以上を確保するには、Pt含有量を6at%以上とするのが望ましいことが分かる。また、CoPtによる2元合金(バルク)の相図より、εCo(hcp)相の得られるのはPt≦20at%の範囲であるため、磁性層16に関して強磁性で高い保磁力Hcが得られるPt含有範囲は6≦Pt≦20at%となる。
さらに、図14は、磁性層16の保磁力Hcと磁性層16中のB含有量との関係を示した図である。この図14により、B含有量を概ね1≦B≦7at%とすることで、磁性層16が所望の保磁力Hc2000(×4/πkA/m)を維持できることが分かる。
ところで、比較的高いPt濃度(6≦Pt≦20at%)となる磁性層の格子と下地層Cr格子とのミスフィットを抑制することが好ましい。そのために、本実施例の磁気記録媒体10の下地層では、クロムを主成分とし、これにモリブデン、タンタル、チタン、タングステン及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1つを、1at%以上で添加して形成することが望ましい。これにより、面内配向性がより良好な磁気記録媒体10を作成できる。
さらに、本実施例の磁気記録媒体10のように、TEX基板11上に下地層を2層形成して第1下地層Cr、第2下地層CrMoとした場合には、面内配向性のみならず、O.R.(周方向での保磁力Hc/半径方向での保磁力Hc)も改善した磁気記録媒体とすることができる。この点について、図15を示す。
図15は、Cr単層の下地層を有する磁気記録媒体及びCr80Mo20単層の下地層を有する磁気記録媒体に対して、本実施例の磁気記録媒体10のようにCr80Mo20(4nm)/Crによる2層で下地層を形成した場合のO.R.のトータル下地層の膜厚に対する依存性を示した図である。Cr80Mo20単層時の場合と比較して、Cr80Mo20/Crによる2層の下地層ではO.R.が改善されることがわかる。Bot:Cr/Top:CrMoによる2層の下地層を有する磁気記録媒体は、面内配向性も良好であることを膜垂直方向と面内方向での保磁力Hc測定により確認できる。
上記O.R.は周/径方向での下地格子の歪方が異なることに起因し発現すると考えられる。実際、CrMo等に比較して、Crの方が周/径での格子歪が大きく、それに起因して図15に示す様にCr下地で高いO.R.が得られると考えられる。本実施例に係る磁気記録媒体10では、純Crを形成した場合に得られる高O.R.性と、CrMoを形成した場合の高面内配向性を両立させるため、Bot:Cr/Top:CrMoの2層下地を形成した。また、成膜開始時温度を170〜300℃にすることにより高いS/Nmの得られることが確認されている。
つぎに、本発明の第2実施例を説明する。本第2実施例は第1実施例に関連した複数の中間層を有する磁気記録媒体である。前記第1実施例の第2中間層はCoCrであったが、本実施例の第2中間層はCoCr−Mである。このMはMn、Re及びMoから選択された少なくとも1つので元素である。本実施例の磁気記録媒体は、図2に示した第1実施例の磁気記録媒体と類似の構成を有している。よって、本実施例の磁気記録媒体30に関しては、図2の磁気記録媒体と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略し、は異なる部分を中心に説明する。
図16は第2実施例に係る磁気記録媒体30の積層構成を示した図である。磁気記録媒体30は、無電解メッキNiP膜がコートされたAl基板11の表面にテクスチャ処理を施した後、Cr下地層12、CrMo下地層13、CoCrTaの第1中間層14、CoCrMnの第2中間層35、CoCrPtBの磁性層16、C系保護膜17を順次積層した構造である。
本実施例の磁気記録媒体30もスパッタリング法を用いて各層を順次成膜することにより製造できる。例えばCrの下地層12の成膜前にスパッタ室内を1.0×10−5Pa以下に排気し、基板温度を210℃に加熱し、Arガスを導入してスパッタ室内を0.67Paに保持し、Cr(5nm)、CrMo(2nm)、CoCrTa(2nm)、CoCrMn(2nm)、CoCrPtB系磁性層(15nm)、C系保護膜(5nm)の順に非磁性NiP−Al基板上に形成して得ることができる。
図17は、磁気記録媒体30の第2中間層35としてCoCr25Mnを2nmの厚さで形成した場合で、第1中間層14をCoCr18Taとし、この第1中間層14の膜厚に対する孤立波S/N(Siso/Nm)の依存性を示した図である。図17からCoCrTaの第1中間層14を1〜5nmの範囲で形成することによりSi/Nmが改善され所望の25dB以上の値を得られことが確認できる。
なお、図17で横軸をゼロ、すなわちCoCrTaの第1中間層14が存在しない状態では、Siso/Nmが著しく低下してしまうことも確認できる。この場合、前記第2中間層35が単層で形成された従来の構造となる。
図18は、図17の場合とは逆に、CoCr18Taの第1中間層14の膜厚を1nmに固定し、CoCr25Mnの第2中間層35の膜厚を変更した場合でのトータルS/Ntの膜厚依存性を示した図である。図18からCoCr25Mnの第2中間層35を1〜5nmの範囲で形成することにより、S/Ntが改善され所望の17.0dB以上の値が得られることが確認できる。
なお、図18で横軸をゼロ、すなわちCoCrMnの第2中間層35が存在しない状態では、S/Ntが著しく低下してしまうことも確認できる。この場合、前記第1中間層14が単層で形成された従来の構造となる。
図19は、本実施例の第1中間層14の材料を変化させた場合の200kFCIの信号で記録再生を行った場合のS/Nmと、第1中間層14の飽和磁束密度Bsとの関係を示した図である。この図19で確認できる関係は、第1実施例の場合について示した図9とほぼ同様となった。なお、本実施例の場合も各中間層材のBs値は、Cr下地層上に各中間層材を単層で15nm形成したサンプルについて室温でのVSM測定により求めた。第1中間層14の材料のBsが0.6T程度で最良のS/Nmが得られることが確認できる。所望の21dBを確保するには、第1中間層14の磁性材料のBsを0.4〜0.9Tとすることが好ましいことが確認できる。
例えば、Co−Crの2元合金を第1中間層14に用いる場合にBsを0.4〜0.9TとするにはCr組成比を7〜28at%にすれば良いことが図20から確認できる。なお、この図20は第1実施例で示した図10とほぼ同様である。
前述したように第2中間層35より上層に位置する第2層目以後の中間層は、第1中間層14と磁気記録層の強磁性相互作用(交換相互作用)を弱める役割を果たす。よって、第2層目以後の中間層の材料は第1中間層の材料のBsよりも低く設定する必要がある。第2層目以後の中間層材のBsは0〜0.4Tとすることにより、良好な面内配向性と高い異方性磁界Hkを備え、耐熱揺らぎ性の高い、高S/Nm媒体を作製することができる。
ところで、本実施例の第2中間層35はCoCrにさらに元素M(Mn、Re、Mo)を含んでいる。本願発明者等は、このMの含有率をZ(at%)とし、Crの含有率をY(at%)としたとき第2中間層35のBsは(Y+Z)に依存することを確認している。
よって、前記図20を用いると、Bsを0〜0.4Tとするには(Cr+Mn)組成比を概ね29〜45at%とすればよいことが確認できる。また、Mnの代わりにMo、 Reを添加した場合にも同様の効果が得られることを確認している。
また、比較的Pt濃度の高い磁性層(6≦Pt≦20 at%)の格子と下地Cr格子のミスフィットを低減するため、本本実施例でも、クロムを主成分とし、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、バナジウムから選ばれる元素を少なくとも1種以上、1at%以上添加されている下地層を形成することが望ましい。これにより、さらに面内配向性の良好な磁気記録媒体を作成できる。
さらに、TEX基板上に下地層をBot:Cr/Top:CrMoの2層で形成した場合には、面内配向性のみならず、O.R.(Hc周/Hc径)も改善された媒体を作成することができる。
第1実施例の磁気記録媒体10について示した図15の2層の下地層を形成した場合のO.R.のトータル下地層の膜厚に対する依存性は、本実施例の磁気記録媒体30についても同様である。
次に、本発明の第3実施例に係る磁気記録媒体について説明する。
本第3実施例に係る磁気記録媒体は、ガラスまたはアルミなどの非磁性基板上に、CrまたはCr系合金からなる下地層を少なくとも1層を有する。好ましくは、この下地層上にCo系合金からなる中間層を少なくとも1層を有する。そして、この中間層上にAgを含有した磁性層を有している。
上記磁性層は、例えばCoCrPtBAg合金であり、組成比Co(100−a−b−c−d)CrPtAg(21≦a+c≦30at%、6≦b≦20at%、1≦d≦9at%)で形成することが好ましい。
さらに本実施例の磁性層は、異なる組成の磁性材料を積層したものでもよく、例えばCoCrPtBとCoCrPtAgとを組み合わせ、少なくとも2層に形成した複合型の磁性層として形成してもよい。
また、上記下地層はCr系合金であり、W、V及びMoからなる群から少なくとも1つを選択した元素を含んでおり、その結晶構造がbcc構造(体心立方構造)であるものにより形成されていることが好ましい。
また、上記中間層はCo系合金であり、Cr、Ta、Mo、Mn、Re及びRuからなる群から少なくとも1つを選択した元素を含んでおり、その結晶構造がhcp構造(最密六方構造)であるものにより形成されていることが好ましい。この中間層は0.5〜3.0nmの膜厚を有することが好ましい。
本第3実施例に係る磁気記録媒体は低ノイズ性の実現と、異方性磁界の向上を両立させた磁気記録媒体となる。
図21は本第3実施例に係る磁気記録媒体20の積層構成を示した図である。
NiP膜を無電解メッキコートしたアルミ基板に、同心円状にメカニカルまたはレーザーテクスチャによりに表面処理を行うことにより基板21を得ることができる。
本実施例の磁気記録媒体20はスパッタリング装置を用いた薄膜形成技術を用いて製造できる。より具体的には、本実施例ではDCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜を行った。スパッタ室内の真空度は4×10−5Pa以下に排気して、Arガスを導入してスパッタ室内を0.67Paに保持する。
薄膜を形成する前に、基板11表面に付着している不純物のクリーニング化と結晶配向性の制御、および磁性層25の結晶粒間相互作用を抑制させるために、基板11の温度を200℃以上に加熱する。また、基板温度が270℃を超えるとNiPが結晶化するので、これを抑制するため成膜温度は200〜270℃の範囲とすることが好ましい。なお、本実施例では下地層22、23の成膜前の基板温度は220℃とした。
下地層の形成には、Crの上にCrより大きな格子定数をもつCr系合金を形成する。これにより、磁性層25との結晶格子の面間隔の整合性が得られ良好な面内配向を得ることができる。本実施例では、第1下地層22としてCrを5nmの厚さで形成し、その上に第2下地層23としてCrMo合金を2nmの厚さで形成した。
中間層24にはhcp構造を持つCo系合金を用いることが望ましい。これにより、磁性層25の面内への結晶配向性をさらに向上させることができる。ここで、中間層24の膜厚の増加は分解能の低下を招くので、その膜厚は0.5〜3.0nmの範囲から選択することが望ましい。本磁気記録媒体20の中間層24は、CoCrTa合金を1nmで形成した。
そして、上記磁性層25はCoCrPtBAg合金膜を少なくとも1層含んで形成されている。本実施例の磁性層25として組成比Co(100−X)Cr22Pt10Ag(X=1〜11)の範囲で形成した。
また、上記磁性層25の膜厚tと残留磁束密度の積tBrが増加すれば保磁力Hcが大きくなるが、過度のtBr増加は記録再生分解能の低下と保磁力Hcの低下を招くことにもなる。よって、磁性層25のtBrは2.0〜10.0nTmの範囲に設定することが望ましい。本実施例では磁性層25のtBrを6.0nTmとした。
上記磁性層25上に形成する保護膜26は、C(炭素)を主成分とした膜を形成する方法が一般的な方法であり、本実施例でも保護膜26としてCを6nm形成した。
図22は、室温でトルクロス法にて測定した異方性磁界HkとCo(100−X)Cr22Pt10Ag(X=1〜11)の組成を有する上記磁性層25のAg含有量との関係について示した図である。図22では、異方性磁界Hkが、上記磁性層25のAg含有量に対して依存性を有することが確認できる。
本実施例の磁気記録媒体20での磁性層25によると、CrとBの組成比の合計が28at%と媒体ノイズが十分に小さい範囲でも、異方性磁界Hkが向上していることが確認できる。
図23は、記録密度351kFCIにおけるCo(100−X)Cr22Pt10Ag(X=1〜11)の組成を有する上記磁性層25での、出力信号に対する媒体ノイズ比(S/Nm)とAg含有量との関係について示した図である。図23では、S/Nmが磁性層25のAg含有量に対して依存性を有することが確認できる。本実施例の磁気記録媒体20の磁性層25は従来のCoCrPtB組成を有する磁性層よりも、低ノイズ性に優れ、S/Nmが向上している。
次に、本発明になる磁気記憶装置の一実施例を、図24及び図25と共に説明する。図24は磁気記憶装置120の一実施例の要部を示す断面図であり、図25は同装置の要部を示す平面図である。
図24及び図25に示すように、磁気記憶装置は大略ハウジング123からなる。ハウジング123内には、モータ124、ハブ125、複数の磁気記録媒体126、複数の記録再生ヘッド127、複数のサスペンション128、複数のアーム129及びアクチュエータユニット121が設けられている。磁気記録媒体125はモータ124により回転されるハブ125に取付けられている。記録再生ヘッド127は、MRヘッドやGMRヘッド等の再生ヘッドと、インダクティブヘッド等の記録ヘッドとからな複合型の記録再生ヘッドである。各記録再生ヘッド127は、対応するアーム129の先端にサスペンション128を介して取付けられている。アーム129はアクチュエータユニット121により駆動される。この磁気記憶装置の基本構成自体は周知であり、その詳細な説明は本明細書では省略する。
上記磁気記憶装置120の実施例は磁気記録媒体126に特徴がある。各磁気記録媒体126は、図2、図16或いは図21で説明した構成を有する。勿論、磁気記録媒体126の数は3枚には限定されず、1枚でも、2枚又は4枚以上であってもよい。本磁気記憶装置の基本構成は、図24及び図25に示すものに限定されるものではない。また、本発明で用いる磁気記憶媒体は磁気ディスクに限定されるものではない。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 基板と該基板上に下地層を介して、少なくとも1層のコバルト系合金材料からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、
前記下地層と前記磁性層との間に、コバルト系合金より成る少なくとも2層以上に形成した中間層を備え、
前記中間層の内で、最下層に形成された第1中間層はコバルト及びクロムを含み、該第1中間層の組成は、
Co−Cr(7≦X≦28at%)であり、
前記第1中間層より上層に形成される第2中間層以後の中間層の組成は、
Co−Cr(29≦Y≦45at%)である、
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記2) 基板と該基板上に下地層を介して、少なくとも1層のコバルト系合金材料からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、
前記下地層と前記磁性層との間に、コバルト系合金より成る少なくとも2層以上に形成した中間層を備え、
前記中間層の内で、最下層に形成された第1中間層はコバルト及びクロムを含み、該第1中間層の組成は、
Co−Cr(7≦X≦28at%)であり、
前記第1中間層より上層に形成される第2中間層以後の中間層の組成は、
Co−Cr−Mであり(但し、MはMn、Re及びMoからなる群から選択された少なくとも1つである。)、かつ(29≦Y+Z≦45at%)である、
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記3) 付記1又は2に記載の磁気記録媒体において、
前記中間層は、クロム、白金、タンタル及びホウ素から成る群から選択された少なくとも1つが含まれており、かつ前記第1中間層の材料の飽和磁束密度Bsは、0.4〜0.9Tであり、
前記第1中間層より上層に形成される第2中間層以後の中間層の飽和磁束密度Bsは0〜0.4Tであることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記4) 付記1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体において、
前記第1中間層の膜厚は1〜5nmであることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記5) 付記1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体において、
前記第2中間層の膜厚は1〜5nmであることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記6) 付記1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体において、
前記磁性層は、クロム、白金及びホウ素より成る群から選択される少なくとも1つが含まれており、該磁性層は次の組成を満たし、
20≦Cr≦26、6≦Pt≦20、1≦B≦7、残部Co(at%)
かつ、前記磁性層の膜厚tと残留磁束密度Brの積tBrが7.0nTm以下に設定されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記7) 付記1から6のいずれかに記載の磁気記録媒体において、
前記下地層は、クロムを主成分として、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン及びバナジウムから成る群から選択された少なくとも1つの元素を含み、該元素が少なくとも1at%含有されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記8) 付記1から6のいずれかに記載の磁気記録媒体において、
前記下地層は、クロムと、クロムを主成分としモリブデン、タンタル、チタン、タングステン、及びバナジウムから成る群から選択された少なくとも1つの元素を含み、該元素が少なくとも1at%含有されているクロム系合金とを2層以上積層したことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記9) 付記8に記載の磁気記録媒体において、
前記下地層は、下層にクロム膜が形成され、その上層に前記クロム系合金膜が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記10) 基板と該基板上に下地層を介して、少なくとも1層のコバルト系合金材料からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、
前記磁性層は、CoCrPtB合金にAgを含有し、該磁性層の組成比が、
Co(100−a−b−c−d)CrPtAg
(21≦a+c≦30at%、6≦b≦20at%、1≦d≦9at%)
の範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記11) 付記10に記載の磁気記録媒体において、
前記磁性層は、CoCrPtB及びCoCrPtBAgの磁性材料を組合せ、2層以上の複合磁性層として形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記12) 付記10又11に記載の磁気記録媒体において、
前記磁性層の膜厚tと残留磁束密度Brの積tBrが、2.0〜10.0nTmであることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記13) 付記10から12のいずれかに記載の磁気記録媒体において、
前記下地層と前記磁性層との間に、コバルト系合金よりなる中間層を備える、ことを特徴とする磁気記録媒体。
磁性層の保磁力HcとCr含有量との関係の一例を示した図である。 本発明の第1実施例に係る磁気記録媒体の積層構成を示した図である。 本発明によらない比較例の磁気記録媒体の積層構成を示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体の磁性層の保磁力Hcと、中間層の膜厚との関係を示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体の磁性層の異方性磁界Hkと、第1中間層の膜厚との関係を示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体及び比較例の磁気記録媒体の各磁性層に関し、記録信号出力への経時変化について示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体の孤立波Siso/Nmと、第1中間層の膜厚との関係を示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体の孤立波Siso/Nmと、第2中間層の膜厚との関係を示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体に記録再生を行った場合のS/Nmと、第1中間層の飽和磁束密度Bsとの関係を示した図である。 Cr含有量と飽和磁束密度Bsとの関係を示した図である。 第1実施例の磁気記録媒体の孤立波Siso/Nmと磁性層中のCr含有量との関係を示した図である。 第1実施例の磁性層の飽和磁束密度Bsと、磁性層中のCr含有量との関係を示した図である。 第1実施例の磁性層の保磁力Hcと、磁性層中のPt含有量との関係を示した図である。 第1実施例の磁性層の保磁力Hcと、磁性層中のB含有量との関係を示した図である。 O.R.のトータル下地層の膜厚に対する依存性を示した図である。 第2実施例に係る磁気記録媒体の積層構成を示した図である。 第2実施例の磁気記録媒体の孤立波Siso/Nmと、第1中間層の膜厚との関係を示した図である。 第2中間層の膜厚を変更した場合でのトータルS/Nの膜厚依存性を示した図である。 第2実施例の磁気記録媒体に記録再生を行った場合のS/Nmと、第1中間層の飽和磁束密度Bsとの関係を示した図である。 Cr或いは(Cr+M)含有量と飽和磁束密度Bsとの関係を示した図である。 第3実施例に係る磁気記録媒体の積層構成を示した図である。 室温でトルクロス法にて測定した異方性磁界Hkと磁性層のAg含有量との関係について示した図である。 記録密度351kFCIにおける、出力信号に対する媒体ノイズ比(S/Nm)と磁性層のAg含有量との関係について示した図である。 磁気記憶装置の一実施例の要部を示す断面図である。 図24に示す磁気記憶装置の要部を示す平面図である。
符号の説明
10 磁気記録媒体
11 基板
12 第1下地層
13 第2下地層
14 第1中間層
15 第2中間層
16 磁性層
17 保護膜
20 磁気記録媒体
21 基板
22 第1下地層
23 第2下地層
24 中間層
25 磁性層
26 保護膜
30 磁気記録媒体
35 第2中間層

Claims (4)

  1. 基板と該基板上に下地層を介して、少なくとも1層のコバルト系合金材料からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、
    前記磁性層は、CoCrPtB合金にAgを含有し、該磁性層の組成比が、
    Co(100−a−b−c−d)CrPtAg
    (21≦a+c≦30at%、6≦b≦20at%、1≦d≦9at%)
    の範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1に記載の磁気記録媒体において、
    前記磁性層は、CoCrPtB及びCoCrPtBAgの磁性材料を組合せ、2層以上の複合磁性層として形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1または2に記載の磁気記録媒体において、
    前記磁性層の膜厚tと残留磁束密度Brの積tBrが、2.0〜10.0nTmであることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 請求項1ないし3いずれか一項に記載の磁気記録媒体において、
    前記下地層と前記磁性層との間に、コバルト系合金よりなる中間層を備える、ことを特徴とする磁気記録媒体。
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