JP4196697B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力変換装置に関し、特に交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁気飽和を防ぐことができる電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
負荷となる電動機を可変速駆動するインバータ装置において、インバータ装置を高周波でスイッチングさせると、インバータ装置と電動機間の配線や電動機内の導電部と接地間の浮遊キャパシタを通して接地に流れる漏洩電流により、漏洩遮断器の動作に悪影響を及ぼすことが問題になっている。インバータ装置のスイッチング周波数が10kHz程度以上の高周波になると浮遊キャパシタと配線のインダクタンスにより振動電流が生じ、零相リアクトルを挿入しても漏電遮断器を誤動作させる可能性がある。また、電源に伝わるノイズも大きく、電源に接続される外部機器に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
上述の浮遊キャパシタと配線のインダクタンスにより生じた振動電流による漏電遮断器の誤動作やノイズによる他の機器への悪影響を防止することを目的としたものとして、特許文献1(特開平10−210649号公報)に開示されたものがある。
【0004】
特許文献1は、整流器の直流側端子の各々と平滑コンデンサのプラス側端子およびマイナス側端子間にそれぞれ直流リアクトルを設け、平滑コンデンサのプラス側端子と接地間およびマイナス側端子と接地間にそれぞれコンデンサと抵抗を直列接続して挿入したもので、インバータが動作することにより発生する零相電流は、浮遊キャパシタ、接地、インバータ直流部に挿入したコンデンサおよび抵抗を含む閉回路に流れるようになり、整流器と平滑コンデンサ間に直列に挿入したリアクトルは零相電流が電源に流れ込むのを抑制する効果を果たし、また、逆変換器のスイッチングにより対接地間に発生する電圧ノイズもコンデンサ、抵抗で吸収され、電源側に伝わる量が減少するというものである。
【0005】
また、高調波電流の増大による各機器の加熱、焼損を防止することができるPWMインバータ装置の保護方式を提供することを目的としたものとして、特許文献2(特開平9−93952号公報)に開示されたものがある。
【0006】
特許文献2は、非接地電源に接続されたPWMインバータ装置の出力波形に起因する、対地容量を介した高調波アース電流を、インバータ装置の直流側で電流検出器により検出し、インバータのスイッチング周波数より高い成分のみを抽出して、一定レベル以上の時に停止指令を出すようにしたことを特徴とするものであり、非接地系であっても原理的に流れる高調波アース電流の変化によって経路上の異常を検出し、PWMインバータ装置の保護を行うようにしている。保護レベルの設定に当たっては、高調波アース電流の流れる経路上の各機器の高調波耐量の一番小さいものに合わせることになる。これを越えた場合には、インバータ装置を故障停止とする。
【0007】
また、PWM電力変換装置のインバータの直流入力電流にはPWM動作に伴うリプル電流が含まれるが、それは平滑コンデンサに流入し、その温度が上昇する。そのため、リプル電流に応じて大容量の平滑コンデンサを直流回路に設けている。ところが、このリプル電流の大きさはインバータの出力電流の大きさに比例して増加するため、大容量インバータでは平滑コンデンサの大きさが大容量となる。
【0008】
PWM電力変換装置の直流電流に含まれるリプル成分を効果的に吸収して平滑コンデンサに流入するリプル電流を抑制し、平滑コンデンサを小形化したPWM電力変換装置、並びにリプル吸収用直列共振回路のコンデンサとリアクトルのキャパシタンス値およびインダクタンス値が温度等により変動しても常にリプル電流を効果的に吸収し、平滑コンデンサの容量を低減できるPWM電力変換装置の制御方法を提供することを目的としたものとして、特許文献3(特開平1−321868号公報)に開示されたものがある。
【0009】
特許文献3は、PWM制御を行う電力変換装置において、平滑コンデンサと並列に直列共振回路を備え、PWM制御に伴う電力変換装置の直流電流に含まれるリプル成分の周波数に直列共振回路の共振周波数を所定範囲内に一致させるようにPWM制御の搬送波周波数を可変するようにしたもので、
直列共振回路の共振周波数とリプル電流成分の周波数が一致するようになるので、リプル成分は直列共振回路を流れる共振電流によって吸収され、平滑コンデンサにはリプル電流がほとんど流れず、
また、共振周波数変化を平滑コンデンサに流れるリプル成分から検出し、このリプル成分が最小となるようにPWM制御の搬送波周波数を可変しているので、直列共振回路のコンデンサとリアクトルの値が温度上昇等によって変化した場合でも、直列共振回路により常時効果的にリプル成分を吸収することができ、
PWM電力変換装置の平滑コンデンサ容量を低減することができるというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来例において、特許文献1は、IGBT等の高周波スイッチング素子を高周波でPWM制御したときに生じる漏洩電流を吸収でき、漏洩遮断器の誤動作を防止するばかりでなく、外部への発生ノイズも低減できるという効果があるが、整流器の直流側端子の各々と平滑コンデンサのプラス側端子およびマイナス側端子間にそれぞれ直流リアクトルを設けるために、装置が大きくなってしまうという問題点があった。
【0011】
また、特許文献2では、高調波耐量の一番小さい機器に合わせて保護レベルを設定し、この保護レベルを越えた場合には、インバータ装置を故障停止とすることにより、PWMインバータ装置の保護を行うようにしているものであり、高調波アース電流の流れる経路上の各機器の保護はできるが、保護回路が動作すると装置が停止してしまうという問題点があった。
【0012】
また、特許文献3には、平滑コンデンサに並列に設けたリプル電流を吸収する直列共振回路の共振周波数frとリプル電流の周波数を一致させるようにPWM制御の搬送波周波数を制御する技術が開示されているが、特許文献3は、リプル電流の周波数がPWM制御の搬送波周波数fcに関係するfcの整数倍であることに着目し、このリプル電流を吸収する直列共振回路を平滑コンデンサに並列に設け、インダクタンスの大きさL2とコンデンサの大きさC2から決まる直列共振回路の共振周波数frとリプル電流の周波数を一致させると、直流電圧の変動による電流成分は直列共振回路を流れ、平滑コンデンサには流れないことを利用したものであり、この平滑コンデンサに並列に設けたリプル電流を吸収する直列共振回路に電流が流れるのに伴い温度上昇等によりコンデンサとリアクトルの値が変化した場合でも、常に共振条件が満足されるように搬送周波数を制御するものであって、
交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁気飽和を防ぐものではないという問題点があった。
【0013】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁気飽和を防ぐことができる電力変換装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力変換装置は、交流電源の交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータと、この直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、パワートランジスタから構成され、このパワートランジスタをON/OFF制御することにより、平滑された直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路と、指令電圧と搬送波とを比較し、スイッチング回路のパワートランジスタをON/OFF制御する制御信号を出力するPWM回路と、交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁束飽和の是非を判断し、磁束飽和と判断した場合に搬送波のスイッチング周波数を変更する比較器と、を備えたものである。
【0015】
また、この発明に係る電力変換装置は、交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの鉄心に流れる磁束を検出する磁束検出器を備え、比較器はこの磁束検出器で検出した磁束を予め設定した保護レベルと比較し、検出した磁束がこの保護レベルを越えた場合に搬送波のスイッチング周波数を変更するようにしたものである。
【0016】
さらに、この発明に係る電力変換装置は、高調波ノイズ抑制用のリアクトルの鉄心に流れる磁束と高調波電流の周波数との関係に基づき予め保護レベルの基準周波数を設定しておき、比較器は搬送波のスイッチング周波数をこの保護レベルの基準周波数と比較して高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁束飽和の是非を判断するようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成を示す図である。図において、電力変換装置1は交流電源2を所定の周波数、電圧の交流電力に変換し、負荷である誘導電動機3を駆動する。また、交流電源2は接地4されており、接地コンデンサ5が交流電源2と対地間に接地され、電力変換装置1と交流電源2との間にはノイズ抑制用コモンモードリアクトル6が接続される。また、磁束検出器7は、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に流れる磁束を検出する。また、電力変換装置1と負荷である誘導電動機3の間の配線と対地間には浮遊容量8が生じる。
【0018】
また、電力変換装置1において、AC/DCコンバータ11は交流電源2の交流電圧を直流電圧に変換し、平滑コンデンサ12で直流電圧を平滑する。スイッチング回路13はパワートランジスタから構成され、PWM回路14からの制御信号により、このパワートランジスタをON/OFF制御することにより、平滑された直流電圧を交流電圧に変換し、負荷である誘導電動機3を駆動する。
また、PWM回路14は、指令周波数に基づき演算された指令電圧と搬送波とを比較して、のパワートランジスタをON/OFF制御する制御信号を出力する。
【0019】
また、比較器15は、磁束検出器7で検出したノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に流れる磁束と保護レベルとを比較して、検出した磁束が保護レベルを越えた場合には、PWM回路14で指令電圧との比較演算に使用する搬送波の周波数であるスイッチング周波数fcを変更する。
【0020】
また、図2はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置において、スイッチング回路13のパワートランジスタをON/OFF制御した時に発生する高調波電流の伝搬経路を示す図である。図において、2〜5、8、11〜13は図1と同様であり、その説明を省略する。スイッチング回路13のパワートランジスタを、PWM回路14からの制御信号によりON/OFF制御した時に周波数fhで振動する高調波電流Ihが発生し、電力変換装置1と負荷である誘導電動機3の間の配線と対地間の浮遊容量8を介して接地4、接地コンデンサ5を経由してスイッチング回路13に流れる。
【0021】
また、図3はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置において、スイッチング回路13のパワートランジスタをON/OFF制御した時に発生する高調波電流Ihの伝搬経路の等価回路を示す図である。図において、5、6、8は図1と同様であり、その説明を省略する。また、C1は交流電源2と対地間に接地される接地コンデンサ5のキャパシタンス値、C2は電力変換装置1と負荷である誘導電動機3の間の配線と対地間には浮遊容量8のキャパシタンス値、Lは電力変換装置1と交流電源2との間に接続されるノイズ抑制用コモンモードリアクトル6のインダクタンス値、fhは高調波電流Ihの周波数である。ここで、スイッチング回路13のパワートランジスタを、スイッチング周波数fcでON/OFF制御した時に発生する高調波電流Ihの周波数fhは、スイッチング周波数fcとほぼ等しくなる。
【0022】
ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6と接地コンデンサ5とがLC回路を構成し、このLC回路の共振周波数f1が、高調波電流Ihの周波数fhと一致すると、高調波電流IhはLC共振により増幅される。共振が発生する共振周波数f1は式(1)にて求められる。
f1 = 1/2π・(L・C1)1/2 ・・・・・(1)
また、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6に流れる高調波電流Ihにより、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束Φは式(2)にて求められる。
Φ = L・Ih = B・S ・・・・・(2)
ここで、Bは磁束密度、Sは鉄心の断面積である。式(2)から高調波電流Ihは式(3)にて求められる。
Ih = B・S / L ・・・・・(3)
【0023】
また、図4はノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束と高調波電流Ihの周波数fhの関係を示す図である。図において、Φはノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束、Φmaxは磁束の最大値、f1は共振周波数、faは保護レベルとしての第1基準周波数、fbは保護レベルとしての第2基準周波数である。図に示すように、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束Φは、高調波電流Ihの周波数fhが共振周波数f1の時に最大Φmaxとなる。また、磁束密度Bは、鉄心の材質によって飽和磁束密度Bmが決まり、飽和磁束密度Bmになると、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6はインダクタンス値Lとしての機能を果たさなくなり、異常発熱、振動、騒音を発生する。
第1基準周波数faおよび第2基準周波数fbは磁気飽和を防ぐための保護レベルとしての基準値であり、図ではΦmax×0.8となる周波数とした例を示した。
【0024】
図5はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置において高調波電流が保護レベルを越えた場合にスイッチング周波数fcを自動変更するフローチャートである。
【0025】
この発明の実施の形態1に係る電力変換装置においては、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束Φが保護レベルを越えた場合にスイッチング周波数を自動変更することにより、磁気飽和を防ぐものであり、図4に示すように、高調波電流Ihの周波数fhが、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心の磁気飽和となる範囲(第1基準周波数fa≦高調波電流Ihの周波数fh≦第2基準周波数fb)内とならないよう、
高調波電流Ihの周波数fh<第1基準周波数fa、
または高調波電流Ihの周波数fh>第2基準周波数fb、
と制御する方法について図4および図5により説明する。
【0026】
ステップS1で、磁束検出器7でノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に流れる磁束Φnの検出する。
ステップS2で、比較器15は、磁束検出器7で検出した磁束Φnと保護レベルとを比較し、検出した磁束Φnが保護レベルよりも小さい場合は正常状態と判断して(図4において、高調波電流Ihの周波数fh<第1基準周波数faのエリア、または高調波電流Ihの周波数fh>第2基準周波数fbのエリア)、ステップS1に戻る(この場合は、スイッチング周波数fcを変更しない)。
【0027】
ステップS2で、検出した磁束Φnが保護レベル以上の場合は、磁気飽和を起こす可能性があると判断して、ステップS3でスイッチング周波数fcを減少する。
ステップS4で、磁束検出器7はスイッチング周波数fcを減少させた後にノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に流れる磁束Φn+1の検出する。
ステップS5で、比較器15は、前回検出した磁束Φnとスイッチング周波数fcを減少させた後に検出した磁束Φn+1とを比較し、スイッチング周波数fcを減少させた後に検出した磁束Φn+1が前回検出した磁束Φn以下である場合は、ステップS3でスイッチング周波数fcを減少させることで磁気飽和から保護できると判断して、ステップS1に戻る(図4において、高調波電流Ihの周波数fh≦共振周波数f1のエリア)。
【0028】
ステップS5で、スイッチング周波数fcを減少させた後に検出した磁束Φn+1が前回検出した磁束Φnより大きい場合には、スイッチング周波数fcを減少させることが磁気飽和から保護できないと判断して(図4において、共振周波数f1≦高調波電流Ihの周波数fhのエリア)、ステップS6でスイッチング周波数fcを増加する。
ステップS7で、磁束検出器7はスイッチング周波数fcを増加した後にノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に流れる磁束Φn+2の検出する。
ステップS8で、比較器15は、スイッチング周波数fcを増加させた後に検出した磁束Φn+2と保護レベルとを比較し、検出した磁束Φn+2が保護レベルよりも小さい場合は正常状態と判断して(図4において、第2基準周波数fb<高調波電流Ihの周波数fhのエリア)、ステップS1に戻る。
【0029】
ステップS8で、検出した磁束Φn+2が保護レベル以上の場合は、磁気飽和から保護できないと判断して(図4において、第1基準周波数fa≦高調波電流Ihの周波数fh≦第2基準周波数fbのエリア)、ステップS6で、スイッチング周波数fcを増加する。
【0030】
上述のように、実施の形態1に係る電力変換装置においては、スイッチング回路13のパワートランジスタをスイッチング周波数fcでON/OFF制御した時に発生する高調波電流Ihの影響によって、電力変換装置1と交流電源2との間に接続されるノイズ抑制用コモンモードリアクトル6が飽和しないようにスイッチング周波数fcを変更するようにしたので、
電力変換装置を故障停止させることなく、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の異常発熱、騒音、振動を抑制することができる。
【0031】
ところで、上記説明では、異常発熱、騒音、振動を抑制する対象であるノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の磁束を検出し、ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6が飽和しないようにスイッチング周波数fcを変更するようにした例について説明したが、交流電源2に流れる零相電流またはノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心温度を検出し、磁気飽和を判断してスイッチング周波数fcを変更するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0033】
この発明に係る電力変換装置は、交流電源の交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータと、この直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、パワートランジスタから構成され、このパワートランジスタをON/OFF制御することにより、平滑された直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路と、指令電圧と搬送波とを比較し、スイッチング回路のパワートランジスタをON/OFF制御する制御信号を出力するPWM回路と、交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁束飽和の是非を判断し、磁気飽和と判断した場合に搬送波のスイッチング周波数を変更する比較器と、を備えたので、電力変換装置を故障停止させることなく、ノイズ抑制用コモンモードリアクトルの異常発熱、騒音、振動を抑制することができる。
【0034】
また、この発明に係る電力変換装置は、交流電源と電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの鉄心に流れる磁束を検出する磁束検出器を備え、比較器はこの磁束検出器で検出した磁束を予め設定した保護レベルと比較し、検出した磁束がこの保護レベルを越えた場合に搬送波のスイッチング周波数を変更するようにしたので、磁気飽和を精度良く判断できる。
【0035】
さらに、この発明に係る電力変換装置は、高調波ノイズ抑制用のリアクトルの鉄心に流れる磁束と高調波電流の周波数との関係に基づき予め保護レベルの基準周波数を設定しておき、比較器は搬送波のスイッチング周波数をこの保護レベルの基準周波数と比較して高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁束飽和の是非を判断するようにしたので、磁気飽和を簡便に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置において、スイッチング回路13のパワートランジスタをON/OFF制御した時に発生する高調波電流Ihの伝搬経路を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置において、スイッチング回路13のパワートランジスタをON/OFF制御した時に発生する高調波電流Ihの伝搬経路の等価回路を示す図である。
【図4】 ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束と高調波電流Ihの周波数fhの関係を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置において高調波電流が保護レベルを越えた場合にスイッチング周波数fcを自動変更するフローチャートである。
【符号の説明】
1 電力変換装置、 2 交流電源、 3 誘導電動機、 4 接地、 5 接地コンデンサ、 6 ノイズ抑制用コモンモードリアクトル、 7 磁束検出器、 8 浮遊容量、 11 AC/DCコンバータ、 12 平滑コンデンサ、 13 スイッチング回路、 14 PWM回路、 15 比較器、 C1 交流電源2と対地間に接地される接地コンデンサ5のキャパシタンス値、 C2電力変換装置1と負荷である誘導電動機3の間の配線と対地間には浮遊容量8のキャパシタンス値、 L 電力変換装置1と交流電源2との間に接続されるノイズ抑制用コモンモードリアクトル6のインダクタンス値、 fc スイッチング周波数、 Ih スイッチング回路13のパワートランジスタを、スイッチング周波数fcでON/OFF制御した時に発生する高調波電流、 fh 高調波電流Ihの周波数、 f1 共振周波数、 fa 保護レベルとしての第1基準周波数、 fb 保護レベルとしての第2基準周波数、 Φ ノイズ抑制用コモンモードリアクトル6の鉄心に発生する磁束、 Φmax 磁束の最大値、
電力変換装置に接続されたリアクトルの保護に関するものである。
リアクトル共振回避機能、
Claims (3)
- 交流電源の交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータと、
この直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、
パワートランジスタから構成され、このパワートランジスタをON/OFF制御することにより、平滑された直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路と、指令電圧と搬送波とを比較し、前記スイッチング回路のパワートランジスタをON/OFF制御する制御信号を出力するPWM回路と、
前記交流電源と前記電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁束飽和の是非を判断し、磁束飽和と判断した場合に前記搬送波のスイッチング周波数を変更する比較器と、
を備えた電力変換装置。 - 前記交流電源と前記電力変換装置との間に接続される高調波ノイズ抑制用のリアクトルの鉄心に流れる磁束を検出する磁束検出器を備え、
前記比較器はこの磁束検出器で検出した磁束を予め設定した保護レベルと比較し、検出した磁束がこの保護レベルを越えた場合に前記搬送波のスイッチング周波数を変更するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 高調波ノイズ抑制用のリアクトルの鉄心に流れる磁束と高調波電流の周波数との関係に基づき予め保護レベルの基準周波数を設定しておき、前記比較器は前記搬送波のスイッチング周波数をこの保護レベルの基準周波数と比較して高調波ノイズ抑制用のリアクトルの磁束飽和の是非を判断するようにしたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
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