JP4196658B2 - 繊維構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来になかった優れた汚れ防止性、特にシャツの衿部やカフス部における汗ジミ・黄ばみ防止性を有する繊維構造物、さらにはクリーニング時の濡れ掛けプレスによりその発生が助長されるシャツ衿部の接着樹脂の表地への浸み出しを防止し、表地と芯地の剥離防止性をも有する繊維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
衣類の汚れは大別して人体から分泌される汗や皮脂による汚れと生活環境からくる外的汚れに大分される。このうち皮脂は空気中の酸素によって酸化され黄色物質に変化し、シャツの場合、衿や袖口の黄ばみとなって現れる。特に水系洗濯の場合は黄ばみが残留しやすく、そのまま何日も空気中に放置すると繊維内に入り込み全く取れなくなってしまう。この残留皮脂には垢や空気中のちり、ほこりが張り付きやすく、ボンドの役目も果たしてしまう。またクリーニング時の濡れ掛けプレスのように湿熱状態で熱を加えられると、酸化反応が助長され黄ばみがさらに悪化する。
【0003】
また皮脂と同じく人体から分泌される汗は、その中に含まれる窒素化合物が皮膚表面の細菌・微生物によってアルカリ性のアンモニア類等に変化し、黄ばみ・汗ジミを引き起こすのみならず、繊維自体を脆化させ、衿部の剥離等の一因ともなる。汗の中には酸性の汗もあり、この場合は酸に弱い綿などのセルロース系繊維がダメージを受け、衿部の剥離を加速する。また、汗は塩分を多く含んでおり、その影響も無視できない。さらには酸化酵素も含んでいるため、染料の変退色を引き起こし、シャツが色あせてしまうという問題もある。
【0004】
こうした問題が最も起こりやすいのは、シャツの衿部である。シャツの衿部の構造は表地、芯地および裏地を中心に構成される。このうち芯地は、フラシ芯とトップヒューズ芯に分けられる。フラシ芯は表地と芯地を接着しない芯地であり、特徴として芯地が接着されていないため、表地のソフトな風合いが生かされる反面、縫製時や洗濯後にパッカリングが発生しやすく、高度な縫製技術が求められ、一般的に国内のワイシャツでは、一部の高級品に採用されているのみである。対してトップヒューズ芯は、表地と芯地を永久接着した芯地で、風合いは若干硬くなるが、表地が接着固定されているため縫製時にパッカリングが発生しにくく、また洗濯をしてもパッカリングが生じにくくアイロン掛けも容易である。このため、現在、主流となっている形態安定シャツは、そのほとんどが衿部にトップヒューズ芯を使用している。
【0005】
このような形態安定シャツは、家庭で洗濯ができ、アイロン掛けが楽になり、縮まないなどの特性が注目され、市場で好評を得ている。しかし、家庭洗濯ではアイロン掛けを行わないと形態安定シャツであっても購入時の状態を維持することは出来ないこと、クリーニング業界の過当競争によりクリーニング値段が低下してきている、等の理由からシャツをクリーニングに出す機会も増加している。クリーニングでは通常「洗濯→脱水→乾燥→仕上げプレス工程」で行われている。この仕上げプレスはクリーニング協会において150℃、30秒の仕上げプレスを推奨しているが、協会への加入率の低下や、クリーニングコストの削減などの理由から、プレス温度を160℃または170℃まで高め、処理時間を削減すると共に、「洗濯→脱水→濡れ掛けプレス」と1工程省略しているのが、現状である。
【0006】
一方、芯地の接着剤として使用されている熱可塑性樹脂は溶融温度がプレス時の温度に近く、プレス時に再融解し熱勾配によりシャツの表地へ浸み出してしまう。この現象は該樹脂との親和性が高い皮脂や汗ジミが生地表面に付着した状態ではさらに助長され、表面品位を著しく損なうばかりでなく、ひいては表地と衿芯地の剥離を引き起こし、使用に耐えがたい状態となる。
【0007】
例えば特開平7−102234には、MI値を10g/10分以上の熱可塑性樹脂に、さらに溶融粘度の高い樹脂のエマルジョン/サスペンジョンを混合し、樹脂浸み出しによる表地の汚れを防止する方法が提案されているが、特殊な樹脂を使用し、かつ10g/10分以下では、十分な接着性が得られていない。また熱可塑性樹脂による改善を試みたのみであり、繊維構造体としてとらえた発明ではない。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−102234号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点を改良し、優れた汚れ防止性、特にシャツの衿部やカフス部における汗ジミ・黄ばみ防止性を有し、さらにはクリーニング時の濡れ掛けプレスによりその発生が助長されるシャツ衿部の接着樹脂の表地への浸み出しを防止し、繰り返し使用した場合でも表地と芯地の剥離を引き起こさない繊維構造物を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するめたに、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の繊維構造物は、表地および該表地と熱可塑性樹脂を介して接着した芯地からなる繊維構造物であって、(1)該表地を構成する繊維表面にフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の撥水性および/または撥油性を有する樹脂が該表地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、(2)該芯地を構成する繊維表面全面にポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の親水性および/または親油性を有する樹脂が、パディング法、スプレー法、コーティング法および浴中吸着法から選ばれるいずれかの方法により、該芯地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、の(2)条件もしくは両方の条件を満たすものであることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維構造物の汚れ防止原理は次の通りである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
通常、外的汚れや汗、皮脂等の人体排出物が付着した場合、それが表地に残留することで黄ばみ、汗ジミ、さらにはシャツ衿の剥離や接着樹脂の表地への浸み出しを引き起こす。本発明の繊維構造物は表地および該表地と熱可塑性樹脂を介して接着した芯地からなるものであって、(1)該表地を構成する繊維表面にフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の撥水性および/または撥油性を有する樹脂が該表地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、(2)該芯地を構成する単繊維表面にポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の親水性および/または親油性を有する樹脂が、パディング法、スプレー法、コーティング法および浴中吸着法から選ばれるいずれかの方法により、該芯地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、の(2)の条件もしくは両方の条件を満たすものであるため、汚れ成分に対する該表地と該裏地の吸収率勾配、親和性勾配により、該表地に一旦に吸収された外的汚れや汗、皮脂等の人体排出物などが該表地中に残留・拡散することなく該表地と接着した芯地に移行・吸収され拡散する効果を発生させる。特に(2)とともに上記(1)の要件を満たす場合、かかる効果が高い。
【0013】
この状態で該繊維構造物がクリーニングに出された場合、汚れの成分は芯地中で拡散されているため、水系洗濯により容易に除去される。特に上記(2)の要件を満たす場合、かかる効果が高い。皮脂などの油性成分は水系洗濯では除去されにくく、多少は該芯地中に残留する可能性もあるが、仮に多少の残留があった場合でも該表地中にはほとんど残留していないため、たとえ濡れ掛けプレスにより酸化促進されても、外部からは見えない該芯地部で黄ばみが発生するのみで、外部から見える表地部の黄ばみは格段に改善される。
【0014】
また該芯地中に残留した油性成分は、同じく油性である接着樹脂との親和性が高いため、高温で濡れ掛けプレスをした場合でも該接着樹脂が該表地側へと引き寄せられることがなく、接着樹脂が表地へ浸み出すことによる製品の品位低下を防止でき、さらには芯地と表地の剥離も防止できるという驚くべき効果も得られる。
【0015】
上記の原理から、本発明の表地を構成する繊維の表面にはフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂、これらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の撥水性および/または撥油性を有する樹脂が付着していることが好ましい。中でも、得られる効果の面からは該樹脂がフッ素系樹脂であることが最も好ましく、具体的にはC3〜20のパーフルオロアルケニル基やパーフルオロアルキル基を有するビニル単量体のみの単独重合体、前記の含フッ素ビニル単量体とフッ素を含まないビニル単量体との共重合体であることが好ましい。かかる撥水性および/または撥油性を有する樹脂は、得られる効果と風合いの面から、該表地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着していることが好ましい。付着量が0.1%未満ではその効果が十分には発揮されず、20%を越えると得られる繊維構造物の風合いが極端に粗硬化し商品とは成りがたい。
【0016】
樹脂の耐久性を重視する場合にはこれらの樹脂に加え架橋剤としてメラミン樹脂や、該表地の構成繊維に綿、麻、再生セルロース繊維等のセルロース系繊維が含まれているときにはグリオキザール系樹脂等の繊維素反応型樹脂が共存していることも好ましい。
【0017】
該表地の構成繊維にセルロース系繊維が含まれている場合、繊維構造物の形態安定性を維持し過度のアイロン掛けを防止するとともに、該表地と芯地の洗濯収縮率差等による剥離を防止する上では、該セルロース系繊維が、下記式(1)で定義される架橋指数が1〜4の範囲に架橋改質されたものであることが好ましい。
【0018】
架橋指数 = (A−B)・・・・ 式(1)
ここで A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下での架橋改質後の該繊維の吸湿率(%)
B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下での架橋改質後の該繊維の吸湿率(%)
かかるセルロース系繊維の架橋改質は、グリオキザール系樹脂等の繊維素反応型樹脂やホルムアルデヒドにより行われるものである。
【0019】
一方、該表地にポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリウレタン系繊維のうち少なくとも1種の合成繊維が構成成分として含まれている場合には、該合成繊維が分子量200〜700(本件で用いる抗菌剤は単一成分のものですので平均分子量ではありません)、無機性/有機性値0.3〜1.4、平均粒子径2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含んでなるものであることも、繊維上での微生物・細菌類の増殖を防ぎ、アンモニア類などの発生による黄ばみ・汗ジミや繊維の脆化を防止する観点からは好ましい。ここで無機性/有機性値とは、藤田稔氏が考案した各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、炭素(C)1個を有機性20とし、それに対し各種極性基の無機性、有機性の値を定め、無機性値の和と有機性値の和を求め比をとった値をいい[改編 化学実験学−有機化学編−,河出書房,1971を参照]、かかるピリジン系抗菌剤としては具体的には2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)、等があげられる。
【0020】
該表地を構成する繊維へ撥水性および/または撥油性樹脂やその他の加工剤を付与する方法としては、一般に繊維の加工方法として用いられている各種の方法が適用可能であり、具体的にはパディング法、スプレー法、コーティング法、浴中吸着法等が好ましく用いられる。
【0021】
次に、本発明の芯地を構成する繊維表面にはポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の親水性および/または親油性を有する樹脂が付着していることが好ましい。中でも、得られる効果の面からは該樹脂がポリアルキレングリコール−ポリエステルブロック共重合体樹脂であることが最も好ましい。ここでポリアルキレングリコール−ポリエステルブロック共重合体とは芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコールからなるポリエステルにポリアルキレングリコールをブロック共重合したものである。ここでいうポリアルキレングリコールとは分子中に−CnH2n−(n=2〜4)なる主鎖を有する分子量が300〜40000、好ましくは1000〜10000の範囲にあるものである。また、芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコールからなるポリエステルとしては、テレフタル酸やイソフタル酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールとからなるポリエステルであることが好ましい。かかる親水性および/または親油性を有する樹脂は、得られる効果と風合いの面から、該芯地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着していることが好ましい。付着量が0.1%未満ではその効果が十分には発揮されず、20%を越えると得られる繊維構造物の風合いが極端に粗硬化し商品とは成りがたい。
【0022】
耐久性を重視する場合には、これらの樹脂に加え架橋剤としてメラミン樹脂や、該芯地の構成繊維に綿、麻、再生セルロース繊維等のセルロース系繊維が含まれているときにはグリオキザール系樹脂等の繊維素反応型樹脂が共存していることも好ましい。
【0023】
該芯地の構成繊維にセルロース系繊維が含まれている場合、繊維構造物の形態安定性を維持し過度のアイロン掛けを防止するとともに、該芯地と表地の洗濯収縮率差等による剥離を防止する上では、該セルロース系繊維が、前記式(1)で定義される架橋指数が1〜4の範囲に架橋改質されたものであることが好ましい。かかるセルロース系繊維の架橋改質は、グリオキザール系樹脂等の繊維素反応型樹脂やホルムアルデヒドにより行われるものである。
【0024】
一方、該芯地にポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維のうち少なくとも1種の合成繊維が構成成分として含まれている場合には、前述のごとく、該合成繊維が分子量200〜700、無機性/有機性値0.3〜1.4、平均粒子径2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含んでなるものであることも、繊維上での微生物・細菌類の増殖を防ぎ、アンモニア類などの発生による黄ばみ・汗ジミや繊維の脆化を防止する観点からは好ましい。かかるピリジン系抗菌剤としては具体的には2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛等があげられる。
【0025】
また、芯地を親水化および/または親油化する上では繊維表面に光触媒が付着していることも好ましい。この場合、光触媒は親水性および/または親油性を付与するのみならず、該芯地中に拡散した汚れ、汗、皮脂などの成分を分解除去するという効果や繊維上での微生物・細菌類の増殖を防ぎ、アンモニア類などの発生による黄ばみ・汗ジミや繊維の脆化を防止するという優れた効果もあわせ持つ。この光触媒としては具体的には二酸化チタン、アパタイト被覆型酸化チタンおよび、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれた少なくとも1種の光触媒を含有するものであることが好ましく、中でも該芯地を構成する繊維の光触媒による脆化を防止するという点からはチタンとケイ素の複合酸化物であることが特に好ましい。
【0026】
該芯地を構成する繊維に該親水性および/または親油性樹脂やその他の加工剤を付与する方法としては、一般に繊維の加工方法として用いられている各種の方法が適用可能であり、具体的にはパディング法、スプレー法、コーティング法、浴中吸着法等が好ましく用いられる。
【0027】
本発明において、かかる表地と芯地は熱可塑性樹脂を介して接着されたものである。表地と芯地が接着されていることで、該表地に付着した汚れ成分がスムーズに該芯地方向へと移行、拡散する。接着はどのような方法で行われていてもかまわないが、作業性の面からはポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いた接着が好ましく、接着樹脂の表地への浸み出し防止効果を重視する場合には、高密度ポリエチレン樹脂を用いることが特に好ましい。ただし該表地に撥水性および/または撥油性を有する樹脂が付着している場合、該熱可塑性樹脂による該表地と該芯地の接着力が低下する可能性があるため、耐剥離性を向上させる上で、該接着樹脂の粘度を適正化することが好ましく、具体的にはJIS K7210に定めるMI値が190℃で20g/10分以下のものであることが望ましい。
【0028】
かかる熱可塑性樹脂は光触媒を含有したものであっても良い。この場合、光触媒は該表地と該芯地の間に拡散した汚れ、汗、皮脂などの成分を分解除去するという効果や該繊維構造物中での微生物・細菌類の増殖を防ぎ、アンモニア類などの発生による黄ばみ・汗ジミや繊維の脆化を防止するという優れた効果もあわせ持つ。この光触媒としては具体的には二酸化チタン、アパタイト被覆型酸化チタン、および、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれた少なくとも1種の光触媒を含有するものであることが好ましく、中でも該熱可塑性樹脂および該繊維構造物の光触媒による脆化を防止するという点からはチタンとケイ素の複合酸化物であることが特に好ましい。
【0029】
該熱可塑性樹脂は、通常一般に用いられるパウダー方式、ドット方式等の方法により該芯地に付与され、かかる芯地と表地は熱プレスを用いた熱圧着等の方法により接着される。かかる熱可塑性樹脂は、該芯地の表面積に対して1〜100g/m2の割合で付与されることが好ましい。
【0030】
本発明の繊維構造物において、かかる汚れ防止効果を得る上では上述のように(1)該表地を構成する単繊維表面にフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂、これらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種以上の撥水性および/または撥油性を有する樹脂が該表地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、(2)該芯地を構成する単繊維表面にポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂、これらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種以上の親水性および/または親油性を有する樹脂が該芯地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、のいずれか1つもしくは両方の要件を満たしていることが必須条件であるが、さらに該表地および該芯地の繊維構成を適正化することで、より優れた効果が期待できる。すなわち、該芯地を構成する繊維の単糸繊度に対する該表地を構成する繊維の単糸繊度比は1.0より大きいことが好ましい。ここで単糸繊度比とは該表地を構成する繊維の単糸繊度を該芯地を構成する繊維の単糸繊度で除した値のことである。単糸繊度は合成繊維フィラメント糸の場合、JIS L1013「化学繊維フィラメント糸試験方法」に準じて、また紡績糸の場合は、JIS L1015「化学繊維ステープル試験方法」に準じて測定される。紡績糸が2種またはそれ以上の種類で構成されている場合、または合成繊維フィラメント糸と紡績糸によって繊維が構成されている場合等繊度差のある繊維により構成された複合糸や混紡糸の場合は、その単糸繊度の細い成分の単糸繊度を用いる。天然繊維の場合は繊度差が大きいため20本の単糸繊度を測定し、その平均値を用いる。該芯地が不織布の場合はJIS L1085「不織布しん地試験方法」により樹脂を溶解・膨潤させ、単糸を抜き取りJIS L1015「化学繊維ステープル試験方法」により単糸繊度を求める。
【0031】
かかる繊維構造物を構成する繊維としては、合成繊維、再生繊維、天然繊維等、特に限定されることなく使用することができ、具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル、ビニロン、塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ、テンセル等の再生繊維、木綿、麻、ケナフ、パルプ、羊毛、絹、等の天然繊維を使用することができる。またこれらを任意の割合で2種以上、混練、混繊、混紡、交編織して用いても何ら問題はない。なお、該繊維構造物をシャツ、ブラウス、ユニフォーム等の衣類として用いる場合、実用上の面からはポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、セルロース系繊維のうち少なくとも1種を構成成分として含むことが好ましい。また、本発明の繊維構造物を構成する表地、該表地と接着した芯地の形態としては、織物、編物、不織布等、如何なる形態のものであっても差し支えないが、シャツ、ブラウス、ユニフォーム等に用いる場合、表地に関しては織物であることがより好ましい。
【0032】
本発明の繊維構造物は従来になかった優れた汚れ防止性を有しているためシャツ、ブラウス、ユニフォーム等の衣類へ用いるのに好適である。また、汗ジミ・黄ばみ防止性を有し、さらにはクリーニングの濡れ掛けプレスによりその発生が助長されるシャツ衿部の接着樹脂の表地への浸み出しや、繰り返し使用した場合の表地と芯地の剥離を防止する効果も持ち合わせているため、とりわけドレスシャツの衿部、カフス部へ使用するのに最適である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
芯地用基布としてポリエステル/綿混織物(T65C35、原綿繊度1.5dTex、ブロード)を用意し、親水性樹脂として高松油脂(株)製のポリアルキレングリコール−ポリエステルブロック共重合体樹脂TO−SR−1を生地重量に対し6%となるようパディング法で付与した後、190℃でMI値が1g/10分の高密度ポリエチレン樹脂を該織物の表面に対し30g/m2の割合でドッティングして芯地を得た。一方、表地として、スプレー法により明成化学工業(株)製のフッ素系撥水・撥油性樹脂AG−880を生地重量に対し3%となるよう付与したポリエステル/綿混織物(T65C35、原綿繊度1.5dTex、ブロード)を準備した。ついでこの表地と上記の芯地をJUKI平板プレスを使用し接着条件:170℃×20秒、こて面圧力1.0kg/cm2で張り合わせ、目的とする繊維構造物を得た。
【0034】
この繊維構造物から試験片を切り出し、その表地面に図1に示す塗布窓を持ったプラスチック板より人口汗(味の素(株)ピュアセレクトマヨネーズ)を0.4g均一に塗布し、人口汗塗布試験片を得た。
【0035】
この人口汗塗布試験片を室温で12時間放置した後、家庭用合成洗剤を用い2層式洗濯機で40℃×60分間連続洗いした後、3分間×2回すすぎ、30秒間の脱水を行った後、乾燥させることなく、こて面温度160℃、こて面圧力0.5kg/cm2、加圧時間30秒の条件で濡れ掛けプレスを行った(JUKI平板プレス使用)。この洗濯、すすぎ、脱水、プレスの動作を5回繰り返した後、再び人口汗を塗布し、前記放置、洗濯、すすぎ、脱水、濡れ掛けプレスを実施後、すすぎ、脱水、濡れ掛けプレスを繰り返し、合計プレス回数が15回まで繰り返した。
【0036】
このようにして得られた試験片に関し、表・裏面の黄ばみ、汗ジミ発生程度、表地と芯地の剥離有無、接着樹脂の表地への浸み出し有無、の各項目について目視による判定・評価を行ない、全く発生なしを”◎”、ほぼ発生なしを”○”、明らかに発生しているが実用にどうにか耐えられる程度の発生を”△”、実用上耐えられない程度の発生を”×”とした。結果を表1に示す。表1から明らかなように、全ての項目において優れた結果が得られた。
実施例2
実施例1の表地にフッ素系撥水・撥油性樹脂を付与しなかった以外は、実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表1から明らかなように、芯地に親水性樹脂が付着しているのみの場合であっても全ての項目において良好な結果が得られた。
実施例3
実施例1において、表地および芯地を構成するポリエステル/綿混織物のポリエステルサイドに、ピリジン系抗菌剤として分子量317、無機性/有機性値0.45、平均粒子径1μmである2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛を、ポリエステルの繊維重量に対して0.5%の割合でパディング法により含有させた以外は実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表1から明らかなように、全ての項目において優れた結果が得られたが、特に黄ばみ、汗ジミ、剥離の各項目においては、更に優れた効果が見られた。
実施例4
実施例1において、表地および芯地を構成するポリエステル/綿混織物の綿サイドに、住友化学工業(株)製のグリオキザール系樹脂NS−11を用いてパディング法により架橋指数が3となるように架橋改質した綿を用いた以外は実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表1から明らかなように、全ての項目において優れた結果が得られたが、特に剥離、接着樹脂の浸み出し、の2項目においては、更に優れた効果が見られた。
実施例5
実施例1において芯地基布に対し、親水性樹脂に加えて、生地重量に対し1%の光触媒(大京化学(株)製TR−T2)を付与した以外は実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表1から明らかなように、全ての項目において優れた結果が得られたが、特に黄ばみ、汗ジミの2項目においては、更に優れた効果が見られた。
実施例6
実施例1において芯地の基布として、ポリエステル/綿混織物(T65C35、原綿繊度1.5dTex、ブロード)にかえ、経緯糸にポリエステル/綿(T65C35、原綿単糸繊度1.2dTex)の23S/1紡績糸を使用したカバーファクター1700の平織物を用いた以外は実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表1から明らかなように、全ての項目において極めて優れた結果が得られた。
比較例1
実施例1において、芯地にスプレー法により明成化学工業(株)製のフッ素系撥水・撥油性樹脂AG−880を生地重量に対し3%となるよう付与したポリエステル/綿混織物(T65C35、原綿繊度1.5dTex、ブロード)を使用し、また表地に親水性樹脂として高松油脂(株)製のポリアルキレングリコール−ポリエステルブロック共重合体樹脂TO−SR−1を生地重量に対し6%となるようパディング法で付与したポリエステル/綿混織物(T65C35、原綿繊度1.5dTex、ブロード)を使用した以外は実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表より明らかなように表地に親水性樹脂、芯地に撥水・撥油性樹脂が固着している場合には、良好な結果が得られなかった。
比較例2
実施例1において、芯地と表地を熱可塑性樹脂により接着せず、ポリエステル製の縫糸を用いて仮止めした以外は実施例1と同様に加工、評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表より明らかなように表地と芯地が熱可塑性樹脂により接着されていない場合には、良好な結果が得られなかった。
比較例3
表地、芯地とも樹脂の付着していない未処理のポリエステル/綿混織物(T65C35、原綿繊度1.5dTex、ブロード)を用いて繊維構造体を作成し、実施例1と同様に評価を行った。結果をあわせて表1に示す。表より明らかなように表地、芯地のいずれにも樹脂が付着していない場合には、良好な結果が得られなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明の繊維構造物を利用することにより、優れた汚れ防止性、特にシャツの衿部やカフス部における汗ジミ・黄ばみ防止性、表地と接着芯地の繰り返し洗濯による剥離防止性、さらには接着樹脂の浸み出し防止性をも有した繊維構造物が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた人口汗塗布用プラスチック板の上面寸法図を示す。
Claims (8)
- 表地および該表地と熱可塑性樹脂を介して接着した芯地からなる繊維構造物であって、(1)該表地を構成する繊維表面にフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の撥水性および/または撥油性を有する樹脂が該表地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、(2)該芯地を構成する繊維表面全面にポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂およびこれらの共重合体系樹脂から選ばれた少なくとも1種の親水性および/または親油性を有する樹脂が、パディング法、スプレー法、コーティング法および浴中吸着法から選ばれるいずれかの方法により、該芯地の繊維重量に対して0.1〜20%の割合で付着している、の(2)条件もしくは両方の条件を満たすものであることを特徴とする繊維構造物。
- 該表地および/または芯地がポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリウレタン系繊維のうち少なくとも1種の合成繊維を構成成分として含むものであって、かつ該合成繊維が分子量200〜700、無機性/有機性値0.3〜1.4、平均粒子径2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含んでなるものであることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造物。
- 該表地および/または芯地が綿、麻および再生セルロース繊維のうち少なくとも1種のセルロース系繊維を構成成分として含むものであって、かつ該セルロース系繊維の下記式で定義される架橋指数が1〜4の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維構造物。
架橋指数 = (A−B)
ここで A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下での架橋改質後の
該繊維の吸湿率(%)
B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下での架橋改質後の
該繊維の吸湿率(%) - 該熱可塑性樹脂および/または芯地が二酸化チタン、アパタイト被覆型酸化チタンおよび、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれた少なくとも1種の光触媒を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
- 該芯地を構成する繊維の単糸繊度に対する該表地を構成する繊維の単糸繊度比が1.0より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
- 該熱可塑性樹脂が高密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維構造物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維構造物からなる衣類。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の繊維構造物を衿部および/またはカフス部に用いてなる衣類。
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