JP4196624B2 - 壁埋め込み水栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁に埋め込まれて設置される壁埋め込み水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、壁に埋め込まれて設置される壁埋め込み水栓が提案されている。
たとえば、従来の壁埋め込み水栓としては、壁内に設置された水栓本体としての継手本体に、シート部材としてのシール受け部が設けられており、そのシール受け部にシール部材が当接・離反することによって止水と吐水を制御している。(たとえば、特許文献1を参照のこと)
【0003】
又、別の従来の壁埋め込み水栓としては、水栓本体の内部にバルブとしての弁体を供給管と同軸の方向に挿入しており、更にその弁体の内部には止水と吐水を制御するシート部が備えられている。(たとえば、特許文献2を参照のこと)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−165378号公報
【特許文献2】
特開2001−262638号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されているものは、継手本体にシート受け部が設けられいるので、万一シート受け部が腐食した場合には継手本体毎交換しなければ、バルブ機能を復帰させることが出来ない。特に継手本体に接続される供給管が鋼管等の場合は、壁を壊さないと継手本体を鋼管から外して継手本体を交換することが出来ず、メンテナンス性に劣るという問題を有している。
【0006】
他方、特許文献2に開示されているものは、シート部が弁体内部に設けられているので、万一シート部が腐食しても弁体毎交換すればバルブ機能を復帰させることが出来る。
しかしながら、具体的な交換作業としては、水栓本体を一旦取付台から外さなければならないといった問題が生じてしまい、必ずしも施工性が良いとは言いがたかった。
【0007】
さらに、特許文献2では、取付台と水栓本体の2部品で通水路を構成しなければならず、それらの部品間にはシール用のOリングが必要となってしまう。
Oリングは劣化が懸念される部品であり、ここから万一漏水した場合には漏水が壁内部に流れることとなり、使用者が漏水に気付きにくい。結果として長期に渡って漏水に気付かなかった場合、壁や柱を腐らせたり、階下に被害が及んだりする危険性がある。
更に、殆どの弁体には回転摺動部をシールするためのOリングが使用されており、取付台と水栓本体とのシール用のOリングよりも劣化や摩耗が発生しやすく、漏水の危険性が増すことになる。つまり、特許文献2に開示されている弁体も同様のことが予想でき、壁内部への漏水という点では、取付台と水栓本体とのシール用のOリングからの漏水だけでなく、さらにより発生率の高い回転摺動部をシールするためのOリングからの漏水が問題となると言える。
【0008】
そこで、本発明では上記の問題点を解決するため、腐食が懸念されるシート部をバルブ部に備え、バルブ交換と同時にシート部も交換でき、そのバルブ交換作業は水栓本体を壁に埋設したままの状態で行える壁埋め込み水栓を提供することを目的とする。
更にバルブに用いられたOリングからの万一の漏水を壁表側に流し、漏水を早期に発見できるようにした壁埋め込み水栓を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の壁埋め込み水栓においては、壁裏に埋設する水栓本体に、水を供給する配管が接続される給水口と、水が吐水される吐水口と、該吐水口からの吐水量を調整するバルブとを備えた壁埋め込み水栓において、前記バルブは前記水栓本体の通水路に介在するバルブ装着開口部に取付けられ、前記水栓本体は壁表側からカバーにより覆われるとともに、前記バルブ装着開口部の端部は、前記カバーに設けられた開口端部から壁表側に突設してなり、前記バルブは、バルブ挿入外筒部と、該バルブ挿入外筒部の一端側から一部を突出させたスピンドルと、該スピンドルと連動して前記バルブ挿入外筒部の内周面で回動するシリンダーと、前記バルブ挿入外筒部に設けられた弁座パッキンとから構成され、前記スピンドルを回転させることで、前記シリンダーに設けたシリンダー開口部を前記バルブ挿入外筒部に設けたバルブ開口部に重ね合わせて通水するか、もしくは、前記シリンダー開口部を前記バルブ開口部からずらして、前記シリンダーの側面と前記バルブ装着開口部の内周面との間を前記弁座パッキンにてシールして止水するかを選択可能としたことを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
【0010】
従来の壁埋め込み水栓では、シート部が水栓本体に一体に形成されているため、万が一シート部が腐食した場合、水栓本体を交換しなければならない。しかしながら、壁埋め込み水栓の場合、壁を壊さない限り、水栓本体は水を供給する配管から取り外すことが困難である。つまり、非常に大掛かりな工事となってしまうのである。
一方、本発明を構成するバルブを使用することで、従来のように水栓本体自体にはシート部を形成する必要がないので、水栓本体の腐食に対する寿命を延ばすことができ、長期間壁裏に水栓本体を埋設して使用することが可能となる。
これにより、万が一バルブと、バルブを装着する水栓本体のバルブ装着開口部との隙間から漏水が生じたとしても、カバーの壁表側に漏水が流れ出すため、使用者に漏水が生じていることを早期に認識させることができる。
そのため、従来の壁埋め込み水栓のように、漏水に気が付いたときには、建築に大きな被害が生じているおそれが低減できるのである。
【0011】
請求項2記載の壁埋め込み水栓においては、前記バルブは、前記水栓本体を壁裏に埋設した状態で、前記バルブ装着開口部に脱着自在としたことを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
これにより、施工性を向上させることができ、工事に掛かる時間・費用を低減することができる。
【0012】
請求項3記載の壁埋め込み水栓においては、前記水栓本体の前記バルブ装着開口部は、壁面に対して略垂直に開口していることを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
これによりバルブの交換作業がより行いやすくなる
【0014】
請求項4記載の壁埋め込み水栓においては、前記スピンドルと前記バルブ挿入外筒部をシールする摺動Oリングと、前記バルブを前記水栓本体に固定する固定部材を備え、該固定部材に設けた開口部を前記スピンドルが貫通するとともに、前記固定部材の開口部が前記カバーの開口端部より壁表側に位置することを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
これにより、劣化摩耗が発生しやすい摺動Oリングからの万一の漏水を壁表側に導くことができ、漏水を使用者に早期に発見させることができる。
【0015】
請求項5記載の壁埋め込み水栓においては、前記バルブ挿入外筒部と前記水栓本体とをシールする固定Oリングを備え、前記バルブ挿入外筒部を、前記固定部材と前記水栓本体とで挟み込んで固定するとともに、前記固定部材が前記カバーの開口端部よりも壁表側に位置することを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
これにより、摺動Oリングの劣化摩耗ほどではないものの、劣化が懸念される固定Oリングからの万一の漏水を壁表側に導くことができ、漏水を使用者に早期に発見させることができる。
【0016】
請求項6記載の壁埋め込み水栓においては、前記固定部材を囲む筒状ナットを備え、該筒状ナットは前記カバーを挟み込んで前記水栓本体に螺合することを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
これにより、壁表側に導かれた摺動Oリング及び固定Oリングからの漏水が壁裏側に流れ込むことを防止することができ、安全性をより高めることが可能となる。
【0017】
請求項7記載の壁埋め込み水栓においては、前記カバーの裏面と前記水栓本体との間にパッキンが設けられたことを特徴とする壁埋め込み水栓とした。
これにより、さらに壁裏側への漏水の流れ込みを確実に防止でき、より安全性を高めることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である壁埋め込み水栓の外観を示す斜視図である。図2は図1の断面図である。
本発明の壁埋め込み水栓1は壁Wに埋め込まれた形態で設置されており、正面には吐水口4と、この吐水口4からの流量を制御するハンドル2とがカバー3から突出した状態で設置されている。
壁Wの内側にはボックス7と水栓本体5が設置されており、給水口6から供給された水はバルブ9と逆止弁10を経由して吐水口4に導かれる。
吐水口4には全自動洗濯機等に使用されている継手(図示せず)が接続され、接続により緊急止水弁11がリフトし、水を全自動洗濯機等に供給できるようになっている。
【0021】
バルブ9は、バルブ挿入外筒部17の内周面にシリンダー13を回転自在に配置している。また、バルブ9のスピンドル12は、ハンドル2とシリンダー13を連結している。
そして、ハンドル2の回転がスピンドル12を介してシリンダー13に伝達され、シリンダー13を回転させるようになっている。
シリンダー13にはシリンダー開口部14が設けられており、このシリンダー開口部14がバルブ開口部15とラップした時に水が流れるようになっている。尚、バルブ挿入外筒部17には弁座パッキン16が設けられており、シリンダー開口部14がバルブ開口部15とラップしていない時はこの弁座パッキン16によって下流への水の流れをシールしている。
【0022】
つまり、この壁埋め込み水栓1は、壁Wの裏側に埋設する水栓本体5に、水を供給する配管(図示せず)が接続される給水口6と、水が吐水される吐水口4と、この吐水口4からの水の吐水量を調整するバルブ9とを備え、さらに水栓本体5を覆うカバー3を備え、このカバー3から吐水口4とバルブ9を制御するハンドル2とを突出するように設置させることで構成している。
また、バルブ9は、水栓本体5の通水路に介在されたバルブ装着開口部5Aに脱着自在に取付けられている。
さらに、バルブ9は、バルブ挿入外筒部17と、このバルブ挿入外筒部17の一端側から一部を突出させたスピンドル12と、このスピンドル12と連動して回動するシリンダー13と、バルブ挿入外筒部17とシリンダー13とをシールする弁座パッキン16とから構成されている。そして、スピンドル12を回転させることで、シリンダー13に設けたシリンダー開口部14をバルブ挿入外筒部17に設けたバルブ開口部15に重ね合わせて通水するか、もしくは、シリンダー13に設けたシリンダー開口部14をバルブ挿入外筒部17に設けたバルブ開口部15からずらしてシリンダー13の側面とバルブ装着開口部5Aの内周面との間を弁座パッキン16にてシールして止水するかを選択可能としているのである。
さらに、水栓本体5を壁Wの裏側に埋設したままの状態で、このバルブ9を水栓本体5から外せるようしている。
そして、この水栓本体5のバルブ装着開口部5Aの端部5Bは、カバー3に設けた開口端部3Aから壁Wの表側に突設している。なお、このバルブ装着開口部5Aが壁Wに対して略垂直方向に位置するように、水栓本体5を壁Wの裏側に配置することが好ましい。このように配置することで、バルブ9を壁Wの表側から脱着することが容易となる。
【0023】
さらに、バルブ9と水栓本体5のバルブ装着開口部5Aとのシール手段としては、固定Oリング18がバルブ9のバルブ挿入外筒部17の外側面に設けられている。
また、スピンドル12とバルブ挿入外筒部17との間のシール手段としては、摺動Oリング19がスピンドル12の外側面に設けられている。
【0024】
また、バルブ9は固定部材である袋ナット30を水栓本体5にねじ込むことによって水栓本体5内に固定されている。
なお、固定部材は、バルブを水栓本体に固定するものであれば、袋ナット30に限定されない。ただし、袋ナット30を用いることが、コスト、施工性の面から最も好ましいと言える。
【0025】
では、具体的な施工手順の一例について、図3乃至図14に基づき説明しつつ、構造詳細の説明を行う。
図3に示すように、まず壁裏の間柱100の適当な高さに当木101を設置する。この時当木101は水平度に注意して設置する。
次に図4、図5に示すように、ボックス側面21を間柱100に、ボックス上面22を当木101にそれぞれ添わせ、ネジ20を長穴23に通して間柱100と当木101にねじ込み、ボックス7を固定する。
【0026】
この時、図2と図6に示すように、ネジ20を間柱100と当木101に対して斜めにねじ込むことによって、ねじ込み部近傍の木が盛り上がってしまう。しかし、長穴23のネジ20が通過する断面は間柱100や当木101に対してボックス7の外側の溝幅が大きくなるように略凸形状となっているので、木の盛り上がり部をかわしてボックス側面21やボックス上面22を間柱100や当木101に確実に当接でき、結果としてボックス7の水平・垂直を維持しながら容易に固定することができる。
【0027】
詳しくは図6に示すように、ネジ20のネジ部の直径よりも僅かに大きい幅Aの断面と、幅Aよりも2倍程度大きい幅Bの断面を両方備えた略凸形状を長穴23は有している。幅Aはネジ20のネジ部の径より若干寸法が大きいだけのため、幅Aだけではネジ2おのねじ込み部の近傍に生じる盛り上がり部をかわすことができない。そのため、ボックス7の水平・垂直を出すのが難しくなり、逆に無理矢理に水平・垂直を出そうとするとボックスの変形等が懸念されるが、幅Bの断面のおかげでそのような不具合は解消される。
【0028】
つまり、このボックス7は、少なくとも側面、上面、背面から構成されている。また、側面や上面には、長穴23が設けられ、間柱等に固定できれば部分的に形成されていてもよく、背面は、図示するように水栓本体5を固定することできれば部分的に形成されていてもよい。
そして、側面または上面のうち、少なくとも一つの面に、ネジ20のネジ部が通る長穴23を形成しているのである。
【0029】
さらに、この長穴23の断面形状がボックス7の外側の溝幅が大きくなるように略凸形状としている。なお、長穴23は、丸穴としてもよいが奥行き方向の位置調整がしやすいようにボックス7の奥行き方向に延びて形成することが好ましい。
また、ボックス7の内側の溝幅Bからさらに広がりをもった傾斜面もしくは段部を設けることで、ネジ7の頭部が傾斜面内に嵌り込み、さらに安定して固定することができる。
【0030】
次に図7に示すように、ボックス7の下方にさや管102を敷設し、壁工事前の作業が終了となる。
更に図8に示すように、壁Wを貼った後、さや管102の上流側(ヘッダー側)から架橋ポリエチレン管等の樹脂管103を通管し、ボックス7内に引出す。そして図9に示すように、樹脂管103の先端に樹脂管継手104を接続し、更に図10に示すように、水栓本体5と樹脂管継手104を接続し、ボックス7内に水栓本体5を収納した後、図11に示すように、ビス24を使ってボックス7に水栓本体5を固定する。
【0031】
次に図12に示すように、パッキン31と壁厚み調整用のスペーサー8を挟んだ状態でカバー3をボックス7にスナップフィットで装着する。尚、スペーサー8は壁厚みが実施例よりも厚い場合には、外した状態でカバー3をボックスに装着することになる。
そして図13に示すように、カバー3を押さえる目的の筒状ナット25を水栓本体5に設けられたネジ部27にねじ込むことでカバー3を本固定する。つまり、図2に示すように、筒状ナット25と水栓本体5とでカバー3を挟み込んで固定している。
更に吐水口4には全自動洗濯機等に使用されている継手のフックが掛かる鍔26を装着する。
【0032】
この時、ボックス7の水平・垂直が確実に出ていないと、筒状ナット25の装着がカバー3に対して斜めになり、うまくねじ込めない。又、吐水口4も斜めになりカバー3装着時に干渉したり、品位上問題となってしまう。従って、ボックス7を水平・垂直に固定しやすくするために、前述のように長穴23の断面を略凸形状にしておくことが重要となる。
最後に図14に示すように、ハンドル2をスピンドル12に装着し、ビス28で固定した後、インデックス29をハンドル2に装着して施工完了となる。
【0033】
次に、バルブ9周辺の構造詳細について図2に基づき説明する。
バルブ9には、回転して弁として機能するシリンダー13とバルブ挿入外筒部17及びシート部として機能する弁座パッキン16とが設けられており、バルブ9をメンテナンスする際には、水栓本体5を固定したままの状態でユニットとしてバルブ9を取り外すことで、シリンダー13とバルブ挿入外筒部17及び弁座パッキン16とを同時に外すことができる。
一般的なバルブ形態では特許文献1に示すようにシート部が水栓本体に一体的に形成されているので、シート部が腐食して止水不良が起こった際には水栓本体ごと交換する必要があった。水栓本体を交換する作業というのは壁埋め込み水栓の場合は壁内の配管を交換するのと同等の作業が発生することがあり、結果、壁を剥がさないと水栓本体を交換出来ないという事態を招いていた。よって、今回の実施例のようにシート部を水栓本体5に持たせず、バルブ9と共にメンテできる構造とすることによって、水栓本体5の腐食を防止でき、配管部材と同等の寿命を確保することが可能となるのである。
【0034】
また、水栓本体5には一般的に青銅や黄銅などの銅合金が用いられるが、特許文献1に示すようなシート部を一体的に設けた水栓本体にはシート部が腐食してしまうと水栓本体を交換しなければならなくるため、耐腐食性の良い青銅鋳物が用いる必要がある。
一方、今回の実施例のような場合、腐食が懸念されるシート部が水栓本体5には無いので、配管部材と同等の寿命を確保すればよく、青銅鋳物より耐腐食性が劣る黄銅を使用することが可能となり、材料選択の幅が広がり、結果、製造コストの低減につながるというメリットが生まれる。
【0035】
更に実施例では、バルブ9を固定している袋ナット30が壁表側に突出しているので、工具を使って袋ナット30を緩めるのが容易であり、又、壁面に対して略垂直方向にバルブ9を引抜くことができるので、よりバルブ9のメンテナンスを容易なものとしている。
バルブ9の交換のために水栓本体5からバルブ9を取り外す工程を図15に基づき説明する。
まず、図15(A)はハンドル2をスピンドル12から取り外した状態である。
図15(B)は、図15(A)に示す筒状ナット25を取り外した状態である。この筒状ナット25は、筒状ナット25と水栓本体5とでカバー3を挟み込むように水栓本体5に螺合している。特に、カバー3の裏側にはパッキン31を介在させている。
図15(C)は、図15(B)に示す袋ナット30を取り外した状態である。図15(D)は、図15(C)に示す水栓本体5のバルブ装着開口部5Aに装着したバルブ9を、バルブ装着開口部5Aから取り外した状態を示す。
つまり、袋ナット30と水栓本体5とでバルブ9を挟み込んで固定するために、袋ナット30を水栓本体5に螺合している。そのため、袋ナット30を取り外すことで、水栓本体5のバルブ装着開口部5Aからバルブ9を容易に外すことができる。
このように、水栓本体5を壁wの裏側に埋設した状態で、さらにカバー3も取付けた状態のままで、バルブ9を壁Wの表側から脱着させてメンテナンスや交換することができるのである。
【0036】
次に、シールしている部分から万が一漏水した場合について図16に基づき説明する。
図16(A)に示すように、バルブ9を固定している袋ナット30が筒形状を有してスピンドル12を囲むように構成されているので、摺動Oリング19から万が一漏水が発生した場合には、漏水は図中の矢印方向に流れる。つまり、漏水は、袋ナット30の筒部内側32を伝ってハンドル2の内側に導かれ、最終的にハンドル2とカバー3の隙間から漏水が流れ出ることとなる。こうすることで比較的劣化摩耗の激しい摺動Oリングからの万一の漏水を壁表側に導くことができ、漏水を使用者に早期に発見させることができる。
【0037】
更に、固定Oリング18から万が一漏水が発生した場合、漏水は図16(B)に示す矢印方向に流れる。つまり、袋ナット30と水栓本体5の隙間から出てくることとなるが、図16(B)に示すように、バルブ9を固定する袋ナット30がカバー3に対して壁表側に位置しているので、結果として漏水を壁表側に導くことができ、摺動Oリングの劣化摩耗ほどではないものの、劣化が懸念される固定Oリングからの万一の漏水を使用者に早期に発見させることができる。
【0038】
次に、図16(A)、(B)筒状ナット25は、袋ナット30を囲むように水栓本体5にねじ込まれ、カバー3と当接して固定されているので、摺動Oリング19、固定Oリング18それぞれからの万一の漏水が水栓本体5を伝って壁裏側に流れ込むことを防止でき、より安全性を高めることが出来る。
更に、今回の実施例では、水栓本体5とカバー3の間にパッキン31を設けているので、より一層壁Wの裏側への漏水侵入に対して安全性を高めることができる。
【0039】
尚、今回の実施例では単水栓の形態で記載したが、湯水を混合して供給できる2ハンドル湯水混合水栓等の形態でも同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上により、バルブ交換と同時にシート部も交換でき、そのバルブ交換作業は水栓本体を壁に埋設したままの状態で行えるので、水栓本体の腐食に対する寿命を延ばすことができ、長期間壁裏に埋設することが可能となり、結果的に配管材と同様のタイミングでリフォームすることが可能となる。更に、バルブに用いられたOリングからの万一の漏水を壁表側に導くことができるので、漏水を使用者に早期に発見させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本件発明の一実施の形態である壁埋め込み水栓の外観を示す斜視図である。
【図2】 図1の断面図である。
【図3】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図4】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図5】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図6】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図7】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図8】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図9】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図10】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図11】 本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図12】本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図13】本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図14】本件発明の施工手順を示す斜視図である。
【図15】水栓本体からバルブを取り外す手順を示す断面図である。
【図16】漏水した場合の水の伝わる経路を示す断面図である。
【符号の説明】
W 壁
1 壁埋め込み水栓
2 ハンドル
3 カバー
4 吐水口
5 水栓本体
5A バルブ装着開口部
5B バルブ装着開口部の端部
6 給水口
7 ボックス
8 スペーサー
9 バルブ
10 逆止弁
11 緊急止水弁
12 スピンドル
13 シリンダー
14 シリンダー開口部
15 バルブ開口部
16 弁座パッキン
17 バルブ挿入外筒部
18 固定Oリング
19 摺動Oリング
20 ネジ
21 ボックス側面
22 ボックス上面
23 長穴
24、28 ビス
25 筒状ナット
26 鍔
27 ネジ部
29 インデックス
30 袋ナット
31 パッキン
32 筒部内側
100 間柱
101 当木
102 さや管
103 樹脂管
104 樹脂管継手

Claims (7)

  1. 壁裏に埋設する水栓本体に、水を供給する配管が接続される給水口と、水が吐水される吐水口と、該吐水口からの吐水量を調整するバルブとを備えた壁埋め込み水栓において、前記バルブは前記水栓本体の通水路に介在するバルブ装着開口部に取付けられ、前記水栓本体は壁表側からカバーにより覆われるとともに、前記バルブ装着開口部の端部は、前記カバーに設けられた開口端部から壁表側に突設してなり、
    前記バルブは、バルブ挿入外筒部と、該バルブ挿入外筒部の一端側から一部を突出させたスピンドルと、該スピンドルと連動して前記バルブ挿入外筒部の内周面で回動するシリンダーと、前記バルブ挿入外筒部に設けられた弁座パッキンとから構成され、前記スピンドルを回転させることで、前記シリンダーに設けたシリンダー開口部を前記バルブ挿入外筒部に設けたバルブ開口部に重ね合わせて通水するか、もしくは、前記シリンダー開口部を前記バルブ開口部からずらして、前記シリンダーの側面と前記バルブ装着開口部の内周面との間を前記弁座パッキンにてシールして止水するかを選択可能としたことを特徴とする壁埋め込み水栓。
  2. 前記バルブは、前記水栓本体を壁裏に埋設した状態で、前記バルブ装着開口部に脱着自在としたことを特徴とする請求項1に記載の壁埋め込み水栓。
  3. 前記水栓本体の前記バルブ装着開口部は、壁面に対して略垂直に開口していることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁埋め込み水栓。
  4. 前記スピンドルと前記バルブ挿入外筒部をシールする摺動Oリングと、前記バルブを前記水栓本体に固定する固定部材を備え、該固定部材に設けた開口部を前記スピンドルが貫通するとともに、前記固定部材の開口部が前記カバーの開口端部より壁表側に位置することを特徴とする請求項1乃至3に何れかに記載の壁埋め込み水栓。
  5. 前記バルブ挿入外筒部と前記水栓本体とをシールする固定Oリングを備え、前記バルブ挿入外筒部を、前記固定部材と前記水栓本体とで挟み込んで固定するとともに、前記固定部材が前記カバーの開口端部よりも壁表側に位置することを特徴とする請求項4に記載の壁埋め込み水栓。
  6. 前記固定部材を囲む筒状ナットを備え、該筒状ナットは前記カバーを挟み込んで前記水栓本体に螺合することを特徴とする請求項4又は5に記載の壁埋め込み水栓。
  7. 前記カバーの裏面と前記水栓本体との間にパッキンが設けられたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の壁埋め込み水栓。
JP2002276081A 2002-09-20 2002-09-20 壁埋め込み水栓 Expired - Fee Related JP4196624B2 (ja)

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