JP2004036203A - 分岐口付接続金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】分岐口付接続金具の湯水混合水栓からの脱落および/または大量漏水等の不具合の可能性を軽減する分岐口付接続金具を提供する。
【解決手段】湯および/または水を通水する連結路に連結させ、他端を湯水混合水栓本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結する連結パイプ004を備え、連結パイプの端部に連通路を周方向で水密にシールする連結シール部を設けると共に、分岐口付接続金具001の取付状態において連結シール部のシール端部から湯水混合水栓本体側連通路のシール上端位置までのシール有効長さと、連結シール部のシール端部から分岐口付接続金具本体側連通路のシール下端位置までのシール有効長さを合わせた全シール有効長さを、袋ナット部003の有効ネジ山長さよりも短く構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】湯および/または水を通水する連結路に連結させ、他端を湯水混合水栓本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結する連結パイプ004を備え、連結パイプの端部に連通路を周方向で水密にシールする連結シール部を設けると共に、分岐口付接続金具001の取付状態において連結シール部のシール端部から湯水混合水栓本体側連通路のシール上端位置までのシール有効長さと、連結シール部のシール端部から分岐口付接続金具本体側連通路のシール下端位置までのシール有効長さを合わせた全シール有効長さを、袋ナット部003の有効ネジ山長さよりも短く構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯水混合水栓に取り付けられ、湯水混合水栓から分岐させて、水周り機器に水道もしくは給湯設備より湯および/または水を供給させる分岐口付接続金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、卓上型の食器洗い機もしくは浄水器など、水周り機器の普及率が増加してきている。これらの水周り機器は、水道もしくは給湯設備より湯・水が供給されるため、水栓もしくは湯水混合水栓に取り付けられ、水周り機器への給水/給湯を容易におこなうための分岐口付接続金具が同時に普及してきている(特許第2149075号、第2866628号、第3017690号、第3026769号)。
【0003】
これらの分岐口付接続金具の取り付けについては、分譲住宅だけでなく賃貸住宅も対象とされるため、既設の水栓もしくは湯水混合水栓の部品をそのまま流用して、水(もしくは湯)連通路の一部を分割して、分岐口付接続金具を挟み込む構成とされている。このような構成とすることにより、水周り機器を撤去する場合でも、容易に元の水栓もしくは湯水混合水栓を復帰することが可能となっている。
【0004】
通常の水栓もしくは湯水混合水栓は、家庭用流し台の壁面に取り付けられる壁付きタイプと、前記流し台の天板に取り付けられる台付きタイプに大別される。水周り機器は、家庭用流し台に設けられた水栓もしくは湯水混合水栓の吐水とは独立して使用されるため、分岐口付接続金具は、前記壁付きタイプ、台付きタイプ共に、水管および/または湯管の一次側(水栓の開閉止水部もしくは、湯水混合水栓の湯水混合カートリッジの前段の流路)に取り付けられるように構成される。
そのため、分岐口付接続金具の水栓もしくは湯水混合水栓の取付部は常時水圧が付加される状況下であり、漏水などの不具合が発生しないように、施工時には細心の注意を必要とする。
【0005】
施工において、特に水栓もしくは湯水混合水栓と分岐口付接続金具の取り付け部については、カートリッジ押さえや袋ナットなどを工具により、確実に締め付ける必要がある。
しかしながら、台付きタイプの湯水混合水栓においては、構成部品として、カートリッジ本体、カートリッジ取付台座、カートリッジ押さえ、レバーハンドル等の操作部、スパウトなどにより構成されるが、分岐口付接続金具が取り付けられるカートリッジ取付台座やカートリッジ押さえ、などは、金属ではなく樹脂で形成されている場合が多く、分岐口付接続金具の取付施工においては、湯水混合水栓側の部品破損を防ぐため、工具による締結ではなく、手締めによる取付けがなされていた。
【0006】
図6に従来の台付きタイプ湯水混合水栓210に取付けられた分岐口付接続金具200について説明する。
図6において分岐口付接続金具200は、湯水混合水栓210に取付けられている。
湯水混合水栓210は、レバーハンドル101、カートリッジ押さえ102、カートリッジ103、カートリッジ取付け台座104、スパウト部105により構成されており、分岐口付接続金具本体201は、湯水混合水栓のカートリッジ103およびカートリッジ取付け台座104の間に取付けられる。
このような構成において、分岐口付接続金具200の袋ナット部203は、湯水混合水栓210のカートリッジ押さえ102と、また、分岐口付接続金具200のカートリッジ取付け部202は湯水混合水栓210のカートリッジ取付け台座104と同等の接続仕様として形成されている。
このような構成とすることにより、分岐口付接続金具200の袋ナット部203は湯水混合水栓210のカートリッジ取付け台座104に、また、分岐口付接続金具200のカートリッジ取付け部202は湯水混合水栓210のカートリッジ押さえ102に適合し、支障なく分岐口付接続金具本体201を湯水混合水栓のカートリッジ103およびカートリッジ取付け台座104の間に取付けることができる。
【0007】
水栓根元に位置する連通路106に、水道もしくは給湯設備より給水(湯)された水(湯)は、カートリッジ取付け台座104に設けられた混合水栓側カートリッジ取付け部208と連結された連結パイプ部204を経て、分岐給水(湯)口205および/またはカートリッジ103端部に圧力がかかった状態で供給される。
蛇口吐水の場合は、レバーハンドル101の操作により、カートリッジ103にて湯水が混合された後、混合水連通路209および/または混合室206を経て、スパウト部105より吐水される。
水周り機器を付設する場合は、分岐給水(湯)口205に設けられた開閉バルブ(図示せず)により、水栓の吐水とは別に、独立して水周り機器への給水(湯)をおこなうことが出来る。
【0008】
分岐口付接続金具200においては、分岐口付接続金具本体201とカートリッジ103および/または分岐口付接続金具本体201とカートリッジ取付け台座104とが水密にシールされており、当該シール部には水道管からの一次圧が常時付加されている。これらのシール部は、カートリッジ押さえ102もしくは、袋ナット203が適切に締め込まれることにより、シールを確実なものとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
当該湯水混合水栓は家庭用流し台に設置されるケースが多く、スパウト部105やレバーハンドル101の長期に亘る回動使用、もしくは湯水混合水栓外周部の清掃作業などにより、カートリッジ押さえ102、カートリッジ取付け台座104の締込み部が緩んでしまうことが懸念される。
また、前述したように、カートリッジ押さえ102、カートリッジ取付け台座104は樹脂製であることが多いため手締めでの施工が施される。このため道工具で機械的に締込みしたものに比較して、カートリッジ押さえ102、カートリッジ取付け台座104の締込み部が緩んでしまうことも懸念される。
締込み部の緩みについては、特に、袋ナット203とカートリッジ取付け台座104のネジ掛かり合わせ部207の掛かり合わせが緩むことにより外れた場合、分岐口付接続金具本体201が突然外れることとなり、水栓根元の止水栓もしくは、家全体の水道元栓を閉じるまで大量の漏水が発生することとなる。
このような状態が発生した場合、通常水栓根元の止水栓もしくは水道元栓は一般的に馴染みが薄い設備であることから、漏水発生より直ちに止水出来ない可能性もあり、被害の拡大も懸念される。
【0010】
そこで本発明は、上記懸念事項を鑑み、分岐口付接続金具の水栓からの脱離および/または大量漏水等の不具合を軽減する→事前に防止する分岐口付接続金具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明における第一の請求項では、湯水混合水栓から湯または水を分岐するために前記湯水混合水栓本体の一部を分割して取付けられる分岐口付接続金具であって、該分岐口付接続金具本体の下端部に前記湯水混合水栓本体に締め付け固定される袋ナットを備えると共に、一端を前記分岐口付接続金具本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結させ、他端を前記湯水混合水栓本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結する連結パイプを備え、前記連結パイプの端部に前記湯および/または水の連通路を周方向で水密にシールする連結シール部および/または前記分岐口付接続金具本体と前記湯水混合水栓本体とに設けられた混合室とを水密にシールする円筒(内周)シール部とを設けると共に、前記袋ナットの締め付け固定が無効となる前に前記連結シール部および/または前記円筒シール部が無効となるように構成した。
シール部を無効とする簡単な構成で、分岐口付接続金具が完全に外れる若しくは締め付けがかなり緩む(無効になる)という事態が発生する前に、異常状況にあることを明確に確認することが可能となる。
【0012】
また、本発明における第二の請求項では、前記分岐口付接続金具の取付状態において前記連結シール部のシール端部から前記湯水混合水栓本体側連通路のシール上端位置までのシール有効長さと、前記連結シール部のシール端部から前記分岐口付接続金具本体側連通路のシール下端位置までのシール有効長さを合わせた全シール有効長さを、前記袋ナット部の有効ネジ山長さよりも短く構成した。
これにより袋ナット部が緩んだ場合、袋ナットが取り付いた状態で、漏水により異常を確認することが出来るため、一次側拡大漏水を最小限に押さえることが可能となる。
【0013】
また、本発明における第三の請求項では、前記連結シール部と前記円筒シール部とからなり、前記袋ナット部の有効ネジ山長さを、前記連結シール部の有効長さ、前記円筒シール部の有効長さのいずれか一方の長さよりも長く形成した。
これにより袋ナット部が緩んだ場合、袋ナットが取り付いた状態で、二次側の漏水により異常を確認することが出来るため、一次側拡大漏水を防ぐと共に、使用者はレバーハンドルなどの操作により安全に一時処置(止水)をおこなうことが出来る。
【0014】
また、本発明における第四の請求項では、湯水混合水栓から湯または水を分岐するために前記湯水混合水栓本体の一部を分割して取付けられる分岐口付接続金具であって、該分岐口付接続金具本体の下端部に前記湯水混合水栓本体に締め付け固定される袋ナットを備え、該袋ナット部の任意の部位と、前記分岐口付接続金具本体の任意の部位との位置を各々規制する位置決め部材を備えた。
これにより、袋ナット部の締結後、袋ナット部が回動しようとした場合、位置決め部材が袋ナット部の任意の部位と接続金具本体の任意の部位との位置を規制するよう機能し、袋ナットが一定以上緩むことがないため、分岐口付接続金具を取付け後、締付け状態を安全に維持することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を添付図面に示す実施の形態例により詳細説明する。図1は本発明の第一の実施例の分岐口付接続金具取付け概略図、図2は第一の実施例の分岐口付接続金具シール概略図である。
本発明の第一の実施形態例は、家庭用など流し台の天板に取り付けられる台付タイプの湯水混合水栓に取付けられて用いられる分岐口付接続金具200である。
分岐口付接続金具本体001は上部空間に混合水栓のカートリッジ103を収納、接続し、下方に湯、水の連結パイプ004が連結されている。
更に、湯、水の連結パイプ004は、カートリッジ取付け台座104に連結されるよう構成されている。
分岐口付接続金具200において、袋ナット部003は混合水栓のカートリッジ押さえ102と、また、カートリッジ取付け部002は、混合水栓のカートリッジ取付け台座104と同等の構造として形成され、カートリッジ押さえ102および/または袋ナット部003を締め込むことにより、水密にシールされるように構成されている。
【0016】
水栓根元に位置する、連通路106より水道もしくは給湯設備より給水(湯)された水(湯)は連結パイプ004を経て、分岐給水(湯)口005および/またはカートリッジ103端部に圧力がかかった状態で供給される。蛇口吐水の場合は、レバーハンドル101の操作により、カートリッジ103にて湯水が混合された後、混合水連通路009および/または混合室006を経て、スパウト部105より吐水される。
水周り機器を使用する場合は、分岐給水(湯)口005に設けられた開閉バルブ(図示せず)により、水栓の吐水とは別に、独立して水周り機器への給水(湯)をおこなうことが出来る。
【0017】
図2において、袋ナット部003とカートリッジ取付け台座104のネジの有効掛かり代A(すなわち、袋ナット部003に形成されたネジ長さとカートリッジ取付け台座104上端外側に設けられたネジ長さの有効掛かり代)は、連結パイプ004の両端部に設けられた周方向シール007aと分岐口付接続金具本体001の連結パイプ取付け部001aとの間で形成されるシール有効長さB1(すなわち周方向シール007aのシール端部と、連結パイプ取付け部001aに設けられたシール受部下端までの長さ)と、周方向シール007bとカートリッジ取付け台座104とを連結する連結パイプ取付け部104aとの間で形成されるシール有効長さB2(すなわち周方向シール007bのシール端部と、連結パイプ取付け部104aに設けられたシール受部上端までの長さ)との合計よりも長く形成される。
袋ナット部003の締め付けが緩んだ場合、分岐口付接続金具本体001は水道一次圧により、上方向に付勢され、カートリッジ取付け台座104と離隔する方向で移動することになる。
【0018】
しかしながら、本構成においては、連結パイプの周方向シール007aのシール有効長さB1および/または周方向シール007bのシール有効長さB2の合計を、袋ナット部003ネジの有効掛かり代Aよりも短く構成することで、袋ナット部と水栓本体との締め付けが緩んだとしても、分岐口付接続金具本体001とカートリッジ取付け台座104が完全に外れる若しくは締め付けがかなり緩む(袋ナット部003ネジの掛かりが無効になる)前に、連結パイプ004と分岐口付接続金具本体001もしくは連結パイプ004とカートリッジ取付け台座104とのシール(B1および/またはB2)が先に無効になり、無効となったシール部から漏水することになる。
無効となったシール部から漏水した湯水は、分岐口付接続金具001とカートリッジ取付け台座104との間に形成される混合室006内に溜り、レバーハンドル101を止水した状態でも、混合室006に水道もしくは給湯設備からの水圧が常時加わることで、スパウト部010より漏れ出してスパウト部010の吐水口から水が流れ出るlことになる。
使用者は、レバーハンドル101を止水した状態であるにも拘わらずスパウト部101の吐水口から水が流出するため、これにより異常を容易に発見することが可能となり、更に流出した水は吐水口から流し台シンクに排出されるため、流し台シンク回りに被害を与えることなく、確実に異常に対する対処(元栓の確認および止水など)をすることが出来る。
【0019】
図3(a)(b)に本発明の第一の実施例の他の分岐口付接続金具を使用した場合のシール部拡大図を示す。
図3(a)(b)においては、分岐口付接続金具本体001と連結パイプ004は周方向のシールによる吊り下げ方式ではなく、図3(a)に示すような、連結パイプ004の上方の端部が分岐口付接続金具本体001に直接ネジ固定される構成のネジ込み方式、もしくは図3(b)に示すような、連結パイプ004の上方の端部が分岐口付接続金具本体001と一体で形成される構成の一体式で形成される。
このような構成とすることにより、袋ナット部003のネジ掛かり代Aの長さを支配する、周方向シール007a、007bの合計シール長さ(B1+B2)を削減することが可能(すなわち、B1を0とすることが出来る)となるため、袋ナット部003ネジ掛かり代Aを削減することが可能となり、結果として分岐口付接続金具本体001を小さくすることが出来る。
また、分岐口付き接続金具取付け作業においても、連結パイプ004を分岐口付き接続金具本体001に確実に位置決めした状態で作業をおこなうことが出来るため、カートリッジ取付け台座104への連結パイプ004差し込み作業が容易におこなうことができる。
更に、袋ナット部003ネジ掛かり代Aに対して、周方向シール007a、007bの合計シール長さが短いので、ネジ緩みによる漏水発生時も、袋ナット部003のネジ掛かりをより十分量確保することが可能である。ネジ掛かり量が多ければ、使用者が誤った対処(袋ナット部003を更に緩める方向に回そうとする)をした場合でも、分岐口付き接続金具が湯水混合水栓から外れてしまうといった事故が発生しにくくなる。
【0020】
図4に本発明の第二の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図を示す。
本実施例の構成においては、袋ナット部003の有効ネジ掛かり代Aに対して、分岐口付接続金具本体001下部の外周とカートリッジ取り付け台座104の上部の内周とを水密にシールする円筒シール部011の有効シール長さC(カートリッジ取付け台座104の上端近傍の内周シール部104bのシール端部と円筒シール部011に設けられたシール受部上端までの長さ)を短く構成している。
袋ナット部003と水栓本体との締め付けが緩み、分岐口付接続金具本体001が水道一次圧により上方向に付勢され、カートリッジ取付け台座104と離隔する方向で移動した場合、分岐口付接続金具本体001とカートリッジ取付け台座104が完全に外れる若しくは締め付けがかなり緩む前に、分岐口付接続金具本体001外周とカートリッジ取り付け台座104内周部の水密シールが先に無効になる。
【0021】
分岐口付接続金具本体001外周とカートリッジ取り付け台座104内周部の水密シールが無効になった場合、レバーハンドル101の操作により、カートリッジ103にて湯水が混合され、混合水が混合室006に供給され、スパウト部105より吐水される際に、袋ナット部003近傍より水栓外部へ漏水することとなる。
この場合、分岐口付接続金具本体001外周とカートリッジ取り付け台座104内周部の水密シールは水道もしくは給湯設備の1次圧が付加される構成ではなく、カートリッジ103以降の2次側の水密シールである(漏水は2次側から)ため、漏水発生時、使用者はレバーハンドル101の操作により、安全に一時処置(止水)をおこなうことが可能となる。
【0022】
本実施例においては、特にカートリッジ103をカートリッジ取付け台座104に内包するよう構成されるコンパクト型の湯水混合水栓に対して有効に機能する。
これは、分岐口付接続金具001本体が、既設の混合水栓のカートリッジ103とカートリッジ取付け台座104との間に追加して設けられる構成となっていることが要因である。
カートリッジ本体がカートリッジ取付け台座(スパウト部)に内包される場合は、カートリッジ103とカートリッジ取付け台座104とのシール部は、カートリッジ取付け台座の底面に位置するのに対して、カートリッジ取付け台座104と分岐口付接続金具本体001の袋ナット部003との締め付け部は、カートリッジ取付け台座104上端外周部となるため、カートリッジ取付け台座104内周の(既設の水栓ではカートリッジが内包されていた)空間が生じてしまい、少なくとも水、湯の連結パイプ004を空間に渡す構成となる。
これらの連結パイプ004については、施工上、周方向のシールとして分岐口付接続金具本体001および/またはカートリッジ取付け台座104に差し込むように構成した方が好ましいものである。しかしながら、周方向のシールの追加により分岐口付接続金具取付けの接水部(耐圧部)のシールは、袋ナット部の緩みに比例して漏水量が変化するという、従来のシールの考え方とは異なるシール構成となっている。
【0023】
図5(a)に本発明の第三の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図を、図5(b)にD−D断面図示す。
本実施例においては、袋ナット部003をカートリッジ取付け台座104に締めこんだ状態で、後付けの位置決め部材012が取付けられる。位置決め部材は一部が切り欠かれた環状で構成され、内側面は分岐口付接続金具本体001の胴部001bと嵌合構造をとるよう凹凸部012a、底面部に突起012bが形成されている。
分岐口付接続金具001の胴部001bには、位置決め部材012の凹凸部012aに対応する凹凸が、袋ナット部003上面には、突起012bが差し込まれる溝003aが形成されている。袋ナット部003をカートリッジ取付け台座104に十分締め付け、袋ナット部003上面と分岐口付接続金具001との隙間に位置決め部材012を、凹凸部012aが胴部001bの凹凸に相対する位置で嵌め込む。
【0024】
本実施例の構成と同構成でなくても、分岐口付接続金具本体001と袋ナット部003の相対位置を、任意の部材により、袋ナット003締め付け後に規制する構成とすることにより、袋ナット部003の過度の緩み(少なくとも1回転以下に)を抑えることが可能となる。また、任意の部材は分岐口付接続金具本体001と袋ナット部003と別部材である必要は無く、いずれかの部品に一体的に/もしくは連結して設けられても良い。
本構成では、袋ナットの溝部003aの範囲では、突起012bは可動ではあるが、更に袋ナット部003が回動しようとしても、溝部003aと突起012b、および/または分岐口付接続金具の胴部001bと凹凸部012aが互いに位置規制するため、位置決め部材012が取付けられていれば、袋ナット003の緩みは確実に規制される。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、分岐口付接続金具と湯水混合水栓との接続が確実になると共に、該接続部に致命的な緩みが発生する前に異常状態を確実に把握できるため、安全性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第一の実施例の分岐口付接続金具取付け概略図
【図2】第一の実施例の分岐口付接続金具シール概略図
【図3】(a)本発明の第一の実施例の他の分岐口付接続金具のシール部拡大図(ねじ込み方式)
(b)本発明の第一の実施例の他の分岐口付接続金具のシール部拡大図(一体式)
【図4】本発明の第二の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図
【図5】(a)本発明の第三の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図
(b)D−D断面図
【図6】従来の台付きタイプ湯水混合水栓に取付けられた分岐口付接続金具
【符号の説明】
101…レバーハンドル、102…カートリッジ押さえ、103…カートリッジ、104…カートリッジ取付け台座、104a…連結パイプ取付け部、104b…内周シール部、105…スパウト部、106…湯水連通路、200…分岐口付接金具、201…分岐口付接続金具本体、202…カートリッジ取付け部、203…袋ナット部、204…連結パイプ部、205…分岐給水(湯)口、206…混合室、207…ネジ掛かり合わせ部、208…混合水栓側カートリッジ取付け部、209…混合水連通路、210…湯水混合水栓
001…分岐口付接続金具本体、001a…連結パイプ取付け部、001b…胴部、002…カートリッジ取付け部、003…袋ナット部、003a…溝部、004…連結パイプ、005…分岐給水(湯)口、006…混合室、007a、007b…周方向シール、009…混合水連通路、010…スパウト部、011…円筒シール部、012…位置決め部材、012a…凹凸部、012b…突起
A…袋ナット部003とカートリッジ取付け台座104のネジの有効掛かり代B1…周方向シール007aと分岐口付接続金具本体001の連結パイプ取付け部001aとの間で形成されるシール長さ
B2…周方向シール007bとカートリッジ取付け台座104の連結パイプ取付け部104aとの間で形成されるシール長さ
C…分岐口付接続金具本体101外周とカートリッジ取り付け台座104内周とを水密にシールする円筒シール部011のシール長さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯水混合水栓に取り付けられ、湯水混合水栓から分岐させて、水周り機器に水道もしくは給湯設備より湯および/または水を供給させる分岐口付接続金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、卓上型の食器洗い機もしくは浄水器など、水周り機器の普及率が増加してきている。これらの水周り機器は、水道もしくは給湯設備より湯・水が供給されるため、水栓もしくは湯水混合水栓に取り付けられ、水周り機器への給水/給湯を容易におこなうための分岐口付接続金具が同時に普及してきている(特許第2149075号、第2866628号、第3017690号、第3026769号)。
【0003】
これらの分岐口付接続金具の取り付けについては、分譲住宅だけでなく賃貸住宅も対象とされるため、既設の水栓もしくは湯水混合水栓の部品をそのまま流用して、水(もしくは湯)連通路の一部を分割して、分岐口付接続金具を挟み込む構成とされている。このような構成とすることにより、水周り機器を撤去する場合でも、容易に元の水栓もしくは湯水混合水栓を復帰することが可能となっている。
【0004】
通常の水栓もしくは湯水混合水栓は、家庭用流し台の壁面に取り付けられる壁付きタイプと、前記流し台の天板に取り付けられる台付きタイプに大別される。水周り機器は、家庭用流し台に設けられた水栓もしくは湯水混合水栓の吐水とは独立して使用されるため、分岐口付接続金具は、前記壁付きタイプ、台付きタイプ共に、水管および/または湯管の一次側(水栓の開閉止水部もしくは、湯水混合水栓の湯水混合カートリッジの前段の流路)に取り付けられるように構成される。
そのため、分岐口付接続金具の水栓もしくは湯水混合水栓の取付部は常時水圧が付加される状況下であり、漏水などの不具合が発生しないように、施工時には細心の注意を必要とする。
【0005】
施工において、特に水栓もしくは湯水混合水栓と分岐口付接続金具の取り付け部については、カートリッジ押さえや袋ナットなどを工具により、確実に締め付ける必要がある。
しかしながら、台付きタイプの湯水混合水栓においては、構成部品として、カートリッジ本体、カートリッジ取付台座、カートリッジ押さえ、レバーハンドル等の操作部、スパウトなどにより構成されるが、分岐口付接続金具が取り付けられるカートリッジ取付台座やカートリッジ押さえ、などは、金属ではなく樹脂で形成されている場合が多く、分岐口付接続金具の取付施工においては、湯水混合水栓側の部品破損を防ぐため、工具による締結ではなく、手締めによる取付けがなされていた。
【0006】
図6に従来の台付きタイプ湯水混合水栓210に取付けられた分岐口付接続金具200について説明する。
図6において分岐口付接続金具200は、湯水混合水栓210に取付けられている。
湯水混合水栓210は、レバーハンドル101、カートリッジ押さえ102、カートリッジ103、カートリッジ取付け台座104、スパウト部105により構成されており、分岐口付接続金具本体201は、湯水混合水栓のカートリッジ103およびカートリッジ取付け台座104の間に取付けられる。
このような構成において、分岐口付接続金具200の袋ナット部203は、湯水混合水栓210のカートリッジ押さえ102と、また、分岐口付接続金具200のカートリッジ取付け部202は湯水混合水栓210のカートリッジ取付け台座104と同等の接続仕様として形成されている。
このような構成とすることにより、分岐口付接続金具200の袋ナット部203は湯水混合水栓210のカートリッジ取付け台座104に、また、分岐口付接続金具200のカートリッジ取付け部202は湯水混合水栓210のカートリッジ押さえ102に適合し、支障なく分岐口付接続金具本体201を湯水混合水栓のカートリッジ103およびカートリッジ取付け台座104の間に取付けることができる。
【0007】
水栓根元に位置する連通路106に、水道もしくは給湯設備より給水(湯)された水(湯)は、カートリッジ取付け台座104に設けられた混合水栓側カートリッジ取付け部208と連結された連結パイプ部204を経て、分岐給水(湯)口205および/またはカートリッジ103端部に圧力がかかった状態で供給される。
蛇口吐水の場合は、レバーハンドル101の操作により、カートリッジ103にて湯水が混合された後、混合水連通路209および/または混合室206を経て、スパウト部105より吐水される。
水周り機器を付設する場合は、分岐給水(湯)口205に設けられた開閉バルブ(図示せず)により、水栓の吐水とは別に、独立して水周り機器への給水(湯)をおこなうことが出来る。
【0008】
分岐口付接続金具200においては、分岐口付接続金具本体201とカートリッジ103および/または分岐口付接続金具本体201とカートリッジ取付け台座104とが水密にシールされており、当該シール部には水道管からの一次圧が常時付加されている。これらのシール部は、カートリッジ押さえ102もしくは、袋ナット203が適切に締め込まれることにより、シールを確実なものとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
当該湯水混合水栓は家庭用流し台に設置されるケースが多く、スパウト部105やレバーハンドル101の長期に亘る回動使用、もしくは湯水混合水栓外周部の清掃作業などにより、カートリッジ押さえ102、カートリッジ取付け台座104の締込み部が緩んでしまうことが懸念される。
また、前述したように、カートリッジ押さえ102、カートリッジ取付け台座104は樹脂製であることが多いため手締めでの施工が施される。このため道工具で機械的に締込みしたものに比較して、カートリッジ押さえ102、カートリッジ取付け台座104の締込み部が緩んでしまうことも懸念される。
締込み部の緩みについては、特に、袋ナット203とカートリッジ取付け台座104のネジ掛かり合わせ部207の掛かり合わせが緩むことにより外れた場合、分岐口付接続金具本体201が突然外れることとなり、水栓根元の止水栓もしくは、家全体の水道元栓を閉じるまで大量の漏水が発生することとなる。
このような状態が発生した場合、通常水栓根元の止水栓もしくは水道元栓は一般的に馴染みが薄い設備であることから、漏水発生より直ちに止水出来ない可能性もあり、被害の拡大も懸念される。
【0010】
そこで本発明は、上記懸念事項を鑑み、分岐口付接続金具の水栓からの脱離および/または大量漏水等の不具合を軽減する→事前に防止する分岐口付接続金具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明における第一の請求項では、湯水混合水栓から湯または水を分岐するために前記湯水混合水栓本体の一部を分割して取付けられる分岐口付接続金具であって、該分岐口付接続金具本体の下端部に前記湯水混合水栓本体に締め付け固定される袋ナットを備えると共に、一端を前記分岐口付接続金具本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結させ、他端を前記湯水混合水栓本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結する連結パイプを備え、前記連結パイプの端部に前記湯および/または水の連通路を周方向で水密にシールする連結シール部および/または前記分岐口付接続金具本体と前記湯水混合水栓本体とに設けられた混合室とを水密にシールする円筒(内周)シール部とを設けると共に、前記袋ナットの締め付け固定が無効となる前に前記連結シール部および/または前記円筒シール部が無効となるように構成した。
シール部を無効とする簡単な構成で、分岐口付接続金具が完全に外れる若しくは締め付けがかなり緩む(無効になる)という事態が発生する前に、異常状況にあることを明確に確認することが可能となる。
【0012】
また、本発明における第二の請求項では、前記分岐口付接続金具の取付状態において前記連結シール部のシール端部から前記湯水混合水栓本体側連通路のシール上端位置までのシール有効長さと、前記連結シール部のシール端部から前記分岐口付接続金具本体側連通路のシール下端位置までのシール有効長さを合わせた全シール有効長さを、前記袋ナット部の有効ネジ山長さよりも短く構成した。
これにより袋ナット部が緩んだ場合、袋ナットが取り付いた状態で、漏水により異常を確認することが出来るため、一次側拡大漏水を最小限に押さえることが可能となる。
【0013】
また、本発明における第三の請求項では、前記連結シール部と前記円筒シール部とからなり、前記袋ナット部の有効ネジ山長さを、前記連結シール部の有効長さ、前記円筒シール部の有効長さのいずれか一方の長さよりも長く形成した。
これにより袋ナット部が緩んだ場合、袋ナットが取り付いた状態で、二次側の漏水により異常を確認することが出来るため、一次側拡大漏水を防ぐと共に、使用者はレバーハンドルなどの操作により安全に一時処置(止水)をおこなうことが出来る。
【0014】
また、本発明における第四の請求項では、湯水混合水栓から湯または水を分岐するために前記湯水混合水栓本体の一部を分割して取付けられる分岐口付接続金具であって、該分岐口付接続金具本体の下端部に前記湯水混合水栓本体に締め付け固定される袋ナットを備え、該袋ナット部の任意の部位と、前記分岐口付接続金具本体の任意の部位との位置を各々規制する位置決め部材を備えた。
これにより、袋ナット部の締結後、袋ナット部が回動しようとした場合、位置決め部材が袋ナット部の任意の部位と接続金具本体の任意の部位との位置を規制するよう機能し、袋ナットが一定以上緩むことがないため、分岐口付接続金具を取付け後、締付け状態を安全に維持することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を添付図面に示す実施の形態例により詳細説明する。図1は本発明の第一の実施例の分岐口付接続金具取付け概略図、図2は第一の実施例の分岐口付接続金具シール概略図である。
本発明の第一の実施形態例は、家庭用など流し台の天板に取り付けられる台付タイプの湯水混合水栓に取付けられて用いられる分岐口付接続金具200である。
分岐口付接続金具本体001は上部空間に混合水栓のカートリッジ103を収納、接続し、下方に湯、水の連結パイプ004が連結されている。
更に、湯、水の連結パイプ004は、カートリッジ取付け台座104に連結されるよう構成されている。
分岐口付接続金具200において、袋ナット部003は混合水栓のカートリッジ押さえ102と、また、カートリッジ取付け部002は、混合水栓のカートリッジ取付け台座104と同等の構造として形成され、カートリッジ押さえ102および/または袋ナット部003を締め込むことにより、水密にシールされるように構成されている。
【0016】
水栓根元に位置する、連通路106より水道もしくは給湯設備より給水(湯)された水(湯)は連結パイプ004を経て、分岐給水(湯)口005および/またはカートリッジ103端部に圧力がかかった状態で供給される。蛇口吐水の場合は、レバーハンドル101の操作により、カートリッジ103にて湯水が混合された後、混合水連通路009および/または混合室006を経て、スパウト部105より吐水される。
水周り機器を使用する場合は、分岐給水(湯)口005に設けられた開閉バルブ(図示せず)により、水栓の吐水とは別に、独立して水周り機器への給水(湯)をおこなうことが出来る。
【0017】
図2において、袋ナット部003とカートリッジ取付け台座104のネジの有効掛かり代A(すなわち、袋ナット部003に形成されたネジ長さとカートリッジ取付け台座104上端外側に設けられたネジ長さの有効掛かり代)は、連結パイプ004の両端部に設けられた周方向シール007aと分岐口付接続金具本体001の連結パイプ取付け部001aとの間で形成されるシール有効長さB1(すなわち周方向シール007aのシール端部と、連結パイプ取付け部001aに設けられたシール受部下端までの長さ)と、周方向シール007bとカートリッジ取付け台座104とを連結する連結パイプ取付け部104aとの間で形成されるシール有効長さB2(すなわち周方向シール007bのシール端部と、連結パイプ取付け部104aに設けられたシール受部上端までの長さ)との合計よりも長く形成される。
袋ナット部003の締め付けが緩んだ場合、分岐口付接続金具本体001は水道一次圧により、上方向に付勢され、カートリッジ取付け台座104と離隔する方向で移動することになる。
【0018】
しかしながら、本構成においては、連結パイプの周方向シール007aのシール有効長さB1および/または周方向シール007bのシール有効長さB2の合計を、袋ナット部003ネジの有効掛かり代Aよりも短く構成することで、袋ナット部と水栓本体との締め付けが緩んだとしても、分岐口付接続金具本体001とカートリッジ取付け台座104が完全に外れる若しくは締め付けがかなり緩む(袋ナット部003ネジの掛かりが無効になる)前に、連結パイプ004と分岐口付接続金具本体001もしくは連結パイプ004とカートリッジ取付け台座104とのシール(B1および/またはB2)が先に無効になり、無効となったシール部から漏水することになる。
無効となったシール部から漏水した湯水は、分岐口付接続金具001とカートリッジ取付け台座104との間に形成される混合室006内に溜り、レバーハンドル101を止水した状態でも、混合室006に水道もしくは給湯設備からの水圧が常時加わることで、スパウト部010より漏れ出してスパウト部010の吐水口から水が流れ出るlことになる。
使用者は、レバーハンドル101を止水した状態であるにも拘わらずスパウト部101の吐水口から水が流出するため、これにより異常を容易に発見することが可能となり、更に流出した水は吐水口から流し台シンクに排出されるため、流し台シンク回りに被害を与えることなく、確実に異常に対する対処(元栓の確認および止水など)をすることが出来る。
【0019】
図3(a)(b)に本発明の第一の実施例の他の分岐口付接続金具を使用した場合のシール部拡大図を示す。
図3(a)(b)においては、分岐口付接続金具本体001と連結パイプ004は周方向のシールによる吊り下げ方式ではなく、図3(a)に示すような、連結パイプ004の上方の端部が分岐口付接続金具本体001に直接ネジ固定される構成のネジ込み方式、もしくは図3(b)に示すような、連結パイプ004の上方の端部が分岐口付接続金具本体001と一体で形成される構成の一体式で形成される。
このような構成とすることにより、袋ナット部003のネジ掛かり代Aの長さを支配する、周方向シール007a、007bの合計シール長さ(B1+B2)を削減することが可能(すなわち、B1を0とすることが出来る)となるため、袋ナット部003ネジ掛かり代Aを削減することが可能となり、結果として分岐口付接続金具本体001を小さくすることが出来る。
また、分岐口付き接続金具取付け作業においても、連結パイプ004を分岐口付き接続金具本体001に確実に位置決めした状態で作業をおこなうことが出来るため、カートリッジ取付け台座104への連結パイプ004差し込み作業が容易におこなうことができる。
更に、袋ナット部003ネジ掛かり代Aに対して、周方向シール007a、007bの合計シール長さが短いので、ネジ緩みによる漏水発生時も、袋ナット部003のネジ掛かりをより十分量確保することが可能である。ネジ掛かり量が多ければ、使用者が誤った対処(袋ナット部003を更に緩める方向に回そうとする)をした場合でも、分岐口付き接続金具が湯水混合水栓から外れてしまうといった事故が発生しにくくなる。
【0020】
図4に本発明の第二の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図を示す。
本実施例の構成においては、袋ナット部003の有効ネジ掛かり代Aに対して、分岐口付接続金具本体001下部の外周とカートリッジ取り付け台座104の上部の内周とを水密にシールする円筒シール部011の有効シール長さC(カートリッジ取付け台座104の上端近傍の内周シール部104bのシール端部と円筒シール部011に設けられたシール受部上端までの長さ)を短く構成している。
袋ナット部003と水栓本体との締め付けが緩み、分岐口付接続金具本体001が水道一次圧により上方向に付勢され、カートリッジ取付け台座104と離隔する方向で移動した場合、分岐口付接続金具本体001とカートリッジ取付け台座104が完全に外れる若しくは締め付けがかなり緩む前に、分岐口付接続金具本体001外周とカートリッジ取り付け台座104内周部の水密シールが先に無効になる。
【0021】
分岐口付接続金具本体001外周とカートリッジ取り付け台座104内周部の水密シールが無効になった場合、レバーハンドル101の操作により、カートリッジ103にて湯水が混合され、混合水が混合室006に供給され、スパウト部105より吐水される際に、袋ナット部003近傍より水栓外部へ漏水することとなる。
この場合、分岐口付接続金具本体001外周とカートリッジ取り付け台座104内周部の水密シールは水道もしくは給湯設備の1次圧が付加される構成ではなく、カートリッジ103以降の2次側の水密シールである(漏水は2次側から)ため、漏水発生時、使用者はレバーハンドル101の操作により、安全に一時処置(止水)をおこなうことが可能となる。
【0022】
本実施例においては、特にカートリッジ103をカートリッジ取付け台座104に内包するよう構成されるコンパクト型の湯水混合水栓に対して有効に機能する。
これは、分岐口付接続金具001本体が、既設の混合水栓のカートリッジ103とカートリッジ取付け台座104との間に追加して設けられる構成となっていることが要因である。
カートリッジ本体がカートリッジ取付け台座(スパウト部)に内包される場合は、カートリッジ103とカートリッジ取付け台座104とのシール部は、カートリッジ取付け台座の底面に位置するのに対して、カートリッジ取付け台座104と分岐口付接続金具本体001の袋ナット部003との締め付け部は、カートリッジ取付け台座104上端外周部となるため、カートリッジ取付け台座104内周の(既設の水栓ではカートリッジが内包されていた)空間が生じてしまい、少なくとも水、湯の連結パイプ004を空間に渡す構成となる。
これらの連結パイプ004については、施工上、周方向のシールとして分岐口付接続金具本体001および/またはカートリッジ取付け台座104に差し込むように構成した方が好ましいものである。しかしながら、周方向のシールの追加により分岐口付接続金具取付けの接水部(耐圧部)のシールは、袋ナット部の緩みに比例して漏水量が変化するという、従来のシールの考え方とは異なるシール構成となっている。
【0023】
図5(a)に本発明の第三の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図を、図5(b)にD−D断面図示す。
本実施例においては、袋ナット部003をカートリッジ取付け台座104に締めこんだ状態で、後付けの位置決め部材012が取付けられる。位置決め部材は一部が切り欠かれた環状で構成され、内側面は分岐口付接続金具本体001の胴部001bと嵌合構造をとるよう凹凸部012a、底面部に突起012bが形成されている。
分岐口付接続金具001の胴部001bには、位置決め部材012の凹凸部012aに対応する凹凸が、袋ナット部003上面には、突起012bが差し込まれる溝003aが形成されている。袋ナット部003をカートリッジ取付け台座104に十分締め付け、袋ナット部003上面と分岐口付接続金具001との隙間に位置決め部材012を、凹凸部012aが胴部001bの凹凸に相対する位置で嵌め込む。
【0024】
本実施例の構成と同構成でなくても、分岐口付接続金具本体001と袋ナット部003の相対位置を、任意の部材により、袋ナット003締め付け後に規制する構成とすることにより、袋ナット部003の過度の緩み(少なくとも1回転以下に)を抑えることが可能となる。また、任意の部材は分岐口付接続金具本体001と袋ナット部003と別部材である必要は無く、いずれかの部品に一体的に/もしくは連結して設けられても良い。
本構成では、袋ナットの溝部003aの範囲では、突起012bは可動ではあるが、更に袋ナット部003が回動しようとしても、溝部003aと突起012b、および/または分岐口付接続金具の胴部001bと凹凸部012aが互いに位置規制するため、位置決め部材012が取付けられていれば、袋ナット003の緩みは確実に規制される。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、分岐口付接続金具と湯水混合水栓との接続が確実になると共に、該接続部に致命的な緩みが発生する前に異常状態を確実に把握できるため、安全性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第一の実施例の分岐口付接続金具取付け概略図
【図2】第一の実施例の分岐口付接続金具シール概略図
【図3】(a)本発明の第一の実施例の他の分岐口付接続金具のシール部拡大図(ねじ込み方式)
(b)本発明の第一の実施例の他の分岐口付接続金具のシール部拡大図(一体式)
【図4】本発明の第二の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図
【図5】(a)本発明の第三の実施例の分岐口付接続金具のシール部拡大図
(b)D−D断面図
【図6】従来の台付きタイプ湯水混合水栓に取付けられた分岐口付接続金具
【符号の説明】
101…レバーハンドル、102…カートリッジ押さえ、103…カートリッジ、104…カートリッジ取付け台座、104a…連結パイプ取付け部、104b…内周シール部、105…スパウト部、106…湯水連通路、200…分岐口付接金具、201…分岐口付接続金具本体、202…カートリッジ取付け部、203…袋ナット部、204…連結パイプ部、205…分岐給水(湯)口、206…混合室、207…ネジ掛かり合わせ部、208…混合水栓側カートリッジ取付け部、209…混合水連通路、210…湯水混合水栓
001…分岐口付接続金具本体、001a…連結パイプ取付け部、001b…胴部、002…カートリッジ取付け部、003…袋ナット部、003a…溝部、004…連結パイプ、005…分岐給水(湯)口、006…混合室、007a、007b…周方向シール、009…混合水連通路、010…スパウト部、011…円筒シール部、012…位置決め部材、012a…凹凸部、012b…突起
A…袋ナット部003とカートリッジ取付け台座104のネジの有効掛かり代B1…周方向シール007aと分岐口付接続金具本体001の連結パイプ取付け部001aとの間で形成されるシール長さ
B2…周方向シール007bとカートリッジ取付け台座104の連結パイプ取付け部104aとの間で形成されるシール長さ
C…分岐口付接続金具本体101外周とカートリッジ取り付け台座104内周とを水密にシールする円筒シール部011のシール長さ
Claims (4)
- 湯水混合水栓から湯または水を分岐するために前記湯水混合水栓本体の一部を分割して取付けられる分岐口付接続金具であって、該分岐口付接続金具本体の下端部に前記湯水混合水栓本体に締め付け固定される袋ナットを備えると共に、一端を前記分岐口付接続金具本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結させ、他端を前記湯水混合水栓本体に設けられた湯および/または水を通水する連結路に連結する連結パイプを備え、前記連結パイプの端部に前記湯および/または水の連通路を周方向で水密にシールする連結シール部および/または前記分岐口付接続金具本体と前記湯水混合水栓本体とに設けられた混合室とを水密にシールする円筒シール部とを設けると共に、前記袋ナットの締め付け固定が無効となる前に前記連結シール部および/または前記円筒シール部が無効となるように構成したことを特徴とする分岐口付接続金具。
- 前記分岐口付接続金具の取付状態において前記連結シール部のシール端部から前記湯水混合水栓本体側連通路のシール上端位置までのシール有効長さと、前記連結シール部のシール端部から前記分岐口付接続金具本体側連通路のシール下端位置までのシール有効長さを合わせた全シール有効長さを、前記袋ナット部の有効ネジ山長さよりも短く構成したことを特徴とする請求項1に記載の分岐口付接続金具。
- 前記連結シール部と前記円筒シール部とからなり、前記袋ナット部の有効ネジ山長さを、前記連結シール部の有効長さ、もしくは前記円筒シール部の有効長さのいずれか一方の長さよりも長く形成したことを特徴とする請求項1に記載の分岐口付接続金具。
- 湯水混合水栓から湯または水を分岐するために前記湯水混合水栓本体の一部を分割して取付けられる分岐口付接続金具であって、該分岐口付接続金具本体の下端部に前記湯水混合水栓本体に締め付け固定される袋ナットを備え、該袋ナット部の任意の部位と、前記分岐口付接続金具本体の任意の部位との位置を各々規制する位置決め部材を備えたことを特徴とする分岐口付接続金具。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104832688A (zh) * | 2015-03-20 | 2015-08-12 | 宁海燕 | 一种面盆龙头改进结构 |
-
2002
- 2002-07-03 JP JP2002194248A patent/JP2004036203A/ja active Pending
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CN104832688A (zh) * | 2015-03-20 | 2015-08-12 | 宁海燕 | 一种面盆龙头改进结构 |
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