JP4196580B2 - 表示制御装置及び画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1フレーム毎に映像信号を供給して画像表示をするプラズマ駆動型の液晶ディスプレイ(PALC)や、液晶テレビ(LCDTV)、液晶プロジェクタ(LCDPJ)などに適用して好適な表示制御装置及び画像表示装置に関する。詳しくは、映像信号の輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を表示制御する場合に、ノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データを選択して当該表示素子の表示応答速度を改善する表示応答速度改善手段を備え、ノイズ検出手段により検出された映像信号のノイズレベルに基づいて表示応答速度改善手段から補正前の映像信号又は補正後の映像信号を出力するようにして、映像信号中のノイズレベルやノイズ量に応じて表示素子におけるノイズの影響を低減できるようにすると共に、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性を改善できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブラウン管(CRT)に比べて薄型という特徴を有した液晶表示パネルでは、その生産歩留まりの向上と共に、その大型化が可能となり、アナログ地上波の放送番組を通常のCRTを備えたテレビと同様にして受信し表示するようになってきた。
【0003】
この種の液晶表示パネルには液晶駆動回路が接続され、入力された輝度階調レベルの映像データに基づいて所定の駆動電圧を生成し、この駆動電圧を液晶表示パネルに印加して輝度階調制御が行われる。この輝度階調制御では液晶駆動回路により輝度階調レベルに十分に追従して駆動電圧を生成することができ、この駆動電圧を液晶表示パネルに印加することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来例に係る液晶表示装置によれば、液晶の透過光の応答において映像データの輝度階調レベルの変動により液晶が駆動電圧に十分に追従できない場合がある。これは液晶のねじれの復帰時間に依存するものと考えられる。
【0005】
このため、動きの早い映像データ、例えば、輝度変化の激しい映像を液晶駆動回路に入力した場合にその輝度変化、すなわち、駆動電圧に液晶が追従できずに輪郭がぼけてたような映像になるという問題がある。
【0006】
この問題に対して、技術文献である特許公報第2708746号には液晶制御回路が記載されている。この液晶制御回路によれば、現在フレームの1つ前のフレームの記憶階調データAと、現在フレームの入力階調データBとを比較し、B>Aの場合は予測された補正階調データを出力し、A<Bの場合は入力階調データBをそのまま出力するものである。従って、輝度階調制御が予測精度に大きく依存してしまうという問題がある。
【0007】
また、技術文献である特開平4−288589号公報には液晶表示装置が記載されている。この液晶表示装置によれば、現在フレームの1つ前のフィールド画像の映像信号と、現在フレームの入力映像信号から各画素の時間軸方向のレベル変動を検出し、この検出レベルに基づいて高域強調フィルタを制御することで、中間階調での表示応答速度を高速化している。従って、輝度階調制御が高域強調フィルタの特性に大きく依存してしまうという問題がある。
【0008】
更に、映像信号補正方式の表示制御装置によれば、映像信号にノイズが含まれていた場合に補正回路を通すことによって、ノイズも強調されてしまい、表示素子において、ノイズが目立ってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、映像信号中のノイズレベルやノイズ量に応じて表示素子におけるノイズの影響を低減できるようにすると共に、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性を改善できるようにした表示制御装置及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題は、液晶表示パネルを駆動するための1つ前のフレームの映像信号と現在フレームの映像信号との差分を演算してノイズレベルを検出するノイズ検出手段と、このノイズ検出手段により得られるノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データ基づいて当該映像信号の輝度階調を補正する補正手段と、ノイズ検出手段により検出されたノイズレベルと予め設定された基準値とを比較し、比較結果に基づいて補正手段の出力を制御する制御装置とを有し、制御装置は、ノイズレベルが基準値を越える場合は、補正前の映像信号を選択し、ノイズレベルが基準値に満たない場合は、輝度階調補正後の映像信号のいずれかを選択するように補正手段の出力を制御するようにした表示制御装置によって解決される。
【0011】
本発明に係る表示制御装置によれば、映像信号の輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の液晶表示パネルを表示制御する場合に、一方で、ノイズ検出手段では1つ前のフレームの映像信号と現在フレームの映像信号との差分が演算されてノイズレベルが検出される。他方で、補正手段では液晶表示パネルの表示応答速度を改善するためのノイズ検出手段により得られるノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データを選択するようになされる。
【0012】
従って、ノイズ検出手段により検出された映像信号のノイズレベルに基づいて補正手段から補正前の映像信号を含む補正後の映像信号を液晶表示パネルに出力することができる。しかも、映像信号中のノイズレベルが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正処理を行うことなく補正前の映像信号をそのまま液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0013】
また、映像信号中のノイズレベルが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号を液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0014】
本発明に係る画像表示装置は映像信号の輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の液晶表示パネルを有して、1フレーム毎に印加される駆動電圧に基づいて画像を表示する映像表示手段と、この映像表示手段に印加電圧を供給する表示駆動手段と、この表示駆動手段の入出力を制御する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、液晶表示パネルを駆動するための1つ前のフレームの映像信号と現在フレームの映像信号との差分を演算してノイズレベルを検出するノイズ検出手段と、このノイズ検出手段により得られるノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データ基づいて当該映像信号の輝度階調を補正する補正手段と、ノイズ検出手段により検出されたノイズレベルと予め設定された基準値とを比較し、比較結果に基づいて補正手段の出力を制御する制御装置とを有し、制御装置は、ノイズレベルが基準値を越える場合は、補正前の映像信号を選択し、ノイズレベルが基準値に満たない場合は輝度階調補正後の映像信号のいずれかを選択するように補正手段の出力を制御するようにしたものである。
【0015】
本発明に係る画像表示装置によれば、映像信号の輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の液晶表示パネルを表示制御する場合に、上述した表示制御装置が応用されるものである。
【0016】
従って、ノイズ検出手段により検出された映像信号のノイズレベルに基づいて補正手段(以下表示応答速度改善手段ともいう)から補正前の映像信号又は補正後の映像信号を液晶表示パネルに出力することができる。しかも、映像信号中のノイズレベルが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正処理を行うことなく補正前の映像信号をそのまま液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0017】
また、映像信号中のノイズレベルが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号を液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る表示制御装置及び画像表示装置の一実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
(1)第1の実施形態
図1は本発明に係る第1の実施形態としての表示制御装置100の構成例を示すブロック図である。図2A〜Eはノイズ検出手段60の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では、映像信号の輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を表示制御する場合に、ノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データを選択して当該表示素子の表示応答速度を改善する応答速度改善手段を備え、ノイズ検出手段により検出された映像信号のノイズレベルに基づいて応答速度改善手段から補正前の映像信号又は補正後の映像信号のいずれかを出力するようにする。
【0019】
そして、映像信号中のノイズレベルやノイズ量に応じて表示素子におけるノイズの影響を低減できるようにすると共に、輝度階調の急変時の表示応答速度の遅れ性を改善できるようにしたものである。
【0020】
図1に示す表示制御装置100は輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する装置である。この表示制御装置100は応答速度改善手段50、ノイズ検出手段60及び制御装置70を備えている。応答速度改善手段50では液晶表示素子等の表示応答速度を改善するために1フレーム毎に入力される映像信号SINを補正するようになされる。ノイズ検出手段60では映像信号SINからノイズレベルNLが検出される。もちろん、映像信号SINからノイズ量を検出するようにしてもよい。
【0021】
このノイズ検出手段60には制御装置70が接続されており、外部制御信号CTLとノイズレベルNLとに基づいて補正前の映像信号SIN又は応答速度改善手段50により得られる補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力するように制御される。ノイズ検出手段60には例えば図2Aに示すフレームメモリ61、差分検出回路62及び非線形フィルタ回路63から構成されるものが使用される。
【0022】
図2Aに示すフレームメモリ61には図2Bに示す現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’が入力され、この映像信号SIN’が記憶される。この例では1つ前のフレームの映像信号SIN’に比べて図2Cに示す現在フレームの映像信号SINのノイズレベルが多い場合を示している。現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の信号成分はI1であり、ノイズ成分はN1である。現在フレームの映像信号SINの信号成分はI2であり、ノイズ成分はN2である。
【0023】
このフレームメモリ61には差分検出回路62が接続されており、フレームメモリ61に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’と現在フレームの映像信号SINとが入力され、これらのフレーム間の映像信号SINの差分を演算して図2Dに示すフレーム間の動き成分I1−I2及びノイズ成分N1−N2を検出するようになされる。
【0024】
動き成分I1−I2及びノイズ成分N1−N2はフレーム間差分信号SNとして差分検出回路62から非線形フィルタ回路63へ出力される。非線形フィルタ回路63は図2Eに示す入力−出力特性を有している。縦軸は出力レベル(ノイズ成分)であり、横軸は入力レベル(フレーム間差分信号SN)である。非線形フィルタ回路63ではフレーム間差分信号SNから入力レベルの大きな動き成分I1−I2が除去され、ノイズ成分のみが抽出される。その後、ノイズ成分は積分され、図1に示した制御装置70へノイズレベルNLとして出力される。
【0025】
この制御装置70では応答速度改善手段50が映像信号SINを所定の補正量に対応して補正する場合であって、ノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLに基づいて応答速度改善手段50の補正量を可変設定するようになされる。制御装置70は応答速度改善手段50に補正制御信号Saを出力して補正量を可変設定する。輝度階調に対応して表示素子の表示応答速度の遅れを改善するためである。
【0026】
続いて、当該表示制御装置100における動作例について説明をする。図3は本発明に係る第1の実施形態としての表示制御装置100の動作例を示すフローチャートである。
この実施形態では輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を映像信号SINに基づいて表示制御する場合を前提にして、図3に示すフローチャートのステップA1で当該表示制御装置100に映像信号SINが入力されると、ステップA2で表示素子の表示応答速度を改善するために応答速度改善手段50によって映像信号SINが補正される。
【0027】
これに並行してステップA3でノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではステップA4でノイズレベルNLに基づいて現在フレーム(補正前)の映像信号SIN又は応答速度改善手段50により得られた補正前の映像信号SINを含む補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力するように制御される。
【0028】
従って、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は現在フレームとその1つ前のフレームの映像信号の差をより増加させる補正を行った補正後の映像信号SOUTを表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0029】
また、映像信号中のノイズレベルNLが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正前の映像信号SINをそのまま表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。なお、補正前の映像信号SINをそのまま表示素子に出力する代わりに、現在フレームとその1つ前のフレームの映像信号SIN’の差を抑制する補正を行った映像信号SOUTを表示素子に出力するようにしてノイズをさらに目立たなくするようにしてもよい。
【0030】
更にまた、図3に示すフローチャートによれば、ステップA2に係るノイズ検出処理と、ステップA3に係る補正処理とを並列して実行しているが、波線内図に示すようにステップA2に係るノイズ検出処理の後に、ステップA3に係る補正処理を実行するようにしてもよい。
【0031】
(2)第2の実施形態
図4は本発明に係る第2の実施形態としての表示制御装置200の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を映像信号SINに基づいて表示制御する場合に、映像信号中のノイズレベルNLに基づいて補正前の映像信号SIN又は応答速度改善手段50による補正後の複数の映像信号SOUTの出力候補のいずれかを選択する選択手段80を備え、映像信号中のノイズレベルNLが大きい場合やノイズ量が多い場合は、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を利用してノイズの影響を除去できるようにすると共に、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善できるようにしたものである。
【0032】
図4に示す表示制御装置200は輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する装置である。この表示制御装置200は応答速度改善手段50、ノイズ検出手段60、選択手段80及び制御装置70を備えている。
【0033】
この応答速度改善手段50には選択手段80が接続されており、補正前の映像信号SIN又は応答速度改善手段50により得られる補正後の複数の映像信号SOUTの出力候補のいずれかをノイズレベルNLに基づいて選択するようになされる。制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して例えば、補正前の映像信号SINを選択するようになされる。
【0034】
制御装置70では例えばノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLと予め設定された基準値とを比較するようになされる。基準値は外部制御信号CTLによって設定される。例えば、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、補正前の映像信号SINを選択し、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は表示応答速度補正回路による補正後の映像信号SOUTを選択するように選択手段80を制御する。なお、第1の実施形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するのでその説明を省略する。
【0035】
このように、本発明に係る第2の実施形態としての表示制御装置200によれば、輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を映像信号SINに基づいて表示制御する場合を前提にして、当該表示制御装置70に映像信号SINが入力されると、一方で、表示素子の表示応答速度を改善するために応答速度改善手段50によって映像信号SINが補正される。
【0036】
これに並行してノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLと予め設定された基準値とが比較され、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、補正前の映像信号SINを選択し、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は応答速度改善手段50による補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。
【0037】
従って、映像信号中のノイズレベルNLが大きい場合やノイズ量が多い場合は第1の実施形態と同様にして補正前の映像信号SINをそのまま表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。また、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号SOUTを表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0038】
(3)第1の実施例
図5は本発明に係る第1の実施例としての表示制御装置101を応用した画像表示装置201の構成例を示すブロック図である。
この実施例では映像信号SINの輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の表示素子を表示制御する場合に、映像信号SINからノイズを検出するノイズ検出手段60を備え、ここで検出されたノイズレベルNLに基づいて補正前の映像信号SIN又は補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力する。そして、制御装置70によりノイズレベルNLに基づいて補正量を可変設定するようになされる。
【0039】
図5に示す画像表示装置201は1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて画像を表示するものであり、表示制御装置101、表示駆動手段11及び映像表示手段12を有している。表示制御装置101は表示制御手段の一例であり、表示駆動手段11の入出力を制御するものである。
【0040】
この表示制御装置101には表示駆動手段11が接続されており、映像表示手段12に印加電圧を供給するようになされる。表示駆動手段11には表示形式にもよるが、例えば、映像表示手段12に液晶表示パネルを使用した場合には、走査電極駆動ICや信号電極駆動ICが使用される。
【0041】
この表示駆動手段11には映像表示手段12が接続されており、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像を表示するようになされる。映像表示手段12にはマトリクス型の表示素子の一例と.なる液晶表示パネルなどが使用される。この映像表示手段12は1フレーム毎に印加される駆動電圧に基づいて画像を表示するようになされる。この種の表示素子は輝度階調に対応して表示応答速度が異なる。
【0042】
表示制御装置101は第1の応答速度改善手段51、ノイズ検出手段60及び制御装置70を有している。応答速度改善手段51は映像信号SINを補正するために第1の記憶手段1及び補正回路3を有しており、映像表示手段12の表示応答速度を改善するようになされる。
【0043】
第1の記憶手段1には現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’を記憶するようになされる。記憶手段1にはランダムアクセス可能なメモリ(RAM)が使用される。この記憶手段1には補正回路3が接続されており、1フレーム毎に入力される映像信号SINを補正する場合であって、記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調と現在フレームの映像信号SINの輝度階調との差分Lεを演算し、その差分Lεに対応した補正値を現在フレームの映像信号SINの輝度階調に演算して出力するようになされる。
【0044】
ノイズ検出手段60では映像信号SINからノイズレベルNLを検出するようになされる。補正回路3及びノイズ検出手段60には制御装置70が接続されている。制御装置70では映像信号SINを所定の補正量に対応して補正する場合であって、ノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLに基づいて補正回路3の補正量を可変設定するようになされる。
【0045】
制御装置70は補正回路3に補正制御信号Saを出力して補正量を可変設定する。輝度階調に対応して表示素子の表示応答速度の遅れを改善するためである。しかも、制御装置70はノイズレベルNLに基づいて補正前の映像信号SIN又は応答速度改善手段51による補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力するようになされる。補正回路3や制御装置70にはCPU(中央演算装置)が使用される。
【0046】
図6は補正回路3における補正処理例を示す輝度階調レベルの図である。図6に示す縦軸は補正回路3に入力される映像信号SINの輝度階調レベルであり、横軸は時間tである。L1は現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルである。L2は現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルである。Lεは現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1と、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分であり、式(1)により演算される。
Lε=L1−L2 ・・・・(1)
Lriは現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2に対する補正値である。
【0047】
また、図6に示すL2’は補正後の現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルであり、式(2)により演算される。
L2’=L2+Lri・・・・(2)
【0048】
つまり、現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2が低い場合は、負の補正値−Lriが適用されるので、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2から補正値Lriを差し引いた更に低い輝度階調の映像信号SINを出力するようになされる。
【0049】
また、現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2が高い場合は、正の補正値+Lriが適用されるので、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2に補正値+Lriを加えた更に高い輝度階調の映像信号SINを出力するようになされる。
【0050】
この例で補正回路3では記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調と現在フレームの映像信号SINの輝度階調との差分Lεがほぼ零の場合は、現在フレームの映像信号SINをそのまま出力するようになされる。映像信号SINの特定の輝度階調範囲に関しては、記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調が低い場合は、現在フレームの映像信号SINの輝度階調から補正値を差し引いた更に低い輝度階調の映像信号SINを出力するようになされる。
【0051】
また、記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調が高い場合は、現在フレームの映像信号SINの輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調の映像信号SINを出力する。
【0052】
このように、本発明に係る第1の実施例としての画像表示装置201によれば、映像信号SINの輝度階調に対応して表示応答速度が異なる映像表示手段12を表示制御する場合を前提にして、当該表示制御装置101に映像信号SINが入力されると、映像表示手段12の表示応答速度を改善するために補正回路3によって映像信号SINが補正される。
【0053】
これに並行してノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではノイズレベルNLに基づいて補正前の映像信号SIN又は補正回路3により得られた補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力するようになされる。
【0054】
従って、映像信号中のノイズレベルNLが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正前の映像信号SINをそのまま表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0055】
また、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号SOUTを表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0056】
この例では補正値Lriを制御装置70によって演算する場合について説明したが、これに限られることはない。予め演算された補正値LriをROM等に格納しておき、補正時にこのROMから読み出して使用するようにしてもよい。
【0057】
(4)第2の実施例
図7は本発明に係る第2の実施例としての表示制御装置102を応用した画像表示装置202の構成例を示すブロック図である。
この実施例では図7に示す補正回路3と制御装置70との間に第2の記憶手段2が接続され、予め演算された補正値Lriが格納され、補正時にこの記憶手段2から補正値Lriを読み出して使用するようにしたものである。もちろん、ノイズ検出手段60及び制御装置70を備えており、ノイズの程度により、補正回路3の補正値Lri又は動作の有無を制御することにより、ノイズの影響を少なくするようになされる。
【0058】
図7に示す画像表示装置202は1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて画像を表示するものであり、表示制御装置102、表示駆動手段11及び映像表示手段12を有している。表示制御装置102は表示制御手段の一例であり、表示駆動手段11の入出力を制御するものである。
【0059】
表示制御装置102は第2の応答速度改善手段52、ノイズ検出手段60及び制御装置70を有している。応答速度改善手段52は映像信号SINを補正するために第1の記憶手段1、第2の記憶手段2及び補正回路3を有しており、映像表示手段12の表示応答速度を改善するようになされる。
【0060】
この表示制御装置102では補正回路3に第2の記憶手段2が接続されており、この差分Lεに対応した補正値Lriを記憶するようになされる。制御装置70は読出し制御信号OEに基づいて記憶手段2の読出し制御をするようになされる。記憶手段2には読出し専用メモリ(ROM)が使用される。補正値Lriは映像表示手段12の種類に応じて予め最適値が求められ、この補正値Lriが参照テーブル化されてROM等に格納される。
【0061】
この例でも、補正回路3では記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調と現在フレームの映像信号SINの輝度階調との差分Lεがほぼ零の場合は、現在フレームの映像信号SINをそのまま出力するようになされる。
【0062】
映像信号SINの特定の輝度階調範囲に関しては、記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調が低い場合は、現在フレームの映像信号SINの輝度階調から補正値を差し引いた更に低い輝度階調の映像信号SINを出力する。
【0063】
また、記憶手段1に記憶された1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調が高い場合は、現在フレームの映像信号SINの輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調の映像信号SINを出力するようになされる。
【0064】
この補正回路3には表示駆動手段11が接続されており、補正後の映像信号SOUTに基づいて駆動電圧VOUTを発生し、この駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。なお、第1の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するため、その説明を省略する。
【0065】
図8は記憶手段(ROM)2の参照テーブル内容例を示すイメージ図である。このROMには、1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1と現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分Lεがほぼ零となる場合は、現在フレームの映像信号SINをそのまま出力するために、補正値としては「0」が記述される。
【0066】
現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2が低い場合、すなわち、(1)式の演算結果がLεi>0となる場合は、負の補正値として−Lr1,−Lr2,−Lr3,−Lri,・・・−Lrnが準備される。反対に、現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2が高い場合、すなわち、(1)式の演算結果がLεi<0となる場合は、正の補正値として+Lr1,+Lr2,+Lr3,+Lri,・・・+Lrnが準備される(図8参照)。
【0067】
なお、補正前の映像信号SINをそのまま表示素子に出力する代わりに、現在フレームとその1つ前のフレームの映像信号SIN’の差を抑制する補正を行う場合は、補正する内容(データの絶対値)は異なるも上述の補正値と符号が反対となる補正値を使用するようにするとよい。このような補正値を使用して補正を行った映像信号SOUTを表示素子に出力すると、ノイズをさらに目立たなくすることができる。
【0068】
続いて、画像表示装置202の動作例について説明をする。図9は画像表示装置202の動作例を示すフローチャートである。この実施例では輝度階調に応じて表示応答速度が異なる映像表示手段12を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する場合を前提とする。
【0069】
この画像表示装置202では図7に示した記憶手段2に図8に示したような補正値±Lriが格納されている。この例で現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1と現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分Lεがほぼ零となる場合は、現在フレームの映像信号SINをそのまま出力し、現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2が低い、あるいは、高い場合は、補正値±Lriで補正する場合を想定する。
【0070】
これを補正条件にして、図9に示すフローチャートのステップB1で当該表示制御装置102に映像信号SINが入力されると、映像信号SINが記憶手段1及び補正回路3に入力される。ステップB2〜ステップB4で映像表示手段12の表示応答速度を改善するために応答速度改善手段52によって映像信号SINが補正される。
【0071】
この例ではステップB2に移行して補正回路3では現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルL1と、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分Lεが式(1)により演算される。その後、ステップB3に移行して記憶手段2から補正回路3へ、差分Lεに対応する補正値Lriが読み出される。そして、ステップB4に移行して補正回路3では、補正値Lriを使用して式(2)により現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2’が演算される。
【0072】
これに並行してステップB5でノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではステップB6でノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLと予め設定された基準値とが比較される。そして、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、ステップB7に移行して補正前の映像信号SINをそのまま出力する。ノイズレベルNLが基準値に満たない場合はステップB8に移行して応答速度改善手段52による補正後の映像信号SOUTを出力するようになされる。
【0073】
これにより、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、ステップB9で補正前の映像信号SINに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。従って、ステップB10で映像表示手段12では、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像が表示される。このとき、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0074】
また、ノイズレベルNLが基準値を越えない場合は、ステップB9で補正後の映像信号SOUTに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。従って、ステップB10で映像表示手段12では、補正後の現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2’に基づいて映像表示手段12が駆動される。ステップB11では電源オフ情報などを検出して画像表示処理を終了する。電源オフ情報等が検出されない場合はステップB1に戻って上述した画像表示処理が継続される。
【0075】
このように、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。しかも、この実施例では現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iが低い場合は、当該フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iから補正値Lriを差し引いた更に低い輝度階調の映像信号SOUTを出力することができる。
【0076】
また、1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iが高い場合は、当該フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iに補正値Lriを加えた更に高い輝度階調の映像信号SOUTを出力することができる。
【0077】
これにより、映像表示手段12に液晶表示パネルを用いた場合でも動きの早い映像信号SINに十分対処することが可能となる。また、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、その輝度変化、すなわち、液晶が印加電圧に追従できずに映像の輪郭がぼけてしまうような現象を防止できる(鮮鋭度改善機能)。
【0078】
(5)第3の実施例
図10は本発明に係る第3の実施例としての表示制御装置103を応用した画像表示装置203の構成例を示すブロック図である。
この実施例では映像信号SINを上位ビットと下位ビットに分け、その上位ビットのみに補正を加え、第2の実施例に比べて第1の記憶手段1のメモリ容量を削減するようにしたものである。もちろん、ノイズ検出手段60及び制御装置70を備えており、ノイズの程度により、補正回路3の補正値Lri又は動作の有無を制御することにより、ノイズの影響を少なくするようになされる。なお、第1及び第2の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
【0079】
図10に示す画像表示装置203は表示制御装置103、表示駆動手段11及び映像表示手段12を有している。表示制御装置103は表示駆動手段11の入出力を制御するものであり、第3の応答速度改善手段53、ノイズ検出手段60及び制御装置70を有している。
【0080】
応答速度改善手段53は1フレーム毎に入力される映像信号SINを補正するために、第1の記憶手段4、補正回路6及び加算手段7を有している。記憶手段4には現在フレームの前のフレームの上位ビットの映像信号SINを記憶するようになされる。記憶手段4には第1の実施例に比べて少ないメモリ容量のRAMが使用される。
【0081】
この記憶手段4には補正回路6が接続されており、記憶手段4から読み出した1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1と、現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分を演算し、その差分に対応した補正値Lriを現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2に演算して出力するようになされる。これは映像表示手段12における映像信号SINのフレーム毎の階調レベルの変化に伴う表示応答速度を改善するためである。補正回路6にはCPU(中央演算装置)が使用される。
【0082】
この補正回路6には制御装置70から補正制御信号Saが入力されて補正量が可変設定される。輝度階調に対応して表示素子の表示応答速度の遅れを改善するためである。この補正回路6では記憶手段4に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1と現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号SINをそのまま出力するようになされる。
【0083】
映像信号SINの特定の輝度階調レベル範囲に関しては、記憶手段4に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2が低い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2から補正値Lriを差し引いた更に低い輝度階調の上位ビットの映像信号SINを出力するようになされる。
【0084】
また、記憶手段4に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2が高い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2に補正値Lriを加えた更に高い輝度階調レベルの上位ビットの映像信号SOUTを出力する。
【0085】
この表示制御装置103では補正回路6に加算手段7が接続されており、補正演算後の現在フレームの上位ビットの映像信号SINに補正演算前の現在フレームの下位ビットの上位ビットの映像信号SINを加算して出力される。加算手段7には加算器が使用される。加算後の現在フレームの映像信号SOUTは表示駆動手段11に出力される。表示駆動手段11では補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTに基づいて駆動電圧VOUTを発生し、この駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。映像表示手段12では、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像を表示するようになされる。
【0086】
続いて、第3の実施例に係る画像表示装置203の動作例について説明をする。この実施例では、輝度階調に対応して表示応答速度が異なる映像表示手段12を映像信号SINに基づいて表示制御する場合を前提とする。これを補正条件にして、当該表示制御装置103に映像信号SINが入力されると、映像表示手段12の表示応答速度を改善するために補正回路6によって映像信号SINが補正される。
【0087】
これに並行してノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではノイズレベルNLに基づいて補正前の映像信号SIN又は補正回路6により得られた補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力するようになされる。
【0088】
補正回路6では、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2が低い場合は、当該フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2から補正値Lriを差し引いた更に低い輝度階調の上位ビットの映像信号SOUTを出力することができる。
【0089】
また、1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2が高い場合は、当該フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2に補正値Lriを加えた更に高い輝度階調の上位ビットの映像信号SOUTを出力することができる。
【0090】
従って、映像信号中のノイズレベルNLが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正前の映像信号SINをそのまま表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0091】
また、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号SOUTを表示素子に出力することができ、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0092】
これにより、映像表示手段12に液晶表示パネルを用いた場合でも動きの早い映像信号SINに十分対処することが可能となる。しかも、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、その輝度変化、すなわち、液晶が印加電圧に追従できずに映像の輪郭がぼけてしまうような現象を防止できる。
【0093】
(6)第4の実施例
図11は本発明に係る第4の実施例としての表示制御装置104を応用した画像表示装置204の構成例を示すブロック図である。
この実施例では補正回路6と制御装置70との間に第2の記憶手段5が接続され、もちろん、ノイズ検出手段60及び制御装置70を備えており、ノイズの程度により、補正回路6の補正値Lri又は動作の有無を制御することにより、ノイズの影響を少なくするようになされる。なお、第3の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
【0094】
図11に示す画像表示装置204は表示制御装置104、表示駆動手段11及び映像表示手段12を有している。表示制御装置104は表示駆動手段11の入出力を制御するものであり、第4の応答速度改善手段54、ノイズ検出手段60及び制御装置70を有している。
【0095】
応答速度改善手段54は1フレーム毎に入力される映像信号SINを補正するために、第1の記憶手段4、第2の記憶手段5、補正回路6及び加算手段7を有している。記憶手段4には現在フレームの前のフレームの上位ビットの映像信号SINを記憶するようになされる。記憶手段4には第1の実施例に比べて少ないメモリ容量のRAMが使用される。この例でも制御装置70は読出し制御信号OEに基づいて記憶手段5の読出し制御をするようになされる。
【0096】
この表示制御装置104では補正回路6に記憶手段5が接続されており、記憶手段5では記憶手段4に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1と現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分Lεに対応した補正値Lriを記憶するようになされる。記憶手段5には第1の実施例に比べて少ないメモリ容量のROMが使用される。補正値Lriは映像表示手段12の種類に応じて予め最適値が求められ、この補正値Lriが参照テーブル化されてROM等の記憶手段5に格納される。
【0097】
続いて、本発明に係る第4の実施例としての画像表示装置204の動作例を説明する。この実施例では、輝度階調に応じて表示応答速度が異なる映像表示手段12を1フレーム毎に入力される上位ビットの映像信号SINに基づいて表示制御する場合を前提とする。
【0098】
これを補正条件にして、当該表示制御装置104に映像信号SINが入力されると、上位ビットの映像信号SINが記憶手段4及び補正回路6に入力される。加算手段7には下位ビットの映像信号SINが入力される。表示制御装置104では映像表示手段12の表示応答速度を改善するために応答速度改善手段54によって映像信号SINが補正される。
【0099】
これに並行してノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではノイズレベルNLに基づいて補正前の映像信号SIN又は補正回路6により得られた補正後の映像信号SOUTのいずれかを出力するようになされる。
【0100】
制御装置70ではノイズレベルNLと予め設定された基準値とが比較される。そして、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、補正回路6から加算手段7へ補正前の上位ビットの映像信号SINを出力される。加算手段7では補正前の上位ビットの映像信号SINとその下位ビットの映像信号SINとが加算されるので、補正前の映像信号SINをそのまま出力することができる。
【0101】
これにより、補正前の映像信号SINに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。従って、映像表示手段12では、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像が表示される。このとき、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0102】
また、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は応答速度改善手段54による補正後の映像信号SOUTを出力するようになされる。このとき、記憶手段5から補正回路6へ、1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1と現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2との差分Lεに対応した補正値Lriが読み出される。
【0103】
補正回路6では、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2が低い場合は、当該フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2から補正値Lriを差し引いた更に低い輝度階調の上位ビットの映像信号SOUTを出力することができる。
【0104】
また、1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1に比較して現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2が高い場合は、当該フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2に補正値Lriを加えた更に高い輝度階調の上位ビットの映像信号SOUTを出力することができる。
【0105】
従って、映像表示手段12では、補正後の現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2’に基づいて映像表示手段12が駆動される。このように、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0106】
これにより、映像表示手段12に液晶表示パネルを用いた場合でも動きの早い映像信号SINに十分対処することが可能となる。また、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、その輝度変化、すなわち、液晶が印加電圧に追従できずに映像の輪郭がぼけてしまうような現象を防止できる(鮮鋭度改善機能)。
【0107】
(7)第5の実施例
図12は本発明に係る第5の実施例としての表示制御装置105を応用した画像表示装置205の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、輝度階調レベルに応じて表示応答速度が異なる映像表示手段12を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する場合に、第1〜第4の実施例で説明した補正回路3、6等に代えて、補正値ルックアップテーブル等の読み出し専用の記憶手段8を備えている。
【0108】
この例では、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1と、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2とをアドレスにして補正後の輝度階調の映像信号SOUTを読み出すようにして、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、演算制御系の負担をより一層軽減できるようにしたものである。
【0109】
しかも、ノイズ検出手段60、制御装置70及び選択手段80を備えており、映像信号中のノイズレベルNLに基づいて記憶手段8の読出しを制御し、補正前の映像信号SIN又は表示応答速度補正後の映像信号SOUTのいずれかを選択するようにしたものである。なお、第1の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
【0110】
図12に示す画像表示装置205は映像信号SINの輝度階調に応じて表示応答速度が異なる映像表示手段12を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する装置である。画像表示装置205は表示制御装置105、表示駆動手段11及び映像表示手段12を有している。
【0111】
この表示制御装置105は表示駆動手段11の入出力を制御するために、第5の応答速度改善手段55、ノイズ検出手段60、制御装置70及び選択手段80を備えている。応答速度改善手段55は第1の記憶手段1及び第2の記憶手段8から構成されており、記憶手段1には第1の実施例と同様にして現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’を記憶するようになされる。
【0112】
また、記憶手段1には記憶手段8が接続されており、予め補正演算して得た補正済みの最適な輝度階調レベルの映像信号(データ)が格納される。記憶手段8にはROMが使用される。現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1と、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2とをアドレスにして補正後の輝度階調の映像信号SOUTを読み出すためである。
【0113】
この応答速度改善手段55には選択手段80が接続されており、補正前の映像信号SIN又は記憶手段8により得られる補正後の映像信号SOUTのいずれかを選択するようになされる。制御装置70では例えばノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLと予め設定された基準値とを比較するようになされる。基準値は外部制御信号CTLによって設定される。
【0114】
この制御装置70は例えば、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、補正前の映像信号SINを選択し、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は応答速度改善手段55による補正後の映像信号SOUTを選択するように選択手段80を制御する。制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して補正前の映像信号SINを選択するようになされる。この選択手段80には表示駆動手段11が接続されており、映像表示手段12に印加電圧を供給するようになされる。
【0115】
この例では映像表示手段12に対応して予め補正値Lriが求められ、更に、この補正値Lriを使用し、第1の実施例で説明した式(2)により当該フレームの補正後の0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2’の映像信号SOUTが演算される。この演算は映像表示手段12を作製する毎にその映像表示手段12の表示特性に合わせて行われる。従って、映像表示手段12と補正値を格納した記憶手段8とはセットで取引されることが好ましい。もちろん、これらをセットで取引することを限定するものではない。
【0116】
図13は記憶手段8に格納される補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTの内容例を示すイメージ図である。当該フレームの補正後の映像信号SOUTについては0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’が求められる。
【0117】
図13に示す補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTの内容例によれば、横軸には現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL11〜L1n(n:階調)がプロットされており、縦軸には現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL21〜L2n(n:階調)がプロットされる。この縦横の輝度階調レベルL11〜L1n及び輝度階調レベルL21〜L2nが作るマトリクスの各格子部分に、0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2’の映像信号SOUTを記憶するようになされる。
【0118】
図13において、左上部0階調から右下部n階調へ下がる対角線Aa0上の格子部分には、現在フレームの0階調からn階調に至る映像信号SINをそのまま記憶するようになされる。これは現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iと現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iとの差分がほぼ零の場合に対処するためである。
【0119】
この対角線Aa0の格子部分を基準にして映像信号SINの特定の輝度階調範囲の一例となる右上領域Aa1の格子部分では、L2i’=L2i−Lriによって演算された0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTを記憶するようになされる。これは現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iが低い場合に対処するためである。これにより、左領域Aa1では現在フレームの映像信号SINよりも、低い輝度階調レベルの映像信号SOUTを出力するようになされる。
【0120】
また、対角線Aa0の格子部分を基準にして左下領域Aa2の格子部分では、L2i’=L2i+Lriによって演算された0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTを記憶するようになされる。これは現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iが高い場合に対処するためである。これにより、左領域Aa2では現在フレームの映像信号SINよりも、高い輝度階調レベルの映像信号SOUTを出力するようになされる。
【0121】
続いて、画像表示装置205の動作例について説明をする。図14は記憶手段8における補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTの読出し例を示すイメージ図である。図15は画像表示装置205の動作例を示すフローチャートである。
【0122】
この実施例では輝度階調に応じて表示応答速度が異なる映像表示手段12を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する場合を前提とする。また、映像信号中のノイズのレベルに基づいて記憶手段8の読出しを制御し、補正前の映像信号SIN又は表示応答速度補正後の映像信号SOUTのいずれかを選択する場合を例に採る。
【0123】
この画像表示装置205では図12に示した記憶手段8に図13に示したような補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTが格納されており、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1と、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2とをアドレスにして補正後の輝度階調の映像信号SOUTを読み出す場合を想定する。
【0124】
これを補正条件にして、図15に示すフローチャートのステップC1で映像信号SINを記憶手段1及び記憶手段8に入力する。その後、ステップC2〜ステップC4で映像表示手段12の表示応答速度を改善するために応答速度改善手段55によって映像信号SINが補正される。
【0125】
この例ではステップC2に移行して現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1と、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2とをアドレスにして補正後の輝度階調の映像信号SOUTを読み出す。例えば、図14に示す現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルをL1iとし、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルをL22(L22<L1i)とした場合に、当該フレームの映像信号SOUTはL2i’=L22−Lriによって演算された輝度階調レベルの補正後の映像信号SOUTを出力するようになされる(右上領域参照)。
【0126】
また、図14に示す現在フレームの前のフレームの映像信号SINの輝度階調レベルをL1iとし、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルをL2n−2(L2n−2>L1i)とした場合に、当該フレームの映像信号SOUTはL2i’=(L2n−2)−Lriによって演算された輝度階調レベルの補正後の映像信号SOUTを出力するようになされる(左下領域参照)。
【0127】
これに並行してステップC3でノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではステップC4でノイズレベルNLと予め設定された基準値とが比較される。そして、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、ステップC5で制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して補正前の映像信号SINを選択するようになされる。選択手段80は選択制御信号Scに基づいて補正前の映像信号SINを選択するのでこの映像信号SINがそのまま出力される。
【0128】
これにより、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、ステップC7で補正前の映像信号SINに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。従って、ステップC8で映像表示手段12では、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像が表示される。このとき、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0129】
また、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合はステップC6で応答速度改善手段55による補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。このとき、制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。選択手段80は選択制御信号Scに基づいて補正後の映像信号SOUTを選択するので、ステップC7で補正後の映像信号SOUTに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。
【0130】
従って、ステップC8で映像表示手段12では補正後の現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2’に基づいて映像表示手段12が駆動される。ステップC9では電源オフ情報などを検出して画像表示処理を終了する。電源オフ情報等が検出されない場合はステップC1に戻って上述した画像表示処理が継続される。これにより、映像信号中のノイズレベルNLが小さい場合やノイズ量が少ない場合は輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0131】
また、この実施例によれば、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iが低い場合は、当該フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iから補正値Lriを差し引いた更に低い輝度階調レベルの映像信号SOUTを直接、記憶手段8から表示駆動手段11へ出力することができる。
【0132】
また、1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iが高い場合は、当該フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iに補正値Lriを加えた更に高い輝度階調の映像信号SOUTを直接、記憶手段8から表示駆動手段11へ出力することができる。
【0133】
これにより、第1〜第4の実施例のような補正回路3、6に依存することなく、映像表示手段12に液晶表示パネルを用いた場合でも動きの早い映像信号SINに十分対処することが可能となる。しかも、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、演算制御系の負担を軽減することができる。また、液晶が印加電圧に追従できずに映像の輪郭がぼけてしまうような現象も防止できる(鮮鋭度改善機能)。第1〜第4の画像表示装置201〜204に比べて安価に液晶テレビなどを構成できる。
【0134】
(8)第6の実施例
図16は本発明に係る第6の実施例としての表示制御装置106を応用した画像表示装置206の構成例を示すブロック図である。
この実施例では映像信号SINを上位ビットと下位ビットに分け、その上位ビットのみに補正を加えた補正後の0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTが求められ、この映像信号SOUTが補正値ルックアップテーブル等の読み出し専用の記憶手段9に格納されている。
【0135】
この実施例では、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1iと、現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2iとをアドレスにして補正後の輝度階調の映像信号SOUTを読み出すようになされる。
【0136】
しかも、ノイズ検出手段60、制御装置70及び選択手段80を備えており、映像信号中のノイズレベルNLに基づいて記憶手段9の読出しを制御し、補正前の映像信号SIN又は表示応答速度補正後の映像信号SOUTのいずれかを選択するようにしたものである。なお、第1〜第5の実施例と同じ符号及び同じ名称のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
【0137】
図16に示す画像表示装置206は映像信号SINの輝度階調に応じて表示応答速度が異なる映像表示手段12を1フレーム毎に入力される映像信号SINに基づいて表示制御する装置である。画像表示装置206は表示制御装置106、表示駆動手段11及び映像表示手段12を有している。表示制御装置106は表示駆動手段11の入出力を制御するために、第6の応答速度改善手段56、ノイズ検出手段60、制御装置70及び選択手段80を備えている。
【0138】
応答速度改善手段56は第1の記憶手段4及び第2の記憶手段9から構成されており、記憶手段4には第1の実施例と同様にして現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’を記憶するようになされる。記憶手段4にはRAM等が使用される。
【0139】
また、記憶手段4には記憶手段9が接続されており、予め補正演算して得た補正済みの最適な輝度階調レベルの上位ビットの映像信号(データ)が格納される。記憶手段9にはROMが使用される。現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1と、現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2とをアドレスにして補正後の輝度階調の上位ビットの映像信号SOUTを読み出すためである。
【0140】
この応答速度改善手段56には選択手段80が接続されており、補正前の映像信号SIN又は記憶手段9により得られる補正後の上位ビットの映像信号SOUTのいずれかを選択するようになされる。制御装置70では例えばノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLと予め設定された基準値とを比較するようになされる。基準値は外部制御信号CTLによって設定される。
【0141】
この制御装置70は例えば、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、補正前の映像信号SINを選択し、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は応答速度改善手段55による補正後の映像信号SOUTを選択するように選択手段80を制御する。制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して補正前の映像信号SINを選択するようになされる。この選択手段80には表示駆動手段11が接続されており、映像表示手段12に印加電圧を供給するようになされる。
【0142】
この記憶手段4には読み出し専用の第2の記憶手段9が接続されている。記憶手段9の格納内容によれば、図13に示した左上部0階調から右下部n階調へ下がる対角線上の格子部分には、現在フレームの0階調からn階調に至る上位ビットの映像信号SINをそのまま記憶するようになされる。図13に示した右上領域の格子部分では、L2i’=L2i−Lriによって演算された0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の上位ビットの映像信号SOUTを記憶するようになされる。
【0143】
図13に示した左下領域の格子部分でL2i’=L2i+Lriによって演算された0階調からn階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の上位ビットの映像信号SOUTを記憶手段9に格納するようになされる。これにより、記憶手段4に記憶された現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL1iと、現在フレームの上位ビットの映像信号SINの輝度階調レベルL2iとをアドレスにして記憶手段9から、当該フレームの補正後の輝度階調の上位ビットの映像信号SOUTを読み出すことができる。
【0144】
この表示制御装置106では図16に示す記憶手段9に加算手段7が接続されており、補正演算後の現在フレームの上位ビットの映像信号SOUTに補正演算前の現在フレームの下位ビットの映像信号SOUTを加算して出力される。加算後の現在フレームの映像信号SOUTは選択手段80に出力される。
【0145】
これに並行してノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLは制御装置70に出力される。制御装置70ではノイズレベルNLと予め設定された基準値とが比較される。そして、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して補正前の映像信号SINを選択するようになされる。選択手段80は選択制御信号Scに基づいて補正前の映像信号SINを選択するのでこの映像信号SINがそのまま出力される。
【0146】
これにより、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は補正前の映像信号SINに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給することができる。従って、映像表示手段12では、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像が表示される。このとき、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0147】
また、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は応答速度改善手段56による補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。このとき、制御装置70は選択手段80に選択制御信号Scを出力して補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。選択手段80は選択制御信号Scに基づいて補正後の映像信号SOUTを選択するので、補正後の映像信号SOUTに基づいて発生された駆動電圧VOUTを映像表示手段12に供給するようになされる。映像表示手段12では補正後の現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2’に基づいて映像表示手段12が駆動される。
【0148】
従って、映像表示手段12に液晶表示パネルを用いた場合でも、第5の実施例と同様にして動きの早い映像信号SINに十分対処することが可能となる。しかも、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、演算制御系に負担をかけることなく、その輝度変化、すなわち、液晶が印加電圧に追従できずに映像の輪郭がぼけてしまうような現象を防止できる。第5の実施例に比べて記憶手段4や記憶手段9のメモリ容量を減らすことができる。
【0149】
(9)応用例
図17は本発明に係る応用例としての液晶テレビ300の構成例を示すブロック図である。
この応用例では画像表示装置の一例となる液晶テレビ300を構成し、図17に示す表示制御手段10には第1〜第6の実施例で説明した表示制御装置101〜106のいずれかが適用される。この例で表示制御手段10には第5の実施例で説明した表示制御装置105が適用され、補正値ルックアップテーブル用のROM33が設けられる。
【0150】
このROM33には、当該フレームの補正後の映像データDOUTに関して0階調からn=248階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’が求められ、これらが格納されている。そして、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号SIN’の輝度階調レベルL1iと、現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2iとをアドレスにして補正後の輝度階調の映像信号SOUTを読み出すようにして、輝度変化の激しい映像を入力した場合でも、演算制御系の負担をより一層軽減できるようにしたものである。
【0151】
図17に示す液晶テレビ300は例えばアナログ地上波の放送電波を受信して放送番組を液晶表示パネル26に表示するものである。液晶テレビ300はアンテナ21を有しており、八木アンテナ21等から放送電波を受信するようになされる。アンテナ21にはチューナー&IFアンプ22が接続されており、NTSC方式の放送電波を信号処理してR(赤),G(緑),B(青)の映像信号SIN及び音声信号を検出するようになされる。チューナー&IFアンプ22の一方には音声増幅回路23が接続されており、音声信号が増幅されてスピーカー25に出力される。
【0152】
チューナー&IFアンプ22の他方には映像増幅回路24が接続されており、R,G,Bの映像信号(以下で単に映像信号SINという)が増幅されると共に、同期信号SYが分離される。映像増幅回路24に表示制御手段10及び表示駆動手段11が接続されている。表示制御手段10はアナログ・デジタル変換器(以下でA/D変換器31という)、フレームメモリ32、ROM33、CPU34、ノイズ検出手段60及び選択手段の一例となるセレクタ80が設けられている。
【0153】
A/D変換器31は映像増幅回路24に接続されており、映像信号SINをアナログ・デジタル変換してR,G,Bの映像データDINを出力するようになされる。A/D変換器31には第1の記憶手段の一例となるフレームメモリ32が接続されており、現在フレームの1つ前のフレームの映像データDINが記憶される。
【0154】
このA/D変換器31及びフレームメモリ32には第2の記憶手段の一例となる補正値ルックアップテーブル用のROM33が接続されており、このフレームメモリ32に記憶された現在フレームの前のフレームの映像データDINの輝度階調レベルL1iと、現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2iとをアドレスにしてROM33から、当該フレームの補正後の輝度階調レベルの映像データDOUTを読み出して出力するようになされる。
【0155】
このROM33のルックアップテーブルには、輝度階調レベルL2iの変化毎に本来、液晶表示パネル26でぼけのないような表示を実行したいとする、最適な輝度階調レベルL2i’に近い輝度階調レベルを得られるように補正された映像データDOUTが格納されていればよい。
【0156】
このA/D変換器31にはフレームメモリ32の他にノイズ検出手段60が接続されており、映像信号SINからノイズレベルNLが検出される。もちろん、映像信号SINからノイズ量を検出するようにしてもよい。
【0157】
このノイズ検出手段60には制御装置の一例となるCPU34が接続されており、外部制御信号の一例となる水平同期信号HS及び垂直同期信号VSと、ノイズレベルNLとに基づいて補正前の映像信号SIN又はROM33から読み出される補正後の映像信号SOUTのいずれかを選択するようになされる。
【0158】
CPU34では水平同期信号HS及び垂直同期信号VSに基づいて書込み読出し制御信号WEや読出し許可信号OEを生成し、この書込み読出し制御信号WEをフレームメモリ32に出力し、現在フレームの1つ前のフレームの映像データDINの書込みや読出しを制御したり、ROM33に読出し許可信号OEを出力して、現在フレームの映像データDINの取り込みタイミングや、補正後の1フレームの映像データDOUTの読出しタイミングなどを制御するようになされる。この例では、CPU34における補正演算を省略することができる。
【0159】
このROM33にはセレクタ80が接続されており、補正前の映像信号SIN又はROM33から読み出される補正後の映像信号SOUTのいずれかを選択するようになされる。このCPU34では例えばノイズ検出手段60により検出されたノイズレベルNLと予め設定された基準値とを比較するようになされる。
【0160】
基準値は外部制御信号CTLによって設定される。CPU34は例えば、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、補正前の映像信号SINを選択し、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合は表示応答速度補正回路による補正後の映像信号SOUTを選択するようにセレクタ80を制御する。
【0161】
また、上述の映像増幅回路24には表示駆動手段11が接続されている。表示駆動手段11は水平同期回路41、垂直同期回路42、走査電極駆動回路43及び信号電極駆動回路44を有している。走査電極駆動回路43及び信号電極駆動回路44には映像表示手段の一例となるアクティブマトリクス型の液晶表示パネル26が接続されている。
【0162】
この映像増幅回路24の一方には水平同期回路41が接続されており、同期信号SYから水平同期信号HSが検出される。映像増幅回路24の他方には垂直同期回路42が接続されており、同期信号SYから垂直同期信号VSが検出される。水平同期信号HS及び垂直同期信号VSはCPU34に出力されると共に、水平同期信号HSは走査電極駆動回路43に出力され、垂直同期信号VSは信号電極駆動回路44に出力される。
【0163】
水平同期回路41には走査電極駆動回路43が接続されており、水平同期信号HSに基づいて液晶表示パネル26を線順次走査するようになされる。走査電極駆動回路43にはプラズマ駆動ドライバICなどが使用される。垂直同期回路42には信号電極駆動回路44が接続されており、垂直同期信号VS及び補正後の映像データDOUTに基づいて駆動電圧が生成され、この駆動電圧が液晶表示パネル26に供給するようになされる。
【0164】
この信号電極駆動回路44にはプラズマ駆動カラム反転対応のデータドライバICが使用される。液晶表示パネル26の背面にはバックライト27が取り付けられている。もちろん、液晶テレビ300には電源部28が設けられ、バックライト27や各機能回路に電源を供給するようになされる。
【0165】
続いて、ROM33の内容例について説明をする。図18はROM33に格納される補正後の輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTの内容例を示すイメージ図であり、図19は図18に示した映像データDOUTの補正値Lriを同等レベル毎に色分け表示したイメージ図である。
【0166】
この例のROM33には8階調を1単位として、0〜248階調の補正後の輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTが格納され、その内容例によれば図18に示す横軸には1フレーム前の輝度階調レベルL1iとして、i=0〜248階調の映像データDINがプロットされ、縦軸には現在フレームの輝度階調レベルL2iとして、i=0〜248階調の映像データDINがプロットされる。この縦横の1フレーム前の映像データDIN及び現在フレームの映像データDINが作るマトリクスの各格子部分に、0階調から248階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTを記憶するようになされる。
【0167】
この内容例で左上部0階調から右下部248階調へ下がる対角線Aa0上の格子部分には、現在フレームの0階調から248階調に至る、0,8,16,24,32,40・・・・240,248階調の映像データDINをそのまま記憶するようになされる。これは1フレーム前の映像データDINの輝度階調レベルL1iと現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2iとの差分がほぼ零の場合に対処するためである。
【0168】
この対角線Aa0の格子部分を基準にして映像データDINの右上領域Aa1の格子部分では、L2i’=L2i−Lriによって演算された0階調から248階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の映像データDINDOUTを記憶するようになされる。これは1フレーム前の映像データDINの輝度階調レベルL1iに比較して現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2iが低い場合に対処するためである。この右上領域Aa1では現在フレームの映像データDINよりも、更に低い輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTを出力するようになされる。
【0169】
また、対角線Aa0の格子部分を基準にして左下領域Aa2の格子部分では、L2i’=L2i+Lriによって演算された0階調から248階調に至る全範囲の輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTを記憶するようになされる。これは1フレーム前の映像データDINの輝度階調レベルiに比較して現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2iが高い場合に対処するためである。この左下領域Aa2では現在フレームの映像データDINよりも、更に高い輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTを出力するようになされる。
【0170】
上述の右上領域Aa1及び左下領域Aa2における補正値Lriについては、液晶表示パネル26の表示特性にもよるが、8,16,24,32,40、48,56,64階調を適用している。この例では特に中間階調において、上位階調レベルから下位階調レベルに輝度階調レベルを下げる場合であって、この下げ幅が大きいほど大きな補正値が適用される。
【0171】
例えば、1フレーム前の映像データDINの輝度階調レベルL1がi=「72」で、現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2がi=「88」の場合は補正後の現在フレームの映像データDINとしてi=「96」の輝度階調レベルL2’が読み出される。この際の補正値Lriは+8である。
【0172】
同様にして、L1=「72」で、L2=「104」の場合はL2’=「128」が読み出される。この際の補正値Lriは+24である。L1=「72」で、L2=「120」の場合はL2’=「152」が読み出される。この際の補正値Lriは+32である。L1=「72」で、L2=「128」の場合はL2’=「168」が読み出される。この際の補正値Lriは+40である。いずれの場合も、液晶表示パネル26で中間階調における上位階調レベルから下位階調レベルに輝度階調レベルを下げる場合の応答時間の遅れを改善するためである。
【0173】
また、下位階調レベルから上位階調レベルに輝度階調レベルを上げる場合であって、この上げ幅が大きいほど大きな補正値が適用される。例えば、1フレーム前の映像データDINの輝度階調レベルL1がi=「160」で、現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2がi=「72」の場合は補正後の現在フレームの映像データDINとしてi=「8」の輝度階調レベルL2’が読み出される。この際の補正値Lriは−64である。
【0174】
同様にして、L1=「160」で、L2=「80」の場合はL2’=「24」が読み出される。この際の補正値Lriは−56である。L1=「160」で、L2=「96」の場合はL2’=「48」が読み出される。この際の補正値Lriは−48である。L1=「160」で、L2=「104」の場合はL2’=「64」が読み出される。この際の補正値Lriは−40である。
【0175】
L1=「160」で、L2=「120」の場合はL2’=「88」が読み出される。この際の補正値Lriは−32である。L1=「160」で、L2=「136」の場合はL2’=「112」が読み出される。この際の補正値Lriは−24である。L1=「160」で、L2=「144」の場合はL2’=「128」が読み出される。この際の補正値Lriは−16である。
【0176】
いずれの場合も、液晶表示パネル26で中間階調における下位階調レベルから上位階調レベルに輝度階調レベルを上げる場合の応答時間の遅れを改善するためである。
【0177】
なお、図20はROM33におけるL1i、L2i及びLriの関係例を示す3次元参照テーブルのイメージ図である。3次元参照テーブルを見る角度を変えているので、図18に示した参照テーブルの値と必ずしも一致してない。図20において、L1iは1フレーム前の映像データDINの0〜248の輝度階調レベルであり、L2iは現在フレームの映像データDINの0〜248の輝度階調レベルであり、Lriはその際の補正値0〜64階調である。
【0178】
つまり、液晶表示パネル26上で1フレーム前の映像データDINに対して次のフレームの映像データDINを輝度階調レベルL2iまで早く変化させられるような現在フレームの映像データDOUTを用意する。もしくは液晶表示パネル26の特性上で変化させたい輝度階調レベルL2iに近くに、その表示応答速度がより早い輝度階調レベルL2iが存在するような場合は、その輝度階調レベルL2iに変化するような補正後の映像データDOUTを用意する。
【0179】
続いて、液晶テレビ300の動作例について説明をする。この例では図17に示した液晶テレビ300において、図18で説明した補正後の映像データDOUTがROM33に格納されており、NTSC方式の放送番組を液晶表示パネル26に表示する場合を前提とする。もちろん、液晶表示パネル26の背面のバックライト27に電源が供給されると共に、各機能回路に電源が供給されている。
【0180】
これを動作条件にして、図17に示したアンテナ21により、アナログ地上波の放送電波が受信されると、NTSC方式の放送電波がアンテナ21からチューナー&IFアンプ22に出力される。チューナー&IFアンプ22では放送電波を信号処理して音声信号及びR,G,Bの映像信号SINが検出される。音声信号は音声増幅回路23で増幅されてスピーカー25に出力される。
【0181】
R,G,Bの映像信号(映像信号SIN)は映像増幅回路24で増幅されると共に同期信号SYが分離される。水平同期回路41では同期信号SYから水平同期信号HSが検出され、垂直同期回路42では同期信号SYから垂直同期信号VSが検出される。水平同期信号HS及び垂直同期信号VSはCPU34に出力されると共に、水平同期信号HSは走査電極駆動回路43に出力され、垂直同期信号VSは信号電極駆動回路44に出力される。
【0182】
映像信号SINは映像増幅回路24で増幅された後にA/D変換器31でアナログ・デジタル変換され、R,G,Bの映像データDINとなされる。現在フレームの1つ前のフレームの映像データDINはフレームメモリ32に記憶される。現在フレームの映像データDIN及びフレームメモリ32から読み出された映像データDINは書込み読出し制御信号WEに基づいて補正値ルックアップテーブル用のROM33に入力される。
【0183】
ROM33ではフレームメモリ32に記憶された現在フレームの1つ前のフレームの映像データDINの輝度階調レベルL1iと、現在フレームの映像データDINの輝度階調レベルL2iとをアドレスにして当該フレームの補正後の輝度階調レベルの映像データDOUTが読み出される。このROM33により映像信号SINの輝度階調レベルの変化に応じて映像データDOUTを補正することができる。
【0184】
これに並行してノイズ検出手段60によって映像信号SINからノイズが検出される。ここで検出されたノイズレベルNLはCPU34に出力される。CPU34ではノイズレベルNLと予め設定された基準値とが比較される。そして、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は、CPU34はセレクタ80に選択制御信号Scを出力して補正前の映像信号SINを選択するようになされる。セレクタ80は選択制御信号Scに基づいて補正前の映像信号SINを選択するのでこの映像信号SINがそのまま出力される。
【0185】
これにより、ノイズレベルNLが基準値を越える場合は補正前の映像信号SINに基づいて発生された駆動電圧VOUTを信号電極駆動回路44に供給することができる。一方、走査電極駆動回路43では水平同期信号HSに基づいて液晶表示パネル26を線順次走査するようになされる。従って、液晶表示パネル26では、1フレーム毎に印加される駆動電圧VOUTに基づいて画像が表示される。このとき、輝度階調の急変時の表示素子の表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0186】
また、ノイズレベルNLが基準値に満たない場合はROM33から読み出された補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。このとき、CPU34はセレクタ80に選択制御信号Scを出力して補正後の映像信号SOUTを選択するようになされる。
【0187】
セレクタ80は選択制御信号Scに基づいて補正後の映像信号SOUTを選択するので、垂直同期信号VS及び補正後の映像信号SOUTに基づいて信号電極駆動回路44により発生された駆動電圧VOUTを液晶表示パネル26に供給するようになされる。
【0188】
液晶表示パネル26では補正後の現在フレームの映像信号SINの輝度階調レベルL2’に基づいて駆動される。例えば、ある輝度階調レベルL1iから、それより低い輝度階調レベルL2iに変化する場合に、液晶表示パネル26の応答時間が遅ければ、より映像データDINの輝度階調レベルを下げ、駆動電圧の変化を大きくするようになされる。液晶表示パネル26では動きの激しいNTSC方式の放送番組でも高精細に表示される。
【0189】
このようにして、本発明に係る応用例としての液晶テレビ300によれば、上述した第5の実施例に係る表示制御装置105が応用されるので、輝度階調レベルの変化時に1つ前のフレームの映像データDINと現在フレームの映像データDINとに基づいて輝度階調レベルが液晶表示パネル26上で最適となるように補正された補正後の映像データDOUTに置き換えることができる。
【0190】
また、CPU34等に映像データDINの輝度階調に関する演算負担をかけることなく、ROM33によって補正後の映像データDINを出力することができるので、液晶表示パネル26で動きの早い映像データDOUTに十分対処することが可能となる。従って、輝度変化の激しい映像データDOUTを信号電極駆動回路44に入力した場合でも、その輝度変化、すなわち、液晶が印加電圧に追従できずに映像の輪郭がぼけてしまうような現象を防止できる。
【0191】
この応用例では表示制御手段10に関して第5の実施例に係る表示制御装置105を使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、第1〜第4の実施例に係る表示制御装置101〜104及び第6の実施例に係る表示制御装置106を使用することもできる。
【0192】
これらの表示制御装置105、106で補正値ルックアップテーブルを使用することにより、さまざまな輝度階調レベルL2iの映像データDINの変化毎に補正値を読み出すことができ、過補正にならないように補正値Lriを微調整することも可能である。全ての輝度階調レベルL2iの変化において応答時間を高い精度で一定とすることができる。また、駆動電圧に対する表示応答速度が異なる液晶表示パネル26を使用した場合でも、ルックアップデータを入れ替えることにより容易に対応することができる。
【0193】
また、応用例では1つのルックアップテーブル用のROM33を表示制御手段10に備える場合について説明したが、これに限られることはなく、例えば、温度変化に対応するルックアップテーブル用の複数のROMを設けるようにしてもよい。このルックアップテーブルは温度変化に対応する補正値を予め当該フレームの輝度階調レベルの映像データに演算し、この演算後の温度依存性補正階調データを参照テーブル化したものである。
【0194】
表示制御手段10では使用環境温度に応じて温度依存性階調データの読出しを切り換えるようになされる。この温度依存性補正階調データで液晶表示パネル26を駆動すると、バックライト27の使用環境温度等による液晶の応答時間のばらつきを取り除いて一定にすることができる。
【0195】
上述した応用例では画像表示装置に関して液晶テレビ(LCDTV)の場合について説明したが、表示制御装置103〜104は同様にPALC、LCDPJなどにも適用することができ、プラズマディスプレイ(PDP)にも応用することができる。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る表示制御装置によれば、液晶表示パネルを駆動するための1つ前のフレームの映像信号と現在フレームの映像信号との差分を演算して検出されたノイズレベルと、予め設定された基準値とを比較し、比較結果に基づいて補正出力を制御する制御装置を備え、この制御装置は、ノイズレベルが基準値を越える場合は、補正前の映像信号を選択し、ノイズレベルが基準値に満たない場合は、輝度階調補正後の映像信号のいずれかを選択するようになされる。
【0197】
この構成によって、映像信号中のノイズレベルが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正前の映像信号をそのまま液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の液晶表示パネルの表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0198】
また、映像信号中のノイズレベルが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号を液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の液晶表示パネルの表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0199】
本発明に係る画像表示装置によれば、輝度階調に対応して表示応答速度が異なるマトリクス型の液晶表示パネルを有して、1フレーム毎に印加される駆動電圧に基づいて画像を表示する場合に、上述した表示制御装置が応用されるものである。
【0200】
この構成によって、映像信号中のノイズレベルが大きい場合やノイズ量が多い場合は補正前の映像信号をそのまま液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の液晶表示パネルの表示応答速度の遅れ性をフルに利用してノイズの影響を除くことができる。
【0201】
また、映像信号中のノイズレベルが小さい場合やノイズ量が少ない場合は補正後の映像信号を液晶表示パネルに出力することができ、輝度階調の急変時の液晶表示パネルの表示応答速度の遅れ性を改善することができる。
【0202】
この発明は輝度階調に対応して表示応答速度が異なる画像表示デバイスに対して1フレーム毎に映像信号を供給して画像表示をするPALC、LCDTV,LCDPJなどに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としての表示制御装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】ノイズ検出手段60の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態としての表示制御装置100の動作例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る第2の実施形態としての表示制御装置200の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る第1の実施例としての表示制御装置101を応用した画像表示装置201の構成例を示すブロック図である。
【図6】補正回路3における補正処理例を示す輝度階調レベルの図である。
【図7】本発明に係る第2の実施例としての表示制御装置102を応用した画像表示装置202の構成例を示すブロック図である。
【図8】記憶手段(ROM)2の参照テーブル内容例を示すイメージ図である。
【図9】画像表示装置202の動作例を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る第3の実施例としての表示制御装置103を応用した画像表示装置203の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る第4の実施例としての表示制御装置104を応用した画像表示装置204の構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る第5の実施例としての表示制御装置105を応用した画像表示装置205の構成例を示すブロック図である。
【図13】記憶手段8に格納される補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTの内容例を示すイメージ図である。
【図14】記憶手段8における補正後の輝度階調レベルL2i’の映像信号SOUTの読出し例を示すイメージ図である。
【図15】画像表示装置205の動作例を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る第6の実施例としての表示制御装置106を応用した画像表示装置206の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明に係る応用例としての液晶テレビ300の構成例を示すブロック図である。
【図18】補正後の輝度階調レベルL2i’の映像データDOUTに係るROM33の内容例を示すイメージ図である。
【図19】図18に示した映像データDOUTの補正値Lriを同等レベル毎に色分け表示したROM33の内容例のイメージ図である。
【図20】ROM33におけるL1i、L2i及びLriの関係例を示す3次元参照テーブルのイメージ図である。
【符号の説明】
1,4・・・第1の記憶手段、2,5,8,9・・・第2の記憶手段、3,6・・・補正回路、7・・・加算手段、10・・・表示制御手段、11・・・表示駆動手段、12・・・映像表示手段、32・・・フレームメモリ(第1の記憶手段)、33・・・ROM(第2の記憶手段)、34・・・CPU(制御装置)、50〜56・・・応答速度改善手段、60・・・ノイズ検出手段、70・・・制御装置、101〜106・・・表示制御装置(表示制御手段)、201〜206・・・画像表示装置、300・・・液晶テレビ(画像表示装置)

Claims (25)

  1. 液晶表示パネルを駆動するための1つ前のフレームの映像信号と現在フレームの映像信号との差分を演算してノイズレベルを検出するノイズ検出手段と、
    前記ノイズ検出手段により得られるノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データに基づいて当該映像信号の輝度階調を補正する補正手段と、
    前記ノイズ検出手段により検出されたノイズレベルと予め設定された基準値とを比較し、比較結果に基づいて前記補正手段の出力を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記ノイズレベルが基準値を越える場合は、補正前の前記映像信号を選択し、
    前記ノイズレベルが基準値に満たない場合は、輝度階調補正後の映像信号のいずれかを選択するように前記補正手段の出力を制御する表示制御装置。
  2. 前記映像信号の輝度階調を所定の補正量に対応して補正する場合であって、
    前記制御装置は、
    前記ノイズ検出手段により検出されたノイズレベルに基づいて前記補正量を可変設定する請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記補正手段は、
    前記液晶表示パネルに1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分を演算し、該差分に対応した補正値を現在フレームの映像信号の輝度階調に演算して出力する補正回路とを備える請求項1に記載の表示制御装置。
  4. 前記差分に対応した補正値を記憶する第2の記憶手段を備える請求項に記載の表示制御装置。
  5. 前記補正回路は、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの映像信号をそのまま出力し、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調の映像信号を出力し、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調の映像信号を出力する請求項に記載の表示制御装置。
  6. 前記補正手段は、
    前記液晶表示パネルを駆動するための1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調との差分を演算し、該差分に対応した補正値を現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に演算し、補正演算後の前記現在フレームの上位ビットの映像信号に補正演算前の現在フレームの下位ビットの映像信号を加算して出力する補正回路とを備える請求項1に記載の表示制御装置。
  7. 前記差分に対応した補正値を記憶する第2の記憶手段を備える請求項に記載の表示制御装置。
  8. 前記補正回路は、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号をそのまま出力し、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調上位ビットの映像信号を出力し、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調上位ビットの映像信号を出力する請求項に記載の表示制御装置。
  9. 前記補正手段は
    前記液晶表示パネルに1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調とをアドレスにして当該フレームの補正後の輝度階調の映像信号を出力する第2の記憶手段とを備える請求項1に記載の表示制御装置。
  10. 前記液晶表示パネルの表示応答速度に対応して予め補正値が求められる場合であって、
    前記第2の記憶手段には、
    前記第1の記憶手段に記憶される1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの映像信号をそのまま記憶するようになされ、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調の映像信号が記憶され、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調の映像信号が記憶される請求項に記載の表示制御装置。
  11. 前記補正手段は、
    前記液晶表示パネルに1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調とをアドレスにして当該フレームの補正後の輝度階調の映像信号を出力する第2の記憶手段と、
    前記補正後の現在フレームの上位ビットの映像信号に補正前の現在フレームの下位ビットの映像信号を加算する加算手段が備えられる請求項1に記載の表示制御装置。
  12. 前記液晶表示パネルの表示応答速度に対応して予め補正値が求められる場合であって、
    前記第2の記憶手段には、
    前記第1の記憶手段に記憶される1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号をそのまま記憶するようになされ、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調上位ビットの映像信号が記憶され、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調上位ビットの映像信号を記憶するようになされる請求項11に記載の表示制御装置。
  13. 1フレーム毎に印加される駆動電圧に基づいて画像を表示する液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルに印加電圧を供給する表示駆動手段と、
    前記表示駆動手段の入出力を制御する表示制御手段とを備え、
    前記表示制御手段は、
    前記液晶表示パネルを駆動するための1つ前のフレームの映像信号と現在フレームの映像信号との差分を演算してノイズレベルを検出するノイズ検出手段と、
    前記ノイズ検出手段により得られるノイズレベルに基づいて映像信号の輝度階調を補正し、又は、予め準備された映像信号に係る輝度階調データに基づいて当該映像信号の輝度階調を補正する補正手段と、
    前記ノイズ検出手段により検出されたノイズレベルと予め設定された基準値とを比較し、比較結果に基づいて前記補正手段の出力を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、
    前記ノイズレベルが基準値を越える場合は、補正前の前記映像信号を選択し、
    前記ノイズレベルが基準値に満たない場合は、輝度階調補正後の映像信号選択するように前記補正手段の出力を制御する画像表示装置。
  14. 前記補正手段が前記映像信号の輝度階調を所定の補正量に対応して補正する場合であって、
    前記制御装置は、前記ノイズ検出手段により検出されたノイズレベルに基づいて前記補正手段の補正量を可変設定する請求項13に記載の画像表示装置。
  15. 前記補正手段は、
    前記液晶表示パネルに1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分を演算し、該差分に対応した補正値を現在フレームの映像信号の輝度階調に演算して出力する補正回路を備える請求項13に記載の画像表示装置。
  16. 前記差分に対応した補正値を記憶する第2の記憶手段を備える請求項15に記載の画像表示装置。
  17. 前記補正回路は、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの映像信号をそのまま出力し、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調の映像信号を出力し、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調の映像信号を出力す請求項15に記載の画像表示装置。
  18. 前記補正手段は
    前記液晶表示パネルに1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調との差分を演算し、該差分に対応した補正値を現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に演算し、補正演算後の前記現在フレームの上位ビットの映像信号に補正演算前の現在フレームの下位ビットの映像信号を加算して出力する補正回路とを備える請求項13に記載の画像表示装置。
  19. 前記補正手段は
    前記差分に対応した補正値を記憶する第2の記憶手段を備える請求項18に記載の画像表示装置。
  20. 前記補正回路は、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号をそのまま出力し、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調上位ビットの映像信号を出力し、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調上位ビットの映像信号を出力する請求項18に記載の画像表示装置。
  21. 前記補正手段は、
    1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調とをアドレスにして当該フレームの補正後の輝度階調の映像信号を出力する第2の記憶手段とを備える請求項13に記載の画像表示装置。
  22. 前記表示素子の表示応答速度に対応して予め補正値が求められる場合であって、
    前記第2の記憶手段には、
    前記第1の記憶手段に記憶される1つ前のフレームの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの映像信号をそのまま記憶するようになされ、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調の映像信号が記憶され、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調の映像信号が記憶される請求項21に記載の画像表示装置。
  23. 前記補正手段は
    前記液晶表示パネルに1フレーム毎に入力される映像信号の輝度階調を補正する場合であって、
    少なくとも、現在フレームの1つ前のフレームの上位ビットの映像信号を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調とをアドレスにして当該フレームの補正後の輝度階調の映像信号を出力する第2の記憶手段と、
    前記補正後の現在フレームの上位ビットの映像信号に補正前の現在フレームの下位ビットの映像信号を加算する加算手段が備えられる請求項13に記載の画像表示装置。
  24. 前記表示素子の表示応答速度に対応して予め補正値が求められる場合であって、
    前記第2の記憶手段には、
    前記第1の記憶手段に記憶される1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調と現在フレームの映像信号の輝度階調との差分がほぼ零の場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号をそのまま記憶するようになされ、
    前記映像信号の特定の輝度階調範囲に関しては、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が低い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調から前記補正値を差し引いた更に低い輝度階調上位ビットの映像信号が記憶され、
    前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のフレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に比べて現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調が高い場合は、現在フレームの上位ビットの映像信号の輝度階調に補正値を加えた更に高い輝度階調上位ビットの映像信号を記憶するようになされる請求項23に記載の画像表示装置。
  25. 前記表示制御手段は、
    温度変化に対応する補正値を当該フレームの輝度階調の映像信号に演算した後の複数のルックアップテーブルを備え、使用環境温度に応じて温度依存性階調データの読出しを切り換えるようになされる請求項13に記載の画像表示装置。
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