JP4373128B2 - 階調補正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号の階調を補正する階調補正装置および階調補正方法ならびに映像信号処理装置および映像信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)、液晶表示装置(以下、LCDと呼ぶ)等のようにデジタル方式で階調表示を行う表示装置においては、限られた階調ダイナミックレンジを有効に活用して高コントラスト化を実現するために、映像信号の輝度分布の平滑化処理が行われている(例えば、特許文献1〜4参照)。このような輝度分布の平滑化処理では、画像をより鮮明に見せるためにコントラストが改善されたり、全体的に暗い画像がより明るく改善されたりしている。
【0003】
図20(a)は平滑化処理前の1フレームにおける輝度の度数分布の一例を示す図であり、図20(b)は従来の階調補正装置による平滑化処理後の1フレームにおける輝度の度数分布を示す図である。図20(a),(b)の横軸は輝度レベルを示し、縦軸は出現度数(以下、度数と略記する)を示す。
【0004】
図20(a)の例では、中間の輝度レベルで度数が高くなっている。平滑化処理によれば、図20(b)に示すように度数分布が輝度レベルの全範囲にわたって平滑化される。それにより、高コントラスト化が実現される。
【0005】
ところで、CRT(陰極線)では、入力される映像信号の電圧に対して表示される輝度レベルが非線形特性(ガンマ特性)を示す。そのため、CRTからなる表示装置にテレビ放送で伝送された映像信号を表示する映像システムでは、テレビカメラ側でガンマ特性の補正(ガンマ補正)を行うことにより、全体の映像システムにおける階調表示の直線性を実現している。
【0006】
一方、PDP、LCD等のようにCRTと階調の表示特性が異なるデジタル方式の表示装置によりテレビ放送で伝送された映像信号を表示する場合には、表示装置の側で逆にガンマ補正を行う必要がある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−040472号公報
【特許文献2】
特開平08−115417号公報
【特許文献3】
特開2002−165095号公報
【特許文献4】
特開2000−287104号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図21はデジタル方式の表示装置において行われるガンマ補正の補正曲線を示す図である。図21の横軸は入力輝度レベルを示し、縦軸は出力輝度レベルを示す。
【0009】
図21に示すように、ガンマ補正によれば、入力輝度レベルの低い領域で出力輝度レベルが圧縮され、入力輝度レベルの高い領域で出力輝度レベルが伸張される。それにより、輝度レベルの低い領域で階調数が減少し、階調不足が発生する。
【0010】
PDP、LCD等のデジタル方式の表示装置では、表示特性を補正するために、ガンマ補正等の非線形処理が行われた後に上記の平滑化処理が行われると、より一層の階調不足が発生する。
【0011】
また、平均輝度レベルが低い映像の輝度分布を高い輝度レベルまで十分に平滑化するためには、補正ゲインを高くする必要がある。しかし、平均輝度レベルが低い映像に対して高い補正ゲインで上記の平滑化処理を行うと、階調不足がより顕著になる。そのため、高いゲインで平滑化処理を行うことにより高いコントラストを得ることができない。
【0012】
本発明の目的は、非線形処理により階調不足が発生した映像信号についてさらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理により高コントラスト化を実現することができる階調補正装置および階調補正方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、非線形処理により階調不足が発生した映像信号についてさらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理により高コントラスト化を実現することができる映像信号処理装置および映像信号処理方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る階調補正装置は、輝度レベルの値を表す映像信号の階調補正を行う階調補正装置であって、所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報を生成する補正情報生成手段と、補正情報生成手段により生成された補正情報に基づいて所定範囲内の値を有する映像信号を補正する補正手段と、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正手段により補正された映像信号を選択的に出力し、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号を選択的に出力する選択手段とを備えたものである。
【0015】
第1の発明に係る階調補正装置においては、補正情報生成手段により所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報が生成され、補正情報に基づいて補正手段により所定範囲内の値を有する映像信号が補正される。また、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正された映像信号が選択手段により選択的に出力され、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号が選択手段により選択的に出力される。
【0016】
この場合、所定範囲を階調不足が発生していない輝度レベルの範囲に設定することにより、階調不足が発生している輝度レベルの範囲においては輝度分布の平滑化処理が行われず、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。それにより、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0017】
また、階調不足が発生している輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われないので、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高いゲインで輝度分布の平滑化処理を行うことが可能となる。それにより、高コントラストな映像を得ることが可能となる。
【0018】
階調補正装置は、所定範囲を設定する設定手段をさらに備えてもよい。
この場合、設定手段により所定範囲が設定される。それにより、階調不足が発生している輝度レベルの範囲に基づいて輝度分布の平滑化処理を行う所定範囲を設定することが可能となる。したがって、映像信号に応じてさらなる階調不足の発生を適切に抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0019】
設定手段は、所定範囲を設定値以上の範囲に設定してもよい。
この場合、輝度レベルの低い範囲においては輝度分布の平滑化処理が行われず、輝度レベルの高い範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。それにより、輝度レベルの低い範囲で階調不足が発生している場合に、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0020】
設定手段は、映像信号のフレームごとの平均輝度レベルに基づいて所定範囲を設定してもよい。
【0021】
この場合、映像信号のフレームごとの平均輝度レベルに基づいて所定範囲が設定される。それにより、映像の明るさに応じてさらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を効果的に行うことができる。
【0022】
映像信号のフレームごとの平均輝度レベルに基づいて補正情報生成手段により生成された補正情報による補正量を制御する補正量制御手段をさらに備えてもよい。
【0023】
この場合、映像信号のフレームごとの平均輝度レベルに基づいて補正情報による補正量が制御される。それにより、映像の明るさに応じて輝度分布の平滑化処理の補正量を制御することにより、さらなる階調不足の発生を十分に抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を効果的に行うことができる。
【0024】
補正情報生成手段は、フレームごとに所定範囲内で入力された映像信号の各値の出現度数の分布を検出する度数分布検出手段と、度数分布検出手段により検出された分布に基づいて所定範囲内で各値における補正量を補正情報として記憶する補正情報記憶手段とを含み、補正手段は、入力された映像信号の値に基づいて補正情報記憶手段から読み出された補正情報を用いて映像信号に関する演算を行う演算手段を含んでもよい。
【0025】
この場合、フレームごとに所定範囲内で入力された映像信号の各値の出現度数の分布が検出され、その分布に基づいて所定範囲内で各値における補正量が補正情報記憶手段に補正情報として記憶される。そして、入力された映像信号の値に基づいて補正情報記憶手段から読み出された補正情報を用いて映像信号に関する演算が行われる。それにより、所定範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。
【0026】
第2の発明に係る映像信号処理装置は、輝度レベルの値を表す映像信号を処理する映像信号処理装置であって、一部範囲で階調数が減少するように映像信号に非線形な処理を行う非線形処理回路と、非線形処理回路により得られた映像信号に階調補正を行う階調補正装置とを備え、階調補正装置は、一部範囲を除く所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報を生成する補正情報生成手段と、補正情報生成手段により生成された補正情報に基づいて所定範囲内の値を有する映像信号を補正する補正手段と、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正手段により補正された映像信号を選択的に出力し、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号を選択的に出力する選択手段とを備えたものである。
【0027】
第2の発明に係る映像信号処理装置においては、非線形処理回路により一部範囲で階調数が減少するように映像信号に非線形な処理が行われ、非線形処理回路により得られた映像信号に階調補正装置により階調補正が行われる。
【0028】
階調補正装置においては、補正情報生成手段により一部範囲を除く所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報が生成され、補正情報に基づいて補正手段により所定範囲内の値を有する映像信号が補正される。また、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正された映像信号が選択手段により選択的に出力され、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号が選択手段により選択的に出力される。
【0029】
この場合、非線形処理回路の非線形な処理により映像信号の一部範囲で階調数が減少し、階調不足が発生する。階調不足が発生している輝度レベルの範囲においては輝度分布の平滑化処理が行われず、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。それにより、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0030】
また、階調不足が発生している輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われないので、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高いゲインで輝度分布の平滑化処理を行うことが可能となる。それにより、高コントラストな映像を得ることが可能となる。
【0031】
第3の発明に係る階調補正方法は、輝度レベルの値を表す映像信号の階調補正を行う階調補正方法であって、所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報を生成するステップと、生成された補正情報に基づいて所定範囲内の値を有する映像信号を補正するステップと、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正された映像信号を選択的に出力し、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号を選択的に出力するステップとを備えたものである。
【0032】
第3の発明に係る階調補正方法においては、所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報が生成され、補正情報に基づいて所定範囲内の値を有する映像信号が補正される。また、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正された映像信号が選択的に出力され、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号が選択的に出力される。
【0033】
この場合、所定範囲を階調不足が発生していない輝度レベルの範囲に設定することにより、階調不足が発生している輝度レベルの範囲においては輝度分布の平滑化処理が行われず、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。それにより、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0034】
また、階調不足が発生している輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われないので、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高いゲインで輝度分布の平滑化処理を行うことが可能となる。それにより、高コントラストな映像を得ることが可能となる。
【0035】
第4の発明に係る映像信号処理方法は、輝度レベルの値を表す映像信号を処理する映像信号処理方法であって、一部範囲で階調数が減少するように映像信号に非線形な処理を行うステップと、一部範囲を除く所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報を生成するステップと、生成された補正情報に基づいて所定範囲内の値を有する映像信号を補正するステップと、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正された映像信号を選択的に出力し、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号を選択的に出力するステップとを備えたものである。
【0036】
第4の発明に係る映像信号処理方法においては、一部範囲で階調数が減少するように映像信号に非線形な処理が行われる。一部範囲を除く所定範囲内の値を有する映像信号を用いて輝度分布の平滑化処理のための補正情報が生成され、補正情報に基づいて所定範囲内の値を有する映像信号が補正される。また、入力された映像信号が所定範囲内の値を有する場合に補正された映像信号が選択的に出力され、入力された映像信号が所定範囲内の値を有さない場合に入力された映像信号が選択的に出力される。
【0037】
この場合、非線形な処理により映像信号の一部範囲で階調数が減少し、階調不足が発生する。階調不足が発生している輝度レベルの範囲においては輝度分布の平滑化処理が行われず、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。それにより、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0038】
また、階調不足が発生している輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われないので、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高いゲインで輝度分布の平滑化処理を行うことが可能となる。それにより、高コントラストな映像を得ることが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について図を用いて説明する。
【0040】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る階調補正装置を備えた映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【0041】
図1に示すように、映像信号処理装置は、非線形処理回路200および階調補正装置100を含む。非線形処理回路200には、映像信号Viが与えられる。
【0042】
本実施の形態では、非線形処理回路200は、ガンマ補正回路である。非線形処理回路200は、映像信号Viにガンマ補正を行い、ガンマ補正された映像信号VIを出力する。ここで、映像信号VIは、デジタル映像信号である。本実施の形態では、映像信号VIは輝度信号であり、映像信号VIの値は輝度レベル(階調)を表す。
【0043】
階調補正装置100は、輝度分布抽出回路10、切替回路11,14、階調補正変換テーブル作成回路12、比較回路13、減算回路21および加算回路22,23を含む。
【0044】
階調補正装置100の比較回路13、切替回路14および減算回路21には、ガンマ補正された映像信号VIが入力される。
【0045】
また、比較回路13、減算回路21および加算回路22には、後述する階調補正制限パラメータCPが与えられる。
【0046】
減算回路21は、映像信号VIから階調補正制限パラメータCPを減算し、映像信号VI2を生成する。また、減算回路21は、その映像信号VI2を輝度分布抽出回路10、切替回路11および加算回路22に与える。加算回路22は、与えられた映像信号VI2に階調補正制限パラメータCPを加算することにより映像信号VIを生成し、その映像信号VIを加算回路23に与える。
【0047】
輝度分布抽出回路10は、与えられた映像信号VI2から後述する輝度分布抽出処理を行い、正規化累積度数分布SSを作成して切替回路11に与える。
【0048】
切替回路11は、垂直有効走査期間に映像信号VI2を階調補正変換テーブル作成回路12に与え、垂直帰線期間に正規化累積度数分布SSを階調補正変換テーブル作成回路12に与える。ここで、垂直有効走査期間とは、1垂直走査期間のうち映像を表示する期間をいい、垂直帰線期間とは、1垂直帰線期間のうち電子ビームが垂直走査終了点から垂直走査開始点へ戻る期間をいう。
【0049】
階調補正変換テーブル作成回路12は、垂直帰線期間において正規化累積度数分布SSに基づいて平滑化処理のための階調補正変換テーブルを作成して記憶する。また、階調補正変換テーブル作成回路12は、垂直有効走査期間において映像信号VI2から階調補正変換テーブルを用いて補正量AMを生成し、その補正量AMを加算回路23に与える。
【0050】
加算回路23は、映像信号VIに補正量AMを加算して映像信号VI3を生成する。このようにして、映像信号VIに平滑化処理が行われる。加算回路23は、映像信号VI3を切替回路14に与える。
【0051】
比較回路13は、階調補正制限パラメータCPおよび映像信号VIを比較し、映像信号VIが階調補正制限パラメータCP以上か否かを示す判定信号JSを生成し、その判定信号JSを切替回路14に与える。
【0052】
切替回路14は、比較回路13より与えられる判定信号JSに基づいて、映像信号VIまたは映像信号VI3を映像信号Voとして出力する。
【0053】
具体的には、切替回路14は、映像信号VIが階調補正制限パラメータCPよりも小さい場合には、平滑化処理されていない映像信号VIをそのまま映像信号Voとして出力し、映像信号VIが階調補正制限パラメータCP以上の場合には平滑化処理により得られた映像信号VI3を映像信号Voとして出力する。
【0054】
次に、輝度分布抽出回路10の構成および動作について説明する。図2は図1の輝度分布抽出回路10の構成を示すブロック図である。
【0055】
図2に示す輝度分布抽出回路10は、アドレスデコーダ30、n個のカウンタ41 ,42 ,・・・,4n (以下、41 〜4n と略記する)、累積度数分布作成回路50、ゲイン制御回路60および正規化回路70を含む。ここで、nは輝度レベルの数(階調数)に相当する。例えば、映像信号VIが8ビットを有する場合にはnは256である。以下、理解を容易にするために、n=256とするが、階調数はこれに限定されず、任意の値に設定することができる。
【0056】
まず、アドレスデコーダ30に映像信号VI2が与えられる。アドレスデコーダ30は、映像信号VI2の値に応じてカウンタ41 〜4n のいずれかにパルスP1 〜Pn を与える。
【0057】
例えば、アドレスデコーダ30は、映像信号VI2の値が“0”の場合にカウンタ41 にパルスP1 を与え、映像信号VI2の値が“1”の場合にカウンタ42 にパルスP2 を与え、映像信号VI2の値がn−1の場合にカウンタ4n にパルスPn を与える。
【0058】
カウンタ41 〜4n は、それぞれパルスP1 〜Pn をカウントし、1フレーム毎の各輝度レベルの出現度数(以下、度数と略記する)H1 〜Hn を累積度数分布作成回路50に与える。累積度数分布作成回路50は、1フレーム毎の各輝度レベルの度数H1 〜Hn を累積することにより累積度数分布RDを生成し、その累積度数分布RDをゲイン制御回路60に与える。
【0059】
ゲイン制御回路60には、所定の補正ゲイン制限パラメータGPが与えられている。本実施の形態では、補正ゲイン制限パラメータGPの値は予め設定されている。ゲイン制御回路60は、補正ゲイン制限パラメータGPに基づいて累積度数分布作成回路50より与えられた累積度数分布RDにゲイン補正のための処理を行い、補正累積度数分布GRを正規化回路70に与える。ゲイン制御回路60の処理については後述する。
【0060】
正規化回路70は、与えられた補正累積度数分布GRの正規化処理を行い、正規化累積度数分布SSを出力する。
【0061】
ここで、図2の輝度分布抽出回路10の詳細な動作について例を用いて説明する。
【0062】
図3は1フレームにおける映像信号VIの度数分布の一例を示すヒストグラムであり、図4は1フレームにおいてカウンタ41 〜4n により得られる度数分布(H1 〜Hn )の一例を示すヒストグラムである。
【0063】
図3のX軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、Y軸は度数を示す。図4のX軸は減算後輝度レベル(映像信号VI2の値)を示し、Y軸はカウンタ41 〜4n により得られる度数を示す。本実施の形態では、入力輝度レベルは値“0”〜“255”を有する。
【0064】
図3の例では、入力輝度レベルが低い範囲aおよび高い範囲bにおいては、度数が0となっている。そのため、範囲a,bに、輝度分布を広げることにより平滑化処理を行うための裕度がある。
【0065】
また、図1の減算回路21において映像信号VIから階調補正制限パラメータCPが予め減算されているため、図4に示すように、カウンタ41 〜4n により得られる度数分布は、階調補正制限パラメータCPの値だけ負の方向にシフトしている。この階調補正制限パラメータCPの効果については後述する。
【0066】
累積度数分布作成回路50は、図4に示した各輝度レベルの度数を順に累積演算することにより累積度数を算出する。
【0067】
図5は累積度数分布作成回路50により作成される累積度数分布RDの一例を示す図である。図5のX軸は減算後輝度レベル(映像信号VI2の値)を示し、Y軸は累積度数を示す。
【0068】
また、累積度数分布作成回路50は、入力輝度レベルの度数の平均値、モード値、最小値、最大値、偏差係数、白面積、黒面積等の特徴量を検出し、検出した特徴量に基づいて正規化後の最大輝度レベル等の制御値を算出する。
【0069】
さらに、ゲイン制御回路60は、補正ゲイン制限パラメータGPに基づいてオフセットを生成する。
【0070】
図6はゲイン制御回路60により生成されるオフセットの一例を示す図である。図6のX軸は輝度レベルを示し、Y軸はオフセット値を示す。
【0071】
オフセットOFの一例を実線で示し、オフセットOFの他の例を破線で示す。ゲイン制御回路60は、補正ゲイン制限パラメータGPの値が小さい場合には、実線で示すようにオフセットOFの傾きを大きくし、補正ゲイン制限パラメータGPの値が大きい場合には、破線で示すようにオフセットOFの傾きを小さくする。
【0072】
ゲイン制御回路60は、補正ゲイン制限パラメータGPに基づいてゲイン補正のための以下の処理を行う。
【0073】
ゲイン制御回路60は、図5に示す累積度数分布RDに図6に示すオフセットOFを加算し、補正累積度数分布GRを生成する。
【0074】
図7はゲイン制御回路60により生成される補正累積度数分布GRの一例を示す図である。図7のX軸は減算後輝度レベルを示し、Y軸は累積度数を示す。
【0075】
オフセットOFの傾きが大きい場合の補正累積度数分布GRを実線で示し、オフセットOFの傾きが小さい場合の補正累積度数分布GRを破線で示す。図6に示すように、オフセットOFの傾きが大きいほど、補正累積度数分布GRの最大値が大きくなる。
【0076】
正規化回路70は、ゲイン制御回路60から与えられる補正累積度数分布GRを正規化し、正規化累積度数分布SSを作成する。具体的には、正規化回路70は、正規化累積度数分布SSの最大累積度数が累積度数分布作成回路50により得られた最大輝度レベルとなるように、補正累積度数分布GRの正規化演算を行う。
【0077】
図8は正規化回路70により作成される正規化累積度数分布SSの一例を示す図である。図8のX軸は減算後輝度レベルを示し、Y軸は正規化された度数を示す。
【0078】
図8において、図6のオフセットOFの傾きが大きい場合の正規化累積度数分布SSを実線で示し、図6のオフセットOFの傾きが小さい場合の正規化累積度数分布SSを破線で示す。また、Y=Xの一次関数で示されるランプ直線LPを一点鎖線で示す。
【0079】
図8に示すように、オフセットOFの傾きが大きい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPの値が小さい場合には、ランプ直線LPに対する正規化累積度数分布SSの変位量は小さくなり、オフセットOFの傾きが小さい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPの値が大きい場合には、ランプ直線LPに対する正規化累積度数分布SSの変位量は大きくなる。
【0080】
図1の階調補正変換テーブル作成回路12は、正規化回路70により得られた正規化累積度数分布SSからランプ直線LPを減算することにより、補正量AMを算出する。
【0081】
図9は階調補正変換テーブル作成回路12により算出された補正量AMの分布の一例を示す図である。図9のX軸は減算後輝度レベルを示し、Y軸は補正量AMを示す。
【0082】
図9において、図6のオフセットOFの傾きが大きい場合の補正量AMを実線で示し、図6のオフセットOFの傾きが小さい場合の補正量AMを破線で示す。
【0083】
図8に示すように、オフセットOFの傾きが大きい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPの値が小さい場合には、補正量AMは小さくなり、オフセットOFの傾きが小さい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPの値が大きい場合には、補正量AMは大きくなる。そのため、設定された補正ゲイン制限パラメータGPの値により補正ゲインが定まる。
【0084】
また、階調補正変換テーブル作成回路12は、ルックアップテーブル(LUT)メモリを有する。ルックアップテーブルメモリのアドレスに映像信号VI2を対応させ、そのアドレスに補正量AMがデータとして格納される。階調補正変換テーブル作成回路12は、垂直有効走査期間に切替回路11を介して与えられる映像信号VI2をアドレス信号として受け、ルックアップテーブルメモリの指定されたアドレスから補正量AMを読み出す。
【0085】
加算回路23は、階調補正変換テーブル作成回路12から読み出された補正量AMを加算回路22から与えられた映像信号VIに加算する。
【0086】
図10は加算回路23において映像信号VIに加算される補正量AMの一例を示す図である。図10のX軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、Y軸は補正量AMを示す。
【0087】
図10において、オフセットOFの傾きが大きい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPが小さい場合の補正量AMを実線で示し、オフセットOFの傾きが小さい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPが大きい場合の補正量AMを破線で示す。
【0088】
図10に示すように、入力輝度レベルが階調補正制限パラメータCPの値から255の範囲内で補正量AMが加算される。
【0089】
図11は図1の階調補正装置100により得られる補正曲線の一例を示す図である。図11の横軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、縦軸は出力輝度レベル(映像信号Voの値)を示す。
【0090】
図11において、オフセットOFの傾きが大きい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPが小さい場合の補正量AMを実線で示し、オフセットOFの傾きが小さい場合、すなわち補正ゲイン制限パラメータGPが大きい場合の補正量AMを破線で示す。
【0091】
図11に示すように、入力輝度レベルが0から階調補正制限パラメータCPの値の範囲内では平滑化処理が行われず、入力輝度レベルが階調補正制限パラメータCPの値から255の範囲で平滑化処理が行われる。
【0092】
図12は図1の階調補正装置100により得られる映像信号Voの度数分布の一例を示すヒストグラムである。図12のX軸は出力輝度レベル(映像信号Voの値)を示し、Y軸は度数を示す。
【0093】
図12に示すように、出力輝度レベルが階調補正制限パラメータCPの値から255の範囲で平滑化処理により映像信号Voの階調ダイナミックレンジが広がっている。
【0094】
次に、本実施の形態に係る階調補正装置100による効果について説明する。
図13(a)は図1の非線形処理回路200の補正曲線を示す図である。図13(a)の横軸は入力輝度レベル(映像信号Viの値)を示し、縦軸は出力輝度レベル(映像信号VIの値)を示す。
【0095】
図13(b)は非線形処理回路200により得られる映像信号VIの一例を示す図である。図13(b)の横軸は時間を示し、縦軸は輝度レベル(映像信号VIの値)を示す。
【0096】
図13(a)に示すように、ガンマ補正により、入力輝度レベルの低い領域で出力輝度レベルが圧縮されている。それにより、輝度レベルの低い領域で階調数が減少し、階調不足が生じる。
【0097】
図13(b)に示す映像信号VIでは、輝度レベル0〜Aの範囲において階調不足が生じている。
【0098】
図14(a)は図1の階調補正装置100により得られる補正曲線の一例を示す図である。図14(a)の横軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、縦軸は出力輝度レベル(映像信号Voの値)を示す。
【0099】
図14(b)は図13(b)の映像信号VIから図1の階調補正装置100により得られる映像信号Voを示す図である。図14(b)の横軸は時間を示し、縦軸は輝度レベル(映像信号Voの値)を示す。
【0100】
また、図15(a)は比較例の階調補正装置により得られる補正曲線の一例を示す図である。図15(a)の横軸は入力輝度レベルを示し、縦軸は出力輝度レベルを示す。比較例の階調補正装置では、階調補正制限パラメータCPの値が0であり、従来の階調補正装置に相当する。
【0101】
図15(b)は図13(b)の映像信号VIから比較例の階調補正装置により得られる映像信号を示す図である。図15(b)の横軸は時間を示し、縦軸は輝度レベルを示す。比較例の階調補正装置では、入力輝度レベルの全範囲において平滑化処理が行われる。
【0102】
比較例の階調補正装置では、図15(a)に示すように、入力輝度レベルの全範囲において平滑化処理が行われる。それにより、図15(b)に示すように、映像信号VIの輝度レベル0〜Aの範囲が映像信号Voにおいて0〜A+Bの範囲に伸長される。したがって、ガンマ補正により階調不足が生じている輝度レベルの低い領域で階調飛びが生じ、さらなる階調不足が発生する。
【0103】
これに対して、図1の階調補正装置100においては、図14(a)に示すように、入力輝度レベルが階調補正制限パラメータCPの値から255の範囲において平滑化処理が行われる。それにより、図14(b)に示すように、映像信号Viにおける輝度レベル0〜Aの範囲が映像信号VIにおいても維持される。したがって、ガンマ補正により階調不足が生じている輝度レベルの低い領域でさらなる階調不足が発生しない。
【0104】
また、ガンマ補正により階調不足が生じていない範囲では、輝度分布の平滑化処理によりコントラストが向上されている。
【0105】
上記のように、本実施の形態に係る階調補正装置100においては、前段の非線形処理回路200によるガンマ補正により階調不足が発生している映像信号VIについて階調不足が発生している輝度レベルの範囲において平滑化処理が行われず、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において平滑化処理が行われる。それにより、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ平滑化処理により高コントラスト化を実現することができる。
【0106】
また、階調不足が発生している輝度レベルの範囲において平滑化処理が行われないので、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高いゲインで平滑化処理を行うことが可能となる。それにより、高コントラストな映像を得ることが可能となる。
【0107】
なお、本実施の形態では、映像信号VIが輝度信号である場合を説明したが、映像信号VIは輝度信号に限定されず、原色信号(R信号、G信号およびB信号)であってもよい。
【0108】
また、非線形処理回路200は、ガンマ補正回路に限らず、非線形処理を行う他の回路であってもよい。
【0109】
さらに、本実施の形態では、平滑化処理を行わない範囲を輝度レベルの低い範囲に設定しているが、これに限定されず、前段の非線形処理回路200により階調不足が生じている輝度レベルの範囲に平滑化処理を行わない範囲を設定する。例えば、前段の非線形処理回路200により輝度レベルの高い範囲で階調不足が発生している場合には、平滑化処理を行わない範囲を輝度レベの高い範囲に設定する。
【0110】
本実施の形態においては、輝度分布抽出回路10および切替回路11が補正情報生成手段に相当し、階調補正変換テーブル作成回路12が補正手段および補正情報記憶手段に相当し、比較回路13および切替回路14が選択手段に相当し、減算回路21が設定手段に相当し、階調補正制限パラメータCPが設定値に相当し、補正ゲイン制限パラメータGPが補正量に相当し、ゲイン制御回路60が補正量制御手段に相当し、累積度数分布作成回路50が度数分布検出手段に相当し、加算回路23が演算手段に相当し、階調補正装置100が階調補正装置に相当し、非線形処理回路200が非線形処理回路に相当する。
【0111】
(第2の実施の形態)
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る階調補正装置を備えた映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【0112】
図16の映像信号処理装置が図1の映像信号処理装置と異なるのは、階調補正装置100aがゲイン制御回路15および加算回路24をさらに含む点である。
【0113】
ゲイン制御回路15には、平均輝度レベルAPLが与えられる。ここで、平均輝度レベルとは、1フレームにおける映像信号VIの輝度レベルの平均をいい、1画面の映像の全体的な明るさを表している。ゲイン制御回路15は、平均輝度レベルAPLに基づいて制御パラメータCP1を出力する。
【0114】
加算回路24には、階調補正制限パラメータCPおよびゲイン制御回路15から出力される制御パラメータCP1が与えられる。加算回路24は、階調補正制限パラメータCPおよび制御パラメータCP1を加算し、加算結果を階調補正制限パラメータCP0として比較回路13、減算回路21および加算回路22に与える。
【0115】
図16の階調補正装置100aの他の部分の構成は、図1の階調補正装置100の構成と同様である。
【0116】
ゲイン制御回路15は、平均輝度レベルAPLが低い場合には、制御パラメータCP1の値を小さくする。それにより、階調補正制限パラメータCP0の値が小さくなる。この場合、輝度分布の平滑化処理を行わない輝度レベルの範囲の上限が低くなる。すなわち、全体的に暗い映像の場合には、低い輝度レベルから高い輝度レベルまで広い範囲で平滑化処理が行われる。
【0117】
また、ゲイン制御回路15は、平均輝度レベルAPLが高い場合には、制御パラメータCP1の値を大きくする。それにより、階調補正制限パラメータCP0の値が大きくなる。この場合、輝度分布の平滑化処理を行わない輝度レベルの範囲の上限が高くなる。すなわち、全体的に明るい映像の場合には、高い輝度レベルの範囲で平滑化処理が行われる。
【0118】
図17(a)は1フレームにおける映像信号VIの度数分布の一例を示すヒストグラムである。図17(a)のX軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、Y軸は度数を示す。
【0119】
図17(a)の例では、入力輝度レベルの低い範囲に度数が分布している。それにより、平均輝度レベルが低くなっている。そのため、低い輝度レベルから高い輝度レベルの範囲で平滑化処理を行うことが好ましい。したがって、階調補正制限パラメータCP0が小さな値に設定される。
【0120】
図17(b)は平均輝度レベルAPLが低い場合に図16の階調補正装置100により得られる補正曲線入力輝度レベルと出力輝度レベルとの関係を示す図である。図17(b)の横軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、縦軸は出力輝度レベル(映像信号Voの値)を示す。
【0121】
図17(b)に示すように、平均輝度レベルAPLが低い場合には、階調補正制限パラメータCP0の値が小さくなり、低い輝度レベルから高い輝度レベルの範囲で平滑化処理が行われる。
【0122】
本実施の形態に係る階調補正装置100aにおいては、平均輝度レベルAPLに応じて階調補正制限パラメータCP0の値が制御される。それにより、平均輝度レベルAPLが低い場合に、低い輝度レベルから高い輝度レベルの範囲で平滑化処理が行われる。それにより、暗い映像の高コントラスト化が可能となる。また、平均輝度レベルAPLが高い場合に、高い輝度レベルの範囲で平滑化処理が行われる。それにより、全体的に明るい映像において暗い部分の階調不足の発生を抑制しつつ階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高コントラスト化を実現することが可能となる。
【0123】
第2の実施の形態においては、輝度分布抽出回路10および切替回路11が補正情報生成手段に相当し、階調補正変換テーブル作成回路12が補正手段および補正情報記憶手段に相当し、比較回路13および切替回路14が選択手段に相当し、ゲイン制御回路15,減算回路21,加算回路24が設定手段に相当し、階調補正制限パラメータCP0が設定値に相当し、補正ゲイン制限パラメータGPが補正量に相当し、ゲイン制御回路60が補正量制御手段に相当し、累積度数分布作成回路50が度数分布検出手段に相当し、加算回路23が演算手段に相当し、階調補正装置100aが階調補正装置に相当し、非線形処理回路200が非線形処理回路に相当する。
【0124】
(第3の実施の形態)
図18は、本発明の第3の実施の形態に係る階調補正装置を備えた映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【0125】
図18の映像信号処理装置が図16の映像信号処理装置と異なるのは、階調補正装置100bがゲイン制御回路16および加算回路25をさらに含む点である。
【0126】
ゲイン制御回路16には、平均輝度レベルAPLが与えられる。ゲイン制御回路16は、平均輝度レベルAPLに基づいて制御パラメータGP1を出力する。
【0127】
加算回路25には、補正ゲイン制限パラメータGPおよびゲイン制御回路16から出力される制御パラメータGP1が与えられる。加算回路25は、補正ゲイン制限パラメータGPおよび制御パラメータGP1を加算し、加算結果を補正ゲイン制限パラメータGP0としてゲイン制御回路60に与える。
【0128】
図18の階調補正装置100bの他の部分の構成は、図16の階調補正装置100aの構成と同様である。
【0129】
平均輝度レベルAPLが低い場合には、ゲイン制御回路15は、制御パラメータCP1の値を小さくする。それにより、階調補正制限パラメータCP0の値が小さくなる。また、ゲイン制御回路16は、補正ゲイン制限パラメータGP1の値を小さくする。それにより、補正ゲイン制限パラメータGP0の値が小さくなる。この場合、輝度分布の平滑化処理を行わない輝度レベルの範囲の上限が低くなるとともに、平滑化処理における補正ゲインが低くなる。すなわち、全体的に暗い映像の場合には、低い輝度レベルから高い輝度レベルまで広い範囲で低いゲインで平滑化処理が行われる。
【0130】
一方、平均輝度レベルAPLが高い場合には、ゲイン制御回路15は、制御パラメータCP1の値を大きくする。それにより、階調補正制限パラメータCP0の値が大きくなる。また、ゲイン制御回路16は、制御パラメータGP1の値を大きくする。それにより、補正ゲイン制限パラメータGP0の値が大きくなる。この場合、輝度分布の平滑化処理を行わない輝度レベルの範囲の上限が高くなるとともに、平滑化処理における補正ゲインが高くなる。すなわち、全体的に明るい映像の場合には、高い輝度レベルの範囲で高い補正ゲインで平滑化処理が行われる。
【0131】
図19(a)は1フレームにおける映像信号VIの度数分布の一例を示すヒストグラムである。図19(a)のX軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、Y軸は度数を示す。
【0132】
図19(a)の例では、入力輝度レベルの低い範囲に度数が分布している。それにより、平均輝度レベルが低くなっている。そのため、低い輝度レベルから高い輝度レベルの範囲で平滑化処理を行うことが好ましい。したがって、階調補正制限パラメータCP0が小さな値に設定される。
【0133】
図19(b)は平均輝度レベルAPLが低い場合に図18の階調補正装置100により得られる補正曲線入力輝度レベルと出力輝度レベルとの関係を示す図である。図19(b)の横軸は入力輝度レベル(映像信号VIの値)を示し、縦軸は出力輝度レベル(映像信号Voの値)を示す。
【0134】
図19(b)に示すように、平均輝度レベルAPLが低い場合には、階調補正制限パラメータCP0の値が小さくなり、かつ低い補正ゲインで低い輝度レベルから高い輝度レベルの範囲で平滑化処理が行われる。
【0135】
本実施の形態に係る階調補正装置100bにおいては、平均輝度レベルAPLに応じて階調補正制限パラメータCP0の値および補正ゲイン制限パラメータGP0の値が制御される。それにより、平均輝度レベルAPLが低い場合に、低い輝度レベルから高い輝度レベルの範囲で低い補正ゲインで平滑化処理が行われる。それにより、暗い映像の高コントラスト化が可能になるとともにさらなる階調不足の発生が抑制される。また、平均輝度レベルAPLが高い場合に、高い輝度レベルの範囲で高い補正ゲインで平滑化処理が行われる。それにより、全体的に明るい映像において暗い部分の階調不足の発生を抑制しつつ階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において十分な高コントラスト化を実現することが可能となる。
【0136】
第3の実施の形態においては、輝度分布抽出回路10および切替回路11が補正情報生成手段に相当し、階調補正変換テーブル作成回路12が補正手段および補正情報記憶手段に相当し、比較回路13および切替回路14が選択手段に相当し、ゲイン制御回路15,減算回路21,加算回路24が設定手段に相当し、階調補正制限パラメータCP0が設定値に相当し、補正ゲイン制限パラメータGP0が補正量に相当し、ゲイン制御回路16,加算回路25,ゲイン制御回路60が補正量制御手段に相当し、累積度数分布作成回路50が度数分布検出手段に相当し、加算回路23が演算手段に相当し、階調補正装置100bが階調補正装置に相当し、非線形処理回路200が非線形処理回路に相当する。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、所定範囲を階調不足が発生していない輝度レベルの範囲に設定することにより、階調不足が発生している輝度レベルの範囲においては輝度分布の平滑化処理が行われず、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われる。それにより、さらなる階調不足の発生を抑制しつつ輝度分布の平滑化処理による高コントラスト化を実現することができる。
【0138】
また、階調不足が発生している輝度レベルの範囲において輝度分布の平滑化処理が行われないので、階調不足が発生していない輝度レベルの範囲において高いゲインで輝度分布の平滑化処理を行うことが可能となる。それにより、高コントラストな映像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る階調補正装置を備えた映像信号処理装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の輝度分布抽出回路の構成を示すブロック図
【図3】1フレームにおける映像信号の度数分布の一例を示すヒストグラム
【図4】1フレームにおいてカウンタにより得られる度数分布の一例を示すヒストグラム
【図5】累積度数分布作成回路により作成される累積度数分布の一例を示す図
【図6】ゲイン制御回路により生成されるオフセットの一例を示す図
【図7】ゲイン制御回路により生成される補正累積度数分布の一例を示す図
【図8】正規化回路により作成される正規化累積度数分布の一例を示す図
【図9】階調補正変換テーブル作成回路により算出された補正量の分布の一例を示す図
【図10】加算回路において映像信号に加算される補正量の一例を示す図
【図11】図1の階調補正装置により得られる補正曲線の一例を示す図
【図12】図1の階調補正装置により得られる映像信号の度数分布の一例を示すヒストグラム
【図13】(a)は図1の非線形処理回路の補正曲線を示す図、(b)は非線形処理回路により得られる映像信号の一例を示す図
【図14】(a)は図1の階調補正装置により得られる補正曲線の一例を示す図、(b)は図13(b)の映像信号から図1の階調補正装置により得られる映像信号を示す図
【図15】(a)は比較例の階調補正装置により得られる補正曲線の一例を示す図、(b)は図13(b)の映像信号から比較例の階調補正装置により得られる映像信号を示す図
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る階調補正装置を備えた映像信号処理装置の構成を示すブロック図
【図17】(a)は1フレームにおける映像信号の度数分布の一例を示すヒストグラム、(b)は平均輝度レベルが低い場合に図16の階調補正装置により得られる補正曲線入力輝度レベルと出力輝度レベルとの関係を示す図
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る階調補正装置を備えた映像信号処理装置の構成を示すブロック図
【図19】(a)は1フレームにおける映像信号の度数分布の一例を示すヒストグラム、(b)は平均輝度レベルが低い場合に図18の階調補正装置により得られる補正曲線入力輝度レベルと出力輝度レベルとの関係を示す図
【図20】(a)は平滑化処理前の1フレームにおける輝度の度数分布の一例を示す図、(b)は従来の階調補正装置による平滑化処理後の1フレームにおける輝度の度数分布を示す図
【図21】デジタル方式の表示装置において行われるガンマ補正の補正曲線を示す図
【符号の説明】
1 〜4n カウンタ
10 輝度分布抽出回路
11,14 切替回路
12 階調補正変換テーブル作成回路
13 比較回路
100 階調補正装置
200 非線形処理回路
Vi,VI,VI2,VI3,Vo 映像信号
21 減算回路
22,23 加算回路
30 アドレスデコーダ
50 累積度数分布作成回路
60 ゲイン制御回路
70 正規化回路
AM 補正量
CP 階調補正制限パラメータ
GP 補正ゲイン制限パラメータ
GR 補正累積度数分布
1〜Hn 度数
JS 判定信号
1 〜Pn パルス
RD 累積度数分布
SS 正規化累積度数分布

Claims (5)

  1. 輝度レベルの値を表す映像信号の階調補正を行う階調補正装置であって、
    テレビカメラ側でのガンマ補正に対する逆補正を行い映像信号の入力輝度レベルが最小値から所定値までの領域で階調数を減少させ入力輝度レベルが前記所定値から最大値までの領域で階調数を増加させる非線形処理手段の出力が輝度レベルの階調不足が発生しない階調非不足範囲内の場合にのみ、前記非線形処理手段の出力についてフレームごとに各輝度レベルの出現度数の分布を検出する度数分布検出部と、前記度数分布検出部により検出された前記分布に基づいて前記階調非不足範囲内で各輝度レベルにおける補正量を輝度分布の平滑化処理のための補正情報として記憶する補正情報記憶部とを備え、前記非線形処理手段の出力の値に基づいて前記補正情報記憶部から読み出された前記補正情報を用いて前記非線形処理手段の出力を補正する補正手段と、
    前記非線形処理手段の出力が前記階調非不足範囲内の値を有する場合には前記補正手段により補正された映像信号を出力し、前記非線形処理手段の出力が輝度レベルの階調不足が発生する階調不足範囲内の場合には前記非線形処理手段の出力をそのまま出力する選択手段と
    を有する階調補正装置。
  2. 前記階調非不足範囲を設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の階調補正装置。
  3. 前記設定手段は、前記階調非不足範囲を設定値以上の範囲に設定することを特徴とする請求項2記載の階調補正装置。
  4. 前記設定手段は、前記非線形処理手段の出力が階調非不足範囲内の場合にはフレームごとの平均輝度レベルに基づいて前記階調非不足範囲を設定し、前記平均輝度レベルが小さいときは、前記階調非不足範囲を大きくし、前記平均輝度レベルが大きいときは、前記階調非不足範囲を小さくすることを特徴とする請求項2または3記載の階調補正装置。
  5. 前記非線形処理手段の出力が階調非不足範囲内の場合にはフレームごとに補正情報に対する補正量を前記平均輝度レベルが小さいときは前記補正量を小さくし、前記平均輝度レベルが大きいときは前記補正量を大きくする補正量制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の階調補正装置。
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