JP2008258925A - ガンマ補正回路及びガンマ補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シーンチェンジのような画像の瞬間的な変化に対しても画面がちらつくことがなく視聴者に不快感を与えることのない、かつより細かな明るさ制御が可能なガンマ補正回路及びガンマ補正方法を提供することである。
【解決手段】現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出する手段と、全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算する手段と、算出手段にて得られた全階調分の現在の変化量累積と、乗算手段にて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択する手段と、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下にリミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出する手段と、全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算する手段と、算出手段にて得られた全階調分の現在の変化量累積と、乗算手段にて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択する手段と、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下にリミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける手段とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、カラーテレビジョン受信機におけるガンマ補正回路及びガンマ補正方法に関するものである。
まず、従来のヒストグラムを用いたリアルタイムガンマ補正回路の概要を説明する。
入力映像の1画面での輝度分布ヒストグラム(横軸は輝度の階調値、縦軸は各階調ごとの画素数の度数)を取得する。続いて、取得したヒストグラムデータを、階調の低い方から順に累積加算してゆく。そうすることによりヒストグラム度数に応じた特性カーブが得られる。そして、この特性カーブを映像出力回路に供給し、輝度特性を補正する。これを毎垂直周期(1V)ごとに行うのがリアルタイムガンマ補正である。このようなヒストグラムデータを用いたガンマ補正を行うことによって、階調表現を良好にすることができる。
しかしながら、この従来技術においては、映像のヒストグラムが細かく変化するような画面(細かな間隔で映像が定期的に変化するような画面)で映像がちらつく(flickeringの意)不具合が発生する場合がある。
例えば、薄暗い風景映像において、画面の一部を明るい物が横切るような場合、階調(輝度)の高い画素数が増え、ヒストグラムデータとしては大きく変化する。よって、そのヒストグラムデータから得るガンマ補正用出力特性も大きく変化することになる。
しかし、実際の映像では、画面の一部分は変化しているものの、他の部分は変化していない状態である。このときガンマ補正は画面全体の輝度特性に一律に補正をかけるので、結果として映像状態の変化していない部分まで輝度補正特性が変化することになる。
輝度補正の先行技術としては、特許文献1〜3に示すようなものがある。
特許文献1では、映像信号の平均輝度レベルを求め、それを各種処理して画像の動き検出効果を得る内容となっている。しかしながら、平均的なレベルで処理するので、より細かな制御は不可能である。
特許文献1では、映像信号の平均輝度レベルを求め、それを各種処理して画像の動き検出効果を得る内容となっている。しかしながら、平均的なレベルで処理するので、より細かな制御は不可能である。
特許文献2は、画像データの明るさの分布状態を示すヒストグラムに基づいて階調補正データを変更するものであるが、撮影画像1枚についてその画像を補正しようとするものである。しかしながら、連続した画像の過渡応答性能、例えばシーンチェンジのような画像の瞬間的な変化に対する応答性能について何ら述べられていない。
特許文献3は、ヒストグラム分布からガンマ補正を決定する内容となっている。しかしながら、連続した画像の過渡応答性能、例えばシーンチェンジのような画像の瞬間的な変化に対する応答性能について何ら述べられていない。
特開2004−118424号公報
特開2006−050014号公報
特開平09−224174号公報
そこで、本発明は上記の問題に鑑み、連続した画像の過渡応答性能、例えばシーンチェンジのような画像の瞬間的な変化の応答(輝度補正)に対しても画面がちらつくことがなく視聴者に不快感を与えることのない、かつより細かな明るさ制御が可能なガンマ補正回路及びガンマ補正方法を提供することを目的とするものである。
本願発明の一態様によれば、入力映像の輝度分布ヒストグラムのデータを取得し、その取得したヒストグラムデータを、階調の低い方から順に累積加算することにより、ヒストグラム度数に応じたガンマ補正特性を得て、出力映像のリアルタイムガンマ補正を垂直周期ごとに行うガンマ補正回路であって、現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出する算出手段と、全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算する乗算手段と、前記算出手段にて得られた全階調分の現在の変化量累積と、前記乗算手段にて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択する選択手段と、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下に前記リミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける制限手段と、を具備したことを特徴とするガンマ補正回路が提供される。
本願発明の他の態様によれば、入力映像の階調分布ヒストグラムのデータを取得し、その取得したヒストグラムデータを、階調の低い方から順に累積加算することにより、ヒストグラム度数に応じたガンマ補正特性を得て、出力映像のリアルタイムガンマ補正を垂直周期ごとに行うガンマ補正方法であって、現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出する算出ステップと、全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算する乗算ステップと、前記算出ステップにて得られた全階調分の現在の変化量累積と、前記乗算ステップにて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択する選択ステップと、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下に前記リミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける制限ステップと、を具備したことを特徴とするガンマ補正方法が提供される。
本発明によれば、連続した画像の過渡応答性能、例えばシーンチェンジのような画像の瞬間的な変化の応答(輝度補正)に対しても画面がちらつくことがなく視聴者に不快感を与えることのない、かつより細かな明るさ制御が可能なガンマ補正回路及びガンマ補正方法を提供することができる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
先ず、従来技術について説明する。従来技術においては、映像のヒストグラムが細かく変化するような画面(細かな間隔で映像が定期的に変化するような画面)で映像がちらつく(flickeringの意)不具合が発生する場合がある。
先ず、従来技術について説明する。従来技術においては、映像のヒストグラムが細かく変化するような画面(細かな間隔で映像が定期的に変化するような画面)で映像がちらつく(flickeringの意)不具合が発生する場合がある。
例えば、薄暗い風景映像において、画面の一部を明るい物が横切るような場合、階調(輝度)の高い画素数が増え、ヒストグラムデータとしては大きく変化する。よって、そのヒストグラムデータから得るガンマ補正用出力特性も大きく変化することになる。
しかし、実際の映像では、画面の一部分は変化しているものの、他の部分は変化していない状態である。このときガンマ補正は画面全体の輝度特性に一律に補正をかけるので、結果として映像状態の変化していない部分まで輝度補正特性が変化することになる。
しかし、実際の映像では、画面の一部分は変化しているものの、他の部分は変化していない状態である。このときガンマ補正は画面全体の輝度特性に一律に補正をかけるので、結果として映像状態の変化していない部分まで輝度補正特性が変化することになる。
しかし、実際の映像では、画面の一部分は変化しているものの、他の部分は変化していない状態である。このときガンマ補正は画面全体の輝度特性に一律に補正をかけるので、結果として映像状態の変化していない部分まで輝度補正特性が変化することになる。
次に、これについて、図6〜図8を参照して説明する。
図6(a)〜(c)は時間経過に伴う入力映像の変化を示し、図7(a)〜(c)は図6(a)〜(c)に対応した映像ごとのヒストグラム分布、図8(a)〜(c)は各々の出力ガンマ補正特性である。図6(b)のように途中で画面の一部のみ変化した場合でも、図8(b)のように出力輝度補正のガンマ特性カーブは変化する。中央の映像の時点では、図8(b)のガンマ特性カーブにおいて点線の特性であったものが実線の特性になってしまう。すると、映像出力はこの図8(b)の実線の特性で補正されるので、実際の映像では変化の無い背景部分も輝度補正が変化してしまうことになる。画面が時間経過と共に図6(a),(b),(c)と変化すると、結果として背景部分がちらつく(flickering)不具合が発生し、視聴者に不快感を与える。
図6(a)〜(c)は時間経過に伴う入力映像の変化を示し、図7(a)〜(c)は図6(a)〜(c)に対応した映像ごとのヒストグラム分布、図8(a)〜(c)は各々の出力ガンマ補正特性である。図6(b)のように途中で画面の一部のみ変化した場合でも、図8(b)のように出力輝度補正のガンマ特性カーブは変化する。中央の映像の時点では、図8(b)のガンマ特性カーブにおいて点線の特性であったものが実線の特性になってしまう。すると、映像出力はこの図8(b)の実線の特性で補正されるので、実際の映像では変化の無い背景部分も輝度補正が変化してしまうことになる。画面が時間経過と共に図6(a),(b),(c)と変化すると、結果として背景部分がちらつく(flickering)不具合が発生し、視聴者に不快感を与える。
これに対して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態のガンマ補正回路が適用される、TV信号処理回路におけるTV制御LSIのブロック図を示している。図2はTV信号処理回路の全体構成のブロック図を示している。
図1は本発明の一実施形態のガンマ補正回路が適用される、TV信号処理回路におけるTV制御LSIのブロック図を示している。図2はTV信号処理回路の全体構成のブロック図を示している。
まず、図2のTV信号処理回路の全体構成から説明する。
図2のTV信号処理回路は、ガンマ補正回路を含むTV制御LSI10と、映像デバイスドライバ20と、モニタ30とを備えている。
TV制御LSI10は、入力デジタル信号としてMPEG2,MPEG4,H.264等の画像圧縮符号化されたコンポーネント信号(輝度信号Yと色差信号Cb,Cr)が供給され、輝度補正(ガンマ補正)を含むYCbCr処理を行うYCbCr処理部11と、ガンマ補正されたYCbCr信号を三原色信号であるRGB信号に変換するRGB処理を行うRGB処理部12とを備えている。本発明の一実施形態に係るガンマ補正回路は、TV制御LSI10内に含まれている。
図2のTV信号処理回路は、ガンマ補正回路を含むTV制御LSI10と、映像デバイスドライバ20と、モニタ30とを備えている。
TV制御LSI10は、入力デジタル信号としてMPEG2,MPEG4,H.264等の画像圧縮符号化されたコンポーネント信号(輝度信号Yと色差信号Cb,Cr)が供給され、輝度補正(ガンマ補正)を含むYCbCr処理を行うYCbCr処理部11と、ガンマ補正されたYCbCr信号を三原色信号であるRGB信号に変換するRGB処理を行うRGB処理部12とを備えている。本発明の一実施形態に係るガンマ補正回路は、TV制御LSI10内に含まれている。
映像デバイスドライバ20は、TV制御LSI10から出力されるRGB信号を入力し、後段のモニタ30へ表示用RGB信号を出力する。モニタ30としては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、陰極線管(CRT)等の表示装置が用いられる。
図1において、TV制御LSI10は、シーンチェンジなどの瞬間的な画面の変化の応答改善処理を含む輝度補正(ガンマ補正)を行うガンマ補正機能を有するYCbCr処理部11と、YCbCr信号をRGB信号へ変換処理するRGB変換部121を備えたRGB処理部12とを備えている。ここでは、YCbCr処理部11はガンマ補正機能を主として構成されているので、ガンマ補正回路と同等である。
YCbCr処理部11は、受信バッファ111と、ヒストグラム取得部112と、応答性改善処理部113と、補正データ作成部114と、輝度特性補正(ガンマ補正)部115と、を備えている。
受信バッファ111は映像データとして入力されたYCbCr信号を一時記憶する。
ヒストグラム取得部112は、受信バッファ111からのYCbCr信号の輝度信号(Y信号)より輝度分布としてヒストグラムデータを取得する。
受信バッファ111は映像データとして入力されたYCbCr信号を一時記憶する。
ヒストグラム取得部112は、受信バッファ111からのYCbCr信号の輝度信号(Y信号)より輝度分布としてヒストグラムデータを取得する。
応答性改善処理部113は、ヒストグラム取得部112からのヒストグラムデータを用いて、過去のヒストグラムデータと現在のヒストグラムデータの度数の変化量を算出し、過去の変化量と現在の変化量を比較し、変化量の大きい方を元に現在のガンマ補正データに広い制限範囲で制限をかけることにより、シーンチェンジなどの瞬間的な変化の応答性を良くし、その後の緩やかな変化或いは変化がない状態に対してはヒストグラムデータの変化量に減衰ゲインを乗算したものを元にガンマ補正データに狭い制限範囲で制限をかけることによって、安定なガンマ補正特性を得られるようにし、映像に対する実際のガンマ補正の過渡応答性能を制御する。
補正データ作成部114は、応答性改善処理部113からの制御を受けながら、ヒストグラムデータから輝度補正用のデータ(ガンマ補正データ)を作成する。
輝度特性補正(ガンマ補正)部115は、補正データ作成部114からの補正データを用いて受信バッファ111からの映像データの輝度信号(Y信号)特性を補正する。
輝度特性補正(ガンマ補正)部115は、補正データ作成部114からの補正データを用いて受信バッファ111からの映像データの輝度信号(Y信号)特性を補正する。
図3は図1における応答性改善処理部113の動作のフローチャートを示している。ここでは、1画面を構成する所定数の画素の各々の画素についての輝度の全ての階調値が例えば0〜255の256個あるとして説明する。また、前段のヒストグラム取得部112にて予め現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数が取得されているものとする。
現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出するに際して、まず、階調値0からスタートする(ステップS1)。
その階調値0において、1コマ前の過去の映像のヒストグラム度数から現在の映像のヒストグラム度数を減算する(ステップS2)。
その階調値0において、1コマ前の過去の映像のヒストグラム度数から現在の映像のヒストグラム度数を減算する(ステップS2)。
その減算結果が正か負かを判定し(ステップS3)、正であっても負であってもその減算結果を差分量(絶対量)として記憶する(ステップS4,S5)。
そして、両者の累積加算の和を求める(ステップS6)。
そして、両者の累積加算の和を求める(ステップS6)。
次に、全階調について過去と現在のヒストグラム度数の差分量の算出を完了したか否かを判定し(ステップS7)、完了していなければ、現在の階調値に1をプラスすることによって、次の階調値1へ進む制御を行って(ステップS8)、ステップS2へリターンする。その階調値1においても、ステップS2〜S7の動作を前述と同様と同様に行う。その後、同様にして階調値255までステップS2〜S7の動作を繰り返す。なお、ステップS6では、階調値0〜255までの各階調ごとの差分量の累積加算が行われ、全階調分の現在の変化量累積が算出される。
次に、ステップS6及びS7にて全階調値について過去と現在のヒストグラム度数の差分量の累積である全階調分の変化量累積の算出が完了すると、次の画像処理のステップS9以降へ進む。
ステップS9では、全階調分の既に過去となっている変化量累積に減衰係数を乗算する。減衰係数としては0〜1の間の値(例えば0.5)が用いられる。
ステップS9では、全階調分の既に過去となっている変化量累積に減衰係数を乗算する。減衰係数としては0〜1の間の値(例えば0.5)が用いられる。
そして、前述のステップS6にて得られた全階調分の現在の変化量累積と、ステップS9にて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し(ステップS10)、変化量累積の大きい方を、現在及び過去それぞれの変化量累積(これをリミット値とする)として保存する(ステップS11)。
次に、ステップS12以降へ進む。ステップS12以降では、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下に前記リミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける制限処理を行う。(なお、現在及び過去それぞれのガンマ補正特性は、YCbCr信号のY信号より図1のヒストグラム取得部112において輝度分布としてヒストグラムデータを取得し、その取得したヒストグラムデータを、階調の低い方から順に累積加算することにより、ヒストグラム度数に応じたガンマ補正特性を得ることができる。)
まず、階調値0からスタートし(ステップS12)、その階調値0において、1コマ前の過去のガンマ補正データから現在の変化量累積(リミット値)を減算し、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下の下側(減少側)の下限値を算出し(ステップS13)、1コマ前の過去のガンマ補正データに現在の変化量累積(リミット値)を加算し、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下の上側(増加側)の上限値を算出する(ステップS14)。そして、現在のガンマ補正値に、増加側,減少側の上限値,下限値で決まる制限範囲で制限をかける(ステップS15)。
まず、階調値0からスタートし(ステップS12)、その階調値0において、1コマ前の過去のガンマ補正データから現在の変化量累積(リミット値)を減算し、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下の下側(減少側)の下限値を算出し(ステップS13)、1コマ前の過去のガンマ補正データに現在の変化量累積(リミット値)を加算し、過去のガンマ補正特性の値を中心に上下の上側(増加側)の上限値を算出する(ステップS14)。そして、現在のガンマ補正値に、増加側,減少側の上限値,下限値で決まる制限範囲で制限をかける(ステップS15)。
次に、全階調について現在のガンマ補正値に、増加側,減少側の上下限値で決まる制限範囲で制限をかけるのを完了したか否かを判定し(ステップS16)、完了していなければ、現在の階調値に1をプラスすることによって、次の階調値1へ進む制御を行い(ステップS17)、ステップS13へリターンする。その階調値1においても、ステップS13〜S17の動作を前述と同様に行う。その後、同様にして階調値255までステップS2〜S7の動作を繰り返す。
そして、ステップS16にて全階調値について現在のガンマ補正値に、増加側,減少側の上下限値で決まる制限範囲で制限をかけるのを完了したことを判定したときに、終了となる。
そして、ステップS16にて全階調値について現在のガンマ補正値に、増加側,減少側の上下限値で決まる制限範囲で制限をかけるのを完了したことを判定したときに、終了となる。
図3の動作によれば、全階調分の現在の変化量累積と、全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として採用することにより、入力画像に画面単位(垂直周期単位)の瞬間的な変化(例えばシーンチェンジ)があったときは、瞬間的な変化に対しては制限範囲が広くなり、その結果、連続した画像の過渡応答性能、即ち画面の瞬間的な変化の応答(輝度補正)に対しても応答性を良好とすることがかできる。しかも、1コマ前の過去のヒストグラム度数の変化量の累積に減衰ゲインを乗算することにより、変化量の継続的変化に時定数的変化動作を持たせることができる。この時定数の度合いを最適化することにより、細かな間隔で定期的にヒストグラムが変化するような場合でも、変化量の継続的変化の度合いを抑制できる。そして、この抑制された変化量を元にガンマ補正データの変化量に制限をかけるので、結果として、ガンマ補正特性を安定化させることができる。
図4(a)〜(c)は本発明の実施形態におけるヒストグラム度数分布の推移例を表している。左から右へ1Vずつ時間の流れを示している。つまり、図4(a),(b),(c)は、図4(d)の現在の画面に対して、3画面前、2画面前、及び1画面前の度数分布の推移を示す。図4(a)の3画面前を基準に、図4(b),(c),(d)のヒストグラムにおける変化量の累積(図示の斜線部分)は、その都度1コマ前の過去と現在との各階調ごとの差分量を累積したものである。図4の下段には、減衰係数(ゲインと呼び、0〜1の間の数に設定される)を乗算しない場合とゲインを乗算した場合のそれぞれの変化量累積について、↑矢印で変化量累積の大きさを比較できるように表したものを示している。ゲインを乗算しない場合は左側の細い↑矢印で示した変化量累積となる。一方、ゲインを乗算した場合は、右側の太い↑矢印で示した変化量累積となり、ゲインを乗算したことにより実際の変化量累積(左側の細い矢印)に対し抑制されたものとなる。
図5(a),(b)は本発明の実施形態におけるガンマ補正データの制限特性を示している。図5(a)に示すリミット値については、図3で説明したように全階調分の現在の変化量累積と全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択したものである。1コマ前の過去のガンマ補正特性の値を中心に上下にそのリミット値を加減して制限範囲(制限幅)を算出し、図5(b)に示すようにその制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける。
換言すれば、図4で得られた変化量累積分で、図5(a)に示すようにガンマ補正特性の増加側/減少側の制限特性を作成する。このとき元にするのは過去のガンマ補正特性である。そして、図5(b)に示すように現在のガンマ補正特性がこの制限特性を越えないように制限をかける。そうすることにより、過去のガンマ補正特性を基準としてこれから過度な変化が生じた場合、変化量の累積として求めた制限範囲(制限幅)を越える変化は抑制される。
なお、以上述べた本発明の実施形態では、階調分布ヒストグラムが、入力映像をYCbCr信号とした場合のY信号についての輝度分布ヒストグラムを説明したが、本発明によるガンマ補正回路はこれに限定されことなく、階調分布ヒストグラムが、入力映像をRGB信号とした場合のR,G,B信号の少なくとも1つの信号についての明るさの分布ヒストグラムである場合にも適用することができる。つまり、図1に示したRGB処理部12におけるガンマ補正回路にも応用することができる。
以上述べた本発明の実施形態によれば、全階調分の現在の変化量累積と、全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として採用し、かつ全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算することにより、入力画像に垂直周期単位で瞬間的な変化(例えばシーンチェンジ)がありその後に緩やかな変化或いは変化がない状態となったときは、瞬間的な変化に対しては制限範囲が広くなり、その後の緩やかな変化或いは変化がない状態では制限範囲が垂直周期毎に狭くなっていき、安定なガンマ補正特性に至る。その結果、連続した画像の過渡応答性能、例えばシーンチェンジのような画像の瞬間的な変化の応答(輝度補正)に対しても画面がちらつくことがなく視聴者に不快感を与えることのない、かつより細かな明るさ制御が可能なガンマ補正回路を実現することができる。
11…YCbCr処理部(ガンマ補正回路)
12…RGB部
111…受信バッファ
112…ヒストグラム取得部
113…応答性改善処理部
114…補正データ作成部
115…輝度特性補正部(ガンマ補正部)
121…RGB変換部
12…RGB部
111…受信バッファ
112…ヒストグラム取得部
113…応答性改善処理部
114…補正データ作成部
115…輝度特性補正部(ガンマ補正部)
121…RGB変換部
Claims (5)
- 入力映像の階調分布ヒストグラムのデータを取得し、その取得したヒストグラムデータを、階調の低い方から順に累積加算することにより、ヒストグラム度数に応じたガンマ補正特性を得て、出力映像のリアルタイムガンマ補正を垂直周期ごとに行うガンマ補正回路であって、
現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出する算出手段と、
全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算する乗算手段と、
前記算出手段にて得られた全階調分の現在の変化量累積と、前記乗算手段にて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択する選択手段と、
過去のガンマ補正特性の値を中心に上下に前記リミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける制限手段と、
を具備したことを特徴とするガンマ補正回路。 - 前記入力画像に垂直周期単位で瞬間的な変化がありその後に緩やかな変化或いは変化がない状態となったときは、瞬間的な変化に対しては前記制限範囲が広くなり、その後の緩やかな変化或いは変化がない状態では前記制限範囲が垂直周期毎に狭くなっていき、安定なガンマ補正特性に至ることを特徴とする請求項1に記載のガンマ補正回路。
- 前記階調分布ヒストグラムは、入力映像をYCbCr信号とした場合のY信号についての明るさ分布ヒストグラムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガンマ補正回路。
- 前記階調分布ヒストグラムは、入力映像をRGB信号とした場合のR,G,B信号の少なくとも1つの信号についての明るさ分布ヒストグラムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガンマ補正回路。
- 入力映像の階調分布ヒストグラムのデータを取得し、その取得したヒストグラムデータを、階調の低い方から順に累積加算することにより、ヒストグラム度数に応じたガンマ補正特性を得て、出力映像のリアルタイムガンマ補正を垂直周期ごとに行うガンマ補正方法であって、
現在の映像の全階調についてのヒストグラム度数と、1コマ前の過去の映像の全階調についてのヒストグラム度数との、各階調ごとの差分量の累積である全階調分の現在の変化量累積を算出する算出ステップと、
全階調分の過去の変化量累積に減衰係数を乗算する乗算ステップと、
前記算出ステップにて得られた全階調分の現在の変化量累積と、前記乗算ステップにて得られた全階調分の過去の変化量累積とを比較し、変化量累積の大きい方をリミット値として選択する選択ステップと、
過去のガンマ補正特性の値を中心に上下に前記リミット値を加減して制限範囲を算出し、その制限範囲で現在のガンマ補正特性の値に制限をかける制限ステップと、
を具備したことを特徴とするガンマ補正方法。
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