JP4195597B2 - 換気具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、建物室内と外気とを連通する換気孔における外壁部分を構成する換気具に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
建物換気は、建物内外を連通する通気路(通気管やダクト)を形成し、自然換気や強制換気を行っている。特に換気路の外壁部分には、外気の進入を阻止するためにフードを設けている。
【0003】
このフードを取り付ける手段としては、フード体自体に管装着機構を付設した器具が知られている。即ち換気路(換気孔)に差し込む筒部材とフード部材又は必要に応じてガラリ部材を介在させて、全体を螺子止めなどで一体とし、筒部材を換気路内に差し込み、器具と外壁との接点にシリコン剤などによるシール処理を施している。
【0004】
前記のシール処理構造は、実開昭58−15133号公報、特開平7−260220号公報の従来例、特開平9−33082号公報に開示されているとおり、フード部材の外周面を直接外壁に接触させ、当該接触部分をシール処理しているものである。
【0005】
前記構成を採用すると、内部点検や内部補修が必要となった場合には、このシール部分を除去する必要があり、また再取付に際しては再度のシール処理が必要となる。
【0006】
また特開平6−323586号公報及び特開平7−260220号公報には、シール剤の露出を防止するために筒部材の外壁と当接するフランジ箇所をシールする構成も提案されている。しかし特に前者は、特殊な手段でシリコン剤の注入を行う構造で作業が繁雑であり、また後者は、シール部分を包み込む(カシメ連結でシール部分を抱き込む)構造で、フードの着脱が全く考慮されていない。
【0007】
更に特開2002−130757号公報には、換気孔の外壁周囲に、台形状の取付板を装着し、フード部材を着脱自在の構造とする構成が開示されている。この取付板と外壁の防水は防水パッキンを外装する事でシール処理を解消しているが、換気路(換気管)の外径の相違に対する対応の自由度が少ないし、部品の増加によって器具が高価になる。またパッキンに代えて取付板の外周にシリコン剤によるシール処理を施した場合には、フード体の装着連結箇所が取付板の側方となるので、誤ってフード体装着状態でシール処理を施すと、フード体部分も一緒にシール処理(フード体部分までシール剤で覆われる)されてしまい、フード体の取り外しができなくなる虞もある。
【0008】
そこで本発明は、フードの着脱が確実になされる構造とした換気具を提案したものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明に係る換気具は、室内外を連通する換気路における外壁側管路に差込装着できる筒部及び外壁と当接する鍔部を設けてなる取付板と、下方開口の覆いとなるフード体とで構成され、取付板は、鍔部端縁を筒部側に、折曲端縁が外周方向に拡幅する段差を有する二段に折曲形成すると共に、鍔部適宜箇所に、壁止め螺子の頭部埋め込み用凹部及びフード体装着用の螺孔を形成し、フード体は、前記取付板の鍔部の形状と対応して、前記折曲端縁の前方側段部を被覆し、且つ後方段部を露出させてなる形状に形成すると共に、壁止め螺子の頭部埋め込み用凹部を隠蔽し、螺孔と対応するビス孔を設けたフランジ部を備えてなることを特徴とするものである。
【0010】
従って取付板を外壁に取り付け、フード体は取付板にビスで装着されると共に、取付板の露出した折曲端縁と外壁間に樹脂剤によるシール処理を施すもので、フード体の着脱を任意に行うことができるもので、特に取付板の折曲端縁が段差を有する二段に形成され、フード体のフランジ部の端縁で前記折曲端縁の前方側段部を被覆し後方段部を露出させてなるもので、フード体を被冠装着することで容易に位置決めがなされ、フード体のビス連結作業が容易になる。
【0013】
またフード体のフランジ部が、壁止め螺子の頭部埋め込み用凹部を隠蔽してなるものであるから、取付板を外壁面に装着固定した後でなければフード体の装着ができないので、必ずフード体装着前にシール処理をしなければならない。従ってフード体の端縁部分がシール剤で覆われる虞がない。
【0015】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。実施形態に示した換気器具は、取付板1と、ガラリ板2と、フード体3とで構成される。
【0016】
取付板1は、換気管Aに装着される筒部11と筒部11の前端に設けた鍔部12とを備え、筒部11の外周には、切り起こし形成した保持爪13を設ける。鍔部12の端縁は、後方(筒部形成側)に折曲して段差を以て二段とした折曲端縁(上部折曲端縁14、下部折曲端縁15)に形成し、且つ適宜箇所に複数の壁止め螺子Bの頭部埋め込み用凹部16及びフード体連結用の螺孔17を設けてなる。また筒部11には必要に応じて開閉ダンパーを組み込んでも良い。
【0017】
ガラリ板2は、前面に適宜なガラリ部21を形成し、ガラリ部21を網板22で塞いでなり、縁部23は、前記取付板1の鍔部12及び上部折曲端縁14と対応する形状とし、更に螺孔17と対応するビス孔24を設けてなる。尚壁止め螺子Bの頭部埋め込み用凹部16は塞ぐようにしておく。
【0018】
フード体3は、下方に開口部31を設けた換気口の覆いとなるもので、外周のフランジ部32は、前記ガラリ板2の縁部23と対応させたものでビス孔24と対応するビス孔33を設けてなる。尚取付板1の折曲端縁段差は、前記のガラリ板2とフード体3の各端縁を重ね合わせた厚みに対応させると、器具全体の折曲端縁部分が一面状となる。
【0019】
而して前記器具の壁面の装着は、取付板1の筒部11を換気管Aに差し込み、下部折曲端縁15の端面を外壁面Cに当接させ、壁止め螺子Bで取付板1を外壁に固定する。
【0020】
次に下部折曲端縁15と外壁面Cとの間をシリコン樹脂などによるシール剤Dでシール処理を行う。そしてガラリ板2とフード体3とを重ね合わせて、ビス孔24,33からビスEを装着して器具全体を一体とするものである。
【0021】
従ってシール部分に関わりなくガラリ板2及びフード体3は、ビスEの脱着によって取外しが可能であり、点検補修が容易になされるものである。
【0022】
尚ガラリ板2の有無並びにその構造は任意であり、フード体3も、前記構成以外に開口部分にガラリを設けたり、網板を張着するなど任意に選択できるものである。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明は、外壁側管路に差込装着できる筒部及び外壁と当接する鍔部を設けてなる取付板と、下方開口の覆いとなるフード体とで構成され、取付板は鍔部端縁を筒部側に折曲すると共に、鍔部適宜箇所に、壁止め螺子の頭部埋め込み用凹部及び螺孔を形成し、フード体は、前記取付板の鍔部と対応し且つ取付板の折曲端縁を露出させるフランジ部を備えると共に、螺孔に対応するビス孔を設けてなる換気具で、取付板と外壁板の間のみに樹脂塗布によるシール処理ができ、シール処理の影響を受けることなくフード体の取り外しが可能となったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の各部材の全体斜視図。
【図2】同一部裁断した取付状態の説明図。
【図3】同シール状態の説明図で、(イ)は壁止め螺子箇所を示し(ロ)はビス止め箇所を示す。
【符号の説明】
1 取付板
11 筒部
12 鍔部
13 保持爪
14 上部折曲端縁
15 下部折曲端縁
16 凹部
17 螺孔
2 ガラリ板
21 ガラリ部
22 網板
23 縁部
24 ビス孔
3 フード体
31 開口部
32 フランジ部
33 ビス孔
A 換気管
B 壁止め螺子
C 外壁面
D シール剤
E ビス
Claims (2)
- 室内外を連通する換気路における外壁側管路に差込装着できる筒部及び外壁と当接する鍔部を設けてなる取付板と、下方開口の覆いとなるフード体とで構成され、取付板は、鍔部端縁を筒部側に、折曲端縁が外周方向に拡幅する段差を有する二段に折曲形成すると共に、鍔部適宜箇所に、壁止め螺子の頭部埋め込み用凹部及びフード体装着用の螺孔を形成し、フード体は、前記取付板の鍔部の形状と対応して、前記折曲端縁の前方側段部を被覆し、且つ後方段部を露出させてなる形状に形成すると共に、壁止め螺子の頭部埋め込み用凹部を隠蔽し、螺孔と対応するビス孔を設けたフランジ部を備えてなることを特徴とする換気具。
- 取付体とフード体との間に、網付きガラリ板を介装してなる請求項1記載の換気具。
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