JP4195596B2 - 換気管の管径調整部材及び換気構造 - Google Patents

換気管の管径調整部材及び換気構造 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建物室内と外気とを連通する換気装置における外壁部分の換気構造及び前記換気構造に使用する管径調整部材に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
建物換気は、建物内外を連通する通気路(通気管やダクト)を形成し、自然換気や強制換気を行っている。特に換気路の外壁部分には、外気の進入を阻止するためにフードを設けている。
【0003】
このフードを取り付ける手段としては、フード体自体に管装着機構を付設した一体タイプ(実開昭64−22934号、実開平4−103538号、特許第3135208号)と、外壁取付体とフード体の二部品で構成されているもの(実開昭62−141131号)が知られている。
【0004】
前者の一体型は、装着作業が容易であるが、製造コストが割高であり、換気管の外径の相違に対する対応や、フード形状の選択等の自由度が少ない。多品種とするとよりコストアップにつながる。
【0005】
後者の二部品タイプのものは、組み込み工事が前者よりも面倒であるが、構造が簡易で製造コストが安価で、部品の組み合わせによる選択が出来る利点がある。
【0006】
また特にこれらの外壁側の換気構造において、水滴流下による壁面に汚れが生じないように、下縁が壁面より前方に突出させてなる水樋構造も提案されている(実開平6−83860号)。
【0007】
ところで、近年換気路を構成する換気管に金属製フレキシブルチューブ(アルミ製蛇腹状管)が採用されている。このフレキシブルチューブは、その蛇腹形状は製造メーカーによって異なるために、同一呼び規格の換気管を採用しても、管径が若干異なる場合が多い。このためフード側の外壁取付体(外壁取付部)の挿通孔と換気管突出部との間に隙間ができ、別に外壁取付体(外壁取付部)と換気管とを連結固定しないと、換気管がガタツクことになる。しかし前記の連結固定作業の増加は、作業能率の低下を招くし、工事作業者にとって煩わしいものである。
【0008】
そこで本発明は、管径に若干の相違がある金属製フレキシブルチューブを換気管に採用しても、簡単にフード側と換気管の連結固定が容易になされる新規な部材と、この部材を使用した新規な換気構造を提案したものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明に係る換気管の管径調整部材は、室内外を連通する換気路における外壁側の端部に位置する換気管を、外壁より所定長さ突出させて設け、前記換気管の突出部分を挿通装着する挿通孔を備えると共に、上方及び側方を背面側に折曲した封止脚部を設け、封止脚部を外壁当接して固定される外壁取付板と、前記突出する換気口全体を覆うと共に下方部分を開口したフード体とを有するフードを装着してなる換気構造に使用するものであって、全体が樹脂で形成され、前記挿通孔と一致する外径を備えた調整筒部の一端側に、調整筒部より大径とし、且つ封止脚部の脚長より短く背面側に突出させたフランジ脚部を設け、他端側に、先端を窄めると共に筒軸方向に多数の切り込みを全周に形成して、直径方向の拡径に対しての弾力性を付与して換気管の抱持を可能とした抱持部を設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明に係る換気構造は、室内外を連通する換気路における外壁側の端部に位置する換気管を、外壁より所定長さ突出させて設け、前記突出部分に前記の管径調整部材を装着して使用することを特徴とするものである。
【0011】
而して管径調整部材は、換気管に外挿すると、抱持部で換気管を弾性保持することになり、管径調整部材の調整筒部をもってフード側との連結箇所とすることで、換気管の管径相違を調整できる。
【0012】
即ち換気管の外壁突出部分に調整部材を装着し、調整部材のフランジ脚部を外壁に着座させ、フード側の外壁取付板(外壁取付部)を調整部材の調整筒部に外嵌合して装着してフードと換気管の一体化を図る。
【0013】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。図3は、管径調整部材1の実施形態を示したもので、調整筒部11とフランジ脚部12と抱持部13とで構成され、部材全体は、樹脂(P.P)の一体成形で製出される。
【0014】
調整筒部11は、後述する外壁取付板2の挿通孔22に対応した外径を備えてなる。またフランジ脚部12は、前記調整筒部11より大径としたもので、フランジ部分とフランジ端縁から筒軸方向に延設した脚部分とで形成される。
【0015】
また抱持部13は、前記フランジ脚部12と反対側の調整筒部11の端縁に形成したもので、先端を小径となるように窄めると共に、筒軸方向に放射状に多数の切り込み14を入れ、直径方向に対しての弾力性を付与してなるものである。
【0016】
前記の管径調整部材1を使用した換気構造の実施形態について次に説明する。実施形態として示した換気構造は、換気管Aと、前記管径調整部材1と、外壁取付板2とフード体3とで構成される。
【0017】
換気管Aは、蛇腹状の金属製フレキシブルチューブで、室内外を連通する換気路における外壁側端部に配設したもので、外壁Bより所定長さだけ突出させて設けてなる。なお換気路には、開閉弁や開閉シャッターなの開閉機構や、通気ファン等の強制換気機構を付設しても良い。
【0018】
外壁取付板2は、薄金続板(ステンレス鋼板)をプレス加工することで容易に形成されるもので、本体板部21の中央に換気管の挿通孔22を設けると共に、前記挿通孔22の孔縁の約下半分程度を前方に突出させて前記換気管Aの周面に密着する形状の管受け部23に形成し、孔縁の上方適宜箇所に、挿通孔中心側に突出させた管抑え部24を形成してなる。
【0019】
この管抑え部24は、挿通孔22の管受け部23以外の範囲では換気管Aの外径より少し大きく形成し、この大径の範囲で中心方向に突出させて形成してなり、管抑え部24の両側部分には、切れ込み溝25を設けて管抑え部24に煽り弾性を備えさせてなる。
【0020】
また本体板部21の上方及び側方を背面に折曲して封止脚部26を設けると共に、下方に水樋部27を連設してなる。この水樋部27は、前記本体板部21より背後方向に封止脚部26と一致する位置まで後退させ、側縁及び下縁を前方側に跳ね上げてなる。
【0021】
更に本体板部21の適宜位置には、外壁Bに取付板2を固定する釘孔28及びフード体3を装着する螺孔29を設けてなる。
【0022】
フード体3は、従前のフード体と同様に、下方開口のドーム部31とドーム部周縁の連結部32と、ドーム部31の下方開口部分を設けたガラリ部33とを備えてなり、連結部32には、前記螺孔29位置に対応して螺子用透孔を設けてなる。
【0023】
而して外壁Bから突出した換気管Aを、管径調整部材1の調整筒部11に挿入するようにし、フランジ脚部12を外壁Bに当接させる。このとき抱持部13で換気管Aを弾性保持することになる。
【0024】
次に管径調整部材1の調整筒部11に外壁取付板2の挿通孔22を外嵌合して押入し、封止脚部26の端面及び水樋部27の背面を外壁Bに密着させ、木ネジや釘で固定する。そしてフード体3をビス34等で換気管Aの開口部分を覆うよう外壁取付板2に装着する。
【0025】
外壁取付板2の管径調整部材1への装着構造は、管抑え部24が僅かに撓むことによって、その撓みによる弾性反発力で調整筒部11を管抑え部24と管受け部23とで挟圧することになるので、外壁取付板2の装着時に、管径調整部材1の調整筒部11の下方外周面と管受け部23との密着構造を実現でき、しかも管抑え部24が煽られて撓むので、装着作業自体も容易に行える。
【0026】
そして前記したとおり管径調整部材1の抱持部13で換気管Aをしっかりと抱持するので、換気管Aの管径に多少の相違があったとしても、換気管Aをガタツカセルことなく、フード側と一体にできるものである。
【0027】
なお本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、管径調整部材1の抱持部13は全周に設けなくとも放射状に適宜間隔で配置しても良い。また換気管Aも金属製フレキシブルチューブに限定されるものではない。
【0028】
更に本発明は前記実施形態に示したフード側を二部品構成としたが、予め外壁取付板2とフード体3を一体に形成して、所定の外壁取付部及びフード部を備えた一部品タイプを採用しても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明は、所定の外径を備えた調整筒部の一端側に、調整筒部より大径のフランジ脚部を設け、他端側に、先端を窄めると共に筒軸方向に切り込みを入れ、直径方向に対しての弾力性を付与して換気管の抱持を可能とした抱持部を設けてなる管径調整部材であり、また室内外を連通する換気路における外壁側の端部に位置する換気管を、外壁より所定長さ突出させて設け、前記突出部分に前記の管径調整部材を装着し、前記管径調整部材の調整筒部外径に対応する挿通孔を備えた外壁取付部及び突出換気口全体を覆うフード部を有するフードを装着してなる換気構造で、換気管の外径に多少の相違があったとしても、管径調整部材を介在させることで、換気管とフード側とを容易に一体化することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の換気構造の実施形態の全体の断面図。
【図2】同一部裁断した全体の正面図。
【図3】本発明の管径調整部材の実施形態の全体図で(イ)は正面図(ロ)は縦断面図。
【図4】本発明の換気構造の実施形態の外壁取付板の全体図で(イ)は正面図(ロ)は縦断面図。
【符号の説明】
A 換気管
B 外壁
1 管径調整部材
11 調整筒部
12 フランジ脚部
13 抱持部
14 切り込み
2 外壁取付板
21 本体板部
22 挿通孔
23 管受け部
24 管抑え部
25 切れ込み溝
26 封止脚部
27 水樋部
28 釘孔
29 螺孔
3 フード体
31 ドーム部
32 連結部
33 ガラリ部
34 ビス

Claims (2)

  1. 室内外を連通する換気路における外壁側の端部に位置する換気管を、外壁より所定長さ突出させて設け、前記換気管の突出部分を挿通装着する挿通孔を備えると共に、上方及び側方を背面側に折曲した封止脚部を設け、封止脚部を外壁当接して固定される外壁取付板と、前記突出する換気口全体を覆うと共に下方部分を開口したフード体とを有するフードを装着してなる換気構造に使用するものであって、全体が樹脂で形成され、前記挿通孔と一致する外径を備えた調整筒部の一端側に、調整筒部より大径とし、且つ封止脚部の脚長より短く背面側に突出させたフランジ脚部を設け、他端側に、先端を窄めると共に筒軸方向に多数の切り込みを全周に形成して、直径方向の拡径に対しての弾力性を付与して換気管の抱持を可能とした抱持部を設けてなることを特徴とする換気管の管径調整部材。
  2. 室内外を連通する換気路における外壁側の端部に位置する換気管を、外壁より所定長さ突出させて設け、前記換気管の突出部分を挿通装着する挿通孔を備えると共に、上方及び側方を背面側に折曲した封止脚部を設け、封止脚部を外壁当接して固定される外壁取付板と、前記突出する換気口全体を覆うと共に下方部分を開口したフード体とを有するフードを装着してなる換気構造において、全体が樹脂で形成され、前記挿通孔と一致する外径を備えた調整筒部の一端側に、調整筒部より大径とし、且つ封止脚部の脚長より短く背面側に突出させたフランジ脚部を設け、他端側に、先端を窄めると共に筒軸方向に多数の切り込みを全周に形成して、直径方向の拡径に対しての弾力性を付与して換気管の抱持を可能とした抱持部を設けてなる管径調整部材を、前記の換気管の突出部分に装着して、管径調整部材の調整筒部を挿通孔に挿着してなることを特徴とする換気構造。
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