以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1及び図2は本発明の第1実施形態が適用された縦型弾球遊技機としてのパチンコ機1を示している。このパチンコ機1は、所定の外郭方形枠状に構成されて「遊技島」と呼ばれる設置用テーブルTB上にほぼ立設状態で据え付けられた外枠2の前側において、この外枠2の前側開口域に合わせた方形枠状に構成された前枠3が、互いの正面左側上下部に配設された上下ヒンジ4,5(図2参照)及び正面右側に設けられた施錠装置6を利用して開閉(片持ち横開き)自在に組み付けられた構成となっている。
前枠3の各部には遊技に必要な構成部材として、前枠3の前面領域に合わせた方形枠サイズの開閉自在な枠体からなるガラス扉7、このガラス扉7の下方に設けられた上球皿9及びこの上球皿9の下方を左右方向に延びた下球皿11が設けられている。前枠3内には方形枠状の収納枠13が設けられており、この収納枠13には遊技盤12が着脱(交換)可能に収容保持されている。また、ガラス扉7中央に形成された矩形状の開口部7aには、透明のガラス板14が取り付けられており、ガラス扉7が前枠3内に収容された閉扉状態では、遊技盤12の前面はガラス板14の裏面と対向する。
また、下球皿11の正面右方には遊技者が捻り操作する操作ハンドル24を有した打球発射操作装置20が設けられるとともに、下球皿11近傍の内部領域内には、操作ハンドル24の捻り操作角(捻り操作量)に応じた打力で遊技球を叩き、その遊技球を遊技盤12前面に設けられた遊技領域内に発射供給する打球発射機構30を備えている。更に、遊技盤12を保持する上記収納枠13の裏側には、賞球貯留用のタンクや制御基板、遊技球払い出し機構等のその他の構成部品を所定位置に保持する裏セット盤40(図1(B)及び図3参照)が収納枠13に対して開閉自在に取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤12の中央部には多数の遊技釘や風車のほか、図柄表示装置12a、入賞口12b等が備えられ、遊技領域の下部には大入賞口12c、入賞口12bや大入賞口12cに入らずに落下した遊技球を遊技盤12の裏面側に排出させるアウト口12d等が設けられている。また、遊技盤12の外縁部には打球発射機構30から発射された遊技球を遊技領域内に誘導する外レール15のほか、遊技領域内を落下した遊技球をアウト口12dに誘導する内レール16が設けられている。
図3に示すように、裏セット盤40には、窓口41aを取り囲むようにして賞球を払い出すための賞球装置や遊技球の処理経路が設けられている。すなわち、基枠体41の裏面側には、遊技球の貯留・供給を行うタンク部材42、タンク部材42の下部に緩い傾斜姿勢で取り付けられ、タンク部材42から供給された遊技球を流下させる過程で前後二列に整列させる整列樋部材43、整列樋部材43の偏向出口43aから供給された遊技球を受けて下方の賞球カセット45に導くとともに所定数量の遊技球を通路内に前後二列の整列状態で待機保持させる賞球待機通路44、賞球待機通路44に待機された遊技球を上部の受容口から受け入れ、所定の指令信号に基づいて下部の払出口から払い出す賞球カセット45、賞球カセット45から払い出された遊技球を上球皿9及び下球皿11に導く賞球払出経路46等が設けられている。
また、基枠体41の前面側には、窓口41aの下方に位置して遊技盤12の裏面側に排出されたアウト球、セーフ球及び賞球待機通路44の上部に設けられた球抜き機構(図示せず)によって賞球待機通路44から排出された抜き球等を集合させて流下させる集合経路が形成され、基枠体41の裏面側にはこの集合経路により集められた遊技球を基枠体41の下端部から遊技施設(ホール)側の回収バケット(図示せず)に排出させる回収球排出経路(図示せず)が形成されている。
裏セット盤40の裏面各部には、パチンコ機1の作動を統括的に制御するメイン基板51や、打球発射操作装置20からの操作信号を受けて打球発射機構30の作動を制御する発射装置制御基板52及び発射装置中継基板52a(図3には示さず)、メイン基板51からの制御信号に基づいて賞球カセット45に指令信号を出力し、賞球カセット45の作動を制御する球払出制御基板53、遊技展開状況に応じて効果照明や効果音の作動制御を行うランプ・音声制御基板54、これらの制御基板や各種電子機器等に電力を供給する電源基板55等の回路基板が着脱交換可能に取り付けられている。これら回路基板や電子機器は図示しないワイヤハーネスにより互いに接続されている。
図1及び図4に示すように、打球発射操作装置20は、前枠3の右下部から下皿11を前方(遊技者側)に貫通するように延びて設けられた筒状のハンドルホルダ21と、このハンドルホルダ21の前端部に取り付けられた円盤状のハンドルベース22と、このハンドルベース22の前面側に取り付けられた碗状のキャップ23と、これらハンドルベース22とキャップ23との間において捻り操作自在に設けられた上述の操作ハンドル24とから構成される。操作ハンドル24はリング状に形成されており、その外周部には遊技者による把持を容易にするための複数の凹凸部が設けられている。また、操作ハンドル24はハンドルベース22内に設けられた図示しない捻りコイルばねにより常時左回り方向(図4中に示す矢印A1方向)に付勢されており、遊技者は、遊技球の発射操作を行うときには、操作ハンドル24を上記捻りコイルばねの付勢力に抗して右回り方向(図4中に示す矢印A2方向)に捻り操作する。
打球発射機構30は図4に示すように、前枠3下部の裏面側に遊技盤12の盤面とほぼ平行な姿勢に取り付けられた矩形平板状の固定ベース31と、この固定ベース31に取り付けられ、固定ベース31の背面側を遊技盤12の盤面とほぼ平行な面内で揺動可能なように設けられた打球ハンマー32と、この打球ハンマー32を常時左回り方向(図4中に示す矢印B1方向)に付勢するリターンスプリング33と、打球ハンマー32と当接して打球ハンマー32の左回り方向への揺動範囲を制限するストッパ34と、リターンスプリング33の上記付勢力に抗して打球ハンマー32を右回り方向(図4中に示す矢印B2方向)に揺動付勢する発射装置駆動源(例えばロータリ形ソレノイド)35とから構成される。
図4に示すように、打球発射操作装置20のハンドルベース22には、操作ハンドル24に触れた人体の静電容量を検出することで遊技者が操作ハンドル24に触れているか否かを検知するリング状のタッチスイッチ26が設けられている。このタッチスイッチ26は遊技者が操作ハンドル24に触れているときにはこれを検出してオン信号を発射装置中継基板52aに出力する(図11参照)。操作ハンドル24は前述のように、ハンドルベース22内に設けられた捻りコイルばねにより常時左回り方向(図4中に示す矢印A1方向)に付勢されており、遊技者が操作ハンドル24をこの捻りコイルばねの付勢力に抗して右回り方向(図4中に示す矢印A2方向)に捻り操作したときには、操作ハンドル24からハンドルベース22側へ突出して延びて設けられた突出部材(図示せず)が回転し、これと嵌合したハンドルベース22内の操作軸25が操作ハンドル24と同じ捻り操作角だけ回転するようになっている。この操作軸25の回転角度はハンドルベース22内に設けられた可変抵抗器からなる発射強度ボリューム27(図4参照)により抵抗の大きさとして検出され、操作ハンドル24の捻り操作角情報(発射強度信号)として発射装置中継基板52aへ送られる(図11参照)。また、図4に示すように、ハンドルベース22の内部には外部から操作が可能な発射停止スイッチ28が設けられており、遊技者が指で押圧操作したときには発射停止信号が発射装置中継基板52aへ出力されるようになっている(図11参照)。
また、図4及び図5に示すように、打球ハンマー32の近傍に位置して上球皿9に取り付けられている球送り装置37と、この球送り装置37と対向する板状のレールベース38と、このレールベース38に保持されて斜めに延びた発射レール39とが設けられている。ここで、発射レール39は前枠3の下部スペース(後述する当て板9tの裏面側のスペース)にパチンコ機1の正面から見て右下方から左上方に向かって延びるように設けられており、その延長線上には前述の外レール15が配置されている(図2参照)。球送り装置37は、上球皿9に設けられた球貯留部9c(図1(B)及び図6参照)内から後述の球供給路10(図5及び図6参照)を移動してきた遊技球Bを打球発射機構30における所定の打球位置(発射レール39の下端部)へ誘導する球送り経路37a(図7参照)を有しており、球送り経路37aの下流側には発射レール39の下端部が位置している。
上述の球送り経路37a中には球送り弁37c(図4、図5及び図7参照)が介装されている。この球送り弁37cは揺動ピン37dにより図7の紙面面内まわり揺動自在に支持されており、球送りソレノイド37e(図4及び図5参照)に電流が供給されてこれが磁化されたときに、その吸引力により揺動ピン37dを中心に図7における反時計回り方向に揺動するようになっている。球送り弁37cが揺動すると、この球送り弁37cにより堰き止められていた球送り経路37a内の遊技球(図7中に示す遊技球B1参照)は球送り弁37cの下流側、すなわち打球発射機構30における所定の打球位置に供給される。このため、球送りソレノイド37eの磁化を一定時間おきに連続して行うことにより、打球発射機構30における打球位置への遊技球Bの供給を、1球ずつ、連続的に行うことが可能である。なお、球送りソレノイド37eへの電流の供給、すなわち球送りソレノイド37eの磁化は、図11に示すように、発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52から行われる。
図6及び図8に示すように、上球皿9はガラス扉7の下方において前枠3に対して開閉自在な横長の板部材からなる当て板9tと、この当て板9tに取り付けられた外装体9a及びこの外装体9aの内側に取り付けられた皿体9bとから構成されている。皿体9bの正面左上方部には遊技球Bを貯留する前述の球貯留部9cが設けられるとともに、この球貯留部9cからは打球発射機構30側に全体として斜めに(パチンコ機1の正面から見て左上から右下方向に)延びるように球供給路10が設けられている。
本パチンコ機1には、球貯留部9c内に貯留された遊技球Bが球詰まりすることなく球供給路10内に送られるようにするための球供給補助装置が設けられており、この球供給補助装置は、本実施形態では、皿体9bの裏面側に設けられた遊技球移動補助機構60から構成されている。そして、この遊技球移動補助機構60は、図6及び図8〜図10に示すように、左右に配置された駆動側ベルト車62及び従動側ベルト車63と、これら両ベルト車62,63の間に掛け渡された無端ベルト64とから構成されるベルトコンベヤ機構61及びこのベルトコンベヤ機構61を駆動するコンベヤ駆動モータ(電動モータ)65とからなっている。ここで、駆動側ベルト車62及び従動側ベルト車63は双方遊技盤12に対してほぼ平行な面内で回転するように取り付けられており、無端ベルト64の外表面には、無端ベルト64の進行方向に対して垂直な方向(図9では紙面に垂直な方向)に延びた溝からなる凹部64cが無端ベルト64の進行方向に一定間隔に多数並んで設けられている。なお、図8で示す二点鎖線で結ばれる部位同士は上球皿9の組み立て時に互いに結合される。
コンベヤ駆動モータ65は当て板9tに形成されたモータ取り付け孔9sに挿着されており、その回転軸65aには上記駆動側ベルト車62が取り付けられている。このため、前述の発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52からコンベヤ駆動モータ65の回転制御を行うことにより(図11参照)、ベルトコンベヤ機構61を作動(無端ベルト64を送り作動)させることが可能である。なお、ここでは駆動側ベルト車62はコンベヤ駆動モータ65の回転軸65aに直接取り付けられているが、駆動側ベルト車62はギヤを介してコンベヤ駆動モータ65により駆動される構成となっていてもよい。
図9に示すように、ベルトコンベヤ機構61を構成する無端ベルト64の上面64aはその最上流部が球貯留部9c内に位置しており、球貯留部9cの底面の一部からなり、打球発射機構30側に向かって斜めに延びて形成されている球供給斜面9dの下流側において、この球供給斜面9dと近接して設けられている。また、無端ベルト64の上面64aのうち、球貯留部9c外に(球貯留部9cの下流側に)位置した部分は上述の球供給路10を構成しており、球貯留部9c内の遊技球Bを移動させて打球発射機構30に供給する働きをする。遊技中、球貯留部9c内の遊技球Bはこの球供給路10を通って下方に移動し、皿体9bに形成されたエンド部9k(図10参照)に当たってパチンコ機1の奥側(当て板9t側。図10では紙面下方)に落下し、球流路37b(図9参照)から球送り経路37aを通って打球発射機構30の上記所定の打球位置へ移動する。
皿体9bの中央部には、遊技者から見て奥側(当て板9t側。図9では紙面手前側)に突出し、かつ左右方向に延びるようにベルト撓み防止部9eが設けられている。このベルト撓み防止部9eは無端ベルト64の内部に(駆動側ベルト車62と従動側ベルト車63との間に)入り込んでおり、無端ベルト64の上面64aがベルト撓み防止部9eの上面よりもやや上方に位置した状態となっている。このため、無端ベルト64上に多数の遊技球Bが乗って下方に撓んだ場合であっても、無端ベルト64の上面64aがベルト撓み防止部9eの上面に上方から接触するので、その下方撓みが過大となることはない。
図9に示すように、駆動側ベルト車62の回転軸(すなわちコンベヤ駆動モータ65の回転軸65a)よりも下流側の位置には、遊技球Bが整列した状態で球供給路10上を(ここでは無端ベルト64上を)移動できるようにするための整流器としての斜面部(球ならし庇9f)が形成されている。
図12はタッチスイッチ26のオンオフ状態と発射装置駆動源35、球送りソレノイド37e及びコンベヤ駆動モータ65のオンオフ状態の関係を示すタイミングチャートである。このチャートから分かるように、操作ハンドル24に遊技者が触れており、タッチスイッチ26からオン信号が出力されているときには(但し、発射停止スイッチ28から発射停止信号が出力されていないときに限る)、発射装置駆動源35は発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52を介して一定時間おきに回転制御される(オンオフされる)。
発射駆動源35が一定時間おきに回転制御されると、打球ハンマー32は一旦右回り方向(図4中に示す矢印B2方向)へ揺動した後、リターンスプリング33の付勢力を受けて左回り方向(図4中に示す矢印B1方向)に勢い良く揺動し、その後ストッパ34に当接して静止する動作を繰り返す。これにより打球ハンマー32は連続的な叩打動作を行う。なお、この際発射装置中継基板52aは、発射強度ボリューム27の抵抗値に応じて出力される上記発射強度信号(すなわち操作ハンドル24の捻り操作角の大きさ)に応じた振幅で打球ハンマー32を揺動作動させる制御を行う。
また、この叩打動作に合わせて発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52は、発射強度ボリューム27により検出される操作ハンドル24の捻り操作角に応じた時間間隔で球送りソレノイド37eを磁化する。これにより球送りソレノイド37eは打球ハンマー32の叩打間隔に合わせた一定時間おきに磁化(オンオフ)されることとなり、球送り弁37cは周期的に揺動作動して、球送り経路37a内に貯留されている(常時3個程度。図7参照)遊技球Bを1球ずつ発射レール39の下端部に送り出す。
これにより球送り経路37aを経た遊技球Bは1球ずつ、次々と発射レール39上に供給され、打球ハンマー32はこの発射レール39上に供給された遊技球Bを槌部32aにおいて叩打するので、遊技球Bは一定時間おきに、1球ずつ、次々と発射レール39上から外レール15を通って遊技領域内に送り込まれる。なお、図12において、球送りソレノイド37eのオンオフ動作により発射レール39上に供給された遊技球Bは、その直後に行われる発射装置駆動源35のオンオフ動作に対応する打球ハンマー32の駆動により叩打される。また、打球発射の基本1サイクル(打球1球分)は図中に示す区間Tに相当する。
このようにして遊技球Bは遊技領域内に送り込まれるが、打球発射機構30は遊技者が操作した操作ハンドル24の操作角度(捻り角度)に応じた強度で遊技球Bを遊技領域内に打ち出すので、遊技者は遊技盤12内のどの位置に打つかの狙いをつけて遊技球Bを打球することができる。そして、遊技の展開中に遊技領域内を落下する遊技球Bが入賞口12bに落入すると、入賞条件に応じた指令信号が球払出制御基板53から賞球カセット45に出力され、この指令信号を受けた賞球カセット45がタンク部材42から整列樋部材43及び賞球待機通路44を介して供給される遊技球Bを指令信号に基づいて賞球払出経路46に払い出し、この経路を通して上球皿9の球貯留部9c内に賞球(遊技球B)が与えられる。
遊技中、球供給斜面9dを転動移動してきた遊技球Bは無端ベルト64上に乗り移り、その後はそのまま凹部64a内に収まるのであるが(図9参照)、図11及び図12に示すように、遊技者が操作ハンドル24を操作し、タッチスイッチ26からオン信号が出ているときには、発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52は、無端ベルト64上の遊技球Bが打球発射機構30側に搬送移動される方向、すなわち無端ベルト64の上面64aが打球発射機構30側に進行する方向(これを順方向とする)にコンベヤ駆動モータ65を回転制御するので、無端ベルト64の凹部64a内の遊技球Bは、無端ベルト64上を等間隔に配置され、かつ凹部64aから斜め下方への付勢力を受けた状態で整然と打球発射機構30側へ搬送移動される。なお、無端ベルト64の両側部には皿体9bに形成された側壁SW1と当て板9tに形成された側壁SW2とが設けられているので(図10参照)、遊技球Bは無端ベルト64上から脱落することなく打球発射機構30側に運ばれる。
このように本第1実施形態に係るパチンコ機1では、無端ベルト64の上面64aが球貯留部9cと球供給路10とにわたるように設けられた(球供給路10の少なくとも一部を構成する無端ベルト64が球貯留部9c内に突出するように設けられた)ベルトコンベヤ機構61(遊技球移動補助機構60)を有しており、球貯留部9c内の遊技球Bは駆動されたベルトコンベヤ機構61から受ける付勢力により強制的に球供給路10内へ移動させられることになるので、球貯留部9cと球供給路10との境の部分(球ならし庇9fの下方部分)においても球詰まりが起きにくく、遊技者は快適に遊技を楽しむことができる。また、このような構成では、球供給路10内の遊技球Bを強制的に下方へ(打球発射機構30側へ)送り込むことができるので、球供給路10の傾きを小さくすることができ、上球皿9全体をコンパクトにして遊技盤の遊技領域を下側に広げることが可能となる。
また、この第1実施形態に係るパチンコ機では、図9に示すように、球抜き孔9hがベルトコンベヤ機構61の上流側端部と球供給斜面9dとの間に形成されており、この球抜き孔9hの下方からベルトコンベヤ機構61の下方を延びて球排出路9g(図8及び図9参照)が設けられている。この球排出路9gの下端部は遊技盤12の最下部に設けられた球排出口12e(図2参照)に開口しており、球排出路9g内を転動移動してきた遊技球Bは、球排出口12eから当て板9tに設けられた球抜き穴9uを経て下球皿11に至る。また、球抜き孔9hを開閉自在な位置には球抜きシャッター71が設けられており(詳細には、皿体9bに左右方向に延びて形成されたシャッター移動溝9i内を移動自在に設けられている)、図示しないスプリングにより通常は上記球抜き孔9hを閉じる位置に位置している(図9参照)。この状態では、球供給斜面9d上を転動移動してきた遊技球Bは球抜きシャッター71上を転がり、無端ベルト64上に乗った後、その凹部64c内に入り込む(図9参照)が、球抜きシャッター71が図9の右方に移動されて球抜き孔9hが開かれている状態では、球供給斜面9d上を転動移動してきた遊技球Bは球抜きシャッター71上に乗ることなく球抜き孔9hから下方に落下し、球排出路9g上を転がって下球皿11へ排出される(図13参照)。なお、図9に示すように、球供給斜面9dと球抜きシャッター71との間には段差Dが設けられており、上流側(ここでは球供給斜面9d側)から下流側(ここでは球抜きシャッター71側)へ作用する遊技球Bの押圧力を軽減して、安定した遊技球の流れを確保することができるようになっている。
すなわち、このパチンコ機1では、球抜きシャッター71は球貯留部9c内に位置しており、球抜き孔9hを閉じている状態においては球貯留部9c内から打球発射機構30側への遊技球Bの移動を許容する一方で、球抜き孔9hを開いている状態においては球貯留部9c内から転動移動してきた遊技球Bを球排出路9gに排出させる構成となっている。この球抜きシャッター71は、図14に示すように球抜きシャッター71から前方(遊技者側)に延びて設けられたシャッター開放レバー(球抜きレバー)72を遊技者から見て左方向(図14においては紙面左方、図9においては紙面右方)にスライド操作することにより、球抜きシャッター71を移動させて球抜き孔9hを開放することができる。なお、上記シャッター開放レバー72の先端部が外装体9aの外部に突出しないようにすることにより、遊技者が誤ってシャッター開放レバー72に触れて球を排出してしまうような事態を未然に防止することができる。
また、球抜きシャッター71の近傍位置にはシャッター開放スイッチ73(図11参照)が設けられており、球抜きシャッター71が球抜き孔9hを開放する位置に位置した状態において、発射装置中継基板52aにオン信号を出力するようになっている。そして、発射装置中継基板52aは、タッチスイッチ26からオフ信号が出力されており(すなわちタッチスイッチ26に遊技者が触れておらず)、かつシャッター開放スイッチ73からオン信号が出力されているときには、発射装置制御基板52に球排出指令信号を出力し、これを受けた発射装置制御基板52はコンベヤ駆動モータ65を上記順方向とは逆の方向(ベルトコンベヤ機構61が遊技球Bを球貯留部9c側へ搬送する方向)に回転させる制御を行う。これによりベルトコンベヤ機構61よりも上流側に位置する球供給斜面9dを転動移動してきた遊技球Bはもとより、無端ベルト64の凹部64c内に収まっていた遊技球Bも全て球抜き孔9hから球排出路9g内に排出される。
このように本第1実施形態に係るパチンコ機1では、上記ベルトコンベヤ機構61及びこれを順逆両方向に駆動するコンベヤ駆動モータ65と、球貯留部9c内に設けられた球抜き孔9hと連通して設けられた球排出路9gと、球抜き孔9hを開閉できるように設けられた球抜きシャッター71とを備え、球抜きシャッター71が球抜き孔9hを閉じている状態においては球貯留部9c内の遊技球Bが球抜きシャッター71上を転動移動して無端ベルト64上の凹部64c内へ入り込み、球抜きシャッター71が球抜き孔9hを開いている状態においては球貯留部9c内及び逆方向に駆動された(回転制御された)無端ベルト64上の凹部64c内に入り込んでいた遊技球Bが球排出路9gに排出される構成の球供給排出装置を備えている。そして、この球供給排出装置では、球抜き孔9hが球貯留部9c内に設けられており、球貯留部9c内の遊技球Bと球供給路10内の遊技球Bとを同時にこの球抜き孔9hから排出することができるので、遊技球Bの排出・回収をスピーディに(短時間で)行うことができる。また、コンベヤ駆動モータ65の逆回転速度を高くすれば、それだけ球供給路10内の遊技球Bの排出を迅速に行うことができるので、特に、急いで他の遊技機に移ろうとして球抜きを行った遊技者にとっては快適である。また、打球発射機構30の打球位置(発射レール39の下端部)に供給される直前の遊技球Bは無端ベルト64上に乗っており、しかもこの無端ベルト64上に乗っている遊技球Bはコンベヤ駆動モータ65を逆方向に回転制御することにより球抜き孔9hから下球皿11へ排出・回収することができるので、未発射の遊技球Bの全てを回収することが可能である。
次に、図15〜図17を用いて上記第1実施形態の変形例を示す。この第1実施形態の変形例では、図17に示すように、操作ハンドル24に遊技者が触れており、タッチスイッチ26からオン信号が出力されているときに(但し、発射停止スイッチ28から発射停止信号が出力されていないときに限る)、発射装置駆動源35が発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52から一定時間おきに回転制御される(オンオフされる)のは上述の第1実施形態の場合と同様であるが、打球ハンマー32の叩打動作に合わせて発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52は、発射強度ボリューム27により検出される操作ハンドル24の捻り操作角に応じた時間間隔でコンベヤ駆動モータ65を断続的に回転制御するようになっている。これにより無端ベルト64は打球ハンマー32の叩打間隔に合わせた一定時間おきに回転送り作動され、無端ベルト64上の遊技球Bは1球ずつ発射レール39の下端部に送り出されることとなる。なお、この第1実施形態の変形例における球送り装置37′は第1実施形態における球送り装置37のような球送り弁37c及び球送りソレノイド37eは備えておらず(図15参照)、球送り経路37aは、無端ベルト64上の各凹部64c内に入り込んだ状態で球貯留部9c側から搬送移動され、ベルトコンベヤ機構61の端部(図9では左側の端部)において無端ベルト64上から離脱落下した遊技球Bを打球発射機構30における打球位置(発射レール39の下端部)へ誘導する働きをする(図15参照)。
これにより球送り経路37aを経た遊技球Bは1球ずつ、次々と発射レール39上に供給され、打球ハンマー32はこの発射レール39上に供給された遊技球Bを槌部32aにおいて叩打するので、遊技球Bは一定時間おきに、1球ずつ、次々と発射レール39上から外レール15を通って遊技領域内に送り込まれる。なお、図17において、コンベヤ駆動モータ65のオンオフ動作により発射レール39上に供給された遊技球Bは、その直後に行われる発射装置駆動源35のオンオフ動作に対応する打球ハンマー32の駆動により叩打される。また、打球発射の基本1サイクル(打球1球分)は図中に示す区間Tに相当する。また、コンベヤ駆動モータ65のオン持続時間tの長さは、無端ベルト64上の(凹部64c内の)遊技球Bを1球ずつベルトコンベヤ機構61の端部から離脱落下させるに必要な無端ベルト64の送り量に対応して定められ、また、時間遅れΔtは、コンベヤ駆動モータ65のオンオフ動作により無端ベルト64上から離脱落下した遊技球Bが球送り経路37aを通って発射レール39の下端部へ移動するまでの間に要する時間に基づいて定められる。
このように第1実施形態の変形例では、ベルトコンベヤ機構61により搬送移動されて球送り装置37内の球送り経路37aを通った遊技球Bが、打球発射機構30の打球動作に合わせて所定の打球位置(前述のように発射レール39の下端部)へ供給されるように、打球発射機構30による遊技球Bの打球動作と、コンベヤ駆動モータ65による無端ベルト64の送り動作とが同期して行われるようになっている。なお、このような同期制御を行う同期制御手段は、本例では、発射装置中継基板52a、発射装置制御基板52、発射装置駆動源35及びコンベヤ駆動モータ65から構成される。
このような構成では、前述の第1実施形態の場合と同様に、球貯留部9cと球供給路10との境の部分(球ならし庇9fの下方部分)における球詰まりを解消する効果が得られるうえ、第1実施形態において必要であった球送り弁37c及び球送りソレノイド37eが不要となるので、構成が簡単になり、製造コストを低減させることができる。また、遊技球Bを無端ベルト64により搬送移動するため球貯留部9cから打球発射機構30へ至る球経路の傾斜を緩くすることができ、高さ方向の寸法を小さくすることができるので、上球皿9全体をコンパクトにして遊技盤の遊技領域を下側に広げることが可能である。
図18に示す無端ベルト264は上記無端ベルト64の別形態を示す例であり、駆動側ベルト車62及び従動側ベルト車63に掛け渡される部分であるベルト基部264aの外表面から多数の仕切り部264bが等間隔かつ垂直方向に延びて設けられた構成となっており、隣接する仕切り部264b同士の間に上記無端ベルト64における凹部64cと同等の機能を有する凹部264cが形成された構成となっている。このような構成の無端ベルト264を備えたパチンコ機においても、上述の無端ベルト64を備えたパチンコ機と同等の効果を得ることができる。なお、上記無端ベルト264の仕切り部264bは可撓性を有していることが好ましく、このような構成とすることにより、凹部264c内への遊技球Bの導入及び凹部264c内からの遊技球Bの排出が大変スムーズに行われるようになる。
図19〜図22は第2実施形態に係るパチンコ機における本発明の要部構成を示しており、前述の第1実施形態における構成部品と同じ構成部品又は同じ機能を有する構成部品には同じ符号を付している(球送り装置37は第1実施形態と同様の構成)。この第2実施形態に係るパチンコ機においても、球貯留部9c内に貯留された遊技球Bが球詰まりすることなく球供給路10内に送られるようにするための球供給補助装置が設けられており、この球供給補助装置は、本実施形態では、皿体9bの裏面側に設けられた遊技球移動補助機構360から構成されている。そして、この遊技球移動補助装置360は、皿体9bの裏面側において軸まわりに回転自在に支持されて外表面上に軸方向に延びる螺旋歯362を有した螺旋歯付き軸部材361と、この螺旋歯付き軸部材361を駆動する軸部材駆動モータ(電動モータ)365とからなっている。螺旋歯付き軸部材361は、図21に示すように、その外周面上に形成された螺旋歯362の間に形成される(螺旋歯362により仕切られて形成される)多数の凹部363を有しており、両端に設けられた非支承部361a,361bが皿体9bの裏面側に設けられた軸部材支承部309m,309nにおいて支承されている。なお、図20で示す二点鎖線で結ばれる部位同士は上球皿9の組み立て時に互いに結合される。
軸部材駆動モータ365は皿体9bに固定されており、その回転軸には螺旋歯付き軸部材361の一方側の端部(非支承部361a)が取り付けられている。このため前述の発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52から軸部材駆動モータ365の回転制御を行うことにより(図23参照)、螺旋歯付き軸部材361を回転作動させることが可能である。
図19及び図21に示すように、螺旋歯付き軸部材361はその最上流部が球貯留部9c内に位置しており、球貯留部9cの底面の一部からなり、打球発射機構30側に向かって斜めに延びて形成されている球供給斜面9dの下流側において、この球供給斜面9dと近接して設けられている。また、螺旋歯付き軸部材361のうち、球貯留部9c外に(球貯留部9cの下流側に)位置した部分は上述の球供給路10を構成しており、球貯留部9c内の遊技球Bを移動させて打球発射機構30に供給する働きをする。遊技中、球貯留部9c内の遊技球Bはこの球供給路10を通って下方に移動し、皿体9bに形成されたエンド部9k(図22参照)に当たってパチンコ機1の奥側(当て板9t側。図22では紙面下方)に落下し、球流路37b(図21参照)から球送り経路37aを通って打球発射機構30の上記所定の打球位置へ移動する。なお、この第2実施形態における球ならし庇9fは、図20及び図21に示すように、螺旋歯付き軸部材361の上流側端部(図21では紙面右端部)よりも下流側の位置に設けられている。
ここで遊技中、球供給斜面9dを転動移動してきた遊技球Bは螺旋歯付き軸部材361上に乗り移り、その後はそのまま凹部363内に収まるのであるが、図23及び図24に示すように、遊技者が操作ハンドル24を操作し、タッチスイッチ26からオン信号が出ているときには、発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52は、螺旋歯付き軸部材361上の遊技球Bが打球発射機構30側に搬送される方向、すなわち螺旋歯付き軸部材361の螺旋歯362が打球発射機構30側に進行する方向(これを順方向とする)に軸部材駆動モータ365を回転制御するので、螺旋歯付き軸部材361上の凹部363内の遊技球Bは、螺旋歯付き軸部材361上を等間隔に配置され、かつ凹部363から(螺旋歯362)から斜め下方への付勢力を受けた状態で整然と打球発射機構30側に搬送移動される。ここで、螺旋歯付き軸部材361の両側部には皿体9bにより形成された側壁SW1と当て板9tにより形成された側壁SW2とが設けられているので(図22参照)、凹部363内の遊技球Bは螺旋歯付き軸部材361上から脱落することなく打球発射機構30側に運ばれる。
このように本第2実施形態に係るパチンコ機では、球貯留部9cと球供給路10とにわたるように設けられた(球供給路10の少なくとも一部を構成するとともに球貯留部9c内に突出するように設けられた)螺旋歯付き軸部材361及びこれを回転駆動する軸部材駆動モータ365からなり、球貯留部9c内に貯留された遊技球Bに球供給路10内へ向かう方向の付勢力を与える遊技球移動補助機構360が設けられている。そして、球貯留部9c内の遊技球Bは駆動された螺旋歯付き軸部材361(遊技球移動補助機構360)から受ける付勢力により強制的に球供給路10内へ移動させられることになるので、球貯留部9cと球供給路10との境の部分(球ならし庇9fの下方部分)においても球詰まりが起きにくく、上述の第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。また、このような構成では、球供給路10内の遊技球Bを強制的に下方へ(打球発射機構30側へ)送り込むことができるので、球供給路10の傾きを小さくすることができ、上球皿9全体をコンパクトにして遊技盤の遊技領域を下側に広げることが可能となるのも上述の第1実施形態の場合と同様である。
また、この第2実施形態に係るパチンコ機では、図21に示すように、球抜き孔309hが螺旋歯付き軸部材361の上流側端部と球供給斜面9dとの間に形成されており、この球抜き孔309hの下方から螺旋歯付き軸部材361の下方を延びて球排出路309g(図20及び図21参照)が設けられている。この球排出路309gの下端部は遊技盤12の最下部に設けられた球排出口12eに開口しており、球排出路309g内を転動移動してきた遊技球Bは、球排出口12eから当て板9tに設けられた球抜き穴9uを経て下球皿11に至る。また、球抜き孔309hを開閉自在な位置には球抜きシャッター371が設けられており(詳細には、皿体9bに左右方向に延びて形成されたシャッター移動溝309i内を移動自在に設けられている)、図示しないスプリングにより通常は上記球抜き孔309hを閉じる位置に位置している(図21参照)。この状態では、球供給斜面9d上を転動移動してきた遊技球Bは球抜きシャッター371上を転がり、螺旋歯付き軸部材361上に乗った後、その凹部363内に入り込む(図21参照)が、球抜きシャッター371が図21の右方に移動されて球抜き孔309hが開かれている状態では、球供給斜面9d上を転動移動してきた遊技球Bは球抜きシャッター371上に乗ることなく球抜き孔309hから下方に落下し、球排出路309g上を転がって下球皿11へ排出される。なお、図21に示すように、球供給斜面9dと球抜きシャッター371との間には段差Dが設けられており、上流側(ここでは球供給斜面9d側)から下流側(ここでは球抜きシャッター371側)へ作用する遊技球Bの押圧力を軽減して、安定した遊技球の流れを確保することができるようになっているのは、前述した第1実施形態の場合と同様である。
すなわち、この第2実施形態では、球抜きシャッター371は球貯留部9c内に位置しており、球抜き孔309hを閉じている状態においては球貯留部9c内から打球発射機構30側への遊技球Bの移動を許容する一方で、球抜き孔309hを開いている状態においては球貯留部9c内から転動移動してきた遊技球Bを球排出路309gに排出させる構成となっている。この球抜きシャッター371は、球抜きシャッター371から前方(遊技者側)に延びて設けられたシャッター開放レバー(球抜きレバー)372(図21参照)を遊技者から見て左方向(図21においては紙面右方)にスライド操作することにより、球抜きシャッター371を移動させて球抜き孔309hを開放することができる。なお、上記シャッター開放レバー372の先端部が外装体9aの外部に突出しないようにすることにより、遊技者が誤ってシャッター開放レバー372に触れて球を排出してしまうような事態を未然に防止することができるのは、前述の第1実施形態の場合と同様である。
また、球抜きシャッター371の近傍位置にはシャッター開放スイッチ373(図23参照)が設けられており、球抜きシャッター371が球抜き孔309hを開放する位置に位置した状態において、発射装置中継基板52aにオン信号を出力するようになっている。そして、発射装置中継基板52aは、タッチスイッチ26からオフ信号が出力されており(すなわちタッチスイッチ26に遊技者が触れておらず)、かつシャッター開放スイッチ373からオン信号が出力されているときには、発射装置制御基板52に球排出指令信号を出力し、これを受けた発射装置制御基板52は軸部材駆動モータ365を上記順方向とは逆の方向(螺旋歯付き軸部材361が遊技球Bを球貯留部9c側へ搬送する方向)に回転させる制御を行う。これにより螺旋歯付き軸部材361よりも上流側に位置する球供給斜面9dを転動移動してきた遊技球Bはもとより、螺旋歯付き軸部材361の凹部363内に収まっていた遊技球Bも全て球抜き孔309hから球排出路309g内に排出される。
このように本第2実施形態に係るパチンコ機では、上記螺旋歯付き軸部材361及びこれを順逆両方向に駆動する軸部材駆動モータ365と、球貯留部9c内に設けられた球抜き孔309hと連通して設けられた球排出路309gと、球抜き孔309hを開閉できるように設けられた球抜きシャッター371とを備え、球抜きシャッター371が球抜き孔309hを閉じている状態においては球貯留部9c内の遊技球Bが球抜きシャッター371上を転動移動して螺旋歯付き軸部材361上の凹部363内へ入り込み、球抜きシャッター371が球抜き孔309hを開いている状態においては球貯留部9c内及び逆方向に駆動された螺旋歯付き軸部材361上の凹部363内に入り込んでいた遊技球Bが球排出路309gに排出排出される構成の球供給排出装置を備えている。そして、この球供給排出装置においても、球抜き孔309hが球貯留部9c内に設けられており、球貯留部9c内の遊技球Bと球供給路10内の遊技球Bとを同時にこの球抜き孔309hから排出することができるので、遊技球Bの排出・回収をスピーディに(短時間で)行うことができる。また、軸部材駆動モータ365の逆回転速度を高くすれば、それだけ球供給路10内の遊技球Bの排出を迅速に行うことができる。また、打球発射機構30の打球位置(発射レール39の下端部)に供給される直前の遊技球Bは螺旋歯付き軸部材361上に乗っており、しかもこの螺旋歯付き軸部材361上に乗っている遊技球Bは軸部材駆動モータ365を逆方向に回転制御することにより球抜き孔309hから下球皿11へ排出・回収することができるので、未発射の遊技球Bの全てを回収することが可能である。
次に、図25及び図26を用いて上記第2実施形態の変形例を示す。この第2実施形態の変形例では、図26に示すように、操作ハンドル24に遊技者が触れており、タッチスイッチ26からオン信号が出力されているときに(但し、発射停止スイッチ28から発射停止信号が出力されていないときに限る)、発射装置駆動源35が発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52から一定時間おきに回転制御される(オンオフされる)のは前述の第1実施形態に係る変形例の場合と同様であるが、打球ハンマー32の叩打動作に合わせて発射装置中継基板52a及び発射装置制御基板52は、発射強度ボリューム27により検出される操作ハンドル24の捻り操作角に応じた時間間隔で軸部材駆動モータ365を断続的に回転制御するようになっている。これにより螺旋歯付き軸部材361は打球ハンマー32の叩打間隔に合わせた一定時間おきに回転作動されることとなり、螺旋歯付き軸部材361上の遊技球Bは1球ずつ発射レール39の下端部に送り出される。なお、この第2実施形態の変形例における球送り装置は前述の第1実施形態の変形例と同様、第1実施形態における球送り装置37のような球送り弁37c及び球送りソレノイド37eは備えておらず、球送り経路37aは、螺旋歯付き軸部材361上の各凹部363内に入り込んだ状態で球貯留部9c側から搬送移動され、螺旋歯付き軸部材361の端部(図21では左側の端部)において螺旋歯付き軸部材361上から離脱落下した遊技球Bを打球発射機構30における打球位置(発射レール39の下端部)へ誘導する働きをする。
これにより球送り経路37aを経た遊技球Bは1球ずつ、次々と発射レール39上に供給され、打球ハンマー32はこの発射レール39上に供給された遊技球Bを槌部32aにおいて叩打するので、遊技球Bは一定時間おきに、1球ずつ、次々と発射レール39上から外レール15を通って遊技領域内に送り込まれる。なお、図26において、軸部材駆動モータ365のオンオフ動作により発射レール39上に供給された遊技球Bは、その直後に行われる発射装置駆動源35のオンオフ動作に対応する打球ハンマー32の駆動により叩打される。また、打球発射の基本1サイクル(打球1球分)は図中に示す区間Tに相当する。また、軸部材駆動モータ365のオン持続時間tの長さは、螺旋歯付き軸部材361上の(凹部363内の)遊技球Bを1球ずつ螺旋歯付き軸部材361の端部から離脱落下させるに必要な螺旋歯362の送り量に対応して定められ、また、時間遅れΔtは、軸部材駆動モータ365のオンオフ動作により螺旋歯付き軸部材361上から離脱落下した遊技球Bが球送り経路37aを通って発射レール39の下端部へ移動するまでの間に要する時間に基づいて定められる。
このように第2実施形態の変形例では、螺旋歯付き軸部材361により搬送移動されて球送り装置37内の球送り経路37aを通った遊技球Bが、打球発射機構30の打球動作に合わせて所定の打球位置(前述のように発射レール39の下端部)へ供給されるように、打球発射機構30による遊技球Bの打球動作と、軸部材駆動モータ365による螺旋歯付き軸部材361の回転動作(螺旋歯362の送り動作)とが同期して行われるようになっている。なお、このような同期制御を行う同期制御手段は、本例では、発射装置中継基板52a、発射装置制御基板52、発射装置駆動源35及び軸部材駆動モータ365から構成される。
このような構成では、上述の第1実施形態の変形例と同様に、球貯留部9cと球供給路10との境の部分(球ならし庇9fの下方部分)における球詰まりを解消する効果が得られるうえ、第2実施形態において必要であった球送り弁37c及び球送りソレノイド37eが不要となるので、構成が簡単になり、製造コストを低減させることができる。また、遊技球Bを螺旋歯付き軸部材361により搬送移動するため球貯留部9cから打球発射機構30へ至る球経路の傾斜を緩くすることができ、高さ方向の寸法を小さくすることができるので、上球皿9全体をコンパクトにして遊技盤の遊技領域を下側に広げることが可能である。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、上下の球皿を有したパチンコ機を例に説明したが、本発明は上下の球皿が一体になっている形態のパチンコ機についても適用可能であり、上述の例と同様に球皿全体をコンパクトな構成として遊技領域を下側に広げることが可能である。また、上述の実施形態では、本発明の適用対象となる縦型弾球遊技機がパチンコ機である場合を例に説明したが、これに類似した他の縦型弾球遊技機(例えばアレンジボール等)についても本発明は同様に適用可能である。