JP4194474B2 - プラズマディスプレイパネルの隔壁及びその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの隔壁及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの分野に関するものであり、特にプラズマディスプレイパネルに用いられる隔壁、及びその製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネルは、従来のブラウン管に比べて、大画面であっても鮮明な画像を得ることができるとともに、薄型化が可能である。このため、近年、テレビジョンやコンピューターの画面等に普及されてきている。プラズマディスプレイパネルは、電極及びその上に誘電体層が形成された2枚の基板間に、隔壁により多数のセル、即ち、放電空間が区切られ、その表面に蛍光体が塗布されている。それぞれのセルには、放電ガスが充填されており、電極に電圧を印加することにより、放電が起こって紫外線が発生し、この結果、蛍光体から発色して、画像を表示可能に構成されている。
従来、誘電体層や隔壁としては、低融点の有鉛ガラスが用いられていたが、環境問題の高まりによって鉛を含むガラスの使用が控えられるようになってきている。そこで、種々の無鉛ガラスが開発されてきている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、未だ有鉛ガラスに匹敵する化学的耐久性、例えば耐水性、耐腐食性や電極との塗れ性等を有する無鉛ガラスは見出されていない。このため、誘電体層には、腐食から保護するための保護層を設けたり(例えば、特許文献5〜7参照)、電極との塗れ性を向上するために電極との間に酸化物薄膜が形成されたものが開示されている(例えば、特許文献8参照)。
特開2000−16834号公報 特開2000−226231号公報 特開2001−163635号公報 特開平9−295830号公報 特開2001−48588号公報 特開平8−111178号公報 特開平10−245522号公報 特開2000−260332号公報 特開2001−283724号公報
一方、隔壁(リブともいう)は、基板にレジストをパターンニングした後、研磨剤を乾式噴射して所望形状に削るサンドブラスト法や、露光とエッチングによる感光性ペースト法等、種々の手段により形成することができる(例えば、特許文献9参照)。この後、隔壁は、エッチング液や研磨剤等を水で洗浄し、蛍光体が塗布される。
前記のように無鉛ガラスは有鉛ガラスに比べて未だ耐水性に劣るため、前記隔壁の洗浄工程において、隔壁の溶出を防止し、その形状を保持するには、細心の注意が必要であった。このため、作業性に劣る傾向にあった。また、最近では、より鮮明な画像を表現するために、単位面積あたりのセル数を増大し、即ちセル面積を減少する要求がある。このため、前記洗浄工程による隔壁の溶出が極めて減少されてセルの形状が設計通りにより正確に保持されることが望まれていた。従って、耐水性に優れる無鉛ガラスの隔壁が要求されている。
本発明はかかる要求に応えるべく開発されたものであり、耐水性に優れる無鉛ガラスのプラズマディスプレイパネルの隔壁、及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本願に係るプラズマディスプレイパネルの隔壁は、プラズマディスプレイパネルの前面基板と後面基板との間に配置され、これら基板間に形成される複数の放電空間を区画する隔壁において、無鉛ガラス製の基材と、その表面に形成された耐水性層とを備えている。
本発明に係る隔壁は、その表面に耐水性層を備えることにより、無鉛ガラスを基材としつつも、優れた耐水性を有する。このため、無鉛ガラス自体の特性を保持しつつも、水洗による隔壁の溶出が防止され、隔壁の形状が設計通りにより正確に保持され得る。また、隔壁が耐水性を有するために、隔壁形成後の水洗の作業性が向上する。
前記耐水性層としては、特に、Al 100%(質量%)からなるものが好ましい。
また、好ましくは、前記耐水性層は、その膜厚が5μm以下である。膜厚を所定値以下とすることにより、無鉛ガラス自体の特性を最大限に生かしつつ、隔壁の形状を大きく増大させることがない。このため、単位面積あたりのセル数を増大し、即ちセル面積をより減少させることができる。
次に、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、前記本発明に係る隔壁を備える。本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、この構成を有することにより、隔壁の耐水性が向上されている。このため、隔壁の形状が設計通りにより正確に保持されており、より鮮明な画像を表示し得る。
さらに、本発明に係るプラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法は、基板上に無鉛ガラスで隔壁の基材を形成する工程と、これを所定の温度で焼成する工程と、その表面上に耐水性層を形成する工程と、さらに所定の温度で焼成する工程と、を含む。
この製造方法では、前記本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁を容易に製造することができる。また、基材を一旦焼成してから耐水性層を形成するため、基材の成形性に優れているとともに、基材と耐水性層とが混ざり合うことが防止され、耐水性能に優れている。
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネル隔壁の他の製造方法は、基板上に無鉛ガラスで隔壁の基材を形成する工程と、その表面上に耐水性層を形成する工程と、これを所定の温度で焼成する工程と、を含む。
この製造方法では、前記本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁を容易に製造することができる。また、隔壁の基材及びその表面上の耐水性層を同時に焼成している。このため、製造工程が簡略化されているとともに、基材と耐水性層との密着性に優れている。
記耐水性層は、SiO、Al、ZrO、及びZnOからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物が60〜100質量%でありバインダーが0〜40質量%である組成割合の耐水性材を前記基材の表面上に塗布(付与)することにより形成される。これら酸化物から形成された耐水性材は、耐水性に優れるとともに、いずれも基材(無鉛ガラス)との塗れ性に優れるために、緻密な耐水性層を容易に形成可能である。
また、好ましくは、前記耐水性層は、その平均粒径が200nm以下粉末状である無機酸化物から成る耐水性材を前記基材の表面上に塗布(付与)することにより形成される。耐水性材の平均粒径が所定値以下であることにより、基材(無鉛ガラス)との密着性が向上する。また、耐水性層の緻密性が向上し、耐水性能がより確実に保持される。
また、好ましくは、前記耐水性材は、バインダーを含む。この構成により、耐水性材は、より緻密で薄い耐水性層を高い密着性で基材(無鉛ガラス)上に容易に形成することができる。
また、好ましくは、前記耐水性層の膜厚は、5μm以下に形成される。膜厚を所定値以下に形成することにより、熱膨張率の異なる基材と焼成しても、クラックや剥離等を防止することができる。また、隔壁の形状を大きく増大させることがなく、隔壁製造の作業性に優れるとともに、単位面積あたりのセル数を増大し、即ちセル面積を減少させることが容易である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば隔壁の基材及び耐水性層等)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明の具体的な実施形態に係るプラズマディスプレイパネル1及びその隔壁3について図面を参照して説明する。図1は前面基板5及び後面基板7を離して示す要部分解斜視図であり、図2はそのうちの一つのセル9を示す断面図である。本実施形態において特徴となる隔壁3は、無鉛ガラスを主成分とする基材3bと、その表面に耐水性層3aとを備えていればよく、種々の材料及び構成をその目的のために適用することができる。従って、隔壁3の構造や組成に他の制限は特にない。
本プラズマディスプレイパネル1は、前面基板5と、後面基板7とから構成される。前面基板5及び後面基板7は、透明性の高い材料、例えば、ガラス成分から構成されている。前面基板5の後面基板7に対向する面には、透明電極11が形成されており、これら透明電極11は、誘電体層13で被覆されている。さらに誘電体層13の表面には、保護層15が形成されている。
一方、後面基板7の前面基板5に対向する面には、アドレス電極17が形成されており、これらアドレス電極17は、誘電体層19で被覆されている。そして、前面基板5と後面基板7の間に隔壁3が、前面基板5と後面基板7とに挟持されて形成されている。隔壁3は、これら基板5,7間を所定位置で区切り、多数のセル9、即ち、放電空間を形成している。本実施形態によれば、隔壁3には、耐水性層3aがその表面に形成されている。
ここで、本実施形態に係る隔壁3について詳細に説明する。隔壁3において、基材3bは無鉛ガラスを主成分とする。無鉛ガラスとしては、鉛を含まないガラスであれば特に限定されず、従来公知のいずれの無鉛ガラスから適宜選択して用いることができる。例えば、無鉛ガラスとしては、ケイ素酸塩系ガラス又はSi以外にB、P、Ge、As、V等の酸化物が一緒になったホウケイ酸系ガラスに、アルカリ金属(Na、K、Li)やアルカリ土類金属(Ca、Mg、Ba)、Al、Zn、Sr、Ti、Zr、及びFe等のうちのいずれかの元素が部分的に含まれたものが挙げられる。特に、Si及びBを含む酸化物から構成されるホウケイ酸系ガラスに、Li、Al、K、Ca、Zn及びSrからなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の元素が部分的に含まれた無鉛ガラスが低融点で焼成温度が低く、かつ緻密で透明性が高いために好適である。
また、基材3bには、無鉛ガラスの他、従来公知の隔壁形成用材料を特に制限なく含むことができる。例えば、アルミナやチタニア等の骨材や添加剤等を加えることができる。
基材3b中における無鉛ガラス成分の配合割合は、特に制限されないが、例えば、基材の合計質量100質量%中、無鉛ガラス成分が50質量%以上(例えば、50〜90質量%)、好ましくは60質量%以上(例えば、60〜80質量%)、特に70質量%以上(例えば、70〜80質量%)である。この範囲であることにより、低融点で透明性の高い隔壁を容易に形成できるために好適である。
次に、耐水性層3aとしては、耐水性を有するものであれば特に限定されないが、基材3bとなる無鉛ガラスや後に塗布される蛍光体層21との反応性が低く、大きな影響を与えない組成であることが好ましい。また、焼成温度が融点よりも低い領域でも透明性を有することが好ましい。
好ましい態様において、本発明の隔壁3は、耐水性層3aによって基材3bとなる無鉛ガラス中への水分吸着を低減することができる。従って、基材3bとなる無鉛ガラスが水分吸着することによるアウトガス(即ち、隔壁3の基材3bから生じるガスをいう。)の発生も低減し得る。
このような耐水性層3aを形成可能な無機酸化物としては、SiO、Al、ZrO、及びZnOが挙げられる。特に、このうち、基材3bとなる無鉛ガラスや後に塗布される蛍光体21との反応性がより低いSiO、又はAlが好ましい。
耐水性層3aの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは5μm以下(例えば、0.01〜5μm)、より好ましくは3μm以下(例えば、0.01〜3μm)、特に好ましくは1μm以下(例えば、0.01〜1μm)である。この範囲であることにより、耐水性を保持しつつ、隔壁3の大きさを大きく増加させずに所望の設計に影響を与えることなく隔壁3を形成することができる。尚、膜厚は、用いるプラズマディスプレイパネル1の大きさ、隔壁3の大きさ、画素数、その設計等により、適宜選択することができる。
本実施形態に係る隔壁3は、例えば、80℃の温水に10時間浸漬する前の質量を100質量%として、浸漬後の質量変化が、20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下に低減される。
そして、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネル1には、隔壁3の表面に、蛍光体層21が形成されている。蛍光体層21としては、従来公知の赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体等がそれぞれのセルに所定の順序にて配置されている。
さらに、隔壁3によって形成されたセル9内には、それぞれ放電ガスが充填されている。放電ガスとしては、従来公知のガスを適用可能であり、例えば、Xe、Ne、He−Xe又はNe−Xe等が挙げられる。
尚、前面基板5、後面基板7、透明電極11、アドレス電極17、誘電体層13,19、保護層15、蛍光体層21、及び放電ガスとしては、プラズマディスプレイパネル1に適用可能な従来公知の構成を特に制限なく適宜選択して用いることができる。また、プラズマディスプレイパネル1に適用可能なこれら以外の他の構成を備えていても良い。
次に、本実施形態に係る隔壁3の製造方法について詳細に説明する。まず、基材形成用材料を用いて、従来公知の隔壁形成方法に従って所望の形状に基材を形成(印刷)する。尚、隔壁形成方法としては、いずれの手段を用いても良く、特に制限されない。例えば、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、又は感光性ペースト法等が挙げられる。基材形成用材料としては、前記無鉛ガラスを主成分とし、他の成分、例えば、骨材、有機バインダ、添加剤、及び溶剤等を含むことができる。この後、乾燥する。乾燥温度としては、特に限定されないが、通常80〜200℃、好ましくは100〜150℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、1〜60分、好ましくは3〜30分、特に5〜20分である。
次に、乾燥された基材を焼成する。焼成温度は、通常300〜1000℃、好ましくは300〜800℃、特に400〜600℃である。焼成雰囲気は、特に限定されないが、通常酸素含有雰囲気下、好ましくは大気圧下に行われる。焼成によって、基材は成形性が向上する。尚、後の耐水性層焼成持に基材と耐水性層との熱膨張率の違いによる耐水性層のクラックや剥離等を防止するために、この基材の焼成においては基材を緻密とならないように焼成することが好ましい。
次に、焼成された基材3bの表面上に、耐水性層3aを形成するための耐水性材を塗布(印刷)する。耐水性材の塗布方法としては、基材3bに薄膜を形成可能な手段であれば、特に限定されず、従来公知のいずれの手段から選択することができる。例えば、スプレーコーティング又はディッピングが挙げられる。
耐水性材としては、前記耐水性層3aに例示されたと同様なもの、特に無機酸化物等が挙げられる。また、耐水性材の主体たる酸化物としては、その平均粒径が好ましくは200nm以下(例えば、10〜200nm)、特に好ましくは100nm以下(例えば、10〜100nm)の粉末状のものが好適である。このような平均粒径を有する酸化物を主体とする耐水性材は、入手可能ないずれのものを使用可能であるが、例えば、酸化物成分がシリカの場合、好適にはゾルゲル法によって微粒子を形成し得る。この範囲の平均粒径を有することにより、焼成温度が融点よりも低い領域(例えば、700〜400℃程度)でも透明性を有することができる。
特に、耐水性材は、平均粒径が前記範囲の前記いずれかの無機酸化物を主体として構成されていることが好ましい。
また、耐水性材は、さらにバインダーを含むことができる。バインダーを含むことにより、基材3b表面上に密着性良く形成されるとともに、緻密性が向上する。バインダーとしては、前記主成分となる無機酸化物を緻密に結合させるものであれば特に限定されない。特に、基材の融点よりも低い温度、例えば800℃以下(例えば、300〜800℃)、好ましくは600℃以下(例えば400〜600℃)、特に約500℃の焼成温度で耐水性材を容易に成膜させるものが好ましい。例えば、無機レジネート、例えば、ジルコニアレジネート、シリカレジネート、又は水シリカ、或いはエチルセルロース等に無機物を分散させた溶液等が挙げられる。このうち特に、ジルコニアレジネートが好適である。
耐水性材の組成割合は、耐水性材の合計100質量%に対して、前記無機酸化物の合計60〜100質量%、及びバインダー0〜40質量%であることが好ましい。特に、耐水性材の合計100質量%に対して、前記無機酸化物の合計80〜100質量%、及びバインダー0〜20質量%であることが好ましい。この組成割合で無機酸化物及びバインダーを含むことにより、緻密で耐水性に優れる耐水性層を容易に形成することができる。尚、耐水性材には、前記無機酸化物及びバインダー以外にも、耐水性や透明性等の効果を阻害しない所望の添加剤等を所望の目的に応じて混合することができる。
また、耐水性材の配合割合は、基材の合計100質量部に対して、前記無機酸化物の合計2〜50質量部、及び所望によりバインダー1〜10質量部であることが好ましい。特に、基材の合計100質量部に対して、前記無機酸化物の合計5〜30質量部、及び所望によりバインダー2〜5質量部であることが好ましい。この配合割合で無機酸化物及びバインダーを含むことにより、耐水性に優れる耐水性層を容易に形成することができる。
そして、形成された耐水性層を焼成する。焼成条件としては、前記基材の焼成条件と同様に、焼成温度は、通常300〜1000℃、好ましくは300〜800℃、特に400〜600℃である。また、焼成時間は、通常1〜60分間、好ましくは3〜30分間、特に5〜15分間である。焼成雰囲気は、特に限定されないが、通常酸素含有雰囲気下、好ましくは大気圧下に行われる。この焼成によって、耐水性層3aは、緻密に形成され、耐水性が向上されるとともに、透明性を向上させる。
耐水性層3aは、特に限定されないが、焼成後の膜厚が、好ましくは5μm以下(例えば、0.01〜5μm)、さらに好ましくは3μm以下(例えば、0.01〜3μm)、特に好ましくは1μm以下(例えば、0.01〜1μm)に形成される。この範囲であることにより、熱膨張率の異なる基材と焼成しても、クラックや剥離等を防止することができる。また、隔壁3の形状を大きく増大させることがなく、隔壁3の製造の作業性に優れるため、単位面積あたりのセル9の数を増大し、即ちセル9の面積を減少することが容易である。尚、膜厚は、用いるプラズマディスプレイパネル1の大きさ、隔壁3の大きさ、画素数、その設計等により、適宜選択することができる。
一方、本発明に係る隔壁3の他の製造方法について説明する。他の製造方法では、前記基材3bを形成後に焼成せずに、基材3bの乾燥後に、耐水性層3aを先ず形成する。その後、基材3bと耐水性層3aとを同時に焼成する。尚、基材3b及び耐水性層3aの形成方法、さらに焼成条件については前記と同様である。
また、図3に示すように、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネル1には、隔壁3が配置されていない誘電体層19表面にも耐水性層23を形成することができる。形成方法としては、従来公知のいずれの薄膜形成手段、例えば、スプレーコーティング又はディッピング等が挙げられる。この場合には、誘電体層19の耐水性を向上し、水洗浄等による誘電体層19の溶出を防止することができる。
<隔壁の製造>
以下、本発明の一実施の形態に係る隔壁の製造方法について説明する。
一般的なソーダガラス基板に、表1に示す組成からなる無鉛ガラス粉末を主体として調整したガラスペーストをベタ膜で印刷し、120℃で10分間乾燥させた。
Figure 0004194474
次いで、これを550℃で10分間大気圧下焼成し、隔壁の基材を得た。
さらに、表2に示す組成の耐水性材を用意した。耐水性材は、主成分となる無機酸化物(Al粒子)又は無機酸化物(SiO粒子)とバインダーとなるジルコニアレジネートとを混練することによって得た。
Figure 0004194474
この耐水性材を用いて、基材の表面全てを被覆するように塗布(印刷)した。
これを550℃で10分間大気圧下焼成し、基材の表面上に1μmの厚さの耐水性層を形成した。
<隔壁の耐水性試験>
得られた隔壁の耐水性試験を行った。試験方法は、80℃の温水中に10時間程度浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定した。この結果から次式に従い、水に対する隔壁の溶出量を計算した。
溶出量(%)={1−(浸漬後の重量)/(浸漬前の重量)}×100
結果を図4に示す。図4から明らかなように、SiO又はAlの耐水性層を設けることにより、無鉛ガラスの組成にかかわらず、水への溶出量が極めて低減されていることが判る。即ち、耐水性層を形成しなかったものの溶出量が20%を超えるのに対し、耐水性層を設けたものは、溶出量が20%以下と低い。特に無鉛ガラス(典型的には、Bの割合が30%を超えるもの)と耐水性層(特にAlを主体とするもの)との組み合わせによって、溶出量を5%以下に低減させることが可能であることが判る。
以上、本発明の好適な実施態様を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した態様を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの前面基板5及び後面基板7を離して示す要部分解斜視図である。 本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの一つのセル9を模式的に示す断面図である。 他の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの一つのセル9を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る隔壁の耐水性試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1…プラズマディスプレイパネル
3…隔壁
3a…隔壁の耐水性層
3b…隔壁の基材
5…前面基板
7…後面基板
9…セル

Claims (8)

  1. プラズマディスプレイパネルの前面基板と後面基板との間に配置され、これら基板間に形成される複数の放電空間を区画する隔壁において、
    無鉛ガラス製の基材と、その表面にAl 100%からなる耐水性層とを備えた、プラズマディスプレイパネルの隔壁。
  2. 前記耐水性層は、その膜厚が5μm以下である、請求項1に記載の隔壁。
  3. 請求項1又は2に記載の隔壁を備える、プラズマディスプレイパネル。
  4. 基板上に無鉛ガラスで隔壁の基材を形成する工程と、
    これを所定の温度で焼成する工程と、
    その基材の表面上に、SiO、Al、ZrO、及びZnOからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物が60〜100質量%でありバインダーが0〜40質量%である組成割合の耐水性材を塗布して耐水性層を形成する工程と、
    さらに所定の温度で焼成する工程と、
    を含む、プラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法。
  5. 基板上に無鉛ガラスで隔壁の基材を形成する工程と、
    その基材の表面上に、SiO、Al、ZrO、及びZnOからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物が60〜100質量%でありバインダーが0〜40質量%である組成割合の耐水性材を塗布して耐水性層を形成する工程と、
    これを所定の温度で焼成する工程と、
    を含む、プラズマディスプレイパネル隔壁の製造方法。
  6. 前記耐水性材の前記無機酸化物は、平均粒径が200nm以下の粉末状である、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 前記耐水性材は、前記バインダーを含む、請求項4〜6のうちのいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記耐水性層の膜厚は、5μm以下に形成される、請求項4〜7のうちのいずれかに記載の製造方法。
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