JP4194326B2 - 補正テーブルの作成方法およびその作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号値と、入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルの作成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの記録装置は、紙やプラスチック薄板などの記録媒体上に、画像情報に基づいて、ドットパターンから構成される画像を記録する。記録装置は、その記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザビーム式などに分けることができる。そのうちインクジェット式(インクジェット記録装置)は、インク(記録液)滴を、記録ヘッドの吐出口から吐出して飛翔させ、記録媒体に付着させることで画像を記録する。
【0003】
以下、記録装置の一例として、ホスト(PC)が300dpi、8ビットの画像データを二値(多値)ドットイメージに展開して転送したドットイメージを受信して画像を記録する、600dpiの出力解像度をもつインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)を念頭に説明する。
【0004】
インクジェット記録装置は、記録媒体に記録液滴が着弾した画素(ドットオン)と、未着弾の画素(ドットオフ)とを組み合わせることで画像を記録する。
【0005】
近年、記録ヘッドの吐出口の高密度化が可能になり、これに伴い、比較的高い分解能(例えば600dpi)の高解像度なプリントを行うことが可能になった。そこで、高精細なプリントを得るために、プリンタに接続された画像データの供給源であるホストにおいて、プリンタに合わせた高解像度(例えば600dpi)の画像データを処理してプリンタへ転送しようとすると、300dpiの画像データの転送に較べてデータ量が四倍になり、データの処理時間および転送時間が大幅に増加する。そこで、特開平9-46522号公報に記載された、プリンタ側で二値のドットマトリクスを多値のスーパピクセルとして扱ってプリンタを例えば300dpi多値プリンタとみなして処理する方法が知られている。
【0006】
[インデックスパターンを使用する多値プリンタ]
特開平9-46522号公報には、データ処理および転送の負荷を軽減する技術として、出力解像度600dpi、二値のインクジェットプリンタにおいて解像度600dpi、二値の2×2画素を一組として扱い、ホストは、そのプリンタを解像度300dpi、五値のプリンタとして扱うことが開示されている。
【0007】
図1は解像度600dpi、二値の2×2画素を一組とする場合のオンドットの配置方法を示す図である。この2×2画素の組を「スーパピクセル」、オンドットの配置を「インデックスパターン」と呼ぶ。
【0008】
図1に示されるように、スーパピクセルにはオンドットが0、1、2、3および4の五通りのインデックスパターンがある。このようなインデックスパターンを予め保持するプリンタは、ホストから入力される300dpi、五値の画像データを、インデックスパターンを参照して、600dpi、二値の画像データに展開して画像を記録する。
【0009】
次に、インデックスパターンを使用するプリンタにおける疑似中間調処理を説明する。
【0010】
上記の出力解像度600dpi、二値のプリンタは、プリンタ本体側でインデックスパターンの展開処理を行うことで、ホスト側からは入力解像度300dpi、五値のプリンタとみなすことができる。従って、ホストは、300dpi、8ビットの入力画像データを、多値誤差拡散処理や多値ディザ処理などの公知の擬似中間調処理により、五値のドットイメージに展開してプリンタへ供給する。
【0011】
図2は8ビットの入力画像信号の信号値(横軸)に対する、平均的な、単位面積当りのインデックスパターンの割当数(縦軸)の分布を示す図である。なお、ここで「平均的」とするのは、誤差拡散法とディザ法とでは、処理対象画像の処理開始時における局所的な記録ドット数が異なる場合があり、この局所的な差を考慮しないことを意味する。
【0012】
図2に示すように、例えば、信号値が「0」の時は300dpiの全画素がインデックス番号0のインデックスパターンで占められ、信号値が「64」の時は300dpiの全画素がインデックス番号1のインデックスパターンで占められることを示す。この信号値(中心値)とインデックス番号との対応をまとめたものが図3である。なお、0 < 信号値 < 64の領域はインデックス番号0および1の画素が混在し、64 < 信号値 < 128の領域はインデックス番号1および2の画素が混在する。
【0013】
図4は8ビットの入力画像信号の信号値(横軸)に対する、平均的な、単位面当りの600dpi、二値のオンドット数(縦軸)を示す図である。
【0014】
例えば、0 < 信号値 < 64の領域は、インデックス番号0のインデックスパターンが減少し、インデックス番号1のインデックスパターンが増加する。すなわち、0 < 信号値 < 64の領域では、インデックス番号1のインデックスパターンの増加に伴ない、図4に示す実線で示すようにオンドットが増加する。
【0015】
また、64 < 信号値 < 128の領域では、インデックス番号1のインデックスパターンが減少し、インデックス番号2のインデックスパターンが増加する。従って、64 < 信号値 < 128の領域では、図4に破線で示すようにインデックス番号1のインデックスパターン(600dpi、四画素当り1オンドット)によるオンドットが減少し、インデックス番号2のインデックスパターン(600dpi、四画素当り2オンドット)によるオンドットが増加するので、64 < 信号値 < 128の領域のオンドットの総数は、図4に実線で示すように増加する。このように、図1に示すインデックスパターンを使用する入力解像度300dpi、五値のプリンタの出力解像度600dpi、二値のオンドットの数は入力画像信号の信号値に比例して増加する。
【0016】
[入力解像度300dpi、五値のプリンタの記録特性]
上述したように、入力解像度300dpi、五値のプリンタの入力画像信号の信号値とオンドットの数とは比例する。このように、プリンタの駆動信号(入力画像信号)と記録材の出力(インクの吐出)の間に線形な関係が成り立つとき、このようなプリンタの出力特性を「線形な出力特性」と呼ぶ。
【0017】
しかし、メカニカルおよび光学的ドットゲインのために、記録濃度とオンドットの数とは一般に比例しない。図5は、8ビットの入力信号値(横軸)を600dpi、二値で記録した場合の記録濃度(縦軸)を示す図で、記録濃度は頭打ちになる傾向を示す。
【0018】
[インデックスパターンに対応する階調補正テーブル]
図5に示すドットゲインの影響を補償し、入力信号値と記録濃度との関係を図6に示す比例関係に補正するために、特公平8-2659号公報に開示された階調補正テーブル(同公報は「濃度特性補正テーブル」と呼ぶ)が使用される。
【0019】
階調補正テーブルには、図5に示す入力信号値と記録特性との関係を補正する、図5の逆関数になる図7に示すようなテーブルが設定される。300dpi、8ビットの画像信号は、階調補正テーブルにより、階調補正された画像信号に変換され、多値誤差拡散処理などにより、擬似中間調処理されて300dpi、五値のドットイメージに展開されてプリンタに入力される。プリンタは、300dpi、五値のドットイメージを、インデックスパターンを参照して、600dpi、二値のドットイメージに展開する。そして、この二値のドットイメージのオンドットに対応する、記録ヘッドのノズルが駆動されて記録液滴が吐出される。
【0020】
図8は入力解像度300dpi、五値のプリンタ用の階調補正テーブルの導出を説明するフローチャートである。
【0021】
階調補正テーブルの導出は、入力信号値に対するプリンタの記録を行い、記録された記録物の濃度を測定して、その濃度特性を補償するテーブルを演算することで行う。
【0022】
まず、測定パッチ出力用のアウトプットガンマ(図9に示す入力信号値を素通しする階調補正テーブル)設定し(S102)、測定用パッチを設定する(S103)。そして、測定用パッチを出力し(S104)、出力されたパッチの濃度を濃度計で測定する(S105)。
【0023】
測定用パッチには、記録および測定に要する時間の軽減と、インクジェットプリンタによる記録の再現性を考慮して、図10に示すパッチを用いる。図10に示す各パッチの上方に記録されている数字はパッチの信号値を示し、上端のCMYKの文字は、それら文字の下のパッチ列を記録するインクを示す。
【0024】
次に、パッチ濃度の測定結果に基づき「信号値-濃度」テーブルを作成し、その信号値および濃度の値を0から1に正規化した、図11に示すような、「信号値-濃度」テーブルを作成する。なお、図11は、説明の都合上、横軸を信号値、縦軸を濃度として記載するが、以下では、縦軸および横軸ともに0から1に正規化されているものとして説明する。そして、この正規化テーブルの逆関数を得るために正規化テーブルを逆引きして「信号値-濃度」テーブルの逆引きテーブルを作成する(S106)。
【0025】
図11に●印で示すように、実際の濃度の測定値には、記録時のインクジェットプリンタの再現性や測定誤差による誤差が混入する。そこで、式(1)に示すような多項式近似を行いた、回帰曲線による逆引きテーブルのスムージングを行い、図11に実線で示すような滑らかな曲線を示すテーブルにする(S107)。なお、多項式近似によるスムージングは、スプライン曲線を使用した類似の処理が、特公平8-2659号公報に詳しく開示されているので、その詳細を省略する。
y = c1x + c2x2 + c3x3 + c4x4 + c5x5 …(1)
【0026】
多項式近似による振動に起因するずれや、原点(0.0, 0.0)や終点(1.0, 1.0)のずれが生じることがあるが、これらを補正するため逆引きテーブルを微調整する(S108)。そして、原点から終点の区間で、規格化され、微調整された逆引きテーブルのレンジを例えば12ビット整数のテーブルの形式に戻すことで階調補正テーブルを作成する(S109)。
【0027】
このようにして得られた階調補正テーブルを使用して階調を補正することにより、入力画像信号値とプリンタの出力記録濃度との間に線形性が成り立つようにして、階調性を向上させることができる。
【0028】
なお、階調補正テーブルは、インク色ごとの一次元テーブルになり、三次元テーブルである色変換テーブルに比べてテーブルサイズが小さく、複数の階調補正テーブルを使用する、例えば以下のような応用技術が利用されている。
階調補正テーブルを使用した記録ヘッドの吐出量補正
階調補正テーブルを使用した打込量補正
【0029】
以下では、階調補正テーブルを使用する応用技術を詳述する。
【0030】
[階調補正テーブルを使用する記録ヘッドの吐出量補正]
インクジェットプリンタの出力濃度特性は、記録ヘッドのノズルから吐出されるインクの量によって変わる。大量生産される記録ヘッドの吐出量は、その生産上で発生する特性のばらつきにより、標準に対して±10%程度のばらつきがある。
【0031】
一般に、プリンタの色処理部は、記録ヘッドの標準吐出量に基づき、出力結果が所望するものになるように設計されている。言い換えれば、その吐出量が標準吐出量からずれた記録ヘッドを使用すれば、設計時に期待される標準的な出力結果とは異なる出力結果になる。つまり、記録ヘッドの吐出量のばらつきは、色再現性の悪化、濃淡インクのバランス崩れなど、階調性を悪化させる原因になる。
【0032】
この問題を解決するために、特開平2-167755号公報には、記録ヘッドの吐出量が下限値において出力結果が最適になるように色処理部を設計し、それ以上の吐出量をもつ記録ヘッドを使用する際は階調補正テーブルを使用して、使用する記録ヘッドの吐出量を、吐出量が下限値の記録ヘッドと同等にする吐出量の補正方法が開示されている。
【0033】
図12はホスト上で稼動するプリンタドライバ300(色処理部)およびインクジェットプリンタ400の構成例を示すブロック図である。
【0034】
プリンタドライバ300に入力される300dpi、各8ビットのRGB画像信号は、RGB/CMYK変換部301の三次元ルックアップテーブル(3DLUT)により、300dpi、各8ビットのCMYK信号に変換される。なお、以下では、300dpi、8ビットのシアン(C)信号について説明するが、他の色成分の信号に関する処理も同等である。
【0035】
300dpi、8ビット(256値)のC信号は、階調補正部302で階調補正され、12ビット(4081値)に拡張される。その際、階調補正部302が使用する階調補正テーブルは、別途入力される記録ヘッドの吐出量情報に基づき、階調補正テーブルのデータベース305から選択される。拡張された300dpi、12ビットのC信号は、多値誤差拡散処理部303により、300dpi、3ビット(五値)の多値ドットイメージに擬似中間調処理される。
【0036】
この300dpi、3ビットの多値ドットイメージは、ホストからプリンタ400へ転送(入力)される。プリンタ400に入力された300dpi、3ビットの多値ドットイメージは、インデックスパターンメモリ402に格納されたスーパピクセルのインデックスパターンを参照するドットイメージ展開処理部401によって、600dpi、二値のドットイメージに展開される。
【0037】
600dpi、二値のドットイメージは、ドットイメージ展開用バッファ403に格納され、順次、記録部404に送られて、インクジェット記録ヘッドに600dpi間隔で配置されたノズルに対応付けられる。そして、600dpi、二値のドットイメージのオンドットに対応する記録ノズルが駆動され、記録液滴が吐出される。
【0038】
次に、階調補正部302が吐出量補正に使用する階調補正テーブルの導出方法および補正方法を説明するが、連続するインデックスパターンを使用し、例えば記録ヘッドの吐出に基づき、記録ヘッドを次の3ランクに大別して扱う場合を例に説明する。
下限値(吐出量小): n[ng]
中心値(吐出量中):1.05n[ng]
上限値(吐出量大):1.10n[ng]
【0039】
吐出量小ランクの記録ヘッドを使用して12ビットの階調補正テーブルを作成し、階調補正テーブルの最大値4080を吐出量小ランクの記録ヘッドに割り当てた場合の吐出量は4080×n[ng]である。従って、他の吐出量ランクについて、同じ吐出量になる階調補正テーブルの最大値は下記のようになる。
吐出量中の階調補正テーブルの最大値 = 4080×n/(1.05×n) ≒ 3886
吐出量大の階調補正テーブルの最大値 = 4080×n/(1.1 ×n) ≒ 3709
【0040】
記録ヘッドの吐出量ごとに求めた階調補正テーブルを用いて、階調補正後の吐出量を同じにするように制御することで、記録ヘッドの吐出量ランクに依らず同様の出力結果を得ることができる。
【0041】
上記は、階調補正テーブルの最大値について説明したが、同様に、吐出量中ランクの記録ヘッドを使用して12ビットの階調補正テーブルを作成した場合、他の吐出量ランクの階調補正テーブルの中心値は下記のようにすることで、すべての入出力画像信号値に対して、記録ヘッドの吐出量ランクに依らず吐出量を同じにすることができる。
吐出量大ランクの補正値 = 吐出量中ランクの補正値×3709/3886
吐出量小ランクの補正値 = 吐出量中ランクの補正値×4080/3886
【0042】
以下、吐出量中ランクの記録ヘッドを使用して、吐出量中ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブル(最大値=3886)を作成する手順を、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、図8に示す各処理について、略同様の処理は説明を省略し、異なる処理について説明する。
【0043】
図13は、12ビットの階調補正テーブルの最大値を「4080」とするプリンタの入出力特性を示す図で、出力濃度特性を10ビットに規格化したものは破線bのようになり、その逆関数(破線c)が階調補正テーブルである。
【0044】
ここでは吐出量中ランクの記録ヘッドを使用して、最大値=3886の階調補正テーブルを得るので、破線bで示される出力濃度特性を実線aで示す特性に変換し、その逆関数(実線d)を求める。
【0045】
逆引きテーブルを作成するステップS106で、実線dに示すような階調補正テーブルを得るには、以下の二つの方法が考えられる。
【0046】
●第一の方法(b→a→d)
最大値3886の階調補正テーブル(実線d)の逆関数は実線aで示されるが、実線aは、図13を観ると、入力信号値が243(≒3886/4080×255)以上の領域で上限に張り付いている。従って、図13の縦軸yの範囲を0〜1とし、図13に示される曲線aおよびbをそれぞれ曲線の符号に対応する関数名を用いてy=a(x)、y=b(x)と表すと次の関係が得られる。
y = a(x) = b(x)/b(243/255)
ただし、0 ≦ x ≦ 243/255
y = a(x) = 1
ただし、243/255 < x ≦ 255/255
【0047】
また、階調補正テーブルはy=a(x)の逆関数y=d(x)になる。
【0048】
●第二の方法(b→c→d)
最大値=4080の階調補正テーブルであるy=c(x)を求め、これに基づき階調補正テーブルy=d(x)を求める。
d(x) = c(3886/4080×x)
【0049】
次に、階調補正テーブルを作成するステップS109で、逆引きテーブルy=d(x)を多項式近似した式(1)のx、yはそれぞれ0〜1の実数になる。そこで、階調補正テーブルの最大値を3886にするために、式(1)の演算結果に3886を掛けて整数化したものを階調補正テーブルにする。
【0050】
吐出量大ランクおよび吐出量小ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルは、以上で求めた吐出量中ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルに基づき、下記のように算出することができる。
吐出量大ランク用の補正値 = 吐出量中ランクの補正値×3709/3886
吐出量小ランク用の補正値 = 吐出量中ランクの補正値×4080/3886
【0051】
[階調補正テーブルを使用する打込量補正]
次に、階調補正テーブルを使用する打込量の補正について説明する。
【0052】
インクジェットプリンタは、インクを記録メディアに直接吹き付けて画像を記録する方式であるため、記録メディア(記録紙)のインク受容量(インク打込量の上限値)に比べてインク打込量(付与量)が多いと、ビーディング(インク溢れ、インク溢れによる滲み)が発生する。
【0053】
インク打込量の上限値は、記録メディアの特性によって異なる。そこで、打込量の上限値の異なる記録メディアに対応して色処理するために、共通のRGB/CMYK変換部301の色変換テーブルに対して、階調補正テーブルを調整して打込量を調整する場合がある。
【0054】
図14はホスト上で稼動するプリンタドライバ300(色処理部)およびインクジェットプリンタ400の構成例を示すブロック図で、階調補正テーブルを使用する記録ヘッドの吐出量補正をプリンタドライバが行う場合の構成例を示している。また、図15はデータベース304(図14参照)の記憶内容を説明する図である。
【0055】
インク受容量が100%の記録メディアA用の色変換テーブルAおよび階調補正テーブルAが既に存在している場合、例えば、データベース304のサイズを小さく抑えるためにインク受容量が80%の記録メディアBについて、記録メディアA用の色変換テーブルAを流用し、階調補正テーブルを作成し直すことで、記録メディアBのインク受容量を満たす色処理を行うことがある。
【0056】
プリンタドライバ(色処理部)300に、プリント対象の300dpi、RGB各8ビットの画像データが入力されると、入力画像データは、色変換部301の3DLUTにより、色補正後にRGB→CMYK色変換されてCMYKのデータになる。このCMYK画像データは、階調補正部302によって階調補正され、多値誤差拡散処理部303によって多値の擬似中間調処理を受けた後、プリンタ400へ出力される。このとき、色変換処理部301および階調補正部302で使用される色処理テーブルは、例えば、プリンタドライバ300が提供する、図示しないユーザインタフェイスによって入力される記録メディアの種類に関する情報に基づき、データベース304から選択される。例えば、入力された記録メディアの種類が記録メディアBに相当する場合、図15に示す色変換テーブルAおよび階調補正テーブルBが色変換処理部301および階調補正部302に設定される。
【0057】
図15に示すように、打込量が異なる記録メディアAおよびBの間では、打込量を調節する機能をもつ階調補正テーブルAおよびBを使用することで、色変換テーブルAは共通にして色処理が行われる。以下では、打込量を調節する機能をもつ階調補正テーブルBについて説明する。
【0058】
記録メディアAのインク受容量が、吐出量中ランクの記録ヘッド用に作成された色処理テーブル(色変換テーブルおよび階調補正テーブルの組)の最大打込量と同じで、かつ、この打込量(インク受容量)を100%とする時、記録メディアBは記録メディアAの80%のインク受容量であるとする。記録メディアB用の色処理テーブルセットの一つとして、記録メディアA用の色変換テーブルを流用する場合、記録メディアBのインク受容量を満たす階調補正テーブルテーブルは、例えば、下式によって算出することができる。
記録メディアB用の階調補正値 = 記録メディアA用の階調補正値×0.8
【0059】
記録メディアB用の階調補正テーブルは、至るところで記録メディアA用の階調補正テーブルの80%の打込量になる。従って、算出した階調補正テーブルを用いて階調補正することで「記録メディアA用の色変換テーブル」+「記録メディアB用の階調補正テーブル」によって色処理を行う場合も、記録メディアBのインク受容量を超えることがないように、画像データを色処理することができる。
【0060】
[不連続のインデックスパターンを使用する多値プリンタ]
プリンタの低価格化、高性能化に伴い、より高解像度で、本体のメモリ量が小さいプリンタが望まれるようになった。これを実現するために、解像度は同じとして、600dpiの2×2画素のスーパピクセルのインデックスパターンとして、図16に示すような不連続なインデックスパターンを使用して、インデックス番号を小さく抑えてメモリ量を抑えた構成が採用されるようになった。
【0061】
図16に示すように、スーパピクセルにはオンドットが0、1、2および4の四通りのインデックスパターンがあり、300dpi、四値に相当する。図3と同様に、信号値(中心値)とインデックス番号との対応をまとめたものが図17である。
【0062】
図16に示すインデックスパターンを、図17に示す条件で使用した場合の、600dpi、二値における、信号値に対するオンドットの数は図18に示すようになり、信号値170で折れ曲がった折れ線になる。これは、0 < 信号値 < 170の領域では1ドット減少して2ドット増加するのに対して、170 < 信号値 < 255の領域では2ドット減少して4ドット増加するからである。なお、オンドットの数はインクの打込量と等価である。
【0063】
このようなオンドットの数が折れ線状に増加する系は、図19に破線で示す、通常の(連続する)インデックスパターンを用いる多値プリンタの記録濃度特性とは異なり、実線で示すように、オンドットの増加が折れ曲がる(インデックスパターンの切替点に対応する)部分で記録濃度が折れ曲がる特性を示す。従って、補正によって線形な記録濃度を得るためには、図19に示す記録濃度が折れ曲がる部分に対応する、図20に示すような階調補正テーブルを必要とする。
【0064】
【特許文献1】
特公平8-2659号公報
【0065】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、入力信号値と、入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルを作成することを目的とする。
【0066】
また、上記の記録特性を補正することが可能な、任意の最大出力値をもつ階調補正テーブルを作成することを他の目的とする。
【0067】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0068】
本発明にかかる作成方法は、入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルを作成する方法であって、前記記録装置が使用する記録ヘッドのインク吐出量に基づき、第一の階調補正テーブルの最大入力値に対する最大出力値を設定し、前記傾きの切替点がある特性に対し前記傾きの切替点がなくなるように補正した状態で、前記記録装置により濃度測定用の画像を記録し、前記濃度測定用の画像を測定した結果に基づきガンマテーブルである前記第一の階調補正テーブルを作成し、前記第一の階調補正テーブルの最大出力値を前記設定された最大出力値に変換し、前記傾きの切替点がある特性にした階調補正テーブルを得るために、前記変換後の第一の階調補正テーブルを数値的に変換して、前記最大出力値をもつ第二の階調補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0069】
本発明にかかる作成装置は、入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルを作成する作成装置であって、前記記録装置が使用する記録ヘッドのインク吐出量に基づき、第一の階調補正テーブルの最大入力値に対する最大出力値を設定する設定手段と、前記傾きの切替点がある特性に対し前記傾きの切替点がなくなるように補正した状態で、前記記録装置により濃度測定用の画像を記録し、前記濃度測定用の画像を測定した結果に基づきガンマテーブルである第一の階調補正テーブルを作成する作成手段と、前記第一の階調補正テーブルの最大出力値を前記設定された最大出力値に変換し、前記傾きの切替点がある特性にした階調補正テーブルを得るために、前記変換後の第一の階調補正テーブルを数値的に変換して、前記最大出力値をもつ第二の階調補正テーブルを作成する変換手段とを有することを特徴とする。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施形態の階調補正テーブルの作成を図面を参照して詳細に説明する。
【0071】
[階調補正テーブルの作成]
まず、図18に示す入出力特性をもつ系の階調補正テーブルの作成について説明する。
【0072】
図21は階調補正テーブルの作成(導出)手順例を示すフローチャートで、プリンタドライバの一部として、または、関連して提供されるソフトウェアをホストに実行させることで、階調補正テーブルを作成することができる。
【0073】
図8に示した処理に比べ、図21に示す処理には、その詳細を後述する、逆インデックステーブルの作成(S200)、中間アウトプットガンマテーブルの作成(S201)、および、インデックス分の補正(S202)が追加されている。なお、図8と同様の処理には、同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
【0074】
●階調補正テーブルの作成原理
階調補正テーブルは「入力信号値-出力濃度」関数の逆関数と考えることができる。従って、インデックスパターンの不連続性を打ち消すようなカーブを使用してアウトプットガンマを作成し、作成したアウトプットガンマを前記カーブによって演算し変換することで、不連続なインデックスパターンに対応する階調補正テーブルを得る。
【0075】
不連続なインデックスパターンに対応する階調補正テーブルの作成方法を、式(2)から式(6)を用いて模式的に説明する。なお、簡単のために、すべての関数の入出力レンジを0から4080の範囲に規格化した場合を説明する。
z = o(x) …(2)
x = o-1(z) …(3)
z = n(i(x)) …(4)
n-1(z)l = i(x) …(5)
x = i-1(n-1(z)) …(6)
ここで、x:規格化入力信号値[0, 4080]
z:規格化出力濃度[0, 4080]
i(・):規格化インデックステーブル(∝ インク打込量)
入力[0, 4080]、出力[0, 4080]
o(・):規格化入力信号値に対する規格化出力濃度テーブル
入力[0, 4080]、出力[0, 4080]
n(・):規格化打込量の入力に対する規格化出力濃度テーブル入力[0, 4080]、出力[0, 4080]
【0076】
なお、規格化入力信号値xは画像入力信号値に相当し、規格化出力濃度zはプリンタの出力濃度に相当する。また、規格化インデックステーブルi(・)は、本実施形態のインデックスパターンを用いる場合の入力信号値に対するオンドット数(インク打込量)を規格化して表すものである。規格化入力信号値xの定義域[0, 4080]全域についてi(x)を求めグラフ化すると、図18に示すようになる。
【0077】
規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルo(・)は、階調補正を行わず、つまり入力信号値に対するオンドット数が図18に示すような状態で出力を行う場合の、規格化された入力信号値に対する出力濃度を規格化して表すものである。規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルo(・)は、図18に示す折れ曲がり部分(傾きの切替点)があるために、図19に示すようになる。
【0078】
規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルn(・)は、入力信号値に対するオンドット数が図6に示すように比例関係にある場合の、規格化された入力信号値に対する出力濃度を規格化して表すものである。この場合の規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルn(・)は、図5に示すようになる。
【0079】
本実施形態において、階調補正を行わない場合の出力濃度特性は式(2)で表され、これをグラフ化すると図19に示す実線のようになる。従って、本実施形態において求めるべき階調補正テーブルは、式(2)の逆関数である式(3)であり、図20に示す太実線で表される。
【0080】
従来の階調補正テーブルの作成方法は、図6に示すような連続した記録特性をもつ系を対象とする。従って、図5に示すのような出力濃度特性をもつ系について適用可能である。これは式(7)に対応する。
z = n(x) …(7)
【0081】
式(7)に対応する、連続的なインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性(図5)は、入力画像信号値に対する出力濃度を示す特性であるが、同時に、600dpiのオンドットの数に対する出力濃度を示す特性であるも言える。一方、本実施形態のような系は、入力信号値に対するオンドット数はi(x)と表すことができ、図18に示すような特性をもつ。
【0082】
以上より、本実施形態における出力濃度特性は、連続するインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性n(・)、および、規格化インデックステーブルi(・)を用いて、式(4)のように表すことができる。以下、式(4)を変形して、階調補正テーブルを導出する。
【0083】
従来の階調補正テーブルの作成方法を用いて、図7に実線で示すようなn-1(・)を求め、これを式(4)の両辺に与えて式(5)を得る。i(・)の逆関数i-1(・)は、図22に実線で示すように求められるが、これを式(5)の両辺に与えて式(6)を得る。
【0084】
一方、従来の階調補正テーブルである式(3)から、階調補正テーブルは、規格化出力濃度zを入力とし、規格化入力信号値xを出力するものと定義可能であることがわかる。これを踏まえて式(6)を観ると、i-1(n-1(・))は、本実施形態における階調補正テーブルであることがわかる。
【0085】
なお、本実施形態のように、不連続なインデックスパターンを使用する系において、連続するインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性n(・)を求めるには、i(・)の逆関数i-1(・)を階調補正テーブルの代わりに用いてパッチを出力し、出力パッチの濃度を測定すればよい。
【0086】
以下では図21のフローチャートに示す、本実施形態に特有の処理を詳細に説明する。
【0087】
●逆インデックステーブル(S200)
図22に実線で示す逆インデックステーブルは、破線で示す、不連続のインデックスパターンを用いる場合の入力信号値に対するオンドット数のテーブルの逆関数である。図22に示すように、このテーブルは容易に作成できるので、詳細な作成方法の説明は省略する。なお、ここで設定する逆インデックステーブルは、測定パッチ出力用のアウトプットガンマの設定(S102)で用いられるが、インデックス分の補正(S202)では使用されない。
【0088】
つまり、連続するインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性n(・)を求めるために、逆インデックステーブルを作成し(S200)、測定用のパッチを出力する際の階調補正テーブルとして設定する(S102)。
【0089】
逆インデックステーブルを使用してパッチを出力することで、プリンタ400による多値→二値変換(インデックスパターンの展開)後、図6に示すような、入力画像信号値に対して線形なオンドット数の出力を得ることができる。言い換えれば、逆インデックステーブルを使用することで、入力画像信号値に対するオンドット数が線形になり、図10に示す、適当な間隔でサンプリングされたパッチを使用しても、図23に示すような濃度特性が切り替わる点の取りこぼしを防ぐことができる。
【0090】
また、サンプリングされたパッチの使用が可能になれば、同一紙面内、紙面間の濃度再現特性が不安定な系においても、記録ヘッドの、記録に伴う温度上昇による吐出量の変動の影響を抑えて、信頼性が高い記録濃度特性を得ることができる。勿論、本実施形態のプリンタ400のように記録特性が非線形な系における階調補正テーブルの作成に、従来の階調補正テーブルの作成方法における処理を多数利用することができるという長所もある。具体的には、図21に示すステップS102からS108において、従来の階調補正テーブルの作成方法と同様の処理が実行される。
【0091】
●中間アウトプットガンマテーブルの作成(S201)
ステップS108の処理によって微調整された逆引きテーブルの入出力レンジ[0, 1]を、入出力ともに[0, 4080]に合わせることで、本実施形態で「中間アウトプットガンマテーブル」と呼ぶn-1(・)を求める。
【0092】
●インデックス分の補正(S202)
上述したように、式(3)および(6)の比較により、求めるべき階調補正テーブルo-1(・)は、i-1(n-1(・))と同等であることがわかる。そこで、i-1(・)およびn-1(・)を合成することで、o-1(・)を求める。
【0093】
すなわち、入力レンジ[0, 255]のすべての入力値に対して、図7に示されるn-1(・)を参照して出力値を調べる。そして、この出力値を図22に実線で示される逆インデックステーブルi-1(・)に入力することで、テーブルの合成出力値i-1(n-1(・))を得る。言い換えれば、ステップS202において、図7に示される折れ曲がりがない階調補正テーブルn-1(・)を数値的に変換して、図20に太実線で示す折れ曲がりがある階調補正テーブルを求める。
【0094】
このように階調補正テーブルの不連続な折れ曲がり部分を数値的変換によって求めることで、プリンタの色再現特性の不安定性や、濃度測定時の濃度測定誤差に影響されることがなく「折れ曲がり部分のずれ」を防ぐことができる。
【0095】
上記の手順で求めた、入力画像信号値ごとの合成出力値i-1(n-1(・))をテーブル化し、階調補正テーブルo-1(・)用の配列に代入することで、図20に太実線で示すような階調補正テーブル(アウトプットガンマテーブル)を得る(S109)。
【0096】
[上記の方法による階調補正テーブル作成の問題]
しかし、不連続のインデックスパターンを使用する多値プリンタについて、上記の方法で階調補正テーブルを作成すると、その最大値が図24の点Pに相当する、フルレンジの値(例えば12ビット出力のテーブルであれば4080)に満たない階調補正テーブルを作成しようとしても、所望する最大値(図24では点P)をもち、かつ、階調補正後の出力濃度特性が線形になる階調補正テーブを得ることはできない。
【0097】
具体的には、図25に破線C1で示すフルレンジの階調補正テーブルに対して、上記の、線形な出力特性を持つ記録装置について任意の最大値の階調補正テーブルを導出する方法によって得られる、所望する最大値をもつ階調補正テーブルは二点鎖線C0で表され、プリンタの非線形性を補償して出力濃度特性を線形にする階調補正テーブルを得ることはできない。
【0098】
また、プリンタの非線形性に対応した階調補正テーブルを基に、上述した、例えば単純変倍による階調補正テーブルの変換方法を用いて、所望する最大値をもつ階調補正テーブルを作成すると、図24に示すような階調補正テーブルになり、本来、必要とする図26に示すような階調補正テーブルを得ることができず、階調補正後の階調性をかえって悪化させてしまう。
【0099】
具体的には、図24に示す吐出量中ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルを基に、上述した方法により求めた吐出量大および小ランク用の階調補正テーブルは図24に示すようになり、プリンタの出力特性を補償するための階調補正テーブルの折れ曲がり部分はx軸上の点Qの延長線上に位置する。しかし、図18に示すような出力特性をもつプリンタで出力を行う場合、出力濃度特性を線形にするには、吐出量大および小ランク用の階調補正テーブルは、図26に示すように、y軸上の点Pの延長線上に折れ曲がり部分が位置する必要がある。
【0100】
さらに、上記の不連続なインデックスパターンを使用する、非線形な出力特性をもつ系の階調補正テーブル作成方法において、中間アウトプットガンマに対して最大値の調整を行い、インデックス分の補正を行って、図25に二点鎖線C0で示す階調補正テーブルを変換すると、実線C2で示す階調補正テーブルが得られる。しかし、階調補正テーブルC2は、所望する最大値とは異なる最大値をもつテーブルになってしまう。
【0101】
[解決策]
上記の問題を解決する策として以下の三つが考えられる。
(1) 最大値の異なる階調補正テーブルごとに、プリンタの出力濃度データに基づき階調補正テーブルを作成する。
(2) 一つの中間アウトプットガンマに基づき最大値が異なる階調補正テーブルをそれぞれ解析的変換によって求める。
(3) 一つの階調補正テーブルを基に、変換を行って、任意の最大値をもつ階調補正テーブルを解析的に求める。
【0102】
以下では、上記の三つの解決策を実施形態として順に説明する。
【0103】
【第1実施形態】
第1実施形態では、出力解像度600dpi、二値記録を行うインクジェットプリンタが、600dpi、2×2画素のスーパピクセルに対応する、図16に示すような300dpi、四値のインデックスパターンを使用し、ホストが、入力解像度300dpi、四値の多値プリンタとして階調補正を行う例を説明する。
【0104】
なお、ホスト上で稼動するプリンタドライバ300(色処理部)およびインクジェットプリンタ400の構成例は図12と同じであり、その詳細説明を省略する。また、プリンタ400の入力画像信号値とオンドットの数との関係は、図18に示すように非線形な折れ線である。
【0105】
以下では、図16に示すような出力特性をもつ系について、階調補正テーブルを作成する方法を説明する。
【0106】
図27は第1実施形態における階調補正テーブルの作成(導出)手順例を示すフローチャートで、プリンタドライバの一部として、または、関連して提供されるソフトウェアをホストに実行させることで、階調補正テーブルを作成することができる。
【0107】
図21に示した処理に比べ、図27に示す処理には、その詳細を後述する、階調補正テーブルの最大値の設定(S301)が追加されている。なお、図8および図21と同様の処理には、同一符号を付して詳細説明を省略し、特徴的な部分だけ説明する。
【0108】
●階調補正テーブルの最大値の設定(S301)
求める階調補正テーブルの最大値を設定するが、吐出量中ランクの記録ヘッドの階調補正テーブルを求めるので、階調テーブルの最大値として「3886」(図24参照)を設定する。
【0109】
●測定パッチ出力用のアウトプットガンマの設定(S102)
式(1)を用いて、連続するインデックスパターンを使用する系における出力濃度特性n(・)を求めるために、ステップS200で作成した逆インデックステーブルを測定パッチ出力用の階調補正テーブルに設定する。この逆インデックステーブルを使用して測定パッチを出力することで、プリンタ400の多値→二値変換(インデックスパターンの展開)後に、図6に示すような、入力画像信号値に対して線形なオンドット数の出力を得ることができる。
【0110】
このように逆インデックステーブルを使用して記録を行うことで、入力画像信号値に対するオンドット数が線形になり、これにより、図10に示す適当な間隔でサンプリングされたパッチを使用しても、図23に示すようにな、濃度特性の切り替わり部分の取りこぼしを防ぐことができる。また、任意のサンプリングが可能になることで、インクジェットプリンタのような、同一紙面内、紙面間での濃度再現特性が不安定な系においても、信頼性の高い記録濃度特性を得ることが可能になる。さらに、記録特性が非線形な系の階調補正テーブルを作成する際の、多くの処理に従来と同じ処理を使用することができる。
【0111】
●中間アウトプットガンマテーブルの作成(S201)
ステップS108の処理によって微調整された逆引きテーブルの入出力レンジ[0, 1]を入力[0, 4080]、出力[0, 3886]に変換する。
【0112】
●インデックス分の補正(S202)
上述と同様に、プリンタの入出力特性の非線形性の影響を取り除いて求めた中間アウトプットガンマテーブルに、プリンタの入出力特性の非線形性を付加する作業を行うが、図28を参照して、第1実施形態に特徴的な、インデックス分の補正における、階調補正テーブルの変換に使用するテーブルを説明する。
【0113】
図7に実線で示す中間アウトプットガンマを、図28に一点鎖線で示す最大値が4080の逆インデックステーブルによって変換することが、まず考えられる。具体的には、入力値0〜255のすべてに対して、中間アウトプットガンマによる補正を行い、得られる補正値の入力に対して逆インデックステーブルの出力値を求めることで変換を行う。ところが、第1実施形態のように、最大値が4080ではない中間アウトプットガンマを、このように変換すると、最大値の部分で明らかなずれが生じる。これは、第1実施形態のように最大値が3886の場合、逆インデックステーブルに入力すべき補正値は、図28に示す領域XおよびYには存在するが、領域Zには存在しないことによる。
【0114】
第1実施形態では、上記を鑑みて、下記の条件に基づき求まる、図28に実線で示すような、階調補正テーブルの最大値によって変わるテーブルを、インデックス分の補正用の逆インデックステーブルに使用する。
(a) プリンタの入出力特性に起因する領域XおよびYの間の折れ曲がり部分は、階調補正テーブルの最大値の変更に影響されない。
(b) 中間アウトプットガンマテーブルの最大値は、逆インデックステーブルを用いる変換によって保存される、言い換えれば、変換前後で同じ値を保つ。
【0115】
従って、階調補正テーブルの補正値は、入力値0〜255それぞれに対して中間アウトプットガンマによる補正値を求め、得られた補正値を入力として、逆インデックステーブルによる補正を行うことで、逆インデックステーブルの補正値を得ることができる。
【0116】
●階調補正テーブルの作成(S109)
ステップS202で、逆インデックステーブルによって変換された中間アウトプットガンマを、図12に示す階調補正テーブルのデータベース305に格納可能な形式に変換することで、階調補正テーブルを作成する。
【0117】
以上で、吐出量中ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルが得られる。
【0118】
以上では、設計に用いる吐出量中ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルの導出方法を説明したが、同様の手順で、吐出量大ランクおよび吐出量小ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルを作成することができる。具体的には、吐出量大ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルを作成する場合は最大値を3709に、吐出量小ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルを作成する場合は最大値を4080にそれぞれ設定することで、吐出量補正に対応した階調補正テーブルを得ることができる。
【0119】
【第2実施形態】
以下、本発明にかかる第2実施形態の階調補正テーブルの作成を説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0120】
以下では、図12に示す、第1実施形態と同様の吐出量補正機能をもつ非線形な出力特性のプリンタ400を用いるシステムにおいて、色処理を行う場合を説明する。
【0121】
第2実施形態は、非線形な出力特性をもつプリンタ400の階調補正テーブルを求める際に、例えば第1実施形態で説明したような方法を用いて、プリンタ400の非線形な出力特性を補償した状態で中間アウトプットガンマを求め、得られた中間アウトプットガンマを利用して、任意の最大値をもつ階調補正テーブルを求めるものである。より具体的には、例えば最大値が3886の中間アウトプットガンマを変換して、任意の最大値(例えば4706)の中間アウトプットガンマを作成し、その後、作成した最大値4706の中間アウトプットガンマをプリンタ400の非線形な出力特性を考慮した形式の階調補正テーブルに変換する。
【0122】
図29は第2実施形態の階調補正テーブルの作成方法を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同様の方法によって作成した吐出量中ランクの記録ヘッド用の、最大値3886の中間アウトプットガンマを用いて、吐出量大ランクの記録ヘッド用の、最大値3709の階調補正テーブルを作成する場合を説明する。
【0123】
●中間アウトプットガンマの設定(S501)
第1実施形態と同様の方法で作成された最大値3886の中間アウトプットガンマを設定する。なお、この中間アウトプットガンマは、プリンタの非線形な出力特性を補償した状態で得られたものであるから、図32のC1と同様(最大値は異なる)に示すように、折れ曲がり部分がない。
【0124】
●アウトプットガンマの最大値の設定(S502)
求めるべき階調補正テーブルの最大値を設定する。第2実施形態では、吐出量大ランクの記録ヘッド用に、最大値3709を設定する。
【0125】
●逆インデックステーブルの作成(S200)
プリンタの非線形な出力特性を補償した状態で得られた中間アウトプットガンマを、プリンタの非線形な出力特性に対応した階調補正テーブルに変換するためのテーブルを作成する。この処理は、第1実施形態における「逆インデックステーブルの作成(S200)」と略同様であるが、変換後の階調補正テーブル最大値が3709になる。従って、ここで作成するテーブルは、図28における入力信号値「3886」を「3709」に置き換えたものになる。勿論、ここで作成される逆インデックステーブルは、インデックス分の補正(S202)で使用されるものである。
【0126】
●アウトプットガンマの間引き処理(S503)
中間アウトプットガンマの設定(S501)で設定された任意の最大値(ここでは3886)の階調補正テーブルに基づき、変換を行って、任意の(ここでは3709)の中間アウトプットガンマを作成する。最大値の異なる階調補正テーブル間の変換方法には、任意の方法を用いることができるが、一例として、設定された最大値の階調補正テーブルの各出力値を単純に変倍を行えばよい。単純変倍を行う場合の変倍後の階調補正テーブルは下式のようになる。
変倍後の出力値 = ROUND(3709/3886×変倍前の補正値)
ここで、ROUND(・)は、実数を引数にとり、入力された実数を四捨五入した後、整数に変換する関数である。
【0127】
●インデックス分の補正(S202)
ステップS200で作成した逆インデックステーブルを使用して、第1実施形態と同様の処理を行う。
【0128】
●階調補正テーブルの作成(S109)
第1実施形態と同様に、階調補正テーブルの形式に変換する。
【0129】
上記では、吐出量大ランクの記録ヘッド用の、最大値3709の階調補正テーブルを作成する方法を説明したが、吐出量小ランクの記録ヘッド用の、最大値4080の階調テーブルも同様手順で求めることができる。
【0130】
上記では、既に作成済みである、吐出量中ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルに基づき、他の吐出量ランクの記録ヘッド用の階調補正テーブルを求める場合を説明したが、基本になる階調補正テーブルは、どの吐出量ランクの記録ヘッド用のテーブルでもよい。
【0131】
【第3実施形態】
以下、本発明にかかる第3実施形態の階調補正テーブルの作成を説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0132】
第3実施形態は、図12に示す、第1実施形態と同様の吐出量補正機能をもつ非線形な出力特性のプリンタを用いるシステムにおいて、吐出量中ランクの記録ヘッドを使用して作成した階調補正テーブルに基づき、吐出量大ランクの記録ヘッド用の、最大値3709の階調補正テーブルを導出する例を説明する。
【0133】
図30は第3実施形態の階調補正テーブルの作成方法を示すフローチャートである。
【0134】
●アウトプットガンマの設定(S600)
第1実施形態と同様の方法で作成された最大値3886の階調補正テーブルを設定する。
【0135】
●アウトプットガンマの最大値の設定(S502)
吐出量大ランクの記録ヘッド用に、階調補正テーブルの最大値を3709に設定する。
【0136】
●インデックステーブルの作成(S601)
図31に破線で示す、不連続のインデックスパターンを用いる場合の入力信号値に対するオンドット数の逆関数である、実線で示すテーブルを作成する。このテーブルは容易に作成することができるので、その作成方法の説明を省略する。
【0137】
●逆インデックステーブルの作成(S200)
プリンタの非線形な出力特性を補償した状態で得られた中間アウトプットガンマを、プリンタの非線形な出力特性に対応した階調補正テーブルに変換するためのテーブルを作成する。この処理は、第1実施形態における「逆インデックステーブルの作成(S200)」と略同様であるが、変換後の階調補正テーブル最大値が3709になる。従って、ここで作成するテーブルは、図28における入力信号値「3886」を「3709」に置き換えたものになる。
【0138】
●中間アウトプットガンマの作成(S201)
ステップS600で設定した、プリンタの非線形な出力特性に対応した最大値3886のアウトプットガンマを、ステップS601で作成したインデックステーブルを用いて変換し、第1実施形態の中間アウトプットガンマと同様の、プリンタの非線形性を補償した状態で得られるテーブルに変換する。具体的には、すべての入力値に対して、アウトプットガンマの補正値を求め、この補正値を入力としてインデックステーブルによる変換を行い、その出力値を中間アウトプットガンマとする(下式参照)。
中間Opg[i] = インデックステーブル[Opg[i]]
ここで、Opgは「アウトプットガンマ」の略
iは0から255の整数
【0139】
●アウトプットガンマの間引き処理(S503)
第2実施形態と同様に、得られた中間アウトプットガンマに対して間引き処理を施す。
【0140】
●インデックス分の補正(S202)
ステップS200で作成した逆インデックステーブルを使用して、第2実施形態と同様の処理を行う。
【0141】
●階調補正テーブルの作成(S109)
第1実施形態と同様に、階調補正テーブルの形式に変換する。
【0142】
ところで、実施形態においては、特公平8-2659号公報とは異なり、入力信号値-出力濃度テーブルの逆テーブルを求めた後、回帰曲線によるデータのスムージングを行う方法をとる。しかし、特公平8-2659号公報と同様に、入力信号値-出力濃度テーブルのデータをスムージングした後に、逆テーブルを求める方法を用いて、階調補正テーブルを求めてもよい。
【0143】
また、上記では、同一サイズ、同じインク種に対応するドットの組み合わせをインデックスパターンとして用いる例を説明したが、小ドット、大ドットを打ち分けられるプリンタの場合は小ドットと大ドットの組み合わせを、淡インク、濃インクの二種のインクを使用するプリンタの場合は淡ドットと濃ドットの組み合わせを、それぞれインデックスパターンに用いることができ、そのような場合も、実施形態の階調補正テーブルの作成方法を適用することができる。
【0144】
さらに、上記では、インデックスパターンの切り替わりに起因する記録濃度の折れ曲がり部分が一つの例を説明したが、この折れ曲がり部分の数は一つに限られず、二つ以上の折れ曲がり部分を有する系にも、実施形態の階調補正テーブルの作成方法を適用することができる。
【0145】
勿論、実施形態の補正テーブルの作成方法は、不連続なインデックスパターンを使用するインクジェットプリンタに限らず、入力に対する出力特性が不連続な特性をもつ記録装置全般、例えばCRTのハードコピー装置などに広く利用することができる。
【0146】
【変形例】
第2および第3実施形態では、インデックス分の補正に用いる逆インデックステーブルとして図28に示すような、所望の最大値が保存されるテーブルを用いる例を説明した。しかし、図31に示す最大値4080が保存される逆インデックステーブルを上記の所望の最大値が保存されるテーブルの代わりに用いて、逆インデックステーブルを使用してインデックス分の補正を行った階調補正テーブル(図32に示す曲線C1)の終端部を直線で補間して、図32に示す曲線C2を得てもよい。
【0147】
このようにすれば精度は落ちるが、逆インデックステーブルとして固定の一つのテーブルが使用できるようになり、逆インデックステーブルを格納するためのメモリの削減、逆インデックステーブルの再計算にかかる処理時間の短縮など、より簡易的なシステム構成にすることができる。
【0148】
●アウトプットガンマの間引き処理の他の方法
上記では、最大値の異なる階調補正テーブルの作成方法として、非線形な出力特性を補償した状態で作成した中間アウトプットガンマに対して、その階調補正値を単純変倍することで、最大値の異なる階調補正テーブルを得る方法を説明した。各色の階調補正テーブルすべてに対して単純変倍を行うことで、最大値の異なる階調補正テーブルを用いても、アウトプットガンマの間引き処理後の色バランスが保たれるが、アウトプットガンマの間引き処理として、例えば出力濃度特性の線形性が保たれるような方法を用いてもよい。この場合、異なる最大値の階調補正テーブルを用いて色処理を行い、出力画像の濃度特性が保存されるようにすることができる。
【0149】
●階調補正テーブルを使用するシステムの構成
上記の各実施形態で作成される階調補正テーブルは、記録ヘッドの吐出量補正を行うシステムにおいて使用される。しかし、作成される階調補正テーブルは、図14に示すような打込量補正を行うシステムに対しても使用可能である。
【0150】
なお、記録ヘッドの各吐出量ランクに対応する階調補正テーブルは、図26に示すようになっていて、各吐出量ランクの階調補正テーブル間で全定義域に対して単純に定数倍とはならない。すなわち、打込量の比で階調補正テーブルの最大値を変換しても、目標の打込量を達成できないことがある。
【0151】
そこで、作成される階調補正テーブルを打込量補正に使用する場合、上記の点を考慮して、例えば階調補正テーブルの最大値を徐々に減らしながら、打込量を満たす階調補正テーブルの最大値を見付ける、などの対策が必要である。
【0152】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0153】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0154】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0155】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力信号値と、入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルを作成することができる。
【0157】
また、上記の記録特性を補正することが可能な、任意の最大出力値をもつ階調補正テーブルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】解像度600dpi、二値の2×2画素を一組とする場合のオンドットの配置方法を示す図、
【図2】 8ビットの入力画像信号の信号値に対する、平均的な、単位面積当りのインデックスパターンの割当数の分布を示す図、
【図3】信号値とインデックス番号との対応をまとめた図、
【図4】 8ビットの入力画像信号の信号値に対する、平均的な、単位面当りの600dpi、二値のオンドット数を示す図、
【図5】 8ビットの入力信号値を600dpi、二値で記録した場合の記録濃度を示す図、
【図6】入力信号値と記録濃度との関係を示す図、
【図7】図5の逆関数になるテーブルを示す図、
【図8】入力解像度300dpi、五値のプリンタ用の階調補正テーブルの導出を説明するフローチャート、
【図9】入力信号値を素通しする階調補正テーブルを示す図、
【図10】測定用パッチの一例を示す図、
【図11】信号値-濃度テーブルを示す図、
【図12】ホスト上で稼動するプリンタドライバ(色処理部)およびインクジェットプリンタの構成例を示すブロック図、
【図13】 12ビットの階調補正テーブルの最大値を「4080」とするプリンタの入出力特性を示す図、
【図14】ホスト上で稼動するプリンタドライバ(色処理部)およびインクジェットプリンタの構成例を示すブロック図、
【図15】データベースの記憶内容を説明する図、
【図16】スーパピクセルによるインデックスパターンを説明する図、
【図17】信号値とインデックス番号との対応をまとめた図、
【図18】信号値に対するオンドットの数を示す図、
【図19】連続するインデックスパターンを用いる多値プリンタの記録濃度特性を示す図、
【図20】階調補正テーブルを示す図、
【図21】階調補正テーブルの作成手順例を示すフローチャート、
【図22】階調補正テーブルの作成方法を説明する図、
【図23】階調補正テーブルの作成方法を説明する図、
【図24】階調補正テーブルの作成方法を説明する図、
【図25】階調補正テーブルの作成方法を説明する図、
【図26】必要とする階調補正テーブルを示す図、
【図27】第1実施形態における階調補正テーブルの作成手順例を示すフローチャート、
【図28】インデックス分の補正における、階調補正テーブルの変換に使用するテーブルを示す図、
【図29】第2実施形態の階調補正テーブルの作成方法を示すフローチャート、
【図30】第3実施形態の階調補正テーブルの作成方法を示すフローチャート、
【図31】階調補正テーブルの作成方法を説明する図、
【図32】階調補正テーブルの作成方法を説明する図である。
Claims (5)
- 入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルを作成する方法であって、
前記記録装置が使用する記録ヘッドのインク吐出量に基づき、第一の階調補正テーブルの最大入力値に対する最大出力値を設定し、
前記傾きの切替点がある特性に対し前記傾きの切替点がなくなるように補正した状態で、前記記録装置により濃度測定用の画像を記録し、前記濃度測定用の画像を測定した結果に基づきガンマテーブルである前記第一の階調補正テーブルを作成し、
前記第一の階調補正テーブルの最大出力値を前記設定された最大出力値に変換し、
前記傾きの切替点がある特性にした階調補正テーブルを得るために、前記変換後の第一の階調補正テーブルを数値的に変換して、前記最大出力値をもつ第二の階調補正テーブルを作成することを特徴とする作成方法。 - 前記第一の階調補正テーブルは、前記濃度測定用画像の濃度に基づき得られる、入力信号値と記録濃度の対応を示すテーブルの逆関数のテーブルに相当することを特徴とする請求項1に記載された作成方法。
- 入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打ち込み量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルを作成する作成装置であって、
前記記録装置が使用する記録ヘッドのインク吐出量に基づき、第一の階調補正テーブルの最大入力値に対する最大出力値を設定する設定手段と、
前記傾きの切替点がある特性に対し前記傾きの切替点がなくなるように補正した状態で、前記記録装置により濃度測定用の画像を記録し、前記濃度測定用の画像を測定した結果に基づきガンマテーブルである第一の階調補正テーブルを作成する作成手段と、
前記第一の階調補正テーブルの最大出力値を前記設定された最大出力値に変換し、前記傾きの切替点がある特性にした階調補正テーブルを得るために、前記変換後の第一の階調補正テーブルを数値的に変換して、前記最大出力値をもつ第二の階調補正テーブルを作成する変換手段とを有することを特徴とする作成装置。 - 情報処理装置を制御して、請求項1または請求項2に記載された階調補正テーブルの作成を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 請求項4に記載されたコンピュータプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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