JP2004255700A - メモリ容量の節約を考慮したドットデータ作成処理 - Google Patents
メモリ容量の節約を考慮したドットデータ作成処理 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】まず、印刷解像度よりも粗い解像度を有するRGBデータを準備し、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する領域のカラー画像データを、ライン選択処理用バッファBF12に格納する。そして、このバッファBF12から、1回の主走査においてインクドットの記録対象となる印刷対象ラインのカラー画像データを選択する。また、このカラー画像データに関して、印刷解像度において色変換とディザ処理を少なくとも行うことによって、印刷対象ライン上の印刷画素におけるインクドットの記録状態を示すドットデータを作成してバッファBF14に格納する。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主走査を行いつつ印刷ヘッドのノズルからインクを吐出させてカラー印刷を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタはコンピュータの出力装置として普及している。近年では、高画質化のためにインクジェットプリンタの印刷解像度が高まる傾向にあり、また、高速化のために1色当たりのノズル数も増大する傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェットプリンタで印刷を行う際には、RGBデータなどのカラー画像データから、各インクのインクドットの記録状態を表すドットデータを作成する処理が実行される。この処理では、多量のバッファメモリが使用されるが、印刷解像度やノズル数の増大に伴って、バッファメモリの必要容量も大幅に上昇する。例えば、印刷解像度が主走査方向と副走査方向にそれぞれ2倍になれば、印刷領域の画素数は4倍になる。このとき、単純な計算では、バッファメモリの容量も4倍となる。また、印刷解像度が4倍になればバッファメモリの容量は16倍にも達する。
【0004】
しかし、バッファメモリとして利用可能なメモリ資源には限界がある。そこで、従来から、ドットデータ作成処理時に必要とされるバッファメモリの容量を削減したいという要望があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ドットデータ作成処理時に必要とされるバッファメモリの容量を削減できる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の方法は、主走査を行いつつ印刷ヘッドのノズルからインクを吐出させ、インクドットを印刷媒体上に記録することによってカラー印刷を行うために、インクドットの記録状態を示すドットデータを作成する方法であって、
(a)複数種類のインクを吐出するための複数のノズル群であって、副走査方向に沿ったノズルピッチが印刷画素のピッチよりも粗い複数のノズルでそれぞれ構成された複数のノズル群を備えた印刷ヘッドを準備する工程と、
(b)印刷解像度よりも粗い解像度を有するカラー画像データを準備するとともに、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する領域のカラー画像データを、第1のバッファに格納する工程と、
(c)1回の主走査において前記複数のノズル群によってインクドットの記録対象となる複数の印刷対象ライン上のカラー画像を表すカラー画像データを、前記第1のバッファから選択する工程と、
(d)前記選択された複数の印刷対象ライン上のカラー画像データに関して、印刷解像度を有する閾値パターンを用いたハーフトーン処理を少なくとも行うことによって、前記選択された印刷対象ライン上の印刷画素におけるインクドットの記録状態を示すドットデータを作成して第2のバッファに格納する工程と、
(e)前記第2のバッファから前記ドットデータを出力する工程と、
を備える。
【0007】
この方法によれば、第1のバッファに格納されるカラー画像データは、印刷解像度よりも粗い解像度を有するカラー画像データであって、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する領域の分のデータである。従って、印刷解像度が増加しても、バッファメモリの容量が過度に増大することが無いという効果がある。
【0008】
なお、前記第1のバッファに格納される前記カラー画像データは、3つの色成分で任意の色を表現する第1の表色系によって表現されており、
前記工程(d)は、前記ハーフトーン処理の前に、前記第1の表色系から前記複数種類のインクで任意の色を表現する第2の表色系に変換する工程を含むものとしてもよい。
【0009】
また、前記1回の主走査においてインクドットの記録対象となる各印刷対象ライン上の印刷画素位置が、当該主走査においてインクドットの記録対象となる記録対象画素位置と、インクドットの記録対象とならない非記録対象画素位置とを含んでいるときに、
前記工程(d)は、各印刷対象ライン上のドットデータの中で前記非記録対象画素位置におけるドットデータの値を、ドットの非形成を表す値に置き換える工程を含むものとしてもよい。
【0010】
本発明は、上述のドットデータ作成方法の他に種々の態様で実現可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、印刷装置とコンピュータとを備えた印刷システム、これらの方法または装置を実現するコンピュータプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体など種々の態様で実現することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.印刷システムの概要:
B.比較例の処理:
C.実施例の処理:
D.変形例:
【0012】
A.印刷システムの概要:
図1は、本発明の実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、コンピュータ100とプリンタ200とが相互に接続された構成を有している。コンピュータ100にはプリンタドライバ110がインストールされている。プリンタドライバ110は、アプリケーションプログラム(図示せず)から画像データを受け取り、バッファメモリ120を利用して色変換処理やハーフトーン処理を行って印刷データPDを生成し、プリンタ200に供給する。印刷データPDは、印刷解像度を有する主走査ライン上の各画素についてインクドットの記録状態を指定するドットデータと、副走査送り量を特定する副走査送り量データとを含んでいる。なお、プリンタドライバ110は、印刷用のドットデータを生成する機能を実現するためのコンピュータプログラムに相当する。
【0013】
プリンタドライバ110の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給し得る。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等のコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0014】
図2は、プリンタドライバ110が受け取るカラー画像データの解像度Rdataと、印刷データ(ドットデータ)の解像度Rprintとの関係を示す説明図である。本実施例では、カラー画像データの解像度Rdata(「画像データ解像度」と呼ぶ)は360dpiであり、印刷データPDの解像度Rprint(「印刷解像度」と呼ぶ)は720dpiであるものとしている。換言すれば、カラー画像データの1画素DPXのピッチは1/360インチであり、印刷画素PPXのピッチは1/720インチである。印刷解像度Rprintは、画像データ解像度Rdataよりも細かい値に設定されることが多い。なお、図3の例では主走査方向の印刷解像度と副走査方向の印刷解像度が同一であるとしているが、これらを異なる値に設定することも可能である。
【0015】
プリンタドライバ110が実行するドットデータ作成処理では、カラー画像データが、所定の大きさのバンドBLを単位として処理される。このバンドBLの主走査方向の幅Wは印刷領域の幅と同じであり、また、副走査方向の高さL(ライン数)は予め設定された値である。以下の説明では、バンドBLの主走査方向の幅Wが8インチであり、また、副走査方向の高さLが100ライン分であるものとして説明する。
【0016】
図3は、プリンタ200の印刷ヘッド210の底面におけるノズル配列を示す説明図である。この印刷ヘッド210には、7つのノズル群が設けられている。7つのノズル群は、ブラックKと、シアンCと、マゼンタMと、イエローYと、ライトシアンLCと、ライトマゼンタLMと、ダークイエローDYと、の7種類のインクを吐出するためのものである。ライトシアンLCは、シアンCと色相が同一で濃度が薄いインクである。ライトマゼンタLMも同様である。ダークイエローDYは、イエローYに若干のグレー成分が含まれているインクである。各ノズル群は、同一のノズル数を有しており、副走査方向に沿って一定のノズルピッチPnozzleで配列されている。本明細書では、ノズルピッチPnozzleの逆数Rnozzleを「ノズル解像度」と呼ぶ。図3の例では、ノズル解像度Rnozzleは180dpiである。ノズル解像度Rnozzleは、印刷解像度Rprintよりも粗い値に設定されていることが多い。
【0017】
なお、一部のノズル群(例えばブラックノズル群)は、他のノズル群よりも多くのノズルを有していてもよく、また、他のノズル群のノズルピッチの整数分の1のより小さいノズルピッチを有していてもよい。このような場合にも、カラー画像の印刷の際には、各ノズル群に関して同一数のノズルが選択されて使用されるのが普通である。印刷ヘッド210としては、一般に、複数種類のインクを吐出する複数のノズル群を有するものを用いることが可能である。
【0018】
図4は、印刷ヘッド210を用いて実行される記録方式(印刷方式)の一例を示す説明図である。図4の左側には、5回の主走査(「パス」と呼ぶ)における印刷ヘッド210の位置を示している。この図では、図示の便宜上、印刷ヘッド210は1種類のインクのための1列のノズル群で代表されており、また、そのノズル数Nnも10個であるとして簡略化されている。図4の右半分には、印刷媒体上において記録対象となる印刷画素の位置を示している。個々の小さい四角枠が印刷画素を表している。黒丸が付された画素位置(奇数画素位置)と、白丸が付された画素位置(偶数画素位置)は、互いに異なるパスにおいてドット記録の対象となることを意味している。これについては後述する。
【0019】
この例では、1パスが終了するたびに、一定の送り量F(=5ドット)の副走査が行われている。通常の副走査では印刷媒体が移動するが、図4では図示の便宜上、印刷ヘッド210が移動するものとして描かれている。副走査が行われると、ノズルの位置が順次副走査方向に移動する。なお、記録方式によっては、副走査毎に異なる送り量Fが使用される場合もある。
【0020】
パス1では、印刷ヘッド210の10個のノズルによって10本の主走査ラインL1,L5,L9…L37が走査される。従って、これらの10本の主走査ラインL1,L5,L9…L37が、インクドットの記録対象となる。また、これらの主走査ラインL1,L5,L9…L37上の画素のうち、黒丸が付された画素位置が、インクドットの記録対象となる画素位置(記録対象画素位置)である。同じ主走査ラインL1,L5,L9…L37上で白丸が付された画素位置は、パス1においてインクドットの記録対象とならない画素位置(非記録対象画素位置)である。例えば、ラインL21においては、黒丸の画素位置はパス1においてインクドットの記録対象となり、白丸の画素位置はパス5においてインクドットの記録対象となる。また、主走査ラインL1〜L20の白丸の画素位置は、図4のパス1よりも前のパスにおいてインクドットの記録対象となっている。
【0021】
本明細書では、図4のようなドット記録方式を「オーバーラップ記録方式」と呼ぶ。「オーバーラップ記録方式」とは、1回のパスでは主査ライン上の画素位置を間欠的・周期的にインクドットの記録対象とする方式である。すなわち、オーバーラップ記録方式では、各主走査ライン上における主走査の延べ回数は2回以上になり、各主走査ライン上のドットが異なる2つ以上のノズルを用いて記録される。図4の例では各主走査ライン上で行われる主走査の延べ回数は2回であるが、3回以上に設定することも可能である。このようなオーバーラップ記録方式を採用すると、ノズルの製造誤差に起因するドットの位置ズレが緩和されるので、画質を向上させることができるという利点がある。但し、図4の記録方式は単なる一例であり、オーバーラップ記録方式以外の記録方式を採用してもよい。
【0022】
以下に説明する比較例や実施例では、以下のパラメータを使用して印刷データの生成処理を説明する。
・バンドBLの幅W(図2(A)):画像データの処理単位であるバンドBLの主走査方向の幅。
・バンドBLの高さL(図2(A)):バンドBLの副走査方向のライン数。
・画像データ解像度Rdata(図2(A)):元のカラー画像データ(RGBデータ)の解像度。
・印刷解像度Rprint(図2(B)):印刷時の解像度。以下の説明では、主走査方向と副走査方向の印刷解像度が等しいものと仮定する。
・ノズル解像度Rnozzle(図3):ノズルの副走査方向のピッチを規定する解像度。
・使用ノズル数Nn(図4):カラー印刷時に使用される1インク色当たりのノズル数。
・インク色数Nc(図3):カラー印刷時に使用されるインク色の数。
【0023】
B.比較例の処理:
以下では、実施例における印刷データの生成処理を説明する前に、従来行われていた処理を比較例として説明する。図5は、比較例における印刷データの生成処理の手順と、その処理に使用されるバッファメモリとを示す説明図である。なお、図5の各ステップS1〜S5は、プリンタドライバ110内の各モジュールによって実行される。なお、プリンタドライバ110内の各モジュールを「処理部」とも呼ぶ。
【0024】
プリンタドライバ110は、アプリケーションプログラムからカラー画像データを受けると、ステップS1でRGBデータのラスタライズと解像度変換とを行って、印刷解像度Rprint(図2)を有するRGBデータを生成する。そして、このRGBデータをRGBデータバンドバッファBF1に格納する。ここで、「ラスタライズ」とは、主走査ライン毎にカラー画像データを配列する処理である。元のカラー画像データがビットマップデータである場合にはラスタライズは不要であるが、描画データや圧縮データの場合にはラスタライズが必要になる場合がある。
【0025】
なお、プリンタドライバ110がアプリケーションプログラムから受信するカラー画像データとしては、RGBデータやJPEGデータなどの種々のデータ構造を有するものを利用できる。通常のカラー画像データは、3つの色成分で任意の色を表現するデータである。
【0026】
プリンタドライバ110は、アプリケーションプログラムからRGBデータを受け取り、これを印刷解像度Rprintに単純水増ししてバンドバッファBF1に格納する。例えば、図2の例のように、元のRGBデータの解像度Rdataが360dpiであり、印刷解像度Rprintが720dpiである場合には、解像度変換では、元の1画素DPXの画素値が2×2個の印刷画素PPXに割り当てられる。
【0027】
図5のバンドバッファBF1は、1つのバンドBL(図2(A))分のRGBデータを格納する容量を有している。前述したように、バンドBLは、ドットデータ作成時の画像データの処理単位である。このバンドバッファBF1の容量CP[BF1]は、以下の(1)式で与えられる。
【0028】
CP[BF1]=W×Rprint×4×L …(1)
【0029】
ここで、値「4」は1画素分のRGBデータのバイト数である。なお、図5に示すように、バンドバッファBF1内の1画素分のRGBデータは、各8ビットのR,G,B成分と、8ビット分のスタッフビットXとで構成された4バイトのデータ構造を有している。ここで、W=8インチ,Rprint=720dpi,L=100ラインと仮定すると、バンドバッファBF1の容量CP[BF1]は、約2.2メガバイトとなる。
【0030】
ステップS2では、プリンタドライバ110が、バンドバッファBF1からRGBデータを順次読み出して色変換処理とディザ処理とを実行し、得られたドットデータをドットデータバンドバッファBF2に格納する。色変換処理は、図示しない色変換ルックアップテーブルを用いて、RGBデータを複数のインク色のデータ(「インク色データ」と呼ぶ)に変換する処理である。ディザ処理は、印刷解像度を有する所定の閾値パターンと、インク色データとを比較してドットデータを生成する処理である。
【0031】
ドットデータバンドバッファBF2は、1つのバンドBL分のドットデータを格納する容量を有している。このバンドバッファBF2の容量CP[BF2]は、以下の(2)式で与えられる。
【0032】
CP[BF2]=W×Rprint×(1/8)×L×Nc …(2)
【0033】
ここで、値「1/8」は1画素分のドットデータのバイト数である。すなわち、1インク色の1画素分のドットデータは、1ビット(すなわち1/8バイト)であるものとしている。一般に、1インク色の1画素分のドットデータがMビットのときには、容量CP[BF2]は(2)式のM倍になる。これは、後述する他の式でも同様である。上記(2)式において、W=8インチ,Rprint=720dpi,L=100ライン,Nc=7と仮定すると、バンドバッファBF2の容量CP[BF2]は、約0.5メガバイトとなる。
【0034】
ステップS3では、プリンタドライバ110が、ドット再配列処理(ステップS4)で使用されるドットデータを、バンドバッファBF2から読み出して再配列処理用バッファBF3に格納する。再配列処理用バッファBF3の容量CP[BF3]は、以下の(3)式で与えられる。
【0035】
CP[BF3]=W×Rprint×(1/8)×Nn×(Rprint/Rnozzle)×Nc …(3)
【0036】
なお、{Nn×(Rprint/Rnozzle)}の項は、図4に示すように、印刷ヘッド210の副走査方向の高さH1の範囲に存在する主走査ラインの数を示している。換言すれば、この高さH1は、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する。これから理解できるように、再配列処理用バッファBF3には、1回のパスにおいて走査される領域の副走査方向の範囲にわたるドットデータが格納される。この意味では、このバッファBF3に格納すべき必要最小限のデータは、印刷ヘッド210の両端のノズル位置を両端とする領域のデータであり、その副走査方向の高さは{(Nn−1)×(Rprint/Rnozzle)+1}となる。しかし、この値と上述の高さH1の値との差は小さく、両者は実質的に同じである。ここで、W=8インチ,Rprint=720dpi,Nn=180,Rnozzle=180dpi,Nc=7と仮定すると、(3)式で与えられるバンドバッファBF3の容量CP[BF3]は約3.5メガバイトとなる。
【0037】
ステップS4では、プリンタドライバ110がドットデータの再配列処理を実行して、1回のパスで使用されるドットデータを出力バッファBF4に格納する。再配列処理とは、1回のパスにおいて使用されるドットデータのみを抽出して再配列する処理である。例えば、図4のパス1では、印刷ヘッド210のノズルで走査される主走査ラインL1,L5,L9,…L37上の奇数番目の画素位置のみがドットの記録対象となる。従って、パス1を実行する場合には、この記録対象画素位置のドットデータだけを抽出してプリンタドライバ110からプリンタ200に供給すればよい。
【0038】
図6は、データ再配列処理の内容を示す説明図である。図6(A)には図4のパス1用の印刷データを作成する場合における再配列処理用バッファBF3内のドットデータと、印刷ヘッド210のノズル位置との関係が示されている。再配列処理用バッファBF3には、40本のラインL1〜L40のすべての画素位置のドットデータが格納されている。パス1では、主走査ラインL1,L5,L9…L37上の奇数画素位置のドットデータのみが使用される。従って、図6(B)に示すように、再配列処理では、これらの主走査ラインL1,L5,L9…L37上の奇数画素位置のドットデータのみが抽出されて出力バッファBF4に格納される。このとき、出力バッファBF4内において、主走査ラインL1,L5,L9…L37上の偶数画素位置(非記録対象画素位置)のドットデータは、ドットが形成されないことを示すダミーデータに置き換えられる。なお、出力バッファBF4としては、図6(C)のように、非記録対象画素位置のデータを含まず、記録対象画素位置のデータのみを含むものを使用してもよい。
【0039】
出力バッファBF4として図6(B)に示すものを使用する場合には、その容量CP[BF4]は、以下の以下の(4)式で与えられる。
【0040】
CP[BF4]=W×Rprint×(1/8)×Nn×Nc …(4)
【0041】
ここで、W=8インチ,Rprint=720dpi,Nn=180,Nc=7と仮定すると、出力バッファBF4の容量CP[BF4]は約0.9メガバイトとなる。
【0042】
ステップS5では、1パス分のドットデータが揃った後で、プリンタ200にドットデータが転送される。また、1パス分のドットデータが揃うと、再配列処理用バッファBF3内のドットデータのうちで、副走査送り量F(図4)に相当するライン数のドットデータが新たなドットデータに更新される。図4の例では、送り量Fは印刷解像度で5ライン分なので、5ライン分のドットデータが更新される。
【0043】
以上の比較例におけるバッファBF1〜BF4の合計容量は、約7.1メガバイトである。
【0044】
C.実施例の処理:
図7は、本発明の実施例における印刷データの生成処理の手順と、その処理に使用されるバッファメモリとを示す説明図である。図7の各ステップS11〜S15は、プリンタドライバ110内の各モジュールによって実行される。
【0045】
ステップS11では、プリンタドライバ110は、RGBデータのラスタライズを行って、画像データ解像度Rdata(図2)を有するRGBデータを生成し、RGBデータバンドバッファBF11に格納する。比較例のステップS1との違いは、RGBデータの解像度変換を行わずに、画像データ解像度RdataのままでバンドバッファBF11に格納する点である。このバンドバッファBF11の容量CP[BF11]は、以下の(5)式で与えられる。
【0046】
CP[BF11]=W×Rdata×4×L …(5)
【0047】
ここで、W=8インチ,Rdata=360dpi,L=100ラインと仮定すると、バンドバッファBF11の容量CP[BF11]は、約1.1メガバイトとなる。このバンドバッファBF11の容量は、比較例のバンドバッファBF1の容量(約2.2メガバイト)に、画像データ解像度Rdataと印刷解像度Rprintとの比(Rdata/Rprint)=1/2を乗じた値となっている。
【0048】
ステップS12では、プリンタドライバ110が、バンドバッファBF11からRGBデータを読み出してライン選択処理用バッファBF12に格納する。ライン選択処理用バッファBF12は、比較例における再配列処理用バッファBF3に類似するものであり、印刷ヘッド210の副走査方向の高さH1(図4)の範囲のカラー画像データ(RGBデータ)を格納するためのものである。図8(A)には、図4のパス1におけるライン選択処理用バッファBF12内の画像データと、印刷ヘッド210のノズル位置との関係が示されている。図4の高さH1に相当する高さH2に含まれる画像データのラインDL1〜DL20の数は、{Nn×(Rdata/Rnozzle)}である。すなわち、本実施例では、このライン数{Nn×(Rdata/Rnozzle)}が、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する。なお、バッファBF12に格納すべき必要最小限の画像データは、印刷ヘッド210の両端のノズル位置を両端とする領域のデータであり、その副走査方向の高さH2に相当する画像データのライン数は{(Nn−1)×(Rdata/Rnozzle)+1}となる。但し、この値と上記の値{Nn×(Rdata/Rnozzle)}との差は小さく、両者は実質的に同一である。
【0049】
ライン選択処理用バッファBF12の容量CP[BF12]は、以下の(6)式で与えられる。
【0050】
CP[BF12]=W×Rdata×4×Nn×(Rdata/Rnozzle) …(6)
【0051】
ここで、W=8インチ,Rdata=360dpi,Nn=180,Rnozzle=180dpiと仮定すると、バッファBF12の容量CP[BF12]は約4.0メガバイトとなる。
【0052】
ステップS13では、プリンタドライバ110が、1回のパスで記録対象となる画像データのラインを順次選択するとともに、色変換処理とディザ処理とを実行する。図9は、実施例における色変換処理とディザ処理の内容を示している。ここでは、印刷解像度の主走査ラインの中の最上部の主走査ラインL1を記録対象としている。この処理では、まず、記録対象ラインL1に対応する画像データのラインDL1が選択されて、ライン選択処理用バッファBF12から読み出される。そして、このラインDL1上の画素値がインク色データに色変換され、そのインク色データに対してディザ処理が行われる。ディザ処理では、選択されたラインDL1の画素P1,P2,P3…のインク色データと、プリンタドライバ110内に予め格納されている閾値マトリクスTMXとが比較される。閾値マトリクスTMXの各閾値は、印刷解像度Rprintの画素T1,T2…に対して割り当てられている。
【0053】
この比較によって、印刷解像度Rprintを有する主走査ラインL1上の画素位置におけるドットの記録状態を示すドットデータが得られる。こうして得られた各画素のドットデータは、ドットデータラインバッファBF13に順次格納される。図9に示されているように、主走査ラインL1上の1画素目のドットデータは、画像データのラインDL1の1番目の画素P1のインク色データと、閾値マトリクスTMXの1番目の画素T1の閾値とを比較した結果である。また、2画素目のドットデータは、画像データのラインDL1の1番目の画素P1のインク色データと、閾値マトリクスTMXの2番目の画素T2の閾値とを比較した結果である。この例から理解できるように、本実施例の色変換処理とディザ処理では、ライン選択処理用バッファBF12から、同一の画素値が(Rprint/Rdata)回ずつ繰り返し読み出されて処理が実行される。副走査方向にも同様に、同一の画素値が(Rprint/Rdata)回ずつ繰り返し読み出される。この回数の値(Rprint/Rdata)は、印刷解像度Rprintと画像データ解像度Rdataとの比の値である。このように、本実施例では、画像データの同一の画素値を(Rprint/Rdata)回ずつ繰り返し読み出して色変換処理とディザ処理とを実行するので、ライン選択処理用バッファBF12に格納される画像データのデータ量が少なくて済むという利点がある。
【0054】
ラインバッファBF13の容量CP[BF13]は、以下の(7)式で与えられる(図7)。
【0055】
CP[BF13]=W×Rprint×(1/8)×Nc …(7)
【0056】
ここで、W=8インチ,Rprint=720dpi,Nc=7と仮定すると、ラインバッファBF13の容量CP[BF13]は、約5キロバイト(約0.005メガバイト)となる。
【0057】
図7のステップS14では、プリンタドライバ110が、ドットデータラインバッファBF13からドットデータを読み出して水平ドット位置選択処理を行い、出力バッファBF14に格納する。水平ドット位置選択処理とは、ラインバッファBF13内のドットデータの中で、1回のパスにおいて使用されるドットデータのみを抽出する処理である。図4のパス1では主走査ラインL1上の奇数番目の画素位置のみがドットの記録対象となる。従って、パス1を実行する場合には、この記録対象画素位置のドットデータがステップS14で抽出される。他の主走査ラインに関しても同様である。
【0058】
図8(B)は、ドットデータラインバッファBF13に格納された主走査ラインL1のドットデータを示しており、図8(C)は、水平ドット位置選択処理後に出力バッファBF14に格納されたドットデータを示している。このとき、これらの主走査ラインL1上の偶数画素位置(非記録対象画素位置)のドットデータは、ドットが形成されないことを示すダミーデータに置き換えられる。なお、図6(C)で説明したように、出力バッファBF14としては、非記録対象画素位置のドットデータを含まず、記録対象画素位置のドットのみを含むものを使用してもよい。
【0059】
出力バッファBF14の容量CP[BF14]は、比較例と同じ以下の(8)式で与えられる。
【0060】
CP[BF14]=W×Rprint×1/8×Nn×Nc …(8)
【0061】
ここで、W=8インチ,Rprint=720dpi,Nn=180,Nc=7と仮定すると、出力バッファBF4の容量CP[BF4]は約0.9メガバイトとなる。
【0062】
ステップS15では、1パス分のドットデータが揃った後で、プリンタ200にドットデータが転送される。また、1パス分のドットデータが揃うと、ライン選択処理用バッファBF12内の画像データのうちで、副走査送り量F(図4)に相当するライン数の画像データが、新たな画像データに更新される。図4の例では、送り量Fは印刷解像度で5ライン分であり、画像データ解像度では2.5ラインに相当する。従って、1パス分の処理が終了すると、ライン選択処理用バッファBF12内の画像データのうち、必要に応じて2ライン分または3ライン分の画像データが更新される。
【0063】
以上の実施例におけるバッファBF11〜BF14の合計の容量は、約6.0メガバイトである。
【0064】
図10は、上述した比較例と実施例におけるバッファメモリの容量を比較して示す説明図である。印刷解像度Rprintが720dpiの場合には、比較例におけるバッファメモリの合計容量は約7.1メガバイトであり、実施例におけるバッファメモリの合計容量は約6.0メガバイトである。印刷解像度Rprintが1440dpiの場合には、比較例におけるバッファメモリの合計容量は約20.9メガバイトであり、実施例におけるバッファメモリの合計容量は約7.9メガバイトである。印刷解像度Rprintが2880dpiになると、比較例におけるバッファメモリの合計容量は約69.9メガバイトとなり、実施例におけるバッファメモリの合計容量は約11.9メガバイトになる。この説明から理解できるように、比較例においても実施例においても、印刷解像度Rprintの増加に応じてバッファメモリの容量が増大するが、実施例における増大率は比較例に比べて極めて小さい。この理由は、比較例においては印刷解像度Rprintの増加に応じて再配列処理用バッファBF3の容量が急激に増大しているからである。バッファ容量のパラメータ表示(図10の2番目の欄)から理解できるように、再配列処理用バッファBF3の容量は、印刷解像度Rprintの2乗に比例して増大する。これに対して、実施例では、印刷解像度Rprintの2乗に比例して容量が増大するバッファは使用していない。逆に、実施例のライン選択処理用バッファBF12は、印刷解像度Rprintが変わっても容量は変わらない。この両者の差が、合計容量の差となっていることが理解できる。
【0065】
このように、上記実施例では、比較例のようにドットデータを作成した後に再配列処理を行う代わりに、印刷ヘッド210の副走査方向の高さH2(図8)に相当する領域のカラー画像データをライン選択処理用バッファBF12に格納し、このバッファBF12から印刷対象となるラインの画像データを選択的に読み出して色変換処理やディザ処理を行うことによってドットデータを作成している。この結果、印刷解像度Rprintが増加しても、これに応じてバッファメモリの合計容量が過度に増大することを防止することができる。
【0066】
D.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例も可能である。
【0067】
D1.変形例1:
上記実施例では、図7に示した処理をすべてプリンタドライバ110が行うものとしていたが、これらの処理の全部または一部をプリンタ200内のコントローラが実行するものとしてもよい。例えば、図7の例において、ステップS12までの処理をプリンタドライバ110が行い、ステップS13以降の処理をプリンタ200内のコントローラが行うものとしてもよい。この場合には、プリンタドライバ110が使用するバッファメモリの合計容量は約5.5メガバイトになり、プリンタ200のコントローラが使用するバッファメモリの合計容量は約0.9メガバイトになる。このように、カラー画像データから1パス分のドットデータを作成するためのドットデータ作成処理を、プリンタドライバ110とプリンタ200内のコントローラとで適宜分担することによって、それぞれで使用されるバッファメモリの容量を適切に配分することが可能である。
【0068】
なお、このような特徴を利用して、プリンタドライバ110が、図7のステップS11〜S15の処理をコンピュータ100とプリンタ200のいずれで実行するかを、印刷システムの環境に応じて適応的に決定するようことも可能である。例えば、印刷データ作成処理の実行に先だって、プリンタドライバ110がコンピュータ100内の利用可能なメモリ資源の残量を調べ、その調査結果に応じてステップS11〜S15の処理をコンピュータ100とプリンタ200のいずれで実行するかを切り換えるようにしてもよい。こうすれば、印刷時における印刷システムの環境に応じた適切な負荷配分を行うことができるので、より高速に印刷データを作成することが可能である。
【0069】
D2.変形例2:
上記実施例では、ディザ処理を行うことによってドットデータを作成していたが、カラー画像データを閾値パターンと比較するタイプの他のハーフトーン処理(例えば濃度パターン法)を利用することも可能である。
【0070】
D3.変形例3:
上記実施例では、ライン選択処理用バッファBF12(図7)にRGBデータを格納していたが、RGBデータの代わりに、L*a*b*表色系の画像データや、インク色への変換を行った後のインク色データを格納してもよい。インク色データをバッファBF12する場合にも、このインク色データが、元のカラー画像データの解像度と同じ解像度(実施例では360dpi)を有することが好ましい。そして、ライン選択処理用バッファBF12から読み出されたインク色データ(これもカラー画像データの一種である)に関して、印刷画素毎にディザ処理が行われる。なお、通常は、インク色の種類は4以上なので、ライン選択処理用バッファBF12にRGBデータなどの元のカラー画像データを格納する方が、バッファ容量の点から好ましい。
【0071】
上記の説明から理解できるように、ライン選択処理用バッファBF12から読み出されたカラー画像データに関しては、印刷解像度に従ったハーフトーン処理が少なくとも行われてドットデータが作成される。
【0072】
D4.変形例4:
図7に示した4種類のバッファBF11〜BF14のうち、バンドバッファBF11とドットデータラインバッファBF13は省略することも可能である。この場合には、ステップS11におけるラスタライズ後の画像データが、ライン選択処理用バッファBF12に直接格納される。また、ステップS13で1画素分のドットデータが作成されると、ラインバッファBF13に格納することなく、そのドットデータの要否を判断する水平ドット位置選択処理が実行され、必要な画素(記録対象画素)のドットデータのみが出力バッファBF14に格納される。
【0073】
D5.変形例5:
上記実施例では、インクジェットプリンタを用いているが、本発明は、他のタイプのプリンタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】画像データ解像度Rdataと印刷解像度Rprintとの関係を示す説明図。
【図3】印刷ヘッド210の底面におけるノズル配列を示す説明図。
【図4】プリンタ200によって実行されるドット記録方式の一例を示す説明図。
【図5】比較例における印刷データの生成処理の手順を示す説明図。
【図6】比較例におけるデータ再配列処理の内容を示す説明図。
【図7】実施例における印刷データの生成処理の手順を示す説明図。
【図8】実施例で使用される3種類のバッファBF12〜BF14を示す説明図。
【図9】実施例における色変換処理とディザ処理の内容を示す説明図。
【図10】比較例と実施例におけるバッファメモリ容量を比較して示す説明図。
【符号の説明】
100…コンピュータ
110…プリンタドライバ
120…バッファメモリ
200…プリンタ
Claims (5)
- 主走査を行いつつ印刷ヘッドのノズルからインクを吐出させ、インクドットを印刷媒体上に記録することによってカラー印刷を行うために、インクドットの記録状態を示すドットデータを作成する方法であって、
(a)複数種類のインクを吐出するための複数のノズル群であって、副走査方向に沿ったノズルピッチが印刷画素のピッチよりも粗い複数のノズルでそれぞれ構成された複数のノズル群を備えた印刷ヘッドを準備する工程と、
(b)印刷解像度よりも粗い解像度を有するカラー画像データを準備するとともに、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する領域のカラー画像データを、第1のバッファに格納する工程と、
(c)1回の主走査において前記複数のノズル群によってインクドットの記録対象となる複数の印刷対象ライン上のカラー画像を表すカラー画像データを、前記第1のバッファから選択する工程と、
(d)前記選択された複数の印刷対象ライン上のカラー画像データに関して、印刷解像度を有する閾値パターンを用いたハーフトーン処理を少なくとも行うことによって、前記選択された印刷対象ライン上の印刷画素におけるインクドットの記録状態を示すドットデータを作成して第2のバッファに格納する工程と、
(e)前記第2のバッファから前記ドットデータを出力する工程と、
を備える方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記第1のバッファに格納される前記カラー画像データは、3つの色成分で任意の色を表現する第1の表色系によって表現されており、
前記工程(d)は、前記ハーフトーン処理の前に、前記第1の表色系から前記複数種類のインクで任意の色を表現する第2の表色系に変換する工程を含む、
方法。 - 請求項1または2記載の方法であって、
前記1回の主走査においてインクドットの記録対象となる各印刷対象ライン上の印刷画素位置が、当該主走査においてインクドットの記録対象となる記録対象画素位置と、インクドットの記録対象とならない非記録対象画素位置とを含んでいるときに、
前記工程(d)は、各印刷対象ライン上のドットデータの中で前記非記録対象画素位置におけるドットデータの値を、ドットの非形成を表す値に置き換える工程を含む、方法。 - 複数種類のインクを吐出するための複数のノズル群であって、副走査方向に沿ったノズルピッチが印刷画素のピッチよりも粗い複数のノズルでそれぞれ構成された複数のノズル群を備えた印刷ヘッドを用い、主走査を行いつつ前記印刷ヘッドのノズルからインクを吐出させ、インクドットを印刷媒体上に記録することによってカラー印刷を行うために、インクドットの記録状態を示すドットデータを作成する印刷制御装置であって、
印刷解像度よりも粗い解像度を有するカラー画像データを準備するとともに、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する領域のカラー画像データを、第1のバッファに格納する第1の処理部と、
1回の主走査において前記複数のノズル群によってインクドットの記録対象となる複数の印刷対象ライン上のカラー画像を表すカラー画像データを、前記第1のバッファから選択する第2の処理部と、
前記選択された複数の印刷対象ライン上のカラー画像データに関して、印刷解像度を有する閾値パターンを用いたハーフトーン処理を少なくとも行うことによって、前記選択された印刷対象ライン上の印刷画素におけるインクドットの記録状態を示すドットデータを作成して第2のバッファに格納する第3の処理部と、
前記第2のバッファから前記ドットデータを出力する第4の処理部と、
を備える印刷制御装置。 - 複数種類のインクを吐出するための複数のノズル群であって、副走査方向に沿ったノズルピッチが印刷画素のピッチよりも粗い複数のノズルでそれぞれ構成された複数のノズル群を備えた印刷ヘッドを用い、主走査を行いつつ前記印刷ヘッドのノズルからインクを吐出させ、インクドットを印刷媒体上に記録することによってカラー印刷を行うために、インクドットの記録状態を示すドットデータを作成するためのコンピュータプログラムであって、
(a)印刷解像度よりも粗い解像度を有するカラー画像データを受け取り、カラー印刷時に使用される複数のノズル全体の副走査方向の高さに相当する領域のカラー画像データを第1のバッファに格納する機能と、
(b)1回の主走査において前記複数のノズル群によってインクドットの記録対象となる複数の印刷対象ライン上のカラー画像を表すカラー画像データを、前記第1のバッファから選択する機能と、
(c)前記選択された複数の印刷対象ライン上のカラー画像データに関して、印刷解像度を有する閾値パターンを用いたハーフトーン処理を少なくとも行うことによって、前記選択された印刷対象ライン上の印刷画素におけるインクドットの記録状態を示すドットデータを作成して第2のバッファに格納する機能と、
(d)前記第2のバッファから前記ドットデータを出力する機能と、
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
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