JP4065510B2 - 補正テーブルの作成方法およびその作成装置の制御方法 - Google Patents

補正テーブルの作成方法およびその作成装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は補正テーブルの作成方法およびその作成装置の制御方法に関し、例えば、入力信号値と、入力信号値に応じて出力される記録信号値との間に非線形な特性を有する記録装置の記録特性を補正する補正テーブルの作成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの記録装置は、紙やプラスチック薄板などの記録媒体上に、画像情報に基づいて、ドットパターンから構成される画像を記録する。記録装置は、その記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザビーム式などに分けることができる。そのうちインクジェット式(インクジェット記録装置)は、インク(記録液)滴を、記録ヘッドの吐出口から吐出して飛翔させ、記録媒体に付着させることで画像を記録する。
【0003】
以下、記録装置の一例として、ホスト(PC)が300dpi、8ビットの画像データを二値(多値)ドットイメージに展開して転送したドットイメージを受信して画像を記録する、600dpiの出力解像度をもつインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)を念頭に説明する。
【0004】
インクジェット記録装置は、記録媒体に記録液滴が着弾した画素(ドットオン)と、未着弾の画素(ドットオフ)とを組み合わせることで画像を記録する。
【0005】
近年、記録ヘッドの吐出口の高密度化が可能になり、これに伴い、比較的高い分解能(例えば600dpi)の高解像度なプリントを行うことが可能になった。そこで、高精細なプリントを得るために、プリンタに接続された画像データの供給源であるホストにおいて、プリンタに合わせた高解像度(例えば600dpi)の画像データを処理してプリンタへ転送しようとすると、300dpiの画像データの転送に較べてデータ量が四倍になり、データの処理時間および転送時間が大幅に増加する。そこで、特開平9-46522号公報に記載された、プリンタ側で二値のドットマトリクスを多値のスーパピクセルとして扱う方法が用いられる。
【0006】
[インデックスパターンを使用する多値プリンタ]
特開平9-46522号公報には、データ処理および転送の負荷を軽減する技術として、出力解像度600dpi、二値のインクジェットプリンタにおいて解像度600dpi、二値の2×2画素を一組として扱い、ホストは、そのプリンタを解像度300dpi、五値のプリンタとして扱うことが開示されている。
【0007】
図1は解像度600dpi、二値の2×2画素を一組とする場合のオンドットの配置方法を示す図である。この2×2画素の組を「スーパピクセル」、オンドットの配置を「インデックスパターン」と呼ぶ。
【0008】
図1に示されるように、スーパピクセルにはオンドットが0、1、2、3および4の五通りのインデックスパターンがある。このようなインデックスパターンを予め保持するプリンタは、ホストから入力される300dpi、五値の画像データを、インデックスパターンを参照して、600dpi、二値の画像データに展開して画像を記録する。
【0009】
次に、インデックスパターンを使用するプリンタにおける疑似中間調処理を説明する。
【0010】
上記の出力解像度600dpi、二値のプリンタは、プリンタ本体側でインデックスパターンの展開処理を行うことで、ホスト側からは入力解像度300dpi、五値のプリンタとみなすことができる。従って、ホストは、300dpi、8ビットの入力画像データを、多値誤差拡散処理や多値ディザ処理などの公知の擬似中間調処理により、五値のドットイメージに展開してプリンタへ供給する。
【0011】
図2は8ビットの入力画像信号の信号値(横軸)に対する、平均的な、単位面積当りのインデックスパターンの割当数(縦軸)の分布を示す図である。なお、ここで「平均的」とするのは、誤差拡散法とディザ法とでは、処理対象画像の処理開始時における局所的な記録ドット数が異なる場合があり、この局所的な差を考慮しないことを意味する。
【0012】
図2に示すように、例えば、信号値が「0」の時は300dpiの全画素がインデックス番号0のインデックスパターンで占められ、信号値が「64」の時は300dpiの全画素がインデックス番号1のインデックスパターンで占められることを示す。この信号値(中心値)とインデックス番号との対応をまとめたものが図3である。なお、0 < 信号値 < 64の領域はインデックス番号0および1の画素が混在し、64 < 信号値 < 128の領域はインデックス番号1および2の画素が混在する。
【0013】
図4は8ビットの入力画像信号の信号値(横軸)に対する、平均的な、単位面当りの600dpi、二値のオンドット数(縦軸)を示す図である。
【0014】
例えば、0 < 信号値 < 64の領域は、インデックス番号0のインデックスパターンが減少し、インデックス番号1のインデックスパターンが増加する。すなわち、0 < 信号値 < 64の領域では、インデックス番号1のインデックスパターンの増加に伴ない、図4に示す実線で示すようにオンドットが増加する。
【0015】
また、64 < 信号値 < 128の領域では、インデックス番号1のインデックスパターンが減少し、インデックス番号2のインデックスパターンが増加する。従って、64 < 信号値 < 128の領域では、図4に破線で示すようにインデックス番号1のインデックスパターン(600dpi、四画素当り1オンドット)によるオンドットが減少し、インデックス番号2のインデックスパターン(600dpi、四画素当り2オンドット)によるオンドットが増加するので、64 < 信号値 < 128の領域のオンドットの総数は、図4に実線で示すように増加する。このように、図1に示すインデックスパターンを使用する入力解像度300dpi、五値のプリンタの出力解像度600dpi、二値のオンドットの数は入力画像信号の信号値に比例して増加する。
【0016】
[入力解像度300dpi、五値のプリンタの記録特性]
上述したように、入力解像度300dpi、五値のプリンタの入力画像信号の信号値とオンドットの数とは比例する。しかし、メカニカルおよび光学的ドットゲインのために、記録濃度とオンドットの数とは一般に比例しない。図5は、8ビットの入力信号値(横軸)を600dpi、二値で記録した場合の記録濃度(縦軸)を示す図で、記録濃度は頭打ちになる傾向を示す。
【0017】
[インデックスパターンに対応する階調補正テーブル]
図5に示すドットゲインの影響を補償し、入力信号値と記録濃度との関係を図6に示す比例関係に補正するために、特公平8-2659号公報に開示された階調補正テーブル(同公報は「濃度特性補正テーブル」と呼ぶ)が使用される。
【0018】
階調補正テーブルには、図5に示す入力信号値と記録特性との関係を補正する、図5の逆関数になる図7に示すようなテーブルが設定される。300dpi、8ビットの画像信号は、階調補正テーブルにより、階調補正された画像信号に変換され、多値誤差拡散処理などにより、擬似中間調処理されて300dpi、五値のドットイメージに展開されてプリンタに入力される。プリンタは、300dpi、五値のドットイメージを、インデックスパターンを参照して、600dpi、二値のドットイメージに展開する。そして、この二値のドットイメージのオンドットに対応する、記録ヘッドのノズルが駆動されて記録液滴が吐出される。
【0019】
図8は入力解像度300dpi、五値のプリンタ用の階調補正テーブルの導出を説明するフローチャートである。
【0020】
階調補正テーブルの導出は、入力信号値に対するプリンタの記録を行い、記録された記録物の濃度を測定して、その濃度特性を補償するテーブルを演算することで行う。
【0021】
まず、測定パッチ出力用のアウトプットガンマ(図9に示す入力信号値を素通しする階調補正テーブル)設定し(S102)、測定用パッチを設定する(S103)。そして、測定用パッチを出力し(S104)、出力されたパッチの濃度を濃度計で測定する(S105)。
【0022】
測定用パッチには、記録から測定に要する時間の軽減と、インクジェットプリンタによる記録の再現性を考慮して、図10に示すパッチを用いる。図10に示す各パッチの上方に記録されている数字はパッチの信号値を示し、上端のCMYKの文字は、それら文字の下のパッチ列を記録するインクを示す。
【0023】
次に、パッチ濃度の測定結果に基づき「信号値-濃度」テーブルを作成し、その信号値および濃度の値を0から1に正規化した、図11に示すような、「信号値-濃度」テーブルを作成する。そして、この正規化テーブルの逆関数を得るために正規化テーブルを逆引きして「信号値-濃度」テーブルの逆引きテーブルを作成する(S106)。
【0024】
図11に●印で示すように、実際の濃度の測定値には、記録時のインクジェットプリンタの再現性や測定誤差による誤差が混入する。そこで、式(1)に示すような多項式近似を行いた、回帰曲線による逆引きテーブルのスムージングを行い、図11に実線で示すような滑らかな曲線を示すテーブルにする(S107)。なお、多項式近似によるスムージングは、スプライン曲線を使用した類似の処理が、特公平8-2659号公報に詳しく開示されているので、その詳細を省略する。
y = c1x + c2x2 + c3x3 + c4x4 + c5x5 …(1)
【0025】
多項式近似による振動に起因するずれや、原点(0.0, 0.0)や終点(1.0, 1.0)のずれが生じることがあるが、これらを補正するため逆引きテーブルを微調整する(S108)。そして、原点から終点の区間で、規格化され、微調整された逆引きテーブルのレンジを例えば8ビット整数のテーブルの形式に戻すことで階調補正テーブルを作成する(S109)。
【0026】
[不連続のインデックスパターンを使用する多値プリンタ]
プリンタの低価格化、高性能化に伴い、より高解像度で、本体のメモリ量が小さいプリンタが望まれるようになった。これを実現するために、解像度は同じとして、600dpiの2×2画素のスーパピクセルのインデックスパターンとして、図12に示すような不連続なインデックスパターンを使用して、インデックス番号を小さく抑えてメモリ量を抑えた構成が採用されるようになった。
【0027】
図12に示すように、スーパピクセルにはオンドットが0、1、2および4の四通りのインデックスパターンがあり、300dpi、四値に相当する。図3と同様に、信号値(中心値)とインデックス番号との対応をまとめたものが図13である。
【0028】
図12に示すインデックスパターンを、図13に示す条件で使用した場合の、600dpi、二値における、信号値に対するオンドットの数は図14に示すようになり、信号値170で折れ曲がった折れ線になる。これは、0 < 信号値 < 170の領域では1ドット減少して2ドット増加するのに対して、170 < 信号値 < 255の領域では2ドット減少して4ドット増加するからである。
【0029】
このようなオンドットの数が折れ線状に増加する系は、図15に破線で示す、通常の(連続した)インデックスパターンを用いる多値プリンタの記録濃度特性とは異なり、実線で示すように、オンドットの増加が折れ曲がる(インデックスパターンの切替点に対応する)部分で記録濃度が折れ曲がる特性を示す。従って、補正によって線形な記録濃度を得るためには、図15に示す記録濃度が折れ曲がる部分に対応する、図16に示すような階調補正テーブルを必要とする。
【0030】
【特許文献1】
特公平8-2659号公報
【0031】
本発明は、入力信号値と、入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を正確に補正して線形な出力が得られる階調補正テーブルを作成することを目的とする。
【0033】
さらに、階調補正テーブルを作成する際に、記録する測定パッチの数を少なくして、プリンタの仕様に依らず、同一の測定パッチ構成を使用することができ、簡易的な演算による処理が可能な、簡易的かつ精度が高い、忠実な中間調を再現するための階調補正テーブルを作成することを他の目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0035】
本発明にかかる補正テーブルの作成方法は、入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する方法であって、入力信号値前記記録装置のインク打込量との間の特性について前記傾きの切替点がある特性を線形になるように補正した状態で、濃度測定用の画像を記録し、前記濃度測定用の画像の濃度を測定し、前記測定された濃度に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する中間階調補正テーブルを作成し、前記中間階調補正テーブルに、前記傾きの切替点がある特性に対応させるための補正を施すことを特徴とする。
【0036】
また、入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する方法であって、前記傾きの切替点に対応する、前記記録装置が用いるインデックスパターンの切り替わり点の入力信号値に対応する画像を含む、濃度測定用の画像を記録し、前記濃度測定用の画像の濃度を測定し、前記測定された濃度に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する前記階調補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0037】
本発明にかかる装置の制御方法は、入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する装置の制御方法であって、入力信号値前記記録装置のインク打込量との間の特性について前記傾きの切替点がある特性を線形になるように補正した濃度測定用の画像を前記記録装置に供給し、前記濃度測定用の画像の濃度測定結果に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する中間階調補正テーブルを作成し、前記中間階調補正テーブルに、前記傾きの切替点がある特性に対応させるための補正を施すことを特徴とする。
【0038】
また、入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する装置の制御方法であって、前記傾きの切替点に対応する、前記記録装置が用いるインデックスパターンの切り替わり点の入力信号値に対応する画像を含む、濃度測定用の画像を前記記録装置に供給し、前記濃度測定用の画像の濃度測定結果に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する前記階調補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
不連続のインデックスパターンを使用する多値プリンタにおいて、従来技術と全く同様の方法で階調補正テーブルを導出すると、サンプリングされた濃度のパッチを使用して階調補正テーブルを作成することから、図17に示すように、本来求めるべきテーブル(破線)とは異なる、折れ曲がりがないテーブル(実線)が得られ、階調補正後の記録濃度特性に不連続が生じる。
【0041】
図18に示すような256階調のパッチを記録したシートを、図19に示すように各色について使用して、階調補正テーブルを求めれば、サンプリングの影響をなくすことができる。しかし、1024(=256×4)個のパッチを記録する間、記録ヘッドの温度上昇による吐出量の変動の影響を受け、同一紙面内、紙面間の記録誤差の影響を受け易くなる。そのような誤差の影響を受ければ、記録濃度の折れ曲がり部分がずれて、階調補正後の記録濃度特性に不連続を生じる。
【0042】
さらに、回帰曲線による逆引きテーブルのスムージング処理は、折れ曲がり部分を考慮した、例えば折れ曲がり部分の左右で異なる回帰曲線を使用するなどの、工夫が必要になり処理が煩雑になる。
【0043】
そこで、実施形態においては、不連続のインデックスパターンを使用する系において、階調特性を正確に補正して線形な出力が得られる階調補正テーブルの作成を説明する。
【0044】
また、不連続のインデックスパターンを使用するプリンタにおいて、不連続な出力特性を補償し、線形な出力特性にすることが可能な階調補正テーブルの作成を説明する。
【0045】
さらに、階調補正テーブルを作成する際に、記録する測定パッチの数を少なくして、プリンタの仕様に依らず、同一の測定パッチ構成を使用することができ、簡易的な演算による処理が可能な、簡易的かつ精度が高い、忠実な中間調を再現するための階調補正テーブルの作成を説明する。
【0046】
【第1実施形態】
実施形態では、出力解像度600dpi、二値記録を行うインクジェットプリンタが、600dpi、2×2画素のスーパピクセルに対応する、図12に示すような300dpi、四値のインデックスパターンを使用し、ホストが、入力解像度300dpi、四値の多値プリンタとして階調補正を行う例を説明する。
【0047】
[構成]
図20はホスト上で稼動するプリンタドライバ300およびインクジェットプリンタ400の構成例を示すブロック図である。
【0048】
プリンタドライバ300に入力される300dpi、各8ビットのRGB画像信号は、RGB/CMYK変換部301により、300dpi、各8ビットのCMYK信号に変換される。なお、以下では、300dpi、8ビットのシアン(C)信号について説明するが、他の色成分の信号に関する処理も同等である。
【0049】
300dpi、8ビット(256値)のC信号は、階調補正部302で階調補正され、12ビット(4081値)に拡張される。拡張された300dpi、12ビットのC信号は、多値誤差拡散処理部303により、300dpi、2ビット(四値)の多値ドットイメージに擬似中間調処理される。
【0050】
この300dpi、2ビットの多値ドットイメージは、ホストからプリンタ400へ転送(入力)される。プリンタ400に入力された300dpi、2ビットの多値ドットイメージは、インデックスパターンメモリ402に格納されたスーパピクセルのインデックスパターンを参照するドットイメージ展開処理部401によって、600dpi、二値のドットイメージに展開される。
【0051】
600dpi、二値のドットイメージは、ドットイメージ展開用バッファ403に格納され、順次、記録部404に送られて、インクジェット記録ヘッドに600dpi間隔で配置されたノズルに対応付けられる。そして、600dpi、二値のドットイメージのオンドットに対応する記録ノズルが駆動され、記録液滴が吐出される。
【0052】
なお、プリンタ400の入力信号値とオンドット数との関係は、図14に示した折れ線のように表される。
【0053】
[階調補正テーブルの作成]
次に、上記の特性をもつ系の階調補正テーブルの作成について説明する。
【0054】
図21は階調補正テーブルの作成(導出)手順例を示すフローチャートで、プリンタドライバの一部として、または、関連して提供されるソフトウェアをホストに実行させることで、階調補正テーブルを作成することができる。
【0055】
図8に示した処理に比べ、図21に示す処理には、その詳細を後述する、逆インデックステーブルの作成(S200)、中間アウトプットガンマテーブルの作成(S201)、および、インデックス分の補正(S202)が追加されている。なお、図8と同様の処理には、同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
【0056】
●階調補正テーブルの作成原理
階調補正テーブルは「入力信号値-出力濃度」関数の逆関数と考えることができる。従って、インデックスパターンの不連続性を打ち消すようなカーブを使用してアウトプットガンマを作成し、作成したアウトプットガンマを前記カーブによって演算し変換することで、不連続なインデックスパターンに対応する階調補正テーブルを得る。
【0057】
不連続なインデックスパターンに対応する階調補正テーブルの作成方法を、式(2)から式(6)を用いて模式的に説明する。なお、簡単のために、すべての関数の入出力レンジを0から4080の範囲に規格化した場合を説明する。
Figure 0004065510
【0058】
なお、規格化入力信号値xは画像入力信号値に相当し、規格化出力濃度zはプリンタの出力濃度に相当する。また、規格化インデックステーブルi(・)は、本実施形態のインデックスパターンを用いる場合の入力信号値に対するオンドット数(インク打込量)を規格化して表すものである。規格化入力信号値xの定義域[0, 4080]全域についてi(x)を求めグラフ化すると、図14に示すようになる。
【0059】
規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルo(・)は、階調補正を行わず、つまり入力信号値に対するオンドット数が図14に示すような状態で出力を行う場合の、規格化された入力信号値に対する出力濃度を規格化して表すものである。規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルo(・)は、図14に示す折れ曲がり部分(傾きの切替点)があるために、図15に示すようになる。
【0060】
規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルn(・)は、入力信号値に対するオンドット数が図6に示すように比例関係にある場合の、規格化された入力信号値に対する出力濃度を規格化して表すものである。この場合の規格化入力信号値xに対する規格化出力濃度テーブルn(・)は、図5に示すようになる。
【0061】
本実施形態において、階調補正を行わない場合の出力濃度特性は式(2)で表され、これをグラフ化すると図15に示す実線のようになる。従って、本実施形態において求めるべき階調補正テーブルは、式(2)の逆関数である式(3)であり、図16に示す太実線で表される。
【0062】
従来の階調補正テーブルの作成方法は、図6に示すような連続した記録特性をもつ系を対象とする。従って、図5に示すのような出力濃度特性をもつ系について適用可能である。これは式(7)に対応する。
z = n(x) …(7)
【0063】
式(7)に対応する、連続的なインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性(図5)は、入力画像信号値に対する出力濃度を示す特性であるが、同時に、600dpiのオンドットの数に対する出力濃度を示す特性であるも言える。一方、本実施形態のような系は、入力信号値に対するオンドット数はi(x)と表すことができ、図14に示すような特性をもつ。
【0064】
以上より、本実施形態における出力濃度特性は、連続するインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性n(・)、および、規格化インデックステーブルi(・)を用いて、式(4)のように表すことができる。以下、式(4)を変形して、階調補正テーブルを導出する。
【0065】
従来の階調補正テーブルの作成方法を用いて、図7に実線で示すようなn-1(・)を求め、これを式(4)の両辺に与えて式(5)を得る。i(・)の逆関数i-1(・)は、図22に破線で示すように求められるが、これを式(5)の両辺に与えて式(6)を得る。
【0066】
一方、従来の階調補正テーブルである式(3)から、階調補正テーブルは、規格化出力濃度zを入力とし、規格化入力信号値xを出力するものと定義可能であることがわかる。これを踏まえて式(6)を観ると、i-1(n-1(・))は、本実施形態における階調補正テーブルであることがわかる。
【0067】
なお、本実施形態のように、不連続なインデックスパターンを使用する系において、連続するインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性n(・)を求めるには、i(・)の逆関数i-1(・)を階調補正テーブルの代わりに用いてパッチを出力し、出力パッチの濃度を測定すればよい。
【0068】
以下では図21のフローチャートに示す、本実施形態に特有の処理を詳細に説明する。
【0069】
●逆インデックステーブル(S200)
図22に実線で示す逆インデックステーブルは、破線で示す、不連続のインデックスパターンを用いる場合の入力信号値に対するオンドット数のテーブルの逆関数である。図22に示すように、このテーブルは容易に作成できるので、詳細な作成方法の説明は省略する。
【0070】
つまり、連続するインデックスパターンを使用する系の出力濃度特性n(・)を求めるために、逆インデックステーブルを作成し(S200)、測定用のパッチを出力する際の階調補正テーブルとして設定する(S102)。
【0071】
逆インデックステーブルを使用してパッチを出力することで、プリンタ400による多値→二値変換(インデックスパターンの展開)後、図6に示すような、入力画像信号値に対して線形なオンドット数の出力を得ることができる。言い換えれば、逆インデックステーブルを使用することで、入力画像信号値に対するオンドット数が線形になり、図10に示す、適当な間隔でサンプリングされたパッチを使用しても、図17に示すような濃度特性が切り替わる点の取りこぼしを防ぐことができる。
【0072】
また、サンプリングされたパッチの使用が可能になれば、同一紙面内、紙面間の濃度再現特性が不安定な系においても、記録ヘッドの温度上昇による吐出量の変動の影響を抑えて、信頼性が高い記録濃度特性を得ることができる。勿論、本実施形態のプリンタ400のように記録特性が非線形な系における階調補正テーブルの作成に、従来の階調補正テーブルの作成方法における処理を多数利用することができるという長所もある。具体的には、図21に示すステップS102からS108において、従来の階調補正テーブルの作成方法と同様の処理が実行される。
【0073】
●中間アウトプットガンマテーブルの作成(S201)
ステップS108の処理によって微調整された逆引きテーブルの入出力レンジ[0, 1]を、入出力ともに[0, 4080]に合わせることで、本実施形態で「中間アウトプットガンマテーブル」と呼ぶn-1(・)を求める。
【0074】
●インデックス分の補正(S202)
上述したように、式(3)および(6)の比較により、求めるべき階調補正テーブルo-1(・)は、i-1(n-1(・))と同等であることがわかる。そこで、i-1(・)およびn-1(・)を合成することで、o-1(・)を求める。
【0075】
すなわち、入力レンジ[0, 255]のすべての入力値に対して、図7に示されるn-1(・)を参照して出力値を調べる。そして、この出力値を図22に実線で示される逆インデックステーブルi-1(・)に入力することで、テーブルの合成出力値i-1(n-1(・))を得る。言い換えれば、ステップS202において、図7に示される折れ曲がりがない階調補正テーブルn-1(・)を数値的に変換して、図16に太実線で示す折れ曲がりがある階調補正テーブルを求める。
【0076】
このように階調補正テーブルの不連続な折れ曲がり部分を数値的変換によって求めることで、課題として説明した「折れ曲がり部分のずれ」を防ぐことができる。
【0077】
上記の手順で求めた、入力画像信号値ごとの合成出力値i-1(n-1(・))をテーブル化し、階調補正テーブルo-1(・)用の配列に代入することで、図16に太実線で示すような階調補正テーブル(アウトプットガンマテーブル)を得る(S109)。
【0078】
なお、得られた階調補正テーブルは、プリンタドライバ300の階調補正部302に設定される。
【0079】
【第2実施形態】
以下、本発明にかかる第2実施形態の画像処理装置を説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0080】
第2実施形態における処理手順は図8と同様であるが、異なる点を説明する。
【0081】
●測定用パッチの設定(S103)
図10に示すようなサンプリングしたパッチを使用すると、インデックスパターンの切り替わりに起因する階調補正テーブルの折れ曲がり部分で不都合が生じる。そこで、第2実施形態では、図23に示すように、インデックスパターンの切り替わり点に当る信号値のパッチを加えたパッチを測定用パッチとして設定する。
【0082】
●回帰曲線による逆引きテーブルのスムージング(S107)
第2実施形態においては、インデックスパターンの切り替わり点に当る信号値のパッチを加えたことで、出力濃度のプロットは、必ず、インデックスパターンの切り替わり点を捉えるようになる。しかし、回帰曲線による逆引きテーブルのスムージングを従来どおり行えば、この切り替わり点がスムージングされない場合がある。そこで、第2実施形態では、出力濃度のプロットを、切り替わり点の左側領域と、右側領域とに分けて回帰曲線を設定し、逆引きテーブルをスムージングする。
【0083】
●逆引きテーブルの微調整(S108)
逆引きテーブルの微調整は、回帰曲線の振動によるずれ、階調補正テーブルの終点のずれを調整するものである。
【0084】
第2実施形態では、出力濃度のプロットを二つの領域に分けて回帰曲線を設定し、逆引きテーブルをスムージングするため、二つの回帰曲線の繋ぎ目であるインデックスパターンの切り替え点で、新たなずれが生じる。従って、第2実施形態においては、上記のじずれの調整に加えて、二つの回帰曲線の繋ぎ目である、切り替え点のずれを調整する。
【0085】
このように、実施形態によれば、入力信号値に対する記録材の出力が不連続な系において、階調特性を正確に補正して線形な出力が得られる階調補正テーブルを作成することができる。
【0086】
また、不連続な出力特性をもつ記録装置において、不連続な出力特性を補償し、線形な出力特性にすることが可能な階調補正テーブルの作成方法を提供することができる。
【0087】
また、階調補正テーブルを作成する際に、記録する測定パッチの数を少なくして、プリンタの仕様に依らず、同一の測定パッチ構成を使用することができ、簡易的な演算による処理が可能な、簡易的かつ精度が高い、忠実な中間調を再現するための階調補正テーブルの作成方法を提供することができる。
【0088】
ところで、実施形態においては、特公平8-2659号公報とは異なり、入力信号値-出力濃度テーブルの逆テーブルを求めた後、回帰曲線によるデータのスムージングを行う方法をとる。しかし、特公平8-2659号公報と同様に、入力信号値-出力濃度テーブルのデータをスムージングした後に、逆テーブルを求める方法を用いて、階調補正テーブルを求めてもよい。
【0089】
また、上記では、同一サイズ、同じインク種に対応するドットの組み合わせをインデックスパターンとして用いる例を説明したが、小ドット、大ドットを打ち分けられるプリンタの場合は小ドットと大ドットの組み合わせを、淡インク、濃インクの二種のインクを使用するプリンタの場合は淡ドットと濃ドットの組み合わせを、それぞれインデックスパターンに用いることができ、そのような場合も、実施形態の階調補正テーブルの作成方法を適用することができる。
【0090】
さらに、上記では、インデックスパターンの切り替わりに起因する記録濃度の折れ曲がり部分が一つの例を説明したが、この折れ曲がり部分の数は一つに限られず、二つ以上の折れ曲がり部分を有する系にも、実施形態の階調補正テーブルの作成方法を適用することができる。
【0091】
勿論、実施形態の補正テーブルの作成方法は、不連続なインデックスパターンを使用するインクジェットプリンタに限らず、入力に対する出力特性が不連続な特性をもつ記録装置全般、例えばCRTのハードコピー装置などに広く利用することができる。
【0092】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0093】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0095】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力信号値と、入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を正確に補正して線形な出力が得られる階調補正テーブルを作成することができる。
【0098】
さらに、階調補正テーブルを作成する際に、記録する測定パッチの数を少なくして、プリンタの仕様に依らず、同一の測定パッチ構成を使用することができ、簡易的な演算による処理が可能な、簡易的かつ精度が高い、忠実な中間調を再現するための階調補正テーブルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】解像度600dpi、二値の2×2画素を一組とする場合のオンドットの配置方法を示す図、
【図2】入力画像信号の信号値(横軸)に対する、平均的な、単位面積当りのインデックスパターンの割当数(縦軸)の分布を示す図、
【図3】信号値(中心値)とインデックス番号との対応を示す図、
【図4】入力画像信号の信号値(横軸)に対する、平均的な、単位面当りの600dpi、二値のオンドット数(縦軸)を示す図
【図5】入力信号値(横軸)を600dpi、二値で記録した場合の記録濃度(縦軸)を示す図、
【図6】入力信号値と記録濃度とが比例関係の階調特性を示す図、
【図7】入力信号値と記録特性との関係を補正する逆関数テーブルを示す図、
【図8】入力解像度300dpi、五値のプリンタ用の階調補正テーブルの導出を説明するフローチャート、
【図9】入力信号値を素通しする階調補正テーブルを示す図、
【図10】測定用パッチを示す図、
【図11】「信号値-濃度」テーブルを示す図、
【図12】不連続なインデックスパターンを示す図、
【図13】信号値(中心値)とインデックス番号との対応を示す図、
【図14】 600dpi、二値における、信号値に対するオンドットの数を示す図、
【図15】オンドットの数が折れ線状に増加する系の記録濃度特性を示す図、
【図16】オンドットの数が折れ線状に増加する系に必要な階調補正テーブルを示す図、
【図17】階調補正後の記録濃度特性に不連続が生じることを説明する図、
【図18】 256階調のパッチを記録したシートを示す図、
【図19】 256階調のパッチを記録したシートの使用方法を示す図、
【図20】ホスト上で稼動するプリンタドライバおよびインクジェットプリンタの構成例を示すブロック図、
【図21】階調補正テーブルの作成(導出)手順例を示すフローチャート、
【図22】逆インデックステーブルを示す図、
【図23】インデックスパターンの切り替わり点に当る信号値のパッチを加えたパッチを測定用パッチを示す図である。

Claims (8)

  1. 入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する方法であって、
    入力信号値前記記録装置のインク打込量との間の特性について前記傾きの切替点がある特性を線形になるように補正した状態で、濃度測定用の画像を記録し、
    前記濃度測定用の画像の濃度を測定し、
    前記測定された濃度に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する中間階調補正テーブルを作成し、
    前記中間階調補正テーブルに、前記傾きの切替点がある特性に対応させるための補正を施すことを特徴とする作成方法。
  2. 入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する方法であって、
    前記傾きの切替点に対応する、前記記録装置が用いるインデックスパターンの切り替わり点の入力信号値に対応する画像を含む、濃度測定用の画像を記録し、
    前記濃度測定用の画像の濃度を測定し、
    前記測定された濃度に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する前記階調補正テーブルを作成することを特徴とする作成方法。
  3. 前記記録装置は、隣接する複数のドットを一つのドットとして扱い、それらドットのオンオフの組み合わせによって一画素の階調を表現することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された作成方法。
  4. 入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する装置の制御方法であって、
    入力信号値前記記録装置のインク打込量との間の特性について前記傾きの切替点がある特性を線形になるように補正した濃度測定用の画像を前記記録装置に供給し、
    前記濃度測定用の画像の濃度測定結果に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する中間階調補正テーブルを作成し、
    前記中間階調補正テーブルに、前記傾きの切替点がある特性に対応させるための補正を施すことを特徴とする制御方法。
  5. 入力信号値と、前記入力信号値に応じて記録されるインク打込量との間の特性において傾きの切替点がある特性を有する記録装置の前記特性を補正する階調補正テーブルを作成する装置の制御方法であって、
    前記傾きの切替点に対応する、前記記録装置が用いるインデックスパターンの切り替わり点の入力信号値に対応する画像を含む、濃度測定用の画像を前記記録装置に供給し、
    前記濃度測定用の画像の濃度測定結果に基づき得られる、入力信号値と記録濃度との対応テーブルの逆関数に相当する前記階調補正テーブルを作成することを特徴とする制御方法。
  6. さらに、前記作成した階調補正テーブルを、前記記録装置へ供給すべき画像信号の階調を補正する画像処理装置の補正手段に設定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載された制御方法。
  7. 情報処理装置を制御して、請求項1から請求項6の何れか一項に記載された階調補正テーブルの作成を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. 請求項7に記載されたコンピュータプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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