JP4194164B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを利用して半導体素子等のエッチングや成膜を行なうプラズマ処理装置に関し、特に、外部アンテナを用いて誘電体のチャンバーの内部にプラズマを発生させるとともに加熱ランプでチャンバーを加熱するようにしたプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来のプラズマ処理装置の一例を示す正面断面図である。このプラズマ処理装置はヘリコン波プラズマ源を備えている。石英製のソースチャンバー10の周囲に1対の環状アンテナ12が配置され、これらを取り囲むように1対の磁場発生コイル14が配置されている。コイル14に電流を流して外部磁場を発生させ、アンテナ12にヘリコン波励起電場を印加すると、ソースチャンバー10の内部にヘリコン波プラズマが発生する。このプラズマが拡散チャンバー16の内部に拡散して、基板ホルダー18上の被処理ウェーハ20をエッチングする。バイアス用高周波電源22を用いて基板ホルダー18にバイアス電圧を印加すれば、ウェーハ20に入射するイオンのエネルギーを抑制できる。
【0003】
上述のヘリコン波プラズマ源は、低い圧力で高密度のプラズマを生成できることに特徴がある。低圧力下で高密度のプラズマを生成すると、中性解離ラジカルの密度も増大する。また、電子温度が上昇するため、ラジカル種も、より解離度の進んだものとなる。例えばフロロカーボンガスのプラズマを用いてシリコン酸化膜をエッチングする場合を説明すると、低圧・高密度プラズマでは、高解離度ラジカルであるCFの密度が、低解離度ラジカルであるCF3に対して相対的に増大する。フロロカーボンガスにおいては、一般に解離度が進むに従って大きな付着率を持つようになる。例えば、CFラジカル及びCF3ラジカルのSiに対する付着確率は、各々0.14及び0.0である。ちなみに、最終解離ラジカルであるC原子のSiに対する付着確率は1.0と非常に大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、少なくともフロロカーボンガスによるシリコン酸化膜のエッチングにおいては、プラズマの低圧・高密度化に伴い、解離ラジカルの入射量が増大し、かつ生成ラジカル種の付着確率が増大するが、それゆえに、チャンバーの内壁面でも堆積膜の成長が進むという問題も生じる。チャンバーの内壁面で堆積膜の成長速度が大きくなると、この堆積膜が壁面から剥離しやすくなるために、プラズマ中に浮遊する微小パーティクルの数が増大する。そして、この微小パーティクルが基板上に落下すると、これがマスクとなって基板のエッチングが阻害され、エッチング形状の異常やショート等の不良を生じる。その結果、半導体素子等の歩留まりが低下するという問題が生ずる。
【0005】
ヘリコン波プラズマ源を備えた従来のエッチング装置では、特にソースチャンバー(プラズマを生成するチャンバー)の壁面への堆積が顕著となるが、このソースチャンバーに対して堆積防止対策がなんら施されていなかった。そのため、多量のパーティクルが発生し、半導体素子の生産現場に適用する際の大きな問題となっていた。また、被エッチング膜の下地Siに対する選択比を増大させるのに重要な影響を持つ堆積ラジカルの多くがチャンバー壁に付着してしまうために、下地Siへのラジカル堆積量が減少し、その結果、十分な対下地選択比が得られないという問題があった。
【0006】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、チャンバーを効率的に加熱できるようにしてチャンバー壁面への膜の堆積を抑制し、浮遊パーティクル量の少ないプラズマ処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、チャンバーの誘電体部分の外部にアンテナを配置してプラズマを発生させる形式のプラズマ処理装置において、チャンバーの誘電体部分に光吸収層を密着形成して、この光吸収層に加熱ランプの光エネルギーを吸収させることでチャンバーを加熱するようにしている。これにより、チャンバーを構成する誘電体部分の材質として光吸収性の劣っているものを利用しても、この誘電体部分を効率良く加熱できる。したがって、光吸収性は劣っていてもその他の点で優れている材質(例えば石英ガラス)をチャンバーの誘電体部分の材料として利用できる。
【0008】
この光吸収層は、上記誘電体部分の材質よりも熱伝導率が大きい方が好ましい。これにより、チャンバーの誘電体部分を加熱する際の誘電体の温度分布が均一になる。
【0009】
上記誘電体部分に石英を用いた場合、光吸収層の材質としては、例えば、AlN、BN、Si34、SiC、Al23を用いることができる。さらに、この光吸収層に、より光吸収性の良好な物質、例えば、CrO2、SiC、カーボンブラックなどの微粒子を混入させてもよい。また、光吸収層を多孔質にすることによって光吸収性を向上させることもできる。
【0010】
さらに、加熱ランプの光エネルギーが外部に洩れないように、上記誘電体部分とアンテナとを光反射性のカバーで取り囲むようにする。その場合、カバーの内面と外面に、周方向に閉じた導電回路を形成しないように導電性の光反射膜を形成する。そして、前記誘電体部分の任意の位置と前記カバーの任意の位置とを通る直線を想定した場合に、この直線が前記内面と外面の光反射膜の少なくともいずれかを通過するように、内面と外面の光反射膜が部分的に互いに重なり合うようにする。
【0011】
本発明のプラズマ処理装置は、チャンバーの内壁面を加熱することで何らかの効果が期待できるような任意のプラズマ処理に適用できる。例えば、シリコン酸化膜をフロロカーボンガスを用いてエッチングする場合に、チャンバーの内壁面を200℃程度に加熱することで、チャンバーの内壁面に堆積膜が形成されにくくなり、この堆積膜の剥離に起因する微小パーティクルの発生を防ぐことができる。このような処理例以外に、Alのエッチングや、塩素系ガスによるポリシリコンのエッチングのように、反応生成物の揮発性が低い場合にも有効である。また、エッチング処理以外に、プラズマによる表面処理やプラズマCVDによる成膜などにも有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態の正面断面図である。このプラズマ処理装置は、ヘリコン波プラズマ源を備えたエッチング装置である。真空排気可能なチャンバーは、ソースチャンバー24と拡散チャンバー26からなる。拡散チャンバー26には排気系28とガス導入機構30が接続されている。拡散チャンバー26の内部には被処理ウェーハ31を載せるための基板ホルダー32がある。基板ホルダー32には高周波バイアス電源33が接続されていて、ウェーハ31にバイアス電圧を発生させることで、ウェーハ31に入射するイオンのエネルギーを抑制できる。
【0013】
なお、拡散チャンバー26の周囲に、磁極の向きを交互に変えた複数の永久磁石(磁極面が拡散チャンバーに対向していて、鉛直方向に延びた棒状の永久磁石)を等間隔に配置して、拡散チャンバー26の内壁面の近傍にカスプ磁場を形成してもよい。こうすると、プラズマが拡散チャンバーの内壁面に触れにくくなり、プラズマの損失を抑制できる。
【0014】
誘電体製のソースチャンバー24の周囲には1対の環状アンテナ34が配置されている。そして、ソースチャンバー24とアンテナ34を取り囲むようにカバー36が配置されている。カバー36は、石英(透明ガラス)製の円筒体38と石英(透明ガラス)製の円形のプレート40で構成されている。円筒体38の上端とプレート40の間には黒色の電気絶縁性の環状体42が配置されている。カバー36の内部において、ソースチャンバー24の上方には加熱ランプとしての赤外線ランプ(ハロゲンランプ)44が配置されている。円筒体38の周囲には1対の磁場発生コイル46が配置されている。この磁場発生コイル46に電流を流して外部磁場を発生させるとともに、アンテナ34にヘリコン波励起電場を印加すると、ソースチャンバー24の内部にヘリコン波プラズマが発生する。
【0015】
図2は、図1のA−A線断面図である。中央のソースチャンバー24を取り囲んで、内側から順番に、アンテナ34、円筒体38、1対の磁場発生コイル46が同心状に配置されている。アンテナ34の一端は、マッチングボックス52を介してプラズマ発生用高周波電源54に接続されている。アンテナ34の他端は接地されている。
【0016】
誘電体製のソースチャンバー24の主材料としては、熱ひずみ・熱衝撃等の観点で優れた特性を有している石英を採用した。しかし、石英をチャンバーの主材料として採用した場合の難点は、光エネルギーの吸収率が高くないので効率良く加熱できない点と、熱伝導率が低い(0.003cal/cm・sec・℃)ために、チャンバー全体を均一に加熱できない点である。前者の点を説明すると、ハロゲンランプは波長1μm前後に発光強度のピークをもっているのに対して、石英は波長2μm以下の光線については透過率が90%以上である。したがって、ハロゲンランプの光エネルギーはソースチャンバーにほとんど吸収されない。そこで、この発明においては、図5に拡大して示すように、ソースチャンバーを構成する石英ガラス48の大気側の表面に光吸収層50を密着形成している。この光吸収層50の材質としては、石英よりも光吸収率が高くて、かつ、石英よりも熱伝導率の大きな電気絶縁性の物質、例えばAlN、BN、Si34、SiC、Al23を用いている。アンテナを用いて誘導結合方式でプラズマを発生させるためには、この光吸収層の材質は、ソースチャンバーと同様に、電気絶縁性の物質でなければならない。これらの物質の熱伝導率と色(赤外線の吸収率に関係している)を、石英と共に、次の表1に示す。
【0017】
【表1】
物質 熱伝導率 [cal/cm・sec・℃] 色
AlN 0.36 白色
BN 0.2 白色
Si34 0.07 黒灰色
SiC 0.20 黒色
Al23 0.05 白色
石英 0.003 透明
【0018】
また、この光吸収層50には、より光吸収性の良好なCrO2、SiC、カーボンブラック等の微粒子を混入して、赤外線の吸収率を高めることができる。さらに、この光吸収層50は、多孔質にすることで、さらに赤外線の吸収効率を上げることができる。多孔質にすることで、光吸収層50に入射した赤外線は、多孔質の孔内で反射を繰り返し、その結果、光吸収効率が高まる。
【0019】
次に、カバーの光反射膜を説明する。図3と図4において、カバーを構成している円筒体38とプレート40には光反射膜が形成されている。図3(A)はプレート40の正面図であり、その上面と下面における光反射膜の形成位置を示している。また、図3(B)は円筒体38の平面図であり、その内周面と外周面における光反射膜の形成位置を示している。図4は円筒体38とプレート40の斜視図であり、同様に、光反射膜の形成位置を示している。
【0020】
まず、円筒体38の光反射膜を説明する。図3(B)において、円筒体38の内周面に五つの反射膜56が、周方向に互いに間隔をおいて等間隔に形成されている。この反射膜56は図4に示すように円筒体38の軸方向に延びている。一方、円筒体38の外周面にも五つの反射膜58が周方向に互いに間隔をおいて等間隔に形成されている。内側の反射膜56と外側の反射膜58は、その周方向の配置位置が部分的に重なり合うようになっている。すなわち、図3(B)の周方向の領域60のところでは、内側の反射膜56と外側の反射膜58とが存在している。このような重なり領域が存在することにより、ソースチャンバー24の任意の位置からやってきた赤外線は、円筒体38の内側反射膜56と外側反射膜58のいずれかで必ず反射する。これを幾何学的に説明すると、ソースチャンバー24の任意の位置と円筒体38の任意の位置とを通る直線62を想定した場合に、この直線62が内側反射膜56と外側反射膜58の少なくともいずれかを通過するようになっている。
【0021】
結局、この反射膜56、58は、ソースチャンバー24からやってくる赤外線を反射して、これを円筒体38の外部に逃がさないようにし、これによって、加熱ランプで発生する光エネルギーのほとんどが最終的にソースチャンバー24の光反射膜で吸収されるようにしている。また、円筒体38から外部に赤外線が逃げないので、外部に配置された電子機器等を加熱する恐れもない。
【0022】
ところで、赤外線を反射しやすい物質は導電性であることが多いが、もし導電性の反射膜を周方向に連続して形成してしまうと、環状の閉じた電気回路ができる。すると、次のような不都合が生じる。図1において、アンテナ34に高周波電場を印加すると、ソースチャンバー24の軸方向に時間的に変動する磁場が発生する。もし、円筒体38の表面において周方向に閉じた電気回路が存在すると、この電気回路に、上述の軸方向変動磁場によって環状の誘導電場が形成されて、この電気回路(反射膜)に大きな電流が流れることになる。この電流は、プラズマの生成に寄与することはなく、エネルギーの損失になる。また、反射膜に電流が流れることによってジュール熱が発生し、これが反射膜の剥離を誘発して反射膜の寿命が短くなる恐れもある。このような理由により、反射膜56、58が周方向に閉じないように、かつ、赤外線が外部に洩れないように、図3(B)に示したような特殊な配置になっている。
【0023】
また、反射膜が導電性である場合に、図3(B)に示したように内側反射膜56と外側反射膜58によって、全体として、アンテナが導電性の膜で囲まれることになり、アンテナから発生する電磁パワーが円筒体38の外部に漏洩するのを防ぐ効果もある。
【0024】
次に、プレート40の光反射膜を説明する。図3(A)と図4において、プレート40の上面には四つの反射膜64が互いに平行となるように間隔をおいて等間隔に形成されている。一方、プレート40の下面には三つの反射膜66が互いに平行となるように間隔をおいて等間隔に形成されている。上面の反射膜64と下面の反射膜66の相対的位置関係は、円筒体38における反射膜56、58の相対的位置関係と同様である。すなわち、上面の反射膜64と下面の反射膜66が部分的に重なり合うようになっており、かつ、ソースチャンバーからやってくる赤外線が反射膜64、66のいずれかで必ず反射するようになっている。
【0025】
図4に示すように、円筒体38の上端とプレート40の下面との間には、黒色を呈する電気絶縁性の環状体42を挟んでいる。環状体42を黒色としたことにより、環状体42を通して赤外線が外部に洩れるのを防いでいる。また、環状体42を電気絶縁性としたことにより、円筒体38の反射膜56、58のいずれかとプレート40の反射膜64、66のいずれかとが導通して周方向に閉じた電気回路が不用意に形成されてしまうのを防いでいる。
【0026】
次に、図1のプラズマ処理装置を用いて、シリコン酸化膜をエッチングする方法を説明する。まず、図1において、基板ホルダー32上に被処理ウェーハ31を載せる。この被処理ウェーハ31は、シリコン酸化膜上にフォトレジストを塗布して、このフォトレジストに所望のパターニングを施したものである。次に、ヘリコン波プラズマ源を次の手順で動作させる。最初に、ソースチャンバー24と拡散チャンバー26を排気系28で排気する。次に、赤外線ランプ44を点灯して、ソースチャンバー24の表面が200℃以上に加熱されていることを、図示しない熱電対等の温度測定手段で確認する。そして、ソースチャンバー24の表面温度が200℃に達した以降は、205℃以上になったら赤外線ランプ44を消灯し、200℃以下になったら赤外線ランプ44を点灯して、ソースチャンバー24の表面温度を200〜205℃の範囲に保つ。ソースチャンバー24のこのような温度制御は制御装置で自動的に行う。次に、ガス導入機構30によりCHF3、C26、C48等のフロロカーボンガスをマスフローコントローラ29で流量制御して拡散チャンバー26に供給する。そして、排気系28のバリアブルオリフィス27を制御してチャンバー24、26の圧力を1〜100Torrの範囲に制御する。次に、磁場発生コイル46で磁場を発生させるとともに、図2に示すプラズマ発生用高周波電源54からマッチングボックス52を介して1対のアンテナ34にソースパワーを供給する。同時に、図1の基板ホルダー32には、イオンの入射エネルギーを制御するために、高周波バイアス電源33から所要のバイアスパワーを供給する。このような手順でソースチャンバー24にプラズマを発生させると、このプラズマで発生した活性種が拡散チャンバー26の内部に拡散して、被処理ウェーハ31上のシリコン酸化膜がエッチングされる。
【0027】
このようなエッチング処理において、このプラズマ処理装置は、ソースチャンバーの加熱に関して、次のような働きがある。第1に、石英製のソースチャンバー24の大気側表面に、光吸収率が高くて、かつ、高い熱伝導率を有する光吸収層50があるために、赤外線ランプ44の光が効率的に吸収されるとともに、その光エネルギーがソースチャンバーの表面に均一に拡がる。これにより、プラズマに接するソースチャンバーの内面を効率良く、かつ、均一に加熱できる。第2に、円筒体38とプレート40からなるカバー36をソースチャンバー24を取り囲むように配置して、このカバーに反射膜を形成したので、ソースチャンバーで反射または放射される光エネルギーはカバーの反射膜で反射してカバーの外側に逃げていかない。この光エネルギーは、最終的にソースチャンバーの光吸収層で吸収されるために、ソースチャンバーを効率的に加熱できる。
【0028】
ソースチャンバーの加熱温度を約200℃以上にすると、フロロカーボンガスを使用してシリコン酸化膜をエッチングする場合に、ソースチャンバーの内壁面への堆積が皆無になる。その結果、ウェーハ上のパーティクル数が格段に減少し、また、ウェーハ上にラジカルが付着するようになるために対下地Si選択比が向上する。
【0029】
図6は第1の参考例の正面断面図である。この第1の参考例では、チャンバー68の上面板70が誘電体部分である。この上面板70の上方にスポーク状のアンテナアッセンブリー72が配置されている。そして、このアンテナアッセンブリー72にUHF電源74から交番電力を供給することでチャンバー68内にプラズマを発生させている。このようなスポーク状のアンテナアッセンブリー72とUHF電源74との組み合わせからなるプラズマ発生システムは、Japanese Journal of Applied Physics, Vol.34 (1995) pp.6805-6808 に記載されている。
【0030】
図7は、図6のB−B線断面図である。アンテナアッセンブリー72は、スポーク状(放射状)に配置された複数の外側アンテナ76と、スポーク状に配置された複数の内側アンテナ78とからなる。外側アンテナ76の一端はカバー90に固定されている。カバー90は接地されている。内側アンテナ78の一端は支柱79に固定されている。支柱79も接地されている。そして、対向する2本の外側アンテナ76a、76bにUHF電源(VHF電源にしてもよい。)からUHF帯(またはVHF帯)の短波長の交番電力が供給される。アンテナアッセンブリー72の上方には円環状の赤外線ランプ80(図6も参照)が配置されている。図6に戻って、アンテナアッセンブリー72はUHF電源74からの電力をプラズマに結合するためのものであり、スタブ82はプラズマとアンテナとの結合度を調整するものである。
【0031】
円形の上面板70は上部石英ガラス板84と下部石英ガラス板86からなる。下部石英ガラス板86の厚さは2〜3mmと薄くなっている。そして、上面板70の合計厚さは大気圧と真空の圧力差に耐えるだけの強度が確保できるようにする。例えば、被処理基板として12インチのウェーハを想定した場合は、上面板70の直径は400mm程度になり、上面板70の厚さは25mm程度が必要である。したがって、この場合の上部石英ガラス板84の厚さは22〜23mmになる。下部石英ガラス板86の上面には光吸収層88が密着形成されている。この光吸収層88の材質は図5の光吸収層50と同様である。すなわち、AlN、BN、Si34、SiC、Al23などの物質であり、これらに、CrO2、SiC、カーボンブラックなどの微粒子を混入してもよい。
【0032】
上面板70の上方空間は円筒状のカバー90で覆われており、このカバー90の内側にアンテナアッセンブリー72と加熱ランプ80が配置されている。このカバー90はアルミニウム等の金属(導電体)でできていて、その内面は高い光反射率となるように仕上げられている。この第1の参考例のプラズマ発生システムは、図1の実施形態とは異なって、アンテナが軸方向磁場を発生させないので、周方向の環状電場が発生しない。そのため、カバー90において周方向に閉じた電流回路が生じても何ら問題がない。したがって、カバー90の全体を導電体で作っても問題はない。
【0033】
この第1の参考例においても、赤外線ランプ80からの赤外線が光吸収層88に吸収されて下部石英ガラス板86が効率良く加熱される。そして、カバー90の内面の反射面で赤外線が反射するので、光エネルギーがカバー90の外部に洩れることがなく、これによっても下部石英ガラス板86が効率良く加熱される。
【0034】
なお、上面板70を1枚の石英ガラス板で構成すると次のような問題がある。大口径のウェーハに対応するためには、上面板の直径が大きくなり、大気圧と真空との圧力差に耐えるためには、石英ガラス板を厚くする必要がある。例えば、直径12インチのウェーハに対応するためには、上述のように石英ガラス板の厚さを25mm以上にする必要がある。この石英ガラス板の上面に光吸収層を密着形成すると、光吸収層から石英ガラス板の下面までの距離(石英ガラス板の厚さに等しい)が大きくなる。そのため、光吸収層が加熱されても、石英ガラス板の厚さ方向の温度勾配のために、石英ガラス板の下面(プラズマに接する面)では温度が低下する。そこで、図6に示すように、薄い下部石英ガラス板86の上面に光吸収層88を設けることにより、下部石英ガラス板86の下面の温度低下を防ぐとともに、下面の温度分布が均一になるようにしている。
【0035】
この第1の参考例のプラズマ処理装置を用いてシリコン酸化膜をエッチングする手順は、図1の実施形態を用いる場合とほぼ同様である。違いは、UHFまたはVHF帯の短波長のパワーをアンテナで供給するために、マッチング整合は、マッチングボックスではなくてスタブチューナを用いることである。
【0036】
図8は本発明の第2の参考例の正面断面図である。この参考例は、図6の参考例とほとんど同じであるが、チャンバーの上面板の構造だけが異なっている。この上面板92は、チャンバーの天板を構成する第1の石英ガラス板94と、この第1の石英ガラス板94の下方に間隔を置いて配置した第2の石英ガラス板96からなる。第2の石英ガラス板96はフック等の支持部材100で支持されていて、第1の石英ガラス板94には接触していない。第1の石英ガラス板94は真空を保持するためのもので比較的厚いものである。これに対して、第2の石英ガラス板96は大気圧に耐える必要がないので薄くでき、その上面には光吸収層98が密着形成されている。この光吸収層98の材質は図5の光吸収層50と同様である。第2の石英ガラス板96はチャンバーの内部に配置されており、その上面の光吸収層98はプラズマに接する面(下面)とは反対側にある。赤外線ランプ80からの赤外線は第1の石英ガラス板94を透過して、第2の石英ガラス板96の光吸収層98で吸収され、この第2の石英ガラス板96を加熱する。石英ガラス板94は薄いので熱容量が小さく、かつ、第1の石英ガラス板94に接触していないので、急速に昇温する。
【0037】
光吸収層98を形成した第2の石英ガラス板96を用いる代わりに、光吸収層98と同じ材質の誘電板を用いてもよい。すなわち、AlN、BN、Si34、SiC、Al23などでできた誘電板とする。この場合、誘電板自体の光吸収率が良好なので、その表面に別個の光吸収層を形成する必要はない。もし、この誘電板だけでは光吸収率が不十分であれば、この誘電板にCrO2、SiC、カーボンブラック等の光吸収物質を混入するとよい。
【0038】
ところで、上述の第1の実施形態及び第1及び第2の参考例では、いずれも、光吸収層を、石英ガラス板のプラズマに接しない側に形成しているが、プラズマに接する側に光吸収層を形成しても、石英ガラス板の加熱という点では効果はさほど変わらない。ただし、プラズマに接する側に形成すると、光吸収層がプラズマによってスパッタされて、これがプラズマ中に混入し、その結果、被処理ウェーハ中に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、光吸収層はプラズマに接しない側に形成するのが好ましい。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、チャンバーの誘電体部分に光吸収層を密着形成して、この光吸収層に加熱ランプの光エネルギーを吸収させることによって、チャンバーを加熱するようにしたので、誘電体部分を効率良く加熱できる。これにより、光吸収性は劣っていてもその他の点で優れている材質(例えば石英ガラス)をチャンバーの誘電体部分の材料として利用できる。また、光吸収層の材質として熱伝導率の良好なものを選択すれば、チャンバーの誘電体部分の温度分布が均一になる。このように、チャンバーの誘電体部分を効率的に加熱できることにより、チャンバーの内壁面への堆積が少なくなり、この堆積膜の剥離に起因する微小パーティクルの発生を防ぐことができる。さらに、加熱ランプと誘電体部分とアンテナをカバーで取り囲むようにして、このカバーの内面と外面に反射膜を形成して、それらの反射膜が周方向に閉じないように、かつ、赤外線が外部に洩れないように、反射膜の形成位置を工夫しているので、加熱エネルギーの損失を防ぐとともに、反射膜に電流が流れることによってジュール熱が発生して反射膜が剥離するのを防いでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の正面断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 (A)はプレートの正面図、(B)は円筒体の平面図である。
【図4】 円筒体とプレートの斜視図である。
【図5】 ソースチャンバーの壁面の拡大断面図である。
【図6】 本発明の第1の参考例の正面断面図である。
【図7】 図6のB−B線断面図である。
【図8】 本発明の第2の参考例の正面断面図である。
【図9】 従来のプラズマ処理装置の一例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
24 ソースチャンバー
26 拡散チャンバー
31 被処理ウェーハ
32 基板ホルダー
33 高周波バイアス電源
34 アンテナ
36 カバー
38 円筒体
40 プレート
42 環状体
44 赤外線ランプ
46 磁場発生コイル
48 石英ガラス
50 光吸収層
54 プラズマ発生用高周波電源
56 内側の反射膜
58 外側の反射膜
64 上面の反射膜
66 下面の反射膜

Claims (2)

  1. 次の(イ)乃至(ヘ)の構成を有し、(ト)乃至(ヲ)の特徴を有するプラズマ処理装置。
    (イ)少なくとも一部が誘電体で作られた真空排気可能なチャンバー。
    (ロ)前記チャンバーの誘電体部分の大気側に配置されたアンテナ。
    (ハ)前記チャンバー内にプラズマを発生させるために前記アンテナに交番電力を供給する電源。
    (ニ)前記誘電体部分の大気側に配置された加熱ランプ。
    (ホ)前記誘電体部分に密着形成された光吸収層であって、前記誘電体部分を構成する材料よりも光吸収率が大きくて、かつ、電気絶縁物質からなる光吸収層。
    (ヘ)プラズマ処理される被処理体を前記チャンバーの内部で保持する被処理体ホルダー。
    (ト)前記誘電体部分が円筒形状である。
    (チ)前記誘電体部分の周囲に螺旋状または環状のアンテナが配置されている。
    (リ)前記加熱ランプと前記誘電体部分と前記アンテナとが、電気絶縁性の円筒体とこの円筒体の軸方向端部を閉じる電気絶縁性の円形のプレートとからなるカバーで取り囲まれている。
    (ヌ)前記カバーの内面に、周方向に閉じた導電回路を形成しないように導電性の光反射膜が形成されている。
    (ル)前記カバーの外面に、周方向に閉じた導電回路を形成しないように導電性の光反射膜が形成されている。
    (ヲ)前記誘電体部分の任意の位置と前記カバーの任意の位置とを通る直線を想定した場合に、この直線が前記内面の光反射膜と前記外面の光反射膜の少なくともいずれかを通過するように、前記内面の光反射膜と前記外面の光反射膜とが部分的に互いに重なり合っている。
  2. 前記円筒体と前記プレートの間に電気絶縁性の黒色の環状体が配置されていることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
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