JP4192018B2 - 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリアミドはその高い耐熱性や機械的物性から幅広く開発がなされている。とりわけ全芳香族ポリアミドは、分子の剛直構造から、特に高い耐熱性や機械的物性を発揮することが期待され、繊維、フィルム等への工業的利用が広く進められている。また、そのような芳香族ポリアミドの物性をさらに向上することにより、優れた高機能材料の開発も切望されている。
【0003】
一方、近年高機能化の一つの手法として複合材料が注目されている。そのため、プラスチック材と、補強剤としてのカーボンファイバーなどの高強度高弾性の繊維とを組み合わせたFRPなどの複合材料の開発も盛んに行われるようになり、広く実用に供されている。
【0004】
これらの複合材の強度は、マトリックスとなるプラスチックおよび補強材として用いた繊維自身の強度のほかに、繊維とマトリックス樹脂との界面接着性に大きく影響されることが知られている。また、繊維強化プリフォームへのマトリックス樹脂の含浸性の良不良も、製造の難易のみならず製品の強度にも影響を与える。このような事情から、材料として高強度、高弾性を示す繊維または成形品を用いても、必ずしも強度に優れた複合材を得ることができるとはかぎられない。
【0005】
そこで、いわゆる剛直ポリマーを補強材料として、マトリックス樹脂となるポリマー中に分子レベルまで微細に分散させることにより、いわゆるポリマーブレンド系複合材(分子複合材)として上記の問題を克服し、高強度の複合材を得ようとする試みが提案され、その研究が行われている。
【0006】
たとえば、補強材料として、チアゾール環やオキサゾール環などの複素環を繰り返し単位内に有する芳香族複素環コポリマーやポリオキサゾールをマトリクスポリマー中に良好に分散させることで、マトリクスポリマーの機械的物性、耐熱性、耐溶剤性、熱寸法安定性等を向上させる方法が知られている。(たとえば特許文献1〜3参照。)。
【0007】
補強材料として好適に使用される芳香族ポリマーとしては、芳香族ポリイミドも知られているが、中でも剛直ポリイミドであるポリパラフェニレンピロメリットイミドは、芳香族複素環ポリマー、ポリオキサゾールに匹敵する、あるいは上回る理論弾性率を有するとされている。このことから、剛直構造を有するポリイミドを補強材料として用い、均一に芳香族ポリアミドに分散させることで、芳香族ポリアミドの物性向上が期待できる。
【0008】
これまで、芳香族ポリアミドとポリイミドとからなる複合材料を得ようとする試みが行われているが、芳香族ポリアミドを補強材料として用いて、ポリイミドの物性を向上させようとした報告であり、補強材料としてポリイミドを用いて芳香族ポリアミドの物性を向上させたものはない(たとえば特許文献4〜7参照。)。
【0009】
唯一、ポリイミドを補強材料として用いて芳香族ポリアミドのガラス転移温度が向上した分子複合体が報告されているが、機械的物性についての記述はなく、また補強材としてのポリイミドの配合量が20〜80重量%で、大量の補強材を必要としている(たとえば特許文献8参照。)。このように、これまで剛直ポリイミドを補強材料として用いることで機械的物性、熱寸法安定性が向上した芳香族ポリアミドは知られていない。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−268332号公報(p.2〜8)
【0011】
【特許文献2】
特開平4−351637号公報(p.2〜10)
【0012】
【特許文献3】
特開平9−157522号公報(p.2〜20)
【0013】
【特許文献4】
特開昭61−73766号公報(p.1〜4)
【0014】
【特許文献5】
特開平9−143282号公報(p.2〜6)
【0015】
【特許文献6】
特開平9−272800号公報(p.2〜12)
【0016】
【特許文献7】
特開平10−87987号公報(p.2〜9)
【0017】
【特許文献8】
特開平6−88023号公報(p.2〜8)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性および機械的物性に優れた芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、芳香族ポリアミド100重量部と下記式(1)に示す繰り返し単位を主成分とする芳香族ポリイミド0.1〜20重量部とを含んでなる芳香族ポリアミド組成物が提供される。
【0020】
本発明の他の一態様によれば、芳香族ポリアミド100重量部と、下記式(1)に示す繰り返し単位を主成分とする芳香族ポリイミドを含む、芳香族ポリアミド酸のイミド化物0.1〜20重量部とを含んでなる芳香族ポリアミド組成物が提供される。本発明により、耐熱性および機械的物性に優れた芳香族ポリアミド組成物が得られる。
【0021】
【化3】
【0022】
この組成物の形状としては、繊維形状やフィルム形状が好ましい。
【0023】
本発明の更に他の一態様によれば、芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との均一混合溶液中で芳香族ポリアミド酸をイミド化した後、溶媒を除去する処理を含む、芳香族ポリアミド組成物の製造方法が提供される。この方法で、上記芳香族ポリアミド組成物を製造することが好ましい。本製造方法により、耐熱性および機械的物性に優れた芳香族ポリアミド組成物を容易に得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図、表、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0025】
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、補強成分としてポリパラフェニレンピロメリットイミドを主成分とする剛直ポリイミドを用いることで、耐熱性、および機械的物性にすぐれた均一な芳香族ポリアミド組成物およびそれからなる成形物が得られることが見出され、本発明に到達した。
【0026】
本発明に係る芳香族ポリアミド組成物は、芳香族ポリアミド100重量部と芳香族ポリイミド0.1〜20重量部とを含んでなる。芳香族ポリイミドが上記式(1)に示す繰り返し単位を主成分とする芳香族ポリイミドを含むことが好ましい。芳香族ポリイミドの割合が0.1重量%未満の場合、補強材としての効果が小さく、20重量%よりも多い場合は、芳香族ポリイミドが凝集してしまい好ましくない。
【0027】
この芳香族ポリイミドは、溶液中での芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との縮重合反応から得られる芳香族ポリアミド酸を脱水縮合反応することで得ることができる。
【0028】
芳香族ジアミン成分は、p−フェニレンジアミンまたはその誘導体よりなるが、その他の芳香族ジアミンまたはその誘導体を含んでいてもよい。その他の芳香族ジアミンまたはその誘導体の量は、芳香族ジアミン成分の20モル%未満が好ましく、10モル%未満がより好ましい。
【0029】
上記その他の芳香族ジアミン成分としては、たとえばm−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノアントラセン、2,7−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノアントラセン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ(m−キシレン)、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノトルエンベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)アミンビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミンビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミンビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、1,1−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等およびそれらのハロゲン原子あるいはアルキル基による芳香核置換体が挙げられる。
【0030】
本発明に係る芳香族ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸成分はピロメリット酸またはその誘導体よりなるが、その他の芳香族テトラカルボン酸またはその誘導体を含んでいてもよい。一般的には、芳香族ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸成分としては酸無水物が好ましい。
【0031】
その他の芳香族テトラカルボン酸またはその誘導体は、本発明に係る芳香族ポリアミド酸の20モル%未満が好ましく、10モル%未満がより好ましい。
【0032】
p−フェニレンジアミン100モル%からなるジアミン成分と、ピロメリット酸成分100モル%からなるテトラカルボン酸成分とから得られる芳香族ポリアミド酸から製造される芳香族ポリイミドは、より好ましい耐熱性、機械的物性を発現する。
【0033】
上記その他の芳香族テトラカルボン酸成分としては、たとえば1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ピリジン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物等が挙げられる。
【0034】
本発明における芳香族ポリアミド組成物は、補強剤である剛直ポリイミドが芳香族ポリアミドマトリクス中に均一に分散していることにより、補強成分が少量でも、耐熱性および機械的物性に優れた芳香族ポリアミド組成物となり、高機能材料である芳香族ポリアミドの物性をさらに向上させることができる。
【0035】
本発明に係る芳香族ポリアミド組成物を成形物として使用する場合、その形状には特に制限はなく、任意の形状とすることができるが、特に繊維形状やフィルム形状の場合に効果が大きい。剛直ポリマーを補強材料として、マトリックス樹脂となるポリマー中に分子レベルまで微細に分散させたものであるところから、繊維のように細く、あるいはフィルムのように薄い形状でも、切断等の問題なく、耐熱性、機械的物性等に優れた成形物とすることが可能であるからである。
【0036】
本発明に係る芳香族ポリアミド組成物の製造方法は、芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との均一混合溶液中で芳香族ポリアミド酸をイミド化した後、溶媒を除去する処理を含む。この方法を利用して上記の種々の特徴を有する芳香族ポリアミド組成物を製造することができる。
【0037】
まず、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との縮重合反応により芳香族ポリアミド酸を得る方法について説明する。
【0038】
芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分としては、上記のものを使用できる。芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との縮重合反応により芳香族ポリアミド酸を得るための溶媒としては、芳香族ポリアミド酸を溶解し、反応しない溶媒であれば、どのようなものでもよい。
【0039】
具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等があげられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。芳香族ポリアミド酸は水分により加水分解を起こすので、溶媒は脱水されていることが望ましい。
【0040】
芳香族ポリアミド酸溶液のポリマー濃度としては、固形分濃度として0.1〜30重量%が好ましく、1〜25重量%がより好ましい。
【0041】
また、芳香族ポリアミド酸を製造する際、使用する芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸成分とのモル比としては0.90〜1.10が好ましく、0.95〜1.05であることがより好ましい。
【0042】
この芳香族ポリアミド酸の末端は封止されることが好ましい。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、たとえば無水フタル酸やその誘導体、ヘキサヒドロ無水フタル酸やその誘導体、無水コハク酸やその誘導体、アミン成分としてはアニリンやその誘導体が挙げられる。
【0043】
上記のように調製された芳香族ポリアミド酸の対数粘度が0.1以上30dL/g以下、さらには0.5以上30dL/g以下のものが好ましい。対数粘度は重合体の分子量と直接関係する値であり、後述する方法により測定することができる。
【0044】
このようにして得られる芳香族ポリアミド酸は、アルコール等の非溶媒に投入して、沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができ、これを再度他の溶媒に溶解させることもできる。再度溶解させる際に用いる溶媒としては、芳香族ポリアミド酸を溶解するものであれば特に限定はされないが、上記芳香族ポリアミド酸の重合に使用される溶媒の他に、硫酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸等も使用することができる。
【0045】
次に、ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との縮重合反応により芳香族ポリアミドを得る方法について説明する。本発明における芳香族ポリアミドは、ジアミンまたはその誘導体よりなるジアミン成分とジカルボン酸またはその誘導体よりなるジカルボン酸成分とより得ることができる。たとえば、溶液中でのジカルボン酸ジクロライドとジアミンとの低温溶液重合や界面重合で得ることができる。
【0046】
具体的に本発明において使用される芳香族ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン2−クロル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジクロルp−フェニレンジアミン、2,6−ジクロルp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン等を挙げることがこれらに限定されるものではない。中でもジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
【0047】
また、具体的に本発明において使用されるジカルボン酸成分としては、たとえばイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなど挙げられる。中でも、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが好ましい。
【0048】
芳香族ポリアミドを重合で得る際の溶媒としては具体的にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等があげられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。溶媒は脱水されていることが望ましい。なお、溶解性を挙げるために、重合前、途中、終了時に一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩としてたとえば、塩化リチウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
【0049】
本発明における芳香族ポリアミド溶液のポリマー濃度は0.1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%が好ましい。
【0050】
また、芳香族ポリアミドを製造する際、使用するジアミン成分と酸クロライド成分とのモル比としては、0.90〜1.10が好ましく、0.95〜1.0がより好ましい。
【0051】
この芳香族ポリアミドの末端は封止することもできる。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、たとえばフタル酸クロライドおよびその誘導体、アミン成分としてはアニリンおよびその誘導体が挙げられる。
【0052】
一般に用いられる酸クロライドとジアミンの反応においては生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用できる。
【0053】
反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化合物、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加し中和反応する。
【0054】
反応条件は特別な制限を必要としない。酸クロライドとジアミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度はたとえば−25℃〜100℃好ましくは−10℃〜80℃である。
【0055】
このようにして得られる芳香族ポリアミドはアルコール、水等の非溶媒に投入して、沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解することもできる。再度溶解させる際に用いる溶媒としては、芳香族ポリアミドを溶解するものであれば特に限定はされないが、上記芳香族ポリアミドの重合に使用される溶媒の他に、硫酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸等も使用することができる。
【0056】
ついで、本発明に係る芳香族ポリアミド組成物およびそれからなる成形物の製造方法について説明する。
【0057】
本発明において、芳香族ポリアミド組成物の製造方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用することができるが、芳香族ポリアミドと芳香族ポリイミド前駆体である芳香族ポリアミド酸との均一混合溶液を作製し、その中で芳香族ポリアミド酸をイミド化することが好ましい。
【0058】
たとえば、
(1)芳香族ポリアミド溶液と芳香族ポリイミドの前駆体である芳香族ポリアミド酸の溶液とを溶液ブレンドし、
(2)加熱による熱イミド化、もしくは化学閉環剤を用いた化学イミド化によりブレンド溶液の芳香族ポリアミド酸をイミド化した後、
(3)溶媒を除去する
ことによって得られる。
【0059】
工程(1)において、芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸とのブレンド溶液は均一な混合溶液として得られる。芳香族ポリアミド溶液と芳香族ポリアミド酸溶液とのブレンド溶液に使用される溶媒としては、上記の芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリアミド酸の重合溶媒や、一旦固体として取り出した芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリアミド酸を溶解させることができる溶媒を使用することができる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。芳香族ポリアミド溶液と芳香族ポリアミド酸溶液とに使用される溶媒は同一であることが好ましい。
【0060】
また、ブレンド溶液中における芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との割合としては、芳香族ポリアミド100重量部に対して、芳香族ポリアミド酸が、芳香族ポリイミドに換算して0.1〜20重量部であることが好ましい。ブレンド溶液のポリマー濃度、すなわち芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との合計の濃度は0.1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%が好ましい。
【0061】
工程(2)において加熱により熱イミド化を行う場合は、イミド化の副生成物として生成する水を除去するために、トルエンやN−シクロヘキシルピロリドン等の水の共沸溶媒を添加すると、芳香族ポリアミド酸の加水分解を抑制することができるので好ましい。
【0062】
また、工程(2)において化学イミド化は公知の、無水酢酸等の脱水剤とピリジン、トリエチレンジアミン等のアミン触媒を用いる方法、カルボジイミド、亜リン酸トリフェニル等の化学閉環剤を用いる方法等を例示することができる。
【0063】
工程(2)で使用される無水酢酸等の脱水剤量は、芳香族ポリアミド酸に対して2モル倍量以上の範囲で使用される。無水酢酸量が2モル倍量よりも少ない場合、閉環反応が不十分である。
【0064】
本発明において工程(2)で使用されるアミン触媒は無水酢酸と芳香族ポリアミド酸の反応触媒として働くものであり、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の三級脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ビス(N,Nージメチルアミノ)ナフタレンの如き芳香族アミン、ピリジンおよびその誘導体、ピコリンおよびその誘導体、ルチジン、キノリン、イソキノリンの如き複素環式化合物を用いることができる。この際アミン触媒の芳香族ポリアミド酸に対する量としては特に制限はないが、0.5モル倍量以上、より好ましくは1.0モル倍量以上である。トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等のアミン触媒は、少量で効率よく芳香族ポリアミド酸の閉環反応を可能とすることから好ましい。
【0065】
芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との混合溶液に無水酢酸および有機アミン化合物を混合する温度は、−25〜100℃が好ましく、さらに好ましくは−20〜100℃である。混合する温度が−25℃よりも低い場合は、ドープ粘度が高粘度となり成形上好ましくない。
【0066】
芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸の混合溶液に無水酢酸およびアミン触媒を添加する順序としては、特に限定されないが、アミン触媒を添加して、無水酢酸を添加する方法が好ましい。
【0067】
本発明においてイミド化とは、100%芳香族ポリアミド酸がポリイミドに変換している必要はなく、部分的にイミド化している場合も含まれる。好ましくは、耐加水分解性の点から芳香族ポリアミド酸の50moL%以上がイミド化していることが好ましい。
【0068】
このようにして得られたブレンド溶液を用いて、湿式法もしくは乾式法により繊維・フィルムに成形し、溶媒を除去することにより、本発明の芳香族ポリアミド組成物およびそれからなる成形物を製造することができる。また、得られた成形物を延伸または、熱処理することによりさらに物性が向上する。
【0069】
なお、このような製造方法による芳香族ポリアミド組成物の検討から、芳香族ポリアミド100重量部と芳香族ポリアミド酸のイミド化物0.1〜20重量部とを含んでなる芳香族ポリアミド組成物も、耐熱性および機械的物性に優れた性質を有していることが判明した。ここで、芳香族ポリアミド酸のイミド化物とは、上記製造方法におけるように芳香族ポリアミド酸がポリイミドに変換したものを意味するが、100%ポリイミドに変換したものを意味しているわけではない。芳香族ポリアミド酸の50moL%以上がイミド化していることが好ましい。すなわち、本発明における「芳香族ポリアミド酸のイミド化物」はその構成要素のすべてが完全にイミド化されたものであるとは限らない。この意味から、「芳香族ポリアミド酸のイミド化物0.1〜20重量部」とは、「芳香族ポリアミド酸のイミド化物であって、その量としては、芳香族ポリアミド酸が全部イミド化されて生成する芳香族ポリイミドとして換算した場合に0.1〜20重量部」という意味である。なお、完全にイミド化しているものについては、上記式(1)に示す繰り返し単位を主成分とする芳香族ポリイミドを含むことが望ましい。
【0070】
【実施例】
次に本発明の実施例および比較例を詳述する。なお、芳香族ポリアミド酸の対数粘度は、NMP中ポリマー濃度0.5g/100mLで、35℃で標準粘度計の一定容積の毛細管を流れる時間と溶媒のみで流れる時間を測定し、次式により算出したものである。
(対数粘度)={ln(溶液の流動時間/溶媒の流動時間)}/(溶液の濃度)強伸度測定は、糸サンプルの場合、試料長25mmのサンプルを用い、フィルムサンプルの場合、試料長50mmのサンプルを用いて、長さ引張り速度5mm/minで、オリエンテックUCT−1Tによって測定を行ったものである。
【0071】
[実施例1]
(1)芳香族ポリアミドの重合
温度計、撹拌装置および原料投入口を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラーシーブスで脱水したN−メチル−2−ピロリドン400mLを入れ、パラフェニレンジアミン(PPD)(4.715g,0.0872×0.5moL)と3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−DAPE)(8.7302g,0.0872×0.5moL)とを添加し、溶解するまで室温で撹拌した。
【0072】
溶解した後、上記溶液を0℃まで冷却し、テレフタル酸ジクロライド(17.7042g,0.0872moL)を一度に添加し、室温で30分撹拌しつつ、70℃まで昇温後、1時間撹拌した。次に水酸化カルシウム(6.4616g,0.0872moL)を添加し、激しく撹拌し、バス温度を90℃まで昇温後、1時間撹拌して反応を終了し、最終的なポリマー濃度が6重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0073】
(2)芳香族ポリアミド酸溶液の調製
温度計、撹拌装置および原料投入口を備えた反応容器に、窒素雰囲気下モレキュラーシーブスで脱水したN−メチル−2−ピロリドン800mLを入れ、さらにパラフェニレンジアミン11.9gを加えて完全に溶解した後、氷浴下0℃まで冷却した。この冷却したジアミン溶液に無水ピロメリット酸24.1gを添加し反応せしめた。反応温度は氷浴下で25℃まで上昇した。氷浴下さらに一時間反応させた。その後、さらに室温下2時間反応させた後、アニリン0.011gを添加し、さらに30分反応させた。反応終了後、窒素雰囲気下で濾過後、脱泡して、芳香族ポリアミド酸溶液を得た。この溶液の対数粘度は14.1dL/gであり最終的なポリマー濃度は4重量%となった。
【0074】
(3)芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との混合溶液の作製
上記で得られた芳香族ポリアミド溶液200gと芳香族ポリアミド酸溶液0.12gとを窒素雰囲気下で混合し、さらにNMP100mLで希釈して均一になるまで0℃で撹拌を行い、芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との混合溶液を調製した。
【0075】
(4)芳香族ポリアミド酸のイミド化
上記混合溶媒に、窒素雰囲気下、トリエチレンジアミン8.3mgと無水酢酸6.5mLとを添加し、1時間撹拌を行った後、100℃で2時間撹拌を行うことで芳香族ポリアミド酸のイミド化反応を行った。赤外吸収スペクトルの1780および720cm-1にピークが見られることからイミド化していることを確認した。
【0076】
(5)芳香族ポリアミド組成物の成形物
(4)で得られた混合溶液を口金0.3mm、吐出温度30℃で、50℃の30重量%NMP水溶液中に吐出して得られた凝固糸を、水洗し、120℃で乾燥した後、500℃で最大延伸倍率(破断伸度)の0.8倍で延伸することで芳香族ポリアミド組成物からなる繊維を得た。得られた繊維のデニル数は4.4de、機械的強度は21.4g/deであった。
【0077】
[実施例2]
(3)における芳香族ポリアミド酸溶液0.12gに代えて0.24gを、(4)におけるトリエチレンジアミン8.3mgに代えて16.5mgを、無水酢酸6.5mLに代えて6.6mLを使用した以外は実施例1と同様に実験を行い、芳香族ポリアミド酸組成物からなる繊維を得た。得られた繊維のデニル数は3.0de、機械的強度は24.6g/deであった。
【0078】
[実施例3]
(3)における芳香族ポリアミド酸溶液0.12gに代えて0.6gを、(4)におけるトリエチレンジアミン8.3mgに代えて41.2mgを、無水酢酸6.5mLに代えて7.0mLを使用した以外は実施例1と同様に実験を行い芳香族ポリアミド酸組成物からなる繊維を得た。得られた繊維のデニル数は6.4de、機械的強度は20.0g/deであった。
【0079】
[比較例1]
実施例1で調製した芳香族ポリアミド溶液を用いて実施例1と同様の条件で紡糸することで芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維のデニル数は3.9de、機械的強度は18.5g/deであった。
【0080】
実施例1〜3と比較例1との比較より、に芳香族ポリアミドマトリクス中に補強成分として剛直ポリイミドを均一分散させることで、補強成分が少量でも、機械的物性の向上が達成さることが理解できる。
【0081】
[実施例4]
実施例1で用いた芳香族ポリアミドとポリイミドとからなる混合溶液を、ドクターブレード400μを用いて、ガラス基板上にキャストした後、ガラス基板と共に、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥した。得られた乾燥フィルムを氷水に浸漬し、基板から剥離し、金枠に固定し、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥後、350℃で10分熱処理することで、透明な芳香族ポリアミド組成物からなるフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは10μm、弾性率は6.8GPaあった。
【0082】
[比較例2]
実施例1で調整した芳香族ポリアミド溶液をNMPで希釈して、4重量%ドープを調製した。得られたドープを、ドクターブレード400μを用いて、ガラス基板上にキャストした後、基板と共に、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥した。得られた乾燥フィルムを氷水に浸漬し、基板から剥離し、金枠に固定し、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥後、350℃で10分熱処理することで、芳香族ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは10μm、弾性率は6.0GPaであった。
【0083】
実施例4と比較例2との比較から、芳香族ポリアミドマトリクスに補強成分として、剛直ポリイミドを均一に分散することで、少量でも機械的物性が向上することが理解できる。
【0084】
【発明の効果】
本発明により、耐熱性、機械的物性等に優れた芳香族ポリアミド組成物とその製造方法が提供される。
Claims (5)
- 繊維形状を有する、請求項1または2に記載の芳香族ポリアミド組成物。
- フィルム形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリアミド組成物。
- 芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミド酸との均一混合溶液中で芳香族ポリアミド酸をイミド化した後、溶媒を除去する処理を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリアミド組成物の製造方法。
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