JP4191921B2 - ゴムシート圧延方法及びゴムシート圧延装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムシート圧延方法及びゴムシート圧延装置に関し、とくに、加熱ロールにより軟化させた未加硫ゴムをカレンダーロールで圧延して成形するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ゴムシートの圧延装置は、未加硫ゴムを加熱するとともに剪断力を加えながら軟化させる加熱ロールと、この軟化させた未加硫ゴムを圧延してゴムシートを成形するカレンダーロールと、この圧延されたゴムシートを搬送しながら冷却する冷却装置と、この冷却されたゴムシートを巻き取る巻取機から構成されている。
【0003】
図6に、従来の技術におけるゴムシート圧延装置100を示す。図6(a)は、ゴムシート圧延装置100を側面から見た様子を示す模式図であり、図6(b)は、上面から見た状態を示す模式図である。このゴムシート圧延装置100によりゴムシートの圧延が行われる場合、まず、加熱ロール101(101a、101b)の間のロールギャップ101cに未加硫ゴムが投入され、加熱ロール101により剪断力が加えられながら、この未加硫ゴムが軟化される。そして、軟化され、加熱ロール101表面に巻き付いたシート状未加硫ゴム102aを、一定幅のリボン状未加硫ゴム102bとして連続して切り出していく。
【0004】
連続して切り出されたリボン状未加硫ゴム102bは、カレンダーロール103へと送られる。カレンダーロール103は、トップロール103a、センターロール103b、ボトムロール103cの3本のロールが連設して構成されていることが多く、この場合、リボン状未加硫ゴム102bは、トップロール103aとセンターロール103bとの間に、バンク104(溜まり部分)を形成させながら供給される。カレンダーロール103にバンク104を形成しながら供給された未加硫ゴムは、トップロール103aとセンターロール103bの間、およびセンターロール103bとボトムロール103cの間でそれぞれ圧延されてゴムシート105として形成される。このように、リボン状未加硫ゴム102bを所定幅で往復させるようにしてカレンダーロール103に供給することにより(図6(b)参照)、所定幅のゴムシート105を圧延して成形している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかるゴムシートの圧延においては、カレンダーロール103での圧延時におけるエアー噛み(ゴム中へのエアーの混入)の発生が問題となる。そこで、加熱ロール102で未加硫ゴムを軟化させる際に、一定温度になるまで加熱ロール102でウォーミングさせて十分に軟化させ、未加硫ゴム中からのエアーの排除を促したり、また、バンク104を形成するゴムバンク量を一定量となるように調整しながらリボン状未加硫ゴム102bを供給することで、カレンダーロール103の回転に伴うバンクゴムの回転流動で生じるバンクゴム表面のエアー噛み部分に対して、ロール表面との摩擦力・密着力にてエアー噛み表面のゴムの薄皮を破壊し、エアーの排除を促すこと等が行われている。また、さらに、カレンダーロール103のロール表面温度を一定温度となるようにコントロールすることでも、未加硫ゴムの圧延状態を安定させ、不規則なエアー噛みの防止が図ることが行われている。
【0006】
しかしながら、上記種々の対応をとることによっても、圧延時におけるエアー噛み込み防止は十分ではなく、とくに、リボン状未加硫ゴムを供給する場合においては、リボン状未加硫ゴム102bがバンク104にランダム位置で交叉しながら供給されるため(図6(b)参照)、リボン状未加硫ゴム102bが交叉する位置・時点でエアーを多量に巻き込み易く、上記のバンク104におけるエアー排除では十分でなく、エアー噛み部分を多く含んだゴムシート105が形成されてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、エアー噛み部分が少なく、高品質のゴムシートの製造が可能なゴムシート圧延方法及びゴムシート圧延装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明のゴムシート圧延方法は、回転する加熱ロールにより、未加硫ゴムを軟化させるとともに、当該未加硫ゴムを、幅方向に関して2箇所に設けられた切り出し手段により所定幅で切り出し、当該所定幅の未加硫ゴムをカレンダーロールに供給し、当該カレンダーロールで圧延幅に圧延成形するゴムシート圧延方法であって、前記所定幅を、前記カレンダーロールで圧延成形されるゴムシートの前記圧延幅に等しくすることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、カレンダーロールに対して、圧延幅と略同じ幅のゴムシートが供給されるため、供給時に、ゴムシートがランダムに交叉・接触・混ざりあうことが少なくなり、エアー噛み部分の少ない高品質のゴムシートを得ることができる。
【0010】
第2の発明のゴムシート圧延方法は、第1の発明において、前記加熱ロールで切り出された未加硫ゴムを搬送手段を介して平面状態を保ちながら搬送して、前記カレンダーロールに供給することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、幅が広いゴムシートをエアー噛みの原因となるしわ等を発生させないで、カレンダーロールに供給することができる。
【0012】
第3の発明のゴムシート圧延装置は、未加硫ゴムを軟化させるための、回転する加熱ロールと、前記加熱ロールにおいて、前記未加硫ゴムの幅方向に関して2箇所に設けられ、前記未加硫ゴムを所定幅で切り出す切り出し手段と、当該所定幅の未加硫ゴムが供給され、圧延幅に圧延成形するカレンダーロールと、を備え、前記所定幅は、前記カレンダーロールで圧延成形されるゴムシートの前記圧延幅に等しいことを特徴とする。
【0013】
この構成によると、カレンダーロールに対して、圧延幅と略同じ幅のゴムシートが供給されるため、供給時に、ゴムシートがランダムに交叉・接触・混ざりあうことが少なくなり、エアー噛み部分の少ない高品質のゴムシートが得られるゴムシート圧延装置を提供できる。
【0014】
第4の発明のゴムシート圧延装置は、第3の発明において、切り出されたゴムシートをその平面状態を保ちながら前記カレンダーロールに向けて搬送する搬送手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
この構成によると、幅が広いゴムシートをエアー噛みの原因となるしわ等を発生させないで、カレンダーロールに供給することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら参考例及び本発明の実施形態例について説明する。図1は実施例1を示すゴムシート圧延装置1を、図2は実施例2を示すゴムシート圧延装置2を、図3は参考例1を示すゴムシート圧延装置3を、図5は実施例3を示すゴムシート圧延装置4をそれぞれ示す模式図である。以下、実施例ごとに順次説明する。なお、各参考例、及び、各実施例の説明は、参考例、又は、本発明に係るゴムシート圧延装置を説明するとともに、参考例、又は、本発明に係るゴムシート圧延方法の説明を兼ねるものである。
【0017】
(実施例1)
図1(a)は、実施例1に係るゴムシート圧延装置1を側面から見た状態を示す模式図であり、図1(b)は、その上面図である。図1において、ゴムシート圧延装置1は、原料の未加硫ゴムを加熱するとともに回転して剪断力を加えながら軟化させる加熱ロール11(11a、11b)と、この軟化させた未加硫ゴムを圧延してゴムシートを成形するカレンダーロール12(12a、12b、12c)とを備えている。そして、加熱ロール11とカレンダーロール12との間には、加熱ロール11により軟化された未加硫ゴムをカレンダーロール12へと搬送する搬送手段であるコンベア13が配設されている。なお、図1には、図示していないが、ゴムシート圧延装置1には、カレンダーロール12により圧延されたゴムシートを搬送しながら冷却する冷却装置と、この冷却されたゴムシートを巻き取る巻取機とが備えられていてもよい。
【0018】
まず、加熱ロール11は、図示しない加熱手段により所定温度に加熱される2本のロール(11a、11b)からなり、互いに平行な軸で支持され、図示しない駆動モータ及び減速機により、互いに逆方向(図中矢印方向)に回転するようになっている。そして、この2本の加熱ロール(11a、11b)は、ロール軸間距離を調整してロールギャップ11c(ロール11aとロール11bとの間の隙間)の大きさを変更可能となるように設けられている。
【0019】
このロールギャップ11cには、上方から原料となる未加硫ゴムが供給され、加熱ロール11の回転とともに、ロール表面の摩擦力によってロールギャップ11cに引き込まれていく。このとき、ロールギャップ11cの上流側には、この供給された未加硫ゴムの溜まり部分14(バンク)が形成される。そして、溜まり部分14を形成している未加硫ゴムには、ロールギャップ11cに引き込まれながら剪断力が加えられる。また、未加硫ゴムは、ロール11表面から加熱されており、剪断と加熱の作用によって、軟化される。そして、ロールギャップ11cを通過した未加硫ゴムは、シート状に形成される(シート状未加硫ゴム15)。このとき、ロール11aの周速は、ロール11bの周速より速くなるように設定されているため、シート状未加硫ゴム15は、ロール11a側に巻き付くようになっている。シート状未加硫ゴム15は、ロール11aに巻き付いた状態のまま、この過程を複数回経て、十分に加熱されるとともに、剪断が繰り返し加えられる。
【0020】
また、ロール11aの外周には、シート状未加硫ゴム15を所定幅で切り出すための切り出し手段であるカッター16がロール11aのバレル方向(シート状未加硫ゴム15の幅方向)の2箇所に設けられており、この2つのカッター16の刃先が、それぞれシート状未加硫ゴム15に対して突き立てられることにより、シート状未加硫ゴム15が所定幅で切り出される。したがって、シート状未加硫ゴム15は、カッター16に対する回転方向の上流側では、ロール11aの外周に巻き付いた状態のまま移動するが、カッター16の下流側では、所定幅に切り出されていくことになる。この所定幅が、後述するカレンダーロール12により圧延成形されるゴムシート22の所定幅に略等しくなるように設定されている。なお、カッター16による切り出しは、ロール11aに巻き付いたシート状未加硫ゴム15が、ロールギャップ11cを複数回通過し、十分に加熱された後に、切り出し先端部分の口出しのためロールバレル方向に切り込みを入れ、カッター16をシート状未加硫ゴム15に突き立てることで行われる。
【0021】
そして、所定幅に切り出されたシート状未加硫ゴム15は、下流側(図中左側)に配設されているコンベア13へと送られる。所定幅に切り出された後の残りの部分15a(以下、「耳ゴム15a」という)は、そのままロール11aに巻き付いたまま再びバンク14と合流する。こうして、耳ゴム15aは、無駄なく再利用に付される。
【0022】
つぎに、コンベア13は、回転自在に支持される複数のローラ17と、ローラ17に巻き廻されて周回するベルト18とを備えてなる。加熱ロール11で切り出されたシート状未加硫ゴム15は、コンベア13の端部へ送り出され、そのまま、ベルト18の周回方向(図中矢印方向)に従って、上方へと搬送される。
【0023】
コンベア13は、斜め上方にシート状未加硫ゴム15を搬送した後、水平方向に折れてシート状未加硫ゴム15を水平状態のまま後述のカレンダーロール12へと搬送する。すなわち、ベルト18上では、シート状未加硫ゴム15は、平面状態を保ったまま搬送される。
【0024】
コンベア13の搬送終端側には、ベルト18が形成する水平搬送面と略同一平面で搬送方向下流側に連なるようにして受け皿19が設けられている。コンベア13から水平方向に送り出されたシート状未加硫ゴム15は、上流側からコンベア13で送られながら、そのまま受け皿19上を搬送される。
【0025】
受け皿19の下流側先端部分19cは、カレンダーロール12におけるトップロール12aとセンターロール12bとの間のロールギャップ12dへと連なっており、受け皿19から送り出されるシート状未加硫ゴム15は、ロールギャップ12dへと誘導される。このように、搬送手段であるコンベア13および受け皿19が設けられていることで、幅の広いシート状未加硫ゴムであっても、平面状態を保ったまましわ等を発生させないで、カレンダーロールに供給することができる。なお、受け皿19は、必ずしも無くてもよく、例えば、コンベア18から受け皿19を介さずに直接ロールギャップ12dへとシート状未加硫ゴム15が送り込まれるものであってもよい。
【0026】
カレンダーロール12は、前述したが、トップロール12a、センターロール12b、ボトムロール12cの3本のロールを連設してなるものである。そして、各ロールの軸は平行に設けられ、トップロール12aとセンターロール12bとがロールギャップ12dを成して対向し、センターロール12bとボトムロール12cとがロールギャップ12eを成して対向している。各ロールギャップの大きさは調整可能に設けられる。
【0027】
そして、トップロール12aとセンターロール12bとが互いに逆方向に、センターロール12bとボトムロール12cとが互いに逆方向に回転することで、後述するように、シート状未加硫ゴム15が、センターロール12bおよびボトムロール12c外周を一部覆うように巻き付きながら圧延されていく。
【0028】
まず、トップロール12aとセンターロール12bの間のロールギャップ12dに、受け皿19からシート状未加硫ゴム15が誘導される。このとき、トップロール12aは、センターロール12bの斜め上方に位置し、シート状未加硫ゴム15の先端がロールギャップ12d内に誘導され易いようになっている。また、ロールギャップ12dの入側には、サイドガイド20が、幅方向2箇所でシート状未加硫ゴム15の両幅端の位置を規制するように設けられている。このサイドガイド20により、シート状未加硫ゴム15がロールバレル方向で位置決めされる。なお、この位置決めを行うことにより、後述のカッター21に対して位置がずれることなく、確実に所定幅のゴムシート22が切り出されることになる。
【0029】
ロールギャップ12dに案内されたシート状未加硫ゴム15は、トップロール12aとセンターロール12bの回転とともに、トップロール12aとセンターロール12bとがシート状未加硫ゴム15と接触して生じるヘルツ圧により厚み方向に圧縮応力を受けながら、ロール表面の摩擦力によってロールギャップ12dへと引き込まれて圧延されていく。
【0030】
トップロール12aとセンターロール12bとの間で1パス目の圧延が行われたシート状未加硫ゴム15は、所定の厚みのゴムシート22aとなってロールギャップ12dの出側から送り出される。このとき、トップロール12aとセンターロール12bとのロール周速には、周速差が設けられており、トップロール12aに対してセンターロール12bのロール周速が速くなるように設定されている。これにより、1パス目の圧延が終了したゴムシート22aは、センターロール12bの外周に巻き付いて送り出されてくることになる。なお、ゴムシート22aの厚みは、シート状未加硫ゴム15の粘弾塑性特性やロールギャップ12d入側におけるシート状未加硫ゴム15の厚み、カレンダーロール12の弾性特性、ロールギャップ12dの大きさ設定等により決定される。また、ロールギャップ12dを経て圧延されることで、トップロール12aとセンターロール12bのロール表面状態がシート状未加硫ゴムシート15の表面に転写され、滑らかな表面なゴムシート22aが得られる。
【0031】
1パス目の圧延が終了したゴムシート22aは、センターロール12bの外周に巻き付いたまま、センターロール12bとボトムロール12cとのロールギャップ12eへと送られる。このとき、センターロール12bの外周のロールバレル方向の2箇所には、目標の幅寸法を超える両幅端の部分(耳ゴム)を切り取り、ゴムシート22aを所定幅となるように微調整するためのカッター21を設けていてもよい。シート状未加硫ゴム15の圧延時は、シート長手方向とシート厚み方向とを含む断面のみにおいて応力状態を把握できる平面応力状態に近い状態が実現されているため、シート幅方向の被圧延材の塑性流動は少なく、幅広がりは小さい。そのため、加熱ロール11で所定幅に切り出されたシート状未加硫ゴム15は、所定幅に略等しい幅でゴムシート22aとして圧延成形される。しかし、若干の幅広がりが生じるため、カッター21により所定幅に調整される。なお、カッター21により切り取られて除去された耳ゴムは、再度、未加硫ゴムとして原料に用いられる。
【0032】
カッター21を経て所定幅に最終調整されたゴムシート22aは、ロールギャップ12eへと至り、センターロール12bとボトムロール12cとの間で再び圧延される。この2パス目の圧延により、さらにゴムシート表面の滑らかさとシート厚みが調整され、圧延成形の終了したゴムシート22が得られる。なお、ゴムシート22は、この後、図示しない冷却装置へと搬送され、そこで冷却された後、巻取機でロール状に巻き取られる。
【0033】
以上説明したゴムシート圧延装置1若しくは、ゴムシート圧延装置1を用いたゴムシート圧延方法によると、カレンダーロールに対して、圧延幅と略同じ幅のシート状未加硫ゴムが供給されるため、従来の技術におけるゴムシート圧延装置100のように、未加硫ゴムの供給時にロール間の最初の溜まり部分においてゴムシートがランダムに交叉・接触・混ざりあうといったことが生じることが少なくなり、エアー噛み部分の少ないゴムシートを得ることができる。
【0034】
なお、ロールギャップ12dの入側と出側における材料流動速度(単位時間当たりにシート幅方向単位長さの断面を通過する移動質量)が略等しくなるようにロール周速とコンベア13による搬送速度等の関係を調整することで、ロールギャップ12dの入側には、未加硫ゴムの溜まり部分(バンク)が形成されずに圧延できる。しかし、ロールギャップ12dの入側に溜まり部分を形成しながら圧延してもよい。この場合であっても、ロールギャップ12dには、圧延幅と略同じ幅のシート状未加硫ゴム15が供給されるため、シート状未加硫ゴム15がランダムに交叉等することがなく、エアー噛み部分の少ないゴムシートを得ることができる。
【0035】
また、実施例1においては、加熱ロール11とカレンダーロール12とが水平方向に並列配置となっているが、必ずしもこの通りでなくもよく、例えば、カレンダーロール12の上方に加熱ロール11を配設するものであってもよい。
【0036】
(実施例2)
つぎに、本発明の実施例2に係るゴムシート圧延装置2について説明する。図2に、ゴムシート圧延装置2の側面から見た模式図を示す。なお、実施例1と重複する要素については、同一の符号を付し、説明を割愛する。
【0037】
実施例2に係るゴムシート圧延装置2は、実施例1のゴムシート圧延装置1と、カレンダーロール12の構成は同じであるが、加熱ロール及び搬送手段を複数備える構成となっている点が異なる。即ち、ゴムシート圧延装置2は、第1加熱ロール23(23a、23b)及び第2加熱ロール24(24a、24b)と、第1コンベア13a及び第2コンベア13bと、を備えている。
【0038】
実施例1のゴムシート圧延装置1では、加熱ロール11に一度に投入できる原料ゴムの量は限られるため、加熱ロール11で軟化されて成形されるシート状未加硫ゴム15の長さは、所定長さに制限される。そのため、カレンダーロール12に供給されるシート状未加硫ゴム15は、原料ゴムが投入されるロットごと、即ち、所定長さごとに途切れて供給されることになる。
【0039】
しかし、ゴムシート圧延装置2では、まず、第1加熱ロール23で軟化したシート状未加硫ゴム15を形成した後、第1コンベア13aで第2加熱ロール24のロール24a、24b間のロールギャップ24cにシート状未加硫ゴム15をバンク14bを形成しながら供給する。そして、空になった第1加熱ロール23のロールギャップ23cに、次のロットの原料ゴムを投入し、バンク14aを形成しながら未加硫ゴムの軟化を行う。こうして、次のロットの未加硫ゴムの軟化も終了すると、前回ロットと同様にシート状未加硫ゴム15を第1コンベア13aにより、第2加熱ロール24のロールギャップ24cに、バンク14bに続けて供給する。これによって、加熱ロール24からは、途切れることなく連続してシート状未加硫ゴム15aをコンベア13bを通じてカレンダーロール12へと供給することができる。
【0040】
このゴムシート圧延装置2によっても、実施例1のゴムシート圧延装置1と同様の効果が得られるとともに、シート状未加硫ゴムを途切れることなくカレンダーロールに供給できるため、ゴムシート先後端部分等の非定常部分が少なくなり、非定常部分を除去して再び原料ゴムとして加熱ロールに投入しなければならないといったことを抑制でき、生産性を高めることができる。
【0041】
(参考例1)
本発明の参考例1に係るゴムシート圧延装置3について説明する。図3(a)に、ゴムシート圧延装置3の側面から見た模式図を、図3(b)にその上面図を示す。なお、実施例1と重複する要素については、同一の符号を付し、説明を割愛する。
【0042】
参考例1のゴムシート圧延装置3は、加熱ロール11とカレンダーロール12とを備えており、加熱ロール11で軟化されロール11a表面に巻き付いたシート状未加硫ゴム25からカッター28でリボン状未加硫ゴム26を連続して切り出し、このリボン状未加硫ゴム26をカレンダーロール12のトップロール12aとセンターロール12bの間のロールギャップ12dにバンク27(溜まり部分)を形成しながらロールバレル方向に往復させるようにして供給し、ゴムシート31を圧延する。この点は、従来の技術におけるゴムシート圧延装置100と同様である。
【0043】
しかし、ゴムシート圧延装置3では、センターロール12bとボトムロール12cの間のロールギャップ12e入側近傍に、トップロール12aとセンターロール12bとで圧延されたゴムシート29の表面層を削り取るように掻き落とす板部材30が、ロールバレル方向に延在して刃先部分30aをゴムシート29表面に押し付けられるように設けられている。
【0044】
図4に、カレンダーロール12と板部材30との位置関係を拡大して示す。ロールギャップ12dの入側ではバンク27が形成されているが、このバンク27では、バンクゴムがロールの回転に伴いランダムに回転するように流動し(図中矢印)、そのため未加硫ゴム中にエアーを巻き込みやすい。ゴム中に巻き込まれたエアーは、圧延されたゴムがセンターロール12a上をボトムロール12c側に向かって流動するとともに、ゴムシート29の表面層(センターロール12b表面と反対側)にエアー噛み部分32・・・として生成する。
【0045】
表面層にエアー噛み部分32が生じたゴムシート29は、センターロール12bの回転に伴い、ロールギャップ12eへと案内される。このとき、ロールバレル方向に延在する板部材30は、その刃先部分30aがロールギャップ12eの入側でボトムロール12cに接触して支えられるようにして設けられている。そして、この刃先部分30aは、ゴムシート29の表面層にも幅方向略均一に接触しており、表面層を薄く削り取るように掻き落としている。これにより、ゴムシート29の表面層に生じたエアー噛み部分32は、板部材30の刃先部分30aによって、表面層とともに削り取られる。また、このとき、表面層を削り取る際に板部材30に生じる反力は、ボトムロール12cで支えられている。そして、ロールギャップ12eでの2パス目の圧延を経て、最終的にエアー噛み部分がほとんどないゴムシート31が得られる。
【0046】
(実施例3)
最後に、本発明の実施例3に係るゴムシート圧延装置4について説明する。図5に、ゴムシート圧延装置4を側面から見た模式図を示す。なお、実施例1と重複する要素については、同一の符号を付し、説明を割愛する。
【0047】
実施例3のゴムシート圧延装置4は、実施例1のゴムシート圧延装置1と同様に、シート状未加硫ゴム15を加熱ロール11から切り出し手段であるカッター16により所定幅で切り出し、搬送手段であるコンベア13によりカレンダーロール12に供給する構成を備える。しかし、カレンダーロール12の構成が、実施例1の場合と異なっており、トップロール12aと回転軸を平行にしてサイドロール12fがさらに設けられている。
【0048】
コンベア13を搬送されてきたシート状未加硫ゴム15は、コンベア13の搬送終端まで達すると、そのまま下方に垂れ下がるようにして、トップロール12aとサイドロール12fとの間に形成されているロールギャップ12gへと供給される。ロールギャップ12gに供給されたシート状未加硫ゴム15は、ロールギャップ12fの入側にバンク33を形成しながら、トップロール12aとサイドロール12fとの間でシート状に成形されていく。
【0049】
そして、ロールギャップ12gから送り出されるシート状未加硫ゴム15bは、トップロール12aに巻き付いたまま、トップロール12aとセンターロール12bとの間のロールギャップ12dに案内される。このとき、ロールギャップ12dの入側には、ロールバレル方向の2箇所にラバー寄せ治具34が設けられている。このラバー寄せ治具34により、トップロール12aとサイドロール12fとで形成されたシート状未加硫ゴム15bは、所定幅より拡がらないように調整されながらロールギャップ12dへと送られる。
【0050】
ロールギャップ12dを経て圧延されたゴムシート22aは、さらにロールギャップ12eでの圧延を経て、カッター21により所定幅に微調整された後、ゴムシート22として圧延成形が完了する。
【0051】
なお、ゴムシート圧延装置4では、実施例1の場合と異なり、参考例1と同じ板部材30も設けられている。参考例1においては、カレンダーロールにリボン状未加硫ゴムを供給しながらゴムシートを圧延する場合について、ゴムシート表面層を削り取る板部材30が設けられている例が示されているが、このゴムシート圧延装置4のように、シート状未加硫ゴムをカレンダーロールに供給する場合に板部材30を設けてもよい。この場合、相乗的にエアー噛み部分の削減効果が得られる。
【0052】
以上の実施例1〜3で説明したゴムシート圧延装置およびゴムシート圧延方法によると、いずれにおいても、エアー噛み部分の少ないゴムシートを得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
第1の発明によると、カレンダーロールに対して、圧延幅と略同じ幅のゴムシートが供給されるため、供給時に、ゴムシートがランダムに交叉・接触・混ざりあうことが少なくなり、エアー噛み部分の少ない高品質のゴムシートを得ることができる。
【0054】
第2の発明によると、幅が広いゴムシートをエアー噛みの原因となるしわ等を発生させないで、カレンダーロールに供給することができる。
【0055】
第3の発明によると、カレンダーロールに対して、圧延幅と略同じ幅のゴムシートが供給されるため、供給時に、ゴムシートがランダムに交叉・接触・混ざりあうことが少なくなり、エアー噛み部分の少ない高品質のゴムシートが得られるゴムシート圧延装置を提供できる。
【0056】
第4の発明によると、幅が広いゴムシートをエアー噛みの原因となるしわ等を発生させないで、カレンダーロールに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るゴムシート圧延装置を示す模式図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は上面図を示す。
【図2】本発明の実施例2に係るゴムシート圧延装置を示す模式図である。
【図3】本発明の参考例1に係るゴムシート圧延装置を示す模式図であり、図3(a)は側面図、図3(b)は上面図を示す。
【図4】本発明の参考例1に係るゴムシート圧延装置の要部を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例3に係るゴムシート圧延装置を示す模式図である。
【図6】従来の技術におけるゴムシート圧延装置を示す模式図であって、図6(a)は側面図、図6(b)は上面図である。
【符号の説明】
1 ゴムシート圧延装置
11、11a、11b 加熱ロール
12 カレンダーロール
12a トップロール
12b センターロール
12c ボトムロール
13 コンベア
14 溜まり部分
15 シート状未加硫ゴム
16 カッター
Claims (4)
- 回転する加熱ロールにより、未加硫ゴムを軟化させるとともに、当該未加硫ゴムを、幅方向に関して2箇所に設けられた切り出し手段により所定幅で切り出し、
当該所定幅の未加硫ゴムをカレンダーロールに供給し、
当該カレンダーロールで圧延幅に圧延成形するゴムシート圧延方法であって、
前記所定幅を、前記カレンダーロールで圧延成形されるゴムシートの前記圧延幅に等しくすることを特徴とするゴムシート圧延方法。 - 前記加熱ロールで切り出された未加硫ゴムを搬送手段を介して平面状態を保ちながら搬送して、前記カレンダーロールに供給する請求項1に記載のゴムシート圧延方法。
- 未加硫ゴムを軟化させるための、回転する加熱ロールと、
前記加熱ロールにおいて、前記未加硫ゴムの幅方向に関して2箇所に設けられ、前記未加硫ゴムを所定幅で切り出す切り出し手段と、
当該所定幅の未加硫ゴムが供給され、圧延幅に圧延成形するカレンダーロールと、を備え、
前記所定幅は、前記カレンダーロールで圧延成形されるゴムシートの前記圧延幅に等しいことを特徴とするゴムシート圧延装置。 - 切り出されたゴムシートをその平面状態を保ちながら前記カレンダーロールに向けて搬送する搬送手段を設けた請求項3に記載のゴムシート圧延装置。
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