JP4191629B2 - 農用苗移植機 - Google Patents

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Description

本発明は、茶豆及び枝豆類の苗を移植する農用苗移植機に関するものである。
ハンドルフレームの前後中途部上に苗供給部、そして該苗供給部の下側に移植手段を備え、前記苗供給部の各苗搬送ポットに供給された苗を前記移植手段で列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機は存在している。
この農用苗移植機の苗供給装置のポットを、苗の大きさに応じて形状を色々変えて移植する苗供給装置に関する技術が公開されている。
例えば特許文献1に開示されているように、移植苗の大きさによってポットを換えて、それを支持する支持台の上下間隔を調節してポットを支持する技術が示されている。
また、特許文献2に開示されているように、苗の大小によりポットの内径を色々変えてポットを保持する技術が示されている。
実開昭54−115347号公報 実開昭55−25457号公報
移植機で茶豆の苗を移植のとき、栽培管理上から苗の大きさが不揃いになり大きく育った苗を圃場に移植する場合、あるいは、採取した苗を圃場に移植するまでの間に採取した苗が萎えた場合等に葉あるいは、茎が開孔器へ案内するポットの口元に引っ掛かり開孔器へ落下しなくなる。
また、開孔器に落下した苗は、開孔器内で不適正な姿勢で保持されたまま圃場に植え付けした場合、株元側が大きく湾曲した後に立姿勢となり、生育途中での管理に手間が係ると同時に茎が倒れ易くなり、収穫の時収穫機を利用する場合に茎が折切れ、搬送詰まり等が発生する。
さらに、平面(畦を成形しない)栽培の場合は、開孔器の位置を最下位置近傍に設定する必要がある、その設定により苗搬送ポットの口元が通常の作業位置より低くなり、苗搬送ポットに苗を投入する作業者は中腰姿勢を求められるので連続作業に負担がかかり作業性が悪い。
本発明は、欺かる実情に鑑みてなされたものであり、先行する苗供給装置よりも効率的で作業性の良いものとした苗供給装置を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、第1の発明は、請求項1に記載したように、特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備え、各苗搬送ポットに供給された苗を順に列状の特定間隔で植え付けるように作動する農用苗移植機であって、回転台に固着した複数のポット基部で支持する苗搬送ポットの口元の高さを変更するガイド部材をポット基部の上面に着脱自在に設けた農用苗移植機において、前記ガイド部材(75)は、係止具(76)の面より両側に突出量の異なるピン(77)でポット基部(31)と苗搬送ポット(32)を連接保持したものである
第2の発明は、請求項2に記載したように、前記ガイド部材(75)は、短尺の板に2箇所の孔(76a)を設けた係止具(76)の面より両側に突出するピン(77)の突出量が異なるものである
第3の発明は、請求項3に記載したように、前記ガイド部材(75)は、短尺の板に設けた孔(76a)の周囲にピン(77)を立設したものである
本発明によれば、以下に示すような効果が得られる。
即ち、請求項1に記載したものによれば、「特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備え、各苗搬送ポットに供給された苗を順に列状の特定間隔で植え付けるように作動する農用苗移植機であって、回転台に固着した複数のポット基部で支持する苗搬送ポットの口元の高さを変更するガイド部材をポット基部の上面に着脱自在に設けた農用苗移植機において、前記ガイド部材(75)は、係止具(76)の面より両側に突出量の異なるピン(77)でポット基部(31)と苗搬送ポット(32)を連接保持した」ことにより、従来の汎用移植機の苗搬送ポットを用いて移植作業するときにおいても、単純な構成で苗の支持と苗搬送ポット(32)の口元(32a)を高く設定維持することができ、大きく生育した苗(26)の葉あるいは茎、または萎えた苗等を苗搬送ポット(32)で内で支えることが可能となり、その結果、開孔器(50)内へ適正な姿勢で苗(26)を落下誘導することができ、苗(26)の植付姿勢が直立した状態で、偏りのない生育品に成長し、生育途上で管理する管理作業が容易となり、機械などで収穫するとき、茎の折切れ、搬送詰まり等が起こらず機械への取り込みが向上する。
またガイド部材(75)を上下差し替えることにより苗搬送ポット(32)の口元(32a)高さを2種類設定できる。
また、突出したピン(77)で、一方はポット取付基部(31)へ挿入しガイド部材(75)と連接し、他方はガイド部材(75)に設けた他方のピン(77)で苗搬送ポット(32)を保持し、しかも苗搬送ポット(32)の口元(32a)の高さを簡単な構成で設定することができる。
そのため苗(26)の大きさに応じたポットを固定する専用の苗台調整固定具が不要となる。
請求項2に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られる、即ち、「前記ガイド部材(75)は、短尺の板に2箇所の孔(76a)を設けた係止具(76)の面より両側に突出するピン(77)の突出量が異なるものである」ことにより、2口のポット取付基部(31)に対して一対のガイド部材(75)を着脱する構成を採用しているため、ガイド部材(75)を挿入する際、ガイド部材(75)の位置合わせが不要で脱着作業が容易となる。
また、平面栽培の場合は、ガイド部材(75)をポット取付基部(31)へ差し込み、その対向部で苗搬送ポット(32)を保持することにより苗搬送ポット(32)の口元(32a)を通常の通常作業姿勢と同じ位置に口元(32a)を設定することができ、苗を投入する作業の負担が軽減される。
請求項3に記載したものによれば、請求項2記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られる、即ち、「前記ガイド部材(75)は、短尺の板に設けた孔(76a)の周囲にピン(77)を立設した」ことにより、孔(76a)の周囲を基準にピン(77)を立設するため、加工が容易で準備費の低減が可能となる。
次に、発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例に係る歩行型野菜移植機の全体的な構成を示した側面図、
図2は同じく平面図、
図3は苗供給部の側面図
図4は苗供給部の平面図
図5は苗供給部の後面図
図6はガイド部材の側面図、
図7はガイド部材の平面図、
図8はガイド部材を装着時の側面図、
図9は開孔器の側面図、
図10は同じく後面図、
図11は開孔器の開閉の様子を示す図、
図12は開閉カムの側面図、
図13は苗供給部の左側面図である。
まず、本発明の一実施例に係る歩行型の野菜移植機の概略構成について説明する。
図1、図2に示すように、野菜移植機(1)は、機体フレーム(2)の前部上にエンジン(3)を載置して、前後中央部上にミッションケース(4)を配置し、機体フレーム(2)後部上から後方にハンドル部材となるハンドルフレーム(6)を水平方向に連設している。
機体フレーム(2)は、その前後中途部にて前機体フレームと後機体フレームとが連結固定され、側面視略逆「へ」字状に構成されている。
前記ハンドルフレーム(6)は平面視略「コ」字状に構成され、その前部をミッションケース(4)上部と連結し、前後中途部上に苗供給部(7)と左右の苗載台(21)・(21)を支持している。
また、前記ハンドルフレーム(6)の前後中途部間に連結プレート(24)を架設し、後部に昇降レバー(22)や主クラッチレバー(23)や作業レバーやアクセルレバーやサイドクラッチレバーや高さ調節レバー等の操作レバーを配置して運転操作部(9)を形成している。
前記機体フレーム(2)の前部には前輪支持軸(10)を横架し、該前輪支持軸(10)の両側に前輪支持フレーム(11)・(11)の一端を取り付け、該前輪支持フレーム(11)・(11)の他端に前輪(12)・(12)を支持している。
また、ミッションケース(4)より後輪駆動軸(15)を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸(15)の両側に駆動ケース(16)・(16)を連設して、該駆動ケース(16)・(16)の後部に後輪(17)・(17)を支持している。
前輪支持軸(10)は、前輪支持フレーム(11)および前輪(12)の回動支軸となっており、後輪駆動軸(15)は、駆動ケース(16)および後輸(17)の回動支軸となっている。
また、機体後部には、機体フレーム(2)中途部から後方に延設された鎮圧輪フレーム(20)に一対の鎮圧輪(19)・(19)が支持されている。
そして、図9に示すように、移植手段としての開孔器(50)は前後一対の移植爪(28)、(29)を備え、略くちばし状(中空の前後二つ割り円錐状)に形成され、機体フレーム(2)後部の左右略中央で、前記苗供給部(7)の下方に配置されている。
開孔器(50)は昇降ガイド(53)に沿って一定の軌跡を描いて昇降し、上死点となる上昇端(最上昇位置)(イ)で苗供給部(7)より苗(26)を受け取り、下死点となる最下降位置(二)で開孔器(50)を開いて圃場の畝(25)に植付穴を穿ち、図11に示すように、該植付穴に苗(26)を開放して、その後方に配置した鎮圧輪(19)により苗(26)の根部に土を寄せて覆土して移植する構成としている。
このように、野菜移植機(1)は、苗供給部(7)より苗(26)を開孔器(50)内に投入して、該移植爪(28)、(29)を畝(25)中へ挿入させることにより、機体の走行中に畝(25)に所定間隔毎に苗(26)の移植を行う移植機である。
また、本実施例における野菜移植機(1)は一畝一条植え付けのタイプとなっており、タバコやキャベツ、ネギ、ニラ、ブロッコリー、豆類等の苗を移植可能としているが、複数条同時に植え付け、プラグ苗を移植する移植機等にも適用可能である。
図3乃至図5に示すように、前記苗供給部(7)は、ミッションケース(4)の上部からハンドル右(6R)側に突出した苗供給出力軸(4b)の端部にスプロケット(34)を固着し、該スプロケット(34)と、左、右ハンドル(6L)、(6R)の中間部を連結している連結プレート(24)の下面に設けた減速機構(35)の横入力軸(37)に設けたスプロケット(36)とに緩張機構を備えたチェン(38)を介して回転台(30)を駆動する減速機構(35)を備えている。
減速機構(35)は、横入力軸(37)の他端に設けた歯車(39)と回転台(30)を駆動する回転軸(33)に設けた歯車(41)によって回転台(30)を任意な回転数を得ると共に、横方向から入力された回転を前記歯車(39)と歯車(41)により出力方向を垂直方向に変換する機構も備えている。
この減速機構(35)により回転軸(33)にミッションケース(4)からの回転が伝達されることにより、回転軸(33)の周りに円板状の回転台(30)が水平回転するように配置されている。
また、回転台(30)の上面には、下方が円筒状で上部口元はラッパ形状とした苗搬送ポット(32)を任意な高さで支持する円筒形状のポット取付基部(31)・(31)・・が円周に沿って複数個(本実施例では8個)取付けられている。
このポット取付基部(31)・(31)・・の下方に開閉板(43)を水平に回動自在に保持する棒状のL金具(31b)を回転台(30)より下方に向けて固着している。
回転台(30)の下部には左右のハンドル(6L),(6R)から連接した連結プレート(24)上に回転台枠(30a)を固設している。
回転台(30)は回転台枠(30a)の上部で水平回転できるようにしている。
回転台枠(30a)には、苗搬送ポット(32)に供給した苗(26)を開孔器(50)へ落下を規制する開閉板(43)の閉状態を保持する板材で形成された規制レール(30b)を固設している。
また、規制レール(30b)の終端部近傍には開閉板(43)の開位置を調整する調整具(30c)を、規制レール(30b)の終端部に調節自在に設けている。
更に、規制レール(30b)の始端部に、開閉板(43)を閉位置へ収納する当てゴム(46)をコ字形状の取付け具(30d)に回動自在に保持している。
この当てゴム(46)は、L金具(31b)によって吊り下げ支持した開閉板(43)が回転台(30)の回転によって突出した開閉板(43)と当てゴム(46)によりL金具(31b)廻りに回動して開位置から閉位置の姿勢になる。
さらに、開閉板(43)の閉状態を維持する規制レール(30b)と協働するバネ(44)を回転軸(33)の途中に設けた輪状の係止具(33b)に放射状に開閉板(43)に連接している。
また、開閉板(43)には規制レール(30b)に沿って滑動する円形のワッシャ(43b)を上下に挟むように回動自在に設けている。
ポット取付基部(31)・(31)・・の上面には、後述するガイド部材(75)を介して樹脂製の苗搬送ポット(32)・(32)・・が挿入されている。
この苗搬送ポット(32)・(32)・・の形状は下方が円筒状で口元(32a)はラッパ形状としている。
次に本発明の要部であるガイド部材を詳細に説明する。
図3乃至5に示すように、苗供給部(7)の回転板(30)に設けた筒状のポット取付基部(31)上面に、板状の係止具(76)に一方は他方に比べて突出量が異なるピン(77)を固設したガイド部材(75)を構成している。
本実施例では回転板(30)の上部に設けた8個のポット取付基部(31)に、4個のガイド部材75を装着している。
なお、全てのポット取付基部(31)に対して一体のガイド部材(75)を構成してもよい。
本発明は2口を一体にしたガイド部材(75)で説明する
具体的に説明すると、図6,図7に示すように、ガイド部材(75)は、苗搬送ポット(32)が挿入可能な孔(76a)を2口設けた短尺形状の係止具(76)に、苗搬送ポット(32)を支え支持し、他方ではポット取付基部(31)の上部口元から挿入可能なそれぞれの関係位置で4本のピン(77)を係止具(76)から両側へ同一周上に突出する突出量(短い側ピン77a、長いピン側77b)の異なるピン77を溶着したものである。
ガイド部材(75)の取付状態を図8に示すように、 Aは、ガイド部材(75)を使用しない状態で苗搬送ポット(32)を装着した状態を示している。
Bは、2個のポット取付基部(31)側に長いピン(77b)でポット取付基部(31)とガイド部材(75)を連接し、短いピン(77a)間で苗搬送ポット(32)の外周を保持した状態を示している。
Cは、2個のポット取付基部(31)側に短いピン(77a)でポット取付基部(31)とガイド部材(75)を連接し、長いピン(77b)間で苗搬送ポット(32)の外周を保持した状態を示している。
上記の通り単純な構成で製作したガイド部材(75)を装着することにより苗搬送ポット(32)の口元(32a)高さをピン(77)の突出量により任意設定でき(H1<H2<H3)、大きく育成した苗(26)を機械で移植する設備費の投資金額を低く抑えることが可能となった。
尚、ガイド部材(75)は、短尺形状の係止具(76)を夫々1枚ずつポット取付基部(31)に挿入するようにすることや、ガイド部材(75)同志を連結具で連結して一体化したものでもよいのであり、夫々の使用状況に応じて採用することが可能である。
移植する苗(26)の供給は作業者が機体側方に載置した左右の苗載台(21)・(21)より苗(26)を苗搬送ポット(32)へ一株ずつ投入するのである。
回転台(30)が回転され、後述する開孔器(50)が最上昇位置(イ)に達したとき、該開孔器(50)の直上に位置するポット付取基部(31)の開閉板(43)が開き、苗搬送ポット(32)に収容されていた苗(26)を開孔器(50)へ向けて下方に落下させる。
このようにして、苗供給部(7)から開孔器(50)へ苗(26)の供給を行っている。
次に、開孔器(50)について図9乃至図12をも参照して説明する。
開孔器(50)は機体左右中央部のミッションケース(4)の後方に配設されており図1、図9、図10に示すように、該開孔器(50)の左右一側には駆動部となるロータリーケース(52)が配置され、左右他側にはガイド部となる昇降ガイド(53)が配置されている。
ロータリーケース(52)と昇降ガイド(53)は機体フレーム(2)に固定され、この間に開孔器(50)が配設され、該開孔器(50)は前記苗供給部(7)の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成されている。
前記ロータリーケース(52)は、機体フレーム(2)より左右水平方向に突設した支点軸(54)に回転自在に支持されるロータリーケース(52)の外側側面の支点軸(54)外周部に伝動体となるスプロケット(55)が固設される。
ミッションケース(4)からは、ハンドル左(6L)方向に植付出力軸(4a)が延出されており、該植付出力軸(4a)には、支点軸(54)のスプロケット(55)と左右位置が対応する位置に、スプロケット(27)が設けられている。
そして、スプロケット(27)・(55)間をチェン等の伝動手段を介して連結されてミッションケース(4)と連動連結され、開孔器(50)と前記苗供給部(7)とが同期して駆動するように構成されている。
前記ロータリーケース(52)内には三つの歯車が直列的に配置されてそれぞれ噛合され、ロータリーケース(52)他側より出力軸(56)を前記スプロケット(55)の反対側に突出している。
該出力軸(56)上にアーム(57)の一端が固設されている。
こうして、ロータリーケース(52)が一回転すると同時にアーム(57)が逆方向に一回転するように前記歯車が設定されている。
前記アーム(57)の他端に連結軸(59)の一端が固設され、該連結軸(59)上に支持体(60)・(60)の一側(前側)が軸受を介して回転自在に支持されている。
該支持体(60)は左右のプレートより構成して、開孔器(50)を支持しており、左右のプレートの連結軸(59)上に開閉カム(61)を固設している。
図9に示すように、移植爪(28)、(29)はそれぞれ、土中に貫入する正面視(後面視)三角形状の爪部(28a)・(29a)を備えている。
爪部(28a)・(29a)はそれぞれ、中空の円錐状部材を、中心軸に沿った平面で分割して形成される部材の一方および他方である。
移植爪(28)・(29)は略同様の構成であるので、一方の移植爪(28)について説明し、その後に他方の移植爪(29)に関しては、前記移植爪(28)と相違する点について説明する。
移植爪(28)の爪部(28a)の上端には、平板状の基部(28b)が設けられる。
前後方向(くちばし状による)反開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第一支持部(28c)・(28c)が設けられ、開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第二支持部(28d)・(28d)が設けられる。
移植爪(29)にも、基部(29b)、第一支持部(29c)・(29c)、第二支持部(29d)・(29d)が前後略対称に備えられ、同様の構成であるが、第二支持部(29d)・(29d)間の間隔は、移植爪(28)の第二支持部(28d)・(28d)間よりも幅広に形成されており、この点が相違している。
そして、第二支持部(29d)・(29d)間に第二支持部(28d)・(28d)が配置され、移植爪(28)、(29)の左右で、第二支持部(28d)・(29d)間がそれぞれ枢支軸(64)により枢支されて、移植爪(28)・(29)が開閉可能とされる。
また、平板状の基部(28b)、(29b)は、爪部(28a)・(29a)と平面視重複する部位が切除されて、開孔器(50)の上方から投下された苗(26)が爪部(28a)・(29a)の内部に収納保持されるようにしている。
前記支持体(60)の他側(後側)には漏斗状のカップ(60a)を形成して、前記苗供給部(7)よりカップ(60a)に苗(26)が入り易くし、該カップ(60a)下部に開閉可能に移植爪(28)、(29)を配置している。
移植爪(28)、(29)の開閉機構は、前記カップ(60a)の前方と後方に同距離離れた位置に、爪支点軸(63)・(63)を一対ずつ左右水平方向に設け、該爪支点軸(63)に移植爪(28)、(29)の前後一端(前記第一支持部(28c)・(29c)を枢支している。
カップ(60a)には、カップ(60a)と固設される支持体(60)が位置し、カップ(60a)の前後で、支持体(60)および移植爪(28)・(29)間に爪支点軸(63)・(63)が設けられる。
そして、移植爪(28)、(29)は前後略対称に構成したくちばし状の爪部(28a)・(29a)を合わせた状態で苗(26)を収納支持し、開いた状態で苗(26)を落下させるようにしている。
また、前記枢支軸(64)・(64)とカップ(60a)上部との間にバネ(69)・(69)を介装し、枢支軸(64)・(64)を持ち上げるようにして、移植爪(28)、(29)を閉じるように付勢している。
平面視において、爪部(28a)・(29a)の上端部により形成される円の中心を、カップ(60a)の中心と略一致させ、爪部(28a)・(29a)の上端部をカップ(60a)の上端円より大きく形成して、爪部(28a)・(29a)の上端円内にカップ(60a)が納まるように、開孔器(50)は構成されている。
前記開閉カム(61)側に位置する移植爪(29)の爪支点軸(63)には当接アーム(65)の一端が枢支され、該当接アーム(65)の他端にローラ(66)を設けて前記開閉カム(61)の外周に当接するように構成している。
該当接アーム(65)と移植爪(29)の第一支持部(29c)・(29c)との間には、爪開閉量調節機構(67)が設けられており、該爪開閉量調節機構(67)は両者間にボルト(68)を螺装して、該ボルト(68)を回動することにより両者の間隔を調節して、移植爪(29)の回動量を調節できるようにしている。
つまり、前記バネ(69)により移植爪(28)・(29)は閉じるように付勢され、支点軸(63)に対して反対側に位置する当接アーム(65)の先端は開閉カム(61)に当接されて回動が規制されている。
開閉カム(61)の回動により、該開閉カム(61)に当接した当接アーム(65)が回動されて、爪支点軸(63)・(63)を中心に移植爪(29)が回動されて、移植爪(28)、(29)が開閉する。
また、前記ロータリーケース(52)と左右反対側に位置する支持体(60)の前部で、該支持体(60)より支持軸(70)が昇降ガイド(53)側の側方に突出され、該支持軸(70)の端部にローラ(71)を設けて上下方向に配置した昇降ガイド(53)に嵌合して、移植爪(28)、(29)(開孔器50)の昇降をガイドするようにしている。
そして、図11に示すように、本実施例においては、開孔器(50)の昇降および移植爪(28)、(29)の開閉は以下のように行われる。
まず、開孔器(50)の最上昇位置(イ)において移植爪(28)、(29)は閉じた状態にあり、このとき、開孔器(50)に苗供給部(7)より苗(26)が投入される。
ミッションケース(4)からの動力によりロータリーケース(52)が回動され、アーム(57)も同時に回動されて、開孔器(50)は昇降ガイド(53)に沿って、略楕円軌跡を描いて下降する。
そして、開孔器(50)が畝(25)に突入して植付穴を穿孔する。
開孔器(50)の最下降位置(二)において移植爪(28)、(29)が開かれて、口開き角度が最大の状態となり、このとき、苗(26)を畝(25)に開放する。
次に、開孔器(50)が上昇して、その下端が最下降位置(二)から苗(26)の根鉢高さH以上の高さ位置(ハ)に達すると、移植爪(28)、(29)が若干角度だけ閉じて、口開き角度が最大角度より小さくなった状態となり、この状態を維持しつつ、開孔器(50)が畝(25)から引き抜かれる。
そして、移植爪(28)、(29)を閉じながら開孔器(50)が更に上昇して、最上昇位置(イ)の付近の位置(口)において開孔器(50)に苗供給が行われる前に、移植爪(28)、(29)を少なくとも一度(本実施例では二度)開閉動作を行う。
その後、開孔器(50)に新たな苗(26)を供給するため、移植爪(28)、(29)が閉じた状態で開孔器(50)が上昇して最上昇位置(イ)に到達する。
移植爪(28)、(29)は、開閉カム(61)の外周形状によって、開閉される。つまり、前記 当接アーム(65)の先端が当接する開閉カム(61)の外周位置によって、移植爪(28)、( 29)の開閉が規制されている。
本実施例においては、図12に示すように、開閉カム(61)の外周形状を、最小半径(rl)の円弧で形成した位置p0からp1までにあたる第一当接部(61a)、最大半径r2に円弧を形成した位置P2にあたる第二当接部(61b)、最大半径r2よりも若干短く構成した半径r3に至る位置P3から位置P4までの第三当接部(61c)、半径r3と半径rlの間で外形を波状に形成した位置P5から位置p0までの第四当接部(61d)を含み、凹凸を有した形状としている。
そして、開閉カム(61)が回動すると、当接アーム(65)先端のローラ(66)は、第一当接部(61a)→第二当接部(61b)→第三当接部(61c)→第四当接部(61d)→第一当接部(61a)の順に当接する。
まず、当接アーム(65)先端のローラ(66)が開閉カム(61)外周の第一当接部(61a)に当接するとき、移植爪(28)、(29)は閉じた状態となっている。
このとき、開孔器(50)は最上昇位置(イ)にあり、苗供給部(7)より苗(26)が供給される。
次に、開閉カム(61)が回動して、当接アーム(65)先端のローラ(66)が位置Plにおいて開孔器(50)は畝上に位置して、位置Plより第二当接部(61b)に至るまでの個所に当接するときに、移植爪(28)、(29)は開いて、その口開き角度が最大である全開の状態となる。
このとき、開孔器(50)は最下降位置(二)にあり、移植爪(28)、(29)内に保持していた苗(26)を畝(25)に開放する。
次に、開閉カム(61)が回動して、当接アーム(65)先端のローラ(66)が開閉カム(61)の第三当接部(61c)に当接するとき、移植爪(28)、(29)は全開状態から若干閉じて、その口開き角度が最大角度より小さい状態となっている。
このとき、開孔器(50)は上昇して、その下端が最下降位置(二)から苗(26)の根鉢高さH以上の高さ位置(ハ)に達する。
その後、苗の葉の高さ以上高くなるまで半開きの状態が維持される。
さらに開閉カム(61)が回動して、当接アーム(65)先端のローラ(66)が開閉カム(61)の第四当接部(61d)に当接すると、移植爪(28)、(29)に少なくとも一度(本実施例では二度)開閉動作を行わせる。この開閉動作が終了したとき、開孔器(50)は、最上昇位置(イ)の付近の位置(口)にある。
この開閉動作は短時間で繰り返されるようにして開孔器(50)に振動を与えるようにする。
そして、開閉カム(61)が回動して、当接アーム(65)先端のローラ(66)が開閉カム(61)の第一当接部(61a)に再び当接する。
また、開孔器(50)の最下降位置(二)おいて、移植爪(28)、(29)は全開状態となるため、植付穴の穴底を平らに形成でき、苗(26)のすわりをよくすることとなる。
また、開孔器(50)の下端が苗(26)の根鉢高さH以上の高さ位置(ハ)に上昇すると、移植爪(28)、(29)を若干角度だけ閉じるため、植付穴の穴側面との隙間が大きくなり、野菜移植機(1)の走行(前進)中においても、開孔器(50)の前側の側面と植付穴の前側の側面との接触を避けて、高さ位置(ハ)よりも高い穴側面の土砂崩れを減少させることができ苗(26)が埋没することを防止できる。
さらに、開孔器(50)の最上昇位置(イ)の近くの位置(ロ)において、移植爪(28)、(29)は少なくとも一度開閉動作を行うため、その開閉動作の際の振動等により開孔器(50)(移植爪28、29)に付着した泥土を落とすことができる。
つまり、開孔器(50)が畝(25)の土中へ突入するときに開孔器(50)の外側部分に付着した泥土や、ポット苗を収納保持するときに、開孔器(50)の内側部分に付着した苗(26)の根鉢部分の泥土を、効率的に落とすことができる。
次に苗載台(21)の支持構造について説明する。
図1及び図2に示すように、左右の苗載台(21)は側面視「L」字形状の苗載台フレーム(81L)、(81R)に支持されている。
そして図13に示すように、前記ハンドルフレーム(6)の左フレーム(6L)と右フレーム(6R)との前後中央部にそれぞれ取付部(6L1)、(6R1)が固着されており、各取付部(6L1)、(6R1)から、それぞれの苗載台フレーム(81L)、(81R)が斜前方へ向けて延設され、該苗載台フレーム(81L)、(81R)上に苗載台(21)が取り付けられている。
前記苗載台フレーム(81L)、(81R)は、垂直部位(81a)と、該垂直部位(81a)の上端から前方へ延出される水平部位(81b)とを備え、該垂直部位(81a)の下部が前記左フレーム(6L)及び右フレーム(6R)の取付部(6L1)、(6R1)の上下向き取付孔に挿入されて、ボルトやナットなどから成る固定具(82)を介して締結状に固定されている。
この固定具(82)を緩めると、苗載台フレーム(81L)、(81R)の垂直部位(81a)が左フレーム(6L)及び右フレーム(6R)の各取付孔に対して上下スライド自在、且つ、左右回転自在となって、作業者が作業し易いように苗載台フレーム(81L)、(81R)の高さ位置と向きとを調整できるように構成されている。
本発明の一実施例に係る歩行型野菜移植機の全体的な構成を示した側面図。 同じく平面図。 苗供給部の側面図。 は苗供給部の平面図。 は苗供給部の後面図。 はガイド部材の側面図。 はガイド部材の平面図。 はガイド部材を装着時の側面図。 は開孔器の側面図。 は同じく後面図。 は開孔器の開閉の様子を示す図。 は開閉カムの側面図。 は苗供給部の左側面図
符号の説明
30 回転台
31 ポット取付基部
32 苗搬送ポット
32a 苗搬送ポットの口元
75 ガイド部材75
76 係止具
76a 孔
77 ピン

Claims (3)

  1. 特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備え、各苗搬送ポットに供給された苗を順に列状の特定間隔で植え付けるように作動する農用苗移植機であって、回転台に固着した複数のポット基部で支持する苗搬送ポットの口元の高さを変更するガイド部材をポット基部の上面に着脱自在に設けた農用苗移植機において、前記ガイド部材(75)は、係止具(76)の面より両側に突出量の異なるピン(77)でポット基部(31)と苗搬送ポット(32)を連接保持したことを特徴とする農用苗移植機
  2. 前記ガイド部材(75)は、短尺の板に2箇所の孔(76a)を設けた係止具(76)の面より両側に突出するピン(77)の突出量が異なるものであることを特徴とする請求項1記載の農用苗移植機
  3. 前記ガイド部材(75)は、短尺の板に設けた孔(76a)の周囲にピン(77)を立設したことを特徴とする請求項1乃至2記載の農用苗移植機
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