JP4191443B2 - 仕切部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にキッチンのキャビネットや収納庫等における引き出し内を複数に区画する仕切り構造に関するものであり、詳しくは収納物の形状に合わせて曲折自在な仕切部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キッチンキャビネットや収納庫における引き出しは、収納物の大型化、取り出し易さの追求などから間口が広く、背の高い、大型引き出しの採用が極めて多くなってきた。
大型の引き出しは大型の調理器具、ストック用の飲食料品、大型の食器を収納することになるが、間口奥行が広いので、複数の大きさの収納物を配置することになる。
【0003】
引き出しの開け閉めにより収納物同士が衝突して倒れたり、破損しないように内部を仕切る構造が種々提案され製品化されている。
実用新案登録第2507506号では、仕切板を引き出しの両側板に係止させ、小割り用の仕切板と組み合わせて四角形状に引き出し内の空間を分割する構造がある。
【0004】
特許第2832811号では、弾性復元力のあるコイルで形成された線状体を引き出しの側板上のガードバーに係止するようにしたものが提案されている。
この他に、実公平2−30992号の考案もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
実用新案登録第2507506号の構造では、一部品で仕切ることができるのは、間口方向または奥行き方向の一方向のみであり、双方向(四角形状)を仕切るためには必ず二以上の部品が必要となり、さらに、器や皿等で通例な丸い形状の収納物は仕切板により点あるいは線で支えられるため、引き出しの開閉時に収納物の収納状態が不安定になり、小さい収納物は仕切板で支えられなかった。
【0006】
特許第2832811号の構造では、上記と同様に二部品により間口と奥行の双方向を仕切る構造である。丸い形状の収納物に対する収納状態は安定するものの、収納物を取り出す際には線状体を取り外すか固定位置をずらさなくてはならず、収納時にも手間がかかることになっていた。
【0007】
これら従来例の多くは、仕切るための部品が多い、収納物を点や線で支える、小さい収納物や変形した曲面を持つ収納物を安定して支えられない、仕切りを形成するのに手間がかかる、双方向(四角形状)に仕切るため無駄なスペースが生じるなどの課題を残していた。
本発明は、以上のような従来例の課題を解決し、収納物の形状に合わせて曲折自在な仕切部材を提供し、またこれを装着した引き出し構造を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明の請求項1の発明に係る仕切部材は、長手方向と直角の方向で曲折自在とし、高さを使用する引き出しの側板及び背板とほぼ一致させた長方形状の板材で仕切板を構成し、この仕切板の上端部には引き出しの側板或いは背板に掛止する連結具を設け、上端に被せて曲折させる角度を調整維持するように、断面門型の拘束板とこれと回転自在に繋げる上面及び一側面とを被う回転板及び拘束板と回転板を複数の角度で繋げる掛止手段を設けたキャップを付加したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態に即して説明する。
図1は、引き出し80内に配置する仕切板1を示し、長手方向と直角方向に硬質の肉厚部11及び軟質の肉薄部12を交互に連続するようにプラスチックにて一体に成形した長方形状の板材からなるものである。使用状態における高さは、使用する引き出しの側板81及び背板82の高さとほぼ一致させるものとする。側板81を低くしてガードパイプを備えたタイプの引き出しの場合は、側板81はガードパイプを含む構成となり仕切板1の高さはガードパイプと一致させる。
肉薄部12で曲折自在となるので、仕切板1全体を平面角形及び湾曲形に曲折自在とすることができるのである。仕切板1は、肉厚部11により引き出しの底板上に自立可能となっている。よって、配置するときに仕切板1を曲折すると安定的に引き出しの底板上に立設されることになる。
【0010】
図2は、仕切板1を平面直角或いは湾曲させて配置する場合に、安定的に所要の平面形状を維持するためのキャップ2を示すものである。
これは、仕切板1が肉薄部12で曲折自在となるとはいえ、平板状に復元するのを押えて仕切りとしての機能を発揮させるため曲折させる箇所の上端部に被せるものである。
【0011】
このキャップ2は、引き出し80内に配置した仕切板1の上端部に被せることで、仕切板1の折り曲げ状態、湾曲状態から形が変わらないようにするもので、主として肉厚部11に被せる断面門型の拘束板21とこれと回転自在に繋げる主として肉厚部11の上面及び一側面を被う回転板22からなり、拘束板21と回転板22は平面形状L型から鈍角になるように開閉自在としてある。このキャップ2と仕切板1を組み合わせたものが仕切部材といえる。
【0012】
拘束板21からは、湾曲状に複数の止め穴23aを穿った掛止板23を突設するようにしてあり、回転板22の上面板22aの裏には掛止板23の止め穴23aに嵌り込む突起24を設け、開き角度を維持できるようにしてある。
回転板22の上面板22aは、突起24が掛止板23上をスライドするときに変形して止め穴23aに嵌り込むように構成したり、或いは一体ではあるものの、折り畳み自在として直角に折り曲げて止め穴23aに入り込み止めるようにすることができる。(図2b参照)
この掛止板23及び突起24が掛止手段となる。
【0013】
図3は、引き出し80に三つの仕切板1を、収納物の側面に沿うように湾曲或いはほぼ直角に折り曲げて配置した様子を示す。
ここにおいて、仕切板1の肉薄部12に連結具3を接着剤或いは嵌め込み、挟み込みなどの手段で固定し、引き出し80の側板81、背板82の上端部に挟むことで止めるようにすることで、引き出し80の開け閉めによっても仕切板1がずれて動かないようにしてある。
図示しないが、側板81を低くして代わりにガードパイプを渡すようにしたタイプであれば、ガードパイプへの連結具3とする。 この図面に示す仕切部材は、仕切板1、キャップ2及び連結具3の三部品で構成されることになる。
仕切部材は仕切板1及び連結具3をもって構成することもできる。
【0014】
これまでの実施の形態では、仕切板1及び仕切部材5は、プラスチックの一体成形品の板材としたものを提示したが、長手方向と直角の方向で曲折自在とした長方形状の板材からなるものであれば、上記実施の形態に限定されないものである。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る仕切部材によれば、使用に際して、直線や曲線、更には曲線と曲線の連続など曲折自在となり、小さい収納物や変形した曲面を持つ収納物など、あらゆる形状の収納物への対応が可能となる。このように収納物に合わせて仕切部材を変形させることができるため、収納物と仕切部材との間に無駄なスペースが生じず、引き出し内の収納空間を有効活用できる。
加えて、引き出し内の間口と奥行き方向をひとつの仕切部材で連結でき、部材の削減が可能となる。
また、仕切板の上端部と、引き出しの側板或いは背板の上部を挟み繋げる連結具を付加して仕切部材とし、引き出しの側板や背板を同時に固定するため、引き出しの開閉時にもずれることなく安定するのである。
【0016】
仕切部材に、仕切板の曲折する角度を維持するキャップを加えてなるので、湾曲部分の仕切板の強度を保持することができる。
収納物に合わせた形状を維持しながら自立するため、収納物の出し入れの際に仕切部材を調節し直すことなく出し入れができることになる。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る仕切板の要部平面図a及び要部斜視図bである。
【図2】 本発明に係る仕切部材としてのキャップの使用状態の平面図a及び使用状態の斜視図bである。
【図3】 本発明に係る仕切部材を引き出しに配置して収納物を入れた状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 仕切板
11 肉厚部
12 肉薄部
2 キャップ
3 連結具
80 引き出し
81 側板
82 背板

Claims (1)

  1. 長手方向と直角の方向で曲折自在とし、高さを使用する引き出しの側板及び背板とほぼ一致させた長方形状の板材で仕切板を構成し、この仕切板の上端部には引き出しの側板或いは背板に掛止する連結具を設け、上端に被せて曲折させる角度を調整維持するように、断面門型の拘束板とこれと回転自在に繋げる上面及び一側面とを被う回転板及び拘束板と回転板を複数の角度で繋げる掛止手段を設けたキャップを付加したことを特徴とする仕切部材。
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