JP4190750B2 - 自動変速機のクラッチ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機のクラッチ構造に関し、特に高速段側及び後進時に締結制御される自動変速機のクラッチ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動変速機としては、例えば特開2000−220704号公報に記載されているものが知られている。
この自動変速機は、図8に示すように、トランスミッションケース500のトルクコンバータ側(入力側)とは反対側の後端壁部501側に入力軸501と同軸的に形成された固定支持部502に第3のクラッチC−3が配設され、この第3のクラッチC−3の前端側に第1のクラッチC−1が配設され、この第1のクラッチC−1の前端側に減速プラネタリギヤG1が配設され、この減速プラネタリギヤG1の前端側にサポート壁503に支持されたカウンタギヤ504が配設され、このカウンタギヤ504の前端側にプラネタリギヤGが配設され、このプラネタリギヤGの前端側に第2のクラッチC−2が配設された構成を有する。
【0003】
ここで、一番後端側に配設された第3のクラッチC−3は第3速、第5速及びリバースで締結状態に制御されて所謂3−5−Rクラッチと称され、第1のクラッチC−1は第1速乃至第4速で締結状態に制御される所謂LOWクラッチと称され、第2のクラッチC−2は第4速乃至第6速で締結状態に制御されて所謂Hiクラッチと称されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機にあっては、一番後端側の3−5−RクラッチCのクラッチドラムについては軸方向スラスト荷重を受ける構造を有しておらず、この3−5−RクラッチC−3に前端側へのスラスト荷重が作用した場合には、クラッチドラム以外の場所すなわちこの3−5−RクラッチC−3のクラッチドラムに連結されたプラネタリギヤG側にスラスト軸受を設けて受けなければならず、スラスト軸受までの経路が長く3−5−RクラッチC−3のスラスト荷重による変位を十分に抑制することができないという未解決の課題がある。
【0005】
また、3−5−RクラッチC−3におけるクラッチドラムの外周面にブレーキと係合するスプライン溝を形成する場合に、一般的にはスプライン溝をプレス成形するようにしており、このとき、通常はスプライン溝がクラッチドラムの端面まで延長されており、クラッチの回転による遠心力によりクラッチドラムの開放端面部分に大きな開き応力が発生し、高速回転に対応することができないという未解決の課題がある。さらに、3−5−RクラッチC−3のクラッチドラムにブレーキ用のスプライン溝とは反対側の内周面に他のスプライン溝を形成する場合に外周面側及び内周面側のスプライン溝形状を単独で設計することができないという未解決の課題もある。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、クラッチドラムに作用するスラスト荷重をクラッチドラム自体で受けることができると共に、クラッチドラムの開放端面側での開き応力を低減し、さらにクラッチドラムの外周面及び内周面に形成するスプライン溝の諸元を自由に設定して設計の自由度を向上させることができる自動変速機のクラッチ構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る自動変速機のシリンダ構造は、トランスミッションケースに配設した固定支持部に回転自在に支持されたクラッチドラムと、該クラッチドラムの内周面側に配設されたクラッチハブと、前記クラッチドラム及びクラッチハブの対向面に配設された摩擦結合部材と、前記クラッチドラムの外周面に、前記トランスミッションケースの内周面に配設されたブレーキを係合するスプライン溝が形成された自動変速機のクラッチ構造において、前記クラッチドラムの前記固定支持部に支持される被支持部を、ドラム軸方向に前記スプライン溝側に突出する円筒部と、該円筒部の端面から内方に延長してスラスト軸受との受け面となる端板部と、該端板部の内周縁から円筒部側に折り返した内筒部とで構成し、前記内筒部が前記固定支持部に回転自在に支持され、前記クラッチドラムは、前記摩擦結合部材を内装する小径部と、この小径部より開放端面側に連接する前記スプライン溝を形成した大径部とで構成され、前記大径部内に、前記摩擦結合部材と同一形状の摩擦結合部材を使用する他のクラッチを内装可能に構成されていることを特徴としている。
【0008】
この請求項1に係る発明では、クラッチドラムのトランスミッションケースの固定支持部に回転自在に支持される被支持部を、円筒部と端板部と折り返した円筒部とで断面コ字状に形成することにより、端板部でスラスト軸受を受ける受け面を形成し、内側円筒部でラジアル方向のセンタリング機能を発揮することができ、クラッチドラム自体で軸方向及び径方向の軸受面を確保することができる。また、内周側の円筒部が端板部から折り返されて外周側の円筒部にオーバーラップするので、クラッチドラムの基部側即ちシリンダ部側の軸方向長さを短縮することができる。
【0009】
また、請求項1に係る発明では、クラッチドラム内に他のクラッチを配設したときに、両者の摩擦結合部材が同一形状であるので、互いに共用することができると共に、クラッチドラムに内装される他のクラッチについては被支持部を除いてシリンダ部を拡張することにより、クラッチ容量を大きく設定することができ、大きなクラッチ容量を必要とするクラッチを内装することができる
【0011】
さらに、請求項に係る自動変速機のクラッチ構造は、請求項1に係る発明において、前記クラッチドラムに形成された外筒部と、前記被支持部の前記円筒部と、前記スプライン溝とは反対側を閉塞する端板部とで構成されるシリンダ部を有し、前記端板部にはピストンに当接するコ字状部が形成されていることを特徴としている。
この請求項に係る発明では、被支持部における外周側の円筒部がシリンダ部の内周面を構成しているので、クラッチドラムの径方向の長さを短縮することができると共に、被支持部の径方向の長さでクラッチ容量を設定することができる。
【0012】
また、請求項2に係る発明では、シリンダ部が外筒部及び内筒部とその端部を閉塞する端板部とで構成され、端板部にピストンが当接するコ字状部が形成されているので、シリンダ部とピストンとで構成される油圧室に作動油を供給したときのピストンの迅速な移動を確保することができると共に、コ字状膨出部の面積を変更することにより、クラッチ容量を調整することができる。
【0014】
なおさらに、請求項に係る自動変速機のクラッチ構造は、請求項1又は2の発明において、クラッチドラムは、前記スプライン溝の開放端部側に圧肉部が形成されていることを特徴としている。
この請求項に係る発明では、クラッチドラムのスプライン溝の開放端部側に圧肉部が形成されているので、クラッチドラムを高速回転させたときに遠心力によって発生する開き応力を低減することができる。
【0015】
また、請求項に係る自動変速機のクラッチ構造は、請求項に係る発明において、前記クラッチドラムは、前記スプライン溝がクラッチドラムのプレス形成後にフローフォーミング成形で形成されていることを特徴としている。
この請求項に係る発明では、外周面側のスプライン溝をクラッチドラムのプレス成形後にフローフォーミング成形で形成するので、このスプライン溝の内側に形成するスプライン溝を形成する場合に、両者の形状を任意に設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。この実施の形態は、本発明を、歯車変速構造を有する自動変速機に適用したものである。
図1は、本発明を適用し得る自動変速機の全体構成を断面を示す。また、図2は、自動変速機のギヤトレインをスケルトンで示す。
【0017】
この自動変速機は、図1及び図2に示すように、いわゆる3軸構成とされ、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)車又はリヤエンジン・リヤドライブ(RR)車用の横置式トランスアクスルの形態を有し、さらに変速機構としては、前進6速・後進1速を実現するギアトレインを備えている。
自動変速機は、トランスミッションケース180内に、互いに並列的に配置された第1軸である入力軸50、第2軸であるカウンタ軸401、第3軸であるドライブシャフト453a,453bの各軸上に変速ユニットやギヤ等の各種要素が配設された構成を有する。
【0018】
入力軸50は、図示しないエンジンからトルクコンバータ230を介してトルクが入力され、且つ出力側をトルクコンバータ230側に設けており、また、カウンタ軸401は、入力軸50に平行に配置され、この入力軸50の出力ギヤと噛み合ったカウンタギヤ400を有し、さらに、ドライブシャフト453a,453bを支持するデフケース451には、カウンタ軸401のカウンタギヤ400を介してトルク伝達されるファイナルギヤ452が設けられている。
【0019】
自動変速機は、図1及び図2に示すように、入力軸50の周りに、変速ユニットが設けられている。この変速ユニットは、入力軸50の減速回転と非減速回転とを入力として複数の変速回転速度を出力するラビニヨ形式の第1の遊星歯車機構10と、入力軸50の回転を減速させて出力する第2の遊星歯車機構30と、第2の遊星歯車機構30と第1の遊星歯車機構10の2つの異なるサンギヤ11,12との間にそれぞれ介挿された締結及び解放自在の第1及び第3のクラッチ60及び80と、入力軸50と第1の遊星歯車機構10のキャリア14との間に介挿された締結及び解放自在の第2のクラッチ70と、第1の遊星歯車機構10のサンギヤ11及びキャリア13にブレーキ力を作用させる第1及び第2のブレーキ100及び110と、第2のブレーキ110と並列に介挿されたワンウェイクラッチ90とを備えている。また、自動変速機は、第1,第2及び第3のクラッチ60,70及び80に対応して配置される第1,第2及び第3の油圧サーボ機構120,130及び140と、第1及び第2のブレーキ100及び110に対応して配置される第4及び第5の油圧サーボ機構150及び160とを備えている。
【0020】
第1,第2及び第3のクラッチ60,70及び80並びに第1及び第2のブレーキ100及び110は、摩擦部材による多板構成とされており、第1のクラッチ60は、第2の遊星歯車機構30の外周側近傍に配置され、その後方近傍に第3のクラッチ80が配置され、第2のクラッチ70は、トランスミッションケース180の前端部に配置され、第1のブレーキ100は、第1のクラッチ60とトランスミッションケース180の内周面との間に配置され、第2のブレーキ110は、第1の遊星歯車機構10とトランスミッションケース180の内周面との間に配置されている。また、ワンウェイクラッチ90は、第1のブレーキ100と第2のブレーキ110との間に配置されている。
【0021】
また、第1,第2,第3,第4及び第5の油圧サーボ機構120,130,140,150及び160は、各第1,第2及び第3のクラッチ60,70及び80並びに第1及び第2のブレーキ100及び110を、コントロールバルブからの油圧により制御されるピストンにより締結及び解放を行うように構成されている。
【0022】
第1の遊星歯車機構10は、図1に示すように、カウンタドライブギヤ170の後方近傍に配置されており、図2に示すように、大径のサンギヤ11、小径のサンギヤ12、キャリア13,14及びリングギヤ17の4つの変速要素からなる。第1の遊星歯車機構10は、ロングピニオン15が大径のサンギヤ11に噛合し、ショートピニオン16が小径のサンギヤ12に噛合し、ロングピニオン15がリングギヤ17の内歯と噛合するラビニヨ式で構成されている。
【0023】
大径のサンギヤ11及び小径のサンギヤ12は、第2の遊星歯車機構30を介して入力軸50からの入力がなされる減速回転の入力要素をなす。すなわち、小径のサンギヤ12は、第1のクラッチ60に連結されて、第2の遊星歯車機構30からの入力がなされ、また、大径のサンギヤ11は、第3のクラッチ80に連結されて、第2の遊星歯車機構30からの入力がなされる。また、大径のサンギヤ11は、第1のブレーキ100によりトランスミッションケース180に固定可能とされている。
【0024】
キャリア13,14は、互いに噛合するロングピニオン15とショートピニオン16とを支持しており、入力軸50からの入力が直接なされる非減速回転の入力要素をなす。キャリア14は、第2のクラッチ70を介して入力軸50に連結され、キャリア13は、第2のブレーキ110によりトランスミッションケース180に固定可能とされるとともに、ワンウェイクラッチ90によりトランスミッションケース180に一方向の回転のみが可能とされている。
【0025】
ここで、ワンウェイクラッチ90は、係合方向が第1速時の反力トルク支持方向に設定されて第2のブレーキ110の機能を発揮するものである。また、リングギヤ17は出力要素をなし、カウンタドライブギヤ170に連結されており、カウンタドライブギヤ170は、第1の遊星歯車機構10と第2のクラッチ70との間に位置しており、後述するように、入力軸50とは切離された中間隔壁195に回転自在に支持されている。
【0026】
第2の遊星歯車機構30は、図1に示すように、第1の遊星歯車機構10の後方近傍に配置されており、図2に示すように、サンギヤ31、リングギヤ32及びキャリア33の3つの変速要素からなる。第2の遊星歯車機構30は、サンギヤ31が後述するトランスミッションケース180のサイドカバー200に形成されたスリーブ部材210に固定され、リングギヤ32が入力要素として入力軸50に連結され、キャリア33が出力要素として第1及び第2のクラッチ60及び70を介して、第1の遊星歯車機構10に接続されている。
【0027】
カウンタギヤ400は、入力軸50と平行でこの入力軸50に比較して短尺なカウンタ軸401の後端側に固定された入力軸50のカウンタドライブギヤ170に噛合する大径のカウンタドリブンギヤ402と、カウンタ軸401においてカウンタドリブンギヤ402より前端側に固定された出力要素としての小径のリダクションギヤ403とを備えている。ここで、カウンタ軸401は、両端が第1及び第2の軸受404a,404bにより回転自在に支持されている。このカウンタギヤ400は、カウンタドリブンギヤ402及びリダクションギヤ403により、入力軸50からの出力を減速するとともに、反転させてディファレンシャル装置450に伝達することで、適宜の減速比を得るようにしている。
【0028】
ディファレンシャル装置450は、デフケース451に固定されたファイナルギヤ452をカウンタギヤ400のリダクションギヤ403に噛合させ、デフケース451内に配置された差動歯車の差動回転が左右のドライブシャフト453a,453bに出力される構成とされている。このディファレンシャル装置450は、トランスミッションケース180及びその前端に取付けられたコンバータハウジング231に支持されている。
【0029】
トランスミッションケース180は、入力軸50及びこれに取付けられている各要素、カウンタギヤ400並びにディファレンシャル装置450を収納可能な形状に形成されている。トランスミッションケース180は、大別して、ケース本体190とその後端を覆うサイドカバー200とから構成されている。
ケース本体190は、各軸上の各要素を収納するように最適形状に形成された周壁により筒状に構成されている。すなわち、ケース本体190は、入力軸50の外周側を覆って入力軸50を収納する円筒状の第1軸収納部191と、第1軸収納部191の右上部に連接して設けられ、カウンタ軸401の外周側を覆うと共に、カウンタ軸401の後端面を覆ってカウンタ軸401を収納する第2軸収納部192と、第1軸収納部191の右下部に設けられ、一方のドライブシャフト453aの外周側を覆うようにして収納する第3軸収納部193とを備えている。
【0030】
第1軸収納部191には、第1及び第2の遊星歯車機構10及び30、第1,第2及び第3のクラッチ60,70及び80、並びに第1及び第2のブレーキ100及び110等で構成される変速ユニットが収納され、且つ出力ギヤとなるカウンタドライブギヤ170が前面側に配設されており、第2軸収納部192には、カウンタドライブギヤ170に噛合するカウンタドリブンギヤ402及びその前面側に配置されたリダクションギヤ403で構成されるカウンタギヤ400のみが設けられていることにより、第1軸収納部191の後端側が第2軸収納部192の後端側より大きく後方に突出されている。また、第1軸収納部191の後端開口面に、略皿形状のサイドカバー200が複数のボルト221により取付けられている。
【0031】
第2軸収納部192は、カウンタ軸401の後端面を覆う部分の内側面に取付けられた第1の軸受404aにより、カウンタ軸401の一端を回転自在に支持している。第3軸収納部193は、第2軸収納部192におけるカウンタ軸401の後端面を覆う部分に連接された部分に、ドライブシャフト453aを外部に出すための開口部が形成されている。
【0032】
また、サイドカバー200には、その内側面に、入力軸50を回転自在に支持すると共に、第1及び第3のクラッチ60及び80と第2の遊星歯車機構30を支持するスリーブ部材210が取付けられている。
以上のような構成を有する自動変速機は、図示しない電子制御装置と油圧制御装置とによる制御で、運転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車両負荷に基づき、前進6速(1ST〜6TH)、後進1速(REV)の変速を行う。前進6速、後進1速を行う際の動作については以下のようになる。なお、図3は各クラッチ及びブレーキの係合及び解放(○印で係合、無印で解放を表す)で達成される変速段を図表化して示す。
【0033】
第1速(1ST)は、第1のクラッチ60とワンウェイクラッチ90の締結により達成される。この場合、第1速では、入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転が第1のクラッチ60経由で小径のサンギヤ12に入力され、ワンウェイクラッチ90の締結によりトランスミッションケース180に係止されたキャリア14に反力を取って、リングギヤ17の最大減速比の減速回転がカウンタドライブギヤ170に出力される。なお、エンジンコースト時には、キャリア13にかかる反力トルクが逆転するので、図3で括弧付きの○で示すように、第2のブレーキ110を締結させる。
【0034】
また、第2速(2ND)は、第1のクラッチ60と第1のブレーキ100の締結により達成される。この場合、入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転が第1のクラッチ60経由で小径のサンギヤ12に入力され、第1のブレーキ100の締結によりトランスミッションケース180に固定された大径のサンギヤ11に反力を取って、リングギヤ17の減速回転がカウンタドライブギヤ170に出力される。このときの減速比は、第1速(1ST)より小さくなる。
【0035】
また、第3速(3RD)は、第1のクラッチ60と第3のクラッチ80との同時締結により達成される。この場合、入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転が第3のクラッチ80と第1のクラッチ60経由で同時に大径のサンギヤ11と小径のサンギヤ12に入力され、第1の遊星歯車機構10が直結状態となるため、両サンギヤ11,12への入力回転と同じリングギヤ17の回転が、入力軸50の回転に対しては減速された回転として、カウンタドライブギヤ170に出力される。
【0036】
また、第4速(4TH)は、第1のクラッチ60と第2のクラッチ70との同時締結により達成される。この場合、一方で入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転が第1のクラッチ60経由で小径のサンギヤ12に入力され、他方で入力軸50から第2のクラッチ70経由で入力された非減速回転がキャリア14に入力され、2つの入力回転の中間の回転が、入力軸50の回転に対しては僅かに減速されたリングギヤ17の回転としてカウンタドライブギヤ170に出力される。
【0037】
また、第5速(5TH)は、第2のクラッチ70と第3のクラッチ80との同時締結により達成される。この場合、一方で入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転が第3のクラッチ80経由で大径のサンギヤ11に入力され、他方で入力軸50から第2のクラッチ70経由で入力された非減速回転がキャリア14に入力され、リングギヤ17の入力軸50の回転より僅かに増速された回転がカウンタドライブギヤ170に出力される。
【0038】
また、第6速(6TH)は、第2のクラッチ70と第1のブレーキ100の締結により達成される。この場合、入力軸50から第2のクラッチ70経由で非減速回転がキャリア14にのみ入力され、第1のブレーキ100の締結によりトランスミッションケース180に固定されたサンギヤ11に反力を取るリングギヤ17の更に増速された回転がカウンタドライブギヤ170に出力される。
【0039】
また、後進(REV)は、第3のクラッチ80と第2のブレーキ110の締結により達成される。この場合、入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転が第3のクラッチ80経由でサンギヤ11に入力され、第2のブレーキ110の締結によりトランスミッションケース180に固定されたキャリア14に反力を取るリングギヤ17の逆転がカウンタドライブギヤ170に出力される。
【0040】
以上が本発明を適用し得る自動変速機の概略構成であるが、本発明では、図4に示すように、トランスミッションケース180の第1軸収納部191における後方側に第1のクラッチ60及び第3のクラッチ80が、第3のクラッチ80を後端側とする関係で隣接されて配設されている。
すなわち、ケース本体190の後端側に取付けられたサイドカバー200の中心位置に入力軸50を回転自在に支持するスリーブ210がボルト止めされている。このスリーブ210は、前端面側から入力軸50の後端部を回転自在に支持する中心開口210aが形成されていると共に、先端側から順に小外径部210b、中外径部210c及び大外径部径210dが形成されて段付円筒状に形成されている。
【0041】
そして、このスリーブ210の小外径部210bに前述した第2の遊星歯車機構30のサンギヤ31がスプライン結合され、中外径部210cに前述した第1のクラッチ60のクラッチドラム61が回動自在に配設され、大外径部210dに前述した第3のクラッチ80のクラッチドラム81が回動自在に配設されている。
【0042】
第1のクラッチ60は、スリーブ210の中外径部210cにブッシュ62を介して回転自在に配設されたクラッチドラム61を有する。このクラッチドラム61は、スリーブ210の中外径部210cに回転自在に支持された円筒状の被支持部61aと、この円筒状基部61aの後端面に溶接された前方側に向かって順に小円筒部61b、中円筒部61c及び大円筒部61dが形成されたフード部61eとで構成され、フード部61bの内周面にスプライン溝61fが形成されている。
【0043】
また、第1のクラッチ60は、クラッチドラム61の大円筒部61dの内周面側に所定間隔を保って配設された円筒状のクラッチハブ63を有する。このクラッチハブ63は、大円筒部61dと対向する外円筒部63aと、その前端面から内方に延長するトルク伝達部材63bと、このトルク伝達部材63bの内周縁から入力軸50に所定間隔を保って対向するスリーブ部63cとで構成され、外円筒部63aの外周面にスプライン溝63dが形成されていると共に、スリーブ部63cの内周面がブッシュ63eを介して入力軸50に回転自在に支持されている。
【0044】
さらに、第1のクラッチ60は、クラッチドラム61の大外径部61dとクラッチハブ63の外円筒部63aとの間に介挿された摩擦結合部材64を有する。この摩擦結合部材64は、クラッチドラム61の大外径部61dに形成されたスプライン溝61fに係合するドリブンプレート64aと、クラッチハブ63の外円筒部63aに形成されたスプライン63dに係合するドライブプレート64bとが交互に配設された構成を有し、前端側のドリブンプレート64aが大外径部61dの内周面に配設されたスナップリング61gで前方への抜け出しが阻止され、後端側のドリブンプレート64aがディッシュプレート64cを介して後述するピストンの押圧部に当接している。
【0045】
さらにまた、第1のクラッチ60のクラッチドラム61の内周部側に第1の油圧サーボ機構110が配設されている。この第1の油圧サーボ機構110は、クラッチドラム61の被支持部61aと小円筒部61bとその内周面に形成した断面L字状の隔壁部61hとで構成されるシリンダ111と、このシリンダ部111内に摺動自在に配設されたピストン112と、被支持部61aに外方に延長して形成された支持板部113とピストン112との間に介挿されたリターンスプリング114とで構成され、ピストン112にクラッチドラム61の中円筒部61cの内周面に沿って外方に延長して前記ディシュプレート64cに当接する押圧部115が形成されている。
【0046】
また、第3のクラッチ80は、上述した第1のクラッチ60を内装するクラッチドラム81を有する。このクラッチドラム81は、スリーブ210の中円筒部210cの後端側の僅かに外径が大きい基部にブッシュ82を介して回転自在に支持された被支持部83と、この被支持部83の後端側から外方に延長するフード部84とで構成されている。
【0047】
ここで、被支持部83は、スリーブ210の大円筒部210dに摺接する外円筒部83aと、この外円筒部83aの前端側から内方に延長する端板部83bと、この端板部83bの内周縁から後方に折り返した内円筒部83cとを有し、外円筒部83aの後端面がサイドカバー200のスリーブ210の外周側に形成された摺接板211と近接対向し、端板部83bの前端面が前述した第1のクラッチ60におけるクラッチドラム61の被支持部61aの後端面に配設されたスラスト軸受65を受ける軸受受け面とされ、内円筒部83cがスリーブ210の中円筒部210cの基部にブッシュ82を介して回転自在に支持されている。
【0048】
また、フード部84は、図5〜図7に示すように、被支持部83の後端部に例えば溶接によって固定された小円筒部84aと、この小円筒部84aの前端縁から外方に延長する大円筒部84bとで構成されている。小円筒部84aは、その後端面に前方側に突出する形成されたコ字状部84cを有する。
また、大円筒部84bは、前述した第1のクラッチ60におけるクラッチドラム61の大外径部61eの内径と同一内径に形成された後方円筒部84dと、この後方円筒部84dの前端に連接された第1のクラッチ60におけるクラッチドラム61の大外径部61eの外径より大きい内径を有し、大外径部61eを内装する前方円筒部84eとで構成されている。
【0049】
ここで、後方円筒部84dの内周面にスプライン溝84fが形成されていると共に、前方円筒部84e外周面における前端から所定長さL1だけ後方側位置から後方に向かってスプライン溝84gが形成され、内周面に前端から見てスプライン溝84gと重なるように前端から後方に図5で拡大図示するようにスプライン溝84gとの間に傾斜隔壁84hを形成するように延長するスプライン溝84iが形成され、スプライン溝84gに第1のブレーキ100を構成するドリブンプレート100aが係合され、スプライン味噌84iに第1の遊星歯車機構10の大径サンギヤ11に連結されたトルク伝達部材18が係合されている。
【0050】
したがって、前方円筒部84eの前端面は、図7で拡大図示するように、スプライン溝84iが存在する位置では厚みが薄くなるが、スプライン溝84i間では厚みが厚い圧肉部84jとなり、クラッチドラム81が高速回転された場合でも前方円筒部84eのが外方に開く開き応力を低減することができる。
そして、フード部84は前方円筒部84eの外周面に形成するスプライン溝84gを除いてプレス加工によって成形され、このプレス加工によって成形された後のフード部84に対してフローフォーミング成形を行ってスプライン溝84gを形成する。このように、スプライン溝84gをフード部84をプレス成形した後にフローフォーミング成形によって形成するので、このスプライン溝84gとその内周面側のスプライン溝84iとのスプライン諸元を任意に設定することができ、これらスプライン溝84g及び84iの設計自由度を向上させることができる。
【0051】
また、第3のクラッチ80は、クラッチドラム81のフード部84における後方円筒部84dと内側から対向する円筒状のクラッチハブ85を有する。このクラッチハブ85は、前述した第1のクラッチ60のクラッチドラム61におけるフード部61eの中円筒部61cの外周面に例えば溶接によって固定されている。
【0052】
さらに、第3のクラッチ80は、クラッチドラム81のフード部84における後方円筒部84dとクラッチハブ85との間に摩擦結合部材86が配設されている。この摩擦結合部材86は、クラッチドラム81の後方円筒部84dに形成されたスプライン溝84fに係合するドリブンプレート86aと、クラッチハブ85の外周面に形成されたスプライン85aに係合するドライブプレート86bとが交互に配設された構成を有し、前端側のドリブンプレート86aが後方円筒部84dの内周面に配設されたスナップリング84kで前方への抜け出しが阻止され、後端側のドリブンプレート86aがディッシュプレート86cを介して後述するピストンの押圧部に当接している。
【0053】
さらにまた、第3のクラッチ80のクラッチドラム81の内周部側に第3の油圧サーボ機構130が配設されている。この第3の油圧サーボ機構130は、クラッチドラム81の被支持部83とフード部84の小円筒部84aとで構成されるシリンダ131と、このシリンダ131内に摺動自在に配設されたピストン132と、被支持部83の外円筒部83aの前端側にに外方に延長して形成された支持板部133とピストン132との間に介挿されたリターンスプリング134とで構成されている。
【0054】
ここで、ピストン132は、被支持部83の外円筒部83aの外周面及びフード部84の小円筒部84aの内周面に摺接する断面逆コ字状に形成され、その外周端縁に前方に支持板部133の上端まで延長してから折り返すU字状部132aとこのU字状部132aの後端部から外方に延長して前記ディシュプレート86cに当接する当接部132bとから構成される押圧部132cが形成されている。
【0055】
そして、シリンダ131及びピストン132間の油圧室が被支持部83の外円筒部83aに形成した作動油路87a、サイドカバー200に固定したスリーブ210の大円筒部210dに半径方向に延長して形成した作動油路87b、軸方向に延長して形成した作動油路87cからサイドカバー200の外部に配設したパイプ状油路87dを通じて図示しないコントロールバルブに連通され、このコントロールバルブで作動油が給排制御される。
【0056】
また、フード部84の大外径部84bにおける前方円筒部84eの外周面に第1のブレーキ100が配設されている。
この第1のブレーキ100は、図4に示すように、フード部84の大外径部84bにおける前方円筒部84eに形成されたスプライン溝84gに係合する回転側摩擦部材としてのドリブンプレート100aと、ケース本体190の内周面に形成されたスプライン溝101に係合する固定側摩擦部材としてのドライブプレート100bとが交互に配設された構成を有し、前端側のドライブプレート100bが前方に隣接するワンウェイクラッチ90を固定するスナップリング102で前方への移動が規制されたストッパー103に当接し、後方側のドライブプレート100bが第4の油圧サーボ機構140のピストン142に形成した押圧部143に僅かな距離を挟んで対向している。
【0057】
第4の油圧サーボ機構140は、サイドカバー200の内周面に形成されたシリンダ141内にピストン142が配設され、このピストン142に後方に延長する押圧部143が形成された構成を有し、押圧部143の回りに形成されたスプリングシート144と、サイドカバー200に形成された外周円筒部220の内周面に配設されたスナップリング221で支持されたスプリングシート145との間にリターンスプリング146が介挿されている。
【0058】
本実施形態は以上のように構成されているので、今車両が図示しないセレクト機構でパーキングレンジPが選択されて停車しているものとすると、各クラッチ60、70及び80と各ブレーキ100及び110とワンウェイクラッチ90が非作動状態となっている。
この状態からセレクト機構でリバースレンジRを選択すると、第3及び第5の油圧サーボ機構130及び150に所定圧の作動油が供給される。このため、第3の油圧サーボ機構130のシリンダ131とピストン132との間の油圧室に作動油が供給されることにより、ピストン132がリターンスプリング134に抗して前方に摺動し、ピストン132の押圧部133で第3のクラッチ80における摩擦結合部材86のディッシュプレート86cを前方に押圧することにより、摩擦結合部材86のドリブンプレート86a及びドライブプレート86bとが挟圧状態となり、クラッチドラム81とクラッチハブ85とが連結されて、第3のクラッチ80が締結状態となる。
【0059】
このとき、入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転力が第1のクラッチ60のクラッチドラム61から第3のクラッチ80のクラッチハブ85に伝達され、摩擦係合部材86及びクラッチドラム81を介し、さらにトルク伝達部材18を介して第1の遊星歯車機構10のサンギヤ11に入力され、第2のブレーキ110の締結によりトランスミッションケース180に固定されたキャリア13に反力を取るリングギヤ17の逆回転力がカウンタドライブギヤ170に出力される。この逆回転力がカウンタギヤ200を介してディファレンシャルギヤ450に伝達されて、ドライブシャフト453a及び453bが逆回転されて車両が後進駆動される。
【0060】
また、セレクト機構でドライブレンジDを選択することにより、車両を前進させることができ、この状態で、第3速状態及び第5速状態となると、前述したと同様に第3の油圧サーボ機構130に所定圧の作動油が供給されて、第3のクラッチ80が締結状態に制御される。このとき、第3速では同時に第1のクラッチ60が締結状態となるため、第2の遊星歯車機構30から伝達される入力軸50の回転力がクラッチドラム81、第1のクラッチ60のクラッチドラム61、クラッチハブ63aを介して第1の遊星歯車機構10の小径サンギヤ12に伝達されて、第3速状態が得られ、第5速では第2のクラッチ70が同時に締結状態となるため、入力軸50から第2の遊星歯車機構30を経て減速された回転力が第3のクラッチ80経由で大径のサンギヤ11に入力され、他方で入力軸50から第2のクラッチ70経由で入力された非減速回転がキャリア14に入力され、リングギヤ17の入力軸50の回転速度より僅かに増速された回転力がカウンタドライブギヤ170に出力されて、第5速状態が得られる。
【0061】
また、第1のブレーキ100が締結状態となる第2速及び第6速状態では、クラッチドラム81が固定状態となり、この状態では、第3のクラッチ80は非締結状態であるので、クラッチドラム81にはスラスト荷重が作用することはないが、第1のブレーキ100が非締結状態では、クラッチドラム81が高速回転されている。このとき、被支持部83の内円筒部83cがサイドカバー200に固定されたスリーブ210の中円筒部210cにブッシュ82を介して回転自在に支持されているので、ラジアル荷重を受けて正確なセンタリング機能を発揮することができる。一方、クラッチドラム81に前方へのスラスト荷重が作用した場合には、被支持部83の端板部83bが第1のクラッチ60の被支持部61aの後端部との間に介挿されたスラスト軸受65に当接しているので、このスラスト軸受65でクラッチドラム81の前方へのスラスト荷重を受けることがきる。
【0062】
このように、被支持部83が、ラジアル荷重とスラスト荷重を受けるために、外円筒部83aとその前端に設けた端板部83bとこの端板部83bの内周端から後方に折り返す内円筒部83cとでコ字状に形成されているので、被支持部83の軸方向長さを短くすることができ、第1のクラッチ60を余裕を持って内装することができる。
【0063】
しかも、被支持部83がコ字状に形成されているので、第3の油圧サーボ機構130のピストン132の受圧面積が同軸上に配設されている第1の油圧サーボ機構110のピストン112の受圧面積に比較して小さくなるが、この第3の油圧サーボ機構130で駆動する第3のクラッチ80が締結状態となるのは、リバース状態、第3速状態及び第5速状態であり、このうちリバース状態では、第2の遊星歯車機構30のキャリア33から出力される減速された回転力が第3のクラッチ80、トルク伝達部材18を介して第1の遊星歯車機構10の大径サンギヤ11に伝達され、この大径サンギヤ11の回転力がピニオンで逆転されてリングギヤ17に伝達されるので、第3のクラッチ80に大きな伝達トルクが作用することなく、第3速状態及び第4速状態でも大きな伝達トルクが作用することはないので、第1速及び第2速の大きな伝達トルク力を必要とする際に締結状態となる第1のクラッチ60に比較して低い押圧力で済むことから、第1の油圧サーボ機構110の受圧面積に比較して第3の油圧サーボ機構130の受圧面積は小さくて済み、被支持部83をコ字状に形成する場合の影響を受けることがない。
【0064】
そして、第3の油圧サーボ機構130の受圧面積を大きくしたい場合には、クラッチドラム81のフード部84における小円筒部84aの内径を大きくすればよく、この小円筒部84aの内径を調整することにより、第3の油圧サーボ機構130の受圧面積を変更して、クラッチ容量を調整することができる。
さらに、第3のクラッチ80のクラッチドラム81内に第1のクラッチ60を内装し、第1のクラッチ60の摩擦結合部材64と第3のクラッチ80の摩擦結合部材86とが同一形状に構成したので、両クラッチ60及び80で摩擦結合部材を共用することができる。
【0065】
なお、上記実施形態においては、第3のクラッチ80のクラッチドラム81におけるフード部84の大外径部84bを内径の異なる後方円筒部84d及び前方円筒部84eとで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、大外径部84bを外径が前端に行くに従い徐々に大きくなるラッパ状に形成し、その内周面にスプライン84bを形成する内円筒部及びスプライン84gを形成する外円筒部を形成するようにしてもよく、大外径部84bを単一の円筒状に形成して、第1のクラッチ60のクラッチドラム61を小径化するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態においては、スプライン84gをフローフォーミング成形する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、転造によって形成するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、フード部84の大円筒部84bにおける前方円筒部84eの外周面及び内周面に形成したスプライン溝84g及び84iが前方からみて重なるように形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、スプライン溝84gの溝部間にスプライン溝84iの溝部が配置されるように円周方向に位相をずらして形成するようにしてもよい。
【0067】
さらにまた、上記実施形態においては、第3のクラッチ80のクラッチドラム81におけるフード部84の前方円筒部84eに第1のブレーキ110を構成するドライブプレート100bが形成するスプライン84gを形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1のブレーキ100と第4の油圧サーボ機構140とを軸方向で逆に配置して、第1のブレーキ100を構成するドライブプレート100bを後方円筒部84dの外周面に形成するようにしてもよい。
【0068】
なおさらに、上記実施形態においては、自動変速機を前進6速を実現するギヤトレインで構成しているが、これに限定されるものではなく、前進5速以下又は7速以上の自動変速機にも本発明を適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、クラッチドラムのトランスミッションケースの固定支持部に回転自在に支持される被支持部を、円筒部と端板部と折り返した円筒部とで断面コ字状に形成することにより、端板部でスラスト軸受を受ける受け面を形成し、内側円筒部でラジアル方向のセンタリング機能を発揮することができ、クラッチドラム自体で軸方向及び径方向の軸受面を確保することができると共に、内周側の円筒部が端板部から折り返されて外周側の円筒部にオーバーラップするので、クラッチドラムの基部側即ちシリンダ部側の軸方向長さを短縮することができるという効果が得られる。
【0070】
また、請求項に係る発明によれば、クラッチドラム内に他のクラッチを配設したときに、両者の摩擦結合部材が同一形状であるので、互いに共用することができると共に、クラッチドラムに内装される他のクラッチについては被支持部を除いてシリンダ部を拡張することにより、クラッチ容量を大きく設定することができ、大きなクラッチ容量を必要とするクラッチを内装することができるという効果が得られる。
【0071】
さらに、請求項に係る発明によれば、被支持部における外周側の円筒部がシリンダ部の内周面を構成しているので、クラッチドラムの径方向の長さを短縮することができると共に、被支持部の径方向の長さでクラッチ容量を設定することができるという効果が得られ、さらにシリンダ部とピストンとで構成される油圧室に作動油を供給したときのピストンの迅速な移動を確保することができると共に、コ字状部の面積を変更することにより、クラッチ容量を調整することができるという効果が得られる。
【0072】
なおさらに、請求項に係る発明によれば、クラッチドラムのスプライン溝の開放端部側に圧肉部が形成されているので、クラッチドラムを高速回転させたときに遠心力によって発生する開き応力を低減することができるという効果が得られる。
また、請求項に係る発明によれば、外周面側のスプライン溝をクラッチドラムのプレス成形後にフローフォーミング成形で形成するので、このスプライン溝の内側に形成するスプライン溝を形成する場合に、両者の形状を任意に設定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動変速機の構成を示す断面図である。
【図2】上記自動変速機を示すスケルトン図である。
【図3】上記自動変速機の作動を示す図である。
【図4】本発明の要部を示す拡大断面図である。
【図5】第3のクラッチにおけるクラッチドラムのフード部を一部を拡大して示す断面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図6のV部の拡大図である。
【図8】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
60 第1のクラッチ
80 第3のクラッチ
81 クラッチドラム
83 被支持部
83a 外円筒部
83b 端板部
83c 内円筒部
84 フード部
84a 小円筒部
84b 大円筒部
84d 後方円筒部
84e 前方円筒部
84f,84g,84i スプライン溝
85 クラッチハブ
86 摩擦結合部材
100 第1のブレーキ
130 第3の油圧サーボ機構
131 シリンダ
132ピストン
150 第5の油圧サーボ機構
180 トランスミッションケース
190 ケース本体
200 サイドカバー
210 スリーブ

Claims (4)

  1. トランスミッションケースに配設した固定支持部に回転自在に支持されたクラッチドラムと、該クラッチドラムの内周面側に配設されたクラッチハブと、前記クラッチドラム及びクラッチハブの対向面に配設された摩擦結合部材と、前記クラッチドラムの外周面に、前記トランスミッションケースの内周面に配設されたブレーキを係合するスプライン溝が形成された自動変速機のクラッチ構造において、前記クラッチドラムの前記固定支持部に支持される被支持部を、ドラム軸方向に前記スプライン溝側に突出する円筒部と、該円筒部の端面から内方に延長してスラスト軸受との受け面となる端板部と、該端板部の内周縁から円筒部側に折り返した内筒部とで構成し、前記内筒部が前記固定支持部に回転自在に支持され、前記クラッチドラムは、前記摩擦結合部材を内装する小径部と、この小径部より開放端面側に連接する前記スプライン溝を形成した大径部とで構成され、前記大径部内に、前記摩擦結合部材と同一形状の摩擦結合部材を使用する他のクラッチを内装可能に構成されていることを特徴とする自動変速機のクラッチ構造。
  2. 前記クラッチドラムに形成された外筒部と、前記被支持部の前記円筒部と、前記スプライン溝とは反対側を閉塞する端板部とで構成されるシリンダ部を有し、前記端板部にはピストンに当接するコ字状部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のクラッチ構造。
  3. 前記クラッチドラムは、前記スプライン溝の開放端部側に圧肉部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機のクラッチ構造。
  4. 前記クラッチドラムは、前記スプライン溝がクラッチドラムのプレス形成後にフローフォーミング成形で形成されていることを特徴とする請求項記載の自動変速機のクラッチ構造。
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