JP4189477B2 - Ofdm(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機 - Google Patents

Ofdm(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信、無線LAN、地上波ディジタルTV放送等の直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:以下、「OFDM」とする)方式及びMC−CDMAなどのOFDMをベースした伝送方式を用いた無線通信において、現時点以前の符号が及ぼす符号間干渉と、現時点のキャリア間干渉と、現時点以降の符号間干渉の内のどれかによって発生する伝送特性の劣化を改善するOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
OFDMを用いた伝送方式は、マルチキャリア化とガードインターバル(GI)の挿入によって、高速ディジタル信号伝送におけるマルチパス遅延広がりの影響を軽減できるので、無線LAN、地上波ディジタル放送、及び将来の移動通信方式に用いる伝送方式として注目されている。
【0003】
このOFDMを用いた伝送方式は、GIより短い遅延時間広がりが発生する無線伝搬路では非常に有効であり、例えば無線LAN方式及び地上波ディジタルTV方式において採用されており、受信側では同期検波方式、遅延検波方式を用いる方法が仕様書としてまとめられている。GIはサイクリックプレフィクス(Cyclic Prefix:以下、「CP」とする)とも言われる。
【0004】
非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3の中で用いられるOFDM信号は、マルチキャリア化とGIの挿入という共通の性質を有している。OFDM信号の構成を明らかにするため、先ずその変調器構成と動作を簡単に説明する。
【0005】
図5にOFDM送信機の基本構成を示す。データ信号系列は、誤り訂正符号化され、インターリーブ後にシリアル・パラレル変換される。そして、各サブキャリア毎に変調され、その後、周波数領域の変調信号は逆高速フーリエ変換(IFFT)によって時間領域の変調された信号に変換される。GI挿入器は変調された信号の後半の一定時間部分をGIとして挿入して、送信信号を生成する。図6はOFDM信号の基本構成を示しており、OFDM信号はGIと変調された信号によって構成されている。
【0006】
このように送信されたOFDM信号を処理する受信機の基本構成を図7に示して説明する。先ず、ガードインターバル除去器で受信信号のガードインターバル部分を取り除き、図6のFFT区間の信号を抽出する。その後、フーリエ変換器でFFT区間においてフーリエ変換を行ない、時間領域から周波数領域に受信信号を変換する。次に、送受信機間で既知な信号であるパイロット信号を用いて、伝搬路によって歪んだ振幅と位相成分をチャネル推定器で求め、それを用いて同期検波器で信号を復調し、デインターリーブ後に誤り訂正復号される。また、受信機の構成を簡単にするために、同期検波器の替わりに遅延検波器を用いる構成も考えられており、その場合にはチャネル推定器は不要になるが、同期検波方式に比べて伝送特性は劣化する。
【0007】
これらの受信機では屋外の使用も考えられており、この場合には伝搬空間が広がるために、図8(A)のように移動無線通信特有の多重波伝搬環境による遅延広がりがガードインターバル以上になる場合が確率的に発生すると考えられる。このとき、図8(B)のようにFFTされた受信信号には、以下のような干渉が現れる。
【0008】
・現時点以前の符号が現時点の符号に遅延して重畳されることによる符号間干渉。
【0009】
・現時点のあるサブキャリアの変調信号に、他のサブキャリアの変調信号が重畳されることによるキャリア間干渉。
【0010】
・現時点以降の符号がマルチパスによって広がった現時点の符号を合成する際に、現時点の符号に重畳されることによる符号間干渉。
【0011】
以降では、現時点以前及び現時点以降の符号間干渉をISI(Inter-Symbol Interference)、現時点のキャリア間干渉をICI(Inter-Carrier Interference)として扱う。これらの干渉が発生すると、伝送特性が著しく劣化することが知られている。その対処方法として遅延広がりがガードインターバル以上になってしまう環境では、ガードインターバルを長くする方法も考えられるが、その場合には伝送効率が著しく劣化するという欠点がある。
【0012】
例えば、非特許文献4、非特許文献5及び非特許文献6では、上記のISIとICIを抑圧できる方法が開示されている。
【0013】
非特許文献4では、受信機に複数のアンテナを設け、各アンテナの受信信号を重み付け合成することでガードインターバル以上の遅延波やドップラーシフトの大きい到来波を抑圧することでISIとICIを抑圧している。この方法では受信機に抑圧したい信号成分に相当する数のアンテナを設置する必要が出てくるために、受信機が規模が大きくなるという欠点がある。
【0014】
また、非特許文献5では、ISIとICIを含んだ受信信号から多次元ラティスフィルタに通すことで干渉のない信号に戻す方式を開示している。この方法では符号間干渉の発生過程の逆特性を多次元ラティスフィルタで実現している。この方法はラティスフィルタのタップ係数を求める上で収束性が遅く、伝搬路の変動への追従性も良くないという欠点がある。
【0015】
さらに、非特許文献6では、OFDM信号からガードインターバルを取り除いた場合に発生するISIとICIを1タップの判定帰還形適応等化器を用いて抑圧する方式について言及している。この方法ではISIを判定信号を帰還してレプリカを生成し、減算することで抑圧し、ICIをフィードフォワードフィルタ部での線形処理により抑圧する。非特許文献6ではガードインターバル以上の遅延波を抑圧する場合については言及しておらず、ガードインターバルなしのOFDM信号の受信信号について言及している。ガードインターバル以上の遅延波が存在している場合には、また、線形処理のみでは多くのサブキャリアに広がったICIを雑音強調より完全に抑圧できず、受信アンテナ1本では安定した動作が期待できないという欠点がある。等化処理に必要なチャネルインパルス応答の推定方法についても言及していない。
【0016】
また、本願出願人により2002年1月23日に出願された出願番号「特願2002-013602」で「直交周波数分割多重信号における受信方式及び受信機」という名称を有する発明では、同様にISIとICIを抑圧できる方法を開示している。
【0017】
上記の発明では本発明とは異なったアプローチでISIとICIを抑圧している。具体的には、フーリエ変換時に窓関数を乗算することでISIを抑圧し、ICIの広がりを抑えている。上記の発明は、計算量をある程度に抑えて特性を改善でき、また、線形処理を行わないため、アンテナブランチ数が1でも良好に動作する。だたし、窓関数を乗算することで信号電力そのものも削ってしまうので理想的伝送特性よりも劣化してしまうという欠点がある。
【0018】
【非特許文献1】
IEEE Std 802.11a,「ハイースピード フィジカル レイヤー イン ザ 5GHz バンド(High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band)」,(米国),1999年
【0019】
【非特許文献2】
ETSI TS 101 475,『ブロードバンド ラジオ アクセス ネットワークス(BRAN);HIPERLAN タイプ2;フィジカル(PHY) レイヤー「Broadband radio access networks (BRAN);HIPERLAN type 2;physical (PHY) layer」』,(米国),2000年
【0020】
【非特許文献3】
ARIB STD-B31,「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」,電波産業会,2001年5月
【0021】
【非特許文献4】
西川 徹・原 嘉孝・原 晋介,「移動通信におけるOFDM用アダプティブアレーの検討」,電子情報通信学会研究技術報告,RCS2000-232,2001年3月
【0022】
【非特許文献5】
前田陽一・茂木誠幸・河野隆二,「OFDM用多次元ラティスフィルタの反射係数の最適化に関する一検討」,電子情報通信学会研究技術報告,RCS2000-250,2001年3月
【0023】
【非特許文献6】
Y.・サン、L.・トン(Y. Sun and L. Tong),「チャネル イークワライゼイション フォー ワイヤレス OFDM システムズ ウィズ ICI アンド ISI(Channel equalization for wireless OFDM systems with ICI and ISI)」,IEEE イント. コンフ. オン コミューニ.(IEEE Int. Conf. on Commun.),(米国),1999年6月,p.182-186
【0024】
【非特許文献7】
ジョン・G.・プロクス(John G.Proakis),「デジタル コミューニケイション(Digital Communication)」,(米国),第3版,マグローヒル(McGraw-Hill),1995年
【0025】
【非特許文献8】
D.・レナルズ、X.・ワン(D. Reynolds and X. Wang),「ロー コンプレクシティ ターボ・イークワライゼイション フォー ダイバーシティ チャネルス(Low Complexity Turbo-Equalization for Diversity Channels)」, シグナル・プロセシング(Signal Processing),(米国),エルゼビア・サイエンス・パブリッシャーズ(Elsevier Science Publishers),2001年,第81巻,第5号,p.989-995
【0026】
【非特許文献9】
L.・R.・バール、J.・コックエ、F.・ イェリネク、J.・ラビブ (L. R. Bahl, J. Cocke, F. Jelinek and J. Raviv),「オプティマル デコーディング オフリニア コード フォー ミニマイゼィング シンボル エラー レート(Optimal decoding of linear codes for minimizing symbol error rate)」,IEEE トランス. オン インフォーム. スィーオリ(IEEE Trans. on Inform. Theory),(米国),1974年3月,第20巻,p.284-287
【0027】
【非特許文献10】
P.・ロバートソン、E.・ヴィルブリュン、P.・ホーシュール(P. Robertson, E. Villebrun and P. Hoecher),「アー コンパリソン オフ オプティマル アンドサブオプティマル MAP デコーディング アルゴリズム オペレイティング イン ザ ログ ドメイン(A comparison of optimal and sub-optimal MAP decoding algorithms operating in the log domain)」,イン プロック. オフ ICC95(in Proc. of ICC95),(米国シアトル),1995年6月,p.1009-1013
【0028】
【非特許文献11】
G.・バテイル(G. Battail),「ポンダレーション ドゥ シンボルズ デコード パー l’アルゴリズム ドゥ ビタビ(Ponderation des symbols decodes par l’algorithme de Viterbi)」,アン テレコム(Ann Telecommn.),(フランス),1987年1月,第42巻,p.31-38
【0029】
【非特許文献12】
J.・Hangenauer、P.・ホーシュール(J. Hangenauer and P. Hoecher),「アー ビタビ アルゴリズム ウィズ ソフトディシジョン アウトプット アンド イッツアプリケーション(A Viterbi algorithm with soft-decision outputs and its application)」,イン プロック. オフ IEEE GLOBECOM89(in Proc. of IEEE GLOBECOM89),(米国ダラス),1989年11月,p.1680-1686
【0030】
【非特許文献13】
S.・ヘイキン (S. Haykin),「アダプティブ フィルタ スィーオリ(Adaptive filter Theory)」,第3版,プレンティス・ホール(Prentice-Hall),1993年
【0031】
【非特許文献14】
菊間信良,「アレーアンテナによる適応信号処理」,科学技術出版,1998年
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
従来の受信機を屋外で使用する場合には、図8(A)のように伝搬空間が広がるために移動無線通信特有の多重波伝搬環境による遅延広がりがGI以上になる場合が確率的に発生すると考えられ、このとき、FFTされた受信信号には干渉が発生する。図8(B)に示されるように、発生する干渉には、(1)現時点以前の符号が現時点の符号に遅延して重畳されることによる符号間干渉(ISI)と、(2)現時点のあるサブキャリアの変調信号に他のサブキャリアが重畳されることによるキャリア間干渉(ICI)と、(3)現時点以降の符号がマルチパスによって広がった現時点の符号を合成する際に現時点の符号に重畳されることによる符号間干渉(ISI)とがある。
【0033】
なお、FFT後に現時点以前のISI、現時点のICI、現時点以降のISIを発生させる成分は、図8(A)の時間領域の受信信号における現時点以前の符号間干渉成分、現時点のキャリア間干渉成分、また、現時点以降の符号間干渉成分となる。さらに、これらの干渉は無線伝送においては時間的に変動している。また、伝搬路の遅延広がりがGI以内の場合でも受信機が高速で移動している場合には、ドップラーシフトが発生し、チャネル応答が高速に変動するため、フーリエ変換後のOFDM信号にはICIが発生する。
【0034】
以上のような干渉が発生する環境において、従来の同期検波方式や遅延検波方式では伝送特性が著しく劣化する問題があった。
【0035】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、OFDM信号の受信方式において従来と同様な受信機規模、伝送フォーマットで実現でき、伝搬路の変動への追従性が良く、現時点以前のISI、現時点のICI、現時点以降のISIを抑圧できるOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は、OFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機に関し、本発明の上記目的は、単数または複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号から現時点以前の符号間干渉成分を取り除くため、信号検出処理の出力である受信ビットの対数尤度比を判定した信号、又はその判定した信号を誤り訂正復号し、再符号化した信号、又は誤り訂正復号処理により導出されたビットの対数尤度比を用いて計算できる変調信号レプリカのいずれかであるフィードバック信号を用いて現時点以前の符号間干渉のレプリカを生成し、受信信号から減算する第1適応等化処理と、現時点のキャリア間干渉又は現時点以降の符号間干渉成分を取り除くため、前記フィードバック信号を用いて現時点のキャリア間干渉を生成し、受信信号から減算するキャリア間干渉キャンセル処理と、その出力信号を最小平均2乗誤差規範で合成する線形処理との両方又は一方を行うターボ等化を用いる第2適応等化処理と、前記第1及び第2適応等化処理によって等化された信号から受信ビットの対数尤度比を計算する信号検出処理と、1シンボル区間、又は複数シンボル区間において前記信号検出処理の出力信号を誤り訂正復号し、ビットの対数尤度比を出力する誤り訂正復号処理と、前記第1及び第2適応等化処理で用いられるチャネル応答を推定するチャネル推定処理とで構成することによって達成される。
【0037】
さらに、本発明の上記目的は、前記第2適応等化処理において、現時点のキャリア間干渉、又は現時点以降の符号間干渉が発生している受信信号に対する処理区間を、マルチパス伝搬路の遅延広がりに応じて適応的に変化させて、前記ターボ等化を行うことにより、或いは、前記第2適応等化処理において、マルチパス伝搬路が動的に変化している場合にはその伝搬路の整合フィルタになるように前記ターボ等化における線形処理を行うことにより、或いは、前記チャネル推定処理において、前記フィードバック信号を用いて時間領域における受信信号のレプリカを生成し、時間領域における受信信号との差の絶対値2乗値が最小になるようにチャネルの振幅と位相成分を最小2乗法で推定することにより、或いは、前記第1及び第2適応等化処理、前記信号検出処理、前記誤り訂正復号処理、前記チャネル推定処理を前記フィードバック信号を用いて、1又は複数シンボル区間、及びフレームで繰り返して行うか、又は受信ビットの対数尤度比が小さい信号成分のみを対象として、或いはフレーム誤りが検出されたときのみ繰り返して行うことにより、或いは、現時点のシンボルにおいて、適応等化処理により時間領域の受信信号から現時点以前の符号間干渉成分を取り出し、線形処理した信号と現時点以前のシンボルにおいて適応等化処理によりキャリア間干渉から取り出した信号を合成することにより、或いは、複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号を、ガードインターバルを超える遅延波成分も取り込むように各アンテナで線形合成し、その合成信号に対して請求項1に記載の受信方式を用いて等化することにより、或いは、複数のアンテナで送信された異なった直交周波数分割多重された信号を複数のアンテナに受信し、各受信信号に発生する現時点以前の符号間干渉成分を取り除く前記第1適応等化処理と、各受信信号に発生する現時点のキャリア間干渉成分と現時点以降の符号間干渉成分と他の送信アンテナからの信号を取り除くキャリア間干渉キャンセル処理と、その出力信号を最小平均2乗誤差規範で合成する線形処理との両方又は一方を行う前記第2適応等化処理とを有することにより、或いは、前記チャネル推定処理において、チャネルの振幅と位相成分の推定パラメータ数を余分に用意し、その推定結果からタイミング誤りを補償することにより、或いは、初回は前記チャネル推定処理により推定されたチャネル応答を用いて、復調処理及び前記信号検出処理、誤り訂正復号処理を行い、繰り返し処理時のみに前記第1適応等化処理と前記第2適応等化処理を行うことによってより効果的に達成される。
【0038】
要するに、本発明では、単数又は複数のアンテナに受信された時間領域のOFDM信号から現時点以前のISI成分を取り除く第1適応等化処理と、現時点のICI成分、または現時点以降のISI成分を取り除く第2適応等化処理の両方を行うことで全ての干渉を取り除くようにしている。第1適応等化処理として判定帰還形適応等化を用い、第2適応等化処理としてターボ等化を用いる。等化された信号は信号検出処理、誤り訂正復号処理され、受信信号系列として出力される。また、上記第1及び第2適応等化処理で用いられるチャネル応答を現時点以前のISI又は現時点のICIのレプリカを生成して、受信信号との差の絶対値2乗値が最小になるように最小2乗法で推定する。
【0039】
さらに、第1及び第2適応等化処理、信号検出処理、誤り訂正復号処理、チャネル推定処理は、信号検出処理の出力である受信ビットの対数尤度比を判定した信号、又はその判定した信号を誤り訂正復号し、再符号化した信号、又は誤り訂正復号処理により導出されたビットの対数尤度比を用いて計算できる変調信号レプリカのいずれかであるフィードバック信号を用いて繰り返し行われ、ISIとICIをさらに取り除くようにしている。
【0040】
本発明では上記のようにすることで、線形処理のみでは抑圧できないキャリア間干渉を抑圧できると共に、受信機規模が従来と同程度にすることができる。また、信号伝送効率を低下させない利点がある。マルチパス伝搬路によって広がった信号電力をかき集めることができると共に、誤り訂正処理との連携により受信電力が低い場合にも良好に動作する。さらに、収束性が良い適応アルゴリズムを用いているので伝搬路の速い変動へも追従できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0042】
実施例1:
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示している。図1は本発明におけるOFDM受信方式の基本構成を示し、図2はチャネル推定器の詳細構成を示す。本発明の特徴とするところは図1に示す如く、単数又は複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号から現時点以前のISI成分を取り除く第1適応等化器と、現時点のICI成分又は現時点以降のISI成分を取り除く第2適応等化器と、上記第1及び第2適応等化器によって等化された信号を処理する信号検出器と、信号検出器の出力を誤り訂正復号する復号器と、上記第1及び第2適応等化器で用いられるチャネル応答を推定するチャネル推定器とで構成した点にある。
【0043】
移動無線通信特有の多重波伝搬環境による遅延広がりが、図8(A)のようにガードインターバル以上になる場合が確率的に発生する時には、図8(B)のようにフーリエ変換後の受信信号には現時点以前のISI成分と現時点のICI成分が発生する。ここで、「現時点」とは任意番目のOFDMシンボル区間のことを言っており、「現時点以前」とはそれ以前のシンボル区間のことを、「現時点以降」とはそれ以降のシンボル区間のことを言っている。なお、送信機内で同一の逆フーリエ変換によって多重化された信号をGIを含んで「OFDMシンボル」と呼んでいる。
【0044】
ここで、フーリエ変換後に現時点以前のISI、現時点のICI、現時点以降のISIを発生させる成分は、図8(A)の時間領域の受信信号における現時点以前のISI成分、現時点のICI成分、現時点以降のISI成分である。本発明では、この時間領域の現時点以前のISI成分、現時点のICI成分、現時点以降のISI成分に対して処理を行う方式である。
【0045】
受信アンテナブランチ数が2の場合について、その構成を図1に示す。受信機はパケットの先頭にあるプリアンブル信号を用いて、FFTタイミング再生とチャネル推定を行う。チャネル推定処理について後で述べる。ここでは、処理区間をパス0における現時点のシンボル区間として、現時点以降のISIが発生しない場合の処理について述べる。
【0046】
次に、図8(A)に示す時間領域における受信信号から現時点以前からのISI成分を第1適応等化処理である判定帰還形適応等化器で除去する。判定帰還形適応等化器は、現時点以前からのISIレプリカを、受信信号が送受信機で既知の信号であるパイロット信号区間である場合にはパイロット信号、それ以外のデータ区間では誤り訂正復号処理の出力である対数尤度比の期待値から求めた変調信号レプリカとチャネル推定値から生成する。復号がまだ行われていない場合には、第2適応等化処理における対数尤度比を用いて変調信号レプリカを求める。
【0047】
さらに、現時点のICIを第2適応等化処理で除去、または抑圧する。第2適応等化処理として、ターボ等化器を用いた場合について説明する。ターボ等化は、図1に示されるように、ICIキャンセル処理と最小平均2乗誤差(MMSE)規範による線形処理とから構成される。ICIキャンセル処理は、現時点以前からのISIが除去された受信信号から、ターゲットとなるサブキャリア以外の信号成分のレプリカを減算することでICIを除去する。そのレプリカは、誤り訂正復号処理の出力である対数尤度比の期待値から求めた変調信号レプリカとチャネル推定値から生成される。次に、その信号はMMSE規範線形処理によって、レプリカ減算の残差抑圧、整合フィルタ処理、逆フーリエ変換される。なお、初回の処理では誤り訂正復号処理の出力である対数尤度比が得られていないために、MMSE規範線形処理のみが行われる。
【0048】
ターボ等化器の出力は、最大事後確率(MAP)検出器により対数尤度比に変換され、さらに、デインターリーブ後に誤り訂正復号される。誤り訂正復号処理は、MAP検出器の出力である対数尤度比を事前情報としてMAP復号を行い、符号ビットと情報ビットの対数尤度比を出力する。情報ビットの対数尤度比が判定され、受信ビット系列が決定される。巡回符号によりフレーム誤りが検出され、誤りがない場合には処理が終了する。誤りがある場合には符号ビットの対数尤度比はインタリーブされ、その期待値から求めた変調信号レプリカとして、ICI成分やISI成分のレプリカ生成に用いられる。2種類の適応等化処理、誤り訂正復号処理、チャネル推定処理を繰り返し行うことで、干渉抑圧能力及び推定精度を向上させ、ISIとICIを完全に除去できる。
【0049】
上記2つの適応等化処理で用いられる受信信号の振幅、位相を推定するチャネル推定器は、図2のように構成されており、OFDM信号を入力ベクトル、推定するチャネル応答をウェイトベクトルとして、受信信号のレプリカを生成し、受信信号との差の絶対値2乗値が最小になるように最小2乗法で制御することでチャネル応答を推定する。それらのレプリカは、受信信号がパイロット信号区間である場合にはパイロット信号を、データ区間である場合には変調信号レプリカをIFFTしたOFDM信号を用いて生成される。
【0050】
以上の基本動作について数式を用いて詳細に説明する。
【0051】
OFDM方式におけるシンボルiの送信信号si(t)は、各サブキャリアにおける変調信号zi,nを用いて、下記数1と表すことができる。
【0052】
【数1】
Figure 0004189477
ただし、0≦t<Tsであり、Nはサブキャリア数で、Δf=1/TFはサブキャリア間隔で、TGはガードインターバルである。si(t)をt=kΔtとして離散化したsi(k)(k=0,1,・・・,Ns−1)を要素とするベクトル
Figure 0004189477
は下記数2となる。
【0053】
【数2】
Figure 0004189477
ただし、Tは転置を表し、NsはN+Gである。また、
Figure 0004189477
は逆フーリエ変換行列
Figure 0004189477
を用いると、下記数3、数4と表せる。
【0054】
【数3】
Figure 0004189477
【数4】
Figure 0004189477
なお、
Figure 0004189477
の(p,q)成分
Figure 0004189477
は下記数5となる。
【0055】
【数5】
Figure 0004189477
次に、受信アンテナl(l=0,l,…,L−1)における受信信号rl(t)について考える。パケットの全シンボル数をNi、伝搬路のインパルス応答をhl(t)とすると、マルチパス伝搬環境における受信信号rl(t)は
【数6】
Figure 0004189477
となる。ただし、
Figure 0004189477
は畳み込み演算を表し、nl(t)は受信アンテナlにおける雑音である。ここで、hl(t)がサンプリング間隔Δt=TF/Nで離散化できる伝搬路としてD+1パスの伝搬路を考えると、下記数7と表せる。
【0056】
【数7】
Figure 0004189477
なお、hl,dは受信アンテナlで受信されるパスdにおける複素振幅で、DΔtは最大遅延時間であり、パス数は受信アンテナに依らず、一定であるとした。また、受信フレーム内は各パスの複素振幅hl,dは変化しない、準静的なフェージング環境を仮定した。
【0057】
また、ガードインターバルTG(=GΔt)を越える遅延波が存在する場合も考慮して0≦D≦Ns−1とした。
【0058】
シンボルiの受信タイミング区間iTs≦t<(i+1)Tsに観測される受信信号rl(t)の離散値をrl,i(k)と定義する。ただし、kは、k=0,1,・・・,Ns−1である。rl,i(k)を要素に持つL本のアンテナでの受信信号ベクトル
Figure 0004189477

【数8】
Figure 0004189477
【数9】
Figure 0004189477
とすると、
Figure 0004189477

【数10】
Figure 0004189477
と表すことができる。なお、
Figure 0004189477
は雑音ベクトルであり、下記のように表せる。
【0059】
【数11】
Figure 0004189477
【数12】
Figure 0004189477
また、
Figure 0004189477
は現時点のICIのチャネル応答行列であり、
Figure 0004189477
は現時点以前のISIのチャネル応答行列であり、
【数13】
Figure 0004189477
【数14】
Figure 0004189477
となる。さらに、
【数15】
Figure 0004189477
とすると、受信信号ベクトル
Figure 0004189477

【数16】
Figure 0004189477
となる。ここで、
Figure 0004189477
は現時点のICIの等価チャネル応答行列であり、
Figure 0004189477
はISIの等価チャネル応答行列である。
【0060】
まず、受信機内で行われる処理としては、チャネル推定器で各パスの複素振幅hl,dを推定し、等価チャネル応答行列
Figure 0004189477

Figure 0004189477
の推定値
Figure 0004189477

Figure 0004189477
を生成する。
【0061】
次に、上記数16の右辺第2項である現時点以前のISI成分のレプリカを誤り訂正復号処理の出力である対数尤度比の期待値から求めた変調信号レプリカと
Figure 0004189477
を用いて、判定帰還形適応等化器で生成し、受信信号から引く。次に、ターボ等化器で上記数16における右辺第1項のターゲットとなるサブキャリア以外のレプリカを生成し、受信信号から減算し、その残りの成分をMMSE規範で線形合成する。この処理を全てのサブキャリアで行い、各サブキャリアにおける受信ビットの対数尤度比をMAP検出器で計算する。その出力はデインタリーブされて、誤り訂正復号される。
【0062】
実施例2:
判定帰還形適応等化器について説明する。判定帰還形適応等化器は、受信信号から上記数16の右辺第2項である現時点以前のISI成分を除去する。図1のように、誤り訂正復号処理の出力である対数尤度比の期待値から求めた変調信号レプリカを要素に持つベクトル
Figure 0004189477
と等価チャネル応答行列の推定値
Figure 0004189477
を用いて現時点以前のISI成分のレプリカを生成する。生成されるレプリカをベクトル
Figure 0004189477
とすると、
Figure 0004189477

【数17】
Figure 0004189477
【数18】
Figure 0004189477
となる。
【0063】
ここで、変調方式がBPSKの場合には、シンボルi−1のサブキャリアnにおける誤り訂正後のビット対数尤度比λ2(i−1,n)を用いて計算される変調信号レプリカ
Figure 0004189477

【数19】
Figure 0004189477
となる。
【0064】
また、変調方式がQPSKの場合には、シンボルi−1のサブキャリアnにおける誤り訂正後のビット対数尤度比λ2(i−1,n,0)とλ2(i−1,n,1)の期待値から計算される変調信号レプリカ
Figure 0004189477

【数20】
Figure 0004189477
となる。
【0065】
さらに、変調方式が16QAMの場合には、シンボルi−1のサブキャリアnにおける誤り訂正後のビット対数尤度比λ2(i−1,n,0)、λ2(i−1,n,1)、λ2(i−1,n,2)、λ2(i−1,n,3)の期待値から計算される変調信号レプリカ
Figure 0004189477

【数21】
Figure 0004189477
となる。
【0066】
ただし、各変調方式の信号配置によって上記の変調信号レプリカの生成は異なる。ここでは、5GHz帯無線LANに準拠した信号配置の場合について示した。同様に、他の変調方式についても変調信号レプリカを計算できる。
【0067】
さらに、受信信号からこのレプリカを減算した信号ベクトルを
Figure 0004189477
とすると、下記のようになる。
【0068】
【数22】
Figure 0004189477
判定帰還形適応等化器は、レプリカを生成する際に、変調信号レプリカ
Figure 0004189477
として、判定後の信号や誤り訂正復号後のビットを再符号化、インタリーブ、変調した信号も用いることができる。また、初回処理では復号処理がまだ行われていないので、第2適応等化処理の出力である対数尤度比を用いて変調信号レプリカを生成する。
【0069】
判定帰還形適応等化器については、非特許文献7に詳しくその動作が説明されている。
【0070】
実施例3:
ターボ等化器について説明する。ターボ等化器は上記数16の右辺第1項における現時点のICI成分を抑圧する。まず、ICIキャンセル処理が観測しているサブキャリア以外から漏れ込んでくるICIのレプリカを生成し、受信信号から減算する。ここでは、サブキャリアmの信号成分zi,mのみを取り出す処理を考える。ICIのレプリカ
Figure 0004189477
はサブキャリアm以外の変調信号を要素に持つベクトル
Figure 0004189477
とICIの等価チャネル応答行列の推定値
Figure 0004189477
を用いて
【数23】
Figure 0004189477
【数24】
Figure 0004189477
となる。ただし、
Figure 0004189477
はシンボルiのサブキャリアnにおける誤り訂正後のビット対数尤度比を用いて計算される変調信号レプリカで、各変調方式において上記数19、数20、数21のように計算できる。
【0071】
このレプリカを上記数22の受信信号から減算し、その残りの成分
Figure 0004189477

【数25】
Figure 0004189477
となる。
【0072】
次に、現時点以前のISI成分を除去し、さらに現時点のICI成分のレプリカを減算した受信信号
Figure 0004189477
に対して、ICIキャンセル残差の抑圧並びに逆フーリエ変換を行うために、MMSE規範に基づき、線形合成を行う。
【0073】
サブキャリアmの信号成分を合成するウェイトベクトルを
Figure 0004189477
とすると、合成後の信号
Figure 0004189477

【数26】
Figure 0004189477
となる。ただし、合成ウェイトベクトル
Figure 0004189477
は、最小2乗法における評価関数J
【数27】
Figure 0004189477
を最小にする。ただし、Hは複素共役転置を、E[ ]はアンサンブル平均を示す。
【0074】
Figure 0004189477
は各推定値を用いて
【数28】
Figure 0004189477
【数29】
Figure 0004189477
【数30】
Figure 0004189477
となる。ただし、
Figure 0004189477
はm番目の成分のみが1、それ以外が0であるベクトルであり、
Figure 0004189477
は雑音電力の推定値であり、
Figure 0004189477
は単位行列である。導出にはPSK変調を仮定して、|zi,n|2=1という条件を用いた。
【0075】
各サブキャリア毎に
Figure 0004189477
を計算するために、逆行列の演算が必要となるので、演算量を軽減する方法として、逆行列の補助定理を用いて逆行列の演算を行う方法や、以下の近似方法を用いることもできる。
【0076】
対数尤度比から求めた変調信号レプリカ
Figure 0004189477
が全て正しかったと仮定すると、その際のレプリカを減算した信号
Figure 0004189477

【数31】
Figure 0004189477
【数32】
Figure 0004189477
となるので、合成ベクトル
Figure 0004189477

【数33】
Figure 0004189477
と表せる。なお、
Figure 0004189477

Figure 0004189477
の推定値である。この近似を用いると、合成ベクトル
Figure 0004189477
を導出するのに逆行列の演算が必要なくなる。
【0077】
この処理を全てのサブキャリアで行い、各サブキャリアにおける受信ビットの対数尤度比がMAP検出器で計算される。そして、その出力はデインタリーブ、誤り訂正復号され、再びレプリカ生成に用いられる。この処理を繰り返し行うことで現時点のICI成分を抑圧する。なお、初回の処理ではビットの対数尤度比が分からないため、レプリカ生成ができない。そこで、線形処理のみが行われる。全サブキャリアを一括して合成するウェイト行列
Figure 0004189477

【数34】
Figure 0004189477
と表せ、合成後の信号ベクトル
Figure 0004189477

【数35】
Figure 0004189477
【数36】
Figure 0004189477
となる。
【0078】
ターボ等化器については非特許文献8に詳しくその動作が説明されている。
【0079】
実施例4:
マルチパス伝搬路が動的に変化している場合には、その伝搬路の整合フィルタとしてターボ等化における線形処理を行う方法について説明する。
【0080】
上記数7における伝搬路のインパルス応答hl(t)は受信フレーム内は時間的に変動しない準静的なフェージングを想定したが、伝搬路が動的に変化する場合にはhl(t)は
【数37】
Figure 0004189477
となる。hl,d(t)をt=iTs+kΔt(k=0,1,・・・,Ns−1)で離散化した値をhl,d(i,k)とする。
【0081】
このとき、シンボルiにおける現時点のICIのチャネル応答行列
Figure 0004189477
、現時点以前のISIのチャネル応答行列
Figure 0004189477

【数38】
Figure 0004189477
【数39】
Figure 0004189477
【数40】
Figure 0004189477
となる。
【0082】
動的な伝搬路における受信信号ベクトル
Figure 0004189477

【数41】
Figure 0004189477
【数42】
Figure 0004189477
となる。ここで、
Figure 0004189477
はシンボルiにおける現時点のICIの等価チャネル応答行列で、
Figure 0004189477
はシンボルiにおける現時点以前のISIの等価チャネル応答行列である。
【0083】
上記の信号モデルより、動的な伝搬路においては
Figure 0004189477

Figure 0004189477
に、
Figure 0004189477

Figure 0004189477
に置き換えることで、すべての処理を同様に行うことができる。なお、上記数34におけるターボ等化における線形処理における合成するウェイト行列
Figure 0004189477
はシンボル毎に異なる行列となり、シンボルiにおける合成ウェイト行列
Figure 0004189477

【数43】
Figure 0004189477
となる。このとき、合成ウェイト行列
Figure 0004189477
は動的な伝搬路の整合フィルタとして動作し、チャネル応答が高速に変動する場合に、フーリエ変換後のOFDM信号に発生する現時点のICIを抑圧することができる。なお、この線形処理は伝搬路の遅延広がりがGI以内の場合でも有効である。
【0084】
実施例5:
第2適応等化処理において、マルチパス伝搬路の遅延広がりに応じて処理を行う時間区間を適応的に変化させる方法について説明する。
【0085】
いま、マルチパス伝搬路の遅延広がりが1シンボル区間以内の場合において、2シンボル単位で処理を行うことを考える。すなわち、現時点以降のISIが発生する場合の処理について述べる。2シンボル区間における受信信号ベクトル
Figure 0004189477

【数44】
Figure 0004189477
【数45】
Figure 0004189477
【数46】
Figure 0004189477
と表すことができる。ただし、
Figure 0004189477
は現時点のシンボル成分及び現時点以降のISIの等価チャネル行列で、
Figure 0004189477
は現時点以前のISIの等価チャネル行列で、
Figure 0004189477
は2シンボル区間における雑音ベクトルである。
【0086】
上記数44における第2項である現時点以前のISI成分を判定帰還形等化器で、また、上記数44における第1項である現時点のシンボル成分及び現時点以降のISI成分をターボ等化で処理する。まず、判定帰還形等化器は、実施例2と同様に、現時点以前のISI成分のレプリカを生成し、受信信号ベクトル
Figure 0004189477
から減算する。
【0087】
次に、実施例3と同様に、判定帰還形等化処理後の受信信号
Figure 0004189477
における現時点のシンボル成分及び現時点以降のISI成分を線形処理する。具体的には、線形処理後の合成信号を
Figure 0004189477
とすると、合成ウェイト行列
Figure 0004189477
を用いて
【数47】
Figure 0004189477
【数48】
Figure 0004189477
【数49】
Figure 0004189477
となる。
【0088】
そして、
Figure 0004189477
における現時点の各サブキャリアにおける信号、並びに現時点以降の各サブキャリアにおける信号をそれぞれMAP検出、MAP復号処理を行う。再び計算された対数尤度比をフィードバックして、実施例3と同様に、現時点のシンボル成分及び現時点以降のISI成分のレプリカを生成、減算し、線形処理により信号合成を行う。この処理を1回または複数回行うことで、マルチパス伝搬路によって広がった信号をかき集めることができ、また、現時点以降のISI成分を線形処理によって抑圧、またはレプリカ減算処理によって除去できる。
【0089】
実施例6:
信号検出処理と誤り訂正復号処理について説明する。
【0090】
信号検出処理では、各サブキャリアにおける合成信号
Figure 0004189477
を用いて、ビットの対数尤度比を計算するMAP検出が行われる。変調方式がBPSKの場合には、サブキャリアnにおける対数尤度比λ1(i,n)は
【数50】
Figure 0004189477
となる。μ(n)は
【数51】
Figure 0004189477
となる。ただし、導出ではMMSE規範線形処理の出力における誤差がガウス過程であるとした。
【0091】
同様に、変調方式がQPSKの場合には、シンボルi、サブキャリアnで送信されたビットの対数尤度比λ1(i,n,0)は
【数52】
Figure 0004189477
となり、他のビット対数尤度比λ1(i,n,1)は、上記数52の実部を虚数部に置き換えたものとなる。
【0092】
また、変調方式が16QAMの場合には、シンボルi、サブキャリアnで送信されたビットの対数尤度比λ1(i,n,0)、λ1(i,n,1)は、
Figure 0004189477
の場合は
【数53】
Figure 0004189477

Figure 0004189477
の場合は
【数54】
Figure 0004189477

Figure 0004189477
の場合は
【数55】
Figure 0004189477
となり、また、λ1(i,n,1)は
【数56】
Figure 0004189477
となる。他のビット対数尤度比λ1(i,n,2)、λ1(i,n,3)は、上記数53、数54、数55、数56の実部を虚数部に置き換えたものとなる。ただし、各変調方式の信号配置によって上記のビット対数尤度比の導出は異なる。ここでは、5GHz帯無線LANに準拠した信号配置の場合について示した。同様に、他の変調方式についても計算できる。
【0093】
誤り訂正復号処理では信号検出器で計算されたビット対数尤度比λ1(i,n)をデインタリーブし、事前情報として用いて、MAP復号が行われる。その際には、誤り訂正復号器は1シンボル、または複数シンボルにおいて符号ビットと情報ビットの対数尤度比をMAP復号アルゴリズムで計算する。情報ビットの対数尤度比は送信ビット系列の決定に用いられ、符号ビットの対数尤度比はインタリーブされ、その期待値から求めた変調信号レプリカとして、ターボ等化、判定帰還形等化、チャネル推定処理でのISIやICIのレプリカ生成に用いられる。
【0094】
MAP検出については、ターボ等化器と同様に非特許文献8に詳しくその動作が説明されている。また、MAP復号については、非特許文献9〜12に詳しくその動作が説明されている。
【0095】
また、誤り訂正復号処理として軟判定ビタビ復号を行う場合には、信号判定処理はチャネル情報を等化された信号に付加する。その際には、誤り訂正復号器の出力を再符号化して、ターボ等化、判定帰還形等化、チャネル推定処理のレプリカ生成に用いる。誤り訂正符号として畳み込み符号を用いた場合には、信号検出処理と誤り訂正復号処理には様々な組み合わせが考えられ、上記以外の組み合わせも含めて表1に示す。また、誤り訂正復号処理の出力を帰還して用いる場合において得られるフィードバック信号も示した。
【0096】
【表1】
Figure 0004189477
実施例7:
チャネル推定器の動作並びにアルゴリズムについて説明する。チャネル推定器では、時間領域における受信信号に対してレプリカを生成し、受信信号とレプリカの差の絶対値2乗値誤差を最小にする規範で各パスの複素振幅hdを推定する。ただし、アンテナを示す添え字lは省略する。その際、パイロット信号区間では送受信機間で既知な信号であるパイロット信号を、データ区間では判定した信号、または対数尤度比の期待値から求めた信号を用いる。いま、受信信号がチャネル推定用のパイロット信号であり、すべてのキャリアの送信信号が既知であるとする。
【0097】
図2にチャネル推定器の構成を示す。チャネル推定器の入力ベクトル
Figure 0004189477

【数57】
Figure 0004189477
とする。ただし、xi,d(k)は
【数58】
Figure 0004189477
【数59】
Figure 0004189477
であり、si(k)、si 1(k)は上記数3、数4より計算できる。なお、データ区間におけるチャネル推定では上記数4におけるzi,nが分からないので、上記数19、数20、数21における
Figure 0004189477
を、または上記数26における
Figure 0004189477
の判定値を用いる。
【0098】
推定する各パスの複素振幅を
Figure 0004189477
とすると、推定するベクトル
Figure 0004189477
【数60】
Figure 0004189477
とすることで、シンボルiの時刻kにおける受信信号のレプリカ
Figure 0004189477

【数61】
Figure 0004189477
と表すことができる。ここで、受信信号と
Figure 0004189477
との誤差をei(k)とすると、
【数62】
Figure 0004189477
となる。この差の絶対値2乗値が最小になるようにRLSアルゴリズムを用いて推定する。なお、RLSアルゴリズムが収束すると誤差の絶対値2乗値
Figure 0004189477
は雑音電力となるため、この平均値を推定された雑音電力とする。
【0099】
非特許文献13ではRLSアルゴリズムについて詳しく書かれている。
【0100】
ここで、指数重み付RLSアルゴリズムを用いて最適タップベクトル
Figure 0004189477
を逐次的に算出すると、自己相関行列の逆行列
Figure 0004189477
とカルマンゲインベクトル
Figure 0004189477
を用いて、以下の数式で更新される。
【0101】
【数63】
Figure 0004189477
【数64】
Figure 0004189477
【数65】
Figure 0004189477
このように、RLSアルゴリズムでは、シンボルiの時刻kにおけるタップベクトルは事前推定誤差の複素共役と時間的に変動するカルマンゲインベクトル
Figure 0004189477
を乗算し、そのベクトルを1ステップ前のタップベクトルに加算することによって推定される。なお、各シンボルにおける最初の推定における自己相関行列の逆行列の初期値
Figure 0004189477
、タップベクトルの初期値
Figure 0004189477

【数66】
Figure 0004189477
【数67】
Figure 0004189477
となる。また、最初のシンボルでの各初期値は
【数68】
Figure 0004189477
【数69】
Figure 0004189477
となる。ただし、
Figure 0004189477
は単位行列で、δは微小な正の実数である。
【0102】
RLSアルゴリズムを時間領域で用いることで数シンボル程度でタップベクトル(チャネルのインパルス応答)を推定することが可能である。また、忘却係数λを適応的に変えることで、伝搬路の高速変動への追従も可能である。
【0103】
また、チャネル推定用のパイロット信号区間のみでチャネル推定を行う際には、チャネル推定器の入力ベクトル
Figure 0004189477
は既知なので、上記数64における自己相関逆行列
Figure 0004189477
は更新する必要はなく、予め計算してメモリに保存できる。そのとき、
Figure 0004189477
の自己相関行列を
Figure 0004189477
とすると、
【数70】
Figure 0004189477
【数71】
Figure 0004189477
となり、また、相互相関ベクトル
Figure 0004189477

【数72】
Figure 0004189477
【数73】
Figure 0004189477
となる。この自己相関行列
Figure 0004189477
の最終更新値の逆行列を計算してメモリに保存しておき、
Figure 0004189477
のみを更新しながら計算し、その最終更新値に
Figure 0004189477
を乗算することで、以下のようにチャネル推定値を導出できる。
【0104】
【数74】
Figure 0004189477
チャネル推定値は、2種類の適応等化処理、誤り訂正復号処理の特性には影響を及ぼすため、チャネル推定値の更新後に、それを用いて再び2種類の適応等化処理、誤り訂正復号処理を行うことで特性が改善する。また、これらの処理を複数回繰り返しことでさらに特性が改善する。
【0105】
実施例8:
現時点のシンボルにおいて、受信信号から現時点以前のISI成分を取り出し、それを現時点以前のシンボルにおいてICI成分から取り出した信号と合成する受信方式について説明する。
【0106】
図1のように、ISI合成器によりISIとして次のシンボルに漏れ込んだ信号成分を繰り返し処理時に、ICIレプリカ減算とサブキャリアm以外のISIレプリカ減算、その出力の線形合成により取り出す。まず、ICIキャンセル処理で対数尤度比の期待値から求めた変調信号レプリカを用いてICIレプリカを生成し、シンボルi+1の受信信号から減算する。受信信号からこのレプリカを減算した信号ベクトルを
Figure 0004189477
とすると、
Figure 0004189477

【数75】
Figure 0004189477
となる。
【0107】
次に、
Figure 0004189477
からサブキャリアmのみの信号成分を他のサブキャリアのISIレプリカを判定帰還形等化で生成して減算し、さらに、ターボ等化におけるMMSE規範の線形処理により合成ウェイトベクトル
Figure 0004189477
で合成して取り出す。
【0108】
【数76】
Figure 0004189477
【数77】
Figure 0004189477
【数78】
Figure 0004189477
【数79】
Figure 0004189477
この処理を全てのサブキャリアで行い、
Figure 0004189477
から導出した対数尤度比
Figure 0004189477
を上記数26の対数尤度比λ1(n,i)と合成する。このようにすることで、マルチパス伝搬路によって広がった信号電力をかき集めることができる。また、マルチパス伝搬路によって複数のシンボル区間に広がったOFDMシンボルを、前後のOFDMシンボルのレプリカを変調信号レプリカとチャネル推定値を用いて生成し、受信信号から減算することで抽出できる。さらに、その抽出したOFDMシンボルを離散フーリエ変換と整合フィルタを実現する線形処理により取り出すことで同様に信号電力をかき集めることができる。取り出された信号成分はMAP検出器により対数尤度比に変換され、誤り訂正復号処理される。再び計算された受信ビットの対数尤度比をフィードバックして、現時点以前のISI成分及び現時点のICI成分において干渉キャンセル処理と線形処理、並びに誤り訂正復号時の合成処理を繰り返す。
【0109】
実施例9:
複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号を線形合成後に適応等化する本発明の受信方式について説明する。
【0110】
図3は、アダプティブアレーと図1記載の受信方式の縦続構成を示す。図3に示されたように、各アンテナで受信された信号を線形合成するアンテナは、アダプティブアレーと呼ばれており、随所で研究されており、アダプティブアレーについては非特許文献14に詳しく解説されている。
【0111】
ここでは、アダプティブアレーと図1記載の受信方式の縦続構成と制御アルゴリズムを示す。各アンテナで受信された信号を線形合成するウェイトベクトルを
Figure 0004189477
とすると、合成信号yi(k)は
【数80】
Figure 0004189477
【数81】
Figure 0004189477
【数82】
Figure 0004189477
となる。ここで、最小2乗法を用いてウェイトベクトルを求めることを考えると、図1記載の受信方式でガードインターバルを超える遅延波を抑圧、合成できることを考慮して、所望信号da(k)を
【数83】
Figure 0004189477
とする。ただし、
Figure 0004189477
はチャネル応答の推定値で、
Figure 0004189477
はパイロット信号区間では既知信号であり、データ区間では変調信号レプリカをIFFTした信号である。このとき、誤差信号ea(k)は
【数84】
Figure 0004189477
となる。すなわち、最小2乗法でウェイトベクトル
Figure 0004189477
とチャネル応答の推定値
Figure 0004189477
の両方を求める問題に帰着する。
【0112】
ここで、チャネル応答の推定値の一つを1に固定すると、例えば、
Figure 0004189477
とすると、誤差信号ea(k)は
【数85】
Figure 0004189477
【数86】
Figure 0004189477
【数87】
Figure 0004189477
となり、RLSアルゴリズムにおいて所望信号を
Figure 0004189477
、入力ベクトルを
Figure 0004189477
とすることで、合成ウェイトベクトル
Figure 0004189477
とチャネル応答の推定値
Figure 0004189477
の両方を推定することができる。
【0113】
その後、アダプティブアレーで合成された信号yi(k)は、実施例1の受信方式で処理される。実際には、受信信号rl,i(k)をyi(k)に置き換えることで、既に述べた全ての処理を行うことができる。また、その際にはチャネル応答の推定値
Figure 0004189477
を用いることで、改めてチャネル推定を行う必要がなくなるという利点や、このような構成にすることで、同一周波数を用いた他のユーザからの干渉信号をアダプティブアレーで抑圧することができる。なお、図3では各アンテナのタップは1つであるが、タップを複数に拡張することもできる。また、複数のアンテナをグループ化して、各グループごとに信号合成を行うこともできる。
【0114】
実施例10:
本発明の受信方式において、複数のアンテナで送信された異なった直交周波数分割多重された信号を複数のアンテナに受信し、各送信信号を分離する受信方式について説明する。
【0115】
送信アンテナが2本の場合について考える。各アンテナからはユーザu0とユーザu1の信号が送信される。ユーザu0のシンボルiの送信信号ベクトル
Figure 0004189477

【数88】
Figure 0004189477
【数89】
Figure 0004189477
と表せる。なお、
Figure 0004189477
はユーザu0の各サブキャリアにおける変調信号を要素に持つベクトルである。
【0116】
さらに、L本のアンテナでの受信信号ベクトル
Figure 0004189477

【数90】
Figure 0004189477
となる。ただし、
Figure 0004189477
はユーザuの現時点のICIのチャネル応答行列であり、
Figure 0004189477
はユーザuの現時点以前のISIのチャネル応答行列であり、
【数91】
Figure 0004189477
【数92】
Figure 0004189477
【数93】
Figure 0004189477
となる。ここで、hu,l,dはユーザuのアンテナlで受信されるパスdの複素振幅である。さらに、
【数94】
Figure 0004189477
とすると、受信信号ベクトル
Figure 0004189477
は上記数16の信号モデルと全く同じ数式で表せるので、2本のアンテナから送信された信号がサブキャリア数を2倍にしたOFDM信号と同様に扱うことができるため、既に述べた全ての処理を同様に行うことができ、各送信信号を分離することができる。このようにすることで、複数ユーザ同時受信や同一ユーザの信号を複数アンテナでパラレルに送信して伝送速度、伝送容量を向上させることができる。
【0117】
実施例11:
窓関数を乗算してフーリエ変換した後に、第1適応等化処理、第2適応等化処理、信号検出処理、誤り訂正復号処理、チャネル推定処理といった各処理を行う受信方式について説明する。
【0118】
窓関数として、矩形窓、ハニング窓、ハミング窓、ブラックマン窓などが一般的に知られているが、ここでは、任意の窓関数について議論を行う。
【0119】
FFT窓関数をw(k)とすると、シンボルiの受信FFTタイミングk=G,…,Ns−1の間に観測される時間領域の受信信号ri(k)は、上記数6を用いて以下のように表せる。
【0120】
【数95】
Figure 0004189477
そこで、k=Gを時刻の原点としてFFTすると、サブキャリアmで観測される受信信号Ri(m)は
【数96】
Figure 0004189477
となる。ただし、ωn=2πn/Nである。上記数96における右辺第2項はシンボルiのICIを発生する成分で、また、上記数96における右辺第3項は前のシンボルi−1から洩れ込んでくるISI成分である。上記数96のWn(m)、W0,d,n(m)、W 1,d,n(m)、N(m)は
【数97】
Figure 0004189477
【数98】
Figure 0004189477
【数99】
Figure 0004189477
【数100】
Figure 0004189477
である。
【0121】
さらに、複素振幅と上記の漏れ込み係数を用いて、同一シンボル内のICIの等価チャネル応答行列
Figure 0004189477
と現時点以前のISIの等価チャネル応答行列
Figure 0004189477
を用いて、受信信号ベクトル
Figure 0004189477

Figure 0004189477
【数101】
Figure 0004189477
【数102】
Figure 0004189477
【数103】
Figure 0004189477
【数104】
Figure 0004189477
となる。ただし、
Figure 0004189477
並びに
Figure 0004189477

Figure 0004189477

Figure 0004189477
のn行m列の成分である。上記の式が上記数16の信号モデルと全く同じ数式で表せるので、既に述べた全ての処理を同様に行う。
【0122】
実施例12:
2つの適応等化処理、信号検出処理、誤り訂正復号処理、チャネル推定処理をフィードバック信号を用いて、1または複数シンボル区間、及びフレームで繰り返して行うか、または受信ビットの対数尤度比が小さい信号成分のみを対象として、あるいはフレーム誤りが検出されたときのみ繰り返して行う方法について説明する。
【0123】
2つの適応等化処理、信号検出処理、誤り訂正復号処理、チャネル推定処理をビット対数尤度比などのフィードバック信号を用いて、繰り返し行うことで特性が改善する。しかし、計算量の観点から繰り返し数をできるだけ減らす必要がある。そこで、フレーム内の誤りを巡回符号により検出し、誤りがない場合には繰り返し処理を止める。誤りがあった場合には繰り返し処理を行う。繰り返し処理は全ビットに対して行うこともできるが、計算量を削減するために、誤っているビットに対してのみ行うのが望ましい。そこで、ビットの信頼度である対数尤度比を用いて、対象とするビットを選択する。対数尤度比の閾値をλthth≧0)とすると、対数尤度比の絶対値がλth以下になるビットのみを処理する。
【0124】
実施例13:
チャネル推定処理において、チャネルの振幅と位相成分の推定パラメータ数を余分に用意し,その推定結果からタイミング誤りを補償する方法について説明する。
【0125】
受信機ではFFTタイミングを受信信号から再生する必要がある。一般的に、タイミング再生は受信信号の自己相関や既知シンボルと受信信号との相互相関処理により、ピークを検出することで行われる。瞬時SNRが低い場合には雑音の影響によりタイミング再生が正しく行われない場合があり、タイミングが前後することを考慮してチャネル推定時のタップベクトルの要素を余分に用意し、チャネル推定を行う。タイミングが正しく再生できなかった場合には推定されたタップベクトルの要素が理想的な場合と比べて前後にシフトする。そのシフト量を閾値により検出し、先行波として到来したパスをタイミングの基準となるように図1のようにタイミング補償を行うことで安定した受信機動作が可能になる。なお、チャネル推定のタップベクトルの次元は相互相関処理における閾値を超えるポイントの幅によって決定できる。
【0126】
実施例14:
初回はチャネル推定処理により推定されたチャネル応答を用いて、復調処理及び信号検出処理、誤り訂正復号処理を行い、繰り返し処理時のみに第1適応等化処理と第2適応等化処理を行う方法について説明する。
【0127】
初回処理では、第2適応等化処理において上記数43の逆行列演算が必要になるので、サブキャリア数が多いOFDMを用いたシステムに本発明を適用する場合には計算量が増加してしまう。そこで、初回はチャネル推定処理により推定されたチャネル応答をフーリエ変換し、伝達関数を求めて図7のような従来の復調処理を行う。その際、各サブキャリアにおいて、ビットの対数尤度比を信号検出処理により導出し、それをデインタリーブして誤り訂正復号処理する。さらに、誤り訂正復号処理によって求めた対数尤度比の期待値から変調信号レプリカを生成し、繰り返し処理を行う。繰り返し処理は、実施例2、実施例3に記載の第1、第2適応等化処理の繰り返し時の処理を行う。すなわち、既に述べた全ての処理を同様に行うことができる。
【0128】
また、複数のアンテナで送信された異なった直交周波数分割多重された信号を複数のアンテナに受信し、各送信信号を分離する受信方式においても、初回のみ従来型の受信方式を用い、繰り返し時に第1、第2適応等化処理により空間多重された信号のレプリカ減算、ICI、ISI成分の除去を行う。
実施例15:
本発明の性能を確認するために、計算機シミュレーションを行った。その条件を表2に列挙する。
【0129】
【表2】
Figure 0004189477
5GHz帯無線LAN方式のIEEE802.11aの仕様に基づいて、シミュレーションのパラメータを決定している。伝搬路モデルとしては、等電力5パスモデルを用い、最大ドップラー周波数は0Hzとした。各パスは0.5μs毎に遅延して到来するとし、最大遅延量は2.0μsとした。なお、ガードインターバル長、シンボル周期、遅延量は、サンプリング間隔で正規化した場合のポイント数も示した。同期検波を行うために、データシンボルの前にチャネル推定用シンボルが2シンボル挿入されている。ここでは、チャネル推定器が理想的に動作していると仮定する。
【0130】
本発明方式と従来の受信方式である同期検波の平均誤り率特性を図4に示す。なお、図中の発明方式は、図1に示した受信方式において、第2適応等化処理として近似形の線形処理、MAP検出、MAP復号を用い、フィードバック信号として1シンボルでMAP復号処理で導出したビット対数尤度比の期待値から計算される変調信号レプリカを用いた受信方式である。また、図中の回数は繰り返し処理の回数である。1回とは初回処理のみで、繰り返し処理を行わない場合である。
【0131】
図4に示されたように、変調方式がQPSKで、最大遅延量が40ptの場合には、従来方式は遅延波がガードインターバルを超えているので、符号間干渉が発生して特性が著しく劣化しているのに対して、本発明方式は符号間干渉を抑圧し、良好な受信特性を実現できているのが明らかである。その特性は従来方式において最大遅延量が16ptの場合、すなわち、遅延波がガードインターバル以内の特性とほぼ同じである。
【0132】
また、本発明方式に実施例5、実施例8に示した方法を適用した場合には、さらに特性が改善しているのが明らかである。実施例5は2シンボル一括処理を、実施例8は全シンボル、すなわち、フレーム単位でMAP復号した結果をフィードバックして、処理を繰り返す方法を適用した。さらに、変調方式が16QAMなどの多値変調においては本発明方式による改善効果は大きくなるのが確認できた。
【0133】
尚、本発明のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0134】
【発明の効果】
本発明によるOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式及び受信機によれば、線形処理のみでは抑圧できないキャリア間干渉を抑圧できる利点がある。また、受信機規模が従来と同程度にできると共に、信号伝送効率を低下させないという優れた効果を奏する。さらに、マルチパス伝搬路によって広がった信号電力をかき集めることができ、誤り訂正処理との連携により受信電力が低い場合にも良好に動作する利点がある。また、収束性の良い適応アルゴリズムを用いており、伝搬路の早い変動へも追従できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるOFDM受信方式の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明で使用するチャネル推定器を示す構成図である。
【図3】アダプティブアレーと図1記載の受信方式の縦続構成を示す図である。
【図4】本発明方式の平均誤り率特性を示す図である。
【図5】OFDM送信機の基本構成を示すブロック図である。
【図6】OFDM信号の基本構成を示す図である。
【図7】OFDM受信機の基本構成を示すブロック図である。
【図8】ISIとICIの様子を示す図である。

Claims (11)

  1. 単数または複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号から現時点以前の符号間干渉成分を取り除くため、信号検出処理の出力である受信ビットの対数尤度比を判定した信号、又はその判定した信号を誤り訂正復号し、再符号化した信号、又は誤り訂正復号処理により導出されたビットの対数尤度比を用いて計算できる変調信号レプリカのいずれかであるフィードバック信号を用いて現時点以前の符号間干渉のレプリカを生成し、受信信号から減算する第1適応等化処理と、
    現時点のキャリア間干渉又は現時点以降の符号間干渉成分を取り除くため、前記フィードバック信号を用いて現時点のキャリア間干渉を生成し、受信信号から減算するキャリア間干渉キャンセル処理と、その出力信号を最小平均2乗誤差規範で合成する線形処理との両方又は一方を行うターボ等化を用いる第2適応等化処理と、
    前記第1及び第2適応等化処理によって等化された信号から受信ビットの対数尤度比を計算する信号検出処理と、
    1シンボル区間、又は複数シンボル区間において前記信号検出処理の出力信号を誤り訂正復号し、ビットの対数尤度比を出力する誤り訂正復号処理と、
    前記第1及び第2適応等化処理で用いられるチャネル応答を推定するチャネル推定処理とから構成されることを特徴とするOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  2. 前記第2適応等化処理において、現時点のキャリア間干渉、又は現時点以降の符号間干渉が発生している受信信号に対する処理区間を、マルチパス伝搬路の遅延広がりに応じて適応的に変化させて、前記ターボ等化を行う請求項に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  3. 前記第2適応等化処理において、マルチパス伝搬路が動的に変化している場合にはその伝搬路の整合フィルタになるように前記ターボ等化における線形処理を行う請求項に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  4. 前記チャネル推定処理において、前記フィードバック信号を用いて時間領域における受信信号のレプリカを生成し、時間領域における受信信号との差の絶対値2乗値が最小になるようにチャネルの振幅と位相成分を最小2乗法で推定する請求項1に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  5. 前記第1及び第2適応等化処理、前記信号検出処理、前記誤り訂正復号処理、前記チャネル推定処理を前記フィードバック信号を用いて、1又は複数シンボル区間、及びフレームで繰り返して行うか、又は受信ビットの対数尤度比が小さい信号成分のみを対象として、或いはフレーム誤りが検出されたときのみ繰り返して行う請求項1に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  6. 現時点のシンボルにおいて、適応等化処理により時間領域の受信信号から現時点以前の符号間干渉成分を取り出し、線形処理した信号と現時点以前のシンボルにおいて適応等化処理によりキャリア間干渉から取り出した信号を合成する請求項1に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  7. 複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号を、ガードインターバルを超える遅延波成分も取り込むように各アンテナで線形合成し、その合成信号に対して請求項1に記載の受信方式を用いて等化することを特徴とするOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  8. 複数のアンテナで送信された異なった直交周波数分割多重された信号を複数のアンテナに受信し、各受信信号に発生する現時点以前の符号間干渉成分を取り除く前記第1適応等化処理と、各受信信号に発生する現時点のキャリア間干渉成分と現時点以降の符号間干渉成分と他の送信アンテナからの信号を取り除くキャリア間干渉キャンセル処理と、その出力信号を最小平均2乗誤差規範で合成する線形処理との両方又は一方を行う前記第2適応等化処理とを有する請求項1に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  9. 前記チャネル推定処理において、チャネルの振幅と位相成分の推定パラメータ数を余分に用意し、その推定結果からタイミング誤りを補償する請求項1に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  10. 初回は前記チャネル推定処理により推定されたチャネル応答を用いて、復調処理及び前記信号検出処理、誤り訂正復号処理を行い、繰り返し処理時のみに前記第1適応等化処理と前記第2適応等化処理を行う請求項1に記載のOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信方式。
  11. 単数または複数のアンテナに受信された直交周波数分割多重された信号から、現時点以前の符号間干渉成分を取り除くため、信号検出処理の出力である受信ビットの対数尤度比を判定した信号、又はその判定した信号を誤り訂正復号し、再符号化した信号、又は誤り訂正復号処理により導出されたビットの対数尤度比を用いて計算できる変調信号レプリカのいずれかであるフィードバック信号を用いて現時点以前の符号間干渉のレプリカを生成し、受信信号から減算する第1適応等化器と、
    現時点のキャリア間干渉又は現時点以降の符号間干渉成分を取り除くため、前記フィードバック信号を用いて現時点のキャリア間干渉を生成し、受信信号から減算するキャリア間干渉キャンセル処理と、その出力信号を最小平均2乗誤差規範で合成する線形処理との両方又は一方を行うターボ等化を用いる第2適応等化器と、
    前記第1及び第2適応等化器によって等化された信号から受信ビットの対数尤度比を計算する信号検出器と、
    1シンボル区間、又は複数シンボル区間において前記信号検出処理の出力信号を誤り訂正復号し、ビットの対数尤度比を出力する復号器と、
    前記第1及び第2適応等化器で用いられるチャネル応答を推定するチャネル推定器とから構成されることを特徴とするOFDM(直交周波数分割多重)適応等化受信機。
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