JP3715282B2 - Ofdm受信装置及びofdm信号の補正方法 - Google Patents

Ofdm受信装置及びofdm信号の補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はOFDM受信装置及びOFDM信号の補正方法に関し、例えば送信時にピーククリップ処理が施されたOFDM信号の歪みを補正する場合に適用し得る。
【0002】
【従来の技術】
近年、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が高速通信を実現できる方式として注目を集めている。OFDM方式は多数のサブキャリアを互いに直交するように配置して伝送するマルチキャリア伝送方式の一種である。OFDM方式は、多数のサブキャリアを効率良く扱えることからシンボル長を長く取ることができ、遅延波や同期ずれの影響に対して強い。このため、OFDM方式や、OFDM方式にCDMA(Code Division Multiple Access)方式を組み合わせたOFDM−CDMA方式が、将来の高速伝送方式として利用される可能性が高いと考えられる。
【0003】
ところが、OFDM方式やOFDM−CDMA方式では多数のサブキャリアを使用するために、ピーク電力が大きくなる問題がある。これを、図24を用いて簡単に説明する。図24はOFDM被変調波のスペクトルを複素ベクトル座標上で概念的に示したものであり、N個(図ではN=4)のサブキャリアが等間隔に配列されて、各サブキャリアの電力が等しい場合の例である。
【0004】
OFDM被変調波の各サブキャリアは、例えばQAM信号の位相及び振幅によって変調を受けたものである。図24(a)はOFDM被変調波の4つのサブキャリア1〜4の位相が90度間隔になった場合を示している。なお、各サブキャリアの周波数は相互に異なるので、実際にはサブキャリアは相互に異なる角周波数で回転しており、図24(a)は所定の時間において観測したものである。この場合には、各サブキャリア1〜4は打消し合い、サブキャリア1〜4の合成ベクトルはキャンセルされて振幅0となる。
【0005】
一方、図24(b)は4つのサブキャリア1〜4が全て同位相に揃った場合を示している。この場合には、各サブキャリア1〜4の合成ベクトルは、同一位相で加算されたものとなり、合成ベクトル振幅は1つのサブキャリアの4倍となる。このように、送信するデータによっては、OFDM被変調波のサブキャリアの位相が一致し、OFDM被変調波に大振幅のピークが生じることになる。
【0006】
このような大振幅のピーク電力はパワーアンプに影響を与えることになる。例えば大振幅のピーク電力を許容できるようなパワーアンプを実現しようとすると、パワーアンプの構成が複雑になりかつ消費電力も増大することになる。またA/D変換回路等の回路構成の複雑化にもつながる。さらに大振幅のピーク電力をそのまま増幅して送信すると、他の信号の妨害になるといった本質的な問題もある。
【0007】
従来、これを解決するために種々の方法が提案されている。その中の最も実用的な方法として、ピークをクリップするといった方法がある。ピーククリップ処理を用いたOFDM送受信系の構成を図25に示す。送信装置10において、送信データはシンボルマッパ11によって、各搬送波を変調するための複素シンボル列に変換される。シンボルマッパ11は複数ビットのデータを対応する複素シンボルに変換するためのものであり、シンボルの変調方式に応じた構成となっている。
【0008】
生成された複素シンボル列はシリアルパラレル変換部(S/P)12に蓄積される。蓄積されたN個のシンボルは逆高速フーリエ変換部(IFFT)13によって変換され、OFDMシンボルの標本値が生成される。得られた標本値はパラレルシリアル変換部(P/S)14によって時系列の信号に変換され、複素ベースバンドOFDM信号が生成される。次にピーククリップ部15において、データの瞬時パワーがある閾値を超えた場合には、それをクリップする。次に送信装置10は、直交変調部16によって、ピーククリップ後の複素ベースバンド信号の実部に対して搬送波を掛け合わせ、搬送帯域のOFDM信号を形成する。形成されたOFDM信号はパワーアンプ17で増幅された後、アンテナ18から放射される。
【0009】
受信装置20では、アンテナ21で受信した受信信号をアンプ22で増幅した後に直交検波部23に入力する。直交検波部23により検波処理が施された信号はサンプリング部24においてサンプリングされ、複素信号列が生成される。生成された複素信号列は、シリアルパラレル変換部(S/P)25によりNサンプル分蓄積される。高速フーリエ変換部(FFT)26は蓄積されたN個の標本に対して高速フーリエ変換処理を施すことにより、各搬送波を変調した複素シンボル列を出力する。各搬送波毎の複素シンボルは復調部(DEM)27により復調され、続く復号部(DEC)28により硬判定されることにより、データビットとされる。そして各搬送波毎のデータビットがパラレルシリアル変換部(P/S)29により直列の受信データとされて出力される。
【0010】
【特許文献1】
特許第3130716号公報
【特許文献2】
特開2000−216749号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように送信側で送信信号に対してピーククリップ処理を施すと、当然ピーククリップされた信号は歪んだ信号となるため、受信側で得られる信号の品質が劣化することになる。
【0012】
図26に、送信側においてピーククリップ処理が施された場合の送信波形の一例を示す。図26において、実線はピーククリップ前のOFDM信号(16サンプルの例)を示し、振幅が閾値7を越えた場合にピーククリップ処理を行った例である。この例の場合には、2番目、5番目、10番目のサンプルが閾値を越えているので、それらの振幅値が7となるようにクリップされる。そうすると、実部及び虚部のデータは各々下の図のようになり、受信側では実線で示される実際のデータとは異なる点線で示されるデータが受信される。このため、実線と点線の差が歪みとなり受信品質が劣化することになる。
【0013】
ここでは、一例として送信側でピーククリップ処理が施されたOFDM信号の受信品質が劣化する場合について説明したが、OFDM方式の通信では、多数のデータを1つのOFDMシンボルにより伝送するようになっているため、一般に、一旦OFDM信号にノイズが重畳されるとそのノイズを的確に除去することが困難な問題がある。
【0014】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、例えばピーククリップ処理等に起因した歪みのあるOFDM信号を受信した場合でも、この歪み等を良好に補正して品質の良い受信信号を得ることができるOFDM受信装置及びOFDM信号の補正方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、以下の構成を採る。
【0016】
本発明のOFDM受信装置は、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタと、当該FIRフィルタの出力をシリアルパラレル変換することにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を形成するシリアルパラレル変換部と、を備えるフーリエ変換処理手段と、フーリエ変換処理手段により得られた各サブキャリアのサンプリング信号から受信ディジタル信号を得るディジタル信号形成手段と、ディジタル信号形成手段により得られた受信ディジタル信号から各サブキャリアのサンプリング信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、フーリエ変換処理手段により得られたフーリエ変換処理後の信号とレプリカ信号との間の対応するサブキャリアの信号同士の誤差値を算出する誤差算出手段と、誤差値に応じて、FIRフィルタの可変ゲインとして用いられるサンプリング信号の値を適応的に補正することにより、誤差値を小さくする適応アルゴリズム処理を行う補正手段と、を具備する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、フーリエ変換処理手段に、受信OFDM信号からサンプリングされたサンプリング信号を各サブキャリアに重畳された信号に変換するといった本来のフーリエ変換処理の機能をもたせることができると共に、レプリカ信号とフーリエ変換後の信号の誤差値として現れるピーククリップ処理等による歪みやノイズ成分を除去するフィルタとしての機能をもたせることができる。そして補正手段による適応アルゴリズム処理により、フーリエ変換処理手段のFIRフィルタの可変ゲイン(受信OFDM信号からサンプリングされたサンプリング信号)を適応的に補正することにより、受信OFDM信号に含まれる歪みやノイズを有効に除去することができる。
【0018】
本発明のOFDM受信装置は、サンプリング信号の中から、補正対象のサンプリング信号と補正対象でないサンプリング信号をそれぞれ選択する選択手段を、さらに具備し、フーリエ変換処理手段は、補正対象のサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第1のフーリエ変換処理手段と、補正対象でないサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第2のフーリエ変換処理手段と、第1及び第2のフーリエ変換処理手段により形成された各サブキャリアの信号を対応するサブキャリアの信号同士で加算する加算手段と、を具備し、第1のフーリエ変換処理手段を、補正対象のサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタと、当該FIRフィルタの出力をシリアルパラレル変換することにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を形成するシリアルパラレル変換部と、を備える構成とする。
【0019】
この構成によれば、フーリエ変換処理手段を第1及び第2のフーリエ変換処理手段に分け、そのうち補正対象のサンプリング信号をフーリエ変換処理する第1のフーリエ変換処理手段をFIRフィルタを備える構成とし、補正対象のサンプリング信号に対してのみ適応アルゴリズム処理を用いた適応フィルタリングを行うようにしたことにより、実際に歪みやノイズが重畳されているサンプリング信号のみを補正できるので、適応アルゴリズムによる演算処理量を少なくできる。この結果、歪みやノイズ成分を一段と短時間かつ効率的に除去することができるようになる。
【0020】
本発明のOFDM受信装置は、サンプリング信号の中から、送信側でピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号をそれぞれ選択する選択手段を、さらに具備し、フーリエ変換処理手段は、ピーククリップされたサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第1のフーリエ変換処理手段と、ピーククリップされなかったサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第2のフーリエ変換処理手段と、第1及び第2のフーリエ変換処理手段により形成された各サブキャリアの信号を対応するサブキャリアの信号同士で加算する加算手段と、を具備し、第1のフーリエ変換処理手段を、ピーククリップされたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタと、当該FIRフィルタの出力をシリアルパラレル変換することにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を形成するシリアルパラレル変換部と、を備える構成とする。
【0021】
この構成によれば、フーリエ変換処理手段を第1及び第2のフーリエ変換処理手段に分け、そのうちピーククリップされたサンプリング信号をフーリエ変換処理する第1のフーリエ変換処理手段をFIRフィルタを備える構成とし、ピーククリップされたサンプリング信号に対してのみ適応アルゴリズム処理を用いた適応フィルタリングを行うようにしたことにより、実際にピークリップによる歪み成分が重畳されているサンプリング信号のみを補正できるので、適応アルゴリズムによる演算処理量を少なくできる。この結果、ピーククリップに起因する歪み成分を一段と短時間かつ効率的に除去することができるようになる。
【0022】
本発明のOFDM受信装置は、選択手段は、各サンプリング信号を所定の閾値と比較し、閾値以上のサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号として選択する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、比較的容易にピーククリップされたサンプリング信号を選択することができる。
【0024】
本発明のOFDM受信装置は、選択手段は、サンプリング信号に対してフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理手段と、フーリエ変換処理後のデータを仮判定する仮判定手段と、当該仮判定手段により得られた仮判定データに対して逆フーリエ変換処理を施すことにより送信波系を再生する逆フーリエ変換処理手段と、再生波形中で所定の閾値以上のサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号として選択する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、一旦仮判定した仮判定データから送信波系を再生し、再生した送信波形のサンプリング信号に基づいてピーククリップされたサンプリング信号を推定して選択するので、精度良くピーククリップされたサンプリング信号を選択することができるようになる。
【0026】
本発明のOFDM受信装置は、前記閾値を、送信側でピーククリップのために用いた閾値よりも小さい値に設定する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、ピーククリップされたサンプリング信号を逃さずに選択できるようになる。
【0028】
本発明のOFDM受信装置は、補正手段が、サンプリング信号の値を適応アルゴリズムに従って適応的に補正するにあたって、当該サンプリング信号の位相成分は補正せずに振幅成分のみを補正する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、送信側でのピーククリップ処理に起因して受信信号に実際に誤差(歪み)が生じるのはサンプリング信号の振幅成分のみなので、振幅成分のみを補正することで、少ない適応アルゴリズムの演算回数でピーククリップによる歪みのみを有効に除去できるようになる。
【0030】
本発明のOFDM受信装置は、補正手段が、補正前のサンプリング信号の実部をA、虚部をBとして複素数A+jBで表しかつ当該複素数の位相をaとすると共に、このサンプリング信号を補正するための修正ベクトルの実部をC、虚部をBとして複素数C+jDで表しかつ当該複素数の位相をcとしたとき、補正後のサンプリング信号の実部I、虚部Qを次式により求める構成を採る。
【0031】
I=A+sqrt(C2+D2)×cos(c−a)×cos(a)
Q=B+sqrt(C2+D2)×cos(c−a)×sin(a)
但し、sqrt( )は、( )の平方根を示す。
【0032】
この構成によれば、修正ベクトルにおけるサンプリング信号の振幅方向の成分F=sqrt(C2+D2)×cos(c−a)に基づいて、補正後のサンプリング信号の実部I、虚部Qを求めるようにしたので、適応アルゴリズムにおいて、振幅成分のみを補正するといった拘束条件をつけた演算を良好に行うことができるようになる。
【0033】
本発明のOFDM受信装置は、補正手段が、補正前のサンプリング信号の実部をA、虚部をBとして複素数A+jBで表しかつ当該複素数の位相をaとすると共に、このサンプリング信号を補正するための修正ベクトルの実部をC、虚部をBとして複素数C+jDで表しかつ当該複素数の位相をcとしたとき、補正後のサンプリング信号の実部I、虚部Qを次式により求める構成を採る。
【0034】
I=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×cos(a)
Q=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×sin(a)
但し、sqrt( )は、( )の平方根を示す。
【0035】
この構成によれば、サンプリング信号のベクトルを修正ベクトルで修正した後の修正後のベクトルの長さsqrt((A+C)2+(B+D)2)に基づき、補正後のサンプリング信号の実部I、虚部Qを求めるようにしたので、適応アルゴリズムにおいて、振幅成分のみを補正するといった拘束条件をつけた演算を良好に行うことができるようになる。
【0036】
本発明のOFDM受信装置は、補正手段が、サンプリング信号の値を適応アルゴリズムに従って適応的に補正するにあたって、サンプリング信号の振幅成分のみを補正した後、サンプリングの位相成分を補正する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、ピーククリップに起因する振幅方向の歪みによる誤差に加えて、位相方向にも変動が存在する場合に、この位相方向の変動も有効に補正することができるようになる。具体的には、先ずサンプリング信号の振幅成分のみを補正すると、伝搬路変動によって生じた位相誤差はそのまま残るので、振幅が大きくなる分誤差の絶対値が増大する。そこで次にその誤差を修正するために位相方向の補正を行うことにより、振幅を大きくすることで増大する位相方向の変動成分を有効に補正できるようになる。
【0038】
本発明のOFDM受信装置は、受信OFDMのマルチパスに起因する変動を補償するパス補償手段をさらに具備し、フーリエ変換処理手段は、当該パス補償手段により補償したサンプリング信号をFIRフィルタの可変ゲインとする構成を採る。
【0039】
この構成によれば、マルチパス環境下での補正精度を向上させることができるようになる。
【0040】
本発明のOFDM受信装置は、パス補償手段は、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を施すことにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を抽出するフーリエ変換処理手段と、各サブキャリアのサンプリング信号に対して周波数軸等化処理を施す周波数軸等化手段と、周波数軸等化処理が施された各サブキャリアのサンプリング信号に対して逆フーリエ変換処理を施す逆フーリエ変換処理手段とを具備し、逆フーリエ変換処理後のサンプリング信号をFIRフィルタの可変ゲインとして出力する構成を採る。
【0041】
この構成によれば、周波数軸等化により各サブキャリア毎にマルチパスによる振幅や位相の変動が除去されて1パスの信号が形成され、この1パスの信号に対してフーリエ変換処理手段、ディジタル信号形成手段、レプリカ信号生成手段、誤差算出手段及び補正手段による補正処理が行われるので、マルチパス環境下での補正精度を良好に向上させることができるようになる。
【0042】
本発明のOFDM受信装置は、受信OFDM信号からマルチパスに起因する各サブキャリアの信号の変動を検出する変動検出手段と、当該検出結果に基づいて補正するサブキャリアの信号を選択する選択手段と、をさらに具備する構成を採る。
【0043】
この構成によれば、全てのサブキャリアの信号を補正対象とする場合と比較して、例えば実際に補正対象としてふさわしいサブキャリアの信号のみを補正対象として選択することができ、一段と補正精度を向上させることができるようになる。
【0044】
本発明のOFDM受信装置は、変動検出手段は、各サブキャリアの受信パワーを検出し、選択手段は、受信パワーの大きい方から所定数のサブキャリアの信号のみを選択する構成を採る。
【0045】
本発明のOFDM受信装置は、変動検出手段は、各サブキャリアの受信SN比を検出し、選択手段は、受信SN比の大きい方から所定数のサブキャリアの信号のみを選択する構成を採る。
【0046】
これらの構成によれば、マルチパスによって落ち込んでいるサブキャリアをあえて使用しないで補正ができるので、一段と補正精度を向上させることができるようになる。
【0047】
本発明のOFDM信号の補正方法は、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力としたFIRフィルタ演算を行うことにより、受信OFDM信号に対してフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理ステップと、フーリエ変換処理ステップにより得られた各サブキャリアに対応するサンプリング信号から受信ディジタル信号を得るディジタル信号形成ステップと、ディジタル信号形成ステップにより得られた受信ディジタル信号から各サブキャリアのサンプリング信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成ステップと、フーリエ変換処理ステップにより得られたフーリエ変換処理後の信号とレプリカ信号との間の対応するサブキャリアの信号同士の誤差値を算出する誤差算出ステップと、誤差値に応じて、FIRフィルタ演算の可変ゲインとして用いられる受信OFDM信号のサンプリング信号の値を適応的に補正することにより、誤差値を小さくする適応アルゴリズム処理ステップと、を含むようにする。
【0048】
この方法によれば、フーリエ変換処理ステップにおいて、受信OFDM信号からサンプリングされたサンプリング信号を各サブキャリアに重畳された信号に変換するといった本来のフーリエ変換処理を行うことができると共に、レプリカ信号とフーリエ変換後の信号の誤差値として現れる歪みやノイズ成分を除去するフィルタとしての機能をもたせることができる。そして適応アルゴリズム処理ステップにおいて、フーリエ変換処理ステップで用いる可変ゲイン(受信OFDM信号からサンプリングされたサンプリング信号)を適応的に補正することで、歪みやノイズ成分を有効に除去することができる。
【0049】
本発明のOFDM信号の補正方法は、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号の中から、補正対象のサンプリング信号と補正対象でないサンプリング信号をそれぞれ選択する選択ステップを、さらに含み、フーリエ変換処理ステップでは、補正対象とされたサンプリング信号に対して当該サンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力としたFIRフィルタ演算を行う一方、補正対象でないサンプリング信号に対しては当該サンプリング信号の値を0としたフーリエ変換処理を行い、FIRフィルタ演算後の信号とフーリエ変換処理後の信号とを加算して出力する。
【0050】
この方法によれば、補正対象のサンプリング信号に対してのみ適応アルゴリズム処理を用いた適応フィルタリングを行うことができ、実際に歪みやノイズ成分が重畳されているサンプリング信号のみを補正できるので、適応アルゴリズムによる演算処理量を少なくできる。この結果、歪みやノイズ成分を一段と短時間かつ効率的に除去することができるようになる。
【0051】
本発明のOFDM信号の補正方法は、受信OFDMのマルチパスに起因する変動を補償するパス補償ステップをさらに含み、フーリエ変換処理ステップでは、当該パス補償ステップにより補償したサンプリング信号を前記FIRフィルタ演算の可変ゲインとするようにする。
【0052】
この方法によれば、マルチパス環境下での補正精度を向上させることができるようになる。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、フーリエ変換処理回路を、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタ構成とし、補正対象であるサンプリング信号をFIRフィルタの可変ゲインとして選択し、当該サンプリング信号の値を適応アルゴリズムにより歪みやノイズ成分が小さくなるように最適値に収束させるようにしたことである。
【0054】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0055】
(実施の形態1)
先ず、本実施の形態の構成を説明する前に、図1を用いて、OFDM信号を復調及び復号する際の一般的な流れを説明する。ここで図1のFFT100に入力されるサンプリング信号r(i,j)は、上述した図25のシリアルパラレル変換部(S/P)25から出力される受信OFDM信号のサンプリング信号とする。
【0056】
図1において、r(i,j)はi番目のOFDMシンボルにおけるjサンプル目の受信信号を示し、s(i,k)はi番目のOFDMシンボルにおけるFFT後のk番目のサブキャリアの信号を示し、d(i,k)はi番目のOFDMシンボルにおけるk番目のサブキャリアの同期検波後の信号を示し、f(i,k)はi番目のOFDMシンボルにおけるk番目のサブキャリアの信号の硬判定値を示す。
【0057】
すなわち、まずFFT100により受信信号r(i,j)に対してFFT処理を施すことで時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。復調部(DEM)101は各サブキャリアの信号s(i,k)に対して同期検波(又は遅延検波)を行なうことにより同期検波後の信号d(i,k)を得る。復号部(DEC)102は同期検波後の信号d(i,k)を硬判定することで、受信データf(i,k)を得る。
【0058】
次に、この実施の形態の原理について説明する。この実施の形態では、ピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号をフーリエ変換するFFT処理部を別々に設けるようにする。具体的には、図2に示すように、ピーククリップされたサンプリング信号r(i,0)、r(i,1)、r(i,4)とピーククリップされなかったサンプリング信号r(i,2)、r(i,3)、r(i,5)、r(i,6)、r(i,7)を別々のFFT200及びFFT201により、それぞれ相手側のサンプリング信号を0としてFFT処理を施した後、フーリエ変換後の対応するサブキャリアの同士の信号を複数の加算器202で加算する。
【0059】
ここで、図中、t(i,k)はi番目のOFDMシンボルのうちピーククリップされたサンプリング信号からのみ求めたk番目のサブキャリアの信号を示し、u(i,k)はi番目のOFDMシンボルのうちピーククリップされなかったサンプリング信号からのみ求めたk番目のサブキャリアの信号を示す。ここでv(i,k)を、i番目のOFDMシンボルにおいて、t(i,k)とu(i,k)を周波数成分毎に加えたk番目のサブキャリアの信号とすると、線形演算であるためv(i,k)=s(i,k)である。
【0060】
つまり、図2のように、OFDM信号をピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号とに分けて、それぞれ別々にフーリエ変換処理を行い、フーリエ変換後の対応するサブキャリアの同士の信号を加算した場合でも、図1のようにOFDM信号を単純にそのままフーリエ変換処理した場合と同様の処理結果を得ることができる。
【0061】
図2のピーククリップされたサンプリング信号の方のFFT200に着目すると、FFT200の処理は、FFTの既知の係数w(j,k)を用いて、次式のように表すことができる。
【0062】
【数1】
Figure 0003715282
(1)式は、図3に示すような回路構成により実現できる。つまり、図2のピーククリップされたサンプリング信号をフーリエ変換処理するFFT200の具体的な処理は、図3に示すような回路により実現できる。
【0063】
さらに、図3の回路は、図4に示すようなFIRフィルタ400と等価である。すなわちFFT200は、FFT200の既知の係数w(j,k)を入力とする可変ゲインr(i,j)によるFIRフィルタ400とみなすことができる。
【0064】
具体的には、既知の係数w(j,k)の値を順次変更して乗算器402に入力させるとともに遅延素子401を介して乗算器403に入力させ、乗算器402、403により、ピーククリップされたサンプル信号を可変ゲインとして乗算する。乗算後の信号は加算器404で加算された後、スイッチ405を介して出力される。因みに、この実施の形態の場合には、サブキャリア数が8の場合を想定しているので、図中のmは0〜15の値をとるようにしている。またスイッチ405はmが奇数のときのみ、加算出力をそのまま出力するようになっている。
【0065】
このように本発明の発明者は、FFT処理はFFTの既知の係数を入力とし、サンプル信号を可変ゲインとするFIRフィルタにより実現できることを見出した。ここでピーククリップされなかった信号には雑音以外の歪は含まれていないので、もしピーククリップされた信号の時間波形を歪みがない波形に変更することができれば、ピーククリップ等による歪みのないOFDM信号を得ることができる。これは、図4のFIRフィルタ400の可変ゲインr(i,1)、r(i,0)を最適値に収束させることと等価である。そこで、可変ゲイン(つまりピーククリップされたサンプリング信号)を適応アルゴリズムを用いながら順次補正して最適値に収束させることを考えた。
【0066】
図5に、本実施の形態のOFDM受信装置におけるOFDM信号補正部の構成を示す。ここで選択部501には、図25のシリアルパラレル変換部(S/P)25から出力されたサンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)が入力される。選択部501は、補正対象とするサンプリング信号と補正対象としないサンプリング信号を選択する選択手段としてのタップ選択部502からの選択信号に基づいて、サンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)のうち、送信側でピーククリップされたサンプリング信号をFIRフィルタ503に送出し、ピーククリップされなかったサンプリング信号をFFT505に送出する。
【0067】
つまり、タップ選択部502は、入力されたサンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)のうち、どのサンプリング信号がピーククリップされたサンプリング信号かを検出するために設けられている。この実施の形態の場合、タップ選択部502は、ピーククリップされたサンプリング信号の位置を推定するにあたって、各サンプリング信号において、平均電力との比を取り、この比がある閾値以上となったサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号と見なすようになっている。
【0068】
図6を参照してさらに詳しく説明する。図6において、点線は送信信号の波形を示し、実線は受信信号の波形を示す。受信波形は伝搬時の変動が加わるので送信波形とは若干異なるものとなっている。一点鎖線は、送信時のピーククリップ処理に用いられた閾値(=7)を示し、二点差線はタップ選択部においてピーククリップされたサンプリング信号を推定するための閾値(=6.5)を示す。
【0069】
ここでもしも伝搬路変動がなければ、送信側で設定された閾値(=7)とほぼ同じ振幅で受信されたサンプルは、クリップされた可能性が高い。この実施の形態では、送信側の閾値×α(αは1より小さい正の数)を受信側の閾値として設定し、この閾値を超えたサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号と見なすようになされている。
【0070】
このようにタップ選択部502では、送信側のピーククリップの閾値よりも小さい閾値を設定してピーククリップされたサンプリング信号を推定するようにしたことにより、ピーククリップされたサンプリング信号を見逃すことなく選択できるようになる。図6の例では、サンプル番号が4、5、6、10、13番のサンプリング信号がピーククリップされたサンプリング信号として選択されるようになる。このうちサンプリング番号が6、13番のサンプリング信号は実際にはピーククリップされていないサンプリング信号であるが、このサンプリング信号をFIRフィルタ503に送出してしまったとしても動作上問題はない。換言すれば、ピーククリップされたサンプリング信号を見逃して、FFT505に入力させるよりも、受信品質改善の点で有利である。
【0071】
図5に戻って、OFDM信号補正部の構成についての説明を続ける。FIRフィルタ503には、固定入力としてFFTの既知の係数が順次入力されるとともに、タップ係数初期値としてピーククリップされたと推定されたサンプリング信号が入力される。FIRフィルタ503の出力信号t(i,k)はシリアルパラレル変換部(S/P変換)504を介して加算器506に送出される。
【0072】
一方、ピーククリップされなかったと推定されたサンプリング信号はFFT505によりFFT処理が施された後、加算器506に送出される。加算器506により得られた各サブキャリアにおけるFFT後の信号v(i,k)は、ディジタル信号形成手段としての復調部(DEM)507及び復号部(DEC)508に順次入力され、復調部(DEM)507による同期検波処理(又は遅延検波)、復号部(DEC)508による硬判定処理が順次施されることにより、硬判定値f(i,k)、つまり受信ディジタル信号が形成される。
【0073】
かかる構成に加えて、OFDM信号補正部にはレプリカ生成部509が設けられている。レプリカ生成部509は硬判定値f(i,k)に各サブキャリア毎に回線の振幅と位相を乗じる(つまり復調部(DEM)507と逆の処理を施す)ことで、各サブキャリアにおけるFFT後の信号v(i,k)に対するレプリカ信号x(i,k)を生成する。この回線の振幅と位相の情報は、単純にパイロット信号の振幅値と位相回転量に基づいて得るようにしても良く、またインパルス応答を検出して得るようにしても良い。
【0074】
減算器510では、FFT後の信号v(i,k)とレプリカ信号x(i,k)との差分値が得られ、この差分値がFFT後の信号v(i,k)とレプリカ信号x(i,k)の誤差e(i,k)として適応アルゴリズム部511に送出される。
【0075】
適応アルゴリズム部511はLMS(Least Mean Square)やRLS(Recursive Least Squares)やGA(Generic Algorithm)などにより構成されており、誤差e(i,k)が小さくなるように、FIRフィルタ503での可変ゲインとして用いられるピーククリップされたサンプリング信号r(i,j)を修正することを指示する信号をFIRフィルタ503に送出する。
【0076】
次に、OFDM信号補正部の動作について説明する。ここで、もし硬判定値f(i,k)が正しければ、レプリカ生成部509によりv(i,k)から歪み等の変動を除いた波形が再現されたことになる。この結果、もし硬判定値f(i,k)が正しければ、誤差e(i,k)を最小にするようにピーククリップされたサンプリング信号r(i,j)(但しjはタップ選択部502により選択されたサンプリング番号である)を収束させれば、ピーククリップによる歪が修正された復調信号v(i,k)が求まるはずである。たとえ硬判定値f(i,k)に誤りが混じっていても、その誤り率がある程度小さければDFE(Decision Feedback Equalizer)等化器と同じようにパラメータをうまく選べば適応アルゴリズムによって収束が可能である。
【0077】
この実施の形態では、OFDM信号補正部は、図7に示すような受信処理を行うことにより、受信OFDM信号に含まれるピーククリップによる歪み成分を有効に除去する。適応アルゴリズムは何回か繰り返すことで収束するので、図7では図5における各信号の記述を繰り返し数mを含めて書きなおす。また図7と図5の変数は大文字と小文字の関係で対応していて、例えば図7のV(i,k,m)は図5のv(i,k)のm回目の繰り返し時の値である。m回目の繰り返しにおける誤差をE(i,k,m)とし、それを用いて更新したピーククリップされたサンプリング番号jの受信信号をR(i,j,k,m)とする。
【0078】
OFDM信号補正部は、ステップS0でi番目のOFDMシンボルについての受信処理を開始すると、ステップS1で、図示しない回線推定部によって、復調部507での検波とレプリカ生成部509でのレプリカ信号x(i,k)を生成するためのサブキャリア毎の回線を推定する。続くステップS2では、FFT505がピーククリップされていないサンプリング信号をフーリエ変換処理することにより、ピーククリップされていないサンプリング信号のみから各サブキャリアの信号U(i,p)を形成する。ステップS3では、OFDM信号補正部の繰り返しカウンタ(例えばOFDM信号補正部が搭載されたOFDM受信装置の制御部に設けるようにする)のカウント値mをリセットし、続くステップS4ではサブキャリア番号kをリセットする。ここではサブキャリア数8の例を示すので、kは0から7の値をとる。
【0079】
ステップS5では、FIRフィルタ503がFFTの既知の係数を入力とし、ピーククリップされたサンプル信号を可変ゲインとした演算を行うことにより、ピーククリップされたサンプリング信号のみから各サブキャリアの信号T(i,q,m)を順次形成する。ステップS6では、FIRフィルタ503により順次得られた各サブキャリアの信号T(i,q,m)をシリアルパラレル変換部504によりシリアルパラレル変換する。
【0080】
ステップS7では、加算器506により、ステップS5及びS6で得たピーククリップされたサンプリング信号のサブキャリアごとの信号T(i,k,m)とステップS2で得たピーククリップされなかったサンプリング信号のサブキャリアごとの信号U(i,k)とを対応するサブキャリア同士で加算することにより加算信号V(i,k,m)を得る。
【0081】
ステップS8では復調部507により検波を行うことにより復調信号D(i,k,m)を得、続くステップS9では復号部508により硬判定を行うことにより硬判定値F(i,k,m)を得る。
【0082】
ステップS10では、今回適応アルゴリズムの処理対象となるサブキャリア番号が8(サブキャリア数)未満か否か判断し、8未満の場合にはステップS11に移ってサブキャリア番号kをインクリメントする。そしてステップS14においてレプリカ生成部509によってk番目のサブキャリアのレプリカ信号x(i,k,m)を生成し、ステップS15において減算器510によりk番目のサブキャリアのレプリカ信号X(i,k,m)と加算信号V(i,k,m)との差を求めることにより、誤差値E(i,k,m)を求める。
【0083】
ステップS16では、適応アルゴリズム部511が誤差値E(i,k,m)を小さくするようにFIRフィルタ503の可変ゲイン(すなわちピーククリップされたサンプリング信号)R(i,j,m)を修正し、これをFIRフィルタ503に送出する。ステップS16の処理の後、ステップS5に戻って、FIRフィルタ503が修正された可変ゲインR(i,j,m)を用いた演算を実行する。
【0084】
このようにOFDM信号補正部は、サブキャリア番号が8になるまで、ステップS5−S6−S7−S8−S9−S10−S11−S14−S15−S16−S5の処理ループを繰り返す。これにより、サブキャリア番号kが増加するに従って誤差値E(i,k,m)を小さくすることができ、サブキャリア番号kが大きいほど歪み成分が除去され、ステップS9で誤り率の小さい硬判定値F(i,k,m)を出力することができるようになる。
【0085】
やがて、8個のサブキャリアの処理が終了すると、ステップS10で否定結果が得られ、ステップS12に移ってサブキャリア番号kを0に戻すとともに繰り返しカウント値mをインクリメントする。続くステップS13では、繰り返しカウント値mが設定された最大値Mmax未満か否か判断し、Mmax未満の場合にはステップS14に移る。そして上述したのと同様にサブキャリア番号が8になるまで、ステップS5−S6−S7−S8−S9−S10−S11−S14−S15−S16−S5の処理ループを繰り返す。やがて、繰り返し回数がMmaxになるとステップS17に移ってi番目のOFDM信号の受信処理を終了する。
【0086】
このようにOFDM信号補正部は、繰り返し回数mとサブキャリア番号kによる2重ループを組んで、逐次、可変ゲインR(i,j,k,m)を収束させて行く。こうすることで、誤差E(i,k,m)は徐々に小さくなってゆき、それに伴って硬判定値F(i,k,m)の誤り数が減少してゆき、更に誤差E(i,k,m)を小さくして行くことができる。この結果、ピーククリップによる歪み成分が含まれた受信信号を歪みのない波形に近づけることができる。
【0087】
またOFDM信号補正部においては、ピーククリップされたサンプリング信号のみ修正するので、ピーククリップされなかったサンプリング信号はR(i,j,k,m)=R(i,j,k,0)のまま不変とすることができる。この結果、ピーククリップされたサンプリング信号のみを修正して歪み成分を除去することができるので、適応アルゴリズム部511での演算処理量を少なくでき、ピーククリップによる歪み成分を短時間かつ効率的に除去することができるようになる。
【0088】
このように、本実施の形態によれば、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号とに分け、ピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号とを別々にフーリエ変換処理するようにし、かつ適応アルゴリズムを用いて、復号後の信号から生成したレプリカ信号x(i,k)と復調前の信号v(i,k)との誤差を収束させるようにピーククリップされたサンプリング信号を修正するようにしたことにより、ピーククリップによる歪み成分を有効に除去できるようになる。
【0089】
なおこの実施の形態では、ピーククリップされたサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第1のフーリエ変換処理手段としてFIRフィルタ503及びシリアルパラレル変換部504を設け、ピーククリップされなかったサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第2のフーリエ変換処理手段としてFFT505を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号を一括してFIRフィルタの可変ゲインとして入力して、当該FIRフィルタの可変ゲインを適応アルゴリズムにより修正するようにしても良い。
【0090】
このようにすれば、フーリエ変換処理手段に、サンプリングされた受信信号を複数サブキャリアの信号に分割するといった本来のフーリエ変換処理の機能をもたせることができるとともに、レプリカ信号とフーリエ変換後の信号との誤差値として現れる歪み成分(硬判定誤差成分)を除去するフィルタとしての機能をもたせることができる。
【0091】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、ピーククリップされたサンプリング信号を推定するにあたって、受信OFDM信号からサンプリングした各サンプリング信号において、平均電力との比を取り、この比がある閾値以上となったサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号と見なす場合について説明した。
【0092】
これに対して、この実施の形態では、受信OFDM信号を一旦仮判定し、仮判定データをIFFT処理することで送信波形を再生し、再生した送信波系の中で所定の閾値を超えた位置のサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号として選択する。これにより、一段と的確にピーククリップされたサンプリング信号を選択できるようになる。この結果、実際上修正が必要なサンプリング信号のみを適応アルゴリズムにより修正できるようになるので、適応アルゴリズムの収束時間を短くすることができる。
【0093】
図8に、この実施の形態におけるタップ選択部800の構成を示す。なお図8では、図25との対応部分に同一符号を付して示しその説明は省略する。タップ選択部800は、受信OFDM信号からサンプリングされたサンプリング信号をFFT801により各サブキャリアの信号に変換する。各サブキャリアの信号は、復調部802により検波処理されたのち硬判定部803により硬判定されて仮判定データとされる。仮判定データはIFFT804により逆フーリエ変換処理される。これにより送信波形が再生され、この再生波形がピーク判定部805に送出される。
【0094】
またピーク判定部805には、乗算器806から送信側の閾値×βである閾値Thが入力される。ここでβは必ずしも1より小さくなくてよい。各ピーク判定部805は対応するサンプル点の振幅と閾値Thとを比較する。そして閾値thを超えたサンプル番号を選択結果として選択部501(図5)に出力する。
【0095】
(実施の形態3)
この実施の形態では、ピーククリップは、基本的にはサンプルごとの位相が保持され、振幅方向のみ補正すればよいことに着目した。これを考慮して、適応アルゴリズム部511(図5)における処理において、受信したサンプリング信号の振幅方向のみを修正するといった拘束条件をつける。これにより、適応アルゴリズムを実際のピーククリップによる歪み除去に適したものとすることができると共に、収束時間を短くすることができる。
【0096】
一般にLMSやRLSでは、タップ係数として複素数を扱い、これを収束させる。その場合には実部と虚部の修正量には相関がないが、この実施の形態の場合には、実部と虚部の修正量に相関を持たせる。
【0097】
例えば図9において、受信したサンプリング信号の実部をA、虚部をBとすると、このサンプリング信号のベクトルは複素数A+jBで表すことができる。そして適応アルゴリズムにより、このサンプリング信号に対して修正ベクトルC+jDを加える修正を行うことになったと仮定する。
【0098】
この場合、C/A=D/Bであれば位相は保持されるが、そうでない場合は位相は保持されない(図の修正後のベクトル)。つまり、図9の修正後のベクトルのようになると、位相が保持されなくなるので好ましくない。そこで位相を保持するようにする。振幅方向の補償は正しいものとして考えると、以下の方法が考えられる。
【0099】
補正前のサンプリング信号の実部をA、虚部をBとして複素数A+jBで表しかつ当該複素数の位相をaとすると共に、このサンプリング信号を補正するための修正ベクトルの実部をC、虚部をBとして複素数C+jDで表しかつ当該複素数の位相をcとしたとき、修正ベクトルの成分のうち、補正前のベクトルの振幅方向の大きさFは、F=sqrt(C2+D2)cos(c−a)と表すことができる。
【0100】
この修正ベクトルの振幅方向の大きさFのうち、実部方向成分G及び虚部方向成分Hはそれぞれ、G=Fcos(a)、H=Fsin(a)なので、補正後の新しいサンプリング点P1を、(A+G)+j(B+H)とする。つまり新しいサンプリング点P1の実部I、虚部Qを次式により求める。
【0101】
I=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×cos(a)
Q=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×sin(a)
但し、sqrt( )は、( )の平方根を示す ………(2)
この結果、適応アルゴリズム部511(図5)における処理において、受信したサンプリング信号の振幅方向のみを修正することができるので、適応アルゴリズムを実際のピーククリップによる歪み除去に適したものとすることができると共に、収束時間を短くすることができる。
【0102】
(実施の形態4)
この実施の形態では、実施の形態3と同様に、適応アルゴリズムにおいて振幅成分のみを補正するといった拘束条件をつける。ただし実施の形態3では修正ベクトルのうち、補正前のサンプルのベクトル(受信されているサンプルのベクトル)方向の成分のみを修正に使用したのに対して、この実施の形態では、図10に示すように、先ず補正前のベクトルに修正ベクトルを加えてサンプル点P2’を求め、サンプル点P2’の振幅を保持しながら位相のみを補正前のサンプルのベクトルの方向に戻すことにより、新たなサンプリング点P2を求める。
【0103】
ここで補正前のベクトルに修正ベクトルを加えて求めたサンプル点P2’までの長さ(図中、修正後のベクトルの長さ)Kは、K=sqrt((A+C)2+(B+D)2)なので、新たなサンプリング点P2までの長さをKに等しくする。このとき、実部方向成分L及び虚部方向成分Mはそれぞれ、L=Kcos(a)、M=Ksin(a)なので、補正後の新しいサンプリング点P2を、L+jMとする。つまり新しいサンプリング点P2の実部I、虚部Qを次式により求める。
【0104】
I=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×cos(a)
Q=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×sin(a)
但し、sqrt( )は、( )の平方根を示す ………(3)
この結果、実施の形態3と同様に、適応アルゴリズム部511(図5)における処理において、受信したサンプリング信号の振幅方向のみを修正することができるので、適応アルゴリズムを実際のピーククリップによる歪み除去に適したものとすることができると共に、収束時間を短くすることができる。
【0105】
(実施の形態5)
上述した実施の形態3及び実施の形態4では、振幅方向のみにしか修正を行わない場合について説明したが、この実施の形態では、サンプリング信号の振幅成分のみを補正した後にサンプリングの位相成分を補正する方法を提案する。
【0106】
実際上、受信OFDM信号には雑音が重畳しているために、位相方向にも誤差が残っている。ただしこの位相方向の雑音はピーククリップによって生じたものではない。そのため、振幅を大きい方に修正すると、雑音によって生じた位相誤差はそのままなので、振幅が大きくなる分だけ誤差の絶対値が増大する。
【0107】
これを考慮して、振幅方向の修正を行ったのちに位相方向の修正を行う。ただし振幅方向の修正とは異なる重みをつけて位相方向の修正を行う。その様子を、図11に示す。先ず、実施の形態4と同様の方法により振幅方向のみ修正したサンプリング点P3を求める。
【0108】
次に、サンプリング点P3を、修正後のベクトルとの位相差(d)に定数Γを乗じた位相だけ回転させることで新たなサンプリング点P4を求める。ここでΓは1より小さい正の数である。こうすることで、振幅を大きくする修正を施したことによって増大した、位相方向の雑音成分を抑圧することができる。因みにΓ=0の場合が実施の形態3や実施の形態4と同じになる。
【0109】
(実施の形態6)
この実施の形態では、伝搬路上でマルチパスが存在する場合に、一段と補正精度を向上させることができるOFDM信号の補正方法を提案する。
【0110】
ここで送信側で図12に示すようにOFDM信号がピーククリップされたとする。横軸はサンプルで、縦軸はそのサンプルにおける信号波形を示す。黒い三角はピーククリップされたサンプルを示す。実線は元の波形、点線はピーククリップされた波形である。
【0111】
このような場合に、1パスであれば受信側ではこのまま受信される(位相や振幅は変動を受けるが、この波形がそのまま相似形で伝送される)ので、実施の形態1〜4の構成によりピーククリップの補正を良好に行うことができる。しかし、マルチパスが存在すると図13のようになる。図13は3パスの条件であり、各パスが1,1,−1の振幅で到来した例である。1パス目は太線で、2パス目は細線、3パス目は点線で示す。
【0112】
これらを合成した波形を図14に示す。このような場合、ピーククリップされたシンボルによって受ける波形歪みは、1パスでは3サンプルのみであったのに、7サンプルに増えてしまっていることがわかる(黒い三角印の数が増えている)。しかも、どのサンプルが影響を受けているかは、時間領域での回線インパルス応答を求めなければわからない。さらに、より多くのパスが存在する場合には、より多くのサンプルを更新しなければならなくなるし、時間領域のインパルス応答の精度もパスが増えると低下するので、補正精度が低下すると考えられる。
【0113】
この実施の形態では、これらの点に着目して、マルチパス環境に適用した場合でも、OFDM信号を精度良く補正できる方法を提案する。ここで本発明の発明者らは、1パスであれば実施の形態1〜5の構成を用いて精度良くOFDM信号を補正できるのであるから、マルチパスが生じた際にそれを1パスに戻すような等化を行ってから実施の形態1〜5の補正を行えば良いと考えた。
【0114】
この実施の形態では、その一例として、マルチパス信号に対して周波数軸等化を行うことにより、マルチパス信号を1パスの信号に戻すことを提案する。
【0115】
図5との対応部分に同一符号を付して示す図15に、実施の形態6のOFDM信号補正部の構成を示す。この実施の形態のOFDM信号補正部はパス補償部1000を有し、このパス補償部1000によって受信OFDMのマルチパスに起因する影響を補償するようになされている。
【0116】
パス補償部1000は、サンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)をフーリエ変換処理手段としてのFFT1001に入力する。FFT1001はサンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)に対してフーリエ変換処理を施すことにより、各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を抽出する。抽出された各サブキャリアの信号は、周波数軸等化部1002に送出される。
【0117】
周波数軸等化部1002は、各サブキャリアの信号を、サブキャリア毎の回線推定値で複素除算することにより、サブキャリア毎にマルチパスの影響を除去する。ここで周波数軸等化は既知の技術であるため詳述しないが、例えば各サブキャリアに重畳された既知信号に基づいて各サブキャリアの振幅及び位相の変動を推定し、この推定値に基づいて、図16に示すように、マルチパスによる周波数選択性フェージングによって落ち込んだサブキャリアの信号を元に戻すようにすればよい。
【0118】
周波数軸等化部1002によりマルチパスの影響が除去された、つまり1パス信号に補償された各サブキャリアの信号は、逆フーリエ変換処理手段としてのIFFT(逆高速フーリエ変換部)1003によって受信OFDM信号から得られるサンプリング信号と同じ形に戻された後、選択部501及びタップ選択部502に送出され、以下、実施の形態1〜実施の形態5と同様の処理が施される。
【0119】
因みに、この実施の形態のOFDM信号補正部においては、図15に示すように、実施の形態1〜5で必要であった復調部(DEM)508(図5)を省略することもできる。これは、周波数軸等化部1002によりマルチパスの影響を除去する際に、各サブキャリアの信号の振幅及び位相の補償を行っているためである。また、周波数軸上の等化は位相も補正するので、サンプリング点が送受信間でずれたことの影響(各サブキャリアがサブキャリア番号に比例した位相変動を受けたように見える)をも除去できる。
【0120】
かくして以上の構成によれば、マルチパス信号を1パスの信号に戻すパス補償部1000を設け、補償後の信号に対して実施の形態1〜5で説明した補正処理を行うようにしたことにより、実施の形態1〜5の効果に加えて、マルチパス環境下での補正精度を向上させることができる。
【0121】
(実施の形態7)
図15との対応部分に同一符号を付して示す図17に、実施の形態7のOFDM信号補正部の構成を示す。この実施の形態のOFDM信号補正部は、各サブキャリアの信号の受信パワーを検出するパワー検出部1100を有する。パワー検出部1100は、各サブキャリアに重畳されている既知信号に基づいて各サブキャリアの受信パワーを検出し、検出結果を選択部1101に送出する。
【0122】
選択部1101は、入力した各サブキャリアkの誤差e(i,k)の中から、受信パワーの大きい方から所定数のサブキャリアに対応する誤差e(i,k)のみを選択する。具体的には、受信パワーの大きい方から所定数のサブキャリアkについては誤差e(i,k)をそのまま出力し、それよりも受信パワーの小さいサブキャリアkについては値0を出力するようになっている。このように、受信パワーの小さいサブキャリアは適応アルゴリズムの対象から除外することにより、マルチパス環境下での補正精度を一段と向上させることができる。
【0123】
つまり、マルチパスによる周波数選択性フェージングによって、ほとんど信号振幅が0に近いサブキャリアも存在し、そのようなサブキャリアは周波数等化を行うと多大な増幅率で増幅することとなり、しかもそれは雑音を増幅しただけに過ぎなくなる。この結果、IFFT1003によって再生された1パスの波形に、多大な雑音が混入されてしまう。この実施の形態によれば、そのような雑音の混入を有効に防止して適応アルゴリズムによる補正精度を向上させることができる。
【0124】
かくして以上の構成によれば、サブキャリアの信号パワーを検出し、その検出結果に応じて適応アルゴリズムの対象とするサブキャリアの信号を選択し、マルチパスによって落ち込んでいるサブキャリアをあえて使用しないで補正するようにしたことにより、実施の形態6の効果に加えて、一段と補正精度を向上させることができるようになる。
【0125】
なおこの実施の形態では、サブキャリアの信号パワーを検出し、その検出結果に応じて適応アルゴリズムの対象とするサブキャリアの信号を選択した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図18に示すように、パワー検出部1100に換えてSN比検出部1200を設け、選択部1101により受信SN比の大きい方から所定数のサブキャリアの信号のみを選択し、SN比の悪いサブキャリアは使用しないようにしてもよい。
【0126】
またこの実施の形態では、減算器510の後段に選択部1101を設け、受信パワーの小さいサブキャリアの信号の誤差値として0を選択することで、受信パワーの小さいサブキャリアの信号を補正対象から除外する場合について述べたが、選択の仕方はこれに限らず、例えばパワー検出部1100による検出結果を適応アルゴリズム部511に入力し、適応アルゴリズム部511により適応アルゴリズムに反映させないサブキャリアの信号を選択するようにしてもよい。
【0127】
さらに、単純に選択するのではなく、パワーやSN比に応じた重みをつけることで、確からしいキャリアをより大きな重みで、確からしくないキャリアは小さな重みで反映させるようにしてもよい。
【0128】
(他の実施の形態)
なお上述した実施の形態では、ピーククリップによる歪みを除去することにより、受信品質を向上させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図5に示す本発明の構成は、受信OFDM信号に歪みや雑音が重畳している場合に広く適用できる。その中のいくつかの例を以下に示す。
【0129】
(1)他ユーザの信号による干渉除去
パケット伝送のように信号をオンオフ制御して伝送する場合には、受信した自分の信号の一部にだけ他ユーザの信号が干渉を与えることがある。このような状況は、例えば自分の信号と他ユーザの信号が非同期の場合に生じる。またユーザ間で同期していても、ランダムアクセス送信時にユーザの位置によって基地局までの到達時間に差がある場合に生じる可能性がある。
【0130】
このように、受信したOFDM信号の一部にだけ他のユーザの信号が干渉を与えている場合に、本発明を適用すれば、干渉を受けている部分のみを修正することで干渉を除去するができるようになるので、受信信号の品質を向上できるようになる。
【0131】
この場合には、図5のタップ選択部502で、他のユーザの信号による干渉を受けているサンプリング信号を選択し、選択したサンプリング信号をFIRフィルタ503に送出すると共に干渉を受けていないサンプリング信号をFFT505に送出するようにすればよい。この選択は、例えばサンプリング信号の電力を検出することで実現できる。
【0132】
図19に、修正領域(干渉除去対象として選択するサンプリング信号)の一例を示す。受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)のうち、他ユーザの信号と時間的に重なっているサンプリング信号r(i,0)〜r(i,3)をFIRフィルタ503に送出し、他のサンプリング信号r(i,4)〜r(i,7)をFFT505に送出するようにすればよい。
【0133】
(2)TDD(Time Division Duplex)送受信の際の上り信号と下り信号間の干渉除去
TDD方式では、同じ周波数を時間で分割して上り信号と下り信号を送信している。その際に上り信号と下り信号が時間的に重なることがある。例えば、端末が遠いと電波の伝送遅延によって信号が遅れる場合である。
【0134】
このように、受信したOFDM信号の一部にだけ上り信号と下り信号間の干渉が存在する場合に、本発明を適用すれば、干渉を受けている部分のみを修正して干渉を除去するができるようになるので、受信信号の品質を向上できるようになる。
【0135】
この場合にも、図5のタップ選択部502で、上り信号と下り信号間で干渉を受けているサンプリング信号を選択し、選択したサンプリング信号をFIRフィルタ503に送出すると共に干渉を受けていないサンプリング信号をFFT505に送出するようにすればよい。この選択は、例えばサンプリング信号の電力を検出することで実現できる。
【0136】
図20に、修正領域の一例を示す。受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)のうち、上り信号と下り信号間で時間的に重なっているサンプリング信号r(i,0)〜r(i,3)をFIRフィルタ503に送出し、他のサンプリング信号r(i,4)〜r(i,7)をFFT505に送出するようにすればよい。
【0137】
(3)インパルス性雑音の除去
雑音がインパルス的に発生することがある。そのような場合には、図21に示すように、干渉信号に対応するサンプリング信号r(i,2)のみを修正すればよい。例えば、他のシステムが同じ周波数を使用し、そのシステムがスパイク雑音を発生している場合(このスパイク雑音はUWB(ウルトラワイドバンド)等で特に発生し易い)、一部のサンプリング信号のみが劣化するおそれがある。
【0138】
この劣化したサンプリング信号を、パワー検出やサンプルを総当たりなどの方法によって検出して、図5のFIRフィルタ503に選択的に送出すれば、インパルス性の雑音を良好に除去することができるようになる。
【0139】
(4)白色雑音の除去
本発明のOFDM受信装置を用いれば、受信OFDM信号に白色雑音が雑音成分として重畳している場合でも、これを除去することができる。その一例について説明する。まず図22(a)に示す全部のサンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)を一つずつFIRフィルタ503に入力させて修正を行う。そして修正後の復調信号のSN比や自乗誤差和を求め、その値を参照して雑音の大きいサンプリング信号を順位付ける。
【0140】
つまり、最初にサンプリング信号r(i,0)のみをFIRフィルタ503に入力させ、次にサンプリング信号r(i,1)のみをFIRフィルタ503に入力させるといったように、いずれか一つのサンプリング信号だけをFIRフィルタ503に入力させ他のサンプリング信号をFFT505に入力させる。このとき、各サンプリング信号をFIRフィルタ503に入力させたときの修正時の復調信号のSN比や自乗誤差和を求める。ここであるサンプリング信号を修正したときのSN比や自乗誤差和が小さくなるということは、そのサンプリング信号の雑音が大きかったことを意味する。このようにして、図22(b)に示すように、各サンプリング信号r(i,0)〜r(i,7)の雑音の大きさを順位付ける。
【0141】
次に、図23に示すように、雑音が大きいと判断したサンプリング信号から順にFIRフィルタ503に入力させて、白色雑音を除去していく。すなわち先ず、ステップ1において、雑音の一番大きいと判断されたサンプリング信号r(i,0)をFIRフィルタ503に入力させることでこのサンプリング信号r(i,0)の雑音成分を除去する。
【0142】
次にステップ2において、二番目に雑音の大きいと判断されたサンプリング信号(i,2)をFIRフィルタ503に入力させることでこのサンプリング信号r(i,2)の雑音成分を除去する。このように、雑音の大きいと判断されたサンプリング信号から順に順次FIRフィルタ503に入力させて雑音を除去していくことにより、白色雑音が雑音として重畳された受信OFDM信号から白色雑音を良好に除去することができるようになる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フーリエ変換処理回路を、受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタ構成とし、FIRフィルタの可変ゲインであるサンプリング信号の値を、歪みやノイズによる誤差が小さくなるように最適値に収束させるようにしたことにより、受信OFDM信号の歪みやノイズ成分を除去して品質の良い受信ディジタル信号を得ることができるOFDM受信装置及びOFDM信号の補正方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OFDM信号を復調及び復号する際の一般的な処理の流れを示す図
【図2】FFT処理部を2つに分けた場合の説明に供する図
【図3】サンプリング信号をフーリエ変換する具体的な回路構成を示す図
【図4】FFTと同じ処理を行うFIRフィルタの構成を示す図
【図5】本発明のOFDM受信装置のOFDM信号補正部の構成を示すブロック図
【図6】ピーククリップされたサンプリング信号の推定処理の説明に供する図
【図7】実施の形態のピーククリップ補償動作の説明に供するフローチャート
【図8】実施の形態2におけるタップ選択部の構成を示すブロック図
【図9】実施の形態3の適応アルゴリズムにおけるサンプリング信号の修正動作の説明に供する図
【図10】実施の形態4の適応アルゴリズムにおけるサンプリング信号の修正動作の説明に供する図
【図11】実施の形態5の適応アルゴリズムにおけるサンプリング信号の修正動作の説明に供する図
【図12】ピーククリップされたOFDMシンボルの例を示す図
【図13】3パスでの波形の重なりの例を示す図
【図14】3パスの場合の受信波系(3パスが重なった波形)を示す図
【図15】実施の形態6のOFDM信号補正部の構成を示すブロック図
【図16】周波数軸等化の説明に供する図
【図17】実施の形態7のOFDM信号補正部の構成を示すブロック図
【図18】他の実施の形態のOFDM信号補正部の構成を示すブロック図
【図19】本発明のOFDM受信装置を他ユーザの信号による干渉除去に用いる場合の説明に供する図
【図20】本発明のOFDM受信装置をTDD送受信の際の上り信号と下り信号間の干渉除去に用いる場合の説明に供する図
【図21】本発明のOFDM受信装置をインパルス性雑音の除去に用いる場合の説明に供する図
【図22】本発明のOFDM受信装置を白色雑音の除去に用いる場合の説明に供する図
【図23】本発明のOFDM受信装置を白色雑音の除去に用いる場合の説明に供する図
【図24】OFDMにおけるピーク電力の説明に供する図
【図25】OFDM送信装置及びOFDM受信装置の構成を示すブロック図
【図26】ピーククリップされた信号波形の説明に供する図
【符号の説明】
10 送信装置
12、25、504 シリアルパラレル変換部(S/P)
13、804、1003 逆高速フーリエ変換部(IFFT)
14、29 パラレルシリアル変換部(P/S)
15 ピーククリップ部
16 直交変調部
17 パワーアンプ
18、21 アンテナ
20 受信装置
22 アンプ
23 直交検波部
24 サンプリング部
26、100、200、201、505、801、1001 高速フーリエ変換部(FFT)
27、101、507、802 復調部(DEM)
28、102、508 復号部(DEC)
501、1101 選択部
502、800 タップ選択部
503 FIRフィルタ
506 加算部
509 レプリカ生成部
510 減算部
511 適応アルゴリズム部
803 硬判定部
805 ピーク判定部
1000 パス補償部
1002 周波数軸等化部
1100 パワー検出部
1200 SN比検出部

Claims (18)

  1. 受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタと、当該FIRフィルタの出力をシリアルパラレル変換することにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を形成するシリアルパラレル変換部と、を備えるフーリエ変換処理手段と、
    前記フーリエ変換処理手段により得られた各サブキャリアのサンプリング信号から受信ディジタル信号を得るディジタル信号形成手段と、
    前記ディジタル信号形成手段により得られた受信ディジタル信号から各サブキャリアのサンプリング信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、
    前記フーリエ変換処理手段により得られたフーリエ変換処理後の信号と前記レプリカ信号との間の対応するサブキャリアの信号同士の誤差値を算出する誤差算出手段と、
    前記誤差値に応じて、前記FIRフィルタの可変ゲインとして用いられるサンプリング信号の値を適応的に補正することにより、前記誤差値を小さくする適応アルゴリズム処理を行う補正手段と、
    を具備することを特徴とするOFDM受信装置。
  2. 前記OFDM受信装置は、前記サンプリング信号の中から、補正対象のサンプリング信号と補正対象でないサンプリング信号をそれぞれ選択する選択手段を、さらに具備し、
    前記フーリエ変換処理手段は、前記補正対象のサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第1のフーリエ変換処理手段と、前記補正対象でないサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第2のフーリエ変換処理手段と、前記第1及び第2のフーリエ変換処理手段により形成された各サブキャリアの信号を対応するサブキャリアの信号同士で加算する加算手段と、を具備し、
    前記第1のフーリエ変換処理手段を、前記補正対象のサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタと、当該FIRフィルタの出力をシリアルパラレル変換することにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を形成するシリアルパラレル変換部と、を備える構成とする
    ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
  3. 前記OFDM受信装置は、前記サンプリング信号の中から、送信側でピーククリップされたサンプリング信号とピーククリップされなかったサンプリング信号をそれぞれ選択する選択手段を、さらに具備し、
    前記フーリエ変換処理手段は、ピーククリップされたサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第1のフーリエ変換処理手段と、ピーククリップされなかったサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を行う第2のフーリエ変換処理手段と、前記第1及び第2のフーリエ変換処理手段により形成された各サブキャリアの信号を対応するサブキャリアの信号同士で加算する加算手段と、を具備し、
    前記第1のフーリエ変換処理手段を、ピーククリップされたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力とするFIRフィルタと、当該FIRフィルタの出力をシリアルパラレル変換することにより各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を形成するシリアルパラレル変換部と、を備える構成とする
    ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
  4. 前記選択手段は、各サンプリング信号を所定の閾値と比較し、閾値以上のサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号として選択する
    ことを特徴とする請求項3に記載のOFDM受信装置。
  5. 前記選択手段は、前記サンプリング信号に対してフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理手段と、フーリエ変換処理後のデータを仮判定する仮判定手段と、当該仮判定手段により得られた仮判定データに対して逆フーリエ変換処理を施すことにより送信波系を再生する逆フーリエ変換処理手段と、再生波形中で所定の閾値以上のサンプリング信号をピーククリップされたサンプリング信号として選択する
    ことを特徴とする請求項3に記載のOFDM受信装置。
  6. 前記閾値は、送信側でピーククリップのために用いた閾値よりも小さい値に設定する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のOFDM受信装置。
  7. 前記補正手段は、前記サンプリング信号の値を適応アルゴリズムに従って適応的に補正するにあたって、当該サンプリング信号の位相成分は補正せずに振幅成分のみを補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
  8. 前記補正手段は、補正前のサンプリング信号の実部をA、虚部をBとして複素数A+jBで表しかつ当該複素数の位相をaとすると共に、このサンプリング信号を補正するための修正ベクトルの実部をC、虚部をBとして複素数C+jDで表しかつ当該複素数の位相をcとしたとき、補正後のサンプリング信号の実部I、虚部Qを次式により求める
    I=A+sqrt(C2+D2)×cos(c−a)×cos(a)
    Q=B+sqrt(C2+D2)×cos(c−a)×sin(a)
    但し、sqrt( )は、( )の平方根を示す
    ことを特徴とする請求項7に記載のOFDM受信装置。
  9. 前記補正手段は、補正前のサンプリング信号の実部をA、虚部をBとして複素数A+jBで表しかつ当該複素数の位相をaとすると共に、このサンプリング信号を補正するための修正ベクトルの実部をC、虚部をBとして複素数C+jDで表しかつ当該複素数の位相をcとしたとき、補正後のサンプリング信号の実部I、虚部Qを次式により求める
    I=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×cos(a)
    Q=sqrt((A+C)2+(B+D)2)×sin(a)
    但し、sqrt( )は、( )の平方根を示す
    ことを特徴とする請求項7に記載のOFDM受信装置。
  10. 前記補正手段は、前記サンプリング信号の値を適応アルゴリズムに従って適応的に補正するにあたって、前記サンプリング信号の振幅成分のみを補正した後、前記サンプリングの位相成分を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
  11. 前記受信OFDMのマルチパスに起因する変動を補償するパス補償手段をさらに具備し、前記フーリエ変換処理手段は、当該パス補償手段により補償したサンプリング信号を前記FIRフィルタの可変ゲインとする、ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のOFDM受信装置。
  12. 前記パス補償手段は、
    前記受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号に対してフーリエ変換処理を施すことにより、各サブキャリアに重畳されたサンプリング信号を抽出するフーリエ変換処理手段と、
    前記各サブキャリアのサンプリング信号に対して周波数軸等化処理を施す周波数軸等化手段と、
    周波数軸等化処理が施された各サブキャリアのサンプリング信号に対して逆フーリエ変換処理を施す逆フーリエ変換処理手段と
    を具備し、逆フーリエ変換処理後のサンプリング信号を前記FIRフィルタの可変ゲインとして出力する、ことを特徴とする請求項11に記載のOFDM受信装置。
  13. 受信OFDM信号からマルチパスに起因する各サブキャリアの信号の変動を検出する変動検出手段と、当該検出結果に基づいて補正するサブキャリアの信号を選択する選択手段と、をさらに具備する請求項11又は請求項12に記載のOFDM受信装置。
  14. 前記変動検出手段は、各サブキャリアの受信パワーを検出し、前記選択手段は、受信パワーの大きい方から所定数のサブキャリアの信号のみを選択する、ことを特徴とする請求項13に記載のOFDM受信装置。
  15. 前記変動検出手段は、各サブキャリアの受信SN比を検出し、前記選択手段は、受信SN比の大きい方から所定数のサブキャリアの信号のみを選択する、ことを特徴とする請求項13に記載のOFDM受信装置。
  16. 受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力としたFIRフィルタ演算を行うことにより、前記受信OFDM信号に対してフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理ステップと、
    フーリエ変換処理ステップにより得られた各サブキャリアに対応するサンプリング信号から受信ディジタル信号を得るディジタル信号形成ステップと、
    前記ディジタル信号形成ステップにより得られた受信ディジタル信号から各サブキャリアのサンプリング信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成ステップと、
    前記フーリエ変換処理ステップにより得られたフーリエ変換処理後の信号と前記レプリカ信号との間の対応するサブキャリアの信号同士の誤差値を算出する誤差算出ステップと、
    前記誤差値に応じて、前記FIRフィルタ演算の可変ゲインとして用いられる受信OFDM信号のサンプリング信号の値を適応的に補正することにより、前記誤差値を小さくする適応アルゴリズム処理ステップと、
    を含むOFDM信号の補正方法。
  17. 前記受信OFDM信号からサンプリングしたサンプリング信号の中から、補正対象のサンプリング信号と補正対象でないサンプリング信号をそれぞれ選択する選択ステップを、さらに含み、
    前記フーリエ変換処理ステップでは、補正対象とされたサンプリング信号に対して当該サンプリング信号を可変ゲインとすると共にフーリエ変換の既知の係数を入力としたFIRフィルタ演算を行う一方、補正対象でないサンプリング信号に対しては当該サンプリング信号の値を0としたフーリエ変換処理を行い、FIRフィルタ演算後の信号とフーリエ変換処理後の信号とを加算して出力する
    ことを特徴とする請求項16に記載のOFDM信号の補正方法。
  18. 前記受信OFDMのマルチパスに起因する変動を補償するパス補償ステップをさらに含み、前記フーリエ変換処理ステップでは、当該パス補償ステップにより補償したサンプリング信号を前記FIRフィルタ演算の可変ゲインとする、ことを特徴とする請求項17に記載のOFDM信号の補正方法。
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