JP4189229B2 - 動き検出装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、距離センサを用いる動き検出装置に関し、特に対象物までの距離を表す検出値の有効性を判断できることで、ノイズの影響を取り除くことができる動き検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動き検出装置として、従来から、複数の距離センサを用いて、対象領域までの距離を検出し、前記検出した距離に基づいて、対象領域と距離センサとの間に存在する人物の動きを監視する動き検出装置があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−329262号公報 (第3−8頁、第1−5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら以上のような従来の装置によれば、例えば人物の小さな動き(例えば呼吸)を検出したいような場合には、検出される距離の変化が微小であることから、例えば信号に混入するノイズの影響により、動きの検出が不正確になる場合があった。また例えば、特に距離センサに、半導体位置検出素子(PSD(Position Sensitive Detector))の様に、受光光量を分母とする演算により検出値を求める素子を用いる場合には、例えば対象物の距離や反射率等により、受光光量が小さくなったときに、検出信号に含まれるノイズが顕著に表れることがあった。
【0005】
そこで本発明は、対象物までの距離を表す検出値の有効性を判断できることで、ノイズの影響を取り除くことができ、例えば対象物の比較的小さな動きでも正確に検出できる動き検出装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による動き検出装置は、例えば図1、図5に示すように、対象物2までの距離を検出し、前記距離を表す検出値を第1の期間の間に複数個出力する距離センサ11と;前記出力された複数個の検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内のばらつきを表す第2の値の前記第1の期間内の平均値を求める演算装置22と;前記第1の値と、前記第2の値の前記第1の期間内の平均値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断する判断装置23とを備える。
【0007】
このように構成すると、距離センサ11により第1の期間の間に複数個出力された検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内のばらつきを表す第2の値の前記第1の期間内の平均値を演算装置22により求め、前記第1の値と、前記第2の値の前記第1の期間内の平均値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断装置23により判断するので、対象物までの距離を表す検出値の有効性を判断できることで、ノイズの影響を取り除くことができ、例えば対象物の比較的小さな動きでも正確に検出できる動き検出装置を提供できる。
【0008】
さらに、請求項2に記載のように、請求項1に記載の動き検出装置1では、前記第1の値が前記第2の値の前記第1の期間内の平均値よりも所定の閾値を超えて大きい場合に有効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に無効と判断するように構成するとよい。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による動き検出装置は、例えば図1、図5に示すように、対象物2までの距離を検出し、前記距離を表す検出値を第1の期間の間に複数個出力する距離センサ11と;前記出力された複数個の検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内の検出値の平均値の、各小期間のばらつきを示す第3の値を求める演算装置22と;前記第1の値と、前記第3の値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断する判断装置23とを備える。
【0010】
このように構成すると、距離センサ11により第1の期間の間に複数個出力された検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内の検出値の平均値の、各小期間のばらつきを示す第3の値を演算装置22により求め、前記第1の値と、前記第3の値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断装置23により判断するので、対象物までの距離を表す検出値の有効性を判断できることで、ノイズの影響を取り除くことができ、例えば対象物の比較的小さな動きでも正確に検出できる動き検出装置を提供できる。
【0011】
さらに、請求項4に記載のように、請求項3に記載の動き検出装置1では、前記第1の値が前記第3の値よりも所定の閾値を超えて大きい場合に無効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に有効と判断するように構成するとよい。
【0012】
また、請求項5に記載のように、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の動き検出装置1では、例えば図6に示すように、距離センサ11は、対象物2に光束を照射する光照射手段31と;対象物2で反射して来た前記光束の反射光束を受光し、その受光位置に応じて異なる出力をする位置検出素子36と;位置検出素子36からの出力に基づき三角法の原理により対象物2までの前記距離を示す検出値を求める距離演算装置39を有し;距離演算装置39の求めた距離を前記複数個の出力とするとよい。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項6に係る発明による動き検出装置は、例えば図5、図6、図7に示すように、対象物2までの距離を検出する距離センサであって、前記距離に応じて差が変化する2つの値を出力する検出素子36を有する距離センサ11と;前記出力された2つの値の和に基づいて、前記出力された検出値の有効性を判断する判断装置23とを備える。
【0014】
このように構成すると、前記距離に応じて差が変化する2つの値を出力する検出素子36を有する距離センサ11と、前記出力された2つの値の和に基づいて、前記出力された検出値の有効性を判断する判断装置23とを備えるので、対象物までの距離を表す検出値の有効性を判断できることで、ノイズの影響を取り除くことができ、例えば対象物の比較的小さな動きでも正確に検出できる動き検出装置を提供できる。
【0015】
また、請求項7に記載のように、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の動き検出装置1では、第1の期間内のばらつきを表す第4の値が、所定の閾値を超えていることを、前記第1の期間内の前記出力された複数個の検出値が無効であると判断する加重要件とするとよい。
【0016】
さらに上記の動き検出装置1では、距離センサ11は複数であり;判断装置23による有効性の判断により、前記複数の距離センサ11の内、無効と判断された距離センサ11の出力を採用しないように構成されている。
【0017】
また、上記の動き検出装置1では、距離センサ11は複数であり;判断装置23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の内、過去一定期間での前記距離センサ11の出力の変動が最も大きい距離センサ11の出力を採用するように構成するとよい。
【0018】
また、上記の動き検出装置1では、距離センサ11は複数であり;判断装置23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の内、過去一定期間での、出力のスペクトルのピークが最も明瞭である距離センサ11の出力を採用するように構成してもよい。
【0019】
さらに、前記スペクトルの評価は、判断装置23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の内、過去一定期間での出力の変動が、大きい順に所定の個数の距離センサ11の出力を選択し、前記選択された各距離センサ11の出力を比較することで評価するようにするとよい。
【0020】
また、前記スペクトルの評価は、判断装置23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサの内、過去一定期間での出力の変動が所定の閾値を超えている距離センサの出力を選択し、前記選択された各距離センサの出力を比較することで評価するようにしてもよい。
【0021】
また、上記の動き検出装置1では、判断装置23による有効性の判断により、少なくとも有効と判断された距離センサ11の出力に基づいて、対象物2の動きを検出するようにするとよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明による実施の形態である動き検出装置1の模式的斜視図である。動き検出装置1は、対象物までの距離を検出し、前記距離を表す検出値を第1の期間の間に複数個出力する距離センサ11と、距離センサ11が接続され、距離センサ11から出力された距離を表す検出値を入力する制御装置20とを備えている。対象物は対象空間内に存在している。本実施の形態では、距離センサ11は複数である。対象物までの距離とは、距離センサ11から対象物までの距離である。また、距離センサ11は、仮に対象物が存在しない場合には、対象空間内に存在する物体までの距離を検出する。ここでは、ベッド3の上面までの距離を検出する。なお、第1の期間の具体的な説明については後述する。また、上記各構成の詳細については後で詳述する。動き検出装置1は、対象空間内に存在する対象物の動きを検出するものである。また対象物は、呼吸をするものである。即ち対象物は、人物や動物である。本実施の形態では、対象物は人物2である。また、対象空間はベッド3上である。図示では、ベッド3上には、人物2が横たわって存在している(就寝状態で存在している)場合を示してある。さらに動き検出装置1は、ベッド3上に存在する人物2の呼吸を検出できるものである。また、本実施の形態では、距離を表す検出値は、距離そのものである距離値、または距離値に相当する出力値である。以下、これらを単に距離という。以下、距離で実施の形態を説明する。
【0024】
またここでは、人物2の上には、さらに寝具4がかけられており、人物2の一部と、ベッド3の一部とを覆っている。この場合には、距離センサ11は、寝具4までの距離を検出している。また、寝具4を使用しない場合には、距離センサ11は、人物2そのもの(例えば胴体部分)までの距離を検出する。
【0025】
複数の距離センサ11は、複数の距離センサ11を設置できる筐体10を介して設置することが好ましい。このようにすることで、複数の距離センサ11を各々単体で設置するよりも、設置が容易になる。ここでは、筐体10は、およそ人物2の頭部上方に配置されている。さらにここでは、筐体10は、移動可能なスタンド7に取り付けられている。筐体10は、スタンド7をベッド3の人物2の頭部側の端部に配置することで、およそ人物2の頭部上方に配置される。またスタンド7は、移動可能であることから、筐体10の設置を容易にしている。即ち動き検出装置1の設置を容易にしている。さらに、設置が容易であるため、例えば病院等で必要なときに必要な場所に設置できるので簡便である。本実施の形態では、筐体10(距離センサ11)は、スタンド7に設置しているが、壁や天井が存在する場合は、壁や天井でもよく、設置場所は動き検出装置の目的や仕様等により適宜決めてよい。さらに、筐体10には、複数の距離センサ11が、各々距離を検出する対象の点である後述の複数の測距対象点(以下対象点5(図3参照)という)に対応して設置されている。なお、距離センサ11は、筐体10に2列以上配置することが好ましい。
【0026】
さらに図2の模式的斜視図に、筐体10を不図示の天井に設置した場合の例を示す。この場合、ベッド3上のおよそ人物2の胸部の上方に設置するとよい。言い換えれば、およそ人物2の胸部が存在するであろう位置、例えばベッド3の中央より少しずれた位置の上方に配置するとよい。このように配置することで、ベッド3上の人物2の呼吸が検出しやすくなる。これは、ベッド3上の人物2の呼吸による動きが、胸部から腹部周辺で大きい傾向があり、さらにその変位方向が、距離センサ11の測距方向とおよそ平行になるためである。以下、筐体10(距離センサ11)は、スタンド7を介して設置する場合で説明する。
【0027】
図3の模式的平面図を参照して、対象点の配置例について説明する。対象点は図示のように複数配置されている。これにより、複数の対象点は、所定の範囲の検出領域50を形成している。本実施の形態では、所定の範囲は、人物2のおよそ腹部、胸部、背部、および肩部が就寝中に取り得る位置を網羅する範囲に設定することが好ましい。また対象点5は、例えば図示のように、2列以上配置することが好ましい。
【0028】
図3(a)は、複数の距離センサ11の各々に対応する複数の対象点51a〜54cが、それぞれ隣合う対象点51a〜54cと重ならないように配置されている場合を示している。この場合には、例えば図示のように、複数の対象点5は、検出領域50内に、ベッド3の外周部付近に対象点51a、51b、51c、54a、54b、54cが、ベッド3の中央部付近に対象点52a、52b、52c、53a、53b、53c(以下これらを区別しないときは単に対象点5という)が、お互いに重ならないように配置されている。また図示のように、対象点5は、碁盤目状に配置するとよい。複数の対象点5は、ベッド3上(寝具4下(図1参照))の人物2のおよそ腹部、胸部、背部、および肩部が就寝中に取り得る位置を網羅する範囲に配置するいことが好ましい。配置する数は、本実施の形態では、図中4行3列(以下4×3と表す)であるが、動きを検出する場所、また人物2などの条件により適宜決めてよく、例えば3×3、4×4、あるいは2×2でもよい。
【0029】
このように配置すると、比較的少ない数の距離センサでも、検出領域50を広くとることができるので、効率がよい。即ち、必要な範囲の検出領域50内の距離を比較的少数の距離センサ11で検出できるので、小型で高効率な動き検出装置1(図1参照)とすることができる。また、距離センサ11に、後述のような光束を照射することにより距離を検出する照射型センサを使用した場合でも、隣接する対象点5に対応する距離センサ11は、後述のように同時に照射しないように制御する必要がなく、動き検出装置1をより簡単な構成とすることができる。なお、このように対象点5が重ならない場合であっても、後述のように、本来受光しなければならない光束に他の距離センサ11から照射された光束が混入してしまい、正確な距離の検出が困難な場合には、距離センサ11が同時に光束を照射しないように制御する必要がある。
【0030】
また図3(b)の配置例に示すように、隣合う対象点5が重なっていてもよい。このようにすると、検出領域50内の死角を少なくすることができるので、より精度の高い距離の検出に有効である。このとき、距離センサ11に例えば光を照射して距離を検出する照射型センサを用いた場合には、重なり合う対象点5に対応する距離センサ11が同時に光束を照射しないように制御する必要がある。これは、複数の距離センサ11から同時に例えば光束を照射した場合に、本来受光しなければならない光束に他の距離センサ11から照射された光束が混入し、互いに影響を受けてしまうことで、距離の検出が困難になるためである。なお、図3(b)では、対象点が重なった状態を説明するために対象点の面積を大きくとった場合を示している。
【0031】
また、距離センサ11を、後述のように投光する光束の波長をセンサ毎に異なるようにし、併せて、コーティングを施す等の手段により後述の受光レンズ37aに照射する光束に対応した透過波長帯域を通過させるようにした場合には、隣合う対象点5が重なっていても同時に光束を照射しないように制御する必要がない。また、距離センサ11を、照射する光束の光源を、各距離センサ11毎に異なる一定の周波数で点滅させ、併せて、その周波数のみの信号を後述の電気的バンドパスフィルタを備えるようにした場合には、隣合う対象点5が重なっていても同時に照射しないように制御する必要がない。
【0032】
ここで、図3(b)に示すように、距離センサ11に照射型センサを使用し、かつ複数の距離センサ11に対応する対象点5が重複する場合の作動の制御の例について説明する。このような制御は、後述の制御装置20の制御部21で行うようにするとよい。照射型センサの場合には、1つの距離センサ11の距離の検出の後で、次の距離センサ11の距離の検出を行うように制御する。即ち複数の距離センサ11が同時に距離の検出をしないように制御する。このような動作が、備えられた全ての距離センサ11の距離の検出を行われるまで繰り返す。なお、この一連の動作を1サイクルとし、1サイクルの時間をTとする。
【0033】
また、上述のように1つずつ距離センサ11による距離の検出を行うのではなく、隣接する対象点5の距離の検出を同時に行わないように制御する(例えば同時に距離の検出を行う対象点5を1つおきとする)ことで、複数の距離センサ11に同時に距離の検出を行わせることができる。このようにすれば、1サイクルの時間Tを大幅に短縮できる。
【0034】
また典型的には、距離センサ11は筐体10に並列的に設置されるが、図4の模式図に示す筐体10’ように、筐体10にカーブをつけてもよい。この場合、距離センサ11は、このカーブに沿うように設置する。このような筐体10’を用いることで、小型化しても広い検出領域50を容易に確保することができる。また、筐体10’は、小型でも、隣合う対象点5が重ならないように距離センサ11を設置することが容易に行なえるので、装置の小型化を図ることができる。
【0035】
図5を参照して、動き検出装置1の構成の一例を説明する。動き検出装置1は、複数の距離センサ11が設置された筐体10と、制御装置20とを含んで構成される。制御装置20は、典型的にはパソコンやマイコンである。そして複数の距離センサ11は、制御装置20に接続されており、検出した距離を制御装置20に出力するように構成されている。また、図中距離センサ11と制御装置20とは、別体として示してあるが、一体として構成してもよい。また、例えば複数の距離センサ11と制御装置20を筐体10に収納してもよい。本実施の形態では、筐体10と制御装置20とは別体の場合で説明する。また距離センサ11は、筐体10に4×3で設置されている。
【0036】
ここで、距離センサ11についてさらに説明する。使用する距離センサ11としては、赤外線照射型の距離センサ、超音波センサ、電磁波パルス距離センサ、パッシブ型光学距離センサ等がある。このうち赤外線照射型の距離センサ、超音波センサ、電磁波パルス距離センサは照射型センサである。また使用する距離センサ11は、上記のように、例えばオートフォーカスカメラに用いるような比較的単純で安価なものを用いることが好ましい。このような距離センサ11を用いることで、動き検出装置1を単純で安価に構成できる。本実施の形態では、赤外線照射型の距離センサを用いた場合で説明する。
【0037】
図6のブロック図を参照して、距離センサ11の実施例としての赤外線照射型の距離センサ30(以下赤外線距離センサ30という)について説明する。赤外線距離センサ30は、いわゆるアクティブ型光学センサである。赤外線距離センサ30は、人物2に光束を照射する光照射手段としての赤外光照射部31、赤外光受光部32、赤外線距離センサ30全体を制御するセンサ制御部33を含んで構成されている。また、センサ制御部33は、制御装置20の制御部21内(図5参照)に備えるようにしてもよい。この場合には、赤外線距離センサ30は、図7で後述するPSD36の電極36dからそれぞれ出力される光電流を、制御部21内のセンサ制御部33に出力するようにするとよい。
【0038】
赤外光照射部31には、赤外LED34と照射レンズ35とが備えられており、赤外LED34から照射された赤外光の光束は照射レンズ35を介して細い平行光束として人物2に照射される。ここで平行光束とは、実質的に平行であればよく、平行に近い光束も含む。赤外光受光部32は、人物2で反射して来た前記光束の反射光束を受光し、その受光位置に応じて異なる出力をする位置検出素子36を有している。さらに、赤外光受光部32は、人物2で反射して来た光束の反射光束を位置検出素子36上に結像させる結像光学系としての受光レンズ37を有している。本実施の形態では、位置検出素子36は、PSDである。以下、位置検出素子36は、PSDの場合で説明する。なお、位置検出素子36にPSDを用いた赤外線距離センサ30は、人物2までの距離を検出する距離センサであって、前記距離に応じて差が変化する2つの値を出力する検出素子を有する距離センサでもある。即ち、本実施の形態では、距離に応じて差が変化する2つの値を出力する検出素子がPSDである。
【0039】
さらに、赤外線距離センサ30は、PSD36からの出力に基づき三角法の原理により人物2までの距離を求める距離演算装置としての位置情報出力部39を有している。即ち位置情報出力部39は、受光位置に基づいて、三角法により前記距離としての受光位置情報を得るように構成されている。また、位置情報出力部39は、センサ制御部33内に備えられている。赤外線距離センサ30は、位置情報出力部39の求めた距離を第1の期間に複数個出力する。
【0040】
また、受光レンズ37には、照射された光束の波長帯域の光のみを透過させるコーティングが施されている。従って、外乱光の影響が少なく位置検出をすることができる。また以上では光束は細い平行光束としたが、これは実質的に平行光束であればよく、ある程度拡散あるいは収束した光束であってもよい。この場合には、後述のPSD36に入射する光束の大きさ(直径)が適当であって、重心位置の補足に差支えない程度であればよい。
【0041】
さらに、赤外線距離センサ30は、赤外光照射部31が照射する光束の波長をセンサ毎に異なるようにしてもよい。この場合には、併せて、前述の受光レンズ37に施されたコーティングの透過波長帯域も、照射する光束に対応した透過波長帯域になるようにする。これにより、図3(b)で説明した隣合う光束が重なる場合であっても、隣のセンサの光束の影響を受けることが無く、同時に照射しないように制御する必要がないので動き検出装置を単純化できる。また赤外線距離センサ30は、赤外LED34(光源)を一定の周波数で点滅させ、赤外光受光部32にその周波数の信号のみを抽出する電気的バンドパスフィルタを備えるようにしてもよい。これにより、外乱光の影響を低減することができる。また、この変調周波数をセンサ毎に変えることにより、図3(b)で説明した光束が重なる場合でも隣のセンサの光束の影響を受けることが無くなる。これにより、光束が重なる場合であっても同時に照射しないように制御する必要がなく動き検出装置を単純化できる。さらに、赤外LED34の照射のタイミングに同期させて赤外光受光部32のアンプの極性を切換える同期検波を行っても好適である。
【0042】
図7を参照して、PSD36についてさらに説明する。図7(a)は、模式的平面図であり、図7(b)は、模式的正面断面図である。図7(a)に示すように、PSD36は、入射する光束の径よりも大きい受光面積を有しており、また距離変化による入射する光束の移動方向(図中左右方向)に、必要な測距範囲内で、入射する光束の移動により光束がはみ出さない程度の長さを有している。
【0043】
また図7(b)に示すように、PSD36は、平板状のシリコンの光束が入射する側の表面にP層36a、P層36aと反対側の表面にN層36b、そしてP層36aとN層36bとの中間にあるI層36cから構成されている。PSD36に入射した光束は、光電変換され、光電流としてP層36aの両端に付けられた電極36dからそれぞれ分割出力されるように構成されている。ここで、各電極36dから出力される光電流をそれぞれI、Iとする。ここで、I、Iが距離に応じて差が変化する2つの値である。
【0044】
赤外線距離センサ30は、PSD36の両端から出力される光電流の出力信号を位置情報出力部39により演算することにより受光位置情報として入射した光束の重心位置を出力するので、後述のように、人物2までの距離を検出することができる。また、赤外線距離センサ30は、照射する光束に、赤外線を用いることで、人間には見えず、不快感を与えることがない。
【0045】
赤外線距離センサ30のセンサ制御部33は、PSD36により入射した光束の重心位置を検出する際に、外乱光と区別するために、変調を行う。変調は、例えば周期的に光束の発光(照射)停止を繰り返し行うような動作である。この場合、光束の発光停止は、例えば光源を発光停止してもよいし、遮光板やスリットを回転させることにより、発光停止をするようにしてもよい。さらに変調は、上述に加え、外乱光の強さにより、光束の出力も変化させるようにしてもよい。そしてセンサ制御部33は、光束を照射している時のPSD36の出力値から光束を照射していない時のPSD36の出力値を差し引いた出力値を算出する。またセンサ制御部33は、信頼性を確保するために、変調動作を複数回行い、その平均出力値を受光位置情報である重心補足信号(以下測距信号という)とする。センサ制御部33は、測距信号の値である測距信号値xを距離として制御装置20へ出力する。
【0046】
なお、測距信号値xは、PSD36の両電極36dから出力されるI、Iにより、例えば次式で与えられる。
Ix=(I−I)/(I+I) ………(1)
ここで、Ixは測距信号値xに相当する即ち距離に相当する電流値である。
【0047】
また、図8の模式図に示すように、対象とする人物2までの距離値Aは、この測距信号値xに基づいて、三角法を用いて次式で算出することができる。
A = f ×w/(x−b) ………(2)
fは、赤外光受光部32の受光レンズ37を単一レンズとしたときそのレンズの焦点距離、wは、赤外LED34とPSD36との間の距離、言い換えれば、照射レンズ35と受光レンズ37の光軸間の距離(基線長)、bはPSD36の受光素子の配置に依存するバイアス値を示す。なお、f、w、bは、それぞれ測距信号値xと同次元で表した値である。またここでの焦点距離は、一般に用いられている組み合わせレンズを使用する場合は、その組み合わせレンズの焦点距離とする。上述のような距離値Aを算出する場合には、制御装置20の制御部21により距離値Aの算出を行うとよい。
【0048】
また以上では、赤外線距離センサ30は、距離として測距信号値xを出力する場合について説明したが、距離として上述の方法で算出された距離値Aそのものを出力するように構成してもよい。
【0049】
このように、赤外線距離センサ30は、PSD36を用いることで、単純に構成できるので、安価で、単純な動き検出装置とすることができる。以下、赤外線距離センサ30を距離センサ11として説明する。
【0050】
距離センサ11は、距離を第1の期間に複数個出力する。本実施の形態のように、人物2の呼吸を検出する場合には、第1の期間は、好ましくは10〜20秒(s)程度に設定するとよい。このように設定すると、例えば人物2の呼吸の周期が毎分5〜60サイクル程度の周期であるので、第1の期間は、およそ1回程度の呼吸を検出できる期間となるからである。本実施の形態では、15sに設定した場合で説明する。また、距離センサ11は、例えば0.01〜3s程度、好ましくは、0.01〜0.5s程度の間隔で距離を出力するように設定されている。本実施の形態では、出力の間隔を0.1sに設定した場合で説明する。即ち本実施の形態では、距離センサ11は、第1の期間に150個の距離を出力することになる。また、距離センサ11は、距離を連続的にアナログ出力する場合には、例えば制御装置20で上記と同様な間隔でサンプリングすることで、複数個とするとよい。
【0051】
図5に戻って、さらに動き検出装置1を説明する。制御装置20は、制御部21を備えており、動き検出装置1全体を制御している。また複数の距離センサ11は制御部21に接続され、制御部21により、制御されている。制御部21は、距離センサ11から出力される複数個の距離を、それぞれの距離センサ11から時系列的に取得するように構成されている。また制御部21には、記憶部31が接続されており、算出された情報等のデータが記憶できる。記憶部31内には、距離センサ11から出力された距離を時系列で保存する距離保存部32が備えられている。ここでの距離保存部32に時系列的に保存された距離は、過去の時点の距離であればよく、例えば取得した最新の距離の1個分だけ前に取得された距離であってもよい。
【0052】
また、制御部21内には、距離センサ11から出力された複数個の距離の第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、第1の期間を細分した小期間である第2の期間内のばらつきを表す第2の値の第1の期間内の平均値を求める演算装置としての演算部22と、第1の値と、第2の値の第1の期間内の平均値とに基づいて、前記出力された複数個の距離の有効性を判断する判断装置としての判断部23とが備えられている。第2の期間は、例えば0.5〜2秒(s)程度とすることが好ましい。本実施の形態では、第2の期間は、1sとして説明する。即ち、ここでは第1の期間が15sであることから、第1の期間を15等分したのが第2の期間である。
【0053】
また、距離の第1の期間内のばらつきを表す第1の値は、例えば距離の第1の期間内の標準偏差または分散であり、距離の第2の期間内のばらつきを表す第2の値は、同様に距離の第2の期間内の標準偏差または分散である。本実施の形態では、共に標準偏差の場合で説明する。なお、距離の第1の期間内のばらつきを表す第1の値及び距離の第2の期間内のばらつきを表す第2の値は、それぞれの期間内の距離の最大値、最小値との差としてもよいが、上記のように標準偏差とすることで、距離の第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、第2の期間内のばらつきを表す第2の値の第1の期間内の平均値との差がより明瞭になる。これにより、ノイズ、特にランダムノイズに起因する変動が判断しやすくなる。
【0054】
さらに、判断部23は、第1の値が第2の値の第1の期間内の平均値よりも所定の閾値を超えて大きい場合に有効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に無効と判断するように構成される。即ち、判断部23は、第1の期間である15s内の複数個の距離の標準偏差が、第2の期間である1s内の複数個の距離の標準偏差の第1の期間内の平均値よりも所定の閾値(例えば0.8程度)を超えて大きい場合に有効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に無効と判断するように構成される。ここでは、判断部23は、第1の値と第2の値の第1の期間内の平均値の比で判断するようにする。さらにここでは、後述のように閾値を設定し、(第2の値の第1の期間内の平均値/第1の値)<閾値のとき有効と判断するようにする。なお、有効性の判断は上記に限られるものではなく、例えば第1の値と第2の値の第1の期間内の平均値の差と、第1の値との比であってもよい。またこの場合には、((第1の値―第2の値の第1の期間内の平均値)/第1の値)>閾値のとき有効と判断するようにする。なおこの閾値は上記の閾値とは別の値となる。上記いずれの方法を用いてもよいが、第1の値と第2の値の第1の期間内の平均値の比が、前者の場合では1、後者の場合では0に近い場合に無効と判断するとよい。以下前者の場合で説明する。
【0055】
ここで、図9の線図を参照して、判断部23による有効性の判断について説明する。なお、図9は、距離センサ11より出力された距離を時間方向に並べた線図であり、さらに(a)は混入したノイズが支配的でない場合、即ち判断部23により有効と判断される場合の例を示した図であり、(b)は混入したノイズが支配的な場合、即ち判断部23により無効と判断される場合の例を示した図である。なお、図9(a)は、第2の値の第1の期間(例えば15s)内の平均値/第1の値が0.3程度の場合であり、図9(b)は、第2の値の第1の期間(例えば15s)内の平均値/第1の値が0.9程度の場合を示している。
【0056】
図9(a)に示すように、有効である場合には、距離の第1の期間(例えば15s)の標準偏差は、第2の期間(例えば1s)の距離の標準偏差と比較して明らかに大きい。即ち、有効なときは、距離の第2の期間内の標準偏差の第1の期間内の平均値は、距離の第1の期間内の標準偏差より小さい。また、第1の期間の標準偏差と、第2の期間の標準偏差の平均値との比は、無効なときの比に比べて小さい値(例えば0.3)となる。また、図9(b)に示すように、無効である場合には、ランダムノイズの寄与が大きくなるため、距離の第1の期間(例えば15s)の標準偏差が大きいという関係は残るものの両者が近い値となる。即ち、無効なときは、第2の期間(例えば1s)の標準偏差の平均値は、第1の期間の標準偏差より著しく大きくなることなく、これらの比は、1に近くなる(例えば0.9)。したがって両者の比をとって1にどの程度近いかで判断ができる。即ち、閾値を設定した場合には、閾値以下であることで有効性を判断できる。閾値は、例えば0.7〜0.95程度に設定するとよい。
【0057】
即ち、第1の値と第2の値の第1の期間内の平均値の比は、例えば人物2に動きに起因する距離の変動の場合には、常に1より小さくなるが、人物2に動きが無くなるとノイズが支配的となり、1又は1に近くなる。
【0058】
また、演算部22は、距離センサ11より出力された複数個の検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内の検出値の平均値の、各小期間のばらつきを示す第3の値を求めるように構成し、判断部23は、前記第1の値と、前記第3の値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断するするように構成してもよい。さらに判断部23は、前記第1の値が前記第3の値よりも所定の閾値を超えて大きい場合に無効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に有効と判断するように構成される。ここでは、第3の値と第1の値との比が、所定の閾値よりも小さいときに有効と判断するようにする。さらにここでは、後述のように閾値を設定し、(第3の値/第1の値)<閾値のとき無効と判断するようにする。即ち、閾値を設定した場合には、閾値以下であることで無効を判断できる。閾値は、例えば0.7〜0.95程度に設定するとよい。また、例えば第1の値と第3の値の差と、第1の値との比であってもよい。またこの場合には、((第1の値―第3の値)/第1の値)>閾値のとき無効と判断するようにする。なおこの閾値は上記の閾値とは別の値となる。第1の値と第3の値の差は絶対値とする。上記いずれの方法を用いてもよいが、第1の値と第3の値の比が、前者の場合には1、後者の場合には0に近い場合に有効と判断するとよい。以下、前者の場合で説明する。
【0059】
またこの場合では、図9(a)に示すように、有効である場合には、距離の第2の期間(例えば1s)の平均値の標準偏差は、距離の第1の期間(例えば15s)の標準偏差より小さいが、これらの比は1に近くなる(例えば0.9)。また、図9(b)に示すように、無効である場合には、距離の第2の期間(例えば1s)の平均値の標準偏差は、第1の期間(例えば15s)の標準偏差より小さく、さらに第2期間の平均値の標準偏差は、平均値がほぼ一定値となるので、比較的小さい値(例えば0.3)となる。そして、これらの比は、有効なときの比に比べて小さい値となる。即ち閾値を(例えば0.8のような値に)設定した場合には、閾値以下であることで無効を判断できる。
【0060】
以上で説明した2つの構成のどちらを用いても、ノイズが支配的である距離を無効と判断できる。即ち、ノイズによる影響を低減できる。
【0061】
さらに判断部23は、第1の期間(例えば15s)内のばらつきを表す第4の値が、所定の閾値を超えていることを、前記第1の期間内の前記出力された複数個の検出値が無効であると判断する加重要件とするように構成される。第4の値は、第1の値と同じ値であってもよい。即ち第4の値は第1の期間内の複数個の距離の標準偏差であってもよい。本実施の形態では、第4の値は第1の値と同じ値である場合で説明する。即ち、判断部23は、距離センサ11より出力された第1の期間内の複数個の距離の標準偏差が所定の閾値を超えていることを、第1の期間内の出力された複数個の検出値が無効であると判断する。これにより、ノイズは小さいが、例えば人物2に全く動きが無いために距離の変動が無い又は非常に小さく、結果的にノイズが支配的となってしまい、その距離を無効と判断してしまうことがなくなる。さらに言えば、ノイズが大きくて、人物2に一見動きがあるように見える距離の変動と、ノイズが支配的だが、実際に人物2に動きがない場合の距離の変動とを区別することができる。このように、人物2に動きが無い例えば呼吸が停止しているにもかかわらず、その距離を無効と判断してしまうことを防ぎ、呼吸停止を正確に検出できる。
【0062】
さらに、本実施の形態のように、距離センサ11としてPSD36(図7参照)を有する赤外線距離センサ30(図6参照)を用いる場合には、判断部23は、PSD36より出力された2つの値としての光電流I、I(図7参照)の和に基づいて、距離センサ11より第1の期間内に出力された複数個の距離の有効性を判断するように構成してもよい。なお、このように構成した場合には、上述の演算部22は備える必要がない。即ち単純に構成できる。
【0063】
PSDを用いた距離センサは、PSDに入射する光束の光量が低下すると、出力される距離に混入するノイズが増加する傾向がある(ノイズが支配的となる傾向がある。)。また、PSDの両極より出力される光電流I、Iの和を算出することで、PSDに入射する光束の光量を検出できる。これにより、ノイズが支配的となる傾向が強まるときに入射する光束の光量、即ち光電流I、Iの和の値を閾値として設定し、光電流I、Iの和が閾値以下のときに無効と判断するようにすることで、ノイズの影響を低減できる。
【0064】
上述した判断部23による距離センサ11より出力された第1の期間内の距離の有効性の判断は、各距離センサ11毎に行なわれる。
【0065】
再び図5に戻って説明する。また、制御部21内には、判断部23により判断された有効性に基づいて、前記判断された第1の期間内の距離を採用するか否かを選別する距離採用部24が備えられている。距離採用部24は、典型的には有効性判断に基づいて、距離センサ11の第1の期間内の出力を採用しないという処理を行う。また本実施の形態のように、複数の距離センサ11を備えるときは、有効性がないと判断された距離センサ11の第1の期間内の出力を採用せず、他の距離センサ11の出力を採用する。なお、1つの距離センサ11しか備えない場合であっても、時間的に採用できる出力と採用できない出力とを選別できる。
【0066】
距離採用部24は、判断部23による有効性の判断により、複数の距離センサ11の内、無効と判断された距離センサ11の出力即ち距離センサ11より出力される距離を採用しないように構成されている。採用しない出力は、有効性の判断を行った第1の期間内のものである。
【0067】
さらに距離採用部24は、判断部23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の内、過去一定期間での距離センサ11の出力の変動が最も大きい距離センサ11の出力を採用するように構成するとよい。過去一定期間は、例えば、第1の期間とするとよい。このように、最も変動が大きい出力を採用することで、例えば、人物2の動きが最も反映されている出力を採用できる。出力に人物2の動きが反映されている場合には、他の人物2の動きが反映されていない出力と比較して、基本的に出力の変動が大きい。このため、上記のようにすることで、人物2の動きが最も反映されている出力を採用できる。
【0068】
また、距離採用部24は、判断部23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の内、過去一定期間での、出力のスペクトルのピークが最も明瞭である距離センサ11の出力を採用するように構成してもよい。
【0069】
スペクトルのピークが最も明瞭であるかの評価は、スペクトルのピークの鋭さで評価する。ピークの鋭さ(ピークの先鋭度)は、例えば、スペクトルピークの高さを全周波数のスペクトルの高さの積分値で除算した値、またディスクリートな場合には、例えば、ピーク高さに、ピークの隣のスペクトルの高い方の高さを加算した値を、さらに全周波数のスペクトルの高さの和で除算した値を指標とすることができる。ピークの鋭さが一定値以上であることを評価することで、明確に例えば人物2の呼吸を検出している距離センサ11の出力を採用することができるので、人物2の呼吸を検出しやすい。
【0070】
なお、スペクトルの評価は、判断部23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の出力の内、過去一定期間での出力の変動が、大きい順に所定の個数の距離センサ11の出力を選択し、選択された各距離センサ11の出力を比較することで評価する。所定の個数は、例えば1〜6個程度、好ましくは2〜4個程度である。また、スペクトルの評価は、判断部23による有効性の判断により、有効と判断された距離センサ11の出力の内、過去一定期間での出力の変動が所定の閾値を超えている距離センサ11の出力を選択し、選択された各距離センサ11の出力を比較することで評価してもよい。
【0071】
このように、動き検出装置1は、判断部23による有効性の判断により、少なくとも有効と判断された距離センサ11の出力に基づいて、人物2の動きを検出するように構成される。即ち、ここでは、距離採用部24により採用された(選別された)第1の期間内の距離に基づいて、人物2の動きを検出する。このように、判断部23により有効と判断された出力を採用するので、ノイズが支配的な出力に基づいて、人物2の動きを検出することで動きを誤検出していまうことなく、正確に人物2の動きを検出できる。
【0072】
さらに、制御部21内には、距離センサ11の出力に基づいて、距離の時間変化を演算する距離演算部25と、距離演算部25により演算された距離の時間変化に基づいて、人物2の動きを検出する動き検出部26とをが備えられている。ここで、演算される距離の時間変化は、この時間変化の絶対値であってもよい。なお本実施の形態では、距離の時間変化の絶対値の場合で説明する。また、動き検出部26により検出する人物2の動きは、例えば、呼吸、体動、移動である。
【0073】
また、距離演算部25は、典型的には、距離採用部24により採用された距離センサ11の出力に基づいて、距離の時間変化を演算するように構成される。即ち、判断部23により有効と判断され、さらに距離採用部24により採用された第1の期間内の複数個の距離に基づいて、距離の時間変化を演算する。
【0074】
距離に基づいて時間変化を演算するとは、距離センサ11から一定時間間隔で出力される複数個の距離を取得することにより、過去の時点に取得された距離と、現時点に取得された距離との差分を取ることにより、過去所定期間内の距離変化量を得ることである。言い換えれば、距離センサ11より取得された距離と、前述の距離保存部32に時系列的に保存された距離との差を取ることにより、過去所定期間内の距離変化量を得ることである。ここで、距離センサ11から距離を取得する時間間隔は、例えば0.01〜3秒程度、好ましくは、0.01〜0.5秒程度とするとよい。
【0075】
また、距離に基づいて時間変化を演算するとは、距離センサ11から一定時間間隔で出力される複数個の距離を取得することにより、過去所定期間内に得られた距離の最大値と距離の最小値との差(Max−Min)をとることで、過去所定期間内の距離変化量を得ることであってもよい。また、ここでの所定期間は、30秒程度、さらに好ましくは10〜20秒程度に設定するとよいが、さらに短い時間、例えば3秒程度に設定してもよい。所定期間を長めに設定した場合には、後述の動き検出部26による人物2の呼吸、起き上がり等の比較的大きな体動の検出に有効である。所定期間を短めに設定した場合は、同様に人物2の体動の検出に有効である。
【0076】
前者は、特に人物2の呼吸の検出に適している。後者は、後述の人物2の呼吸か、体動かを判断する場合に適している。以下、前者の距離の時間変化を用いる場合で説明するが、後者の距離の時間変化を用いてもよく、さらに、前者と後者との両方の距離の時間変化を用いるようにしてもよい。この場合には、後述の動き検出部26により、それぞれの距離の時間変化を選択して用いるようにする。なお、距離の時間変化の演算には、必ずしも距離の差分を使う必要はなく、時系列的に取得した距離から周波数解析等の手段を用いることも可能である。
【0077】
また、距離演算部25は、第1の所定期間と、第1の所定期間より短い期間の第2の所定期間とを設定し、第1の所定期間の距離変化量と第2の所定期間の距離変化量との両方を得るように構成してもよい。この場合には、上記と同様に、第1の所定期間を30秒程度、さらに好ましくは10〜20秒程度に設定し、第2の所定期間を1〜10秒程度、さらに好ましくは3〜6秒程度に設定する。このようにすることで、動き検出部26による人物2の動きの検出をより正確に行うことができる。また、以上では、所定期間は時間として説明したが、取得した距離の数(例えば10個分)としてもよい。また、距離変化量の演算は、距離センサ11の出力毎に行う。即ち、距離センサ11毎に距離変化量を得る。
【0078】
距離演算部25により、距離の時間変化を演算することで得られた過去所定期間内の距離変化量は、時間方向に並べることで波形パターンを形成する。
図10は、波形パターンの例を示した図である。
【0079】
さらに、距離演算部25は、距離の時間変化の演算は、過去所定期間内の基準位置からの距離を演算するようにしてもよい。この場合には、距離の時間変化の演算は、一定時間間隔で、基準位置からの距離を求めることになる。そして求められた前記距離は、時間方向に並べられる。ここで、基準位置は、例えば、ベッド3上面であるが、標準的な体型の人物2の胸部又は腹部上面の位置として予め設定されるものであってもよい。基準位置は、距離センサ11から基準位置までの距離として、距離保存部32内に保存するとよい。
【0080】
また、距離演算部25は、距離センサ11の出力から過去一定回数取得した、または過去一定期間内に取得した距離の移動平均値、または期間平均値を算出するように構成してもよい。またこの場合には、距離演算部25により距離の時間変化を演算する際に、算出された距離の移動平均値、または期間平均値を、距離センサ11から出力された距離と同様に扱うものとする。言い換えれば、距離演算部25は、この移動平均値、または期間平均値に基づいて距離の時間変化を演算する。さらにこの移動平均値、期間平均値は、距離センサ11で算出するように構成してもよい。言い換えれば、距離センサ11は、検出した距離の移動平均値、または期間平均値を算出し、この算出結果を距離として出力するように構成してもよい。このようにすることで、ランダムノイズや窓から差し込む日光のちらつきなどによる突発的なノイズが軽減でき、ピーク位置の誤判定やゼロクロス位置(符号が反転する交点)の誤判断を軽減することができる。なお、各平均値の算出方法は、色々と考えられるが、予め一定の時間間隔を定め、その間のデータを平均化してもよいし、予め、平均化する個数を定め、時系列的に移動平均値を算出する方法でもよい。前者の場合には、データ数が少なくて済み、大まかな状態把握に適する。後者の場合には、データ数は多少多くなるが、細かい挙動を追うことができる。
【0081】
また、動き検出部26について説明する。動き検出部26は、距離演算部25により演算された距離の時間変化に基づいて人物2の動きを検出するように構成されている。即ち人物2の呼吸、体動、移動を検出するように構成されている。また、動き検出部26は、複数の距離センサ11の内1つ又は複数の選択された距離センサ11に関する時間変化に基づいて人物2の動きを検出するように構成されている。
【0082】
また動き検出部26は、演算された距離の時間変化に基づき、人物2の呼吸を検出するように構成される。なおここでは、呼吸の検出は、動き検出部26により、距離の時間変化の周期的変化を検出し、さらに検出した周期的変化に基づいて、人物2の呼吸を検出する。周期的変化とは、例えば人物2の呼吸の周期、例えば、毎分5〜60サイクルの周期を有する変化である。即ち本実施の形態では、周期的変化は、呼吸の周期から大きく外れた周期的変化を含まない。ところで、大人の呼吸数は、毎分5〜30回程度の範囲にあるが、幼児の場合にはさらに呼吸数が多くなる傾向がある。また動き検出部26は、周期的変化の周期及び振幅のいずれか一方又は両方に基づいて人物2の呼吸を検出するように構成されている。典型的には、動き検出部26は、周期的変化の周期及び振幅の両方から人物2の呼吸を検出する。さらに、動き検出部26は、検出した呼吸の周期から呼吸数を監視するように構成してもよい。ここで、呼吸数を監視することも、周期を監視する概念に含まれるものとする。
【0083】
また、動き検出部26は、距離採用部24により採用された距離センサ11に対応する距離の時間変化の内、さらに一定値以上のものを選択し、選択された距離の時間変化の周期的変化を検出して、最も周期性が明瞭(呼吸を表している)な周期的変化から呼吸の有無及び呼吸数を検出するようにしてもよい。
【0084】
さらに、動き検出部26は、演算された距離の時間変化に基づき、人物2の体動、移動を検出するように構成される。人物2の体動や移動の検出は、距離の時間変化から呼吸のみを検出した場合に比べて、遥かに大きく変動するので、容易に検出することができる。この場合には、さらに動き検出部26は、距離採用部24により採用された距離センサ11の出力に対応する各々の時間変化より、人物2が、例えば寝返り等その場で動いているのか、例えば起き上がる等してベッド上を移動しているのかを検出することもできる。また、人物2が痙攣のような周期的で小さい動きをした場合でも、その波形パターンから異常を検出することができる。さらに、痙攣している状態の波形パターンを記憶部31に保存しておくことで、人物2が痙攣している状態と検出することもできる。
【0085】
動き検出部26は、以上のようにして、人物2の動きを検出する。さらに、動き検出装置1は、検出された人物2の動きに基づいて、人物2の状態を判断するように構成される。人物2の状態とは、例えば正常な呼吸をしている、異常な呼吸をしており危険である、体動例えば寝返りを打っている、移動例えば着床、離床しようとしている等といった状態である。さらに動き検出部26は、人物2が危険な状態であると判断したときには、警報信号を送信するように構成される。警報信号は、例えば後述の警報装置40へ送信される。例えば、短時間に呼吸パターンの持つ周期が乱れた場合又は、呼吸パターンの持つ周期が急激に変化した場合には、例えば、自然気胸、気管支喘息などの肺疾患、うっ血性心不全などの心疾患、または、脳出血などの脳血管疾患であると推測できる。また、呼吸パターンの消失が続いた場合には、人物2の呼吸が停止したと推測できる。そして、短時間に呼吸パターンではなく人物2の体動が頻出した場合には、人物2が何らかの理由で苦しんで暴れているような状況が推測できる。動き検出部26は、これらのことを利用して、総合的に人物2の状態を検出するように設定するとよい。
【0086】
ここで、図11を参照して、正常および異常な呼吸パターンの例を説明する。記憶部31内の呼吸パターン保存部33に保存されている正常な呼吸パターンは、例えば図11(a)に示したような、周期的なパターンである。ただし、大人の場合には、1分間の呼吸数として正常な範囲は、10〜20回程度である。呼吸パターン保存部33に保存されている異常な呼吸パターンは、例えば、チェーン−ストークス(Cheyne−Stokes)呼吸、中枢性過換気、失調性呼吸、カスマウル(Kussmul)の大呼吸など、生理学的に体内に障害が発生している場合に生じると考えられている呼吸パターンである。
【0087】
図11(b)に、Cheyne−Stokes呼吸の呼吸パターンを、図11(c)に中枢性過換気の呼吸パターンを、図11(d)に失調性呼吸の呼吸パターンをそれぞれ示す。
さらに図12に、上記の異常な呼吸パターンが発生した場合の、病名または疾患箇所について示す。
【0088】
動き検出部26は、それぞれの呼吸パターンの呼吸の周波数、出現回数、深浅が異なることを利用して、人物2の呼吸パターンがいずれの呼吸パターンに属するかを判別し、人物2の状態を判断する。
【0089】
さらに動き検出部26は、人物2の呼吸が、生理学的に体内に障害が発生している湯合に生じると考えられている呼吸パターンに属すると判定した場合に、人物2が異常な呼吸をしており危険な状態にあると判断する。このように検出された人物2の状態は、制御部21により後述の出力装置36から出力するようにするとよい。この場合、出力される内容は、検出された人物2の呼吸数や動きの頻度、異常な呼吸パターンの名称やその呼吸の原因となると考えられる病名、疾患器官、疾患箇所などである。
【0090】
さらに、制御部21には、動き検出装置1を操作するための情報を入力する入力装置35、動き検出装置1で処理された結果を出力する出力装置36が接続されている。入力装置35は例えばタッチパネル、キーボードあるいはマウスであり、出力装置36は例えばディスプレイやプリンタである。本図では、入力装置35、出力装置36は制御装置20に外付けするものとして図示されているが、内蔵されていてもよい。また、入力装置35は、例えば人物2の動きの検出の開始や解除を行なえるスイッチ、出力装置36は、例えば動作インジケータとしてのLEDとしてもよい。このようにすると、動き検出装置1を単純に構成できる。また、距離センサ11(筐体10)と一体に構成しやすい。
【0091】
さらに、動き検出装置1は、警報を発する警報手段としての警報装置40を備える。警報装置40は、制御部21に接続されている。警報装置40は、動き検出部26から送信される警報信号を受信することで警報を発するように構成されている。即ち、警報装置40は、例えば動き検出部26により人物2が危険な状態にあると判断された際に警報を発するように構成される。また、警報装置40は、動き検出装置1の故障等の異常が発生した場合にも警報を発するように構成してもよい。このようにすることで、人物2が危険な状態にあることを第三者に逸早く知らせることができるので、危険な状態に迅速に対応できる。即ち、動き検出装置1は、人物2の動きの検出の信頼性を高めることができる。本図では、警報装置40は、外付けとして図示してあるが内蔵としてもよい。
【0092】
また、制御装置20は、警報装置40が警報を発した場合に、インターフェイス39を介して、警報を発した旨を外部に通報するように構成するとよい。外部とは、例えば動き検出装置1を管理している場所、個人宅の場合には例えば居間、あるいは消防署である。また通報は、例えば音声、文字、記号、室内照明を含む光の強弱又は、振動などによるものである。またインターフェイス39は、一般電話回線、ISDN回線、PHS回線、または、携帯電話回線などの通信回線に対して接続する機能を備えている。また、個人宅では、居間や他の寝室等の別の部屋への通報は、無線や電力線通信を介して行うと良い。さらに制御装置20は、音声出力機能を備えるようにし、インターフェイス39を介して、第三者に人物が危険な状態にあることを音声で通報するようにしてもよい。
【0093】
制御装置20は、ベッド3上または、ベッド3上とその近辺に存在する人物2を検知する存在検知手段としての人感センサ41を備えている。人感センサ41は、例えば熱線により人体の存在を検知できる焦電センサ、超音波を用いて存在を検知する超音波センサ、画像処理による動きセンサ等を用いることができる。人感センサ41には、焦電センサを用いることが好ましい。焦電センサを用いることで、動き検出装置1を小型で安価に構成できる。人感センサ41は、検出レベルの絶対値では環境変化と人物2の存在の有無による変化との区別がつきにくいため、検出レベルの変動を捉える動きセンサとして動作する。
【0094】
人感センサ41は、筐体10に設置することが好ましい。このようにすると、動き検出装置1の設置作業が容易になる。また、動き検出装置1の小型化もできる。また人感センサ41の取り付け位置は、上記に限られるものではなく、ベッド3上または、ベッド3上とその近辺に存在する人物2を検知できる位置であればどこでもよい。
【0095】
動き検出装置1は、さらに人感センサ41を備えることで、例えば人感センサ41により、ベッド3上または、ベッド3上とその近辺に人物2の存在を検出できない場合に、動き検出装置1の電源を切ることができるので、節電できる。言い換えれば、即ち必要なときに動き検出装置1の電源を入れることができ、節電できる。また、人物2の動きが検出されないとき、人物2が存在しないのか、存在しているのか、動きがないのかを判断する助けとなる。
【0096】
同様に、人物2が存在しているか否かを検出する装置として感圧センサ43を設置してもよい。感圧センサ43は、例えば荷重センサまたは圧力センサである。感圧センサ43は、ベッド3の人物2の荷重がかかる位置、例えば人物2の上半身側のベッド3上あるいは、上半身側のベッド3の脚部(矩形のベッド3の四隅にある)等の位置に配置するとよい。この場合には、感圧センサ43からの出力を利用することにより、例えば在床、離床の判断の信頼性が増す。
【0097】
以上のような動き検出装置1によれば、判断部23により、距離センサ11より出力される距離の有効性の判断を行うことで、例えば出力される距離にノイズが混入していることを判断できる。即ち、例えばノイズによる距離の変動と、人物2の動きによる距離の変動とを判断できる。これにより、ノイズが支配的であるときの距離を採用しないことができ、有効性の高い距離に基づいて人物2の動きを検出できるので、正確な人物2の動きの検出が可能となる。さらに、動き検出装置1は、小さな人物2の動きによる距離の変動と、同等かまたは大きい変動のノイズが混入した場合であっても、距離の有効性の判断により、ノイズが支配的であるときには、その期間の距離を人物2の動きの検出に採用しない。このため、ノイズが支配的である距離に基づいて、人物2の動きを検出することで、人物2の動きを誤検出してしまうことがない。即ち、人物2の呼吸のような比較的小さな動きでも正確に検出することができる。
【0098】
さらに、動き検出装置1は、距離センサ11を用いることで、心理的に違和感のあるカメラを用いた画像処理を使用していないので、簡易な装置で高速処理が可能である。さらに、高齢者や病人が危機状態に陥った場合にも、迅速な救急対応が可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、対象物までの距離を検出し、前記距離を表す検出値を第1の期間の間に複数個出力する距離センサと、前記出力された複数個の検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内のばらつきを表す第2の値の前記第1の期間内の平均値を求める演算装置と、前記第1の値と、前記第2の値の前記第1の期間内の平均値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断する判断装置とを備えるので、対象物までの距離を表す検出値の有効性を判断できることで、ノイズの影響を取り除くことができ、例えば対象物の比較的小さな動きでも正確に検出できる動き検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である動き検出装置の概要を示す模式的斜視図である。
【図2】図1の筐体部分を天井に設置する場合を説明する模式的斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態である対象点の配置例(a)と対象点が重複する配置例(b)を説明する模式的平面図である。
【図4】本発明の実施の形態である距離センサを、カーブをつけて設置する場合を説明する模式的側面図である。
【図5】本発明の実施の形態で用いる動き検出装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態で用いる距離センサの例である赤外線距離センサの構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の場合における、PSDについて説明する(a)模式的平面図、(b)模式的正面断面図である。
【図8】本発明の実施の形態で、対象物までの距離値を算出する方法を説明する模式図である。
【図9】本発明の実施の形態である、距離センサより出力された距離を時間方向に並べた線図であり、(a)は混入したノイズが支配的でない場合の例を示した線図であり、(b)は混入したノイズが支配的な場合の例を示した線図である。
【図10】本発明の実施の形態で用いる、距離の時間変化が形成する波形パターンの例について説明する線図である。
【図11】図10の場合における、正常及び異常な呼吸の波形パターンについて示した線図である。
【図12】図11の場合における、異常な呼吸の波形パターンに対応する病名または疾患箇所の表を示した図である。
【符号の説明】
1 動き検出装置
2 人物
3 ベッド
4 寝具
5 測距対象点
6 ベッド
7 スタンド
10 筐体
11 距離センサ
20 制御装置
21 制御部
22 演算部
23 判断部
24 距離採用部
25 距離演算部
26 動き検出部
31 記憶部
32 距離保存部
33 呼吸パターン保存部
35 入力装置
36 出力装置
39 インターフェイス
30 赤外線距離センサ
31 赤外光照射部
32 赤外光受光部
36 位置検出素子(PSD)
39 位置情報出力部
40 警報装置
41 人感センサ
50 検出領域

Claims (6)

  1. 対象物までの距離を検出し、前記距離を表す検出値を第1の期間の間に複数個出力する距離センサと;
    前記出力された複数個の検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内のばらつきを表す第2の値の前記第1の期間内の平均値を求める演算装置と;
    前記第1の値と、前記第2の値の前記第1の期間内の平均値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断する判断装置とを備える;
    動き検出装置。
  2. 前記第1の値が、前記第2の値の前記第1の期間内の平均値よりも所定の閾値を超えて大きい場合に有効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に無効と判断する;
    請求項1に記載の動き検出装置。
  3. 対象物までの距離を検出し、前記距離を表す検出値を第1の期間の間に複数個出力する距離センサと;
    前記出力された複数個の検出値の前記第1の期間内のばらつきを表す第1の値と、前記第1の期間を細分した小期間である第2の期間内の検出値の平均値の、各小期間のばらつきを示す第3の値を求める演算装置と;
    前記第1の値と、前記第3の値とに基づいて、前記出力された複数個の検出値の有効性を判断する判断装置とを備える;
    動き検出装置。
  4. 前記第1の値が前記第3の値よりも所定の閾値を超えて大きい場合に無効と判断し、前記閾値と等しいか小さい場合に有効と判断する;
    請求項3に記載の動き検出装置。
  5. 前記距離センサは、
    対象物に光束を照射する光照射手段と;
    前記対象物で反射して来た前記光束の反射光束を受光し、その受光位置に応じて異なる出力をする位置検出素子と;
    前記位置検出素子からの出力に基づき三角法の原理により前記対象物までの前記距離を示す検出値を求める距離演算装置を有し;
    前記距離演算装置の求めた距離を前記複数個の出力とする;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の動き検出装置。
  6. 前記第1の値と同じまたは前記第1の値と異なる、前記第1の期間内のばらつきを表す第4の値が、所定の閾値を超えていることを、前記第1の期間内の前記出力された複数個の検出値が無効であると判断する加重要件とした;
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の動き検出装置。
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