JP2004093376A - 高さ計測装置及び監視装置 - Google Patents

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Yasuhiro Takemura
竹村 安弘
Kazuhiro Mimura
味村 一弘
Kei Kato
加藤 圭
Toshiji Takei
武居 利治
Masato Nakajima
中島 真人
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Abstract

【課題】単純であるだけでなく、高速処理が可能な高さ計測装置及び該高さ計測装置を用いた監視装置を提供する。
【解決手段】対象領域内に存在する対象物の高さを計測する高さ計測装置において、対象領域2に、楕円の長軸と交差する直線上に配列された、複数の楕円輝点10bを投影する楕円輝点投影手段10と、前記投影により形成されたパターン10aを撮像する撮像手段11と、前記撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法の原理に基づいて対象物3の高さ又は高さ変化に関る量を演算する高さ演算部22とを備え、撮像手段11は、前記直線方向であって、前記三角法の基線方向と一致する方向の一次元像を撮像し、前記一次元像の撮像領域は前記複数の楕円が配列された直線とほぼ一致している、高さ計測装置1とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高さ計測装置及び該高さ計測装置を用いた監視装置に関し、特に単純で高速処理が可能な高さ計測装置及び該高さ計測装置を用いた監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高さ計測装置として、ファイバーグレーティング素子(FG素子)を用いて、対象物上に輝点アレイを投影し、この輝点アレイを撮像するものがあった。対象物上に投影される輝点アレイは、対象物の高さにより、撮像された画像上を移動する。この輝点アレイの移動を画像から計測することで、対象物の高さを計測していた。FG素子は、直径が数10ミクロン、長さ10mm程度の光ファイバーを数10〜数100本程度シート状に並べて、それを2枚ファイバーが直交するように重ね合わせたものである。FG素子は、このシートに垂直に、レーザ光L1を入射させると、レーザ光L1が、個々の光ファイバーの焦点で集光したのち、回折ビームアレイとなり、投影面に正方格子状に輝点アレイを投影することができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら以上のような従来の装置によれば、輝点の位置を細かく計測するために、比較的高密度な画像を取得し、この画像を処理する必要があった。このため、画像の処理量が多く、処理速度を早くすることが難しかった。高密度な撮像素子等の複雑なデバイスを必要としていた。
【0004】
そこで本発明は、単純であるだけでなく、高速処理が可能な高さ計測装置及び該高さ計測装置を用いた監視装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による高さ計測装置1は、例えば図1、図2に示すように、対象領域内に存在する対象物の高さを計測する高さ計測装置において;対象領域2に、楕円の長軸と交差する直線上に配列された、複数の楕円輝点10bを投影する楕円輝点投影手段10と;前記投影により形成されたパターン10aを撮像する撮像手段11と;前記撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法の原理に基づいて対象物3の高さ又は高さ変化に関る量を演算する高さ演算部22とを備え;撮像手段11は、前記直線方向(例えばY軸方向)であって、前記三角法の基線方向と一致する方向の一次元像(図6(b)参照)を撮像し、前記一次元像の撮像領域は前記複数の楕円が配列された直線とほぼ一致している。
【0006】
このように構成すると、楕円輝点投影手段10と、撮像手段11とを備えるので、投影された楕円輝点10bにより形成されたパターン10aを撮像することができる。さらに、高さ演算部22を備えるので、前記撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法の原理に基づいて対象物3の高さ又は高さ変化に関る量を演算でき、撮像手段11は、前記直線方向であって、前記三角法の基線方向と一致する方向の一次元像を撮像し、前記一次元像の撮像領域は前記複数の楕円が配列された直線とほぼ一致しているので、単純であるだけでなく、高速処理が可能な高さ計測装置を提供できる。
【0007】
また請求項2に記載のように、請求項1に記載の高さ計測装置1では、楕円輝点投影手段10は、楕円輝点10bの配列された直線を、ほぼ平行に複数有するようにすることが好ましい。このように構成すると、例えば対象物3の高さを広範囲に計測することができる。
【0008】
また請求項3に記載のように、請求項1または請求項2に記載の高さ計測装置1では、楕円輝点10bの長軸と前記三角法の基線方向は、ほぼ垂直であることが好ましい。
【0009】
このように構成すると、例えば、三角法による対象物3の高さの演算が行ないやすくなり、装置を単純に構成できる。また、例えば、基線方向と一次元像の方向が若干ずれてしまった場合に発生する、楕円輝点の像が基線方向に動くことによる楕円輝点の像の一次元像上からのずれの影響を緩和できる。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項4に係る発明による監視装置201、301は、例えば図13、図17に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高さ計測装置1を備え;前記計測された対象物の高さ又は高さ変化に関る量に基づいて、前記対象物を監視するように構成される。
【0011】
このように構成すると、高さ計測装置1を備え、前記計測された対象物の高さに基づいて、前記対象物を監視するように構成されるので、例えば、対象物の高さ又は高さ変化に関る量を計測し、計測した高さ又は高さ変化に関る量に基づいて、対象物の監視を行なうので、単純であるだけでなく、高速処理が可能な監視装置を提供できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明による第1の実施の形態である高さ計測装置1の概念的斜視図である。高さ計測装置1は、対象領域としての平面2内に存在する対象物の高さを計測するものである。さらに、高さ計測装置1は、典型的には、対象物の高さの分布を計測するように構成されたものである。即ち、前記高さの分布に基づいて対象物の三次元形状を計測できるものである。この場合には、高さは、平面2からの高さである。
【0014】
図中対象物としての物体3が、平面2上に載置されている。またXY軸を平面2内に置くように、直交座標系XYZがとられており、対象物としての物体3はXY座標系の第1象限に置かれている。
【0015】
一方、図中Z軸上で平面2の上方には、対象領域としての平面2に、楕円の長軸と交差する直線(例えばY軸)上に、その楕円の中心が配列された、複数の楕円輝点を投影する楕円輝点投影手段としての楕円輝点投影装置10(以下単に輝点投影装置10という)と、輝点投影装置10の投影により形成されたパターン10aを撮像する撮像手段としての撮像装置11とが配置されている。ここでいう撮像とは、受光も含む概念である。また、ここでいう楕円の中心とは、およそ楕円の中心部分(中央部分)のことである。撮像装置11は、輝点投影装置10によりパターン10aが投影された物体3を撮像する。楕円輝点10bは、楕円の長軸と交差する直線上(図中Y軸と平行方向)に、その楕円の中心が配列されている。典型的には、楕円の長軸の方向は、この直線の方向に対してほぼ垂直である。言い換えれば、楕円輝点10bの長軸の方向は図中X軸方向とほぼ平行である。そして、楕円輝点10bの配列された直線を、ほぼ平行に複数有する。即ち、楕円輝点10bは、複数の楕円輝点10bが直線上に配列されることより形成された楕円輝点10bの列が、平行に複数本投影されることで、パターン10aを形成する。言い換えれば、複数の楕円輝点10bは、およそ正方格子状に配置され、パターン10aを形成する。さらにここでは、それぞれの楕円輝点10bの間隔は等間隔である。なお、楕円輝点10bについては、図11を参照して後で説明する。
【0016】
撮像装置11は、結像レンズ11aと、撮像素子15とを有している。撮像装置11の結像レンズ11aは、典型的にはその光軸がZ軸に一致するように配置されている。そして、結像レンズ11aは、平面2あるいは物体3上のパターン10aの像を、撮像素子15の結像面15’(イメージプレーン)に結像する。結像面15’は、典型的にはZ軸に直交する面である。さらに、結像面15’内にxy直交座標系をとり、Z軸が、xy座標系の原点を通るようにする。平面2から結像レンズ11aと等距離で、結像レンズ11aからY軸の負の方向に距離d(基線長d)だけ離れたところに、輝点投影装置10が配置されている。物体3と平面2には、輝点投影装置10により複数の楕円輝点10bが形成するパターン10aが投影される。また、y軸方向は、図8で後述する高さの演算に用いる三角法の基線方向でもある。また、楕円輝点10bの長軸と三角法の基線方向は、ほぼ垂直である。
【0017】
また、撮像素子15には、制御装置14が接続されている。言い換えれば、撮像装置11は制御装置14に接続されている。制御装置14は、高さ計測装置1全体を制御するものである。また、制御装置14は、典型的には撮像装置11と別体に設置されるが、一体に構成してもよい。このようにすると、装置の小型化が図れる。制御装置14は典型的にはパソコン等のコンピュータである。また制御装置14内には、撮像装置11により撮像されたパターンの像を取得する一次元位置検出装置21が組み込まれている。
【0018】
さらに制御装置14内には、撮像装置11により撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法の原理に基づいて対象物としての物体3の高さ又は高さ変化に関る量を演算する高さ演算部22が組み込まれている。高さ又は高さ変化に関る量とは、高さ又は高さ変化そのものの他、例えば、後述の楕円輝点の移動量又は移動量の変化を含む概念である。以下、高さを演算する場合で説明する。ここで、参照像とパターン像は、例えば撮像装置11により撮像された像であるが、参照像とパターン像のそれぞれの撮像素子15(又は結像面15’)上での位置の情報も含む概念である。即ち、参照像とパターン像は、輝点投影装置10の投影により形成されたパターン10aの像である。ここでは、参照像は、対象物としての物体3が平面2内に存在しないときのパターン10aの像であり、パターン像は、物体3が平面2内に存在しているときのパターン10aの像である。即ち、参照像は、パターン10aの各楕円輝点10bの基準位置を示す像である。また、参照像は、一次元位置検出装置21に予め保存しておくとよい。ここでは、参照像は、例えば、いわゆる像としてではなく、各楕円輝点10bの位置に関する、座標等の位置の情報の形で保存するようにするとよい。このようにすると、後述するパターン像と参照像に基づいて楕円輝点の移動量を検出する際に、例えば楕円輝点の座標や方向を比較するだけで済むので処理が単純になる。
【0019】
さらに、撮像素子15は、楕円輝点10bが配列された直線方向であって、三角法の基線方向と一致する方向の一次元像を撮像するように構成される。さらに、その一次元像の撮像領域は、複数の楕円輝点10bの楕円の中心が配列された直線とほぼ一致している。一次元像の撮像領域とは、被撮像線(撮像される直線)であるが、実際には僅かな幅を有しているので、ここでは領域と呼ぶ。ここでは、撮像する一次元像は複数である。さらに、複数の一次元像は、所定の選択された間隔をもって離間している。ここで、所定の選択された間隔とは、例えば、撮像素子15の受光面積と、一次元像の本数とにより選択される(決まる)間隔である。即ち一次元像の本数を選択することにより、撮像される一次元像は、選択された間隔をもって離間することになる。受光面積は、例えば6.4×4.8mm程度である。なお、例えば二次元受光素子は、近年小型化される傾向にあるので、上記の受光面積はあくまでも目安であり、実施に適したサイズを適宜選択するとよい。また、一次元像の本数は、10〜50本、好ましくは20〜30本であるが、計測する対象物により適宜決めるようにするとよい。さらに、所定の選択された間隔は、等間隔だけでなく、不等間隔も含む概念である。ここでは、所定の選択された間隔は等間隔である。以下、所定の選択された間隔を単に所定間隔という。
【0020】
ここで、図2の模式的平面図を参照して、撮像素子15について説明する。撮像素子15は、(a)、(b)に示すような、複数の一次元受光素子アレイ150であってもよいし、(c)に示すような、二次元受光素子アレイであってもよい。複数の一次元受光素子アレイ150は、典型的には各々の一次元受光素子アレイ150が平行になるように配置される。一次元受光素子アレイ150としては、例えば、(a)に示すような、複数の受光素子を一次元に並べた一次元CCDアレイ150a(以下リニアセンサ150aという)がある。また、一次元受光素子アレイ150の他の例としては、(b)に示すような、位置検出素子150b’(以下PSD150b’という)を位置検出方向に一次元に複数個並べた一次元PSDアレイ150bがある。以下、リニアセンサ150aと一次元PSDアレイ150bを特に区別しないときは単に一次元受光素子アレイ150という。また、二次元受光素子アレイとしては、例えば、(c)に示すような、撮像素子15cがある。撮像素子15cは、典型的には多数の走査線を有するCCD撮像素子である。また、CCDの他にCMOS構造の素子が最近盛んに発表されており、それらも当然使用可能である。特にこれらの中には、素子自体にフレーム間差算や二値化の機能を備えたものがあり、これらの素子の使用は好適である。以下、図を参照して、これらの撮像素子についてさらに説明する。
【0021】
まず、図3(a)を参照して、撮像素子15aについて説明する。リニアセンサ150aを用いた撮像素子15aには、複数のリニアセンサ150aが、所定間隔をもって離間させて配置される。撮像素子15aは、複数のリニアセンサ150aにより、複数の一次元像を取得できる。所定間隔は、例えば計測する対象物の大きさや性質により適宜定める。例えば、ベッド上の患者を対象するときには、一次元像を20〜30本に設定するとよい。そして前述のように、一次元像の本数を選択することにより所定間隔が定まる。また、このようにすることで、例えば二次元像をそのまま取得した場合に比べて、プライバシー保護の観点から好ましい上に、処理するデータが少なくなるので、処理速度が大幅に向上する。
【0022】
また、複数のリニアセンサ150aは、複数の楕円輝点10bの像の楕円の中心が配列された直線とほぼ一致するように配置される。言い換えれば、複数のリニアセンサ150aは、複数の楕円輝点10bの像の楕円の中心が、それぞれ結像される位置に配置される。なお、実際には、撮像素子15a上に結像した楕円輝点に合わせてリニアセンサ150aを配置するのではなく、上述した条件により選択した所定間隔で配置されたリニアセンサ150aに合わせて複数の楕円輝点10bを配列する即ち、リニアセンサ150aの配置に合わせてパターン10aを形成するようにするとよい。
【0023】
次に、図3(b)を参照して、撮像素子15bについて説明する。一次元PSDアレイ150bを用いた撮像素子15bには、複数の一次元PSDアレイ150bが、所定間隔をもって離間させて配置される。一次元PSDアレイ150bは、前述のリニアセンサ150aと同様に、複数の楕円輝点10bの像の楕円の中心が配列された直線とほぼ一致するように配置される。
【0024】
また、一次元PSDアレイ150bでの個々のPSD150’の並べ方向の配置間隔は、対象物の高さ変化により楕円輝点10bの像が結像面15’上を移動する範囲によって決定することが好ましい。この場合には、一次元PSDアレイ150b内の個々のPSD150bは、結像された楕円輝点10bの像に対応づけられて配置される。即ち、一次元PSDアレイ150bでのPSD150b’の配置間隔は、結像面15’(図1参照)上での楕円輝点10bの像の間隔にほぼ等しくなるようにするのが好適である。また、上述したリニアセンサ150aでは、複数の楕円輝点10bの像の位置を求めるのに対し、一次元PSDアレイ150bでは、各PSD150b’で受光した楕円輝点10bの像の重心位置が求められ、この重心位置が、楕円輝点10bの像の位置に対応することになる。即ち、この重心位置がパターン像に対応する。なお、リニアセンサ150aと同様に、一次元PSDアレイ150bに合わせて複数の楕円輝点10bを配列する即ち、一次元PSDアレイ150bの配置に合わせてパターン10aを形成するようにしてもよい。
【0025】
ここで、PSD150b’について説明する。PSD150b’は、対象物の高さ変化による楕円輝点10bの像の移動方向に、楕円輝点10bの像の移動により楕円輝点10bの像がはみ出さない程度の長さを有している。ところで、PSD150b’に結像した楕円輝点10bの像は、光電変換され、光電流として平板状のシリコンの両端に付けられた電極からそれぞれ分割出力される。PSD150b’は、この両端の電極から出力される光電流の受光信号を演算することにより楕円輝点10bの像の重心位置を出力するものである。即ち、撮像素子15bは、パターン像として、複数の楕円輝点10bのそれぞれの像の位置を出力する。
【0026】
また、リニアセンサ150aと一次元PSDアレイ150bは、一次元像の取得速度を高速化できるので、さらに高さ計測装置1の処理速度を向上させることができる。またリニアセンサ150aと一次元PSDアレイ150bは、一次元像の取得速度を高速化できるので、例えば高さ計測装置1で動きのある対象物の変化を計測する場合に好適である。
【0027】
さらにここでは、結像レンズ11aにより結像された1つの二次元画像を、撮像素子上の複数の一次元受光素子アレイ150の上に結像させる場合で説明しているが、各々の一次元受光素子アレイ150にそれぞれ結像レンズを備える、言い換えれば、1の一次元受光素子アレイ150に対して1の結像レンズを有するように構成してもよい。
【0028】
そして、図4を参照して、撮像素子15cについて説明する。撮像装置15として、撮像素子15cのようなCCD撮像素子(二次元受光素子アレイ)を用いる場合には、例えば、一次元位置検出装置14により、撮像素子15cから必要な本数の走査線を選択し、選択した走査線150c上に結像した像即ち一次元像を取得するようにする。また、複数の選択された走査線150cは、各々の走査線150cが所定間隔をもっている。撮像素子15cは、複数の走査線150cにより、複数の一次元像を撮像する。撮像素子15cは、撮像素子15cが有する走査線から、必要な本数の走査線を選択し、選択した走査線150cの一次元像を取得することにより、例えば撮像素子15cから二次元像をそのまま取得した場合に比べて、プライバシー保護の観点から好ましい上に、処理するデータが少なくなるので、処理速度が大幅に向上する。
【0029】
また、選択した複数の走査線150cは、複数の楕円輝点10bの像の楕円の中心が配列された直線とほぼ一致するように配置される。言い換えれば、複数の走査線150cは、複数の楕円輝点10bの像の楕円の中心が、それぞれ選択した走査線150c上に結像されるように配置される。なお、実際には、撮像素子15aの場合と同様に、撮像素子15c上に結像した楕円輝点に合わせて走査線150cを選択するのではなく、上述した条件により選択した所定間隔で配置された走査線150cに合わせて複数の楕円輝点10bを配列する即ち、複数の走査線150cの配置に合わせてパターン10aを形成するようにしてもよい。
【0030】
ここで説明したどの撮像素子15を用いても、高さ計測装置1の構成を単純にすることができる。また、処理量を低減することができ、処理速度を向上することができる。またここでは、一次元受光素子アレイ150及び走査線150cの方向は、y軸(図1参照)に平行である。言い換えば、結像した楕円輝点10bの像の楕円の長軸に垂直である。以下、撮像素子15として、撮像素子15aを用いた場合で説明する。
【0031】
図1に戻って説明する。撮像装置11は、後述の光束発生部105(図11参照)により発生されるレーザ光束L1の波長の周辺部以外の波長の光を減光するフィルタ11bを備えるとよい。フィルタ11bは、典型的には干渉フィルタ等の光学フィルタであり、結像レンズ11aの光軸上に配置するとよい。このようにすると、撮像装置11は、撮像素子15に受光する光のうち、輝点投影装置10より投影されたパターン10aの光の強度が相対的にあがるので、外乱光による影響を軽減できる。また、光束発生部105により発生されるレーザ光束L1は、典型的には赤外光レーザの光束である。
【0032】
また、高さ計測装置1は、撮像装置11によりパターン10aを撮像する際に、外乱光と区別するために、変調を行なうように構成するとよい。変調は、例えば光束発生部105によるレーザ光束L1の発光(照射)停止を周期的に繰り返し行なうような動作である。この場合、レーザ光束L1の発光停止は、例えば光源を発光停止してもよいし、遮光板やスリットを回転させることにより、発光停止をするようにしてもよい。この場合、この変調に同期した受光信号を取り出すことにより、外乱光の影響を著しく低減することができる。さらに変調は、上述に加え、外乱光の強さにより、レーザ光束L1の出力も変化させるようにしてもよい。また、一次元位置検出装置21は、レーザ光束L1を照射している時の受光信号からレーザ光束L1を照射していない時の受光信号を差し引いた信号を生成するようにしてもよい。これにより、外乱光の影響を低減することができる。なお、上記差し引きは、前述の1のリニアセンサ、1のPSD、1の走査線から出力される各受光信号毎に行ない、この結果を各撮像素子毎に集合した信号を、上記受光信号を差し引いた信号とするようにしてもよい。さらに、高さ計測装置1は、信頼性を確保するために、変調動作を複数回行ない、その平均の出力信号を取得データ即ちパターン像とするように構成してもよい。
【0033】
ここで、図1を参照して、高さ計測装置1の作用を説明する。まず、物体3の高さ計測の概念について説明する。輝点投影装置10により平面2に投影されたパターン10aは、物体3が存在する部分では、物体3に遮られ平面2には到達しない。ここで物体3が存在していれば、平面2上の点2aに投射されるべき楕円輝点10bは、物体3上の点3aに投射される。楕円輝点10bが点2aから点3aに移動したことにより、また結像レンズ11aと輝点投影装置10とが距離d(基線長d)だけ離れているところから、結像面15’上では、点2a’(x,y)に結像すべきところが点3a’(x,y+δ)に結像する。即ち、物体3が存在しない時点と物体3が存在する時点とは、楕円輝点10bの像がy軸方向に距離δだけ移動することになる。
【0034】
これは、例えば図5に示すように、撮像素子15の結像面15’に結像した楕円輝点10bの像は、高さのある物体3により、δだけy軸方向に移動することになる。
【0035】
高さ計測装置1は、このδを計測することにより、物体3上の点3aの位置が三次元的に特定できる。即ち、点3aの高さがわかる。このように、ある点が、物体3が存在しなければ結像面15’上に結像すべき点と、結像面15’上の実際の結像位置との差を計測することにより、物体3の高さの分布、言い換えれば三次元形状が計測できる。あるいは物体3の三次元座標が計測できる。また、楕円輝点10bの対応関係が不明にならない程度に、パターン10aのピッチ、即ち楕円輝点10bのピッチを細かくすれば、物体3の高さの分布はそれだけ詳細に計測できることになる。
【0036】
さらに図6を参照して詳述すると、(a)に示すように、例えば撮像素子15aは、複数のリニアセンサ150aにより、結像面15’上に結像したパターン10aの像(複数の楕円輝点10bの像)を撮像する。撮像素子15a即ち複数のリニアセンサ150aにより撮像されたパターン10aの像は、(b)に示すような、複数の一次元像となる。一次元位置検出装置21は、この複数の一次元像をパターン像として撮像素子15aから取得する。さらに一次元位置検出装置21は、取得したパターン像を保存する。そして、高さ演算部22は、一次元位置検出装置21に保存されたパターン像と基準となる参照像とに基づいて三角法により物体3の高さを演算する。
【0037】
さらに、図7を参照して、高さ演算部22による高さの演算について説明する。ここで、1本の一次元像に注目して説明する。高さ演算部22は、各々対応するパターン像と参照像を読出し、楕円輝点10bの像の移動量δを計測する。移動量δの計測は、まずパターン像と参照像の差画像を作成する。そして、この差画像から対応する楕円輝点の像の位置の移動量δを計測する。移動量δは、例えば、楕円輝点10bの像の位置が移動した画素数(何画素移動したか)を計数することで求められる。なお、上記は、差画像を作成する場合で説明したが、参照像を各楕円輝点10bの位置の情報の形で保存しておき、パターン像の各楕円輝点10bの位置の情報と、参照像の楕円輝点10bの位置の情報とを比較することで、移動量δを計測してもよい。このようにすると、差画像を生成しないで済むので処理を単純化できる。高さ演算部22は、移動量δに基づいて三角法により物体3の高さを演算する。図8を参照して、三角法による物体3の高さを算出について説明する。
【0038】
図8は、撮像装置11、輝点投影装置10、物体3、平面2との関係をX軸方向(図1参照)に見た側面図である。ここでは、物体3の高さがZ1である場合で説明する。輝点投影装置10の中心(パターン光源の中心)と結像レンズ11aの中心とは、平面2に平行に距離dだけ離して配置されており、結像レンズ11aから結像面15’(撮像素子15)までの距離はl(エル)(結像レンズ11aの焦点とほぼ等しい)、結像レンズ11aから平面2までの距離はh、物体3の点3aの平面2からの高さはZ1である。物体3が平面2上に置かれた結果、結像面15’上の点2a’はδだけ離れた点3a’に移動したとする。
【0039】
図中結像レンズ11aの中心と点3aとを結ぶ線が平面2と交差する点を2a”とすれば、点2aと点2a”との距離Dは、三角形3a’−2a’−11aと三角形2a”−2a−11aとに注目すれば、D=δ・h/lであり、三角形11a−10−3aと三角形2a”−2a−3aに注目すれば、D=(d・Z1)/(h−Z1)である。この両式からZ1を求めると次式のようになる。
Z1=(h・δ)/(d・l+h・δ) ………(1)
以上のように、物体3の高さを算出することができる。
【0040】
また、高さ演算部22は、上記のように実際に高さを算出せずに、例えば、パターン10aが形成される対象領域が以上で説明したように特に平面である場合には、楕円輝点の像の移動量δを物体3の高さとしてもよい。また、以上では、高さ演算部22は、物体3の高さを演算する場合で説明したが、高さ変化を演算する場合には、上記のように実際に高さを算出せずに、楕円輝点の像の移動量δを演算し、その変化を高さ変化とするようにするとよい。言い換えれば、楕円輝点の像の移動量δの変化を高さ変化とするようにする。また、高さ変化を演算するとは、変化の有無を検出することを含む概念である。この場合には、例えば高さの変化を演算する場合に、移動量δの差分を算出するだけでよいので、計算量を減らすことができる。また、高さ変化の演算は、例えば高さの絶対値が不要な場合、正確な高さを算出する必要が無い場合、高さ又は高さ変化が小さい場合に行なうとよい。
【0041】
さらに、高さ演算部22により演算された物体3の高さは、過去一定回数演算された、または過去一定期間内に演算された高さの移動平均値、または期間平均値としてもよい。このようにすることで、ランダムノイズや窓から差し込む日光のちらつきなどによる突発的なノイズが軽減でき、演算した物体3の高さの信頼性が向上する。
【0042】
以上のように、高さ計測装置1は、対象領域に、輝点投影装置10の投影により形成されたパターン10aを撮像装置11で撮像し、この撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法により対象物の高さを高さ演算部22で演算するので、対象物の高さを計測できる。また、高さ計測装置1は、対象物の高さを対象領域内の複数の点で計測できるので、対象物の高さの分布を計測することができる。また、この高さの分布を、例えば一定時間間隔で計測することで、高さ分布の時間変化を計測することもできる。
【0043】
さらに、高さ計測装置1は、撮像素子15が、楕円輝点10bの長軸の方向と直交する方向であって、所定の選択された間隔をもって離間している複数の一次元像を撮像する。このため、例えば二次元受光素子アレイを用いてパターン10aの二次元像を撮像し、この二次元像から、輝点の移動を計測するのと比較して、大幅に計算量を減らすことができる。即ち、高速処理が可能となる。また、楕円輝点の長軸の方向を一次元像と直交する方向とすることで、パターンに略円形の輝点を用いた場合のように、パターン像(輝点)が一次元像から欠けることがないので信頼性が高い。さらに、楕円輝点が一次元像上に重なるような調整が、円形の輝点を用いた場合と比べて非常に容易であるので、製造、設置が容易である。また、楕円輝点は、円形輝点より、長軸方向に延びた形状の輝点であるので、円形の輝点を用いた場合と比べて、長軸方向の形状が認識し易い。言い換えれば、図中X軸方向の計測の分解能を向上することができる。
【0044】
また、図9に示すように、高さ計測装置1は、パターン10aを、複数の楕円輝点のそれぞれの長軸の端部が一部重なるように配列することで、複数本の輝線で形成されたパターン10a’としてもよい。この場合には、輝線の移動を計測することで、輝線の任意の点の移動を計測でき、輝線方向の連続的形状が認識できる。言い換えれば、図中X軸方向の計測の分解能を向上することができる。また、輝点が楕円形状であるので、その長軸の端部を重ねることで、容易に輝線を形成することができる。
【0045】
また、以上では、1列の楕円輝点10bの像に対して、1つの一次元像を撮像する場合で説明したが、1列の楕円輝点10bの像に対して、複数(例えば2つ)の一次元像を撮像してもよい。また、全ての投影された楕円輝点10bの像の一次元像を撮像しなくてもよい。
【0046】
図10を参照して、高さ計測装置1に適した輝点投影装置10について説明する。図10は、輝点投影装置10の模式的斜視図である。ここで、XY軸を平面102内に置くように、直交座標系XYZがとられている。図中Z軸上で平面102の上方には、輝点投影装置10が配置されている。輝点投影装置10は、平面102上にパターン光としてのパターン110aを投影している。パターン110aは、図1で前述したパターン10aと同様なものである。
【0047】
図11の模式的斜視図を参照して、さらに輝点投影装置10について説明する。輝点投影装置10は、可干渉性の光束を発生する光束発生手段としての光束発生部105と、ファイバーグレーティング110(以下、単にグレーティング110という)とを備えている。可干渉性の光束は、典型的には赤外光レーザである。光束発生部105は、平行光束を発生するように構成されている。光束発生部105は、典型的には不図示のコリメータレンズを含んで構成される半導体レーザ装置であり、発生される平行光束は、レーザ光束L1である。そしてレーザ光束L1は、断面が楕円形状の光束である。ここで平行光束とは、実質的に平行であればよく、平行に近い光束も含む。
【0048】
ここで、一般的な半導体レーザ装置は、通常の場合、楕円形断面のレーザ光束を発生する。さらに、この中でも比較的高出力なレーザ(ハイパワーレーザ)を発生できるものは、発生するレーザ光束の断面は長楕円形である。従来の装置では、輝点アレイを作るために楕円の長軸方向の中央部を切り出すための開口等を設けていた。本発明の実施の形態では、光束発生部105として、ハイパワー半導体レーザ装置を用いて、発生した光束の比較的広い範囲を有効光束としてコリメートすることで、断面が楕円形状のレーザ光束L1を発生させる。即ち、楕円輝点を投影する。また、このような半導体レーザ装置を用いることで、複雑な光学系を必要とすることなく、光束発生部105を単純な構成とすることができる。即ち、輝点投影装置10を単純な構成とすることができる。さらに、発生した光束を絞りにより絞っている半導体レーザ装置の場合には、その絞りの開口を積極的に大きく取るようにすることが好ましい。このようにすれば、長軸方向の端部を積極的に切り落とすことなく、より長軸方向に長い楕円形状(長楕円形状)とすることができるので有効である。
【0049】
また、断面が楕円形状の光束を発生する別の方法としては、例えば、断面が円形の光束をシリンドリカルレンズに入射させることで、容易に断面が長楕円形状の光束を発生することができる。また以上の例以外にも、断面が楕円形状の光束を発生できるものであれば何でもよく、例えば、シリンドリカルレンズの代わりにビーム成形プリズムを用いてもよい。
【0050】
またここでは、グレーティング110は、平面102に平行に(Z軸に直角に)配置される場合で説明する。グレーティング110に、レーザ光L1を、Z軸方向に入射させる。するとレーザ光L1は、個々の光ファイバー111により、そのレンズ効果を持つ面内で集光したのち、発散波となって広がって行き、干渉して、投影面である平面102にパターン110aが投影される。なお、グレーティング110を平面102に平行に配置するとは、例えば、グレーティング110を構成する第1FG素子112の各光ファイバー111の軸線を含む平面と、平面102とが平行になるように配置することである。
【0051】
図12の模式的斜視図を参照して、グレーティング110について説明する。グレーティング110は、複数の光ファイバー111を各光ファイバー111の軸線を第1の方向v1に向けて平行に且つ平面状に並べた第1のファイバーグレーティング素子112(以下第1FG素子112という)と、複数の光ファイバー111を各光ファイバー111の軸線を第1の方向v1と異なる第2の方向v2に向けて平行に且つ平面状に並べた第2のファイバーグレーティング素子113(以下第2FG素子13という)とを含んで構成される。本実施の形態では、各FG素子112、113の平面は、互いに平行である。以下、各FG素子112、113の平面を素子平面という。本実施の形態では、第1の方向v1と第2の方向v2がほぼ直交している。
【0052】
第1FG素子112、第2FG素子113は、それぞれ、例えば、直径が数10ミクロン、長さ10mm程度の光ファイバー111を数10〜数100本程度、平行にシート状に並べて構成したものである。また、各FG素子112、113は、接触して配置してもよいし、図示のようにそれぞれの素子平面の法線方向に距離を空けて配置してもよい。この場合には、各FG素子112、113の互いの距離は、パターン110aの投影に差支えない程度とする。
【0053】
第1FG素子112と第2FG素子113は、重ね合わせてグレーティング110を構成する。なお、ここでの重ね合わせは、各FG素子112、113の各素子平面がほぼ平行になるように重ね合わされている。また、グレーティング110には、光束発生部105により発生されるレーザ光束L1を透過させるように構成されている。ここでは、レーザ光束L1は、第1FG素子112側から入射させる。言い換えれば、レーザ光束L1は、第1FG素子112、第2FG素子113の順に透過させる。レーザ光束L1は、典型的には、グレーティング110(第1FG素子112)の素子平面に対して垂直に入射させる。
【0054】
また、第1FG素子112、第2FG素子113は、図示のように、それぞれガラス板112a、113aに貼り付けて構成するとよい。このようにすることで、各FG素子112、113の取り扱いが容易になる。また、グレーティング110を容易に組み立てることができるので、製造しやすい。そして、グレーティング10は、中空の円筒116に第1FG素子112、第2FG素子113が、それぞれガラス板112a、112bを介して取り付けるとよい。このようにすることで、グレーティング10の取り扱いがさらに容易になる。なお、図12では、第1FG素子112、第2FG素子113がよく見えるように、円筒116の図中手前半分をカットして示している。
【0055】
以上のように、輝点投影装置10は、重ね合わせた第1FG素子112と、第2FG素子113とを含んで構成されたグレーティング110が光学系となるので、複雑な光学系を必要とすることなく、光学筐体を小型化できる。さらに輝点投影装置10は、グレーティング110を用いることで、単純な構成で、複数の楕円輝点110bをパターン110aとして平面102に投影できる。
【0056】
また以上のように、高さ計測装置1は、複数の楕円輝点10bを投影する楕円輝点投影手段10と、パターン10aを撮像する撮像手段11と、高さを演算する高さ演算部22とを備え、撮像手段11は、前記直線方向(例えばY軸方向)であって、前記三角法の基線方向と一致する方向の一次元像を撮像し、前記一次元像は前記複数の楕円が配列された直線とほぼ一致しているので、単純であり、製造が容易であるだけでなく、高速処理が可能である。
【0057】
以上で説明した高さ計測装置1は、対象物の高さ分布又は高さ分布の変化を計測することができるので、高さ分布又は高さ分布の変化を計測することにより対象物の状態を検出する装置、例えば、対象領域内に存在する人物や物体の監視や、人物の呼吸等の検出を行なうことで人物の状態を監視する監視装置等に応用することが可能である。
以下、上記した応用例について説明する。
【0058】
図13の模式的斜視図を参照して、本発明による第2の実施の形態である監視装置201を説明する。監視装置201は、第1の実施の形態で説明した高さ計測装置1を備えている。また、監視装置201は、高さ計測装置1により計測された対象物の高さ又は高さ変化に関る量に基づいて、対象物を監視するように構成されている。ここでは、対象物の高さに基づいて、対象物を監視する場合で説明する。本実施の形態では、対象物は、人物202である。また、対象領域は、トイレ203内である。即ち監視装置201は、トイレ203内を監視するものである。
【0059】
図14の斜視図に示すように、高さ計測装置1は、輝点投影装置10と撮像装置11が、制御装置14(図1参照)を収納した収納パネル211上に直線状に配置されている。本実施の形態では、高さ計測装置1は、典型的には、トイレ203の天井又はその近傍、例えば壁の上方に配置される。また、本実施の形態では、高さ計測装置1と、図16で後述する制御装置220とは、別体として説明しているが、一体の構成してもよい。一体に構成した場合には、監視装置201をさらに単純に構成できる。また小型化できる。
【0060】
また本実施の形態では、監視装置201は、トイレ203内の監視を行なうものとして説明するが、閉空間、例えば浴室、エレベーター内、オフィース内の監視にも好適である。
図15に浴室204に設置した場合の監視装置201’を一例として示す。この場合には、上述したトイレ203の場合と同様に、高さ計測装置1を、浴室204の天井又は壁の上方に配置するとよい。
【0061】
図16を参照して、監視装置201の構成の一例を説明する。監視装置201は、第1の実施の形態で説明した高さ計測装置1と、制御装置220とを含んで構成される。高さ計測装置1は、制御装置220に接続されており、高さ計測装置1から人物202の高さの分布を取得できるように構成されている。また高さ分布は、高さ計測装置1から時系列的に取得するように構成するとよい。制御装置220は、例えばパソコンやマイコン等のコンピュータである。
【0062】
制御装置220は、制御部221を備えており、監視装置201全体を制御している。また高さ制御装置1は制御部221に接続され、制御されている。また制御部221内には、高さ計測装置1から時系列的に取得した高さ分布に基づいて、人物202の移動、位置、姿勢等を、監視部222により判断できるように構成されている。即ち、対象領域としてのトイレ203内の高さ分布に基づいて、人物202の存在、その移動、その位置、姿勢等を判断することができるように構成されている。さらに人物202の存在、その移動、その位置、姿勢等を判断結果から、人物202が危険な状態であるか否かを判断するように構成される。危険な状態とは、例えば人物202が倒れている、人物202に長時間変化がない(気絶している)という状態である。また人物202の移動は、人物202の位置の変化だけでなく、例えば人物2が立ったり座ったりするような変化も含むものとする。
【0063】
制御部221には、記憶部224が接続されている。記憶部224は、高さ計測装置1より時系列的に取得した高さの分布を記憶するとよい。また記憶部224には算出された情報等のデータが記憶できる。
【0064】
また制御部221には、監視装置201を操作するための情報を入力する入力装置227、監視装置201で処理された結果を出力する出力装置228が接続されている。入力装置227は例えばタッチパネル、キーボードあるいはマウスであり、出力装置228は例えばディスプレイやプリンタである。本図では、入力装置227、出力装置228は制御装置220に外付けするものとして図示されているが、内蔵されていてもよい。また、入力装置227は、例えば監視の開始や解除を行なえるスイッチ、出力装置228は、例えば動作インジケータとしてのLEDとしてもよい。このようにすると、監視装置201を単純に構成できる。特に、高さ計測装置1と制御装置220とを一体に構成する場合には、このように構成することが好ましい。このようにすることで、より単純で小型な監視装置とすることができる。
【0065】
また制御部221には、外部と通信するためのインターフェイス229が備えられている。インターフェイス229は、例えば制御部221の監視部222により人物202が危険な状態にあると判断された場合に外部に通報することができるように構成されている。通報は、例えば音声、文字、記号、室内照明を含む光の強弱又は、振動などによるものである。またインターフェイス229は、一般電話回線、ISDN回線、PHS回線、または、携帯電話回線などの通信回線に対して接続する機能を備えている。即ち、例えば監視装置201が個人宅に設置されている場合には、上記通信回線を利用することで、離れた場所例えば病院等の医療施設に通報できる。このようにすることで、例えば監視装置201が設置された場所から離れた場所であっても、上記通信回線を利用することで、人物202が危険な状態にあることを容易に通報できるので、有効である。また制御部221は、音声出力機能を備えるようにし、インターフェイス229を介して、第三者に人物202が危険な状態にあることを音声で通報するようにしてもよい。
【0066】
さらに、制御部221には、異常が発生したときに作動するように構成された警報装置290を有する。警報装置290は、例えば監視部222により人物202が危険な状態にあると判断された場合即ち人物202に異常が発生した場合や、監視装置201の故障等の異常が発生した場合に作動するように構成するとよい。このようにすることで、人物202が危険な状態であるときに迅速に対応できるので、信頼性を高めることができる。制御装置220は、警報装置290が作動した場合に、インターフェイス229を介して、前述のように異常の発生を外部に通報するように構成するとよい。本図では、警報装置290は、外付けとして図示してあるが内蔵としてもよい。
【0067】
ここで、本実施の形態の監視装置201の作用を説明する。
監視装置201によりトイレ内が監視されている。監視装置201は、高さ計測装置1により、トイレ203内の高さ分布を計測し、その高さ分布を、時系列的に制御装置220の制御部221に入力している。制御部221は、時系列的に入力された高さ分布に基づいて、トイレ203内に存在する人物202を監視部222により監視している。
【0068】
ここで、例えばトイレ203内に人物202が進入してきた場合、進入してきた人物202が、トイレ入口付近の高さ分布の変化として計測され、その高さ分布は制御部221に出力される。この高さ分布を入力した制御部221は、監視部222により、人物202の高さ、位置を判断する。
【0069】
さらに監視部222は、時系列的に入力した高さ分布により、高さ分布の変化を評価することで、人物202の移動を判断する。そして、人物202の高さ、位置、移動の判断に基づき、人物202の存在、その姿勢、位置、移動状態を判断する。この判断は、例えば、人物202の移動がなく、かつ高さが低くなった場合には、この人物2が座ったと判断できる。また、人物202が低い高さで広範囲に計測され、かつ移動が無い場合には、この人物202は倒れている状態にあると判断できる。このようにして監視装置201は、トイレ203内の人物202の進入、存在とその状態を監視することができる。
【0070】
以上のように監視装置201は、対象領域としてのトイレ内にどの程度の大きさの人物202が進入し、人物202がどのようなの状態(どの位置で、立っている、座っている、倒れている)にあるか、また、その人物202は動いているか、また退出したかといった一連の動きを簡単な装置で追従することができる。
【0071】
以上のような第2の実施の形態によれば、監視装置201は、人物202の状態を判断して、人物202が倒れたとか、不法侵入者が存在しているといった監視を非常に容易に行なうことができる。さらに簡易な装置で高速処理が可能である。
【0072】
次に、図17の模式的斜視図を参照して、本発明による第3の実施の形態である監視装置301について説明する。監視装置301は、第1の実施の形態で説明した高さ計測装置1を備えている。また、監視装置301は、高さ計測装置1により計測された対象物の高さ又は高さ変化に関る量に基づいて、対象領域内の対象物を監視するように構成されている。ここでは、対象物の高さに基づいて、対象物を監視する場合で説明する。本実施の形態では、対象物は、人物202である。また、対象領域は、ベッド306上である。さらに、監視装置301は、典型的にはベッド306上に横たわって存在している人物302の形状変化、例えば呼吸を監視するものである。なお、本実施の形態では、高さは、高さの分布を含む概念である。
【0073】
図中ベッド306上に、対象物であり周期的変化をする物としての人物302が横たわって存在している。また、人物302の上には、さらに寝具303がかけられており、人物302の一部と、ベッド306の一部とを覆っている。即ち監視装置301は、寝具303の上面を監視している。また寝具303を使用しない場合には、監視装置301は、人物302の胴体部そのものを監視するようにするとよい。また、本実施の形態では、人物302の形状変化は、周期的変化、推移的変化を含む概念である。また人物302の周期的変化は、例えば人物302の呼吸である。人物302の推移的変化は、例えば人物302の体動、移動である。また、周期的変化とは、例えば人物302の呼吸の周期、例えば、毎分5〜60サイクルの変化である。即ち本実施の形態では、周期的変化は、呼吸の周期から大きく外れた周期的変化を含まない。ところで、大人の呼吸数は、毎分5〜30回程度の範囲にあるが、幼児の場合にはさらに呼吸数が多くなる傾向がある。
【0074】
さらに、監視装置301は、検出された人物302の形状変化に基づいて、人物302の状態を判断するように構成される。人物302の状態とは、例えば正常な呼吸をしている、異常な呼吸をしており危険である、体動例えば寝返りを打っている、移動例えば着床、離床しようとしている等といった状態である。
【0075】
一方、人物302の腹部周辺直上には、輝点投影装置10によりパターン310aが投影された人物302を撮像するための撮像手段としての撮像装置11が設置されている。パターン310aは、図1で説明したパターン10aと同様なものである。また人物302のおよそ頭部又は足部上方には(図示は頭部上方の場合)、輝点投影装置10が設置され、人物302のおよそ腹部上の寝具303を中心に照明している。照明される範囲は、人物302の腹部、胸部、背部、及び肩部が、就寝中に取りうる位置を網羅する範囲に設定するとよい。同様に、撮像装置11による撮影領域の範囲も設定するとよい。また、輝点投影装置10は、典型的には、その光軸(レーザ光束の投射方向)を、およそ撮像装置11の光軸と平行方向に向けて設置するが、図示のように傾けて設置してもよい。この場合には、例えば撮像装置11と輝点投影装置10との距離を離して設置することが容易に行なえる。
【0076】
さらに、撮像装置11と輝点投影装置10とは、撮像装置11と輝点投影装置10を結ぶ軸と、ベッド306の中心線がおよそ平行になるように設置する。さらに輝点投影装置10により投影されるパターン310aの楕円輝点の長軸の方向は、ベッド306の中心線と垂直方向とする。即ち、楕円輝点の長軸の方向は、撮像装置11と輝点投影装置10を結ぶ直線方向(基線方向)と垂直な方向である。また、撮像装置11と輝点投影装置10とは、ある程度距離を離して設置するとよい。このようにすることで、図1で前述した距離d(基線長d)が長くなるので、変化を敏感に検出できるようになる。検出した各輝点位置での高さ又は高さの変化を合算することで、対象物全体即ち人物302全体の高さ又は高さ変化に関る量(周期的変化)が得られると同時にランダムノイズを低減することができる。撮像装置11と輝点投影装置10との設置場所は、例えば天井に設置するとよい。このように設置することで、人物302の周期的変化即ち呼吸を敏感に検出することができる。また、本実施の形態では、撮像装置11と輝点投影装置10との設置場所は、天井としているが、例えばスタンドに取り付けてもよい。このようにすることで、監視装置301(特に撮像装置11と輝点投影装置10)の設置が容易になり、例えば、病院等で必要なときに必要な場所に設置できるので、簡便である。
【0077】
また、監視装置301では、高さ計測装置1の一次元位置検出装置21(図1参照)は、撮像素子15(図1参照)により得られた所定時間間隔の2つのパターン像の差分像を生成するように構成してもよい。この場合には、一次元位置検出装置21は、例えば、撮像素子15aのリニアセンサ150a(図2参照)の各画素毎の差を取ることにより差分像を生成するようにするとよい。この場合、高さ計測装置1の高さ演算部22は、高さ変化を演算することになる。このようにすると、後述の演算部322による時間変化の演算を一次元位置検出装置21で行なうことができるので装置を単純化できるだけでなく、処理の高速化が図れる。所定時間間隔とは、人物302の細かい周期的変化即ち人物302の呼吸を監視するのに十分な間隔であり、例えば2〜5フレーム/秒程度であるが、さらに速く例えば10フレーム/秒以上であってもよい。撮像装置11は、差分像を生成することにより、例えば太陽光により、人物302以外の物による陰影が人物302にかかっていたり、外乱光による照明強度が、人物302の部分部分でばらつきがあったりしていても、そのような陰影やばらつきの影響を排除できる。この場合、差分を取る2つのパターン像のうち、一方を参照像と解することができる。
【0078】
また差分像を生成する場合には、撮像装置11は、例えば撮像素子15aのリニアセンサ150aとして動体検出素子を用いてもよい。動体検出素子は、例えばリニアセンサ150aの各画素で、フレームの画素値を記憶し、1フレームずれた最新のフレームの画素値との差を取り、その差を閾値処理して値を出力する機能(2値化処理機能)を持った素子で、信号伝達過程でのノイズの影響を受けることなく、楕円輝点が移動した差分像を生成することができる。
【0079】
さらに差分像を生成する場合は、撮像装置11に、例えば上述の動体検出素子を用いた場合でも、レーザ光L1は、継続的に照射してもよい。即ち、パターン310aを継続的に照射してもよい。
【0080】
図18を参照して、監視装置301の構成の一例を説明する。監視装置301は、第1の実施の形態で説明した高さ計測装置1と、制御装置320とを含んで構成される。そして高さ計測装置1は、制御装置320に接続されており、高さ計測装置1から人物302の高さを取得できるように構成されている。また高さは、高さ計測装置1から時系列的に取得するように構成するとよい。制御装置320は、例えばパソコンやマイコン等のコンピュータである。
【0081】
制御部321には、記憶部324が接続されている。記憶部324は、高さ計測装置1より時系列的に取得した高さを記憶するようにするとよい。また記憶部324には算出された情報等のデータが記憶できる。さらに記憶部324内には、人物302の正常な呼吸パターン及び異常な呼吸パターンを保存する呼吸パターン保存部326が備えられている。正常な呼吸パターン及び異常な呼吸パターンについては、図20参照して後で説明する。
【0082】
また制御部321には、監視装置301を操作するための情報を入力する入力装置327、監視装置301で処理された結果を出力する出力装置328が接続されている。入力装置327、出力装置328は、第2の実施の形態で説明した入力装置327、出力装置328と同様なものである。また制御部321には、外部と通信するためのインターフェイス229が備えられている。インターフェイス329は、第2の実施の形態で説明したインターフェイス229と同様なものである。
【0083】
さらに、制御部321には、監視装置301に異常が発生した場合に作動するように構成された警報装置390を有する。警報装置390は、例えば検出処理部323により人物302が危険な状態にあると判断された場合即ち人物302に異常が発生した場合や、監視装置301の故障等の異常が発生した場合に作動するように構成するとよい。このようにすることで、人物302に発生した異常に対して迅速に対応できるので、信頼性を高めることができる。制御装置320は、警報装置390が作動した場合に、インターフェイス329を介して、異常の発生を外部に通報するように構成するとよい。本図では、警報装置390は、外付けとして図示してあるが内蔵としてもよい。
【0084】
また制御部321内には、高さ計測装置1から出力される高さの時間変化を演算する演算装置としての演算部322を備えている。高さ計測装置1から出力される高さは、過去一定回数取得した、または過去一定期間内に取得した距離の移動平均値、または期間平均値としてもよい。このようにすることで、ランダムノイズや窓から差し込む日光のちらつきなどによる突発的なノイズが軽減でき、ピーク位置の誤判定やゼロクロス位置(符号が反転する交点)の誤判断を軽減することができる。
【0085】
また、時間変化を演算するとは、高さ計測装置1より一定時間間隔で高さを取得することにより、高さ計測装置1より取得された高さと、記憶部324に時系列的に保存された高さとの差を取ることにより得られる人物302の形状変化を抽出することである。これは、例えば人物302の呼吸、体動、移動を抽出することである。これにより、抽出された人物302の呼吸は、波形パターンを形成する。
図19は、呼吸の波形パターンの例を示した図である。
【0086】
さらに制御部321内には、検出処理装置としての検出処理部323が備えられている。検出処理部323は、演算部322により演算された時間変化に基づいて人物302の形状変化を検出するように構成されている。即ち人物302の呼吸、体動、移動を検出するように構成されている。
【0087】
さらに検出処理部323は、基準高さと、計測高さとに基づいて、人物302の対象領域としてのベッド306上の存在の有無の判断、即ち人物302の在床の判断を行なうように構成されている。基準高さは、例えば人物302が存在しない時点の高さ、計測高さは、高さ計測装置1により計測した高さ、言い換えれば計測した最新の高さである。即ち、人物302が存在しない時点の高さと、高さ計測装置1により計測した高さとに基づいて、人物302の在床の判断を行なうように構成されている。
【0088】
また検出処理部323は、検出された形状変化中の周期的変化(人物302の呼吸)が一定時間検出された後に、人物302が対象領域としてのベッド306上の存在の有無の判断、即ち人物302の在床を判断するように構成してもよい。また監視装置301は、人物302の在床を判断したことを条件に、人物302の危険状態の判断を開始するようにしてもよい。一定時間は、呼吸を安定して検出できる時間であり、例えば30〜120秒、より好ましくは、30〜90秒である。なお、存在の有無の判断は、ベッド又はその周囲に存在する対象物即ち人物302により荷重がかかる部分に感圧センサを配置することにより、この感圧センサからの出力に基づいて判断するようにしてもよい。
【0089】
また、検出処理装置323は、検出された形状変化中の推移的変化を検出した後に、周期的変化を検出することがなく、一定時間以上、推移的変化及び周期的変化を共に検出できない状態になったとき、対象物が対象領域の外に出た、即ち人物302が離床したと判断するように構成するとよい。前記一定時間は、例えば1〜3分程度である。例えば、体動、移動を検出した後、実際に人物302が離床した場合には、時間変化の値は、徐々に下がってくるため、変化量だけで見ていると、呼吸を検出する範囲になる時間があり、そしてその後何も検出されなくなる。このため、離床の判断を、推移的変化及び周期的変化を共に検出できない状態になったときとしている。但し、このようになる前に、呼吸が検出されていれば、体動又は移動を検出した後に、安静状態となっていることを意味しているから、その後呼吸、体動、移動がなくなれば、危険な状態であると判断しなければならない。
【0090】
また検出処理装置323は、検出された人物302の形状変化に基づき、周期的変化の周期を監視するように構成してもよい。即ち、検出処理装置323は、検出された人物302の呼吸、体動、移動に基づき、人物302の呼吸の周期を監視するように構成されている。さらに、検出処理装置23は、呼吸の周期から呼吸数を監視するように構成してもよい。ここで、呼吸数を監視することも、周期を監視する概念に含まれるものとする。また検知処理部323は、検出された形状変化中の周期的変化の周期及び振幅のいずれか一方又は両方に基づいて、人物302の呼吸を監視するように構成してもよい。
【0091】
さらに、検知処理部323は、検出された形状変化に基づいて人物302の状態を判断する。例えば、短時間に呼吸パターンの持つ周期が乱れた場合又は、呼吸パターンの持つ周期が急激に変化した場合には、例えば、自然気胸、気管支喘息などの肺疾患、うっ血性心不全などの心疾患、または、脳出血などの脳血管疾患であると推測できる。また、呼吸パターンの消失が続いた場合には、人物302の呼吸が停止したと推測できる。そして、短時間に呼吸パターンではなく人物302の体動が頻出した場合には、人物302が何らかの理由で苦しんで暴れているような状況が推測できる。このようなことを考慮して、人物302の状態を判断するように設定するとよい。
【0092】
また、人物302の体動や移動の検出は、時間変化から呼吸のみを検出した場合に比べて、時間変化が遥かに大きく変動するので、容易に検出することができる。この場合には、さらに検知処理部323は、高さの時間変化をベッド306上の各箇所毎に検出することより、人物302が、例えば寝返り等その場で動いているのか、例えばベッドから起き上がる等の移動をしているのかを検出することもできる。また、人物302が痙攣のような周期的で小さい動きをした場合でも、その波形パターンから異常を判断することができる。このような場合には、さらに痙攣している状態の波形パターンを記憶部324に保存しておくことで、人物302が痙攣している状態と判断することもできる。
【0093】
図20を参照して、正常及び異常な呼吸パターンの例を説明する。記憶部324内の呼吸パターン保存部326に保存されている正常な呼吸パターンは、図20(a)に示したような、周期的なパターンである。ただし、大人の場合には、1分間の呼吸数として正常な範囲は、10〜20回程度である。呼吸パターン保存部326に保存されている異常な呼吸パターンは、例えば、チェーン−ストークス(Cheyne−Stokes)呼吸、中枢性過換気、失調性呼吸、カスマウル(Kussmul)の大呼吸など、生理学的に体内に障害が発生している場合に生じると考えられている呼吸パターンである。
【0094】
図20(b)に、Cheyne−Stokes呼吸の呼吸パターンを、図20(c)に中枢性過換気の呼吸パターンを、図20(d)に失調性呼吸の呼吸パターンをそれぞれ示す。
さらに図21に、上記の異常な呼吸パターンが発生した場合の、病名または疾患箇所について示す。
【0095】
検知処理部323は、それぞれの呼吸パターンの呼吸の周波数、出現回数、深浅が異なることを利用して、人物302の呼吸パターンが上記のいずれの呼吸パターンに属するかを判別し、人物302の状態を判断するようにするとよい。
【0096】
さらに検知処理部323は、人物302の呼吸が、生理学的に体内に障害が発生している湯合に生じると考えられている呼吸パターンに属すると判定した場合に、人物302が異常な呼吸をしており危険な状態にあると判断する。生理学的に体内に障害が発生している湯合に生じると考えられている呼吸パターンとは、例えば図20で説明した呼吸パターンである。このように判断された人物302の状態は、例えば、制御部321により出力装置328や警報装置290に出力される。また出力される内容は、検出された人物302の呼吸数や動きの頻度、異常な呼吸パターンの名称やその呼吸の原因となると考えられる病名、疾患器官、疾患箇所などである。
【0097】
以上のような第3の実施の形態によれば、人物302の呼吸を確実に検出することができ、人物302の状態を判断することができる。さらに、簡易な装置で高速処理が可能である。また監視装置302は、高さ計測装置1を用いることで、単純な装置で、人物302の姿勢や外乱光に対して影響を受けることなく人物の呼吸を確実に検出することができる。これにより、監視装置302は、高齢者や病人が危機的状況に陥った場合に、迅速な救急対応の実現が可能になる。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、対象領域内に存在する対象物の高さを計測する高さ計測装置において、前記対象領域に、楕円の長軸と交差する直線上に配列された、複数の楕円輝点を投影する楕円輝点投影手段と、前記投影により形成されたパターンを撮像する撮像手段と、前記撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法の原理に基づいて前記対象物の高さ又は高さ変化に関る量を演算する高さ演算部とを備え、前記撮像手段は、前記直線方向であって、前記三角法の基線方向と一致する方向の一次元像を撮像し、前記一次元像の撮像領域は前記複数の楕円が配列された直線とほぼ一致しているので、単純であるだけでなく、高速処理が可能な高さ計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である高さ計測装置の概念的斜視図である。
【図2】図1の場合の撮像素子の例を示す模式的平面図である。
【図3】図2の場合の撮像素子を説明する図であり、(a)リニアセンサを用いた場合を説明する模式的平面図、(b)位置検出素子アレイを用いた場合を説明する模式的平面図である。
【図4】図2の場合の撮像素子にCCD撮像素子を用いた場合を説明する模式的平面図である。
【図5】図1の場合の結像面に結像したパターンの像を説明する模式図である。
【図6】図1の場合の、(a)撮像素子上に結像したパターンの像を説明する模式図、(b)複数の一次元像を説明する模式図である。
【図7】図6の場合の一次元像上での楕円輝点の移動量を説明する模式図である。
【図8】図1の場合の対象物の高さの演算について説明する線図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態で用いる輝点投影装置により投影されるパターンの別の例を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態である輝点投影装置の模式的斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態である輝点投影装置を説明する模式的斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態であるグレーティングについて説明する斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態である監視装置の模式的斜視図である。
【図14】図13の場合の高さ計測装置の模式的斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態である監視装置を浴室に取り付けた場合を説明する模式的斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態である監視装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態である監視装置の模式的斜視図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態である監視装置の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態で用いる、呼吸の波形パターンについて示した概要図である。
【図20】図19の場合の、正常及び異常な呼吸の波形パターンについて示した概要図である。
【図21】図20の場合の、異常な呼吸の波形パターンに対応する病名または疾患箇所の表を示した図である。
【符号の説明】
1 高さ計測装置
2 平面
3 物体
10 輝点投影装置
10a パターン
10b 楕円輝点
11 撮像装置
14 制御装置
15 撮像素子
15a 撮像素子(リニアセンサ使用)
15b 撮像素子(PSD使用)
15c 撮像素子(二次元CCD素子使用)
21 一次元位置検出装置
22 高さ演算部
105 光束発生部
110 グレーティング
110a パターン
111 光ファイバー
112 第1FG素子
113 第2FG素子
150 一次元受光素子アレイ
150a リニアセンサ
150b 一次元PSDアレイ
150c 走査線(選択したもの)
201 監視装置
222 監視部
301 監視装置
322 演算部
323 検出処理部

Claims (4)

  1. 対象領域内に存在する対象物の高さを計測する高さ計測装置において;
    前記対象領域に、楕円の長軸と交差する直線上に配列された、複数の楕円輝点を投影する楕円輝点投影手段と;
    前記投影により形成されたパターンを撮像する撮像手段と;
    前記撮像されたパターン像と参照像とに基づいて三角法の原理に基づいて前記対象物の高さ又は高さ変化に関る量を演算する高さ演算部とを備え;
    前記撮像手段は、前記直線方向であって、前記三角法の基線方向と一致する方向の一次元像を撮像し、前記一次元像の撮像領域は前記複数の楕円が配列された直線とほぼ一致している;
    高さ計測装置。
  2. 前記楕円輝点投影手段は、前記楕円輝点の配列された直線を、ほぼ平行に複数有する、請求項1に記載の高さ計測装置。
  3. 前記楕円輝点の長軸と前記三角法の基線方向は、ほぼ垂直である、請求項1または請求項2に記載の高さ計測装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高さ計測装置を備え;
    前記計測された対象物の高さ又は高さ変化に関る量に基づいて、前記対象物を監視するように構成された;
    監視装置。
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