JP4188490B2 - 音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音源装置を含む外部装置を複数備えた音響システムに係り、特に、外部装置と制御装置との接続状態の判定及び外部装置の機能調整に改良を施した音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のカーオーディオシステムなどの音響システムは、カセットデッキ、チューナ、コンパクトディスクプレーヤ(CD)、ミニディスクプレーヤ(MD)などの音源装置を、双方向データバスを介して制御装置に接続し、各音源装置と制御装置との間でデータをやりとりできるように構成されている。そして、かかる制御装置は、何種類か接続してある音源装置の中から、ユーザが制御装置に設けられた操作部によって指定したものをスピーカの音源信号として選択し、その信号をアンプ経由でスピーカに流す。
【0003】
このような音響システムにおいては、制御装置が予め定められているプログラムに従って処理を実行する際に、システムチェックを実行している。これは、接続されていない音源装置に関する部分をスキップして、余分な仕事を行わないようにし、当該音源装置に関する操作部の操作を無視するために、音源装置の接続状態を調べるものである。
【0004】
このシステムチェックとしては、制御装置から双方向データバスを通じて各音源装置へ確認用コマンドを送出して、一定時間内に応答があった場合には、音源装置が接続されていると判定し、応答がない場合には、音源装置は接続されていないと判定する方法が行われている。かかるシステムチェックは、通常は、▲1▼初期電源接続時、▲2▼アクセサリースイッチON時、▲3▼電源スイッチON時のいずれかにおいておこなわれる。
【0005】
ここで、「初期電源接続時」とは、音源装置を電源コネクタによって電源に接続した時をいい、音響システムを車体に組み込む際に行われる。「アクセサリースイッチON時」とは、車のキー操作によってアクセサリースイッチをONにした時をいう。「電源スイッチON時」とは、制御装置自体に設けられた電源スイッチをユーザがON操作した時をいう。
【0006】
初期電源接続時には、アクセサリースイッチや電源スイッチは、OFFの状態にあるが、音源装置におけるタイマやメモリなどの常時電源が必要な部分には、電源が供給される。また、アクセサリースイッチの操作と電源スイッチの操作とは、別個独立に行うことができるが、あらかじめ制御装置の電源スイッチをONにしておけば、アクセサリースイッチをONにすると同時に、制御装置の電源が入る。
【0007】
さらに、上記のような音響システムに、デジタルサウンドプロセッサユニット(以下、DSPユニットと呼ぶ)を、追加して接続する場合がある。このDSPユニットとは、車内に応じた最適な音響特性やホール等の所望の音場を実現できるように、音源装置からの信号を加工して、周波数特性、残響時間等の調節を行う装置である。なお、DSPユニットにおける信号の加工は、デジタル信号を処理することによって行うが、音源装置からの信号がアナログ信号の場合にはA/D変換器によってデジタル信号に変換してから、DSPユニットに入力される。このようなDSPユニットを追加して接続した場合にも、追加接続されたDSPユニットに関する手順をシステムに組み込むために、システムチェックが行われる。
【0008】
また、このような音響システムにおいては、チューナ用の時計調整、FMダイバーシティ機能のON/OFFの設定、表示装置用のコントラスト/ディマー等の画像調整などを行う必要があるが、これは電源スイッチON後に、操作部における調整キーを操作することによって、表示装置に個々の調整画面を表示させることによって行われていた。さらに、例えば、DSPユニットを追加接続したような場合にも、電源スイッチON後に、操作部における調整キーを操作することによって表示装置に調整画面を表示させ、DSPのモード設定、例えば、高級モードと簡易モードとの切換えを行う必要があった。高級モードとは、ユーザが周波数特性、残響時間等の調節を詳細に行うことのできるモードであり、簡易モードとは、上述のような調節要素の大半をデフォルト値としてあらかじめ設定しておき、ユーザによる調節を最小限にして、ユーザの作業負担を軽減できるモードである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような音響システムにおいては、初期電源接続時、アクセサリースイッチON時若しくは電源スイッチON時には、接続状態にあると判定されていた音源装置が、その後に発生した何等かの原因で通信不能に陥った場合があっても、制御装置は当該音源装置に対しては接続中の扱いをする。すると、制御装置は、実行コマンドの送信を一定カウント数繰り返す通信リトライを実行することになるが、通信不能の原因が音源装置に組み込まれているマイコンの暴走や、双方向データバスのケーブルの接触不良などにある場合には、通信の復旧の見込みは薄い。従って、かかる通信リトライの実行の繰り返しは、他の音源装置との通信の実行のための時間に影響を与え、音響システム全体に遅延が拡大することになる。
【0010】
また、上述のような音響システムにおいては、システムの電源スイッチを入れた後に、個々の音源装置毎に、操作部の調整キー操作を行うことによって調整画面を表示させ、調整を行う必要があるので、操作が繁雑となり、処置の遅延を招く。これは、外部DSPユニットを後接続した場合の簡易DSP/高級DSPのモード選択設定等を行う場合にも同様である。
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、音源装置の接続状態を容易かつ速やかに確認することができ、処理の遅延を防止することが可能な音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、音源装置の機能調整を容易に行うことができ、処理の遅延を防止することが可能な音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、音源装置を含む複数の外部装置と、前記外部装置を制御する制御装置とが、双方向データバスを介して接続され、前記制御装置には、その起動時に、外部装置との接続状態を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段における判定結果に応じて前記制御装置の制御対象となる外部装置を決定するシステムチェック手段とを有する音響システムにおいて、前記制御装置は、前記外部装置のうちのいずれかを選択させる操作部と、前記操作部により選択された外部装置の起動を指示する動作指示手段と、前記動作指示手段による指示に対する前記選択された外部装置からの反応がないときに、前記制御装置と前記外部装置との接続有無を判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により前記選択された外部装置が接続されていないと判定された場合、前記制御装置の再起動を指示するリブート指示手段と、を備え、前記再起動の後、前記外部装置との接続有無を判定した際に、その判定結果を示す画面と、前記第1の判定手段による判定結果を示す画面を入れ換えて表示することを特徴とする
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、音源装置を含む複数の外部装置に双方向データバスを介して接続された制御装置が、その起動時に外部装置との接続状態を判定する第1の判定処理と、前記第1の判定処理による判定結果に応じて前記制御装置の制御対象となる外部装置を決定するシステムチェック処理とを実行する音響システムの制御方法において、前記外部装置のうちのいずれかを選択させる操作部を用いて、前記操作部により選択された外部装置の起動を指示する動作指示処理と、前記動作指示処理による指示に対する前記選択された外部装置からの反応がないときに、前記制御装置と前記外部装置との接続有無を判定する第2の判定処理と、前記第2の判定処理により前記選択された外部装置が接続されていないと判定された場合、前記制御装置の再起動を指示するリブート指示処理と、を含み、前記再起動の後、前記外部装置との接続有無を判定した際に、その判定結果を示す画面と、前記第1の判定処理による判定結果を示す画面を入れ換えて表示することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明をコンピュータプログラムを記録した記録媒体の観点から捉えたものであり、音源装置を含む複数の外部装置に双方向データバスを介して接続された制御装置に、その起動時に外部装置との接続状態を判定させる第1の判定処理と、前記第1の判定処理による判定結果に応じて前記制御装置の制御対象となる外部装置を決定させるシステムチェック処理とをコンピュータを用いて行うための音響システムの制御用プログラムを記録した記録媒体において、前記プログラムは、前記コンピュータに、前記外部装置のうちのいずれかを選択させる操作部を用いて、前記操作部により選択された外部装置の起動を指示する動作指示処理と、前記動作指示処理による指示に対する前記選択された外部装置からの反応がないときに、前記制御装置と前記外部装置との接続有無を判定する第2の判定処理と、前記第2の判定処理により前記選択された外部装置が接続されていないと判定された場合、前記制御装置の再起動を指示するリブート指示処理と、を実行させ、前記再起動の後、前記外部装置との接続有無を判定させた際に、その判定結果を示す画面と、前記第1の判定処理による判定結果を示す画面を入れ換えて表示させることを特徴とする。
【0016】
以上のような請求項1,2,4記載の発明では、起動時には接続状態にあると判定されていた外部装置が、その後に発生した何等かの原因で通信不能に陥った場合、制御装置が再起動され、システムチェックが行われる。従って、通信不能な外部装置が早期に制御対象から切り離されることになり、処理の遅延を防止することができる。
【0020】
また、外部装置の過去の接続状態と最新の接続状態の違いを表示装置に表示することにより、ユーザが通信不能となった音源装置をすばやく正確に認識することができるので、通信不能の原因解明と修理・復旧を容易かつ速やかに行うことが可能となる。
【0029】
請求項記載の発明は、請求項記載の音響システムの制御方法において、前記制御装置は、あらかじめ設定された判定条件に基づいて、前記外部装置に対する確認信号の送受信に応じて、制御装置と外部装置との接続状態を判定することを特徴とする。
【0030】
以上のような請求項記載の発明では、判定条件の設定を適切な値とすることによって、処理の遅延の防止と正確な判定を実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
(1)第1の実施の形態
1−1.構成
1−1−1.全体的構成
本実施の形態の音響システムは、図1の全体構成図に示すように、センターユニット1と、CDプレーヤやMDプレーヤなど複数の音源装置2〜5と、DSPユニット6とを備えている。これらの各機器は、双方向データバス7、アナログ信号を伝えるためのアナログ音声ライン8、あるいはデジタル信号を伝えるための光ファイバー9によって接続されている。センターユニット1には、スイッチや音声認識によってセンターユニット1への指示を入力する手段である操作部10が接続されている。また、センターユニット1には、画像処理装置13を介して、液晶ディスプレイなどの表示装置14が接続されている。さらに、DSPユニット6には、外部アンプ11を介してスピーカ12が接続されている。
【0033】
センターユニット1は、操作部10からの指示入力にしたがって、スピーカ12に流す音源を音源装置2〜5のうちの所望のものに切り換える装置であり、特許請求の範囲にいう「制御装置」に相当する。また、音源装置2〜5は、スピーカ12から流す音源となる信号を提供する装置である。ここで、例えば、音源装置2,3は、ラジオチューナーやカセットプレーヤなどのアナログ信号を出力する装置であり、音源装置4,5は、CDプレーヤ、MDプレーヤなどのデジタル信号を出力する装置である。DSPユニット6は、各音源装置2〜5から信号を受け取って、スピーカ12に流す処理を行う装置である。なお、音源装置2〜5、表示装置14、DSPユニット6等は、特許請求の範囲にいう「外部装置」に相当する。
【0034】
これらセンターユニット1と、音源装置2〜5及びDSPユニット6のバス入力部61とは、まず、コマンドなどの制御信号を伝えるための双方向データバス7で接続されている。この双方向データバス7として用いられるコネクタは、センターユニット1を介した各音源装置2〜5への電源供給線としての機能も備えている。DSPユニット6は、音源装置2,3からアナログ信号を受け取るためのアナログ信号入力部62を備えていて、アナログ出力しかできない音源装置2,3は、アナログ音声ライン8を介して、これらのアナログ信号入力部62に接続されている。また、DSPユニット6は、音源装置4,5からデジタル信号を受け取るための複数のデジタル信号入力部63を備えていて、デジタル出力が可能な音源装置4,5は、それぞれ光ファイバー9を介してデジタル信号入力部63に接続されている。
【0035】
DSPユニット6は、図示はしないが、A/D変換回路、セレクタ、制御用マイクロコンピュータ、DSP−IC、D/A変換回路等を備えている。A/D変換回路は、アナログ信号入力部62から入力されたアナログ信号を、デジタル信号に変換する回路である。セレクタは、A/D変換回路によって変換されたデジタル信号と、デジタル信号入力部63から入力されたデジタル信号の中から、どの信号を使うかを切り換える部分である。制御用マイクロコンピュータは、DSPユニット6の各部の動作を司る手段である。DSP−ICは、音にかかわるデジタル処理を行うための集積回路で、例えば、操作部10からのユーザの入力設定値に基づいて、若しくはあらかじめ定められたデフォルト値に基づいて、入力されたデジタル信号を加工して、周波数特性、残響時間等を調節する計算を行う回路である。また、D/A変換回路は、DSP−ICで計算された数値から、アナログ信号を作成し、外部アンプ11に出力する回路である。
【0036】
1−1−2.センターユニットの機能
次に、図1に示したセンターユニット1の備えている機能について、図2に基づいて説明する。センターユニット1の備えているいろいろな機能は、実際には、搭載されたマイクロコンピュータを、組み込みプログラムなどのソフトウェアで制御することで実現される。
【0037】
この場合、どんな種類のCPUを使うか、どんな種類のプログラミングシステムを使うか、ソフトウェアはROMチップに記録しておくのか、CD−ROMのような記録媒体から読み込んで実行するのか、といった具体的な構成はいろいろ考えられる。このため、図2では、それぞれ一定の機能を果たす仮想的回路ブロックを用いて本実施形態を説明する。なお、図2においては、DSPユニット6、スピーカ12及び外部アンプ11は図示を省略している。
【0038】
すなわち、センターユニット1は、第1の判定手段101、システムチェック手段102、システムチェック結果記憶手段103、第2の判定手段111、判定条件設定手段112、リブート指示手段113、選択手段121、動作指示手段122、コマンド入出力手段124及び表示画面生成手段125を有している。
【0039】
第1の判定手段101は、システムの起動時に、双方向データバス7を介して各音源装置2〜5に確認用コマンドを送受信することによって、センターユニット1と各音源装置2〜5との接続状態を判定する手段である。システムチェック手段102は、第1の判定手段101によって通信不能と判定された音源装置があった場合に、当該音源装置に関する手順をスキップするように、システムを再構築する手段である。システムチェック結果記憶手段103は、システムチェック手段102によるシステムの再構築の結果を記憶する手段である。
【0040】
第2の判定手段111は、システムの作動中に、双方向データバス7を介して各音源装置2〜5に確認用のコマンドを送受信することによって、センターユニット1と各音源装置2〜5との接続状態を判定する手段である。判定条件設定手段112は、第2の判定手段111による判定条件を設定する手段である。
【0041】
かかる判定条件としては、例えば、エラータイマ、通信リトライカウンタ、通信不能カウンタ等がある。エラータイマは、一つの確認用コマンドの送信後、一定時間経過しても応答がない場合にタイムアップするタイマーである。通信リトライカウンタは、確認用コマンドを送信しても応答がない状態でタイムアップする度に、デクリメントされるダウンカウンタである。通信不能カウンタは、通信リトライカウンタがオーバーした場合に、デクリメントされるダウンカウンタである。かかる判定条件は、各音源装置に応じて適切な値に設定することも可能であり、全ての音源装置に一律に設定することも可能である。また、かかる判定条件を、操作部10によってユーザが設定・変更できる構成とすることも可能である。
【0042】
さらに、リブート指示手段113は、第2の判定手段111によって通信不能と判断された音源装置があった場合に、システムの再起動を指示する手段である。動作指示手段122は、操作部10からの指示に応じて、音源装置を選択する選択手段121と、起動・停止コマンド等の送信によって音源装置に起動・停止その他の動作を指示する手段である。コマンド入出力手段124は、上述の各手段のコマンドを、音源装置やDSPユニット6に送受信する手段である。表示画面生成手段125は、上述のシステムチェック操作指令をユーザに要求する画面やシステムチェック結果をユーザに知らせる画面等を生成して、画像処理装置13に出力する手段である。
【0043】
1−2.作用
上記のような構成を有するこの音響システムの作用は、以下に詳しく述べるように、音源装置の接続状態をシステムの起動時に調べて、通信不能の音源装置を切り離し、その後も、音源装置の通信不能状態が発生した場合に、システムを再起動させて、通信不能の音源装置を切り離すものである。
【0044】
1−2−1.起動時のシステムチェック
まず、センターユニット1とDSPユニット6に対して、ユーザが必要と思う種類の音源装置を購入し、双方向データバス7、アナログ音声ライン8及び光ファイバー9等の機能を有するコネクタによって接続することで、ユーザが、上述のような所望のシステムを構成することができる。そして、コネクタ接続による初期電源投入時は、表示装置に表示できない(電源スイッチOFF)状態なので、システムチェックをアクセサリースイッチON時に実行することを記憶させる。そして、アクセサリースイッチON時に、システムの起動を契機として、音源装置の接続状態を次のように調べる。このように接続状態を調べる手順を、図3のフローチャートに従って説明する。なお、以下のようなシステムチェック中においては、車のアクセサリースイッチはON状態にあり、センターユニット1の電源スイッチはOFF状態にある。
【0045】
まず、コネクタ接続後のアクセサリースイッチON時にシステムが起動して(ステップ301)、図4に示すように、表示画面生成手段125によって、システムチェックの要求画面が生成され、表示装置14に表示される(ステップ302)。ユーザが操作部10の操作によってシステムチェック要求指示を行うと(ステップ303)、第1の判定手段101が、双方向データバス7を介して各音源装置2〜5に確認用コマンドを送信する(ステップ304)。このとき、図5に示すように、表示画面生成手段125によって、システムチェック確認中の画面が表示される(ステップ305)。
【0046】
全ての音源装置2〜6に確認用コマンドを送信した後(ステップ306)、各音源装置2〜6からの応答コマンドを、第1の判定手段111が受信した場合には通信可能状態にあると判定され、受信できない場合には通信不能状態と判定される。そして、全ての音源装置からの応答コマンドを受信した場合には(ステップ307)、システムはそのまま維持される。
【0047】
また、応答コマンドを受信できずに、通信不能と判定された音源装置がある場合には(ステップ307)、システムチェック手段102によってシステムが再構築される(ステップ308)。この再構築は、センターユニット1が、予め定められているプログラムに従って処理を実行する際に、通信不能と判断された音源装置に関する部分をスキップして、余分な仕事を行わないようにし、当該音源装置に関する操作部の操作を無視するものである。さらに、以上のようなシステムチェックの結果は、システムチェック結果記憶手段103に記憶される(ステップ309)。
【0048】
以上のようなシステムチェックの結果を表す画像データは、表示画面生成手段125によって生成され、画像処理装置13を介して出力されるので、図6に示すように、表示装置14においてシステムチェックの結果が画面表示される(ステップ310)。
【0049】
1−2−2.音源装置への実行指令
続いて、ユーザが、センターユニット1の電源スイッチをONにした後に、所望の音源装置の作動指令を操作部10から入力すると、その指令に応じて選択手段121が作動させる音源装置を選択する。そして、選択された音源装置に対して、動作指示手段122から起動指示コマンドが送信され、当該音源装置が作動する。DSPユニット6においては、作動した音源装置からの音源信号がアナログ信号の場合には、アナログ信号入力部からA/D変換回路に入力され、このA/D変換回路においてデジタル信号に変換された後、セレクタに入力される。音源信号がデジタル信号の場合には、デジタル信号入力部を介して直接セレクタに入力される。
【0050】
制御用マイクロコンピュータには、動作指示手段122から双方向データバス7を介して起動指示コマンドが入力されるので、この起動指示コマンドに基づいて、対応する音源装置の信号がセレクタにおいて選択され、DSP−ICに送られる。DSP−ICにおいては、入力されたデジタル信号に対して、ユーザの設定に応じた周波数特性、残響時間等が実現できるような加工が行われる。そして、加工されたデジタル信号はD/A変換回路に出力され、D/A変換回路においてアナログ信号に変換されて、外部アンプ11を介してスピーカ12から出力される。
【0051】
なお、音源装置を切り替える場合には、ユーザが操作部10から現在再生中の音源装置以外の音源装置を指定する。すると、現在選択されていてCDなどを再生中の音源装置に対して、動作指示手段122から双方向データバス7を介して、演奏を停止させる停止指示コマンドが送信されるので、音源装置の作動が停止する。続いて、動作指示手段122によって、新たに選択された音源装置に対して、双方向データバス7を介して起動指示コマンドが送信される。そして、上記と同様の手順で、新たに選択された音源装置からの音がスピーカ12から出力される。
【0052】
1−2−3.作動中のシステムチェック
さらに、ある音源装置に通信不能状態が発生した場合のシステムチェックの手順を、図7のフローチャートを参照して説明する。すなわち、上記のように操作部10において選択された音源装置において、マイコン暴走やバスケーブルの接触不良などが発生した場合、動作指示手段122から起動・停止指示コマンドが送信されても(ステップ701)、それに対する応答はない(ステップ702)。すると、判定条件設定手段112によって、通信不能カウンタ、通信リトライカウンタ、エラータイマが設定される(ステップ703〜705)。
【0053】
そして、当該音源装置に対して、第2の判定手段111から確認用コマンドの送信がなされ(ステップ706)、応答があった場合には(ステップ707)、システムの現状が維持される。応答がない場合には(ステップ707)、設定時間の経過後、エラータイマがタイムアップする(ステップ708)。すると、通信リトライカウンタがデクリメントされる(ステップ709)。通信リトライカウンタが、予め定められているリトライ数に達しない場合には(ステップ710)、再びエラータイマが設定されてカウントを開始し(ステップ705)、ステップ706からステップ709の手順の作業を繰り返す。
【0054】
通信リトライカウンタが順にデクリメントされ、予め定められているリトライ数に達すると(ステップ710)、通信不能カウンタがデクリメントされる(ステップ711)。通信不能カウンタがオーバーにまで至らない場合には(ステップ712)、判定条件設定手段112によって、再通信用タイマが設定され(ステップ713)、これがタイムアップすると(ステップ714)、再び通信リトライスカウンタが設定され(ステップ704)、ステップ705からステップ711の手順の作業を繰り返す。
【0055】
そして、通信不能カウンタがオーバーした場合には(ステップ712)、第2の判定手段111によって、当該音源装置は通信不能と判定され、リブート指示手段113によってシステムの再起動が指示される(ステップ715)。
【0056】
このようにシステムが再起動されると、図3のフローチャートに示したように、上述の起動時と同様の手順でシステムチェックが行われる。そして、通信不能の音源装置を排除するようにシステムが再構築された場合には、そのシステムチェックの結果は、システムチェック結果記憶手段103に記憶される(ステップ309)。
【0057】
さらに、最初の起動時のシステムチェック結果と再起動時のシステムチェック結果との相違がわかる画像データが、表示画面生成手段125によって生成され、画像処理装置13を介して出力されるので、表示装置14においてシステムチェック結果が画面表示される(ステップ310)。この画面表示は、例えば、図8に示すように、通信不能に該当する音源装置、即ち「CDA/C2」で示されるユニットの文字列を反転することによって行う。
【0058】
1−3.効果
以上のような本実施の形態によれば、ある音源装置の通信不能を検出したら、システム全体を自動的に再起動し、接続状態を確認してシステムを再構築するシステムチェックを実行することにより、通信不能な音源装置を早期に切り離すことが可能となるので、処理の遅延が防止され、操作性が向上する。
【0059】
また、過去のシステム状態と最新のシステム状態の違いを画面にて表示することにより、ユーザが通信不能となった音源装置をすばやく正確に認識することができる。従って、通信不能の原因解明と修理・復旧を容易かつ速やかに行うことができる。
【0060】
(2)第2の実施の形態
2−1.構成
2−1−1.全体構成
本実施の形態は、図9の全体構成図に示すように、センターユニット1と、複数の音源装置2〜5とを、双方向データバス7によって接続した音響システムである。センサーユニット1には、操作部10、画像処理装置13、表示装置14が接続されている。また、音源装置2〜5は、、アナログ信号を伝達するためのアナログ音声ライン8によって、外部アンプ11を介してスピーカ12に接続されている。なお、この音響システムは、アナログ音声ライン8や光ファイバー9によって、DSPユニット6を後接続することによって、第1の実施の形態と同様のシステムを構成できる。
【0061】
このうち、センターユニット1は、操作部10からの指示入力に従って、スピーカ12に流す音源を音源装置2〜5のうちの所望のものに切り換える装置であり、特許請求の範囲にいう「制御装置」に相当する。なお、音源装置2〜5、表示装置14、DSPユニット6等は、特許請求の範囲にいう「外部装置」に相当する。
【0062】
2−1−2.センターユニットの機能
次に、図1に示したセンターユニットの備えている機能について、図2に基づいて説明する。なお、上述の第1の実施の形態におけるセンターユニット1と同様の構成部分は、説明を省略する。すなわち、センターユニット1は、システムにおける各種の機能調整を、あらかじめ定められた順番に指示するための機能調整指示手段131、各機能調整用の表示画面のデータを記憶した機能調整画像記憶手段132、表示装置14用の画像調整指示手段133とを有している。機能調整指示手段131によって調整される機能には、例えば、チューナ用の時計調整機能及びFMダイバーシティ設定機能があり、さらに、画像調整指示手段133を介して調整される機能には、例えば、表示装置14のコントラスト/ディマー等の調整機能がある。また、機能調整指示手段131は、DSPユニット6が後付された場合には、簡易DSP/高級DSPモードを選択するためのDSPモード調整機能を有する。
【0063】
2−2.作用
以上のような構成を有する本実施の形態の作用を、以下に説明する。なお、上述の第1の実施の形態における作用と同様の点は、説明を簡略化する。
【0064】
2−2−1.通常の機能設定
まず、通常の機能設定の手順を、図3及び図11のフローチャートを参照して説明する。なお、図11においては、図3と同様の手順は、システムチェック(ステップ1101)、システムチェック完了画面表示(ステップ1102)として省略表示している。すなわち、図3に示すように、初期電源接続時にシステムが起動し(ステップ301)、ユーザが操作部10の操作によってシステムチェック要求指示を行うと、システムチェックが行われ(ステップ302〜309)、その結果が画面表示される(ステップ310)。そして、図11に示すように、システムチェック結果の画面表示が、例えば5秒間経過すると(ステップ1103)、機能調整指示手段131が、機能調整画像記憶手段132から時計調整画面のデータを選択して出力するので、表示画面生成手段125によって時計調整画面が生成され、表示装置14において表示される(ステップ1104)。
【0065】
ユーザは、この設定画面を見ながら、操作部10を操作することによって時計調整を行うと、これに応じて機能調整指示手段131がチューナに対して指示信号を発し、時計設定が完了する(ステップ1105)。次に、機能調整指示手段131が、機能調整画像記憶手段132からFMダイバーシティ設定画面のデータを選択して出力するので、表示画面生成手段125によってFMダイバーシティ設定画面が生成され、表示装置14において表示される(ステップ1105)。ユーザは、この設定画面を見ながら、操作部10を操作することによってFMダイバーシティ機能のON/OFFを選択すると、これに応じて機能調整指示手段131がチューナに対して指示信号を発し、FMダイバーシティ設定が完了する(ステップ1107)。さらに、機能調整指示手段131が、機能調整画像記憶手段132から画像調整画面のデータを選択して出力するので、表示画面生成手段125によって画像調整画面が生成され、表示装置14において表示される(ステップ1108)。ユーザは、この設定画面を見ながら、操作部10によって画面のコントラスト/ディマー等を設定すると、画像調整指示手段133が表示装置14に対して指示信号を発し、画像調整が完了する(ステップ1109)。その後、表示画面生成手段125によって、POWER OFF画面が生成され、表示装置14に表示されて、処理が終了する。
【0066】
2−2−2.DSPユニットが後接続された場合の機能設定
次に、DSPユニット6がシステムに後接続された場合の機能設定の手順を、図12を参照して以下に説明する。すなわち、ユーザがコネクタによってDSPユニット6を追加接続すると(ステップ1201)、DSPユニット6の制御用マイクロコンピュータから、システムチェック要求コマンドが、双方向データバス7上に出力される(ステップ1202)。センターユニット1の第1の判定手段101は、システムチェック要求コマンドを発見すると、DSPユニット6が後接続されたと判定する(ステップ1203)。すると、図3におけるステップ302からステップ310までの手順によってシステムチェックが行われる(図12のステップ1204)。つまり、システムチェック手段103によって、DSPユニット6に関する手順を追加するようにシステムが再構築され、その結果はシステムチェック結果記憶手段103に記憶されて、表示装置14に表示される(図12のステップ1205)。
【0067】
さらに、システムチェック結果の画面表示が、例えば5秒間経過すると(ステップ1206)、図11のステップ1103〜1108と同様の処理が行われる(ステップ1207〜1212)。さらに、機能調整指示手段131が、機能調整画像記憶手段132からDSPモード設定画面のデータを選択して出力するので、表示画面生成手段125によってDSPモード設定画面が生成され、表示装置14において表示される(ステップ1213)。ユーザは、この設定画面を見ながら操作部10を操作することによって、簡易DSP/高級DSPモードを選択すると、これに応じて機能調整指示手段131がDSPユニット6に対して指示信号を発し、DSPモード設定が完了する(ステップ1214)。その後、表示画面生成手段125によって、POWER OFF画面が生成され、表示装置14に表示されて(ステップ1205)、処理が終了する。
【0068】
2−3.効果
以上のような本実施の形態の効果は、以下の通りである。すなわち、初期電源接続時に、システム追加によるシステムチェック状態を記憶しておくので、アクセサリースイッチONによって自動的に調整機能設定画面となり、ユーザが音源装置を使用するためにセンターユニット1の電源スイッチをONにする前に、調整機能設定を実行することができる。従って、運転中にキー操作する等の機能設定の煩わしさから解放され、安全性、操作性が多いに向上する。また、システムに追加接続された装置があった場合にも、当該装置とセンターユニット1とのコネクタ接続による初期電源接続時に、アクセサリースイッチONによって自動的に調整機能設定画面となるので、機能設定が容易となる。
【0069】
(3)他の実施の形態
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施の形態も含むものである。例えば、第2の実施の形態に、上記の第1の実施の形態における第2の判定手段111、リブート指示手段113、判定条件設定手段112を設けることによって、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるシステムとして構成することも可能である。
【0070】
また、音源装置の種類や数は自由であり、音源装置から信号を受け取って処理する処理装置の構成も、上に述べた実施形態に示したものには限定されない。そして、通信不能の判定条件は自由に設定可能であり、機能設定の種類、数、順序も上に述べた実施形態に示したものには限定されない。さらに、本発明の機能を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体も本発明の一態様である。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、音源装置の接続状態を容易かつ速やかに確認することができ、処理の遅延を防止することが可能な音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【0072】
また、本発明によれば、音源装置の機能調整を容易に行うことができ、処理の遅延を防止することが可能な音響システム、その制御方法及びその制御用プログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施の形態におけるセンターユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1の実施の形態における起動時及び再起動時のシステムチェックの手順を示すフローチャートである。
【図4】図1の実施の形態における表示装置のシステムチェック要求画面を示す図である。
【図5】図1の実施の形態における表示装置のシステムチェック中の画面を示す図である。
【図6】図1の実施の形態における表示装置の起動時におけるシステムチェック結果の表示画面を示す図である。
【図7】図1の実施の形態における通信不能判定手順を示すフローチャートである。
【図8】図1の実施の形態における表示装置の再起動時におけるシステムチェック結果の表示画面を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【図10】図9の実施の形態におけるセンターユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【図11】図9の実施の形態における機能調整手順を示すフローチャートである。
【図12】図9の実施の形態に、DSPユニットを後接続した場合の機能調整手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…センターユニット
101…第1の判定手段
102…システムチェック手段
103…システムチェック結果記憶手段
111…第2の判定手段
112…判定条件設定手段
113…リブート指示手段
121…選択手段
122…動作指示手段
2〜5…音源装置
6…DSPユニット
7…双方向データバス
8…アナログ音声ライン
9…光ファイバー
10…操作部
11…外部アンプ
12…スピーカ
13…画像処理装置
14…表示装置
301以下…手順の各ステップ

Claims (4)

  1. 音源装置を含む複数の外部装置と、前記外部装置を制御する制御装置とが、双方向データバスを介して接続され、前記制御装置には、その起動時に、外部装置との接続状態を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段における判定結果に応じて前記制御装置の制御対象となる外部装置を決定するシステムチェック手段とを有する音響システムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記外部装置のうちのいずれかを選択させる操作部と、
    前記操作部により選択された外部装置の起動を指示する動作指示手段と、
    前記動作指示手段による指示に対する前記選択された外部装置からの反応がないときに、前記制御装置と前記外部装置との接続有無を判定する第2の判定手段と、
    前記第2の判定手段により前記選択された外部装置が接続されていないと判定された場合、前記制御装置の再起動を指示するリブート指示手段と、
    を備え、
    前記再起動の後、前記外部装置との接続有無を判定した際に、その判定結果を示す画面と、前記第1の判定手段による判定結果を示す画面を入れ換えて表示することを特徴とする音響システム。
  2. 音源装置を含む複数の外部装置に双方向データバスを介して接続された制御装置が、その起動時に外部装置との接続状態を判定する第1の判定処理と、前記第1の判定処理による判定結果に応じて前記制御装置の制御対象となる外部装置を決定するシステムチェック処理とを実行する音響システムの制御方法において、
    前記外部装置のうちのいずれかを選択させる操作部を用いて、
    前記操作部により選択された外部装置の起動を指示する動作指示処理と、
    前記動作指示処理による指示に対する前記選択された外部装置からの反応がないときに、前記制御装置と前記外部装置との接続有無を判定する第2の判定処理と、
    前記第2の判定処理により前記選択された外部装置が接続されていないと判定された場合、前記制御装置の再起動を指示するリブート指示処理と、
    を含み、
    前記再起動の後、前記外部装置との接続有無を判定した際に、その判定結果を示す画面と、前記第1の判定処理による判定結果を示す画面を入れ換えて表示することを特徴とする音響システムの制御方法。
  3. 前記制御装置は、あらかじめ設定された判定条件に基づいて、前記外部装置に対する確認信号の送受信に応じて、制御装置と外部装置との接続状態を判定することを特徴とする請求項2記載の音響システムの制御方法。
  4. 音源装置を含む複数の外部装置に双方向データバスを介して接続された制御装置に、その起動時に外部装置との接続状態を判定させる第1の判定処理と、前記第1の判定処理による判定結果に応じて前記制御装置の制御対象となる外部装置を決定させるシステムチェック処理とをコンピュータを用いて行うための音響システムの制御用プログラムを記録した記録媒体において、
    前記プログラムは、前記コンピュータに、
    前記外部装置のうちのいずれかを選択させる操作部を用いて、
    前記操作部により選択された外部装置の起動を指示する動作指示処理と、
    前記動作指示処理による指示に対する前記選択された外部装置からの反応がないときに、前記制御装置と前記外部装置との接続有無を判定する第2の判定処理と、
    前記第2の判定処理により前記選択された外部装置が接続されていないと判定された場合、前記制御装置の再起動を指示するリブート指示処理と、
    を実行させ、
    前記再起動の後、前記外部装置との接続有無を判定させた際に、その判定結果を示す画面と、前記第1の判定処理による判定結果を示す画面を入れ換えて表示させることを特徴とする音響システムの制御用プログラムを記録した記録媒体。
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