JP4188454B2 - 包材表面の液体除去方法および液体除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、包材表面の液体除去方法および液体除去装置に関し、さらに詳しくは、例えば飲料用容器の形成材料である長尺な包材の殺菌剤の除去技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
現在、多くの種類の飲料などのパッケージとして、紙とラミネートフィルムとを積層した包材(シート)を折り曲げ加工したものが用いられている。このようなパッケージを製造するには、まず、予めパッケージの飲み口となる場所に、封止用フィルムでプレラミネートされた開口部が形成された長尺帯状の包材を、包装機を用いて筒状になるように加工する。次ぎに、筒状に加工された包材の下部に横方向にシールを施した後、例えばジュースやお茶などの飲料を内部に充填し、さらに上部をシールして切断するという工程を繰り返して上下部に横シールが施されたセミパッケージを連続的に製造する。その後、このセミパッケージを成形機で所定の形状となるように加工してファイナルパッケージを完成させている。 このような包材をパッケージに加工するに際して、衛生上の観点から加工工程の前に包材を殺菌剤で消毒する工程がある。通常、殺菌剤は液体であるため、包材を殺菌剤に浸漬させた後、図8に示すように、包材1が絞りローラ2A、2Bに至る前に、殺菌剤を除去するために熱風による吹き飛ばし工程が行われている。この殺菌剤の吹き飛ばしには、同図に示すように包材1の幅全体にわたって熱風を吹き付けるドライヤ3が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、飲料用パッケージを形成するための包材1には上述するように飲み口となる開口部1Aが形成されており、この開口部1Aにはラミネートフィルム1Bが一方の表面側に配されているため、図9に示すように包材1の開口部1Aには凹部が形成されている。この凹部内の隅部に入った殺菌剤4は包材1の表面に付着したものよりも毛細管現象の作用が付加する分だけ付着力が強く、図8に示すようなドライヤ3から吐出されるブロードな熱風では吹き飛ばせない場合が生じる。飲料用パッケージの包材1の殺菌剤としては、勿論人体に無害のものが用いられているが、万一飲料に混じると飲料の味を損ねるという問題が発生する。
【0004】
また、殺菌剤の吹き飛ばし効果や乾燥効果の向上を狙って熱風の量をさらに多くすると、ラミネートフィルム1Bに悪影響を与えることが危惧される。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、効率的に包材表面及び凹部内の液体を除去する方法および液体除去装置を得るにはどのような手段を講じればよいかという点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、凹部が表層に形成された包材表面の液体除去方法であって、前記凹部に空気を吹き付けるスポット送風工程と、前記包材の幅全体に渡って空気を吹き付ける送風を、前記包材の流れに逆らう方向に対して行う送風工程と、を備え、前記包材は、長尺帯状をなす、飲料用容器に加工されるシートであり、前記凹部は前記飲料用容器の飲み口となることを特徴としている。
【0007】
従って、請求項1記載の発明では、スポット送風工程においては凹部内に専らスポット送風が当たるため、凹部の周囲の空気圧力により液体が凹部内に戻されることなく、付着する液体を良好に吹き飛ばすことができる。
【0008】
また、前記包材は、長尺帯状をなす、飲料用容器に加工されるシートであり、前記凹部は前記飲料用容器の飲み口となることを特徴としている。
【0009】
従って、長尺帯状の包材が連続的に飲料用容器に加工される際の液体除去効率を高めて、容器の生産効率を向上させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の包材表面の液体除去方法であって、前記スポット送風工程は、前記包材に対して前記送風工程の前に行うことを特徴としている。
【0011】
従って、請求項2記載の発明では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、スポット送風工程で凹部内で毛細管現象により付着力の大きくなる量の液体を吹き飛ばした後に送風を行うため、例え凹部内に液体が僅かに残っていても毛細管現象を強く起こす程度には液体が存在しないため、送風にて良好に吹き飛ばして乾燥させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の包材表面の液体除去方法であって、前記液体は、殺菌剤であることを特徴としている。
【0013】
従って、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、殺菌剤の残留を防止して内容物の味や質を損ねない飲料用容器を効率的に加工することが可能になる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の包材表面の液体除去方法であって、前記空気は高温に加熱されていることを特徴としている。従って、請求項4記載の発明では、請求項1〜請求項3に記載の発明の作用に加えて、液体の吹き飛ばし作用の他に、蒸散作用を及ぼすことができ、効率の良い液体除去が可能になる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の包材表面の液体除去方法であって、前記スポット送風工程と前記送風工程との間に前記包材表面を絞る絞り工程を備えることを特徴としている。
【0016】
従って、請求項1〜請求項4に記載の発明の作用に加えて、スポット送風工程によって凹部内の液体を吹き飛ばした後に、送風を行う前に包材の表面を絞ることで送風により包材をより良好に乾燥させることができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、凹部が表層に形成された長尺帯状の包材表面の液体除去装置であって、前記包材は、飲料用容器に加工されるシートであり、前記凹部は前記飲料用容器の飲み口となり、前記包材を長手方向に沿って走行させると共に、前記凹部が通過する位置に該凹部内にスポット送風を行う送風ノズルが配置された送風パイプと、前記送風ノズルを通過した位置に前記包材の幅全体に渡って送風するエアーナイフ部が配置されていることを特徴としている。
【0018】
従って、請求項6記載の発明では、送風ノズルで凹部内に専らスポット送風が当たるため、凹部の周囲の空気圧力により液体が凹部内に戻されることなく、付着する液体を良好に吹き飛ばすことができ、エアーナイフ部で全面を均一に液体除去することができる。このとき、凹部内の液体はほとんど送風ノズルからの送風により吹き飛ばされているため、液体の付着力は包材表面に付着した液体と同程度であるため、凹部内もブロードな送風で完全に液体除去される。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の液体除去装置であって、前記エアーナイフ部は、送風手段に連通し、且つ前記送風パイプに連通することを特徴としている。
【0020】
従って、請求項7記載の発明では、請求項6に記載の発明の作用に加えて、エアーナイフ部と送風パイプとに供給する送風を単一の送風手段で行うことが可能になる。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の液体除去装置であって、前記エアーナイフ部と前記送風パイプとが連通する部分で前記送風パイプへの送風量が切り換え可能であることを特徴としている。
【0022】
従って、請求項8記載の発明では、請求項6および請求項7に記載の発明の作用に加えて、送風パイプへの送風量をマシンストップ等で包材が一時的に停止した際に切り替えることができる。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の液体除去装置であって、前記エアーナイフ部は、前記包材と略平行な回転軸に対して回動可能に設けられ、前記エアーナイフ部の回動に応じて互いに断面積が異なる第1流路と第2流路を選択的に切り換えて前記送風パイプへ送風可能であることを特徴としている。
【0024】
従って、請求項9記載の発明では、請求項8に記載の発明の作用に加えて、エアーナイフ部の回動により送風パイプへの送風量の切り換えができる。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項9に記載の液体除去装置であって、前記エアーナイフ部には、前記包材の走行時にエアーを逃がさないようエアーをガイドする押さえ板が一体的に設けられると共に、前記第2流路が前記第1流路の断面積より小さく設定され、前記押さえ板が包材が搬送される状態で、前記第1流路が選択され、該押さえ板が包材が搬送される位置から離れる方向へ回転移動した状態で前記第2流路が選択されることを特徴としている。
【0026】
従って、請求項10記載の発明では、マシンストップ等で包材が一時的に停止した際に押さえ板を包材搬送路から離すことで、送風パイプへの送風量を小さくすることができる。この時静止中の包材への熱風は、エアーナイフ部及び凹部で緩和される為包材への熱風による損傷を避けることができる。
【0027】
請求項11記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の液体除去装置であって、前記エアーナイフ部側または前記送風パイプ側に第1流路と第2流路とが形成され、一方の流路が選択されたときに、他方の流路が前記送風パイプ側または前記エアーナイフ部側で閉塞されることを特徴としている。
【0028】
従って、請求項11記載の発明は、請求項9および請求項10に記載の発明の作用に加えて、エアーナイフ部または送風パイプ側に第1、第2流路を形成することで、エアーナイフ部の回動により送風パイプへの送風量を切り換えることができる。
【0029】
請求項12の発明は、請求項6〜請求項11のいずれかに記載の液体除去装置であって、前記送風パイプと前記エアーナイフ部との間に前記包材表面を絞る絞りローラが配置されていることを特徴としている。
【0030】
従って、請求項12記載の発明は、請求項6〜請求項11に記載の発明の作用に加えて、スポット送風工程によって凹部内の液体を吹き飛ばした後に、送風を行う前に絞りローラにより包材の表面を絞ることで送風により包材をより良好に乾燥させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る包材表面の液体除去方法および液体除去装置の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0032】
図1は包材表面の液体除去方法ならびに液体除去装置の実施形態の概略を示す平面説明図、図2は本実施形態の包材表面の液体除去装置の正面図、図3は本実施形態の包材表面の液体除去装置の平面図、図4はエアーナイフ部の横断面図、図5はエアーナイフ部の側面図、図6および図7は液体除去装置の要部断面図である。
【0033】
まず、図1を用いて本実施形態の包材表面の液体除去方法について説明する。
同図中11は、例えば飲料のパッケージの形成に供される長尺帯状の包材であり、所定の間隔に飲み口となる開口部11Aが形成されている。この開口部11Aでは、包材11の裏面側にプレラミネートされた封止用フィルム12が露出している。この包材11は、殺菌剤が入れられた図示しない浸漬槽内を通過して、一対の絞りローラ13、13によりガイドされて図示しない包装機側へ搬送される。ここで、絞りローラ13、13の上流側の包材11の開口部11Aの通る位置に配置された細径の送風ノズル14Aから熱風を包材11へ向けて所定の風圧でスポット送風を行う。また、絞りローラ13、13の下流側には、包材11の幅全体に渡るように形成したエアーナイフ部15から包材11へ向けて熱風を所定の風圧でライン送風する。エアーナイフ部15の下部には、包材11の幅全体を横断するように送風用スリット15Aが形成されている。
【0034】
本実施形態の包材表面の液体除去方法により、開口部11A内に入っている殺菌剤は細径の送風ノズル14Aから吐出されるスポット送風により、効率的に吹き飛ばされる。特に、この送風ノズル14Aのみからスポット送風を行うことにより、開口部11A内の殺菌剤が確実に吹き飛ばされると共に、スポット送風の回りに他の送風の圧力が存在しないため、吹き飛ばされた殺菌剤が再度開口部11A内に戻されることがない。また、エアーナイフ部15では、包材11の幅方向にわたって均一に殺菌剤を吹き飛ばすことができる。絞りローラ13、13の手前で殺菌剤が吹き飛ばされた開口部11A内は、エアーナイフ部15からの送風により確実に乾燥される。なお、開口部11A内の殺菌剤より付着力の低い包材11表面の殺菌剤はエアーナイフ部15で当然吹き飛ばされる。
【0035】
また、凹部内の液体を吹き飛ばした後に、絞りローラ13、13により、包材11の表面が絞られることにより、エアーナイフ部15での送風でより効率良く包材11を乾燥させることができる。
【0036】
次ぎに、上記した包材表面の液体除去方法を具現する液体除去装置の構成について説明する。
【0037】
本実施形態の液体除去装置21の概略は、図1〜図3に示すように、熱風が内部空間に供給される筒形状のエアーナイフ部15と、エアーナイフ部15に連通する送風パイプ14とから大略構成されている。本実施形態の液体除去装置21は、包材11を新たにセッティングするときに送風ノズル14Aから吐出する熱風の流量を小さくする機能を備えたものである。
【0038】
次に、エアーナイフ部15について詳細に説明する。
【0039】
図4、図6、および図7に示すように、エアーナイフ部15は、中空の円筒形状のエアーナイフ本体16内に、前記送風パイプ14に連通可能な接続パイプ17が設けられている。この接続パイプ17は、エアーナイフ本体16の回転軸を通るように挿入され、図4および図5に示すように固定部材22でエアーナイフ本体16に固定されている。接続パイプ17の挿入先端部は、本体16の側壁の接続開口部16Aから挿入された埋め込みパイプ18と連通するように、エアーナイフ本体16の中空部16Bに設けられた接続部材19を介して接続されている。
【0040】
また、エアーナイフ本体16の側部には、図4に示すように接続パイプ17および本体16の中空部16Bへ所定の流量で熱風が供給されるようになっている。エアーナイフ本体16の他方の側部には、外側に回転摺動軸20Aが形成された側壁円板20で閉塞されている。なお、熱風を供給する熱風供給手段は図示省略する。さらに、エアーナイフ本体16における接続開口部16Aが形成された部分の周囲には、所定幅の回転摺動凹部16Cが周回して形成されている。
【0041】
そして、エアーナイフ本体16の壁部には、幅方向(長手方向)に包材11の幅寸法より稍長い送風用スリット15Aが形成されている。このようなエアーナイフ部15は、側壁円板20に形成された回転摺動軸20Aが図示しない軸受け部に嵌合して回転軸を中心に回転可能に設定されている。
【0042】
さらに、エアーナイフ本体16には、送風用スリット15Aの両側に熱風を案内するエアーガイド板23、24が配置・固定され、両エアーガイド板23、24との間に熱風が包材11側へ向けて吐出させる狭小な間隙が形成されている。そして、送風用スリット15Aの前側(包材11の上流側)に位置するエアーガイド板24には、絞りローラ13、13を通過した包材11を案内する押さえ板25が一体的に形成されている。図2に示すように、通常、包材11は、絞りローラ13、13との間を通過して、下流側の案内ローラ26で搬送される間には装置フレーム28に固定されたステージ27の上を滑りエアーナイフ本体16の両エアーガイド板23、24の間から吐出される熱風で殺菌剤が吹き飛ばされるようになっている。なお、ここで吐出される熱風は、包材11の幅全体に渡るライン送風である。
【0043】
次に、エアーナイフ部15に接続して上記接続パイプ14への熱風供給を行うエアー接続部29の構成について説明する。
【0044】
エアー接続部29は、装置フレーム28側に固定されている。このエアー接続部29は、エアーナイフ本体16の周囲に形成された回転摺動凹部16Cが摺動可能に密着するマニホールド部30と、このマニホールド部30に連通する熱風流路をそれぞれ有する接続部材31、32、33とを備えている。マニホールド部30のエアーナイフ本体16と当接する面には、エアーナイフ本体16の回転軸に対して互いに所定の回転角度をなす第1接続流路30Aと第2接続流路30Bとが開口し、これら第1接続流路30Aと第2接続流路30Bとは、マニホールド部30内で連通している。また、第1接続流路30Aは、上記した送風ノズル14Aへ殺菌剤を吹き飛ばすのに十分な流量の熱風を確保できる流路断面積を有している。また、第2接続流路30Bは、送風ノズル14Aから吐出する熱風の流量を抑えて供給するように流量断面積が小さく設定されている。さらに、マニホールド部30には、第2接続流路30Bに向けて連通するネジ穴が形成され、このネジ穴に流量調整ボルト34が螺合されている。すなわち、流量調整ボルト34の螺合状態を変えることにより、第2接続流路30B内を流れる熱風の流量を調整することが可能となる。
【0045】
このようなエアー接続部29のマニホールド部30に対して、エアーナイフ本体16は、図6に示すように、包材11を流しているときに接続開口部16Aが第1接続流路30Aに連通するように設定され、図7に示すように、押さえ板25をステージ27の上方へ移動させた場合にはこのステージ27と一体的に設けられているエアーナイフ本体16は、回転摺動軸20Aを回転軸として回動して接続開口部16Aが第2接続流路30Bのみと連通するように設定されている。
【0046】
このようなエアー接続部29には、送風パイプ14を構成する第1送風パイプ14Bの一端がソケット35を介して接続されている。また、第1送風パイプ14Bの他端は、図2および図3に示すように、装置フレーム28に固定された接続部材36を介して第2送風パイプ14Cが連通するように接続されている。そして、第2送風パイプ14Cの先端の送風ノズル14Aは、上記したように、包材11の飲み口となる開口部11Aが通過する位置に対峙するように設定されている。
【0047】
次に、本実施形態の液体除去装置21の作用・動作について説明する。
【0048】
図2および図6に示すように、ステージ27上を包材11が流れているときは、押さえ板25がステージ27上の包材11のばたつきを制御する作用を有している。このとき、押さえ板25と一体的に設けられているエアーナイフ本体16の接続開口部16Aは、エアー接続部29のマニホールド部30の第1接続流路30Aのみに連通しているため、比較的大流量の熱風が送風パイプ14に流れて、送風ノズル14Aから強いスポット送風が包材11の開口部11Aに向けて吹き付けられる。これにより、開口部11A内に存在する殺菌剤が完全に吹き飛ばされる。開口部11A内に殺菌剤が無くなった状態で包材11は絞りローラ13、13を経てエアーナイフ部15の下まで流れる。エアーナイフ本体16の送風用スリット15Aから吹き出た熱風は、エアーガイド板23、24の間隙を通って、包材11へ斜め方向から当たる。このように、包材11に対して包材11の流れに逆らうように斜め方向から熱風を当てることにより、包材11の表面に付着している殺菌剤を完全に吹き飛ばすことができる。
【0049】
マシンストップ等で包材が一時的に停止した場合このとき押さえ板25を図7に示すように、上方へ移動させる。この押さえ板25の移動動作に伴い、エアーナイフ本体16も回動して接続開口部16Aが第1接続流路30Aを外れて第2接続流路30Bと連通する。第2接続流路30Bの流路断面積は、第1接続流路30Aの流路断面積より大幅に小さいため、送風パイプ14へは少ない流量の熱風が供給されて送風ノズル14Aから吐出する熱風の流量は著しく小さくなる。このため、静止中の包材への熱風は、エアーナイフ部及び凹部で緩和される為、包材への熱風による損傷を避けることができる。
【0050】
本実施形態の液体除去装置21は、包材11の流れの上流側で包材開口部11A内の殺菌剤を予め除去した後に、下流側に位置するエアーナイフ部15で包材11の幅方向全体に渡って殺菌剤の除去を行うことにより確実な除去・乾燥ができる。すなわち、開口部11A内の付着力の大きい殺菌剤を最初に除去することで後に行う広範囲な熱風により全体的に均一な殺菌剤除去が可能になる。
【0051】
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の設計変更が可能である。例えば、上記した実施形態では、本発明を殺菌剤の除去に適用したが、他の液体の除去に適用することも可能である。また、上記したエアーナイフ本体16には送風用スリット15Aを形成して広範囲な送風を行ったが、包材11の幅方向に渡って間欠的にノズルを形成する構成としてもよい。なお、この場合は、ノズルどうしの間隔を小さくすることが好ましい。さらに、上記実施形態では、エアー接続部29に2つの流路を形成しエアーナイフ本体16側の接続開口部16Aが1つであったが、逆にエアーナイフ本体16側の接続開口部を断面の異なる2つとし、エアー接続部29側に1つの流路を形成する構成としても勿論本発明の適用範囲である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、凹部の周囲の空気圧力により液体が凹部内に戻されることなく、付着する液体を良好に除去できるという効果を奏する。
【0053】
また、包材が連続的に飲料用容器に加工される際の液体除去効率を高めて、容器の生産効率を向上させることができる。
【0054】
請求項2記載の発明によれば、効率よく凹部内の液体を除去できる。
【0055】
請求項3記載の発明によれば、殺菌剤の残留を防止して内容物の味や質を損ねない飲料用容器を効率的に加工できるという効果がある。
【0056】
請求項4記載の発明によれば、液体の吹き飛ばし作用の他に、蒸散作用を及ぼすことができ、効率の良い迅速な液体除去が可能になる。
【0057】
請求項5記載の発明によれば、スポット送風工程によって凹部内の液体を吹き飛ばした後に、送風を行う前に包材の表面を絞ることで送風により包材をより良好に乾燥させることができる。
【0058】
請求項6記載の発明によれば、凹部の周囲の空気圧力により液体が凹部内に戻されることなく、付着する液体を良好に吹き飛ばすことができ、エアーナイフ部で包材全面の液体を均一且つ確実に除去することができる。
【0059】
請求項7記載の発明によれば、エアーナイフ部と送風パイプとに供給する送風を単一の送風手段で行うことが可能になり、液体除去工程を低コストで行える。請求項8記載の発明によれば、送風パイプへの送風量を凹部の状態に応じて、または包材の交換作業時などに切り換えることができ、適切且つ安全に液体除去が行える。
【0060】
請求項9記載の発明によれば、エアーナイフ部の回動により送風パイプへの送風量の切り換えができ包材の損傷防止ができる。
【0061】
請求項10記載の発明によれば、包材を新たにセッティングする際に、押さえ板を包材搬送路から離すことで、送風パイプへの送風量を小さくすることができ、作業者の安全性を高める効果がある。
【0062】
請求項11記載の発明によれば、エアーナイフ部の回動により送風パイプへの送風量を簡単に切り換えることができ、操作性を向上させることができる。
【0063】
請求項12記載の発明によれば、スポット送風工程によって凹部内の液体を吹き飛ばした後に、送風を行う前に絞りローラにより包材の表面を絞ることで送風により包材をより良好に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る包材表面の液体除去方法および液体除去装置の実施形態を示すである。
【図2】本実施形態の液体除去装置の側面図である。
【図3】図3の平面図である。
【図4】本実施形態のエアーナイフ部の横断面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】本実施形態の液体除去装置の包材搬送状態での要部断面図である。
【図7】本実施形態の液体除去装置の押さえ板を上げた状態での要部断面図である。
【図8】従来の液体除去方法を示す斜視図である。
【図9】包材凹部の拡大断面図である。
【符号の説明】
11 包材
12 開口部(凹部)
13 絞りローラ
14 送風パイプ
15 エアーナイフ部
15A 送風スリット
16 エアーナイフ本体
16A 接続開口部
21 液体除去装置
25 押さえ板
29 エアー接続部
30 マニホールド部
Claims (12)
- 凹部が表層に形成された包材表面の液体除去方法であって、
前記凹部に空気を吹き付けるスポット送風工程と、前記包材の幅全体に渡って空気を吹き付ける送風を、前記包材の流れに逆らう方向に対して行う送風工程と、を備え、前記包材は、長尺帯状をなす、飲料用容器に加工されるシートであり、前記凹部は前記飲料用容器の飲み口となることを特徴とする包材表面の液体除去方法。 - 前記スポット送風工程は、前記包材に対して前記送風工程の前に行うことを特徴とする請求項1に記載の包材表面の液体除去方法。
- 前記液体は、殺菌剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包材表面の液体除去方法。
- 前記空気は、高温に加熱されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の包材表面の液体除去方法。
- 前記スポット送風工程と前記送風工程との間に前記包材表面を絞る絞り工程を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の包材表面の液体除去方法。
- 凹部が表層に形成された長尺帯状の包材表面の液体除去装置であって、前記包材は、飲料用容器に加工されるシートであり、前記凹部は前記飲料用容器の飲み口となり、前記包材を長手方向に沿って走行させると共に、前記凹部が通過する位置に該凹部内にスポット送風を行う送風ノズルが配置された送風パイプと、前記送風ノズルを通過した位置に前記包材の幅全体に渡って送風するエアーナイフ部が配置されていることを特徴とする液体除去装置。
- 前記エアーナイフ部は、送風手段に連通し、且つ前記送風パイプに連通することを特徴とする請求項6に記載の液体除去装置。
- 前記エアーナイフ部と前記送風パイプとが連通する部分で前記送風パイプへの送風量が切り換え可能であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液体除去装置。
- 前記エアーナイフ部は、前記包材と略平行な回転軸に対して回動可能に設けられ、前記エアーナイフ部の回動に応じて互いに断面積が異なる第1流路と第2流路を選択的に切り換えて前記送風パイプへ送風可能であることを特徴とする請求項8に記載の液体除去装置。
- 前記エアーナイフ部には、前記包材の走行時にエアーを逃がさないようエアーをガイドする押さえ板が一体的に設けられると共に、前記第2流路が前記第1流路の断面積より小さく設定され、前記押さえ板が包材が搬送される状態で、前記第1流路が選択され、該押さえ板が包材が搬送される位置から離れる方向へ回転移動した状態で前記第2流路が選択されることを特徴とする請求項9に記載の液体除去装置。
- 前記エアーナイフ部側または前記送風パイプ側に第1流路と第2流路とが形成され、一方の流路が選択されたときに、他方の流路が前記送風パイプ側または前記エアーナイフ部側で閉塞されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の液体除去装置。
- 前記送風ノズルと前記エアーナイフ部との間に前記包材表面を絞る絞りローラが配置されていることを特徴とする請求項6〜請求項11のいずれかに記載の液体除去装置。
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