JP4188209B2 - 凹凸織物2 - Google Patents

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Description

本発明はエンボス加工や模様付けを行う不織布製造用、製紙用、建材抄造用、湿式フォーミング用の工業用物に関する。

従来から不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等は、メッシュベルトを用い湿式抄造、乾式抄造等の方法によって製造されてきた。各種原料をメッシュベルトで搬送し、脱水、乾燥工程を経て製造したり、また繊維集合体をメッシュベルトで搬送しながら高圧水流や熱風によって繊維を交絡、溶融させて形成する方法がある。特に不織布やおしぼりでは風合いを良くし、ソフト感を出す為に凹凸模様を付けることが有効であり、いくつかの方法が用いられてきた。その一つとして経糸、緯糸からなる織物に別途製造した突起を設けたり、あるいはプレス等で窪みを設け織物表面に高低差をつけたり、また織物組織によって不織布にマークを付与する方法がある。特許3171457号公報には織物に突起を付与する方法が示されており、この方法は織物に極端な凹凸が生じるため不織布等に鮮明なマークを付与することができる。しかし、経糸緯糸によって製織された織物に別途製造した突起を設けるため突起の製造や取付に手数がかかり、また使用を継続していくと突起が剥がれ落ちてしまったり、保管や移送の際に突起に十分な注意が必要であり、取り扱いが難しい問題があった。また特表2002−523654号公報にはティッシュ製造用、不織布マーク付け等を目的とした、織組織によって凹凸模様を形成する織物が開示されている。この織物は、突起を別途貼り付ける必要がないため突起の脱落の心配がなく、突起取付けの手間も不要であった。しかし、経糸と緯糸の織り合わせ部であるナックルによって領域を区分した模様の該織物は、ナックルで表面領域を縁取った組織であるため、織物としては平坦であり十分な凹凸を形成することができず、不織布に十分なマークを付与することが困難であった。また該凹凸模様の織物は表面に現れる経糸、緯糸の占有率が大きく異なる組織となる場合があり、剛性や寸法安定性等に問題を来していた。
特許3171457号公報 特表2002−523654号公報
本発明は剛性、寸法安定性に優れ、また不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等、湿式、乾式問わず目的物に鮮明なマークを付与することができる工業用織物を提供するものである。

本発明は、
「1.経糸、緯糸によって形成された工業用織物において、該織物の少なくとも1つの表面がα.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織からなる第1模様領域と、β.連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2模様領域と、γ.平織組織からなる第3模様領域とによって形成された模様領域群を有する抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
2.請求項1に記載された工業用織物において、α.第1模様領域とβ.第2模様領域とγ.第3模様領域を規則的及び/又は不規則に配置して構成した模様領域群を1または複数個連続配置してなる抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
3.前記模様領域群が、複数個のα.第1模様領域の組み合わせからなる第1ブロック、複数個のβ.第2模様領域の組み合わせからなる第2ブロック、α.第1模様領域とβ.第2模様領域の組み合わせからなる第3ブロック、のいずれか1つ以上のブロックとγ.第3模様領域を有する、請求項1又は2に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
4.α.第1模様領域とβ.第2模様領域を形成する各々の組織が表裏逆の組織である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。5.α.第1模様領域とβ.第2模様領域を形成する各々の組織の綾方向が上下及び/又は左右逆である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。」
に関する。
本発明の用語を説明する。α.第1模様領域とは、連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織からなり、例えば、図2のαが該当する。β.第2模様領域とは、連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織であり、例えば、図2のβが該当する。γ.第3模様領域とは、平織組織からなり、例えば、図3のγが該当する。α.第1模様領域を複数個組み合わせたものが、第1ブロックであり、例えば、図1のα.が(4×3)12個集まったブロックを指す。第2ブロックは、β.第2模様領域を複数個組み合わせたのであり、例えば、図1のβ.(4×3)を12個集めたブロックである。第3ブロックは、α.第1模様領域とβ.第2模様領域を組み合わせたもので、例えば、図6に示される4×4のブロックである。
模様領域群とは、少なくともα.第1模様領域とβ.第2模様領域とγ.第3模様領域を有するものであり、第1ブロックと第2ブロックと第3ブロックを組み合わせて配置したものがある。

本発明の織物は、少なくとも1つの表面がα.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織からなる第1 模様領域と、β.連続する経糸の上を通っ
て表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2 模様領域と、γ.平織組織
からなる第3模様領域とによって形成された模様領域群を有する織物表面に立体的な構造の凹凸を付与した凹凸織物であり、不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等の製造用織物を提供する。

不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等は、エンドレスにしたメッシュベルトを張架して回転させ、原料を搬送しながら脱水したり、あるいは高圧水流や熱風によって繊維を交絡、溶融させて形成するものであり、それには剛性や耐熱性、その他繊維の引っ掛かりがない織物が要求される。また風合いや意匠模様形成のためのマーク付与は、十分なマーク形成が行える程度の突起や窪み等が必要とされ、搬送織物、模様付与突起とも使用末期まで好適に使用できる構造である必要があった。このように特に要求の厳しい不織布の製造等に使用される湿式、乾式抄造用織物について説明すればその他の用途で使用される織物の要求とその解決について理解できるので、以下マーク付けを行う不織布等の湿式、乾式フォーミング織物を代表して本発明を説明する。
本発明の凹凸織物は少なくとも1つの表面に、α.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織の第1模様領域と、β.連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織の第2模様領域と、γ.平織組織からなる第3模様領域とによって構成されており、それにより織物表面に意匠模様を形成し、且つ織物全体として凹凸形状の立体的な構造とすることができるため、不織布や、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等の製造用織物として有効に利用できる。
織物は通常張力の掛かった経糸に対して緯糸が織り込まれて形成されており、織機上においては緯糸よりも経糸の方が張力が高い。そのためα,β,γの3つの模様領域を有する本発明の織物では、通常織物表面に経糸のロングクリンプを形成する領域より緯糸のロングクリンプを形成する領域の方が表面高さが高くなる傾向がある。これは織物表面に緯糸のロングクリンプを形成する領域において、張力の高い経糸が緯糸を下から押し上げて表面に緯糸のロングクリンプを形成する領域を突出させていることが起因している。また織物表面に経糸のロングクリンプを形成する領域においては、経糸が緯糸を下方向に押し下げるため経糸のロングクリンプを形成する領域が下方向に凹んだ窪みを形成する。このように表面に凸部を形成する緯糸のロングクリンプを形成する領域と、表面に凹部を形成する経糸のロングクリンプを形成する領域、そしてそれらの中間位置にある平織組織の領域により織物が凹凸形状となる。このように組織によって凹凸が形成されるが、その他にも模様領域を構成する糸の線径や特性、製織張力、模様領域組織、糸の組み合わせ、あるいは製織後の熱セット条件等から凹凸を逆転させることも、表面の凹凸高さを調整することもできる。
本発明で使用する「模様領域」とは経糸、緯糸からなる一定組織の単位領域をいうものであり完全組織とは異なる。模様領域を形成する組織は表面に経糸のロングクリンプを形成する組織、緯糸のロングクリンプを形成する組織、平織組織であればよい。基本的には模様領域とは完全組織を1つ以上縦、横につなげたものであるが、1つ以上の完全組織が含まれていれば組織が完結していないものであってもよく、例えば4シャフトの組織を8本ではなく6本で構成したものでもよい。通常このような組織では、この部分で織物のピッチが不均一となり均一な織物とならないが、凹凸形成を目的とする織物においては何ら問題はないのである。領域を形成する経糸と緯糸の構成本数は同じであっても異なってもよく、構成本数により領域の形状が変化するが特に限定はなく正方形、長方形、L字型等適宜選択することができる。例えば経糸16本、緯糸8本から形成される長方形型の模様領域であってもよい。ただし模様領域の構成本数が少な過ぎると織物に凹凸が現れにくくなることもあるため、線径、ピッチ等から適宜選択する必要がある。
模様領域は、連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織と、連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織と、平織組織からなる3つがあり、例えば1本の経糸が連続する3本の緯糸の上側、1本の緯糸の下側を通る経糸3/1組織の経糸を1本づつずらして配置し、経糸3/1組織の4シャフトの完全組織を経、緯に4つつなげて、経糸16本、緯糸16本から経糸のロングクリンプを形成する組織の模様領域等がある。またそれに対して、経糸が連続する3本の緯糸の下側、1本の緯糸の上側を通る経糸1/3組織を3本づつずらして配置し、経糸1/3組織の4シャフトの完全組織を経、緯に4つつなげて、16本の経糸、16本の緯糸からなる連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織の模様領域等がある。ここに示した2つの模様領域の組織は表裏逆の対照的な組織であり、糸のずらし方によって2つの模様領域組織の綾方向を逆にすることができる。これらの組織は特に表裏逆の組織、綾方向を逆にする組織に限定してはいないが上記組織とすることでマークが対照的に均等になり、また剛性の面からも好ましい。この2つの模様領域に平織組織の模様領域を組み合わせ、凹凸織物を形成することができる。他にも1つの模様領域内で経糸の配置順序を替えて、綾方向を変更させた組織のものであってもよい。その他平織以外の2つの織組織を経糸2/4、5/1等非対称のものとしてもよく、2つの模様領域の構成糸本数が異なったものであってもよい。しかし、3/1と1/3のように表裏逆の対照的な組織とした方が剛性に優れ、織物に比較的均一な凹凸が形成され、またカールの問題等も回避しやすい。
本発明において、α.第1模様領域を3/1組織、2/1組織、β.第2模様領域経糸を1/3組織、1/2組織のように織物表面に経糸、緯糸のどちらか一方が多く現れる組織、更に平織組織のγ.第3模様領域を混在配置させることで織物に上に凸、下に凸、そしてその中間である平坦部を有する凹凸形状の織物を形成することができる。その他織物は単層、多層構造としたものであってもよく、また領域ごとに単層構造、多層構造としてもよい。そして1又は2の模様領域を組み合わせてブロックを形成し、ブロックを含んだ3つの領域からなる凹凸織物とすることもできる。
上記で述べたブロックには3つの種類があり、複数個のa.第1模様領域の組み合わせからなる第1ブロックと、複数個のb.第2模様領域の組み合わせからなる第2ブロックと、第1模様領域と第2模様領域の組み合わせからなる第3ブロックがある。そして、1つ以上のブロックと第3模様領域を有する領域α.β.からなる模様領域群としてもよい。ブロックの構成は特に限定はなく、模様領域を縦横に連続して配置したものがある。例えばa.第1模様領域を縦に4つ横に1つつなげて1つの第1ブロックとしてもよく、b.第2模様領域を縦に2つ横に2つつなげて1つの第2ブロックとしてもよい。そして、a.第1模様領域と第2模様領域を交互に配置して経に4つ横に4つつなげた1つの第3ブロックとしてもよく、第1ブロックと第2ブロックを組み合わせて第3ブロックとしてもよい。その他、1つのa.第1模様領域の周りをb.第2模様領域によって囲んだものも第3ブロックに含む。ブロックを形成する領域の配置や構成数は特に限定されていなく、四角形状のものや直線状のもの、また文字をかたどったもの等、様々な形状のブロックがある。
「模様領域群」とは模様領域やブロックを規則的及び/又は不規則に組み合わせて形成した織り組織の単位をいい、該模様領域群を1つの織り組織とした織物、あるいは模様領域を織物全体に規則的に繰り返して配置して本発明の凹凸織物を形成する。模様領域群の大きさや形状、構成等は限定されず、模様領域、またはブロックを規則的または不規則的に配置すればよく、模様領域群の中にa,b,cの3つの模様領域が配置されていればよい。
構成本数が同じであるα.経糸のロングクリンプを形成する模様領域と、β.緯糸のロングクリンプを形成する模様領域を揃えて隣接させ、1つのブロックを形成しそのまわりにγ.平織組織の領域を配置させた、例えば図6に示されるもの、あるいはα.第1模様領域からなる第1ブロックとβ.第2模様領域からなる第2ブロックをずらして隣接配置させた、例えば図5に示されるもの、また1つの模様領域を組み合わせて形成した第1、第2ブロック、及び2つの模様領域を組み合わせて形成した第3ブロックを複数個配置して文字や図柄の模様を構成し、その周りにγ.第3模様領域を配置した、例えば図7、図8に示されるもの等がある。また用途やデザイン等により模様領域間やブロック間、そして模様領域群間に隙間を設けてもよい。組織の変わり目となる模様領域間では織り組織の変化から比較的隙間が生じやすいが、製織段階で意図的にあけて製織してもよい。隙間をあけることで模様領域、ブロック模様領域群によって形成される意匠模様を鮮明にする効果がある。
構成糸の材質については用途や使用環境により適宜選択すれば良く、不織布製造用や壁材等には剛性があり、寸法安定性に優れるポリエステルが好ましく、高熱下で使用する場合には耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド等が好ましい。その他には、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロ、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、綿、ウール、金属等も使用できる。もちろん、共重合体やこれらの材質に目的に応じてさまざまな物質をブレンドしたり含有させた糸を使用してもよい。糸の形状としては、模様付けにはモノフィラメントが好適であるが、その他マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた糸が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状や星型等の短形状の糸や楕円形状、中空等の糸が使用できる。また、線径についてもメッシュや組織、模様によって適宜選択すればよい。例えば領域毎に経糸列、緯糸列の線径を変えて、それらを交互に配置させたものであってもよい。織物の製織張力等は適宜選択すればよい。また製織後に熱セットすることで織物のナックルやクリンプが固定され剛性に優れた織物となるが、通常合成樹脂製の織物は熱収縮や伸び等が生じるため凹凸の大きさ等を考慮して適宜条件を選択する必要がある。
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1、図5〜8は本発明の実施例の織物の模様領域群を形成する領域の配置を示した構成図である。図2は図1、図5〜8の模様領域群を構成する3つの模様領域(α)、(β)、(γ)の組織を示した図である。図3は図1、図5〜8の模様領域群を構成する他の3つの模様領域(δ)、(ε)、(ζ)の組織を示した図である。図4は図2の模様領域(α)、模様領域(β)、模様領域(γ)の各緯糸1´に沿った断面図(a´)、(b´)、(c´)である。図9は比較例の織物の模様領域の意匠図である。図1、図5〜8の模様領域群を構成する模様領域の配列を示す図では縦列を大文字のアルファベットA、B、C・・・、横列を小文字のアルファベットa、b、c・・・で示し、表面に経糸のロングクリンプを形成するα.第1模様領域を斜線で、表面に緯糸のロングクリンプを形成するβ.第2模様領域を○で、そして表面にγ.平織を形成する領域を白抜きのブランクで示した。模様領域の組織を示した図2、3では、経糸はアラビア数字、例えば1、2、3・・・で示し、緯糸はダッシュを付したアラビア数字、例えば1´、2´、3´・・・で示した。該模様領域の組織を示した図においては、×印は経糸が緯糸の上側を通って上面側表面にクリンプを形成していることを示し、白抜きは緯糸が経糸の上側を通って上面側表面にクリンプを形成していることを示す。該模様領域の組織を示した図では上面側表面のみの組織を示したが多層織物の場合、図示した上層表面の下側に経糸、緯糸がおよそ重なって配置される。
〔実施例1〕
図1は本発明の織物の模様領域群を示す構成図であり、3種類の模様領域の組み合わせからなる。模様領域群の構成図とは織物の表面に形成される模様領域の配置を示すものであり、縦列、横列の交点からなる1マスが1つの模様領域を示す。図1の2つの模様領域α.第1模様領域とβ.第2模様領域はそれぞれ縦に4つ、横に3つの模様領域が組み合わされて第1ブロックと第2ブロックを形成しており、それらが規則的に配置している。そしてその周りにγ.第3模様領域が配置されている。模様領域群を構成する模様領域の配置については特に限定はない。
3つの模様領域を構成する各織り組織に関しては図2のα.β.γの組織(a)、(b)、(c)に示したとおりであるが、他にも図3のδ.ε.ζの組織を用いても構わなく、その他の組織としてももちろん構わない。また、図2、図3の模様領域の組織は図1だけでなくその他の図5〜8にも共通して使用できる。例えば図1の斜線で示した1つの模様領域は図2の(α)に該当するものであり、1本の経糸が連続する3本の緯糸の上側を通り、次いで1本の緯糸の下側を通る組織であって、経糸3/1組織を緯糸1本づつずらして配置して形成した4シャフトの完全組織であり、この組織を縦、横に3つづつつなげてα.第1模様領域とし、表面に経糸のロングクリンプを形成したものである。該領域の緯糸組織は図4の(a´)に示されている通りであり、連続する3本の経糸の下側を通り、次いで1本の経糸の上側を通る組織である。
図1の○で示した1つの模様領域は図2の(β)に該当し、1本の経糸が連続する3本の緯糸の下側を通り、次いで1本の緯糸の上側を通って形成される経糸1/3組織を緯糸3本づつずらして配置したことで形成した4シャフトの完全組織であり、この組織を縦、横に3つづつつなげてβ.第2模様領域とし、表面に緯糸のロングクリンプを形成したものである。該領域の緯糸組織は図4の(b´)に示されている通りであり、連続する3本の経糸の上側を通り、次いで1本の経糸の下側を通る組織である。そして図1の白抜きで示した1つの模様領域は図2の(γ)に該当し、該領域の緯糸組織は図4の(c´)に示されているとおりであり、緯糸が経糸の上、下と交互に通って平織組織を形成した組織である。
α.第1模様領域の緯糸組織は図4の(a´)に示されているとおりであり連続する3本の経糸の下側を通り、次いで1本の経糸の下側を通る組織であるが、製織段階において経糸の方が緯糸よりも製織張力が高く、表面の経糸占有率が緯糸の占有率よりも大きい(α)の領域においては、経糸が緯糸を下方向に押し下げる力が働き、また(a´)の組織の両隣に異なる組織、例えば(b´)と(c´)の組織が配置されると、両側から反対方向の力が働くため、(a´)の中心部では下向きの力、そしてその両端部では上向きの力が働き、いっそう(a´)の凹みを大きくする。そして、表面の緯糸占有率が経糸の占有率よりも大きい(b´)においては、緯糸が複数本の経糸に押し上げられる上向きの力が働き、(b´)の組織の両隣に異なる組織、例えば(a´)と(c´)の組織が配置されていると、(b´)の中心部では上向きの力が働き、その両端部は下向きの力が働き、いっそう(b´)の突出が大きくなる。特に(a´)と(b´)が隣り合った部分では、相反する方向に凸形状となるため大きな凹凸形状の織物とすることができる。図4は1つの模様領域の緯糸断面が湾曲していることを示しているが、同じ模様領域が複数個連続配置した場合も同じように凸形状となる。
図3は、図2と同じく3つの模様領域の組織を示したものであり、図1、図5〜8の斜線で示した1つの模様領域は図3の(δ)に該当し、1本の経糸が連続する3本の緯糸の上側を通り、次いで1本の緯糸の下側を通って形成される経糸3/1組織を緯糸1本づつずらして配置して形成した4シャフトの完全組織を縦に3つ、横に4つ半づつつなげて表面に経糸のロングクリンプを形成したものである。このように1つの模様領域を形成する組織は組織が完結していなくてもよく、1つの模様領域を形成する経糸、緯糸の構成本数も同数でも異なってもよく限定されていない。
図1の○で示した1つの模様領域は図3の(ε)に該当し、1本の経糸が連続する5本の緯糸の下側を通り、次いで1本の緯糸の上側を通って形成される経糸1/5組織を緯糸1本づつずらして配置したことで形成した6シャフトの完全組織を縦に2つ、横に3つづつつなげて表面に緯糸のロングクリンプを形成したものである。そして図1の白抜きで示した1つの模様領域は図3の(ζ)に該当し、経糸が緯糸の上、下と交互に通って平織組織を形成した経糸18本、緯糸12本からなる組織である。
本発明では織物表面に凸を形成する領域と、織物表面に凹を形成する領域、そしてこの2つの間の位置に形成される平坦な領域とで織物に凹凸が形成される。ただし、模様領域を構成する糸の線径や特性、製織張力、模様領域組織、糸の組み合わせ、あるいは製織後の熱セット条件等から凹凸を逆転させることもでき、また表面の凹凸高さを調整することも可能である。
〔実施例2〕
図5は本発明の実施例2の織物の模様領域群の構成図である。実施例2の織物は実施例1の織物と同様に3つの領域によって構成されているが、実施例1のように2つのブロックがγ.第3模様領域によって囲まれているのではなく、α.第1模様領域が連続配置している第1ブロックと、β.第2模様領域が連続配置している第2ブロックが一部で隣り合っており、その周りにγ.第3模様領域が配置されている。図1と同様にγの模様領域を挟んで織物の厚さ方向に織物が、αの模様領域では下に凸となり、βの模様領域では上に凸となって、織物全体として凹凸構造となる。
〔実施例3〕
図6は本発明の実施例3の織物の模様領域群の構成図である。実施例3の織物は4個のα.第1模様領域と、4個のβ.第2模様領域が組み合わされて第3ブロックが形成され、その周りにγ.第3模様領域が配置されているものである。図1と同様にγの模様領域を挟んで織物の厚さ方向に織物が、αの模様領域では下に凸となり、βの模様領域では上に凸となって、織物全体として凹凸構造となる。該織物では下に凸のα.第1模様領域とβ.第2模様領域が隣接配置している部分が存在している境目では、特に凹凸の段差が顕著に現れる。
〔実施例4〕
図7は本発明の実施例4の織物の模様領域群の構成図である。実施例4の織物はα.第1模様領域と、β.第2模様領域を規則的に複数個組み合わせて2種類のブロックを形成し、それらの間には縦方向、横方向に伸びる直線状の第3ブロックが配置されている。またそれ以外の部分にはγ.第3模様領域が存在する。このように模様領域の配置の仕方や構成の仕方によって1つの模様領域群の中に複数個の意匠模様を配置させることもできる。図1と同様にγの模様領域を挟んで織物の厚さ方向に織物が、αの模様領域では下に凸となり、βの模様領域では上に凸となって、織物全体として凹凸構造となる。
〔実施例5〕
図8は本発明の実施例5の織物の模様領域群の構成図である。実施例5の織物はα.第1模様領域、β.第2模様領域をそれぞれ不規則的に複数個組み合わせたブロックにより文字を形成し、その周りにγ.第3模様領域を配置した。また、同じ模様領域群の中に規則的に3つの模様領域を配置した部分も設けた。この織物は「N」をかたどった第1ブロックと、「F」をかたどった第2ブロックと、第1模様領域と第2模様領域を規則的に組み合わせて配置した2つの第3ブロックとγ.第3模様領域から構成されている。このように模様領域の配置の仕方によって文字や複数個の意匠模様等配置させることもできる。該織物も図1と同様にγの模様領域を挟んで織物の厚さ方向に織物が、αの模様領域では下に凸となり、βの模様領域では上に凸となって、織物全体として凹凸構造となる。
実施例1〜5に示した模様領域群を繰り返して配置することにより凹凸織物が形成される。また該模様領域1つからなる織物も同様に凹凸織物となる。
〔従来例1〕
図9は従来例の織物の意匠図である。本従来例は一見2つの異なる模様領域を交互に2つづつ組み合わせて形成した模様領域群のように見えるが、各領域の経糸組織はどれも等しく、1本の経糸が連続する3本の緯糸の下側を通る経糸1/3組織の繰り返しである。糸のずらし方を変えてあるため綾の方向が違うものの4つの領域とも緯糸のロングクリンプを形成する組織である。そのため各領域間では段差が生じることが無く、織物全体としても凹凸形状が付与されることもない。また一方側のカールが強い織物となる傾向もある。
織物の表面に立体的な構造の凹凸を付与したことにより明確な凹凸模様を形成した不織布、手拭き、壁紙等を製造することができ、また織物自体も建材として使用できる。
本発明の実施例1の模様領域群の構成図である。 本発明の模様領域の組織を示す図である。 本発明の模様領域の組織を示す図である。 図2の模様領域組織の緯糸に沿った断面図である。 本発明の実施例2の織物の模様領域群の構成図である。 本発明の実施例3の織物の模様領域群の構成図である。 本発明の実施例4の織物の模様領域群の構成図である。 本発明の実施例5の織物の模様領域群の構成図である。 従来例1の織物の意匠図である。
符号の説明
1 〜32 経糸
1´〜32´ 緯糸
A 〜 U 模様領域群を形成する模様領域を構成する縦配列
a 〜 u 模様領域群を形成する模様領域を構成する横配列
α 第1模様領域
β 第2模様領域
γ 第3模様領域

Claims (5)

  1. 経糸、緯糸によって形成された工業用織物において、該織物の少なくとも1つの表面がα.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織からなる第1模様領域と、β.連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2模様領域と、γ.平織組織からなる第3模様領域とによって形成された模様領域群を有する抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  2. 請求項1に記載された工業用織物において、α.第1模様領域とβ.第2模様領域とγ.第3模様領域を規則的及び/又は不規則に配置して構成した模様領域群を1または複数個連続配置してなる抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  3. 前記模様領域群が、複数個のα.第1模様領域の組み合わせからなる第1ブロック、複数個のβ.第2模様領域の組み合わせからなる第2ブロック、α.第1模様領域とβ.第2模様領域の組み合わせからなる第3ブロック、のいずれか1つ以上のブロックとγ.第3模様領域を有する、請求項1又は2に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  4. α.第1模様領域とβ.第2模様領域を形成する各々の組織が表裏逆の組織である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  5. α.第1模様領域とβ.第2模様領域を形成する各々の組織の綾方向が上下及び/又は左右逆である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
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