JP4188153B2 - 凹凸織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンボス加工や模様付けを行う不織布製造用、製紙用、建材抄造用、湿式フォーミング用の工業用物に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許3171457号公報
【特許文献2】
特表2002−523654号公報
従来から不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等は、メッシュベルトを用い湿式抄造、乾式抄造等の方法によって製造されてきた。各種原料をメッシュベルトで搬送し、脱水、乾燥工程を経て製造したり、また繊維集合体をメッシュベルトで搬送しながら高圧水流や熱風によって繊維を交絡、溶融させて形成する方法がある。特に不織布やおしぼりでは風合いを良くし、ソフト感を出す為に凹凸模様を付けることが有効であり、いくつかの方法が用いられてきた。その一つとして経糸、緯糸からなる織物に別途製造した突起を設けたり、あるいはプレス等で窪みを設け織物表面に高低差をつけたり、また織物組織によって不織布にマークを付与する方法がある。特許3171457号公報には織物に突起を付与する方法が示されており、この方法は織物に極端な凹凸が生じるため不織布等に鮮明なマークを付与することができる。しかし、経糸緯糸によって製織された織物に別途製造した突起を設けるため突起の製造や取付に手数がかかり、また使用を継続していくと突起が剥がれ落ちてしまったり、保管や移送の際に突起に十分な注意を払う必要があり、取り扱いが難しい問題があった。また特表2002−523654号公報にはティッシュ製造用、不織布マーク付け等を目的とした、織組織によって凹凸模様を形成する織物が開示されている。この織物は、突起を別途貼り付ける必要がないため突起の脱落の心配がなく、突起取付けの手間も不要であった。しかし、経糸と緯糸の織り合わせ部であるナックルによって領域を区分した模様の該織物は、ナックルで表面領域を縁取った組織であるため、織物としては平坦であり十分な凹凸を形成することができず、不織布に十分なマークを付与することが困難であった。また該凹凸模様の織物は表面に現れる経糸、緯糸の占有率が大きく異なる組織となる場合があり、剛性や寸法安定性等に問題を来していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は剛性、寸法安定性に優れ、また不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等、湿式、乾式問わず目的物に鮮明なマークを付与することができる工業用物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1.経糸、緯糸によって形成された工業用織物において、該織物の少なくとも1つの表面がa.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織からなる第1模様領域と、b.連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2模様領域とによって形成されてなる抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
2.請求項1に記載の工業用織物において、2つの模様領域の一方が他方の領域によって囲まれていることを特徴とする抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
3.請求項1に記載の工業用織物において、a.第1模様領域とb.第2模様領域とを規則的及び/又は不規則に配置して構成した模様領域群を有し、該模様領域群を連続配置してなる抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
4.2つの模様領域a.b.を形成する各々の組織が表裏逆の組織である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
5.2つの模様領域a.b.を形成する各々の組織の綾方向が上下及び/または左右逆である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等は、エンドレスにしたメッシュベルトを張架して回転させ、原料を搬送しながら脱水したり、あるいは高圧水流や熱風によって繊維を交絡、溶融させて形成するものであり、それには剛性や耐熱性、その他繊維の引っ掛かりがない織物が要求される。また風合いや意匠模様形成のためのマーク付与は、十分なマーク形成が行える程度の突起や窪み等が必要とされ、搬送織物、模様付与突起とも使用末期まで好適に使用できる構造である必要があった。このように特に要求の厳しい不織布の製造等に使用される湿式、乾式抄造用織物について説明すればその他の用途で使用される織物の要求とその解決について理解できるので、以下マーク付けを行う不織布等の湿式、乾式フォーミング織物を代表して本発明を説明する。
【0006】
本発明の凹凸織物は、a . 連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織の第1 模様領域と、b . 連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織の第2 模様領域によって構成されており、それにより織物表面に意匠模様を形成し、また織物全体として凹凸形状の立体的な構造とすることができるため、不織布や、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等の製造用織物として利用できる。
【0007】
織物は通常張力の掛かった経糸に対して緯糸が織り込まれて形成されており、織機上においては緯糸よりも経糸の方が張力が高い。そのためa.b.2つの模様領域を有する本発明の織物においては、織物表面に経糸のロングクリンプを形成する領域よりも緯糸のロングクリンプを形成する領域の方が表面高さが高くなる傾向がある。これは織物表面に緯糸のロングクリンプを形成する領域において、経糸が緯糸を下から押し上げて表面に緯糸のロングクリンプを形成する領域を突出させていることが起因している。このように経糸のロングクリンプを形成する領域と、緯糸のロングクリンプを形成する領域を隣接配置することにより織物が凹凸形状となる。ただし、模様領域を構成する糸の線径や特性、製織張力、模様領域組織、糸の組み合わせ、あるいは製織後の熱セット条件等から凹凸を逆転させることもでき、また表面の凹凸高さを調整することもできる。
【0008】
本発明で使用する「模様領域」とは経糸、緯糸からなる一定組織の単位領域をいうものであり完全組織とは異なる。模様領域を形成する組織は表面に経糸のロングクリンプを形成する組織か、あるいは緯糸のロングクリンプを形成する組織であればよい。基本的には模様領域とは完全組織を1つ以上縦、横につなげたものであるが、1つ以上の完全組織が含まれていれば組織が完結していないものであってもよく、例えば4シャフトの組織を8本ではなく6本で構成したものでもよい。通常このような組織では、この部分で織物のピッチが不均一となり均一な織物とならないが、凹凸形成を目的とする織物においては何ら問題はないのである。領域を形成する経糸と緯糸の構成本数は同じであっても異なってもよく、領域の形状は正方形、長方形、L字型等適宜選択することができる。例えば経糸16本、緯糸8本から形成される長方形型の模様領域であってもよい。ただし模様領域の構成本数が少な過ぎると織物に凹凸が現れにくくなるため、線径、ピッチ等から適宜選択する必要がある。
【0009】
模様領域は、連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織と、連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる2つがあり、例えば1本の経糸が連続する3本の緯糸の上側、1本の緯糸の下側を通る経糸3/1組織の経糸を1本づつずらして配置し、経糸3/1組織の4シャフトの完全組織を経、緯に4つつなげて、経糸16本、緯糸16本から経糸のロングクリンプを形成する組織の模様領域等がある。またそれに対して、経糸が連続する3本の緯糸の下側、1本の緯糸の上側を通る経糸1/3組織を3本づつずらして配置し、経糸1/3組織の4シャフトの完全組織を経、緯に4つつなげて、16本の経糸、16本の緯糸からなる連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織の模様領域等がある。ここに示した2つの模様領域の組織は表裏逆の対照的な組織であり、糸のずらし方によって2つの模様領域組織の綾方向を逆にした。他にも1つの模様領域内で経糸の配置順序を替えて、綾方向を変更させた組織のものであってもよい。その他2つの織組織を経糸2/4、5/1等対照的でないものとしてもよく、2つの模様領域の構成糸本数が異なったものであってもよい。しかし、3/1と1/3のように表裏逆の対照的な組織とした方が剛性に優れ、織物に比較的均一な凹凸が形成され、また使用中に織物の巾方向端部が立ち上がるカールの問題等も回避しやすい。
本発明において、経糸3/1組織、2/1組織、またそれとは逆の1/3組織、1/2組織のように織物表面に経糸、緯糸のどちらか一方が多く現れる組織を混在配置させることで織物に凹凸形状を付与することができる。その他一方の模様領域を単層、もう一方を多層構造としたものであってもよい。
【0010】
「模様領域群」とは模様領域を規則的及び/又は不規則に組み合わせて形成した織物を構成する織り組織の単位をいい、織物全体に模様領域群を規則的に繰り返して配置して織物を形成する。模様領域群の形状やその構成は限定されず、構成本数が同じである経糸のロングクリンプを形成する模様領域と、緯糸のロングクリンプを形成する模様領域を揃えて隣接させたもの、あるいはそれらをずらして隣接させたもの、1つの模様領域によって文字や模様を構成し、その周りにもう一方の模様領域を配置したもの等がある。また用途やデザイン等により模様領域間や模様領域群間に隙間を設けてもよい。組織の変わり目となる模様領域間では織り組織の変化から比較的隙間が生じやすいが、製織段階で意図的にあけて製織してもよく、また隙間をあけることで模様領域、模様領域群によって形成される意匠模様を鮮明にする効果がある。
【0011】
構成糸の材質については用途や使用環境により適宜選択すれば良く、不織布製造用や壁材等には剛性があり、寸法安定性に優れるポリエステルが好ましく、高熱下で使用する場合には耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド等が好ましい。その他には、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロ、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、綿、ウール、金属等も使用できる。もちろん、共重合体やこれらの材質に目的に応じてさまざまな物質をブレンドしたり含有させた糸を使用してもよい。糸の形状としては、模様付けにはモノフィラメントが好適であるが、その他マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた糸が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状の糸や星型形状、楕円形状、中空等の糸が使用できる。また、線径についてもメッシュや組織、模様によって適宜選択すればよい。例えば領域毎に経糸列、緯糸列の線径を変えて、それらを交互に配置させたものであってもよい。織物の製織張力等は適宜選択すればよい。また製織後に熱セットすることで織物のナックルやクリンプが固定され剛性に優れた織物となるが、通常合成樹脂製の織物は熱収縮や伸び等が生じるため凹凸の大きさ等を考慮して適宜条件を選択する必要がある。
【0012】
【実施例】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例の織物表面を撮影した斜視図である。図2は図1の織物の模様領域群の組織を表す意匠図である。図3は図1に示した織物の経糸に沿った断面図である。図4は他の実施例の模様領域群の意匠図であり2つの模様領域を不規則に配置した模様領域群を示す。図5は図4に示した織物の緯糸1´に沿った断面図である。図6は本発明の他の実施例であり、模様領域を規則的、且つ不規則に配置した模様領域群を示す。そして図7は図6の模様領域群を構成する1つの第1模様領Caの意匠図である。図8は図6の模様領域群を構成する1つの第2模様領域Jaの意匠図である。図9は本発明の他の実施例の模様領域群の意匠図である。図10は従来発明の織物の意匠図であり、図11は図10に示した織物の緯糸12´に沿った断面図である。意匠図において経糸はアラビア数字、例えば1、2、3・・・で示し、緯糸はダッシュを付したアラビア数字、例えば1´、2´、3´・・・で示した。×印は経糸が緯糸の上側を通って上面側表面にクリンプを形成していることを示す。また模様領域群を構成する模様領域の配列を示す図では縦列をA、B、C・・・、横列をa、b、c・・・で示し、表面に経糸のロングクリンプを形成する第1模様領域を斜線で、表面に緯糸のロングクリンプを形成する第2模様領域を白抜で示した。
意匠図では上面側表面のみの組織を示したが多層織物の場合、図示した上層表面の下側に経糸及び/または緯糸がおよそ重なって配置される。
【0013】
実施例1
図1の斜視図は、織物の表面を斜めから見た図である。該織物は、織物表面に連続する緯糸の上を通る経糸のロングクリンプを形成する組織のa.第1模様領域と、織物表面に連続する経糸の上を通る緯糸のロングクリンプを形成する組織のb.第2模様領域より構成されており、それらが交互に配置して格子模様を形成している。図1より明らかなように、織物の表面高さは第1模様領域より第2模様領域の方が高くなっている。この織物は図2の意匠図をもとに製織されたものであるが、図2の経糸1〜16、緯糸1´〜16´によって構成される領域は、1本の経糸が連続する3本の緯糸の下側を通り、次いで1本の緯糸の上側を通って形成される経糸1/3組織を緯糸3本づつずらして配置したことで形成した4シャフトの完全組織を縦、横に4つづつつなげて表面に緯糸のロングクリンプを形成するものである。またその隣には経糸17〜32、緯糸1´〜16´からなる経糸のロングクリンプを形成した領域が配置されており、経糸17〜32、緯糸1´〜16´では、1本の経糸が連続する3本の緯糸の上側を通り、次いで1本の緯糸の下側を通って形成される経糸3/1組織を緯糸1本づつずらして配置したことで形成した4シャフトの完全組織を縦、横に4つづつつなげた表面に経糸のロングクリンプを形成する領域とした。さらにこれら2つの領域を縦、横交互に配置して4つの領域を組み合わせて1つの模様領域群を形成した。この模様領域群を連続して織物全体に繰り返して配置すると図1のような凹凸形状の織物が形成される。
織物は通常張力の掛かった経糸に対して緯糸が織り込まれて形成されており、織機上においては緯糸よりも経糸の方が張力が高いため、本発明の織物では経糸が緯糸を下から押し上げて表面に緯糸のロングクリンプを形成する領域を全体的に表面に突出させる。それにより表面に領域間で段差が生じ織物に凹凸が付与される。ただし、模様領域を構成する糸の線径や特性、製織張力、模様領域組織、糸の組み合わせ、あるいは製織後の熱セット条件等から凹凸を逆転させることもでき、また表面の凹凸高さを調整することも可能である。
図3は図1に示した織物の経糸に沿った断面図であり、2つの領域の境目が示されている。横に伸びているのが経糸、糸断面が緯糸であり、左側半分が表面に経糸のロングクリンプを形成する組織で、右側半分が表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織である。図より左側半分では上側にある経糸が複数本の緯糸を押さえ込み、表面から見ると領域としては凹状となっている。また、右側半分では下側にある経糸によって複数本の緯糸を押し上げ、表面から見ると領域としては凸状になっている。この繰り返しによって図1のような凹凸織物が形成される。
実施例1の織物は経糸3/1、1/3と表裏逆の組織であり、組織のずらし方によって織物の綾方向を隣接する領域毎に逆にしたものであり、それにより剛性、寸法安定性等にも優れた織物となった。
【0014】
実施例2
次に本発明の他の実施例について説明する。図4は本発明の実施例2の織物の意匠図である。実施例2の織物は実施例1の織物と同様に2つの模様領域によって構成されているが、その配置は交互ではなく模様領域の配置比率が異なり、しかも模様領域が不規則に配置されている。そのため同じ組織の模様領域が隣接配置されている部分もある。同じ組織の模様領域間では凹凸は形成されないが、異なる組織の模様領域間で凹凸が形成される。それは図5に示した緯糸1´に沿った断面図からも明らかである。織物としては、2つの模様領域を不規則に配置して構成された模様領域群の繰り返しによって形成される。
また実施例1と本実施例の織物の異なる点は、第1模様領域と第2模様領域の組織が表裏逆の対称組織ではなく異なるパターンで構成されていることである。また一方の模様領域が完全組織が完結した組織でないことも異なる。詳しくは、経糸1〜6、緯糸19´〜24´によって形成されている表面に経糸のロングクリンプを形成する第1模様領域組織は、経糸が連続する3本の緯糸の上を通った後1本の緯糸の上側を通る3/1組織を緯糸3本づつずらして配置した4シャフトの右下がりの綾が形成されるものであり、該第1模様領域は経糸6本、緯糸6本で形成されているため完全組織が完結した組織ではない。またもう一方の経糸1〜6、緯糸1´〜6´によって形成されている表面に緯糸のロングクリンプを形成する第2模様領域組織は、経糸が連続する5本の緯糸の下側を通った後1本の緯糸の上側を通る1/5組織を緯糸1本づつずらして配置した6シャフトのものであり、右上がりの綾が形成される。該第2模様領域は経糸6本、緯糸6本からなる1つの完全組織によって形成されるものである。これら2つの模様領域組織は対称的な組織ではないが問題ではなく、第1模様領域と第2模様領域が隣りあう部分では凹凸が形成される。
【0015】
実施例3
次に本発明の他の実施例について説明する。図6は本発明の他の実施例であり、模様領域を規則的、且つ不規則に配置した模様領域群を示す。そして図7は図6の模様領域群を構成する1つの第1模様領域の意匠図、図8は図6の模様領域群を構成する1つの第2模様領域の意匠図である。図7の第1模様領域組織は図2の第1模様領域組織と同じで、経糸3/1組織を縦、横に3つつなげたものである。また図8の第2模様領域組織は図2の第2模様領域組織と同じで、経糸1/3組織を縦、横に3つつなげたものである。図6のaAからなる1つの模様領域は図7の組織からなるものであり、図6のeAからなる1つの模様領域は図8の組織からなるものである。そして、これら2つの模様領域を規則的且つ不規則的に配列させて図6のような模様領域群を形成した。図6では縦列C〜G、横列l〜pの間で2つの領域を不規則に配置し第1模様領域組織によって「N」という文字を形成した。また縦列O〜R、横列c〜gの間で2つの領域を不規則に配置し、第2模様領域組織を組み合わせて「F」という文字を形成した。これは2つの異なる模様領域が存在するため実施が可能である。縦列C〜G、横列l〜pと縦列O〜R、横列c〜gの間では模様領域の配置が不規則であるが、その他の部分では模様領域の配置が規則的である。2つの模様領域を規則的且つ不規則的に配置して形成した図6の織物はこれを1つの模様領域群としてもよく、また更に拡張したものを模様領域群としてもよい。異なる模様領域が隣りあう部分で織物に凹凸模様を付与することができ、領域の配置によっては織物に凹凸による文字を形成することもできる。
【0016】
実施例4
次に本発明の他の実施例について説明する。図9は本発明の実施例4の織物の意匠図である。実施例4の織物は1つの模様領域で綾の折り返しが存在している。綾の折り返しは経糸のずらし方を変化させたことで生じたものであり、部分的にロングクリンプの長さが変化しているところもあるが、表面側の経糸のロングクリンプを形成する領域の中に緯糸のロングクリンプを形成する部分が存在するようなことはない。経糸1〜12、緯糸1´〜12´によって構成される第2領域と経糸13〜24、緯糸1´〜12´によって構成される第1模様領域の間で綾の変化は見られないが、表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織と経糸のロングクリンプを形成する組織が隣り合っているため、この領域間で凹凸が形成される。これら2つの領域を縦、横に交互に配置して4つの領域を組み合わせて1つの模様領域群を形成した。この領域群を織物全体に繰り返して配置すると全体として凹凸形状の織物が形成される。
【0017】
従来例1
図10は従来例の織物の意匠図である。本従来例は一見2つの異なる模様領域を交互に2つづつ組み合わせて形成した模様領域群のように見えるが、各領域の経糸組織はどれも等しく、1本の経糸が連続する3本の緯糸の下側を通る経糸1/3組織の繰り返しである。糸のずらし方を変えてあるため綾の方向が違うものの4つの領域とも表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織である。そのため図11を見てもわかるとおり各領域間では図3で見られるような段差が生じることが無く、織物全体としても凹凸形状が付与されることもない。また一方側のカールが強い織物となる傾向もある。
【0018】
【発明の効果】
本発明の織物は、少なくとも織物の1 つの表面が連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織の模様領域と、連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織の模様領域によって構成され織物表面に立体的な構造の凹凸を付与した不織布、ファンシーペーパー、壁紙、お手拭き、建材等の製造用織物として利用できる織物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の織物表面の斜視図である。
【図2】実施例1の織物の意匠図である。
【図3】実施例1の織物の経糸に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施例2の織物の意匠図である。
【図5】実施例2の織物の緯糸に沿った断面図である。
【図6】本発明の実施例3の織物の模様領域群の構成図である。
【図7】実施例3の織物の模様領域群を構成する第1模様領域の意匠図である。
【図8】実施例3の織物の模様領域群を構成する第2模様領域の意匠図である。
【図9】本発明の実施例4の織物の意匠図である。
【図10】従来例1の織物の意匠図である。
【図11】従来例1の織物の緯糸に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 〜32 経糸
1´〜32´ 緯糸

Claims (5)

  1. 経糸、緯糸によって形成された工業用織物において、該織物の少なくとも1つの表面がa.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプを形成する組織からなる第1模様領域と、b.連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2模様領域とによって形成されてなる抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  2. 請求項1に記載の工業用織物において、2つの模様領域の一方が他方の領域によって囲まれていることを特徴とする抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  3. 請求項1に記載の工業用織物において、a.第1模様領域とb.第2模様領域とを規則的及び/又は不規則に配置して構成した模様領域群を有し、該模様領域群を連続配置してなる抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  4. 2つの模様領域a.b.を形成する各々の組織が表裏逆の組織である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
  5. 2つの模様領域a.b.を形成する各々の組織の綾方向が上下及び/または左右逆である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された抄造物に凹凸マークを付与する工業用織物。
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