JP4188012B2 - クラッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのクラッチを組合わせたクラッチ装置の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ装置には、第1クラッチ並びに第2クラッチという2つのクラッチを組合わせて用いるようにしたものがある。このようなクラッチ装置は、駆動ギヤを備えた軸に従動ギヤを回転可能に且つ軸方向移動可能に取付け、この従動ギヤを軸方向へ移動させることで2つのクラッチを切換えて、従動ギヤを回転又は急速停止させる(ブレーキを掛ける)ことができるというものである。
【0003】
この種のクラッチ装置としては、例えば実公昭49−21844号公報「移動農機の回行装置」(以下、「従来の技術▲1▼」と言う)や実開昭62−43969号公報「サイドクラッチ」(以下、「従来の技術▲2▼」と言う)が知られている。以下、上記従来の技術▲1▼、▲2▼の概要を説明する。
【0004】
図8は従来のクラッチ装置の概要図(その1)であり、実公昭49−21844号公報の第1図の要部を再掲する。なお、符号は振り直した。
従来のクラッチ装置200は、駆動ギヤ201を備えた軸202に従動ギヤ203を回転可能に且つ軸方向移動可能に取付け、駆動ギヤ201と従動ギヤ203との間に第1クラッチ204を介在させ、駆動・従動ギヤ201,203を収納するギヤケース205と従動ギヤ203との間に第2クラッチ206を介在させたというものである。第1・第2クラッチ204,206はクラッチ爪同士が噛合うジョークラッチである。
【0005】
駆動ギヤ201に従動ギヤ203を接近させたときには、第1クラッチ204をオンさせることができる。一方、駆動ギヤ201から従動ギヤ203を離反させたときには、第1クラッチ204をオフさせるとともに第2クラッチ206をオンさせて従動ギヤ203を急停止させることができる。
このようなクラッチ装置200を歩行型自走式作業車に左右一対備えることで、動力をクラッチ装置200,200を介して左右の車軸(図示せず)に伝達し、作業車を直進走行又は旋回させることができる。
【0006】
さらに従来のクラッチ装置200は、第2クラッチ206のクラッチ爪同士を離反させる方向に弾発する、第1圧縮コイルばね211及び第2圧縮コイルばね212を備える。第1クラッチ204をオフにするには、第1圧縮コイルばね211の弾発力に抗した力が必要である。さらに、第2クラッチ206をオンにして従動ギヤ203を急停止させるには、第1圧縮コイルばね211の弾発力に第2圧縮コイルばね212の弾発力を加えた、複合弾発力に抗した力が必要である。
【0007】
図9は従来のクラッチ装置の概要図(その2)であり、実開昭62−43969号公報の第3図の要部を再掲する。なお、符号は振り直した。
従来のクラッチ装置300は、駆動ギヤ301を備えた軸302に従動ギヤ303を回転可能に且つ軸方向移動可能に取付け、駆動ギヤ301と従動ギヤ303との間に第1クラッチ304を介在させ、駆動・従動ギヤ301,303を収納するギヤケース305と従動ギヤ303との間に第2クラッチ306及び第3クラッチ307を介在させたというものである。第1・第2クラッチ304,306はクラッチ爪同士が噛合うジョークラッチである。第3クラッチ307は、多数の摩擦板を重ねた多板クラッチである。
【0008】
駆動ギヤ301に従動ギヤ303を接近させたときには、第1クラッチ304をオンさせることができる。一方、駆動ギヤ301から従動ギヤ303を離反させたときには、第1クラッチ304をオフさせるとともに、第2クラッチ306をオンさせて従動ギヤ303を急停止、又は第3クラッチ307をオンさせて従動ギヤ303を緩やかに停止させることができる。
このようなクラッチ装置300を歩行型自走式作業車に左右一対備えることで、動力をクラッチ装置300,300を介して左右の車軸(図示せず)に伝達し、作業車を直進走行又は旋回させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記図8に示す第2クラッチ206は、クラッチ爪同士が噛合うジョークラッチであるから、オン作動時に過大ななトルクが生じる。すなわち、第2クラッチ206をオンにして従動ギヤ203を急停止させると、第2クラッチ206に急激な制動力が発生する。
歩行型自走式作業車は急停止又は旋回をする度に、第2クラッチ206から急激な制動力(衝撃力)を受けて、車体が多少振動し得る。このような振動は、歩行型自走式作業車を操縦している作業者に伝わる。作業者の作業環境を良くするには、改良の余地がある。
【0010】
これに対して、第2クラッチ206の構造を、ジョークラッチに比べて衝撃が比較的小さい多板クラッチに変更することが考えられる。しかし、構造が複雑であり、クラッチ装置全体のコストアップの要因となるので、改良の余地がある。
上記図9に示す第2クラッチ306についても同様である。
【0011】
そこで本発明の目的は、第2クラッチのオン作動によって従動ギヤを急停止させるクラッチ装置において、簡単な構成により、第2クラッチのオン作動時に発生するトルクを低減することができる技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、駆動ギヤを備えた軸に従動ギヤを回転可能に且つ軸方向移動可能に取付け、この従動ギヤと駆動ギヤとの間に第1クラッチを介在させ、駆動・従動ギヤを収納するギヤケースと従動ギヤとの間に第2クラッチを介在させることで、駆動ギヤに従動ギヤを接近させたときに第1クラッチをオンさせ、駆動ギヤから従動ギヤを離反させたときに、第1クラッチをオフさせるとともに第2クラッチをオンさせて従動ギヤを停止させることができるクラッチ装置において、
第1クラッチは、クラッチ爪同士が噛合うジョークラッチであり、
従動ギヤは平歯車からなり、この平歯車の歯に歯丈の小さい部分を有しており、
この歯丈の小さい部分が、第1クラッチにおける従動ギヤ側のクラッチ爪を構成しており、
第2クラッチを、クラッチ爪同士が噛合うジョークラッチで構成し、このジョークラッチとギヤケースとの間に、ジョークラッチに基準値を超えるトルクが作用したときにスリップするトルクリミッタを介在させ、
トルクリミッタが、ギヤケースに設けた固定体に、第2クラッチに設けた回転体を圧入嵌合した構成であり、固定体の接触面と回転体の接触面との一方又は双方に浸硫処理を施した構成であり、
回転体を、固定体に対して軸方向への移動が規制された構成とし、
第2クラッチのクラッチ爪のうち、一方のクラッチ爪を、回転体に有しており、他方のクラッチ爪を、一方のクラッチ爪に対して軸の軸方向で噛合うべく従動ギヤに有していることを特徴とする。
【0013】
ジョークラッチからなる第2クラッチとギヤケースとの間に、ジョークラッチに基準値を超えるトルクが作用したときにスリップするトルクリミッタを介在させたので、第2クラッチのオン作動時に発生するトルクを低減することができる。
【0014】
さらには、トルクリミッタを、ギヤケースに設けた固定体に、第2クラッチに設けた回転体を圧入嵌合しただけの、簡単な構成にしたので、トルクリミッタを備えたクラッチ装置全体を、簡単な構成で小型にすることができる。
【0015】
さらにまた、固定体の接触面と回転体の接触面との一方又は双方すなわちスリップ面に浸硫処理を施し、摩耗を抑えるようにしたので、トルクリミッタの寿命を延ばすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、本発明のクラッチ装置を、自走式作業機の伝動機構に適用した例で説明する。また、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は自走式作業機を操縦する作業者から見た方向に従う。さらにまた、図面は符号の向きに見るものとする。
【0017】
図1は本発明に係る自走式作業機の左側面図であり、この自走式作業機10は、機体フレーム11の左右に取付けた2組のクローラベルト装置12,12(一方のみ図示)と、機体フレーム11の上部に取付けた荷台13と、機体フレーム11の後部に取付けたエンジン14並びに伝動装置15と、伝動装置15から後斜め上に延びた操作ハンドル16と、からなるクローラ式運搬車である。
このような自走式作業機10は、エンジン14を動力源として左右のクローラベルト装置12,12が自力走行するとともに、図示せぬ作業者が歩行しつつ操作ハンドル16を操縦するようにした形式の、自力走行式歩行型作業機である。
【0018】
クローラベルト装置(クローラ)12は、機体フレーム11の後部に取付けた駆動輪21と、機体フレーム11の前部に取付けた遊転輪22と、これら駆動輪21と遊転輪22とに掛け渡したクローラベルト23とからなる、走行装置である。
なお、操作ハンドル16のグリップ16a近傍に設けた左右のクラッチレバー73,73(一方のみ図示)を個別に握ることで、後述するクラッチ装置を操作することができる。図中、24・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)は転輪、BUは荷台13に積んだ荷物である。
【0019】
図2は本発明に係るエンジン並びに伝動装置を左側方から見た断面図である。上述のように自走式作業機10は、エンジン14から伝動装置15へ動力を伝達し、この伝動装置15からクローラベルト装置12,12(図1参照)へ動力を伝達するようにしたものである。
【0020】
伝動装置15は、エンジン14から下方へ延びた出力軸14aに主クラッチ30を介して遊星歯車機構40の入力側を連結し、遊星歯車機構40の出力側から下方へ延びた連結軸45に歯車伝動機構50及び2個のクラッチ装置70,70を介して、左右の車軸25,25を連結し、これらの主クラッチ30、遊星歯車機構40、歯車伝動機構50、クラッチ装置70,70、車軸25,25の一部をギヤケース(伝動ケース)141に内蔵した装置である。
車軸25,25は、駆動輪21,21(図1参照)に連結した回転軸である。
【0021】
主クラッチ30は、遊星歯車機構40の内歯歯車43の回転をオン・オフさせる拡径式ドラムブレーキであり、操作ハンドル16(図1参照)に取付けた主クラッチレバー31によって切換えることができる。主クラッチレバー31は、図示せぬワイヤケーブルを介して主クラッチ30の作動アーム32に連結したクラッチ操作部材である。
【0022】
遊星歯車機構40は、エンジン14の出力軸14aに取付けた太陽歯車41と、太陽歯車41に噛み合う複数個の遊星歯車42・・・と、これらの遊星歯車42・・・に噛み合う内歯歯車43と、複数の遊星歯車42・・・を回転可能に支持するキャリア44と、キャリア44に連結した連結軸45とからなる。
【0023】
図3は本発明に係る歯車伝動機構及びクラッチ装置の断面図であり、後方から見た歯車伝動機構50、クラッチ装置70,70及びギヤケース141を展開させて表したものである。
歯車伝動機構50は、連結軸37にベベルギヤ機構51を介して連結した第1軸52と、この第1軸52に平行に配置した第2軸53並びに第3軸54とを備える。第1軸52は、エンジン14(図3参照)の動力を外部に取り出す動力取出し軸を兼ねる。
【0024】
歯車伝動機構50によれば、ベベルギヤ機構51の回転方向を変速切換えレバー55で切換えることにより、第1軸52の回転方向を正転と逆転とに切換えることができる。変速ギヤ機構56の噛合わせを変速切換えレバー55で切換えることにより、第2軸53の回転速度を切換えることができる。また、ブレーキレバー57を操作することにより、拡径式ドラムブレーキ58を介して第2軸53を制動することができる。
さらには、第2軸53に取付けた第1ギヤ61と、第3軸54に取付けた第2ギヤ62とを噛合わせたので、エンジン14(図2参照)の動力を第2軸53から第3軸54へ伝達することができる。
【0025】
このような歯車伝動機構50は、第2ギヤ62を備えた第3軸54に左右2個の第3ギヤ63,63を回転可能に且つ軸方向移動可能に取付け、これらの第3ギヤ63,63に左右の第4ギヤ64,64を個別に噛合わせたものである。左右の第4ギヤ64,64は、左右の車軸25,25に別々に取付けることになる。左右の車軸25,25は、一端同士を突き合わせることで一直線に配列した軸である。第1・第2・第3・第4ギヤ61〜64は平歯車である。
【0026】
左右2個のクラッチ装置70,70は、左右のクラッチアーム71,71で別々に操作されることにより、左右2個の第3ギヤ63,63を別々にオン・オフさせるものである。左右のクラッチアーム71,71は、クラッチ作動軸72,72に取付けたフォーク状アームである。
【0027】
左右のクラッチレバー73,73(図1参照)を個別に握って、図示せぬワイヤケーブルを介して左右のクラッチ作動軸72,72を回すことで、左右のクラッチアーム71,71をスイングさせて、左右のクラッチ装置70,70を操作することができる。
以下、左のクラッチ装置70について詳しく説明する。右のクラッチ装置70については、左のクラッチ装置70と同じ構成なので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0028】
図4は本発明に係る左のクラッチ装置周りの断面図であり、上記図3に対応させて表した。
ここで、第2ギヤ62と第3ギヤ63との関係を考える。第2ギヤ62で第3ギヤ63を駆動するものであるから、第2ギヤ62を駆動ギヤとしたときに、第3ギヤ63は従動ギヤであると言うことができる。説明の理解を容易にするために、内容に応じて、第2ギヤ62のことを駆動ギヤ62と言い換え、第3ギヤ63のことを従動ギヤ63と言い換えることにする。
【0029】
左のクラッチ装置70は、第1クラッチ80並びに第2クラッチ90という、2つのクラッチを組合わせた複合クラッチである。第1クラッチ80は、駆動ギヤ62(第2ギヤ62)と従動ギヤ63(第3ギヤ63)との間に介在した、ジョークラッチである。第2クラッチ90は、駆動・従動ギヤ62,63を収納するギヤケース141と従動ギヤ63との間に介在した、ジョークラッチである。
ここで、「ジョークラッチ」とは、一般にドッグクラッチと称し、クラッチ爪同士が噛合う噛み合いクラッチのことである。
【0030】
クラッチ装置70は、第2クラッチ90とギヤケース141との間に、ジョークラッチとしての第2クラッチ90に予め設定した基準値を超えるトルクが作用したときにスリップする、トルクリミッタ100を介在させたことを特徴とする。基準値は、従動ギヤ63に通常作用する常用トルクよりも、大きく設定されることになる。
トルクリミッタ100は、ギヤケース141に設けた固定体101に、第2クラッチ90に設けた回転体111を圧入嵌合したものである。
【0031】
詳しく説明すると、第3軸54の軸上に駆動ギヤ62、第1クラッチ80、従動ギヤ63、第2クラッチ90、トルクリミッタ100及び第3軸用軸受131を、この順に1列に配列し、第3軸54を第3軸用軸受131を介してギヤケース141にて支承するとともに、ギヤケース141にこれらの部材54,62,80,63,90,100を収納するようにした。
【0032】
図5(a),(b)は本発明に係る第1・第2クラッチの構成図であり、(a)は第1・第2クラッチ80,90を分解して表し、(b)は第1クラッチ80を軸方向から見た断面構造として表したものである。
先ず、第1クラッチ80の構成を説明する。駆動ギヤ62のハブ62aの外径は、従動ギヤ63の歯先円直径よりも大きい。従動ギヤ63の歯先円直径は、ハブ62aに隣接する部分だけが、他の部分よりも小さい。すなわち、ハブ62aに隣接する部分の歯先を削り取った形状とすることで、歯丈を小さくした。このようにすることで、従動ギヤ63の歯63a・・・のうち、歯丈の小さい部分を第1クラッチ爪81・・・とした。
【0033】
一方、ハブ62aは側部に、第1クラッチ爪81・・・が2個ずつ側方から嵌合可能な複数の凹部62b・・・を形成することで、隣接し合う凹部62b,62b間に凸部82を形成したものである。これら複数の凸部82・・・を、駆動ギヤ62のクラッチ爪82・・・とした。
第1クラッチ80は、複数の第1クラッチ爪81・・・と複数のクラッチ爪82・・・とからなる。これらの第1クラッチ爪81・・・とクラッチ爪82・・・とが、(b)に示すように噛合ったときに、第1クラッチ80はオン(接合状態)である。
【0034】
次に、第2クラッチ90の構成を説明する。従動ギヤ63は、第1クラッチ爪81・・・と反対側の面に複数の第2クラッチ爪91・・・を備える。これらの第2クラッチ爪91・・・は、回転体111の側面に形成した複数のクラッチ爪92・・・に噛合い可能である。
第2クラッチ90は、複数の第2クラッチ爪91・・・と複数のクラッチ爪92・・・とからなる。これらの第2クラッチ爪91・・・とクラッチ爪92・・・とが噛合ったときに、第2クラッチ90はオン(接合状態)である。
【0035】
図6(a),(b)は本発明に係るトルクリミッタの構成図であり、(a)はトルクリミッタ100を分解して表し、(b)はトルクリミッタ100の断面構造を表したものである。このトルクリミッタ100は、固定体101と回転体111と抑え部材121とからなる。
【0036】
固定体101は、第3軸用軸受131を取付ける固定本体102と、固定本体102から径外方へ張り出した取付フランジ103と、回転体111を支持する環状の支持部104と、を一体に形成した固定側の部材である。このような固定体101は、固定本体102をギヤケース141(図4参照)に嵌合にて位置決めするとともに、取付フランジ103をギヤケース141にボルト止めすることで取付けるようにしたものである。
【0037】
固定本体102は、第3軸用軸受131の外輪を嵌合するために貫通した軸受用孔105を有する還状体である。支持部104は、固定本体102から回転体111側へ延びた環状体であり、回転体111を嵌合する嵌合用孔部106と、回転体111の側面と接触する平坦な接触面107と、を有する。
【0038】
回転体111は、嵌合用孔部106に圧入にて嵌合する環状の嵌合用軸部112と、嵌合用軸部112における一端の内周に設けた環状の内フランジ113と、嵌合用軸部112における他端の外周に設けた環状の外フランジ114と、外フランジ114のうち固定体101に臨む平坦な接触面115と、外フランジ114うち接触面115とは反対側の面に形成した上記複数のクラッチ爪92・・・と、を一体に形成した一体成型品である。
【0039】
抑え部材121は、第3軸用軸受131における内輪の端面と、上記図4に示す第3軸54の段差部54aとの間に介在する、薄い環状体である。このような抑え部材121は、外周に段差状のフランジ部122を一体に形成したものである。
固定体101における固定本体102の端面と、抑え部材121のフランジ部122とにより、回転体111の内フランジ113を若干の隙間を有して、軸方向に挟み込むことができる。このため、回転体111が軸方向へ移動することを、規制することができる。なお、固定本体102の端面と回転体111の内フランジ113の端面との間には、微小の隙間を有する。
【0040】
上記構成の固定体101、回転体111及び抑え部材121を組立ててトルクリミッタ100とし、さらに第3軸用軸受131を組立てた状態を、(b)に示す。
嵌合用孔部106に対する嵌合用軸部112の圧入による嵌合の程度は、第2クラッチ90(図4参照)に通常トルクが作用する限りでは、回転体111が停止し、第2クラッチ90に基準値を超えるトルクTa(作用トルクTa)が作用したときには、嵌合用孔部106に対して嵌合用軸部112が相対的に自由回転する程度である。
【0041】
固定本体102の接触面107と回転体111の接触面115、すなわちスリップ面は、一方又は双方に浸硫処理を施したものである。嵌合用孔部106の孔面106a(すなわち接触面106a)と嵌合用軸部112の外周面112a(すなわち接触面112a)、すなわちスリップ面は、一方又は双方に浸硫処理を施したものである。
【0042】
浸硫処理は、鉄系材料(炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼など)の表面層に遊離硫黄を拡散させる金属表面処理の一法である。遊離硫黄は潤滑性に富むので相対する接触面にスリップによる滑りが発生したときに、摩耗の発生を抑えることができ、結果的に耐摩耗性を高めることができるというものである。
【0043】
浸硫処理の具体例は、温度190℃程度の硫黄を含むアルカリ金属塩の溶融ソルトバス中にワークを浸漬しつつ陽極酸化処理を施し、ワークの表面に数μmの硫化鉄の拡散層を形成するものである。固定体101の接触面106a,107にのみ硫化鉄の拡散層を形成するには、接触面106a,107を除く固定体101をマスキング(非絶縁材でカバー)すればよい。回転体111も同様である。
【0044】
固定体101の接触面106a,107と回転体111の接触面112a,115との一方又は双方すなわちスリップ面に浸硫処理を施し、摩耗を抑えるようにしたので、トルクリミッタ100の寿命を延ばすことができる。
【0045】
次に、固定体101に対する回転体111の組立手順の例を説明する。
プレスマシンのワーク載せ台に固定体101(但し、嵌合用孔部106をパンチ側に向ける。)を載せ、上から回転体111を仮セットし、この回転体111をパンチで押し下げる。(b)に示すように、固定本体102の接触面107に回転体111の接触面115が均一に接触するまで入れば、圧入完了である。
【0046】
ここで、上記図4に戻って説明を続ける。クラッチ装置70は、第1クラッチ80がオンで、且つ第2クラッチ90がオフとなる方向に従動ギヤ63を弾発する圧縮コイルばね132を備える。この圧縮コイルばね132は、第3軸54を中心に巻き、従動ギヤ63と抑え部材121との間に介在したものである。従って、第1クラッチ80は通常オンであり、第2クラッチ90は通常オフである。
従動ギヤ63は、想像線にて示すクラッチアーム71の先端部を掛ける係合溝63bを備える。
【0047】
以上の説明から明らかなように、トルクリミッタ100は、ギヤケース141に設けた固定体101に、第2クラッチ90に設けた回転体111を圧入嵌合しただけの、簡単な構成である。従って、トルクリミッタ100を備えたクラッチ装置70全体を、簡単な構成で小型にすることができる。
【0048】
次に、上記構成のクラッチ装置70の作用を、図4及び図7に基づき説明する。
図4に示すように、駆動ギヤ62に従動ギヤ63を接近させたとき、第1クラッチ80はオンであり、第2クラッチ90はオフである。駆動ギヤ62から第1クラッチ80を介して従動ギヤ63へ動力を伝達し、さらに、従動ギヤ63から第4ギヤ64へ動力を伝達することができる。
その後、圧縮コイルばね132の弾発力に抗して、クラッチアーム71を矢印A方向にスイングさせることで、駆動ギヤ62から従動ギヤ63を離反させて、図7の状態にすることができる。
【0049】
図7は本発明に係るクラッチ装置の作用図であり、上記図4に対応させて表したものである。
駆動ギヤ62から従動ギヤ63を離反させた結果、第1クラッチ80はオフになる。ほぼ同時に、回転体111のクラッチ爪92・・・に第2クラッチ爪91・・・が噛合うので、第2クラッチ90はオンになる。
【0050】
ところで、第1クラッチ80がオフになっても、従動ギヤ63は慣性により回転を持続している。このため、従動ギヤ63から第2クラッチ90にトルクTaが作用し、この作用トルクTaが更に回転体111に作用する。この作用トルクTaは、第2クラッチ90がオン作動した時点では極めて大きく、予め設定された基準トルクTs、すなわち基準値Tsを超える(Ta>Ts)。基準値Tsは、接触面106a,112a間の摩擦力に対応した値であって、常用トルクを遙かに超える値である。なお、基準値Tsについては図面に符号を付していない。
【0051】
この基準値Tsを超える大きな作用トルクTaにより、トルクリミッタ100で滑りが発生する。すなわち、回転体111の嵌合用軸部112は、固定側の嵌合用孔部106に対してスリップし、相対的に自由回転(空転)する。
詳しくは、嵌合用孔部106の孔面106a(接触面106a)に対して、嵌合用軸部112の外周面112a(接触面112a)がスリップする。この結果、固定本体102の接触面107に対して、回転体111の接触面115もスリップし得る。
【0052】
接触面106a,112a間の摩擦力や、接触面107,115間の摩擦力は、作用トルクTaを打ち消す作用をなす。このため、作用トルクTaは急速に減少し、基準値Ts以下になる。作用トルクTaが基準値Ts以下に減少したときに、トルクリミッタ100での滑りが止まる。すなわち、回転体111の回転が停止する。このときに第2クラッチ90並びに従動ギヤ63は停止する。
【0053】
上述のように、基準値Tsを、常用トルクを遙かに超える過大な値に設定してあるので、接触面106a,112a間の摩擦抵抗は大きい。従って、第2クラッチ90がオン作動してから従動ギヤ63が停止するまでの時間は、比較的小さい。この結果、従動ギヤ63を比較的短時間で停止させることができる。
【0054】
このようにして、第2クラッチ90のオン作動時に発生する過大なトルクを、トルクリミッタ100により制限して、第2クラッチ90からギヤケース141に過大なトルクが伝わることを抑制することができる。
【0055】
以上の説明から明らかなように、ジョークラッチからなる第2クラッチ90とギヤケース141との間に、第2クラッチ90に基準値Tsを超える作用トルクTaが作用したときにスリップするトルクリミッタ100を介在させたので、第2クラッチ90のオン作動時に発生する過大なトルクを低減することができる。
【0056】
従って、自走式作業機10(図1参照)を旋回させるために、第2クラッチ90をオン作動させたときに発生する過大な作用トルクTa、すなわち、急激な制動力(衝撃力)を緩和することができる。急激な衝撃力が第2クラッチ90からギヤケース141を介して自走式作業機10に伝わって、操作ハンドル16(図1参照)が振動する心配はない。このため、作業者の作業環境を、より一層高めることができる。
【0057】
さらには、第2クラッチ90がオン作動したときから極く短時間が経過した後に、従動ギヤ63を完全に停止させるので、自走式作業機10を旋回時に急激な機体変化を抑制することができる。従って、自走式作業機10をより円滑に旋回させることができる。
【0058】
その後、クラッチアーム71を矢印B方向にスイングさせることで、上記図4の状態に戻すことができる。
【0059】
なお、上記本発明の実施の形態において、クラッチ装置70は自走式作業機10にのみ適用されるものではなく、各種の伝動機構に適用することができる。
また、自走式作業機10は、運搬車に限定されるものではなく、各種の作業機として採用でき、例えば除雪機や耕耘機でああってもよい。
また、動力源はエンジン14に限定されるものではなく、例えば電動モータであってもよい。
さらにまた、走行装置はクローラベルト装置12に限定されるものではなく、例えば車輪であってもよい。
また、駆動ギヤ62及び従動ギヤ63には、スプロケットを包含する。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、ジョークラッチからなる第2クラッチとギヤケースとの間に、ジョークラッチに基準値を超えるトルクが作用したときにスリップするトルクリミッタを介在させたので、第2クラッチのオン作動時に発生するトルクを低減することができる。
【0061】
このようなクラッチ装置を、例えば自走式作業機の旋回用に搭載した場合には、自走式作業機を旋回させるために、第2クラッチをオン作動させたときに発生する過大なトルク、すなわち、急激な制動力(衝撃力)を低減することができる。急激な衝撃力が第2クラッチからギヤケースを介して自走式作業機に伝わって、操作ハンドルが振動する心配はない。このため、作業者の作業環境を、より一層高めることができる。
しかも、第2クラッチがオン作動したときから極く短時間が経過した後に、従動ギヤを完全に停止させるので、自走式作業機を旋回時に急激な機体変化を抑制することができる。従って、自走式作業機をより円滑に旋回させることができる。
【0062】
さらには、トルクリミッタを、ギヤケースに設けた固定体に、第2クラッチに設けた回転体を圧入嵌合しただけの、簡単な構成にしたので、第2クラッチの構成を簡単にすることができる。
【0063】
さらにまた、固定体の接触面と回転体の接触面との一方又は双方すなわちスリップ面に浸硫処理を施し、摩耗を抑えるようにしたので、トルクリミッタの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自走式作業機の左側面図
【図2】本発明に係るエンジン並びに伝動装置を左側方から見た断面図
【図3】本発明に係る歯車伝動機構及びクラッチ装置の断面図
【図4】本発明に係る左のクラッチ装置周りの断面図
【図5】本発明に係る第1・第2クラッチの構成図
【図6】本発明に係るトルクリミッタの構成図
【図7】本発明に係るクラッチ装置の作用図
【図8】従来のクラッチ装置の概要図(その1)
【図9】従来のクラッチ装置の概要図(その2)
【符号の説明】
10…自走式作業機、54…軸(第3軸)、62…駆動ギヤ(第2ギヤ)、63…従動ギヤ(第3ギヤ)、70…クラッチ装置、80…第1クラッチ(ジョークラッチ)、81,82…第1クラッチのクラッチ爪、90…第2クラッチ(ジョークラッチ)、91,92…第2クラッチのクラッチ爪、100…トルクリミッタ、101…固定体、106a,107…固定体の接触面、111…回転体、112a,115…回転体の接触面、141…ギヤケース。
Claims (1)
- 駆動ギヤを備えた軸に従動ギヤを回転可能に且つ軸方向移動可能に取付け、この従動ギヤと前記駆動ギヤとの間に第1クラッチを介在させ、前記駆動・従動ギヤを収納するギヤケースと前記従動ギヤとの間に第2クラッチを介在させることで、駆動ギヤに従動ギヤを接近させたときに第1クラッチをオンさせ、駆動ギヤから従動ギヤを離反させたときに、第1クラッチをオフさせるとともに第2クラッチをオンさせて従動ギヤを停止させることができるクラッチ装置において、
前記第1クラッチは、クラッチ爪同士が噛合うジョークラッチであり、
前記従動ギヤは平歯車からなり、この平歯車の歯に歯丈の小さい部分を有しており、
この歯丈の小さい部分が、前記第1クラッチにおける前記従動ギヤ側のクラッチ爪を構成しており、
前記第2クラッチは、クラッチ爪同士が噛合うジョークラッチであり、このジョークラッチと前記ギヤケースとの間に、ジョークラッチに基準値を超えるトルクが作用したときにスリップするトルクリミッタを介在させ、
前記トルクリミッタは、前記ギヤケースに設けた固定体に、前記第2クラッチに設けた回転体を圧入嵌合した構成であり、前記固定体の接触面と前記回転体の接触面との一方又は双方に浸硫処理を施した構成であり、
前記回転体は、前記固定体に対して前記軸方向への移動が規制された構成であり、
前記第2クラッチの前記クラッチ爪のうち、一方のクラッチ爪は、前記回転体に有しており、他方のクラッチ爪は、前記一方のクラッチ爪に対して前記軸の軸方向で噛合うべく前記従動ギヤに有していることを特徴としたクラッチ装置。
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