JP2001059531A - クラッチ機構 - Google Patents

クラッチ機構

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JP2001059531A JP2000166685A JP2000166685A JP2001059531A JP 2001059531 A JP2001059531 A JP 2001059531A JP 2000166685 A JP2000166685 A JP 2000166685A JP 2000166685 A JP2000166685 A JP 2000166685A JP 2001059531 A JP2001059531 A JP 2001059531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ機構の摩擦板の摩擦力を安定させ、
小型で簡単な構成にし、寸法管理を容易にする。 【解決手段】 クラッチ機構36は、ハウジング41に
対して中間軸35を回転させたときには、摩擦板71の
摩擦力を利用して、クラッチ用ピン73をテーパ状空間
部の摩擦係合面にくさび作用により係合させて、中間軸
と第2小ギヤ37との間を連結して動力伝達を可能に
し、中間軸を停止したときには、クラッチ用ピンによる
中間軸と第2小ギヤとの間を解除して、第2小ギヤを双
方向に回転可能にしたものである。摩擦板をハウジング
内に配置した。ハウジングと摩擦板の外周面との間を、
クラッチ用ピンを留め置く抗力を作用させるための力で
接触する、オイルシール72でシールした。ハウジング
と摩擦板とオイルシールとで囲んだ空間Sに潤滑油Jを
充填した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッチ機構の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチ機構は、駆動部材と被駆動部材
とを選択的に連結する機械要素であり、摩擦クラッチな
ど種々の形式のものが使用されている。中には、駆動部
材を回転させたときには、駆動・被駆動部材間を連結し
て動力伝達を可能にし、駆動部材を停止したときには、
駆動・被駆動部材間の連結を解除して、被駆動部材を双
方向に回転可能にしたものもある。この種のクラッチ機
構には、例えば、米国特許第4909365号明細書
「フリーホイールクラッチ及びそれを具備した装置」が
ある。この技術の概要を下記の図27に基づき説明す
る。
【0003】図27は従来のクラッチ機構の概略断面図
であり、上記従来の技術に示す図2、図3並びに図5を
組合せて再掲したところのクラッチ機構の断面を示す
(符号並びに名称は従来の技術と相違する。)。従来の
クラッチ機構300は、ハウジング301に駆動部材と
しての出力軸302を回転可能に支承し、ハウジング3
01から外方へ出力軸302を延し、その延びた部分に
摩擦板303並びに被駆動部材としてのピニオン304
を回転可能に支承し、摩擦板303の側面305をハウ
ジング301の壁面306に所定の力(スラスト)F2
で接触させ、出力軸302と摩擦板303とピニオン3
04とに対するクラッチ用キー307の挙動によって、
出力軸302にピニオン304を選択的に連結するとい
うものである。
【0004】詳しくは、クラッチ機構300は、ハウジ
ング301から延びた出力軸302の先端に止め輪30
8を取付け、止め輪308とピニオン304との間に圧
縮ばね309を介在させることにより、圧縮ばね309
の弾発力にて、ピニオン304を介して摩擦板303の
側面305を、ハウジング301の壁面306に押し付
けるようにし、さらに、摩擦板303にクラッチ用キー
307の脚部311を所定角度スイング可能に掛けたも
のである。
【0005】出力軸302を回転させたときには、ハウ
ジング301と摩擦板303との摩擦力を利用して、出
力軸302に対し摩擦板303の回転タイミングを遅ら
せる。この結果、クラッチ用キー307は図表裏方向に
スイングし、出力軸302とピニオン304とを連結し
て、動力伝達を可能にする。また、出力軸302を停止
したときには、クラッチ用キー307は出力軸302と
ピニオン304の連結を解除して、ピニオン304を双
方向に回転可能にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、
(1)ハウジング301と摩擦板303との摩擦力を利
用したクラッチ機構300であるから、長期に渡って安
定した摩擦力を維持するために、接触部分の摩耗に対す
る配慮が必要である。特に、出力軸302が高速回転す
る場合には、摩耗対策が一層重要である。しかも、摩擦
板303の接触部分が露出しているので、塵埃等による
耐摩耗性の配慮が必要である。 (2)平面同士を接触させて摩擦力を利用するととも
に、一方の摩擦板303が回転するものであるから、摩
擦力を確保するためには、ハウジング301と摩擦板3
03の平坦度並びに組立精度を大幅に高める必要があ
り、寸法管理が容易でない。 (3)出力軸302と摩擦板303とピニオン304の
各キー溝に、複雑な形状のクラッチ用キー307をスイ
ング可能に嵌合させて、クラッチオン動作させるもので
あり、クラッチ機構300の構造が複雑である。しか
も、各キー溝並びにクラッチ用キー307の寸法管理が
容易でない。クラッチ機構300を常に円滑に動力伝達
させるための十分な配慮が必要である。 (4)出力軸302に取付けた圧縮ばね309の弾発力
によって、摩擦力を発生させるようにしたので、クラッ
チ機構300は、出力軸302の長手方向に大型にな
る。
【0007】そこで、本発明の目的は、(1)ハウジン
グ側と摩擦板との間の摩擦力が安定したクラッチ機構を
提供すること、及び(2)小型で構成が簡単で寸法管理
が容易であって、常に円滑に動力伝達可能なクラッチ機
構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、ハウジングで支承した駆動部材にて、被
駆動部材並びに円板状の摩擦板を回転可能に支承し、駆
動部材の外周面に軸方向へ延びるカム溝を形成し、この
カム溝の底面と被駆動部材の内周面とで径方向断面視テ
ーパ状のテーパ状空間部を形成し、このテーパ状空間部
にクラッチ用ピンを介在させ、摩擦板の内周面にカム溝
に対向して径方向へ延びるピン保持溝を形成し、このピ
ン保持溝とカム溝との間にクラッチ用ピンを介在させ、
ハウジングの内周面と摩擦板の外周面との間を、クラッ
チ用ピンを留め置く抗力を作用させるための力で接触す
る、オイルシールにてシールし、これらのハウジングと
摩擦板とオイルシールとによって囲んだ空間に、潤滑油
を充填することにより、ハウジングに対して駆動部材を
回転させたときには、摩擦板の摩擦力を利用し、クラッ
チ用ピンをテーパ状空間部の摩擦係合面にくさび作用に
より係合させて、駆動・被駆動部材間を連結して動力伝
達を可能にし、駆動部材を停止したときには、クラッチ
用ピンによる駆動・被駆動部材間の連結を解除して、被
駆動部材を双方向に回転可能に構成したクラッチ機構で
ある。
【0009】ハウジング側と摩擦板との間で摩擦力を発
生させるのに、摩擦板にラジアルを作用させるようにし
た。摩擦板の外周面にオイルシールのリップを嵌合する
ことによって、摩擦力を発生させるので、摩擦力の作用
半径は大きい。この結果、上記従来の技術と同じ摩擦ト
ルクを確保するのに、小さい接触力ですむので、接触圧
が下がる。接触圧が小さければ摩耗を抑制できるので、
摩擦力は安定する。ラジアルの作用であるから、駆動部
材の長手方向の寸法は小さい。摩擦板の外周面にオイル
シールのリップを嵌合するのであるから、平面同士を接
触させる場合のように、加工精度や組立精度を高める必
要はない。さらには、駆動部材の回転に対してタイミン
グが遅れる摩擦板にピン保持溝を形成し、このピン保持
溝でクラッチ用ピンを保持した。摩擦板が停止した状態
で駆動部材が回転しても、クラッチ用ピンは駆動部材と
共に回転しない。この結果、クラッチ用ピンがテーパ状
空間部の摩擦係合面にくさび作用によりロックし、駆動
・被駆動部材間を連結してクラッチオンにする。
【0010】請求項2は、ハウジングで支承した被駆動
部材にて、駆動部材並びに円板状の摩擦板を回転可能に
支承し、駆動部材の内周面に軸手方向へ延びるカム溝を
形成し、このカム溝の底面と被駆動部材の外周面とで径
方向断面視テーパ状のテーパ状空間部を形成し、このテ
ーパ状空間部にクラッチ用ピンを介在させ、摩擦板の内
周面に、被駆動部材の外周面に対向して径方向へ延びる
ピン保持溝を形成し、このピン保持溝と被駆動部材の外
周面との間にクラッチ用ピンを介在させ、ハウジングの
内周面と摩擦板の外周面との間を、クラッチ用ピンを留
め置く抗力を作用させるための力で接触する、オイルシ
ールにてシールし、これらのハウジングと摩擦板とオイ
ルシールとによって囲んだ空間に、潤滑油を充填するこ
とにより、ハウジングに対して駆動部材を回転させたと
きには、摩擦板の摩擦力を利用し、クラッチ用ピンをテ
ーパ状空間部の摩擦係合面にくさび作用により係合させ
て、駆動・被駆動部材間を連結して動力伝達を可能に
し、駆動部材を停止したときには、クラッチ用ピンによ
る駆動・被駆動部材間の連結を解除して、被駆動部材を
双方向に回転可能に構成したクラッチ機構である。
【0011】ハウジング側と摩擦板との間で摩擦力を発
生させるのに、摩擦板にラジアルを作用させるようにし
た。摩擦板の外周面にオイルシールのリップを嵌合する
ことによって、摩擦力を発生させるので、摩擦力の作用
半径は大きい。この結果、上記従来の技術と同じ摩擦ト
ルクを確保するのに、小さい接触力ですむので、接触圧
が下がる。接触圧が小さければ摩耗を抑制できるので、
摩擦力は安定する。ラジアルの作用であるから、駆動部
材の長手方向の寸法は小さい。摩擦板の外周面にオイル
シールのリップを嵌合するのであるから、平面同士を接
触させる場合のように、加工精度や組立精度を高める必
要はない。さらには、駆動部材の回転に対してタイミン
グが遅れる摩擦板にピン保持溝を形成し、このピン保持
溝でクラッチ用ピンを保持した。摩擦板が停止した状態
で駆動部材が回転しても、クラッチ用ピンは駆動部材と
共に回転しない。この結果、クラッチ用ピンがテーパ状
空間部の摩擦係合面にくさび作用によりロックし、駆動
・被駆動部材間を連結してクラッチオンにする。
【0012】請求項3は、カム溝の底面を、径方向断面
視でカム溝の開放側へ向って膨出する円弧面に形成した
ことを特徴とする。
【0013】カム溝の底面は円弧面であるから、頂点付
近の傾斜が緩く、頂点から離れるに従って傾斜がきつ
い。このため、半クラッチ状態になる範囲が狭くてす
み、クラッチ機構を迅速に無理なく切換えることができ
る。底面の全体が緩やかな円弧面なので、クラッチオン
とクラッチオフとの切換え作動は円滑である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。先ず、第1実施例として、本発明に係る
クラッチ機構を電動補助一輪運搬車に備えた例を、図1
〜図11に基づき説明する。
【0015】図1は本発明に係るクラッチ機構を備えた
電動補助一輪運搬車の側面図である。電動補助一輪運搬
車10は、車体フレーム11に駆動機構12と制御部1
3と左右のバッテリ14L,14Rとを取付け、車体フ
レーム11の車幅方向中央に車輪15を1個のみ取付
け、車体フレーム11から後上方へ左右の操作ハンドル
16L,16Rを延長し、車体フレーム11の後部下部
に左右の接地スタンド17L,17Rを形成し、車体フ
レーム11の上部に荷台18並びに荷台用柵19,19
を取付けることにより、人手による操作力に応じて、駆
動機構12のモータ31で補助動力を発生し、この補助
動力で人力を補助するようにした、歩行型手押し式一輪
運搬車(通称、「猫車」)である。
【0016】左の操作ハンドル16Lは、後端部にグリ
ップ21Lを備えるとともに、ブレーキレバー22を取
付けたバーハンドルである。右の操作ハンドル16R
は、後端部にグリップ21Rを備えるとともに、移動量
検知部23を取付けたバーハンドルである。右のグリッ
プ21Rは、車体フレーム11側へ押される力に応じて
移動量が変化する、スライド式グリップである。移動量
検知部23は、右のグリップ21Rが車体フレーム11
へ向う移動量を検知して検知信号を発するセンサ、例え
ば、往復動式ポテンショメータである。制御部13は、
移動量検知部23の検知信号に応じて、モータ31に前
進用補助動力を発生させるように制御するものである。
【0017】図2は本発明に係る電動補助一輪運搬車の
駆動機構の平面断面図である。駆動機構12は、モータ
31の動力を車軸61を介して、駆動輪としての車輪1
5に伝達するものである。詳しくは、駆動機構12は減
速機付きモータ30と、減速機付きモータ30に一端を
連結した伝動軸51と、伝動軸51の他端に連結した第
2減速機構52と、第2減速機構52に連結した車軸6
1と、車軸61を支承した軸受部62とからなる。車軸
61は車輪15を支承する軸である。
【0018】減速機付きモータ30は、モータ31に第
1減速機構32を一体的に組付けたものである。第1減
速機構32は、モータ31の出力軸31aに連結する第
1小ギヤ33と、第1小ギヤ33に噛み合う第1大ギヤ
34と、第1大ギヤ34をスプライン結合し且つ支承す
る中間軸35と、中間軸35にクラッチ機構36を介し
て連結する第2小ギヤ37と、第2小ギヤ37に噛み合
う第2大ギヤ38と、第2大ギヤ38を回転自在に支承
する軸受39と、これらのギヤ33,34,37,3
8、中間軸35、軸受39等を収納するハウジング41
とからなる、ギヤ2段減速機構である。第2大ギヤ38
は、伝動軸51の一端を連結したものである。
【0019】ハウジング41は、車体フレーム11(図
1参照)に取付けるものであり、モータ31を取付けた
カップ状のハウジング本体42と、ハウジング本体42
の開口部に被せてボルト止めしたリッド43とからな
る。さらに、ハウジング41は、ハウジング本体42に
第1軸受44を取付け、リッド43に軸受ボックス45
を溶接にて取付け、軸受ボックス45に第2軸受46を
取付けることによって、これらの第1・第2軸受44,
46を介して、中間軸35を回転可能に支承するもので
ある。軸受ボックス45は、ハウジング41をなす部材
の一部である。
【0020】第2減速機構52は、伝動軸51の他端に
連結する小ベベルギヤ53と、小ベベルギヤ53に噛み
合う大ベベルギヤ54と、小・大ベベルギヤ53,54
を収納するハウジング55とからなる。図中、48はブ
レーキ機構、56,57,58は軸受、63,64はブ
ラケットである。
【0021】図3は本発明に係る中間軸、クラッチ機構
及び第2小ギヤの断面図である。クラッチ機構36は、
中間軸35を正転したときのみ、駆動部材としての中間
軸35と被駆動部材としての第2小ギヤ37との間を連
結する摩擦クラッチである。すなわち、クラッチ機構3
6は、次の(1)及び(2)の作動特性を有する。 (1)図2のモータ31を正転することで、ハウジング
41に対して中間軸35を正転させたときには、中間軸
35と第2小ギヤ37との間を連結して、動力伝達を可
能にする。 (2)モータ31を停止することで、中間軸35を停止
したときには、中間軸35と第2小ギヤ37の連結を解
除して、第2小ギヤ37を正逆双方向に回転可能(空転
可能)にする。
【0022】具体的には、クラッチ機構36は、中間軸
35と、中間軸35に回転可能に支承した第2小ギヤ3
7並びに摩擦板71と、摩擦板71をハウジング41側
に所定の力で接触させるためのオイルシール72と、中
間軸35のカム溝35c、第2小ギヤ37の内周面37
a並びに摩擦板71のピン保持溝71cに掛かるクラッ
チ用ピン(ローラ)73との組合せを、基本構成とす
る。
【0023】中間軸35は、第2小ギヤ37を支承する
部分の径D1よりも、摩擦板71を支承する部分の径D
2を小径に設定し、これら大径D1部分の外周面35a
と小径D2部分の外周面35bとにわたって、軸方向へ
延びるカム溝35cを形成した回転軸である。さらに中
間軸35は、長手方向両側の段差によって、第1・第2
軸受44,46間に軸方向移動不能に取付けるととも
に、長手途中に位置決め鍔部35dを形成したものであ
る。鍔部35dから第2軸受46へ向って、第1スラス
トリング74、第2小ギヤ37、摩擦板71、第2スラ
ストリング75を、この順に並べて中間軸35に嵌合す
ることにより、これらの部材を鍔部35dと第2軸受4
6との間に、軸方向移動不能に取付けることができる。
図中、76は第3スラストリングである。
【0024】軸受ボックス45は、ハウジング41内に
開口したカップ状部材であり、その開口部分の内周面4
5aにオイルシール72を嵌合にて取付けたものであ
る。オイルシール72としては、例えば、JIS・B−
2402で定める「ばね入り外周ゴム型オイルシール」
を使用する。「ばね入り外周ゴム型オイルシール」は、
ばね72aを使用した単一のリップ72bと金属環72
cとからなり、外周面をゴムで覆ったものである。
【0025】オイルシール72のリップ72bは、回転
体である摩擦板71の外周面71aに嵌合することによ
って、シールをする役割を果たす。このようにして、ハ
ウジング41の一部である軸受ボックス45の内周面4
5aと、摩擦板71の外周面71aとの間を、オイルシ
ール72にてシールし、軸受ボックス45、すなわち、
ハウジング41と摩擦板71とオイルシール72とによ
って囲んだ空間Sに潤滑油J、例えばグリースを充填す
ることができる。
【0026】ところで、オイルシール72は、クラッチ
用ピン73を留め置く抗力を作用させるための所定の力
で、摩擦板71の外周面71aに接触するものである。
これにより、摩擦板71はハウジング41側に、所定の
接触力で接触することになる。摩擦板71の外周面71
aとオイルシール72のリップ72bとの接触によって
生じる摩擦トルクは、摩擦板71が他の部分(中間軸3
5、第2小ギヤ37、第2スラストリング75)との接
触によって生じる摩擦トルクの総和よりも大きくなるよ
うに、設定することになる。さらには、上述のように、
オイルシール72のリップ72bが接触する部分を潤滑
油Jで潤滑するので、摩擦板71の外周面71aとリッ
プ72bの摩耗を、抑制できる。摩擦板71の外周面7
1aとリップ72bとの接触によって発生する摩擦力の
大きさは、潤滑することを加味して設定すればよい。
【0027】図4は本発明に係るクラッチ機構周りの分
解斜視図であり、クラッチ機構36をなす中間軸35、
第2小ギヤ37、摩擦板71、オイルシール72、クラ
ッチ用ピン73・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)の
連結関係を示す。摩擦板71は、中間軸35に嵌合する
内周面71bに、カム溝35c・・・に対向して径方向へ
延びる3個のピン保持溝71c・・・を形成した円板状部
材である。クラッチ用ピン73は、簡素な形状である細
長い丸棒である。
【0028】図5は図3の5−5線断面図であり、クラ
ッチ機構36がオフ状態のときの、中間軸35と摩擦板
71とクラッチ用ピン73・・・との連結関係を示す。こ
の図は、(1)中間軸35の外周面35bに、3個のカ
ム溝35c・・・を等間隔で形成し、(2)摩擦板71の
内周面71bに、カム溝35c・・・に対向して径方向へ
放射状に延びるピン保持溝71c・・・を形成し、(3)
これらのカム溝35c・・・とピン保持溝71c・・・との間
に、クラッチ用ピン73・・・を介在させた、クラッチ機
構36の断面構成を示す。中間軸35の小径D2部分に
おける、カム溝35c・・・の溝深さは小さい。このた
め、カム溝35c・・・は、横置き状態の1個のクラッチ
用ピン73を部分的に収容可能である。この結果、クラ
ッチ用ピン73の残りの部分を、常にピン保持溝71c
に収容することになる。
【0029】図6は図3の6−6線断面図であり、クラ
ッチ機構36がオフ状態のときの、中間軸35と第2小
ギヤ37とクラッチ用ピン73・・・の連結関係を示す。
中間軸35の大径D1部分におけるカム溝35c・・・の
溝深さは、横置き状態のクラッチ用ピン73の全体を収
容可能な大きさである。
【0030】図7(a),(b)は本発明に係るオフ状
態のクラッチ機構の断面図であり、上記図5の要部を拡
大して表した(a)と、上記図6の要部を拡大して表し
た(b)とを、関連させて示した。(a)は、ピン保持
溝71cの溝幅を、クラッチ用ピン73が摩擦板71の
径方向Yへ移動可能な程度の微小の隙間を有した大きさ
に設定し、ピン保持溝71cの溝深さを、クラッチ用ピ
ン73の径よりも小さく設定したことを示す。
【0031】(b)は、中間軸35を矢印Xにて示す正
転方向へ回転したときに、カム溝35cの溝深さが徐々
に小さくなるように設定したことを示す。この結果、カ
ム溝35cの底面35eと第2小ギヤ37の内周面37
aとで、図に示す径方向断面視テーパ状のテーパ状空間
部81を形成し、このテーパ状空間部81にクラッチ用
ピン73を介在させることができる。テーパ状空間部8
1は、概ね平坦な底面35eの延長線Tと円弧状の内周
面37aとが交わる所定角度を有するテーパ状(くさび
状)の空間である。さらに、底面35eを、径方向断面
視でカム溝35cの開放側(第2小ギヤ37の内周面3
7a側)へ向って若干膨出する、緩やかな円弧面に形成
した。この円弧面は、例えばインボリュート曲線の曲面
である。
【0032】次に、上記構成のクラッチ機構36の作用
を図7〜図11に基づき説明する。図7において、クラ
ッチ機構36がオフ状態のときには、クラッチ用ピン7
3は(b)のように、カム溝35cの底面35eと第2
小ギヤ37の内周面37aとの間で径方向Yに移動可能
な状態である。
【0033】中間軸35を回転させたとき、摩擦板71
とオイルシール72(図3参照)との接触によって生じ
る摩擦トルクは、中間軸35と摩擦板71との接触によ
って生じる摩擦トルクよりも大きい。このため、オイル
シール72には摩擦板71を留め置く抗力が生じる。従
って、摩擦板71が停止した状態では、中間軸35を回
転させても、この方向にクラッチ用ピン73は移動でき
ない。クラッチ機構36は、オイルシール72に対する
摩擦板71の摩擦力を利用して、中間軸35に対する摩
擦板71の回転開始タイミングを遅らせるようにしたも
のである。
【0034】中間軸35を矢印Xにて示す正転方向へ回
転させると、第2小ギヤ37に対する中間軸35の位相
が変化する。これに伴い、カム溝35cの底面35e
は、クラッチ用ピン73を径方向Yに移動させて、内周
面37aに押し付ける。
【0035】図8(a),(b)は本発明に係るクラッ
チ機構の作用図(その1)であり、テーパ状空間部81
の摩擦係合面に、クラッチ用ピン73をくさび作用によ
り係合させることで、クラッチ機構36がオン状態にな
ったことを示す。中間軸35と第2小ギヤ37とが連結
し、動力伝達が可能である。テーパ状空間部81の摩擦
係合面とは、底面35e並びに内周面37aのことを指
す。中間軸35を、矢印Xにて示す正転方向へ更に回転
させると、中間軸35の動力は、底面35e→クラッチ
用ピン73→内周面37aを経て、第2小ギヤ37に伝
わる。第2小ギヤ37は、中間軸35と同じ矢印X方向
へ回転する。摩擦板71は、第2小ギヤ37の回転開始
から若干遅れて、矢印X方向に回転する。
【0036】上述のように、オイルシール72には摩擦
板71を留め置く抗力が生じている。このため、摩擦板
71が回転を開始するときに、弾性を有するリップ72
bには、摩擦板71を逆方向へ押し返そうとする弾発力
が生じる。この弾発力によって、クラッチ用ピン73の
くさび作用は一層高まる。
【0037】クラッチ機構36がオン状態であって、中
間軸35が停止しているとき、第2小ギヤ37を矢印X
方向へ回転させる(人力で上記図1の電動補助一輪運搬
車10を前進させる)と、内周面37aでクラッチ用ピ
ン73を押付ける力がなくなる。この結果、テーパ状空
間部81の摩擦係合面35e,37aに対するクラッチ
用ピン73のくさび作用が解消する。このため、クラッ
チ用ピン73による中間軸35と第2小ギヤ37との連
結が解除になり、クラッチ機構36はオフになる。第2
小ギヤ37は空転する。
【0038】図9(a),(b)は本発明に係るクラッ
チ機構の作用図(その2)である。(b)のようにクラ
ッチ機構36がオン状態であって、中間軸35が停止し
ているとき、第2小ギヤ37を矢印Xと反対向きに逆転
させる(人力で上記図1の電動補助一輪運搬車10を後
退させる)と、クラッチ用ピン73も矢印Xと反対向き
に移動しようとする。ところが、オイルシール72(図
3参照)には摩擦板71を留め置く抗力が生じているの
で、摩擦板71は停止状態を維持している。クラッチ用
ピン73は、(a)のようにピン保持溝71cのうちの
図右側部に突き当たるので、矢印Xと反対向きには移動
できない。
【0039】このように、第2小ギヤ37を逆転させる
と、摩擦係合面35e,37aに係合した状態のクラッ
チ用ピン73が、ピン保持溝71cのうちの図右側部に
突き当たる。この突き当たる力(衝撃力)の反作用をク
ラッチ用ピン73が受ける。この力によってクラッチ用
ピン73が矢印Xに押出されるので、摩擦係合面35
e,37aに対するクラッチ用ピン73のくさび作用が
解消する。このため、中間軸35と第2小ギヤ37との
連結が解除になり、クラッチ機構36はオフになる。第
2小ギヤ37は空転する。このように、オフ状態におい
ては、第2小ギヤ37を正転と逆転の双方向に自由に軽
く回転させることができる。
【0040】図10(a),(b)は本発明に係るクラ
ッチ機構の作用図(その3)である。(a)は、オン状
態におけるクラッチ機構36の断面構造を示す。円形断
面のクラッチ用ピン73は、底面35eに点P1で接触
するとともに、内周面37aに点P2で接触する。点P1
での接線をL1とし、点P2での接線をL2としたと
き、接線L1と接線L2とは交点Oで交わる。∠P1
2はθであり、この角度θは、クラッチ用ピン73が
テーパ状空間部81の摩擦係合面35e,37aに、く
さび作用にて摩擦係合するときの、くさび角(テーパ
角)である。
【0041】(b)は、上記(a)の底面35e回りを
拡大して示す。底面35eは、傾斜した延長線Tを底と
し、この底から開放側へ若干膨出する緩やかな曲線の円
弧面であり、この円弧面の頂点が点P1にある。延長線
Tに対して接線L1は平行である。
【0042】ここで、底面35eが、接線L1に沿った
平坦な面であると仮定する。クラッチ用ピン73によ
る、くさび作用の効果を高めるには、くさび角θを小さ
くするべく、接線L2に対して接線L1の傾斜を緩くす
ればよい。しかし、接線L1の傾斜が緩いと、テーパ状
空間部81の摩擦係合面とクラッチ用ピン73との連結
が不完全な状態、いわゆる、半クラッチ状態になる範囲
が広くなる。このため、クラッチ機構36を迅速に切換
えるには改良の余地がある。一方、クラッチ機構36を
迅速に切換えるためには、くさび角θを大きくするべ
く、接線L2に対して接線L1の傾斜をきつくすればよ
い。しかし、くさび作用の効果が低下する。
【0043】これに対して、本発明のクラッチ機構36
の底面35eは、点P1を頂点とした緩やかな円弧面な
ので、点P1付近の傾斜が緩く、点P1から離れるに従っ
て傾斜がきつくなる。このため、半クラッチ状態になる
範囲が狭くてすむ。半クラッチ状態の範囲が狭いので、
クラッチオンになる直前になって、クラッチ用ピン7
3のくさび作用の効果が急激に高まるとともに、中間
軸35を少し逆転しただけで、クラッチオン状態のクラ
ッチ用ピン73が外れる。従って、クラッチ機構36を
迅速に無理なく切換えることができる。さらには、底面
35eの全体が緩やかな円弧面なので、クラッチオンと
クラッチオフとの切換え作動は円滑である。
【0044】図11(a),(b)はクラッチ機構の模
式的説明図である。(a)は、上記図3に示す本発明に
係るクラッチ機構36を模式的に表したものである。オ
イルシール72のリップ72bは、径中心に向う弾発力
を有するので、摩擦板71の外周面71aに所定のラジ
アル(径方向の力)F1で接触する。リップ72bに対
する外周面71aの摩擦係数をμ1とすれば、摩擦板7
1を回転させるのに必要な回転力、すなわち摩擦力f1
は、 f1=F1×μ1 ・・・・・・(1) で表すことができる。摩擦板71の外径をd1とすれ
ば、摩擦力f1が生じる面の半径、すなわち、作用半径
はd1/2であるから、摩擦トルクT1は、 T1=f1×(d1/2)=F1×μ1×(d1/2) ・・・・・・(2) で表すことができる。
【0045】(b)は、上記図27に示す従来のクラッ
チ機構300を模式的に表したものである。圧縮ばね3
09に弾発された摩擦板303の側面305は、ハウジ
ング301の壁面306に、所定のスラスト(軸方向の
力)F2で接触する。壁面306に対する側面305の
摩擦係数をμ2とすれば、摩擦板303を回転させるの
に必要な回転力、すなわち摩擦力f2は、 f2=F2×μ2 ・・・・・・(3) で表すことができる。側面305は環状の接触面であ
る。接触面における内径と外径との平均径を、壁面30
6に対する接触平均径d2とする。摩擦力f2が生じる
接触半径、すなわち、作用半径はd2/2であるから、
摩擦トルクT2は、 T2=f2×(d2/2)=F2×μ2×(d2/2) ・・・・・・(4) で表すことができる。
【0046】摩擦板71の外径d1は接触平均径d2よ
りも大きい。ここで、μ1=μ2であると仮定すれば、
T1=T2としたときに、次の(5)式が成立する。 F1=F2×(d2/d1) ・・・・・・(5) 従って、(a)のように、摩擦板71の外周面71aに
オイルシール72のリップ72bを嵌合して、摩擦力を
発生させるようにすれば、(b)と同じ摩擦トルクT2
を確保するのに、小さい力F1ですむ。この結果、外周
面71aとリップ72bとの接触圧は小さくなる。接触
圧が小さければ、摩耗を抑制できる。
【0047】次に、上記構成の電動補助一輪運搬車10
の作用を、図1に基づき説明する。作業者による、右の
グリップ21Rを押す力が小さいとき、モータ31は停
止状態にある。電動補助一輪運搬車10を人力だけで走
行させることができる。クラッチ機構36(図2参照)
がオフなので、車輪15の回転力はモータ31に伝達さ
れない。右のグリップ21Rを押す力が大きくなると、
その力に応じて、モータ31の補助動力により人力を補
助するので、労力は軽減する。このように、作業者はグ
リップ21L,21Rを握って押すことで、電動補助一
輪運搬車10を人力だけで走行させたり、補助動力を受
けて走行させることができる。従って、補助動力を調整
するための特別の操作は不要であり、操作感覚が良好に
なり、操作性が高まるとともに、操作上の負担も軽い。
【0048】電動補助一輪運搬車10は小回りが利くの
で、畑の畝間を通って農作物などの運搬物を運ぶことが
多い。狭幅の畝間で、電動補助一輪運搬車10を旋回さ
せることはできない。作業者はグリップ21L,21R
を引いて、空荷の電動補助一輪運搬車10を後進させな
がら、畝間に入って行くことになる。モータ31は停止
しているが空荷なので、電動補助一輪運搬車10は軽
い。畝間で農作物を積んだ後には、グリップ21L,2
1Rを押し、電動補助一輪運搬車10を前進させて、畝
間を通り抜ける。この場合の電動補助一輪運搬車10は
重いので、グリップ21L,21Rを押す力は大きい。
しかし、モータ31の補助動力で人力を補助するので、
労力は軽減する。
【0049】次に、第2実施例として、本発明に係るク
ラッチ機構を芝刈機に備えた例を、図12〜図17に基
づき説明する。図12は本発明に係る芝刈機の要部を断
面した側面図である。芝刈機100は、車体フレーム1
01と、車体フレーム101に取付けた前輪102と、
車体フレーム101から後斜め上に延した左右の操作ハ
ンドル103,103(この図では左のみ示す。)と、
車体フレーム101の上部中央に搭載したエンジン10
4と、車体フレーム101の下部中央に取付けたカッタ
ハウジング105と、カッタハウジング105に収納し
てエンジン104の出力軸106に結合した刈刃107
と、出力軸106に伝動部品(駆動プーリ111、ベル
ト112、被動プーリ113)を介して連結した伝動機
構114と、伝動機構114に車軸115を介して連結
した駆動輪としての左右の後輪116,116とからな
り、芝草を刈る歩行型自走式芝刈機である。117はグ
リップである。
【0050】図13は図12の13−13線断面図であ
り、伝動機構114と車軸115と左右の後輪116,
116との関係を示す。なお、CLは車体中心である。
車軸115は、左右の軸受118,118にて回転可能
に支承された軸であり、両側にクラッチ機構136,1
36を介して、左右の後輪116,116を連結したこ
とを特徴とする。軸受118,118はブラケット11
9,119を介して、車体フレーム101(図1参照)
に取付けたものである。
【0051】図14は本発明に係る車軸、クラッチ機構
及び右の後輪の断面図である。クラッチ機構136は、
車軸115を正転したときのみ、駆動部材としての車軸
115と被駆動部材としての後輪116との間を連結す
る、摩擦クラッチである。すなわち、クラッチ機構13
6は次の(1)及び(2)の作動特性を有する。 (1)ハウジング141に対して車軸115を正転させ
たときには、車軸115と後輪116とを連結して、動
力伝達を可能にする。 (2)車軸115を停止したときには、車軸115と後
輪116の連結を解除して、後輪116を正逆双方向に
回転可能(空転可能)にする。
【0052】具体的には、クラッチ機構136は、車軸
115と、車軸115に嵌合してピン134で取付けた
カム盤135と、車軸115並びにカム盤135に回転
可能に支承した後輪116並びに摩擦板71と、摩擦板
71をハウジング141側に所定の力で接触させるため
のオイルシール72と、カム盤135のカム溝135
c、後輪116における芯金144の内周面144a並
びに摩擦板71のピン保持溝71cに掛かるクラッチ用
ピン73との組合せを、基本構成とする。
【0053】摩擦板71、オイルシール72並びにクラ
ッチ用ピン73は、上記第1実施例に示す部材と同等品
であり、同一符号を付してその説明を省略する。車軸1
15とカム盤135との組合せ構造体は、駆動部材をな
す。車軸115の径D3は上記図3の径D2と同一であ
り、カム盤135の外径D4は上記図3の径D1よりも
大きい。このため、ピン保持溝71cの溝深さも大き
い。カム盤135の外周面135a、すなわち、駆動部
材の外周面には軸方向へ延びるカム溝135cを形成し
たものである。
【0054】後輪116は、樹脂製ハブ143に補強用
芯金144を一体成形したものであり、以下、後輪11
6と言うときには、ハブ143と芯金144を包含す
る。カム盤135は芯金144を回転可能に支承する。
なお、芯金144の部分もハブ143で形成することは
任意である。ブラケット119はシール取付用ハウジン
グ141を設けたものであり、このハウジング141の
開口部分の内周面141aにオイルシール72を嵌合に
て取付けたものである。ハウジング141と摩擦板71
とオイルシール72とによって囲んだ空間Sに潤滑油
J、例えばグリースを充填することができる。図中、1
46はスラストリング、147は抜止めボルト、148
はキャップである。
【0055】図15は本発明に係るクラッチ機構周りの
分解斜視図であり、クラッチ機構136をなす摩擦板7
1、クラッチ用ピン73・・・、車軸115、後輪11
6、カム盤135の連結関係を示す。
【0056】図16は図14の16−16線断面図であ
り、クラッチ機構136がオフ状態のときの、車軸11
5と摩擦板71とクラッチ用ピン73・・・の連結関係を
示す。クラッチ用ピン73・・・は車軸115から浮いて
いる。
【0057】図17は図14の17−17線断面図であ
り、クラッチ機構136がオフ状態のときの、車軸11
5と後輪116とクラッチ用ピン73・・・の連結関係を
示す。カム盤135の外周面135aに径方向へ放射状
に延びる3個のカム溝135c・・・を等間隔で形成し、
これらのカム溝135c・・・にクラッチ用ピン73・・・を
収容した。カム溝135cは、上記第1実施例に示すカ
ム溝35cと同形状、同寸法である。クラッチ機構13
6は、カム溝135c・・・の底面と芯金144の内周面
144aとで、図に示す径方向断面視テーパ状のテーパ
状空間部181を形成したものである。テーパ状空間部
181は、上記第1実施例のテーパ状空間部81と同形
状、同寸法である。
【0058】クラッチ機構136の作用は、上記第1実
施例のクラッチ機構36と同様である。すなわち、図1
7のオフ状態のときに、車軸115を矢印Xにて示す正
転方向へ回転すると、カム盤135も同方向に回転し、
クラッチオンになる。クラッチ機構136の作用の詳細
説明については、省略する。この第2実施例によれば、
車軸115にカム盤135を取付けたので、車軸115
の寸法や形状を変更することなく、カム盤135の径や
カム溝135cの数量を簡単に変更できる。
【0059】一旦図13に戻って説明を続けると、左の
後輪116の連結構造は、右の後輪116の連結構造と
同様である。車軸115に、それぞれクラッチ機構13
6,136を介して左右の後輪116を連結したので、
左右のクラッチ機構136,136を差動装置として使
用できる。例えば、芝刈機100の前進中に、車軸11
5の回転速度を上回る速度で左の後輪116を回転させ
ることで、芝刈機100を容易に右折走行させることが
できる。
【0060】次に、第3実施例として、本発明に係るク
ラッチ機構を耕耘機に備えた例を、図18〜図26に基
づき説明する。図18は本発明に係る耕耘機の要部を断
面した側面図である。耕耘機200は、エンジン201
と、エンジン201の下部に取付けた減速機202と、
減速機202に連結した複数の第1・第2耕耘爪203
・・・,204・・・と、減速機202の後部から後上方へ延
ばしたハンドルポスト205と、ハンドルポスト205
の上部に取付けた操作ハンドル206とからなる、歩行
型自走式耕耘機である。図中、211は抵抗棒、212
はグリップである。
【0061】図19は図18の19−19線断面図であ
る。減速機202は、エンジン201の出力側から下方
へ延ばした駆動軸231と、駆動軸231の下端に形成
した小ベベルギヤ232と、小ベベルギヤ232に噛み
合わせた大ベベルギヤ233と、大ベベルギヤ233に
クラッチ機構236を介して連結した被動軸237と、
これらの部材231〜237を収納したハウジング23
8とからなる。被動軸237は耕耘機幅方向へ延びた水
平軸である。ハウジング238は、第1軸受251及び
第2軸受252を介して、被動軸237を回転可能に支
承し、下部開口をリッド253にて塞いだものである。
【0062】この図は、被動軸237の左右の先端部に
第1耕耘軸241,241を結合し、これら第1耕耘軸
241,241の左右の先端部に第2耕耘軸242,2
42を結合し、これら第2耕耘軸242,242の左右
の先端部に第3耕耘軸243,243を結合したことを
示す。第1耕耘軸241は第1耕耘爪203・・・を取付
け、第2耕耘軸242は第2耕耘爪204・・・を取付
け、第3耕耘軸243はサイドディスク244を取付け
たものである。254は第3軸受である。
【0063】図20は本発明に係るクラッチ機構周りの
断面図である。クラッチ機構236は、大ベベルギヤ2
33を正転したときのみ、駆動部材としての大ベベルギ
ヤ233と被駆動部材としての被動軸237との間を連
結する、摩擦クラッチである。すなわち、クラッチ機構
236は次の(1)及び(2)の作動特性を有する。 (1)ハウジング238に対して大ベベルギヤ233を
正転させたときには、大ベベルギヤ233と被動軸23
7とを連結して、動力伝達を可能にする。 (2)大ベベルギヤ233を停止したときには、大ベベ
ルギヤ233と被動軸237との連結を解除して、被動
軸237を正逆双方向に回転可能にする。
【0064】具体的には、クラッチ機構236は、被動
軸237と、被動軸237に回転可能に支承した大ベベ
ルギヤ233並びに摩擦板71と、摩擦板71をハウジ
ング238側に所定の力で接触させるためのオイルシー
ル72と、大ベベルギヤ233のカム溝233c、被動
軸237の外周面237a並びに摩擦板71のピン保持
溝71cに掛かるクラッチ用ピン73との組合せを、基
本構成とする。
【0065】摩擦板71、オイルシール72並びにクラ
ッチ用ピン73は、上記第1実施例に示す部材と同等品
であり、同一符号を付してその説明を省略する。大ベベ
ルギヤ233は、被動軸237に嵌合する内周面233
aにカム溝233cを形成したものである。被動軸23
7は、長手方向両側の段差によって、第1・第2軸受2
51,252間に軸方向移動不能に取付けたものであ
る。摩擦板71と大ベベルギヤ233も、第1・第2軸
受251,252間に軸方向移動不能に取付けた。
【0066】ハウジング238は、内部にシール取付部
255を取付け、シール取付部255の開口部分の内周
面255aにオイルシール72を嵌合にて取付けたもの
である。ハウジング238の一部をなすシール取付部2
55と摩擦板71とオイルシール72とによって囲んだ
空間Sに潤滑油J、例えばグリースを充填することがで
きる。256は止め輪、257,257はオイルシール
である。
【0067】図21は本発明に係るクラッチ機構周りの
分解斜視図であり、クラッチ機構236をなす摩擦板7
1、クラッチ用ピン73・・・、大ベベルギヤ233、被
動軸237の連結関係を示す。
【0068】図22は図20の22−22線断面図であ
り、クラッチ機構236がオフ状態のときの、摩擦板7
1とクラッチ用ピン73・・・と被動軸237の連結関係
を示す。
【0069】図23は図20の23−23線断面図であ
り、クラッチ機構236がオフ状態のときの、クラッチ
用ピン73と大ベベルギヤ233と被動軸237の連結
関係を示す。大ベベルギヤ233に3個のカム溝233
c・・・を等間隔で形成し、これらのカム溝233c・・・に
クラッチ用ピン73・・・を介在させた。
【0070】図24(a),(b)は本発明に係るオフ
状態のクラッチ機構の断面図であり、上記図22の要部
を拡大して表した(a)と、上記図23の要部を拡大し
て表した(b)とを、関連させて示した。(b)は、大
ベベルギヤ233を矢印Xにて示す正転方向へ回転した
ときに、カム溝233cの溝深さが徐々に小さくなるよ
うに設定したことを示す。この結果、カム溝233cの
底面233eと被動軸237の外周面237aとで、図
に示す径方向断面視テーパ状のテーパ状空間部281を
形成し、このテーパ状空間部281にクラッチ用ピン7
3を介在させることができる。テーパ状空間部281
は、概ね平坦な底面233eの延長線Tと円弧状の外周
面237aとが交わる所定角度を有するテーパ状(くさ
び状)の空間である。さらに、底面233eを、径方向
断面視でカム溝233cの開放側(被動軸237の外周
面237a側)へ向って若干膨出する緩やかな円弧面に
形成した。この円弧面は、上記図7(b)及び図10に
示す第1実施例と同等の曲面である。
【0071】次に、上記構成のクラッチ機構236の作
用を図24〜図26に基づき説明する。図24に示すよ
うに、クラッチ機構236がオフ状態のときには、クラ
ッチ用ピン73は底面233eと外周面237aとの間
で径方向Yに移動可能である。摩擦板71が停止した状
態では、大ベベルギヤ233を回転させても、この方向
にクラッチ用ピン73は回転できない。大ベベルギヤ2
33を矢印Xにて示す正転方向へ回転させると、底面2
33eはクラッチ用ピン73を外周面237aに押し付
ける。
【0072】図25(a),(b)は本発明に係るクラ
ッチ機構の作用図(その1)であり、クラッチ用ピン7
3を、テーパ状空間部281の摩擦係合面にくさび作用
により係合させることで、クラッチ機構236がオンに
なったことを示す。大ベベルギヤ233と被動軸237
とが連結し、動力伝達が可能である。ここで、テーパ状
空間部281の摩擦係合面とは、底面233eと外周面
237aのことを指す。クラッチ機構236がオンなの
で、被動軸237は大ベベルギヤ233と同方向に回転
する。摩擦板71は、被動軸237の回転開始から若干
遅れて、矢印X方向に回転する。
【0073】また、クラッチ機構236がオン状態で、
大ベベルギヤ233が停止しているとき、被動軸237
を矢印X方向へ回転させると、クラッチ用ピン73によ
る大ベベルギヤ233と被動軸237との間の連結が解
除になり、オフ状態に反転する。従って、被動軸237
は空転する。
【0074】図26(a),(b)は本発明に係るクラ
ッチ機構の作用図(その2)である。(b)のようにク
ラッチ機構236がオン状態であって、大ベベルギヤ2
33が停止しているとき、被動軸237を矢印Xと反対
向きに逆転させると、クラッチ用ピン73も矢印Xと反
対向きに移動しようとする。ところが、オイルシール7
2(図20参照)には摩擦板71を留め置く抗力が生じ
ているので、摩擦板71は停止状態を維持している。ク
ラッチ用ピン73は、(a)のようにピン保持溝71c
のうちの図右側部に突き当たるので、矢印Xと反対向き
には移動できない。
【0075】このように、被動軸237を逆転させる
と、摩擦係合面233e,237aに係合した状態のク
ラッチ用ピン73が、ピン保持溝71cのうちの図右側
部に突き当たる。この突き当たる力(衝撃力)の反作用
をクラッチ用ピン73が受ける。この力によってクラッ
チ用ピン73が矢印Xに押出されるので、摩擦係合面2
33e,237aに対するクラッチ用ピン73のくさび
作用が解消する。このため、大ベベルギヤ233と被動
軸237との連結が解除になり、クラッチ機構236は
オフになる。被動軸237は空転する。このように、オ
フ状態においては、被動軸237を正転と逆転の双方向
に自由に軽く回転させることができる。
【0076】なお、上記本発明の実施の形態において、 (1)クラッチ機構36,136,236は、電動補助
一輪運搬車10、芝刈機100、耕耘機200の他に
も、草刈機、運搬車、工作機械、自動車、手動機械等の
種々の装置に適用できる。 (2)クラッチ機構36,136,236の駆動部材を
駆動するための駆動源は、電動モータ、油圧モータ、エ
ンジンを含む、種々の動力源に適用できる。さらには、
クラッチオン状態のクラッチ機構36,136,236
は、駆動部材を逆転させてもクラッチオフになるので、
用途や駆動源の種類に応じて、駆動部材を逆転させるこ
とによりクラッチを切換えるようにしてもよい。 (3)クラッチ機構36,136,236における、駆
動部材並びに被駆動部材は、軸やギヤを含む種々の動力
伝達部材に適用できる。 (4)クラッチ機構36,136,236は、伝達トル
クに応じてピン保持溝71c、クラッチ用ピン73、カ
ム溝35c,135c,233cの数量を設定し、関連
部材の剛性も適宜設定することができる。 (5)オイルシール72は、リップ72bを摩擦板71
の外周面71aに嵌合することによって、摩擦板71が
高速の場合であっても、外周面71aとリップ72bと
の間に、所定の摩擦力を常に安定して発生させることが
でき、しかも、空間Sに潤滑油Jを充填可能にシールす
ることができるものであればよい。例えば、JIS・B
−2402で定める各種のオイルシールであってもよ
い。
【0077】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、摩擦板をハウジング内に配置し、こ
のハウジングの内周面と摩擦板の外周面との間を、クラ
ッチ用ピンを留め置く抗力を作用させるための力で接触
するオイルシールにてシールした。このため、ハウジン
グ側と摩擦板との間で摩擦力を発生させるのに、従来の
ように摩擦板にスラストを作用させるのではなく、ラジ
アルを作用させることができる。このように、摩擦板の
外周面にオイルシールのリップを嵌合し、接触力を作用
させることによって、摩擦力を発生させるので、摩擦力
の作用半径を大きくすることができる。大きい作用半径
であるから、上記従来の技術と同じ摩擦トルクを確保す
るのに、小さい接触力ですむので、接触圧を下げること
ができる。接触圧が小さいので摩耗を抑制することがで
き、この結果、常に摩擦力を安定させることができる。
しかも、ラジアルの作用であるから、駆動部材の長手方
向の寸法を小さくすることができ、この結果、クラッチ
機構を小型にすることができる。さらには、摩擦板の外
周面にオイルシールのリップを嵌合するのであるから、
平面同士を接触させる場合のように、加工精度や組立精
度を高める必要はない。従って、各部品の寸法管理は容
易である。
【0078】さらにまた、ハウジングと摩擦板とオイル
シールとによって囲んだ空間に、潤滑油を充填したの
で、摩擦板の外周面にオイルシールのリップを嵌合した
部分を潤滑油で潤滑することにより、嵌合した部分の摩
耗を一層抑制することができる。この結果、嵌合した部
分の摩擦力は安定する。従って、駆動部材を高速回転で
使用する場合であっても、クラッチ機構は確実に作動す
る。このため、低速から高速までの高範囲でクラッチ機
構を安定した状態で使用することができる。また、取付
け環境が良好なハウジング内に摩擦板を配置したので、
外部の塵埃等によるクラッチ機構の摩耗を防止して、耐
久性を高めることができる。
【0079】さらには、駆動部材に対して回転タイミン
グが遅れる摩擦板に、ピン保持溝を形成し、このピン保
持溝でクラッチ用ピンを保持するようにした。このた
め、摩擦板が停止した状態で駆動部材が回転しても、ク
ラッチ用ピンは駆動部材と共に回転しない。この結果、
クラッチ用ピンがテーパ状空間部の摩擦係合面にくさび
作用によりロックし、駆動・被駆動部材間を連結してク
ラッチオンにすることができる。簡素な形状のクラッチ
用ピンを、駆動部材のカム溝と被駆動部材の内周面と摩
擦板のピン保持溝とに、連結又は非連結させるだけなの
で、クラッチ機構を簡単な構成で、常に円滑に動力伝達
可能なものにすることができる。しかも、簡素なクラッ
チ用ピンを、上記従来の技術のようにスイングさせるこ
となく、単に連結・非連結、又は保持するだけの、カム
溝及びピン保持溝であるから、溝形状も簡素であり、寸
法管理が容易であり、生産性が高い。また、被駆動部材
には、クラッチ用ピンに連結するための溝が不要であ
る。
【0080】請求項2は、摩擦板をハウジング内に配置
し、このハウジングの内周面と摩擦板の外周面との間
を、クラッチ用ピンを留め置く抗力を作用させるための
力で接触するオイルシールにてシールした。このため、
ハウジング側と摩擦板との間で摩擦力を発生させるの
に、従来のように摩擦板にスラストを作用させるのでは
なく、ラジアルを作用させることができる。このよう
に、摩擦板の外周面にオイルシールのリップを嵌合し、
接触力を作用させることによって、摩擦力を発生させる
ので、摩擦力の作用半径を大きくすることができる。大
きい作用半径であるから、上記従来の技術と同じ摩擦ト
ルクを確保するのに、小さい接触力ですむので、接触圧
を下げることができる。接触圧が小さいので摩耗を抑制
することができ、この結果、常に摩擦力を安定させるこ
とができる。しかも、ラジアルの作用であるから、駆動
部材の長手方向の寸法を小さくすることができ、この結
果、クラッチ機構を小型にすることができる。さらに
は、摩擦板の外周面にオイルシールのリップを嵌合する
のであるから、平面同士を接触させる場合のように、加
工精度や組立精度を高める必要はない。従って、各部品
の寸法管理は容易である。
【0081】さらにまた、ハウジングと摩擦板とオイル
シールとによって囲んだ空間に、潤滑油を充填したの
で、摩擦板の外周面にオイルシールのリップを嵌合した
部分を潤滑油にて潤滑することにより、嵌合した部分の
摩耗を一層抑制することができる。この結果、嵌合した
部分の摩擦力は安定する。従って、駆動部材を高速回転
で使用する場合であっても、クラッチ機構は確実に作動
する。このため、低速から高速までの高範囲でクラッチ
機構を安定した状態で使用することができる。また、取
付け環境が良好なハウジング内に摩擦板を配置したの
で、外部の塵埃等によるクラッチ機構の摩耗を防止し
て、耐久性を高めることができる。
【0082】さらには、駆動部材の回転に対してタイミ
ングが遅れる摩擦板にピン保持溝を形成し、このピン保
持溝でクラッチ用ピンを保持するようにした。このた
め、摩擦板が停止した状態で駆動部材が回転しても、ク
ラッチ用ピンは駆動部材と共に回転しない。この結果、
クラッチ用ピンがテーパ状空間部の摩擦係合面にくさび
作用によりロックし、駆動・被駆動部材間を連結してク
ラッチオンにすることができる。簡素な形状のクラッチ
用ピンを、駆動部材のカム溝と被駆動部材の外周面と摩
擦板のピン保持溝とに、連結又は非連結させるだけなの
で、クラッチ機構を簡単な構成で、常に円滑に動力伝達
可能なものにすることができる。しかも、簡素なクラッ
チ用ピンを、上記従来の技術のようにスイングさせるこ
となく、単に連結・非連結、又は保持するだけの、カム
溝及びピン保持溝であるから、溝形状も簡素であり、寸
法管理が容易であり、生産性が高い。また、被駆動部材
には、クラッチ用ピンに連結するための溝が不要であ
る。
【0083】請求項3は、カム溝の底面を、径方向断面
視でカム溝の開放側へ向って膨出する円弧面に形成した
ので、頂点付近の傾斜を緩く、頂点から離れるに従って
傾斜をきつくできる。このため、半クラッチ状態になる
範囲が狭くてすみ、クラッチ機構を迅速に無理なく切換
えることができる。底面の全体が緩やかな円弧面なの
で、クラッチ機構の切換え作動は円滑である。このよう
なカム溝の底面を有する簡素な構成でトルク伝達バラン
スの良いクラッチ機構であるから、低速域から高速域ま
での広範囲に、また、低トルクから高トルクまでの広範
囲にわたって、使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ機構を備えた電動補助一
輪運搬車の側面図
【図2】本発明に係る電動補助一輪運搬車の駆動機構の
平面断面図
【図3】本発明に係る中間軸、クラッチ機構及び第2小
ギヤの断面図
【図4】本発明に係るクラッチ機構周りの分解斜視図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】本発明に係るオフ状態のクラッチ機構の断面図
【図8】本発明に係るクラッチ機構の作用図(その1)
【図9】本発明に係るクラッチ機構の作用図(その2)
【図10】本発明に係るクラッチ機構の作用図(その
3)
【図11】クラッチ機構の模式的説明図
【図12】本発明に係る芝刈機の要部を断面した側面図
【図13】図12の13−13線断面図
【図14】本発明に係る車軸、クラッチ機構及び右の後
輪の断面図
【図15】本発明に係るクラッチ機構周りの分解斜視図
【図16】図14の16−16線断面図
【図17】図14の17−17線断面図
【図18】本発明に係る耕耘機の要部を断面した側面図
【図19】図18の19−19線断面図
【図20】本発明に係るクラッチ機構周りの断面図
【図21】本発明に係るクラッチ機構周りの分解斜視図
【図22】図20の22−22線断面図
【図23】図20の23−23線断面図
【図24】本発明に係るオフ状態のクラッチ機構の断面
【図25】本発明に係るクラッチ機構の作用図(その
1)
【図26】本発明に係るクラッチ機構の作用図(その
2)
【図27】従来のクラッチ機構の概略断面図
【符号の説明】
35,115,135,233…駆動部材、35a,3
5b,135a…駆動部材の外周面、35c,135
c,233c…カム溝、35e,233e…カム溝の底
面、36,136,236…クラッチ機構、37,11
6,237…被駆動部材、37a…被駆動部材の内周
面、41,141,238…ハウジング、45a,14
1a,255a…ハウジングの内周面、71…摩擦板、
71a…摩擦板の外周面、71b…摩擦板の内周面、7
1c…ピン保持溝、72…オイルシール、73…クラッ
チ用ピン、81,181,281…テーパ状空間部、1
35a…駆動部材の外周面、233a…駆動部材の内周
面、237a…被駆動部材の外周面、J…潤滑油、S…
空間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングで支承した駆動部材にて、被
    駆動部材並びに円板状の摩擦板を回転可能に支承し、前
    記駆動部材の外周面に軸方向へ延びるカム溝を形成し、
    このカム溝の底面と被駆動部材の内周面とで径方向断面
    視テーパ状のテーパ状空間部を形成し、このテーパ状空
    間部にクラッチ用ピンを介在させ、前記摩擦板の内周面
    にカム溝に対向して径方向へ延びるピン保持溝を形成
    し、このピン保持溝とカム溝との間にクラッチ用ピンを
    介在させ、前記ハウジングの内周面と摩擦板の外周面と
    の間を、クラッチ用ピンを留め置く抗力を作用させるた
    めの力で接触する、オイルシールにてシールし、これら
    のハウジングと摩擦板とオイルシールとによって囲んだ
    空間に、潤滑油を充填することにより、前記ハウジング
    に対して前記駆動部材を回転させたときには、摩擦板の
    摩擦力を利用し、クラッチ用ピンをテーパ状空間部の摩
    擦係合面にくさび作用により係合させて、駆動・被駆動
    部材間を連結して動力伝達を可能にし、駆動部材を停止
    したときには、クラッチ用ピンによる駆動・被駆動部材
    間の連結を解除して、被駆動部材を双方向に回転可能に
    構成したクラッチ機構。
  2. 【請求項2】 ハウジングで支承した被駆動部材にて、
    駆動部材並びに円板状の摩擦板を回転可能に支承し、前
    記駆動部材の内周面に軸手方向へ延びるカム溝を形成
    し、このカム溝の底面と被駆動部材の外周面とで径方向
    断面視テーパ状のテーパ状空間部を形成し、このテーパ
    状空間部にクラッチ用ピンを介在させ、前記摩擦板の内
    周面に、被駆動部材の外周面に対向して径方向へ延びる
    ピン保持溝を形成し、このピン保持溝と被駆動部材の外
    周面との間にクラッチ用ピンを介在させ、前記ハウジン
    グの内周面と摩擦板の外周面との間を、クラッチ用ピン
    を留め置く抗力を作用させるための力で接触する、オイ
    ルシールにてシールし、これらのハウジングと摩擦板と
    オイルシールとによって囲んだ空間に、潤滑油を充填す
    ることにより、前記ハウジングに対して前記駆動部材を
    回転させたときには、摩擦板の摩擦力を利用し、クラッ
    チ用ピンをテーパ状空間部の摩擦係合面にくさび作用に
    より係合させて、駆動・被駆動部材間を連結して動力伝
    達を可能にし、駆動部材を停止したときには、クラッチ
    用ピンによる駆動・被駆動部材間の連結を解除して、被
    駆動部材を双方向に回転可能に構成したクラッチ機構。
  3. 【請求項3】 前記カム溝の底面を、径方向断面視でカ
    ム溝の開放側へ向って膨出する円弧面に形成したことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載のクラッチ機構。
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