JP4187572B2 - 自動車内装材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の室内に敷設される内装材に関し、特に自動車の室内に入射した騒音を吸収する効果に優れた内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の室内に敷設される内装材は、意匠性のある表層とクッシヨン性のある緩衝材層とを接着積層して形成されており、美観と触感の向上が図られている。
【0003】
図4、図5は従来の代表的な2種の自動車内装材の模式的断面図であり、図4は非通気性の内装材5を示し、意匠層51の裏面に非通気性の裏打ち層52が設けられた表層50を有し、床面等の水が内装材5の奥深くに漫透することを防止することができる。また、図5は通気性の内装材7を示し、意匠層71の裏面側に不連続な接着材層72を介して剛性層73が接着された表層70が、不連続な接着材層74を介して緩衝材層80に接着積層されて形成されている。この構成では、乗員に付随して車外から多くの雨水が持ち込まれて車室内で滴下した場合や、乗員が飲料をこぼした場合などに、これらの水分が内装材7に奥深く漫透する可能性がある。
【0004】
【特許文献1】
米国特許5554830号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近、特に内装材には、自動車室内に車外騒音が侵入しにくくする作用、即ち遮音性、また侵入した騒音を吸収して車室内を静粛に保つ作用、即ち吸音性も必要とされている。
【0006】
図4の非通気性の内装材と図5の通気性の内装材とを吸音性の観点から比較した場合に、従来、同じ意匠層と緩衝材層を有するのであるならば、通気性の内装材の方の吸音性がまさり、自動車室内がより静粛化されると認識されている。
【0007】
すなわち、通気性の内装材では、自動車室内にある音波が非通気性の裏打ち層に遮断されたりすることなく内装材の内部に深く浸透し、フェルトや発泡体のような多孔質体からなる緩衝材層にも達して、そのエネルギーが減衰しやすいからである。
【0008】
これに対して間に非通気性の裏打ち層があると、音波の入射は表層までとなり、車室内に入射した騒音の低滅効果は低い上に、非通気性の裏打ち層とボディパネルとが二重壁構造となって共鳴して外部の音波を透過することによる遮音性の低下も明確に生じる。
【0009】
非透水性の内装材で床面に適用できるものであって、かつ、できるだけ吸音性を低下させることのない構造としては以下の発明が提案されている。
【0010】
米国特許5554830号には、蒸気透過性で、かつ水非透過性で、かつ音波透過性を有するバリヤ層19を備える自動車内装用の騒音低滅被覆材が開示されており、バリヤ層19の具体的な実施例としては、「弾性的で多孔質な接着層(適当な疎水性のコーテイングでも可能)」が開示されている。
【0011】
上記発明のように、開口径をミクロのオーダーにすることによって水分は透過させずに、蒸気や音波はある程度透過させるバリヤ層を設ける構造は、理論的には可能性があるが、ちょうどそれに適したバリヤ層の構成が微妙であり、安定して最適の構成のバリヤ層を量産化することは困難と考えられる。
【0012】
このように、通気性の内装材では、吸音率が高い反面、遮音性が不足する傾向があり、一方非通気性の内装材では、遮音性が高い反面、吸音性が悪化する傾向があり、吸音性と遮音性とを同時に満たす構成が困難であった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑み、非通気性フィルム層をもって緩衝材層への水分の浸透を確実に防止しながら、車内騒音を効果的に吸収する作用を有する非通気性の自動車内装材を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動車内装材は、自動車の室内に敷設される自動車内装材であって、その内装材は通気性の表層と非通気性のフィルム層と通気性の緩衝材層とから構成され、表層とフィルム層、およびそのフィルム層と緩衝材層とは、相互の間に微小の空隙を有するように接着されて3層に積層され、フィルム層が、フィルム層に張力をかけずに表層および緩衝材層に対して接着されていることを特徴とする。
【0015】
ISO9053のB法に規定された交流型の流れ抵抗測定方法における流れ抵抗の値が10000Nsm−3以下であることが好ましく、5000Nsm−3以下であることが特に好ましい。
【0016】
また、ISO9053のA法に規定された直流型の流れ抵抗測定方法における流れ抵抗の値が、表層で100〜1500Nsm-3の範囲にあり、緩衝材層で100〜2000Nsm-3の範囲にあることが望ましい。
【0017】
非通気性のフィルム層の両面または片面にはあらかじめ不連続な接着材層が設けられており、その接着材層が不織布状の接着材料、パウダー状の接着材料、あるいは非通気性のフィルム層に部分的にコーテイングされた接着材料であってもよく、表層とフィルム層と緩衝材層とが、接着材層を加熱可塑化させることによって所要の形状に成形されてもよい。
【0018】
表層と非通気性のフィルム層、およびそのフィルム層と緩衝材層とは、相互の間に微小の空隙を有するように接着され、フィルム層が表層、および通気性緩衝材層に対して張力をかけずに接着されることにより、lSO9053のB法に規定の交流型の流れ抵抗測定方法において、有意の流れ抵抗の値をもち、表層と緩衝材層との間に非通気性フィルム層があっても、吸音性を向上させる自動車内装材が得られる。
【0019】
本発明の内装材が表層と緩衝材層の間に非通性のフィルム層を挟みながら、緩衝材層も吸音性の向上に寄与する理由は、薄い非通気性フィルム層に張力をかけずに、好ましくは、不連続な接着材料で、比較的流れ抵抗の値の低い表層と緩衝材層とに接着した場合、自動車室内側、即ち内装材の表層側からの音波が非通気性のフィルム層に達した際、非通気性フィルム層が音波により振動し、音波のエネルギーが緩衝材層に伝達されるため、非通気性フィルム層がない場合と同様に、緩衝材層が吸音性の向上に寄与することになるからである。
【0020】
本発明の内装材は、通気性と非通気タイプの内装材の中間的な特性を有し、吸音性と遮音性がともにすぐれている。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の自動車内装材の模式的な断面図であり、(a)は構成を示すための模式図、(b)は積層された状態の部分断面図であり、自動車の室内に敷設される自動車内装材1では、通気性を有する表層10の裏面に、非通気性のフィルム層30と通気性を有する緩衝材層20とが、相互の間に微小な空隙をもって順に接着、積層されている。
【0022】
非通気性のフィルム層30が、通気性を有する表層10、および通気性を有する緩衝材層20に対して張力をかけずに接着されており、それによって、lSO9053のB法に規定の交流型の流れ抵抗測定方法において、自動車内装材1は有意の流れ抵抗の値をもち、表層10と緩衝材層20との間に非通気性のフィルム層30があっても、吸音性を向上させる自動車内装材1が得られた。
【0023】
本発明の内装材1が表層10と緩衝材層20との間に非通気性のフィルム層30を挟みながら、緩衝材層20も吸音性の向上に寄与する理由は、薄い非通気性のフィルム層30に張力をかけずに、好ましくは、不連続な接着材料で、比較的流れ抵抗の値の低い表層10と緩衝材層20とに接着した場合に、自動車室内側、即ち内装材の表層側からの音波が非通気性のフィルム層30に達した際、非通気性のフィルム層30が音波により振動し、音波のエネルギーが緩衝材層20に伝達されるため、非通気性のフィルム層30がない場合と同様に緩衝材層20が吸音性の向上に寄与するからである。
【0024】
国際規格のlSO9053号は、吸音材料の空気流れ抵抗を測定する規格として代表的なものであるが、測定方法および装置としてはA法(直流法と呼ぶ)とB法(交流法と呼ぶ)の2つの測定方法が示されている。
【0025】
A法では、被測定試料を取り付けた管内に一定流量の空気を流し、試料中を流れる空気の流速Vと、試料の前後に生じた差圧△Pから、単位面積流れ抵抗の値Rが次式で定められる。
【0026】
R=△P/V(Nsm-3)
また、B法では低周波で振動する空気の流れを試料に作用させて差圧△Pを測定することで、徹小な△Pの測定の困難性を解決する方法として知られている(A法がより一般的な測定方法と考えられる)。
【0027】
本発明の自動車内装材1をlSO9053のA法に規定の流れ抵抗測定装置にセットした場合、表層10と緩衝材層20との間に非通気性のフィルム層30があるため、A法による流れ抵抗の値は無限大に大きく、有意の流れ抵抗値は計測されない。
【0028】
しかし、本発明の自動車内装材1をlSO9053のB法に規定の流れ抵抗測定装置にセットした場合、表層10と緩衝材層20との間に非通気性のフィルム層30があるにもかかわらず、有意の流れ抵抗が計測される。これは、非通気性のフィルム層30が音波により振動するために生じるものであり、通気性がある試料とみかけで同じような挙動があることから、有意の流れ抵抗を測定できることになる。
【0029】
実験により、非通気性のフィルム層30が非常に薄いものであり、50μm以下の厚さで、80g/m2 以下の質量であること、および非通気性のフィルム層30が通気性の表層10、通気性の緩衝材層20に対して、張力をかけずに、好ましくは不連続な接着材層で接着されることが表層10から緩衝材層20への音波の伝達を阻害しないために重要であることを見出した。また表層10の流れ抵抗の値はlSO9053に規定のA法で100〜1500Nsm-3、緩衝材層20の流れ抵抗の値はlSO9053に規定のA法で100〜2000Nsm-3となるように構成することが音波の減衰に重要であることを見出した。
【0030】
これは、これらの数値以上になると高周波域における音響抵抗(音響インピーダンスの実部)が大きくなり、その結果、吸音性の低下が生じるためである。また、音波の入射側に近い表層10のほうが、緩衝材層20よりも音響抵抗を大きくする影響が高いため、表層10の流れ抵抗の上限値を緩衝材層20の流れ抵抗の上限値よりも低く設定する必要がある。また、表層10、緩衝材層20の流れ抵抗値を100Nsm-3以下にした場合には、必然的に、表層10、緩衝材層20ともに質量を低くする必要があるため、表層10では耐磨耗性の低下、緩衝材層20では踏み心地性の悪化などが生じ好ましくない。
【0031】
本発明の内装材1は、間に非通気性のフィルム層30があるため、表層10側から水分が滴下しても、緩衝材層20まで水分は達することは無く、緩衝材層20が湿潤するおそれはない。
【0032】
以下、本発明の好適の実施形態をさらに詳細に説明する。
(材料構成)
表層10は意匠性に優れた素材からなる意匠層11で構成し、不織布、織布、ニードルパンチ布、編物、カーペット、開孔したレザーなどからなり、lSO9053に規定のA法による直流の流れ抵抗の値は100〜1500Nsm-3の範囲にあることが好ましい。
【0033】
表層10は、意匠層11の裏面に必要に応じて、ニードルパンチ不織布などの補強層12を積層することができる。この場合、補強層12の流れ抵抗の値は表層10の流れ抵抗の値に加えて考慮する必要がある。
【0034】
緩衝材層20は各種反毛繊維、ポリエステル繊維のフェルト、ウレタンフォームなど多孔質素材によって、厚さ5〜40mmに形成される。lSO9053に規定のA法による直流の流れ抵抗の値は100〜2000Nsm-3の範囲にあることが好ましい。
【0035】
非通気性のフィルム層30はナイロン、ウレタン、ポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが適し、50μm以下の厚さで、80g/m2 以下の質量で柔軟なものが好ましい。ここで言う非通気性のフィルム層30には、微小な孔をもち、透水性はないが、若干のガス透過性を持つフィルムも、音波に対しては非通気性のフィルム30と同様な挙動を示すためこの中に含まれる。
【0036】
非通気性のフィルム層30の両面または片面には不連続な接着材層41を備えることが適当であり、接着材層41は、不織布状ないしパウダー状の接着材料、または非通気性のフィルム層30に部分的に塗布された接着材料を用いることによって不連続な接着材層41を形成しやすい。
(接着・積層)
表層10の裏面(および/または緩衝材層20の表面)に非通気性のフィルム層30を、張力をかけずに貼り合わせる。このとき接着材層41として、非通気性のフィルム層30の融点よりも低い温度で溶融するパウダー状、不織布状の接着材料、または非通気性のフィルム層30に部分的に塗布された接着材料を使用し、非通気性のフィルム層30が表層10の裏面(および/または緩両材層20の表面)に不連続に接着されるように貼り合わせる。このように接着することにより、非通気性のフィルム層30と表層10、緩衝材層20との間には、上記の接着材層41によって接着されない部分が生じ、非通気性のフィルム層30と表層10、緩衝材層20との間に、若干の空隙42ができる。その結果、非通気性のフィルム層30は音波に対し、表層10、および、緩衝材層20に拘束されずに振動できるため、音波を緩衝材層20に伝達することができる。
【0037】
図1(b)は図1(a)の部分拡大図であり、好ましい接着材層41の形成状態を示し、非通気性のフィルム層30はパウダー状の接着材料を用いることにより、通気性を有する表層10と通気性を有する緩衝材層20との間に空隙42をもって接着されている。積層の押圧を低く保つことにより、パウダーが完全に潰れて、隙間42を充填することを避けている。この場合接着材料の一部は、多孔質の表層や緩衝材の表面に少し含浸する。
(成形)
本発明の内装材を成形する場合に好ましい方法は、表層10/非通気性のフィルム層30の積層物を赤外線ヒータで加熱するとともに、表面に不織布状、パウダー状の接着材料を配置した緩衝材層20を赤外線ヒータ、または熱風で加熱し、表層10/非通気性のフィルム層30と緩衝材層20とを貼り合わせるとともに、所要形状のプレス成型型の間に配して所定形状に付形し、冷却して脱型する。
【0038】
この際、接着材料に低融点の熱可塑性樹脂(低密度ポリエチレン樹脂等)を用い、これを溶融させることによって接着材料として利用するとともに、冷却後には低融点熱可塑性樹脂が固化して剛性をもつことによって、成形形状が保持される。
【0039】
接着ないし成形の工程により、接着材料が表層10や緩衝材層20に深く含浸して流れ抵抗の値が変わる場合は、含浸状態での流れ抵抗の値がそれぞれ、100〜1500Nsm-3、100〜2000Nsm-3の範囲に入るように、あらかじめ見込んで設計する必要がある。
【0040】
【実施例】
次に、本発明の自動車内装材について実施例と比較例の評価結果を説明する。(実施例1)
表層:ニードルパンチカーぺット(意匠層ベロアニーパン400g/m2 +接着層250g/m2 +補強層300g/m2 )、[A法流れ抵抗の値500Nsm-3]
非通気性のフィルム層:ナイロンフィルム、厚さ30μm(昭和プラスティック株式会社製)
緩衝材層:反毛繊維フェルト20mm、密度=0.06、[A法流れ抵抗の値560Nsm-3]
アッセンブリー:[B法流れ抵抗の値2100Nsm-3]
(実施例2)
表層:タフテッドカーペット(意匠層カットパイル500g/m2 +基布120g/m2 +基布裏ラテックス50g/m2 +接着層350g/m2 +補強層500g/m2 )、[A法流れ抵抗の値 1500Nsm-3]
非通気性のフィルム層:ナイロンフィルム、厚さ30μm(昭和プラスティック株式会杜製)
緩衝材層:反毛繊維フェルト20mm、密度=0.12、[A法流れ抵抗の値1150Nsm-3]
アッセンブリー:[B法流れ抵抗の値3700Nsm-3]
(実施例3)
表層:ニードルパンチカーペット(意匠層べロアニーパン400g/m2 +接着層350g/m2 +補強層500g/m2 )、[A法流れ抵抗の値1100Nsm-3]
非通気性のフィルム層:ナイロンフィルム、厚さ30μm(昭和プラスティック株式会社製)
緩衝材層:反毛繊維フェルト20mm、密度=0.06、[A法流れ抵抗の値560Nsm-3]
アッセンブリー:[B法流れ抵抗の値2700Nsm-3]
(比較例1)
表層:タフテッドカーペット(意匠層カットパイル500g/m2 +基布120g/m2 +基布裏ラテックス50g/m2 )[A法流れ抵抗の値200Nsm-3]
裏打ち層:樹脂シート1500g/m2 、[A法流れ抵抗の値 測定不可]
緩衝材層:反毛繊維フェルト20mm、密度=0.06[A法流れ抵抗の値560Nsm-3]
アッセンブリー:[B法流れ抵抗の値 測定不可]
(比較例2)
表層:ニードルパンチカーペット(意匠層ベロアニーパン400g/m2 +接着層350g/m2 +補強層500g/m2 )、[A法流れ抵抗の値1100Nsm-3]
緩衝材層:反毛繊維フェルト20mm、密度=0.06[A法流れ抵抗の値560Nsm-3]
アッセンブリー:[B法流れ抵抗の値1750Nsm-3]
(評価)
評価方法
残響室法吸音率:
最も一般的な吸音率の測定方法である、残響室法により、実施例および比較例の内装材の周波数ごとの吸音率を測定した。残響室サイズは36m3 、試料の大きさは約3.2m2 とした。
【0041】
透過損失:
残響室―無響室にて、音響インテンシティ法により、実施例および比較例の内装材の周波数ごとの透過損失を測定した。残響室サイズは36m3 、無響室サイズは22.5m3 、試料の大きさは約0.25m2 とした。
評価結果
実施例1〜実施例3の残響室法吸音率は、図2に示すとおり、比較例1よりほぼ全周波数域で高く、比較例2に対しては周波数により高低はあるものの、全周波数域で優れた吸音性を示す。
【0042】
また、実施例1〜実施例3の透過損失は、図3に示すとおり、比較例2と同等であり、質量の高い比較例1に対しては500Hz以下では低くなるが、比較例1の200〜400Hzで明確に生じている共鳴透過と考えられる透過損失の低下はない。
【0043】
実施例は非通気フィルム層として極薄フィルムを設定しているため、防水性も兼ね備えている。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の非通気性の自動車内装材は、非通気性フィルム層をもって緩衝材層への水分の漫透を確実に防止しながら、車内騒音を効果的に吸収する作用を有するという効果がある。これは、表層、緩衝材層の密度、流れ抵抗、および非通気のフィルム層の厚さ、質量を制御して、表層と非通気性のフィルム層、およびそのフィルム層と緩衝材層とは、相互の間に微小の空隙を有するように接着され、フィルム層が表層、および通気性緩衝材層に対して張力をかけずに接着されているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の自動車内装材の模式的な断面図である。
(a)は構成を示すための模式図である。
(b)は積層された状態の部分断面図である。
【図2】本発明の自動車内装材の実施例と比較例との吸音率の測定結果を示すグラフである。
【図3】本発明の自動車内装材の実施例と比較例との透過損失の測定結果を示すグラフである。
【図4】従来例の非通気性の自動車内装材の模式的断面図である。
【図5】従来例の通気性の自動車内装材の模式的断面図である。
【符号の説明】
1、5、7 自動車内装材
10、50、70 表層
11、51、71 意匠層
12 補強層
20、60、80 緩衝材層
30 非通気性のフィルム層
41、72、74 接着材層
42 空隙
52 裏打ち層
73 剛性層
Claims (7)
- 自動車の室内に敷設される自動車内装材であって、該内装材は通気性の表層と非通気性のフィルム層と通気性の緩衝材層とから構成され、前記表層と前記フィルム層、および該フィルム層と前記緩衝材層とは、相互の間に微小の空隙を有するように接着されて3層に積層され、
前記フィルム層が、前記フィルム層に張力をかけずに前記表層および前記緩衝材層に対して接着されていることを特徴とする自動車内装材。 - ISO9053のB法に規定された交流型の流れ抵抗測定方法における前記自動車内装材の流れ抵抗の値が10000Nsm-3以下である、請求項1に記載の自動車内装材。
- 前記表層のISO9053のA法に規定された直流型の流れ抵抗測定方法における流れ抵抗の値が100〜1500Nsm-3の範囲にある、請求項1または請求項2に記載の自動車内装材。
- 前記緩衝材層のISO9053のA法に規定された直流型の流れ抵抗測定方法における流れ抵抗の値が100〜2000Nsm-3の範囲にある、請求項1または請求項2に記載の自動車内装材。
- 非通気性の前記フィルム層の両面の少なくとも1面には、あらかじめ不連続な接着材層が設けられている、請求項1または請求項2に記載の自動車内装材。
- 前記接着材層が不織布状の接着材料、パウダー状の接着材料、および前記フィルム層に部分的にコーテイングされた接着材料のいずれかである、請求項5に記載の自動車内装材。
- 前記表層と前記フィルム層と前記緩衝材層とが、前記接着材層を加熱可塑化させることによって所要の形状に成形されている、請求項5または請求項6に記載の自動車内装材。
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