JP4186721B2 - モータ駆動システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中低速のエレベータにおけるモータ駆動システムは、位置エネルギーが電気エネルギーへ戻るときのモータからの回生電力は抵抗で消費している。これに対して、省エネルギー化を図るため、充放電が可能な蓄電池(二次電池とも呼ばれる)を利用し、蓄電池にエネルギーを充電し、必要時に蓄電池から放電するシステムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−261246号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような蓄電池を利用したモータ駆動システムにおいては、蓄電池残容量がほぼ満充電の状態の時に回生電力を充電しようとすると、過充電状態となり、蓄電池性能の劣化を招く可能性がある。そこで、蓄電池出力を制御する電力変換器の制御回路において、充電規制手段が設けられる。制御回路では、変換器の電圧制御部において、電圧検出値とその電圧指令との偏差に対して制限を加えるリミッタ回路を備えており、蓄電池の充電状態が定格容量の80%程度を上回った場合に、充電側のリミッタ値が強制的にゼロに設定される。この結果、充電状態が定格容量の80%程度を上回った場合には、蓄電池への充電量をゼロに抑えることができる。
【0005】
ところが、このように偏差に対してリミッタを使うと、変換器の電圧制御部に偏差が蓄積されていく。具体的には、回生時の場合、回生電力によって平滑コンデンサの電圧が上昇していくが、蓄電池の充電量はリミッタによってゼロにされているため、電圧は指令値通りに制御されず、指令値と電圧検出値の間の偏差は大きくなる一方で、これが電圧制御部に蓄積されていく。従って、蓄電池の容量が80%よりも下がって、リミッタが解除された直後は、その出力(電池の電流指令に相当)は過大な値になっている可能性があり、蓄電池の電流制御が不安定化する恐れがある。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたもので、その目的とするところは、蓄電池などの蓄電器を安定に運用できるモータ駆動システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記インバータの直流側に接続される充放電装置と、前記充放電装置によって充放電の向きが制御される蓄電池と、前記充放電装置を制御し、前記蓄電池の充電又は放電の電流を制御する電池電流制御手段と、前記インバータの直流側の電圧を制御する直流電圧制御手段と、前記蓄電池の充電量に応じて前記電池電流制御手段に対する電流指令を作成する電流指令作成器と、を有する制御装置と、を備え、前記モータが力行運転する場合、前記直流電圧制御手段の出力が前記電池電流制御手段の電流指令値となって前記蓄電池を放電し、前記モータが回生運転する場合、前記電流指令作成器が作成する前記電流指令が前記電池電流制御手段の電流指令値となって前記蓄電池を充電し、前記蓄電池の充電量に応じて段階的に前記電流指令が階段状に減衰するものである。
【0009】
本発明の他の特徴は以下の記載より明らかになるであろう。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例であるモータ駆動システムを示す。
【0011】
図1において、ダイオード整流器2と平滑コンデンサ3は、交流電源1から供給される交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、次段にあるインバータ5へ供給されるか、蓄電装置10へ供給される。
【0012】
インバータ5は、力行運転の場合、直流電力を可変周波数・可変電圧の交流電力に変換して、モータ6を可変速駆動する。本実施例では、モータの負荷がエレベータであり、モータ6は綱車7を介して、エレベータの乗りかご8を昇降させる。また回生運転の場合、インバータ5はモータ6(この場合は発電機状態)で生じた交流電力を直流電力に変換して回生する。なお、回生運転とは、エレベータにおいては、乗りかご8が満員状態で下降運転する場合にあたり、下降によって位置エネルギーが運動エネルギーに変わり、この運動エネルギーによって回転させられるため、モータ6は発電機状態となる。
【0013】
ダイオード整流器2は、交流電力を直流電力に変換するが、逆の変換は行わない。従って、回生運転によって回生電力が生じた場合、回生抵抗装置4によって回生電力を消費させる。回生抵抗装置4は、スイッチ素子401と抵抗器402の直列接続回路である。ここで、スイッチ素子401は直流電圧があるしきい値を超えるとオン状態になる動作特性をもつ。従って、スイッチ素子401は、通常オフ状態にあるが、回生時には回生電力により直流電圧が上昇することでオン状態となる。この結果、抵抗器402は通電状態となり、回生電力がジュール熱として消費される。
【0014】
蓄電装置10は、直流電力を充電して蓄え、モータが力行運転時に直流電力を放電する。蓄電装置10の充電様式としては、1)モータ6が回生運転時にその回生電力を、回生抵抗装置4で消費させる代わりに、蓄電装置に充電して蓄える方式(回生蓄電方式)や、2)交流電源1からダイオード整流器2と平滑コンデンサ3を介して供給された直流電力を長時間充電して蓄え、負荷平準化を図る方式(負荷平準化方式)等が挙げられる。蓄電装置10は、充放電装置101と蓄電池102から構成されている。充放電装置101は、制御装置11の指令によって直流電力の流れの向きを制御することができ、この作用によって、蓄電池102を充電させたり、放電させたりすることができる。蓄電池102としては、充放電可能な2次電池(例えば鉛蓄電池,ニッケル水素電池,リチウムイオン電池等)や電気2重層コンデンサのような大容量コンデンサが適用される。
【0015】
蓄電装置10に対する制御装置11は、充放電指令を充放電装置101に与えて、蓄電池102に対する充電電力や放電電力を制御する。
【0016】
以下では、図1に示した実施例における蓄電装置の制御装置11について説明する。
【0017】
まず、制御装置11の構成要素中の力行運転で用いられる部分の概要について説明する。減算器1101において、直流回路の電圧に対する検出値Vdcとその指令値Vdc* の偏差が取られる。この偏差は切り換えスイッチ1103(SW1)を介して直流電圧制御器1104に入力する。直流電圧制御器1104は比例積分補償器により構成され、入力した偏差をゼロに制御するような電池電流指令Ib1 *を出力する。電池電流指令Ib1 *は、切り換えスイッチ1106(SW2)を介して電池電流検出Ibとの偏差が減算器1107で演算される。この偏差は電池電流制御器1109に入力される。電池電流制御器1109は比例積分補償器により構成され、入力した偏差をゼロに制御するような充放電装置電圧指令Vb* を出力する。従って、Ib1 *に対してIbが一致するようにVb* が制御される。充放電装置電圧指令Vb* はPWM(Pulse Width Modulation)制御器1110によってPWMパルスに変換され、充放電装置103へ制御指令となって入力される。
【0018】
力行運転時は、インバータ5が直流電力を交流電力に変換してモータ側へ交流電力を送り出す。この結果、直流回路側の平滑コンデンサ3に蓄積された静電エネルギーが減少するため、直流回路の電圧Vdcが減少する。この減少分が直流電圧指令値Vdc* と直流電圧検出値Vdcの偏差として減算器1101で検出される。生じた偏差は、直流電圧制御器1104内の比例積分器によって、偏差をゼロに制御するための電池電流指令Ib1 *に変換される。この場合、電池電流指令Ib1 *は放電指令となり、減少した直流電圧Vdcを蓄電装置10からの放電によって回復させようと動作する。減算器1107では、電池電流指令値Ib1 *と電池電流検出値Ibとの偏差が取られ、指令値と検出値との間に差がある場合には、電池電流制御器1109内の比例積分器によって、この差をゼロに制御するための充放電装置電圧指令Vb* が出力される。充放電装置電圧指令Vb* はPWM制御器1110によってPWMパルスに変換されて、制御指令として充放電装置101へ入力される。この結果、充放電装置101は充放電装置電圧指令Vb* に従った電圧出力に制御され、この電圧差によって、電池電流指令値Ib1 *に従った電池電流が蓄電池102より放電される。そして、この放電された電力によって、減少された直流電圧は元の値に回復することになる。以上を電力の流れとして見ると、インバータ5を介してモータ6へ供給された直流電力に対して、蓄電装置10が蓄電池102から電力を放電することで補う流れになっている。
【0019】
図2は、図1に示した実施例の動作概念を状態遷移図で表したものである。制御の状態は、通常動作モードと回生抵抗使用モードの2つの状態に分かれている。通常動作モードは、先に図1を説明した時の制御の流れに対応している。回生抵抗使用モードは、回生運転時に蓄電池の充電と併せて、回生抵抗も併用しようというモードである。それぞれの状態への遷移は回生抵抗使用モード判定器(図1の1108)の出力Jn+1 によって決められる。Jn+1 は0と1の出力状態があり、それぞれ次の意味がある。
【0020】
n+1 =1 : 回生運転状態 (式1)
n+1 =0 : 力行状態を含む上記以外の状態 (式2)
従って、図2から、通常動作モード状態にあって、回生運転状態になった場合(Jn+1 =1の場合)は回生抵抗使用モード状態に遷移する。回生抵抗使用モード状態で、回生運転状態(Jn+1 =1)にある限りは回生抵抗使用モード状態を継続する。回生抵抗使用モード状態にあって、回生運転状態以外になった場合(Jn+1 =0の場合)は通常動作モード状態に遷移する。そして、通常動作モード状態で、回生運転状態以外にある場合(Jn+1 =0の場合)は通常動作モード状態を継続する。
【0021】
以上説明した図2の動作概念を実現するために、図1に示した制御装置11では、切り換えスイッチ(図1の1103と1106)と回生抵抗使用モード判定器(図1の1108)を設けている。以下、図2の動作概念に対応した図1の制御装置11の動作を説明する。
【0022】
(1)通常動作モードの場合
回生抵抗使用モード判定器1108は0を出力し(Jn+1 =0)、切り換えスイッチ1103(SW1と呼ぶ),1106(SW2と呼ぶ)の接点はそれぞれ図中の上側の端子に接続する。このときの動作は既に説明した通りとなる。また図6は、図1の制御装置11に対する動作フローを表したもので、今の場合、回生抵抗使用モードにはないため(S02)、SW1(図1の切り換えスイッチ1103)を通常動作モード側(図1の上側の端子)へ切り換え(S05)、さらにSW2(図1の切り換えスイッチ1106)も通常動作モード側(図1の上側の端子)へ切り換えることで(S06)、動作が終了する。
【0023】
(2)回生抵抗使用モードの場合
回生抵抗使用モード判定器1108は1を出力し(Jn+1 =1)、以下、図6の動作フローに従って説明すると、回生抵抗使用モードであるため(S02)、まずSW1(図1の切り換えスイッチ1103)を回生抵抗使用モード側(図1の下側の端子)へ切り換え、続いてSW2(図1の切り換えスイッチ1106)も回生抵抗使用モード側(図1の下側の端子)へ切り換える。
【0024】
この場合、切り換えスイッチ1103(SW1)は下側の端子に接続されているため、ゼロ出力発生器1102の出力(これは零値)が直流電圧制御器1104に入力する。直流電圧制御器1104内の比例積分補償器は、入力が零値のため、値は更新されず、出力は同じ値をずっと維持することになる。また、切り換えスイッチ1106(SW2)も下側の端子に接続されているため、電池電流指令は、回生時の電池電流指令作成器1105から発せられる電池電流指令Ib2 *に切り換えられる。従って、このモードでは、回生時の電池電流指令作成器1105から発せられた電池電流指令Ib2 *と電池電流検出値Ibとの偏差がとられて、この偏差をゼロに制御するように電池電流制御器1109が動作する。
【0025】
ここで、回生時の電池電流指令作成器1105の詳細を図10に示す。図10(a)のように、回生時の電池電流指令作成器1105は入力を電池充電量としており、電池充電量に応じて電池電流指令Ib2 *を出力する。図10(b)は、入力した電池充電量情報に対してどのような電池電流指令Ib2 *を出力するかの入出力特性の例を示す。この例は蓄電池として鉛蓄電池を使用した場合を想定しており、蓄電池の充電量に応じて段階的に電池電流指令が階段状に減衰する特性を示している。これは、蓄電池の充電量が大きくなるほど、蓄電池の充電電流を小さくした方が蓄電池への負担が減り、蓄電池の寿命を長くすることができるという性質を考えて設定されている。
【0026】
以上に説明した回生抵抗使用モードにおける制御動作のポイントを挙げると、まず切り換えスイッチ1103(SW1)を、直流電圧制御器1104への入力が常にゼロとなるように切り換えているため、直流電圧制御器1104内の比例積分補償器はその出力を保持する。つまり積分器に偏差が蓄積されて直流電圧制御器1104の出力が過大な値になることが防止される。さらに、切り換えスイッチ1106(SW2)が、回生時の電池電流指令作成器1105に接続されているため、蓄電池の充電量に応じた適切な電池電流指令(充電電流指令)によって、電池電流が制御される。従って、蓄電池が満充電状態の時は充電電流をゼロにでき、また回生電力が大きい場合でも、蓄電池の充電量に応じた適切な充電電流を蓄電池に充電することができる。なお、余った回生電力は回生抵抗装置の抵抗器402で消費されるが、そのプロセスは次のようになる。
【0027】
モータ6からインバータ5を介して直流回路に供給された回生電力のうち、回生時の電池電流指令作成器1105より出力された充電電流指令ib2*分に相当する充電電力が蓄電池102に充電される。残りの回生電力は、まず平滑コンデンサ3に静電エネルギーとして蓄積され、平滑コンデンサ3の電圧が上昇していく。ここで、制御装置11の直流電圧制御器1104は、切り換えスイッチ1103によってフィードバック制御が切り離されているため、蓄電装置10の方は、直流回路の電圧が上昇しても、それを電圧指令に一致させるような動作はしない。従って、直流回路の電圧は上昇し、あるしきい値を超えたところで、回生抵抗装置4内のスイッチ素子401がオン状態になる。この結果、抵抗器402が導通状態となり、それ以降は回生電力(蓄電装置に充電される分以外の回生電力)は、抵抗器402で熱として消費される。つまり、直流回路側に供給された回生電力に対して、蓄電池に負担をかけない範囲の電力が蓄電池に充電されて、その残りは回生抵抗装置で消費される。
【0028】
図3は、図1に示した回生抵抗使用モード判定器1108の詳細構成を表している。回生抵抗使用モード判定器1108では、回生運転が始まったかどうか、そして回生運転が終わったかどうかを検知する。回生抵抗使用モード判定器1108への入力は、前回の回生抵抗使用モード判定器の出力Jn と、直流回路側でのインバータ電流検出値Iiもしくはその推定値Ii′と、直流電圧検出値Vdcの3つの信号である。
【0029】
直流回路側でのインバータ電流検出値Iiもしくはその推定値Ii′は、回生運転判定部1108Aに入力されて、ここで、回生運転が開始されているかどうかが判定される。具体的には、入力Ii(Ii′の場合も同じ)に対して、次の式3,式4により出力Xが判定される。ここで、X=1は回生運転が開始されていると判定した場合で、x=0はそうでないと判定した場合を表している。またTh1は回生運転を判別するしきい値を表す負の定数である。
【0030】
Ii≦Th1 ならば X=1 (回生運転開始または継続) (式3)
Ii>Th1 ならば X=0 (上記以外) (式4)
即ち、直流回路側でのインバータ電流検出値Iiもしくはその推定値Ii′が負でかつしきい値Th1よりも小さい場合に回生運転が発生したと判定する。これは、回生電流(負のインバータ電流)があるレベルより大きい時に回生運転が発生したと判定することに対応している。
【0031】
直流電圧検出値Vdcは、回生終了判定部1108Bに入力されて、ここで、回生運転が終了しているかどうかが判定される。具体的には、入力Vdcに対して、次の式5,式6により出力Yが判定される。ここで、Y=1は回生運転が終了していると判定した場合で、Y=0はそうでないと判定した場合を表している。またTh2はしきい値を表す正の定数である。
【0032】
Vdc≦Th2 ならば Y=1 (回生運転終了) (式5)
Vdc>Th2 ならば Y=0 (上記以外) (式6)
即ち、直流回路電圧Vdcがあるしきい値より小さくなった場合は、回生電力の供給がおさまって直流電圧が減少していると判断して、回生運転が終了したと判定している。
【0033】
回生運転判定部1108Aの出力X、回生終了判定部1108Bの出力Y、そして前回の回生抵抗使用モード判定器の出力Jn は、回生抵抗使用モード判定部1108Cに入力されて、ここで、対象としているモータ駆動システムが回生運転にあるかどうかが判定される。具体的には、3つの入力Jn ,X,Yに対して、図4に示す関数テーブルにより、次の回生抵抗使用モード判定器の出力Jn+1 が決まる。ここで、Jn+1=1が回生運転にあることを表しており、Jn+1=0はそうでない状態にあることを表している。図4に示す関数テーブルのポイントを述べると、現在より手前の状態が回生運転状態以外にあり(Jn =0に対応)、かつ回生運転が開始していると判定された場合(X=1に対応)は、現在、回生運転状態にある(Jn+1 =1)と判定される。また現在より手前の状態が回生運転状態にあり(Jn =1に対応)、かつ回生運転が開始していると判定されておらず(X=0に対応)、かつ回生運転が終了したと判定された場合(Y=1に対応)は、現在、回生運転状態にない(Jn+1 =0)と判定される。それ以外の入力に組合せに対しては、Jn+1 は現在より手前の状態Jn を継続する。つまり状態は以前の状態と変わっていないと判定する。
【0034】
このように、回生抵抗使用モード判定器1108では、インバータ電流検出値Iiまたは推定値Ii′と、直流電圧検出値Vdcとを入力に用いて、回生運転開始の判定,回生運転終了の判定を行い、さらに、これらの判定結果と前回の回生抵抗使用モード判定器の出力Jn とを組み合わせて総合的に判定することで、より正確に回生運転状態にあるかどうかを判定することができる。
【0035】
図7に示した7つのグラフは、図1に示したモータ駆動システムの具体的な動作の様子(動作波形)を表している。図7の7つの各動作波形は全て横軸が時間軸となっており、上からそれぞれ、回生抵抗使用モード状態フラグ,コンバータ電流波形(直流回路側),電池電流波形,インバータ電流波形(直流回路側),直流電圧波形,回生抵抗のオン/オフのスイッチ状態(図1のスイッチ素子401の状態に対応),回生抵抗消費電力波形を表している。以下、図7に表された動作の様子を説明する。なお、蓄電池は満充電状態(100%の充電状態)にあるとする。
【0036】
時刻t0〜t1期間では、モータ駆動システムは力行状態にある。従って、インバータ電流波形(上から4段目)は力行側に現れている(図のC1)。電池電流波形(上から3段目)は放電側に現れており、インバータ電流波形と同一である。従って、電池が放電してインバータへ電力を供給している。なお、この時の制御モードは通常動作モードになっている。直流電圧波形(上から5段目)はVdc制御器(図1の直流電圧制御器1104)が動作しているため一定値を維持している。
【0037】
時刻t1〜t2期間では、モータ駆動システムは停止状態にある。電流は流れず、直流電圧も一定値を維持している。
【0038】
時刻t2〜t3期間において、モータ駆動システムは回生運転を始める。この期間は回生運転の立ち上がり期間に対応する。インバータ電流波形は次第に回生方向に大きくなっている(図7のC3からC4)。この状況では電流が小さいため、まだ回生抵抗使用モードとは判定されず、回生抵抗使用モード判定フラグ(図7の上から1段目)はゼロ状態を継続している。従って、システムは回生電力を蓄電池に充電させようと働き、図7の電池電流波形のB1からB2の波形が示すように、充電を始める。なお、この充電電力量は蓄電池容量から見るとわずかな量であり、蓄電池が満充電状態でもこの分が加わることで電池が劣化するようなことはない。直流電圧波形はVdc制御器が作用しているため一定値を維持している。
【0039】
時刻t3〜t4期間になると、回生電流値が判定のしきい値を超えるため(図7のインバータ電流波形のC4部)、制御モードが回生抵抗使用モードに切り替わる。回生抵抗使用モード状態フラグは、しきい値を超えた時点で‘1’の状態に変わり(回生抵抗使用モード状態フラグのA1部)、図1に示した制御ブロックの2つのスイッチ(1103と1106)が切り替わり、回生抵抗使用モード時の制御ブロックに変わる。この結果、Vdc制御器は無効になるため、直流電圧は上昇する(直流電圧波形のD1部)。また、蓄電池が満充電状態のため、回生抵抗使用モード時の電流指令Ib2 *はゼロとなり、電池電流波形は直ちにゼロに制御される。
【0040】
時刻t4の時点において、直流電圧がしきい値を超えるため(図7の直流電圧波形のD2部)、回生抵抗のスイッチ(図1のスイッチ素子401が該当)がオンされる(図7の回生抵抗オン/オフスイッチ状態波形のE1部が対応)。この結果、回生電力は回生抵抗で消費される(図7の回生抵抗消費電力波形のF1部以降が該当)。この時点において、回生電力は、抵抗で消費され、蓄電池へは充電されない。従って、蓄電池が過充電されることが防止される。
【0041】
時刻t4を過ぎると、しばらく回生運転が続き、回生抵抗が回生電力を消費するという状態が続く。やがて、回生電力は減少していき(インバータ電流波形のC6部)、最後はゼロになって回生運転が終わる(インバータ電流波形のC7部)。この時、直流電圧も次第に減少していく(直流電圧波形のD3部)。
【0042】
時刻t5の時点に達すると、直流電圧は回生抵抗のオン/オフスイッチのしきい値を下回るため、回生抵抗がオフ状態になる(図7の回生抵抗オン/オフスイッチ状態波形のE2部が対応)。この結果、コンデンサの蓄電エネルギーの減衰が大きく抑えられるため、直流電圧の減少速度は緩やかになる(直流電圧波形のD5部が対応)。なお、ここで直流電圧が下がるのは、コンデンサに保護用途で並列接続されている放電抵抗(図示せず)が作用することによる。
【0043】
時刻t5以降において、直流電圧は緩やかに減少し、時刻t6に達した時点で、直流電圧は回生抵抗使用モードの終了判定レベルまで下がる。この結果、回生抵抗使用モード状態フラグは‘0’の状態に変わり(図7のA2部に対応)、制御モードは回生抵抗使用モードから通常動作モードに切り替わる。従って、Vdc制御器が有効になり、直流電圧は急速に電圧指令に制御されることになる(図7の直流電圧波形のD6部に対応)。ここでVdc制御器について、図1の切り替えスイッチ1103と回生時のゼロ出力発生器1102の働きにより、制御器内の積分器は切り替え前の値を保持しているため、制御モードが回生抵抗使用モードから通常動作モードに復帰した後も、即座に適切な直流電圧制御ができる。
【0044】
図5は、図3に示した回生抵抗使用モード判定器1108におけるインバータ電流推定値Ii′を求めるための制御ブロックを表している。図5の制御ブロックを用いることで、インバータ電流を直接検出しなくてもその値を推定することができる。始めにその推定方法から説明する。図1に示されているように、直流回路上の各電流,電圧を次のような変数で表す。交流電源から整流回路を介して流れこむ電流:Is、平滑コンデンサに流れ込む電流:Ic、蓄電装置から出力される電流:Io、インバータへ入力する電流:Ii、直流回路の電圧:Vdcとそれぞれおく。ここで、各電流の向きは図1に示した矢印の向きを正に取ることにする。また大文字の変数は直流分、小文字の変数は交流分を表している。このとき、キルヒホッフの法則からインバータ電流Iiに対して次の式7が成り立つ。
【0045】
Ii=Is+Io−C・(dVdc/dt) (式7)
ここで、Cは平滑コンデンサの静電容量を表している。交流電源から整流器に流れる3相の交流電流をそれぞれisu,isv,iswとおくと、isu,
isv,iswとIsの間には次の式8の関係が成り立つ。
【0046】
Is=max[isu,isv,isw] (式8)
ここで、max[ ]は[ ]内の最大値を出力する関数である。さらに、蓄電池の出力電流Ibと蓄電装置の出力電流Ioとの間には次の式9の関係が成り立つ。
【0047】
Io=k・Ib (式9)
ここで、kは充放電装置に対するPWMデューティ比を表しており、この値は、図1に示した電池電流補償器1109が出力する電池電圧指令から容易に求めることができる。式8,式9を式7に代入し、この式全体をラプラス変換すると次のようになる。
【0048】
Ii=max[isu,isv,isw]+k・Ib−s・C・Vdc (式10)
ここで、sはラプラス変換の演算子を表している。式10によりインバータ電流を推定できる。
【0049】
図5に示した制御ブロックは、式10を用いている。まず制御ブロック全体はインバータ電流推定器20となっており、その内部の最大値選択器201の処理が式10の右辺第1項の演算に対応している。実際の状況では、最大値選択器201の出力は高調波リップル成分が主となる波形となるため、低域通過フィルタ202を通して平滑化処理を施している。乗算器203の処理は、式10の右辺第2項の演算に対応している。乗算器203の出力も高周波成分のリップル波形が重畳しているため、低域通過フィルタ204を通して平滑化させている。係数乗算器206と不完全微分処理207による処理は、式10の右辺第3項の演算に対応する。式10の右辺第3項では完全微分を用いているが、実際の状況では、検出したVdc信号にノイズが含まれている可能性もあり、微分するとノイズが拡大する恐れがある。そこで、図4の不完全微分処理207のように不完全微分を適用することにより、ノイズの影響を抑えることが可能となる。加算器205,減算器208を介して各出力を加算および減算することにより、式10に基づいて、インバータ電流推定値Ii′を推定することができる。
【0050】
このように、図5に示したインバータ電流推定器20を用いることで、インバータ電流を直接検出しなくてもその値を推定することができる。その結果、直流回路に設置する電流センサを減らすことができ、センサの絶縁劣化等の問題がなくなるため、システム全体の信頼性が向上し、併せてシステムコストも低減することができる。
【0051】
図8は本発明の第2の実施例であるモータ駆動システムを示す。図8において、図1と同じ構成要素は同じ番号で表しており、その機能は図1と同様であり、以降では説明を省略する。
【0052】
図8のモータ駆動システムは蓄電池による負荷平準化を実施するシステムとなっている。システムの大まかな働きを説明すると、夜間に小さな電力で長い時間をかけて蓄電池を充電させて、日中にモータが稼働する時は蓄電池側から電力を供給する。この結果、交流電源から供給される電力ピークを平準化でき、受電設備容量の低減や電気代を低減できるなどの効果が得られる。このような負荷平準化を実施する場合には、大容量の蓄電池が必要となるため、容量当たりのコストが低い鉛蓄電池を使用するのが好ましい。
【0053】
ここで問題となるのは、回生時の電力の扱いで、回生電力を全て蓄電池に充電しようとすると、短時間で大きな電力を充電しなければならない。これは化学反応で動作する蓄電池にとっては過大な負担となり、寿命の低下や性能劣化を招くことになる。特に、鉛蓄電池の場合、寿命を長く使おうとすると、充電は小さい電力で長い時間をかけるほど好ましい。従って、蓄電池の寿命をできるだけ長く使うには、回生電力を全く充電しないか、蓄電池の充電状態に応じて一部のみを充電するのが望ましい。このため、図8に示した負荷平準化機能をもつモータ駆動システムにおいては、1)回生電力を全て回生抵抗で消費させる、または2)一部を蓄電池に充電させて残りを回生抵抗で消費させる。
【0054】
図8において、制御装置11がモータ駆動システムを制御している。制御装置11内において、is* は電源から流入する電流に対する指令(電源電流指令)を表しており、切り換えスイッチ1112を介して(ここでは図8に示す向きに接点が選択されているとする)、減算器1113に入力される。電流センサ12で検出された電源電流isも減算器1113に入力される。減算器1113では両者の偏差が演算され、この偏差は電源電流制御器1114に入力される。電源電流制御器1114は比例積分補償器により構成され、入力した偏差をゼロに制御するような直流電圧指令Vdc* を出力する。従って、is* がisに一致するようにVdc* が制御されることになる。直流電圧指令Vdc* 生成以降の制御ブロックは図1に示した制御ブロックと同じ構成であり、説明を省略する。結局、Vdc* と直流電圧検出値Vdcが一致するようにVdc制御器1104が電池電流指令Ib1 *を出力し、Ib1 *と電池電流検出値Ibが一致するようにIb制御器1109が充放電装置電圧指令Vb* を出力する。この一連の結果として、isがis* と一致するように蓄電池102の充放電が制御される。つまり、電源からの電流を適切にコントロールして(例えば夜間は小さい電源電流をシステムに流入させ、日中は電源電流の流入をゼロに制御する)、負荷平準化を図ることができる。
【0055】
以下では、この負荷平準化の制御状況をさらに詳しく説明する。まず夜間に電源から小さな電流を流入させて蓄電池を充電させるケースを説明する。この場合、電源電流指令is* は小さい値eに設定される(夜間の間、継続)。すると電源電流isは制御によりeに一致するようになる。つまり電源からeに等しい電流が流入する。この電流は整流器2を介して、平滑コンデンサ3に流入し、直流電圧Vdcを上昇させる。ここで、直流電圧はVdc制御器によって指令Vdc*に制御されており、電圧の上昇分を補償するために、充電方向の電池電流指令Ib1 *が出力される。その結果、電源から流入した電力(小さな値)に等しい電力が蓄電池102に充電される。すなわち、電源から小さな電流を流入させて蓄電池を充電させる状況が実現されている。
【0056】
次に日中にモータが稼働する時に蓄電池側から電力を供給させる場合を説明する。この場合、電源電流指令is* はゼロに設定される(日中の間、継続)。すると電源電流isは常にゼロになるように制御される。ここで、モータ6が力行状態で稼働した場合、インバータ5を介してまず平滑コンデンサ3に蓄積された静電エネルギーがモータ6側へ供給される。この結果、直流電圧Vdcが下がろうとするが、Vdcが下がると電源から電流isが流入するため、それを阻止するように電源電流制御器1114は直流電圧指令Vdc* を出力する。この結果、Vdc制御器ではVdc* がVdcに一致するように、放電方向の電池電流指令Ib1 *を出力する。その結果、蓄電池102が放電して、インバータ5を介してモータ6側へ必要な電力が供給されるようになる。従って、モータ稼働時に蓄電池側から電力を供給させる状況が実現されている。上記において、モータが回生状態で稼働した場合も同様の動作となる。ただし、この場合は、回生電力が、モータ6からインバータ5を介して平滑コンデンサ3に流入するため、直流電圧Vdcが上昇し、これを抑えるために(Vdc* に一致させるために)、蓄電池102は回生電力を充電する。
【0057】
ここで、回生電力を充電するには、既に述べたように、短時間で大きな電力を充電せねばならず、蓄電池にとっては過大な負担となり、寿命の低下や性能劣化を招くという問題が生じる。
【0058】
図8の実施例では、第1の実施例と同様に、回生運転時に適用する回生抵抗使用モードと、そうでない場合に適用する通常運転モードの2つの制御モードを切り替えて、システムを制御する。その切り替えの概念は図2に示した状態遷移図と同様である。
【0059】
以下、図8の制御装置11の動作を説明する。
【0060】
(1)通常動作モードの場合
回生抵抗使用モード判定器1108は0を出力し(Jn+1 =0)、切り換えスイッチ1112(SW3と呼ぶ),1103(SW1と呼ぶ),1106(SW2と呼ぶ)の接点はそれぞれ図中の上側の端子に接続する。このときの動作は既に力行時として説明した通りとなる。また図9の動作フローについては、回生抵抗使用モードにはないため(S09)、SW3(切り換えスイッチ1112)を通常動作モード側(図中の上側の端子)へ切り換え(S13)SW1(切り換えスイッチ1103)を通常動作モード側(図中の上側の端子)へ切り換え(S14)、さらにSW2(切り換えスイッチ1106)を通常動作モード側(図中の上側の端子)へ切り換えることで(S15)、動作が終了する。
【0061】
(2)回生抵抗使用モードの場合
回生抵抗使用モード判定器1108は1を出力し(Jn+1 =1)、以下、図9の動作フローに従って説明すると、回生抵抗使用モードであるため(S09)、まずSW3(図8の切り換えスイッチ1112)を回生抵抗使用モード側(図中の下側の端子)へ切り換え、続いてSW1(図1の切り換えスイッチ1103)を回生抵抗使用モード側(図中の下側の端子)へ切り換えて、さらにSW2(図1の切り換えスイッチ1106)を回生抵抗使用モード側(図中の下側の端子)へ切り換える。
【0062】
この場合、切り換えスイッチ1112(SW3)は下側の端子に接続されているため、回生時の電源電流指令発生器1111が生成した電源電流指令is* (is*はゼロ値)が切り換えスイッチ1112を介して、減算器1113に入力する。つまり電源電流指令is* はゼロ値にされる。ここで、is*(値はゼロ)と電源電流検出値isとの偏差が電源電流制御器1114の比例積分器に蓄積されることが懸念されるが、実際には回生運転時においては、直流電圧が上昇するため、isもほぼゼロとなっており、従ってis* とisの偏差もほぼゼロである。従って、比例積分器の値は同じ値を保持する。切り換えスイッチ1103(SW1)と切り換えスイッチ1106(SW2)も下側の端子に接続されており、これらの動作については既に第1の実施例で説明した動作と同様である。即ち、直流電圧制御器1104内の比例積分補償器は同じ値を保持するように動作し、電池電流指令は電池電流指令作成器1105からIb2 *として与えられる。
【0063】
回生時の電池電流指令作成器1105の入出力特性は図11のようになる。図11(b)は電池の充電量によらず常にIb2 *をゼロにする場合の特性を表している。また図11(c)は電池の充電量が小さい場合(例えば50%以下)、許容できる範囲内でIb2 *に値を持たせる場合の特性を表している。図11(b)は回生電力を充電しない場合に対応し、図11(c)は電池の充電量が小さい時のみ、値を絞って充電する場合に対応している。どちらの場合も、蓄電池への充電量はゼロか小さくなるため、蓄電池の負担が軽減し、性能の劣化が抑えられたり、蓄電池の寿命を長くすることができる。
【0064】
以上説明した第2の実施例においては、まず切り替えスイッチ1112(SW3)を介してゼロ値の電源電流指令値is* に切り替わることで、電源からの電流流入が抑えられ、かつ電源電流制御器1114内の比例積分器の値を前の値に保持させることができる。また、切り換えスイッチ1103(SW1)を直流電圧制御器1104への入力が常にゼロとなるように切り換えているため、直流電圧制御器1104内の比例積分補償器はその出力が保持される。従って、偏差が蓄積されて直流電圧制御器1104の出力が過大な値になることが防止される。さらに、切り換えスイッチ1106(SW2)が、回生時の電池電流指令作成器1105に接続されているため、蓄電池への負担を考慮した適切な電池電流指令によって、電池電流が制御される。例えば、回生電力を蓄電池へ充電しないこともでき、また蓄電池の充電量が小さいときだけ、許容範囲内での充電を実施することができる。
【0065】
以上、図8に示される負荷平準化機能をもつモータ駆動システムでは、通常動作モード(回生時以外)と回生抵抗使用モード(回生時)の2つの状態を切り換えるという制御概念により、通常動作時と回生時のそれぞれにおいて適切な制御を実現できる。具体的には、回生時において、蓄電池への負担を考慮して、蓄電池への回生電力の充電をゼロかもしくは許容範囲内の小さい値にすることができる。この時、余った回生電力は回生抵抗で消費させるようにできる。その結果、蓄電池の負担は軽減し、性能劣化を抑えることができたり、寿命を延ばすことができたりする。また、制御動作も安定に維持することが可能である。これは電源電流制御器,Vdc制御器の比例積分補償器が直前の値を保持するように、制御器側の入力を切り替えていることによる。
【0066】
上記各実施例に限らず、本発明の技術的思想の範囲内で、種々の変形例が可能である。例えば、上記各実施例ではモータの負荷がエレベータであるが、他の負荷でも良い。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、モータ駆動システムにおける蓄電器を安定に運用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるモータ駆動システム。
【図2】第1の実施例に対する状態遷移図。
【図3】回生抵抗モード判定器の詳細構成。
【図4】図3の要素に対する状態遷移表。
【図5】インバータ電流推定値を求めるための制御ブロック。
【図6】図1の実施例の動作フロー。
【図7】図1の実施例の動作波形。
【図8】本発明の第2の実施例であるモータ駆動システム。
【図9】図8の実施例に対する動作フロー。
【図10】回生時の電池電流指令作成器の詳細。
【図11】図8における電池電流指令作成器の動作特性。
【符号の説明】
1…交流電源、2…整流器、3…平滑コンデンサ、4…回生抵抗装置、5…インバータ、6…モータ、7…綱車、8…エレベータの乗りかご、9…つり合いおもり、10…蓄電装置、11…制御装置、12,13…電流センサ、20…インバータ電流推定器。

Claims (3)

  1. 直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記インバータにより駆動されるモータと、
    前記インバータの直流側に接続される充放電装置と、
    前記充放電装置によって充放電の向きが制御される蓄電池と、
    前記充放電装置を制御し、前記蓄電池の充電又は放電の電流を制御する電池電流制御手段と、前記インバータの直流側の電圧を制御する直流電圧制御手段と、前記蓄電池の充電量に応じて前記電池電流制御手段に対する電流指令を作成する電流指令作成器と、を有する制御装置と、を備え、
    前記モータが力行運転する場合、前記直流電圧制御手段の出力が前記電池電流制御手段の電流指令値となって前記蓄電池を放電し、
    前記モータが回生運転する場合、前記電流指令作成器が作成する前記電流指令が前記電池電流制御手段の電流指令値となって前記蓄電池を充電し、前記蓄電池の充電量に応じて段階的に前記電流指令が階段状に減衰することを特徴とするモータ駆動システム。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、前記インバータの直流側に接続された抵抗を備え、前記回生運転の時に、前記インバータの直流側の電圧がしきい値を超えたら、前記抵抗で回生電力を消費するモータ駆動システム。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記モータが回生運転する場合、前記直流電圧制御手段の入力をゼロとすることを特徴とするモータ駆動システム。
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