JP4186475B2 - 顔料組成物およびそれを用いた顔料分散体 - Google Patents

顔料組成物およびそれを用いた顔料分散体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷インキまたは塗料に使用した場合の流動性、分散安定性ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れる顔料組成物およびそれを用いた顔料分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキ、塗料等においては、顔料を微細な状態で分散させることにより、印刷物または塗加工物の鮮明な色調、光沢等の適性を持たせている。また、顔料を安定な状態で分散させることにより、印刷インキや塗料の流動性が向上し印刷適性が向上するばかりでなく、印刷インキや塗料を製造する際の労力やエネルギーを大きく削減することができる。さらに、安定な状態の分散体は、一般的に貯蔵安定性にも優れる。
しかしながら、印刷インキや塗料に用いられる顔料はより鮮明な色調を実現するために微細な粒径であることが多く、そのために顔料粒子間の凝集力が強くなり上記のような適性を持たせることは困難であることが多い。
【0003】
このような問題を解決するために、様々な顔料分散剤が開示されている。例えば、特公昭41−2466号公報に開示された顔料誘導体や特公昭54−34009号公報、特公昭63−30057号公報等に開示されたポリエステルは、顔料分散剤として一定の効果を示すものの、より高品位の印刷インキ及び塗料を得る目的でより微細な顔料を使用した場合にはその効果は十分とは言えなかった。さらに、近年における環境問題への関心の高まりから、印刷インキおよび塗料に使用される有機溶剤がトルエン等の芳香族系を主成分とするものからエステル系やアルコール系を主成分とするものに変わりつつあり、顔料を分散するためには著しく不利となっている。このような印刷インキ及び塗料においては、上記顔料分散剤の効果は満足されるものとは言えず、全く効果を示さないものも多かった。
【0004】
また、特開平8−127749号公報及び特開平11−199796号公報には本発明の一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物が開示されているが、これらの化合物はアクリル樹脂やアルキッド樹脂等の酸性官能基を有するバインダーでは効果を示すものの十分ではなく、ポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂等の塩基性官能基を有するバインダーではほとんど効果を示さない。特に、グラビアインキ等に使用される尿素結合を含む塩基性の高いポリウレタン樹脂には全く効果を示さなかった。
【0005】
さらに、特開平3−112992号公報には本発明の一般式(2)で示されるリン酸エステルが分散剤として開示されているが、実際に有機顔料に使用しても分散剤としての効果は全く示さない。
また、特開2001−164142号公報には、表面が塩基性であるフタロシアニン系顔料をリン酸エステル系顔料分散剤を用いて分散してなる顔料分散体組成物が開示されている。しかし、表面が塩基性であるフタロシアニン系顔料を得る具体的な手段は記載されておらず、特定の市販顔料に対してのみ有効であるに過ぎなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、印刷インキまたは塗料に使用した場合の流動性、分散安定性、ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れる顔料組成物およびそれを用いた顔料分散体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、有機顔料またはカーボンブラック顔料、特定のトリアジン含有塩基性化合物および特定のリン酸エステルを含む顔料組成物が、印刷インキまたは塗料に使用した場合の流動性、分散安定性、ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れることを発見し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、有機顔料またはカーボンブラック顔料、下記一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物、および下記一般式(2)で示されるリン酸エステルを含む顔料組成物を提供する。
また、本発明は、上記顔料組成物0.1〜50重量%、樹脂0.01〜50重量%、および有機溶剤50〜99重量%を含む顔料分散体を提供する。
一般式(1)
【化10】
Figure 0004186475
(式中、Aは分子量2000以下の芳香族化合物、X1は直接結合、または−NR3−、−O−から選ばれる2価の連結基、R1は下記一般式(3)〜(6)で示されるいずれかの基、R2は水酸基、アルコキシ基、R1 またはA、R3は水素原子、アルキル基またはアルケニル基、αは1〜3の整数を表す。)
【0009】
一般式(2)
【化11】
Figure 0004186475
(式中、R4は数平均分子量500〜30000のポリエーテル及び/またはポリエステル、yは1または2を表す。)
一般式(3)
【化12】
Figure 0004186475
一般式(4)
【化13】
Figure 0004186475
(式(3)および式(4)中、R5、R6は、それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換基同士が一体となって更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでも良い5員環または6員環を表し、nは1〜6の整数を表す。)
【0010】
一般式(5)
【化14】
Figure 0004186475
(式中、R7は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。)
一般式(6)
【化15】
Figure 0004186475
(式中、R8は一般式(5)で示される基または下記一般式(7)で示される基、zは0〜6の整数、mは1または2を表す。)
一般式(7)
【化16】
Figure 0004186475
(式中、X3は直接結合、−NH−、−O−から選ばれる2価の連結基、pは0〜6の整数を表し、R5、R6は一般式(3)におけるR5、R6と同じものを表す。)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機顔料としては、通常印刷インキまたは塗料に用いられるすべての顔料が使用でき、具体的には、例えば溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
また、本発明のカーボンブラック顔料としては、通常色材として使用されるあらゆる種類のカーボンブラック顔料が使用できる。
【0012】
本発明の一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物は、一般式(2)で示されるリン酸エステルとの組み合わせで優れた顔料分散性能を発揮する化合物である。一般式(1)において、Aは分子量2000以下の芳香族化合物を表し、ここでいう芳香族化合物とは、ベンゼン核をもつ炭素環式化合物をいい、ベンゼン核は縮合環中にあってもよく、複素環であってもかまわない。Aとして具体的には、一般式(8)で示される有機色素誘導体、一般式(9)で示される基、一般式(10)で示される基が挙げられる。
【0013】
Aを構成する芳香族化合物の分子量が2000を越えるトリアジン環含有塩基性化合物は、通常のインキまたは塗料に用いられる溶剤との親和性が著しく低く、所望の効果を発揮しないため、本発明の顔料組成物には使用できない。
一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物は、分子量2000以下の芳香族化合物に、必要に応じて連結基を介してトリアジン環含有塩基性官能基を導入することで得ることができる。
【0014】
一般式(1)におけるAが下記一般式(8)で示される有機色素誘導体であるトリアジン環含有塩基性化合物は、特開平8−127749号公報に開示された公知の化合物であり、同公報に開示された方法で容易に得ることができる。
一般式(8)
P−[X4−R9]α −
(式中、Pは溶性アゾ系、不溶性アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系から選ばれる少なくとも一種の芳香族系有機色素残基、X4は直接結合、または−O−、−NH−、−CH2NH−、−SO2NH−、−CH2NHCO−、−CH2NHCOCH2NH−、−CONH−から選ばれる2価の連結基、R9は炭素数1〜6のアルキレン基またはフェニレン基、αは1〜3の整数を表す。)
なお、Pを構成する有機色素残基は、アントラキノンのようにほとんど着色していない化合物であっても構わない。
【0015】
一般式(1)におけるAが下記一般式(9)で示される基であるトリアジン環含有塩基性化合物は、特開平11−199796号公報に開示された方法で容易に得ることができ、具体例についても数多く開示されている。
一般式(9)
【化17】
Figure 0004186475
(式中、R10はアミノ基、R11は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、スルホン基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアルケニル基、qは1〜3の整数、rは0〜2の整数を表す。)
【0016】
一般式(1)におけるAが下記一般式(10)で示される基であるトリアジン環含有塩基性化合物は、
により得ることができる。
一般式(10)
【化18】
Figure 0004186475
【0017】
一般式(1)におけるX1は、直接結合、または−NR3−、−O−から選ばれる2価の連結基であり、これらの結合基を有するトリアジン環含有塩基性化合物は、一般式(2)のリン酸エステルとの組み合わせで優れた顔料分散性能を発揮するのみならず耐性に優れた化合物であり、耐熱性においては通常の有機顔料と比べてもほとんど遜色がない。
【0018】
一般式(1)においてR1は、上記一般式(3)〜(6)で表されるアミン化合物残基である。
式(3)〜(6)中、置換もしくは無置換のアルキル基および置換もしくは無置換のアルケニル基の好ましい炭素数は1〜20であり、さらに好ましくは1〜6である。アルキル基およびアルケニル基の好ましい置換基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、水酸基、メルカプト基であり、置換基同士が一体となって更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでも良い5員環または6員環の好ましい例としては、ピペリジノ基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、ピロリジノ基、モルホリノ基、チアゾリジノ基等が挙げられる。
【0019】
また、一般式(1)においてR2は、水酸基、アルコキシ基、R1またはAを表す。アルコキシ基は炭素数1〜20のものが好ましく、さらに好ましい例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基等が挙げられる。
また、一般式(1)においてR3は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、アルキル基またはアルケニル基の好ましい炭素数は1〜20である。
【0020】
本発明における一般式(2)で示されるリン酸エステルは公知の化合物であり、特開平3−112992号に開示された方法で容易に得ることができる。
一般式(2)においてR4 は、数平均分子量500〜30000のポリエーテルおよび/またはポリエステルであって、さらに詳しくはポリエーテル、ポリエステルまたはポリエーテル−ポリエステルのコポリマーである。
【0021】
ポリエーテルの好ましい例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。また、ポリエステルの好ましい例としてはプロピオラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンまたはそれらの混合物の重合体、またはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはそれらの低級アルコールエステルと、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、あるはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等またはこれらの混合物との重合物等が挙げられる。
【0022】
一般式(2)のR4がポリエーテル−ポリエステルのコポリマーである場合は、ポリエーテル−ポリエステルのブロックコポリマーが特に好ましく、ポリエステルブロックとポリエーテルブロックは上記のポリエステルおよびポリエーテルのいずれを用いてもよいが特に好ましくは下記一般式(11)で示される化合物である。
一般式(11)
−[(CH2 )a−COO]b−[(CH22O]c−R4
(式中、R4’は炭素数1〜4のアルキル基、aは4〜5の整数、bは2〜15の数、cは3〜15の数を表す。)
また、一般式(2)のR4は、末端にリン酸エステル構造を含んでもよいが、リン酸エステルを含まないポリエーテルおよびまたはポリエステルの方がより好ましい。
【0023】
本発明の顔料組成物の有機顔料またはカーボンブラック顔料、一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物および一般式(2)で示されるリン酸エステルの好ましい組成比は、有機顔料またはカーボンブラック顔料50〜98重量%、一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物0.1〜20重量%、一般式(2)で示されるリン酸エステル1〜30重量%であり、さらに好ましくは、有機顔料またはカーボンブラック顔料75〜95重量%、一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物2〜15重量%、一般式(2)で示されるリン酸エステル2〜20重量%である。
【0024】
一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物の含有量が0.1重量%より少ないとインキ等の流動性や乾燥皮膜の光沢向上効果がほとんど認められず、20重量%より多いと用いた分の効果が得られず経済的に不利である。また、一般式(2)で示されるリン酸エステルの含有量が1重量%よりも少ないと満足のいく効果が得られにくく、30重量%よりも多くても用いた分の効果が得られず経済的に不利である。
【0025】
本発明の顔料組成物は、樹脂および有機溶剤に分散することにより、顔料分散体とし、インキ、塗料等として使用することができる。
顔料分散体には、通常の塗料またはインキに使用されるあらゆる樹脂を使用することができ、樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ライムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、ロジンエステル、ロジン変成フェノール、石油樹脂、アマニ油、桐油、大豆油、マレイン酸樹脂、ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、エチレンー酢酸ビニル樹脂、ギルソナイト、ダンマル、セラック、エポキシ樹脂、塩化ビニル、シリコン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
【0026】
本発明の顔料分散体には、上記の樹脂のうち1種類またはそれ以上を使用しても良く、1種類またはそれ以上の樹脂を用いて分散した高濃度顔料分散体を他の樹脂で希釈して使用しても良い。
上記樹脂のうち、重量平均分子量が5000〜100000の通常インキ等のバインダーに用いられるウレタン樹脂は、従来の顔料分散剤や、本発明のトリアジン環含有塩基性化合物またはリン酸エステルの単独使用では顔料分散が極めて困難な樹脂であるが、本発明の顔料組成物を使用すると、良好に顔料を分散することができる。
【0027】
一般的に印刷インキ等のバインダーに使用されるウレタン樹脂は、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネートとの反応により得られる成分を主骨格とし、バインダーとしての性能を付与する目的でしばしばグリコール類、ジアミン類、アミノアルコール類等の化合物を1種または2種以上用いて鎖延長反応と呼ばれる反応によって高分子量化されることが多い。これらのウレタン樹脂のうち、ジアミン類またはアミノアルコール類により鎖延長反応を行うことにより得られる、樹脂1分子中に少なくとも1つの尿素結合を有する塩基性の比較的強いウレタン樹脂に本発明の顔料組成物を分散する場合に、顕著な顔料分散効果を示す。このような塩基性樹脂は本発明のトリアジン環含有塩基性化合物との相互作用がほとんどないため、塩基性樹脂を含む顔料分散体においては、本発明のトリアジン環含有塩基性化合物は分散剤としての性能をほとんど示さないことが知られている。しかし、本発明のリン酸エステルを併用すると、リン酸エステルが選択的にトリアジン環含有塩基性化合物と相互作用を起こすことで、特異的に優れた分散性能を発揮する。
【0028】
本発明の顔料分散体に用いられる有機溶剤としては、トルエン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット等の石油系炭化水素、クロロベンゼン等のハロゲン炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、2−エトキシエチルアセタート等のエステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられる。上記有機溶剤のうち、特に好ましいのは、ケトン類、アルコール類、セロソルブ類、エステル類等の極性の高い有機溶剤である。有機溶剤は、2種またはそれ以上の混合物であっても差し支えない。
【0029】
本発明の顔料分散体を製造する際には、通常印刷インキまたは塗料を製造する際に用いられるすべての分散機が使用でき、このような分散機としては、例えば、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、フラッシャー、ロールミル、サンドミル、アトライター等が挙げられる。
本発明の顔料組成物および顔料分散体は、印刷インキ、塗料等に使用することができ、その場合に用いられる添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、粘度調整剤、ワックス等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表わす。また、本発明のトリアジン環含有塩基性化合物の例を表1及び表2に示すが、実施例中の記号は表中に示した記号と同じである。
【0031】
【表1】
Figure 0004186475
【0032】
【化19】
Figure 0004186475
【0033】
【化20】
Figure 0004186475
【0034】
【表2】
Figure 0004186475
【0035】
(リン酸エステルの製造例)
窒素雰囲気下で、数平均分子量750のポリエチレングリコールモノメチルエーテル1125部、ε−カプロラクトン684部およびジブチルスズラウレート1.8部を加熱、攪拌し160℃で固形分が98%以上になるまで反応を続け、ポリエーテル−ポリエステルモノヒドロキシ化合物を得た。得られたポリエーテル−ポリエステルモノヒドロキシ化合物の数平均分子量は1200であった。
5酸化リン含量84%のポリリン酸84.5部を先に得られたポリエーテル−ポリエステルモノヒドロキシ化合物1200部に加え、水分を除去しながら80℃で5時間反応させ、数平均分子量1280のリン酸モノエステルを得た。
【0036】
(実施例1〜8)
銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)20部、グラビアインキ用ワニス(ウレタン樹脂15%、酢酸エチル65%、イソプロピルアルコール20%)80部、トリアジン環含有塩基性化合物▲1▼2部、製造例で得られたリン酸モノエステル2部および2mmスチールボール300部を混合し、ペイントコンディショナーで60分間分散して顔料分散体を作成した。同様に、銅フタロシアニン顔料、トリアジン環含有塩基性化合物▲1▼の代わりに、不ぴ3に示す種々の顔料、トリアジン環含有塩基性化合物▲2▼〜▲8▼を用いて顔料分散体を作成した。作成した顔料分散体の粘度をB型粘度計(6rpm)で測定した。また、作成した顔料分散体に溶剤(酢酸エチル70%、イソプロピルアルコール30%からなる)を加え、ザーンカップNO.3で14〜16秒に調整して作成したグラビアインキをバーコーターで展色した際の乾燥皮膜の光沢値(60゜)を測定した。結果を表3に示す。
なお、上記のウレタン樹脂としては、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮重合したポリエステルポリオールとイソホロンジイソシアネートを縮重合して得られたプレポリマーをイソホロンジアミンで鎖延長した重量平均分子量約30000の尿素結合含有ウレタン樹脂を用いた。
【0037】
(実施例9)
実施例1において、銅フタロシアニン顔料20部の代わりにジメチルキナクリドン顔料(C.I.Pigment Red 122)50部を、トリアジン環含有塩基性化合物▲1▼2部の代わりにトリアジン環含有塩基性化合物▲9▼2部を用いて、それ以外は全く同様の方法で顔料分散体を作成し、粘度と乾燥皮膜の光沢値測定した。結果を表3に示す。
(実施例10)
実施例1において、トリアジン環含有塩基性化合物▲1▼2部を0.2部に、リン酸モノエステル2部を0.2部に変え、それ以外は全く同様の方法で顔料分散体を作成し、粘度と乾燥皮膜の光沢値を測定した。結果を表3に示す。
【0038】
(実施例11)
実施例1において、ウレタン樹脂の代わりにニトロセルロースを用いて、それ以外は全く同様の方法で顔料分散体を作成し、粘度と乾燥皮膜の光沢値を測定した。結果を表3に示す。
(比較例)
実施例1〜11において、トリアジン環含有塩基性化合物またはリン酸モノエステルを用いずに顔料分散体を作成し、粘度と乾燥皮膜の光沢値を測定した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0004186475
【0040】
【発明の効果】
本発明により、印刷インキや塗料に使用した場合の流動性、分散安定性ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れ、従来の顔料分散剤や、トリアジン環含有塩基性化合物またはリン酸エステルの単独使用では顔料分散が極めて困難なポリウレタン樹脂にも良好に分散する顔料組成物が得られるようになった。

Claims (7)

  1. 有機顔料またはカーボンブラック顔料、下記一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物、および下記一般式(2)で示されるリン酸エステルを含む顔料組成物。
    一般式(1)
    Figure 0004186475
    (式中、Aは分子量2000以下の芳香族化合物、X1は直接結合、または−NR3−、−O−から選ばれる2価の連結基、R1は下記一般式(3)〜(6)で示されるいずれかの基、R2は水酸基、アルコキシ基、R1 またはA、R3は水素原子、アルキル基またはアルケニル基、αは1〜3の整数を表す。)
    一般式(2)
    Figure 0004186475
    (式中、R4は数平均分子量500〜30000のポリエーテル及び/またはポリエステル、yは1または2を表す。)
    一般式(3)
    Figure 0004186475
    一般式(4)
    Figure 0004186475
    (式(3)および式(4)中、R5,R6は、それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換基同士が一体となって更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでも良い5員環または6員環を表し、nは1〜6の整数を表す。)
    一般式(5)
    Figure 0004186475
    (式中、R7は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。)
    一般式(6)
    Figure 0004186475
    (式中、R8は一般式(5)で示される基または下記一般式(7)で示される基、zは0〜6の整数、mは1または2を表す。)
    一般式(7)
    Figure 0004186475
    (式中、X3は直接結合、または−NH−、−O−から選ばれる2価の連結基、pは0〜6の整数を表し、R5、R6は一般式(3)におけるR5、R6と同じものを表す。)
  2. 一般式(1)において、Aが下記一般式(8)で示される有機色素誘導体である請求項1記載の顔料組成物。
    一般式(8)
    P−[X4−R9]α −
    (式中、Pは溶性アゾ系、不溶性アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系から選ばれる少なくとも一種の芳香族系有機色素残基、X4は直接結合、または−O−、−NH−、−CH2NH−、−SO2NH−、−CH2NHCO−、−CH2NHCOCH2NH−、−CONH−から選ばれる2価の連結基、R9は炭素数1〜6のアルキレン基またはフェニレン基、αは1〜3の整数を表す。)
  3. 一般式(1)において、Aが下記一般式(9)で示される基であり、αが1である請求項1記載の顔料組成物。
    一般式(9)
    Figure 0004186475
    (式中、R10はアミノ基、R11は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、スルホン基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアルケニル基、qは1〜3の整数、rは0〜2の整数を表す。)
  4. Aが下記一般式(10)で示される基であり、αが1である請求項1記載の顔料組成物。
    一般式(10)
    Figure 0004186475
  5. 有機顔料またはカーボンブラック顔料50〜98重量%、一般式(1)で示されるトリアジン環含有塩基性化合物0.1〜20重量%、および一般式(2)で示されるリン酸エステル1〜30重量%を含む請求項1ないし4いずれか記載の顔料組成物。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の顔料組成物0.1〜50重量%、樹脂0.01〜50重量%、および有機溶剤50〜99重量%を含む顔料分散体。
  7. 樹脂が、1分子中に少なくとも1つの尿素結合を有するウレタン樹脂であることを特徴とする請求項6記載の顔料分散体。
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