JPH0977987A - 非水系用顔料分散剤、およびそれを含有する顔料組成物、ならびに非水系顔料分散体 - Google Patents

非水系用顔料分散剤、およびそれを含有する顔料組成物、ならびに非水系顔料分散体

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JPH0977987A
JPH0977987A JP23216895A JP23216895A JPH0977987A JP H0977987 A JPH0977987 A JP H0977987A JP 23216895 A JP23216895 A JP 23216895A JP 23216895 A JP23216895 A JP 23216895A JP H0977987 A JPH0977987 A JP H0977987A
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pigment
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dispersant
polymer
compound
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JP23216895A
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English (en)
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Takashi Kamikubo
敬 上久保
Masashi Itabashi
正志 板橋
Katsuhiko Sawamura
勝彦 澤村
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好に顔料を分散することができ、しかも工
業的に有利に製造できる非水系用顔料分散剤、およびそ
れを用いた顔料組成物、ならびに非水系顔料分散体を提
供すること。 【解決手段】 線状ウレタン系重合体の末端にのみ有機
色素および/または複素環を有する非水系用顔料分散剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料粒子の分散剤
に関するものであり、更に詳しくは、印刷インキや塗料
の使用適性の向上を図る非水系用顔料分散剤、およびそ
れを含有する顔料組成物、ならびに非水系顔料分散体に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に各種コーティングまたはインキ組
成物中において、鮮明な色調と高い着色力を発揮する実
用上有用な顔料は微細な粒子からなっている。しかしな
がら、顔料の微細な粒子は、オフセットインキ、グラビ
アインキおよび塗料のような非水性ビヒクルに分散する
場合、安定な分散体を得るのは難しく、製造作業上およ
び得られる製品の価値に重大な影響を及ぼす種々の問題
を引き起こすことが知られている。例えば、微細な粒子
からなる顔料を含む分散体は往々にして高粘度を示し、
分散機から分散体を取り出したり、輸送したりする際に
困難を生じる。また、分散体が貯蔵中にゲル化を起こし
使用できなくなる場合もある。あるいは、異種の顔料を
混合して使用する場合、顔料の凝集による色分かれや沈
降などの現象により、展色物において、色むらや著しい
着色力の低下を引き起こすことがある。さらに、このよ
うな不安定な分散体の場合、展色物の塗膜表面状態が損
なわれやすく、例えば光沢の低下、レベリング不良等が
発生することがある。
【0003】また、一部の有機顔料では顔料の結晶状態
が変化することがある。すなわち、オフセットインキ、
グラビアインキおよび塗料等の非水性ビヒクル中でエネ
ルギー的に不安定な顔料の結晶粒子が大きさ、形態を変
化させて安定状態に移行するために展色物において著し
い色相の変化、着色力の現象、粗粒子の発生等により商
品価値を損なうことがある。
【0004】以上のような種々の問題点を解決するため
に、これまでも数多くの提案がされている。その内容を
技術的手法から分類すると大きく次のような3つに分け
られる。 1.USP3370971号およびUSP2965511号に見られるよう
に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび第3級ブチル
安息香酸などの無色の化合物で顔料粒子を被覆するもの
である。 2.特公昭41-2466 号公報およびUSP2855403号に代表さ
れるように、有機顔料を母体骨格とし、側鎖にスルホン
基、スルホンアミド基、アミノメチル基およびフタルイ
ミドメチル基などの置換基を導入して得られる化合物を
混合する方法である。 3.特公昭57-25251号公報および特開昭61-285266 号公
報に代表されるようなポリマー分散剤を混合する方法で
ある。
【0005】上記2の場合は、1の場合に比べ、非水性
ビヒクル中での顔料の非集合性、結晶安定性などに関す
る効果が著しく大きく、また比較的簡単な混合方法によ
っても充分な効果が得られる場合が多い。しかし、それ
ぞれの化合物の効果は使用するビヒクルの組成に大きく
影響され、全てのビヒクルに有効な汎用性に富む化合物
は見出されていない。上記3の場合は、比較的ビヒクル
組成の影響が少なく汎用性のある方法ではあるが、ポリ
マー分散剤と顔料粒子の相互作用が弱いため、顔料の分
散安定性という点では十分な効果が得られない場合が多
い。
【0006】一方、特開昭63-175080 号公報および特開
平4-139262号公報には有機色素とポリマーを結合させた
ポリマー分散剤が提示されている。ポリマー分散剤に含
まれる有機色素と顔料粒子の相互作用が強くなるためポ
リマー分散剤の顔料粒子への吸着が促進され分散性が向
上するものと考えられる。しかしながら、該公報記載の
ポリマー分散剤は、ポリマー中にランダムに存在する官
能基を用いて、有機色素とポリマーとを結合している。
この方法によると、ポリマー中にランダムに有機色素が
導入されるために、ポリマー部分と分散媒との親和性が
弱まり、分散安定化に充分な吸着層を確保しにくくなっ
たり、また、ポリマー中への有機色素あるいは複素環の
導入量が増加すると分散媒への溶解性が減少するため、
分散安定化に充分な吸着層を確保できなくなったりする
という問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の種々の
欠点を改良し、良好に顔料を分散することができ、しか
も工業的に有利に製造できる非水系用顔料分散剤、およ
びそれを用いた顔料組成物ならびに非水系顔料分散体を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、線状ウレタン系重合体の末端にのみ有機色素および
/または複素環を有する非水系用顔料分散剤であり、第
2の発明は、顔料および第1の発明の非水系用顔料分散
剤からなる顔料組成物である。さらに、第3の発明は、
顔料、第1の発明の非水系用顔料分散剤および非水系樹
脂からなる非水系顔料分散体である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の顔料分散剤は、ポリマー
部分の片末端あるいは両末端のみに有機色素および/ま
たは複素環を有する構造であるため、顔料表面に効率よ
く有機色素あるいは複素環を吸着せしめ、ポリマー部分
と分散媒との良好な親和性によって、顔料と有機色素あ
るいは複素環との係る吸着を効率よく安定化せしめるこ
とができるようになったものである。また、合成手法上
もポリマーの末端を用いることによって、ポリマー中に
精度良く、少ない量の有機色素あるいは複素環を導入す
ることができるようになったものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
顔料分散剤は、線状ウレタン系重合体の末端にのみ有機
色素および/または複素環を有するものである。線状ウ
レタン重合体は、基本的には有機色素および/または複
素環を導入した後に、顔料分散系で溶解もしくは分散し
ていれば良く、ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート
化合物、さらにジアミン化合物を反応させることによっ
て得られる。数平均分子量は2000〜100000の
範囲が望ましく、より好ましくは5000〜50000
の範囲が望ましい。
【0011】本発明において用いられるジヒドロキシ化
合物としては、水、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、プ
ロパンジオール、1.6-ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子
量グリコール類、ポリエーテルジオール類、ポリエステ
ルジオール類などの高分子量ジオールが使用できる他、
ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノ
ール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレン
オキサイドを付加させたグリコール類も使用することが
できる。ポリエーテルジオール類としては、例えば、テ
トラヒドロフラン、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサ
イドの重合体、共重合体またはグラフト重合体、または
ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタン
ジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の
縮合によるポリエーテルグリコール類、プロポキシル化
またはエトキシル化されたポリエーテルグリコール類が
ある。ポリエステルジオール類としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、
1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサ
ンジオール、メチル−1,5-ペンタンジオール、オクタン
ジオール、シクロヘキサンジオール、2-エチル−1,3-ヘ
キサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ルなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グリコールと、
脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩基酸エ
ステルとから縮合反応により得られるポリエステルジオ
ールやε−カプロラクトンなどの環状エステル化合物の
開環重合により得られるポリエステルジオール、ポリカ
ーボネートジオール、シリコンジオールなどがあり、こ
れらとジイソシアネートとの反応によって得られる末端
水酸基の反応生成物も用いることができる。
【0012】ジイソシアネート化合物としては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシア
ネートなどのジイソシアネート類、あるいはこれらとグ
リコール類またはアミン類との両末端イソシアネートア
ダクト体、あるいはこれらの混合物が用いられる。
【0013】ジアミン化合物としては、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-
ジアミノオクタン、キシリレンジアミン、1,4-ジアミノ
シクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジア
ミン、ポリアミドアミンなどのジアミン類、あるいはこ
れらと有機ジイソシアネート化合物との反応によって得
られる末端アミノ基の反応生成物を用いることができ
る。
【0014】本発明の顔料分散剤は、以下に示す2つの
製造方法で得られる。すなわち、第1の方法は、ジヒド
ロキシ化合物とジイソシアネート化合物を反応させ、末
端イソシアネート基含有ウレタン系重合体を調製し、こ
の線状ウレタン系重合体と、第1級アミノ基、第2級ア
ミノ基および水酸基から選ばれる少なくとも一種の反応
基を導入した有機色素および/または複素環とを反応さ
せる方法である。
【0015】また、第2の方法は、ジヒドロキシ化合物
とジイソシアネート化合物を反応させ、末端イソシアネ
ート基含有ウレタン系重合体を調製した後、ジアミン化
合物を反応させ、末端アミノ基を有するウレタン系重合
体を調製し、このウレタン系重合体と、常法によりカル
ボキシル基を導入した有機色素および/または複素環と
を反応させる方法である。
【0016】ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化
合物との反応における合成条件は、反応温度としては室
温〜140℃、好ましくは40〜100℃で反応させる
のが良い。また、イソシアネート基と水酸基の当量比
は、約1.02:1〜約2:1の範囲、好ましくは約
1.05:1〜約1.5:1の範囲内が適当である。ま
た、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、例えばジ
ラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウ
ム、ジエチル亜鉛テトラ(n-ブトキシ)チタンなどを用
いることができる。これらの反応は、無溶剤下でも行い
得るが、反応の均一化や粘度調整のために、イソシアネ
ートに対して不活性な有機溶剤を使用することもでき
る。このような溶剤としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン、ジグライム、N−メチルピロリドン
などがあり、これらの溶剤単独あるいは混合系を挙げる
ことができる。
【0017】前記の第2の方法で、末端イソシアネート
ウレタン系重合体をジアミン化合物で鎖延長させる工程
においては、ジアミン化合物を前記不活性な有機溶剤で
希釈した溶液を前記末端イソシアネート基含有ウレタン
系重合体に滴下させることもできるし、逆に前記末端イ
ソシアネート基含有ウレタン系重合体にをジアミン化合
物溶液に滴下して反応させることもできる。ジアミン化
合物の使用量は、末端イソシアネート基含有ウレタン系
重合体中の遊離イソシアネート基1当量に対して1当量
よりも多く2当量以下の範囲が好ましい。反応温度は反
応性に応じて室温〜90℃程度の範囲で行うことができ
る。このようにしてジアミン化合物で鎖延長せしめてな
る末端アミノ基を有するウレタン系重合体とカルボキシ
ル基を有する有機色素および/または複素環との反応
は、水、アルコール、アセトンまたは、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの反応溶媒中で場合によってはアル
カリ触媒存在下で反応させ、溶媒を除去する方法が一般
的である。ただし、アゾ顔料の場合にはジアゾ成分また
はカップラー成分に予め末端アミンのポリマーを反応さ
せた後にカップリングする方法が工業的に有利である。
【0018】なお、後述する非水系樹脂の樹脂や溶媒と
して、極性の大きなものを用いる場合は、本発明の顔料
分散剤のポリマー部分、つまり線状ウレタン系重合体中
に下記のような極性基を含有せしめてもよい。線状ウレ
タン系重合体中の極性基によって、顔料分散剤と非水系
樹脂の樹脂や溶媒との親和性を高めることができ、顔料
分散体の安定性を向上することができる場合がある。係
る極性基含有線状ウレタン系重合体は、イソシアネート
基と反応し得る少なくとも2個の官能基を有し、且つ、
−COOH、−COONa、−COONH4、 −SO3
H、−SO3 Na、−SO3 NH4 などの親水基を分子
内に少なくとも1個有する化合物を必須成分として含有
するジヒドロキシ化合物やジアミン化合物をジイソシア
ネート化合物と反応せしめることによって得られる。例
えば、イソシアネート基と反応し得る少なくとも2個の
官能基を有し、上記のような極性基を分子内に少なくと
も1個有する化合物としては、ジメチロールプロピオン
酸、アミノ酸やアミノスルホン酸並びにそれらのオキシ
アルキル化生成物及びポリエステル化生成物、ジアミノ
カルボン酸、ジアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、
グリセリンモノ燐酸エステル2ナトリウム塩などの化合
物が挙げられる。これら化合物を含有するジヒドロキシ
化合物やジアミン化合物をイソシアネート基と反応せし
め、前述したように、末端イソシアネート基含有ウレタ
ン系重合体か、あるいは末端にアミノ基を有するウレタ
ン系重合体を得、これをアミノ基、ないし水酸基を有す
る有機色素および/または複素環、あるいはカルボキシ
ル基を有する有機色素および/または複素環と反応せし
めて、顔料分散剤を得る。
【0019】本発明において用いられる有機色素として
は、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、
アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、
ジケトピロロピロール系、アンスラピリミジン系、アン
サンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、
ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系、イソインド
リノン系、ベンズイミダゾロン系等が、また、複素環と
しては例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロ
ール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノ
ン、ベンズイミダゾロン、インドール、キノリン、カル
バゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等
が挙げられ、係る有機色素および/または複素環は、前
記したように常法に従い、第1級アミノ基、第2級アミ
ノ基、水酸基、カルボキシル基を導入したものである。
例えば、有機色素にフタルイミド基を導入し、次いで加
水分解せしめることによってアミノ基を導入したり、あ
るいは種々の官能基を有するヒドロキシアルキルアニリ
ンをジアゾ化せしめ、次いで種々のカップラーとカップ
リングせしめることによって水酸基を導入したり、ある
いは種々の官能基を有するヒドロキシアルキルアニリン
からアセト酢酸アリライド誘導体を得、次いで種々のカ
ップラーとカップリングせしめることによって水酸基を
導入したりしたものである。
【0020】本発明の顔料分散剤は、一般に市販されて
いる顔料に優れた分散効果を発揮する。例えば、可溶性
および不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、
フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイン
ドリノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロ
ール系顔料、アンスラピリミジン系顔料、アンサンスロ
ン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔
料、チオインジゴ系顔料等の有機顔料および、カーボン
ブラック、酸化チタン、黄鉛、カドミウムエロー、カド
ミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青等の無
機顔料に用いることができる。本発明の顔料分散剤の顔
料に対する配合は、顔料100重量部に対し、0.5〜
100重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと顔
料分散効果が小さく好ましくない。また、100重量部
より多く用いても用いた分の効果が得られなく塗膜性能
に悪影響を及ぼす。
【0021】本発明において用いられる非水系樹脂とし
ては、ライムロジンワニス、ポリアミド樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、常乾もしくは焼き付け塗料に用いられるニトロ
セルロースラッカー、アミノアルキッド樹脂、アクリル
ラッカー、アミノアクリル樹脂、ウレタン系樹脂塗料等
が挙げられる。
【0022】非水系樹脂の使用量は、顔料100重量部
に対して固形分換算で5〜500重量部が好ましい。特
に、濃縮分散体として使用する場合、顔料100重量部
に対して非水系樹脂が固形分換算で5〜200重量部が
好ましく、塗料または印刷インキとして使用する場合
は、顔料100重量部に対して非水系樹脂が固形分換算
で100〜500重量部が好ましい。顔料100重量部
に対して非水系樹脂が5重量部より少ないと顔料が分散
しにくくなり、500重量部より多いと着色が低いため
塗料または印刷インキとしての使用に適さない場合があ
る。なお、塗料または印刷インキとして使用する場合に
は、メラミン樹脂等の硬化剤樹脂や硬化触媒、界面活性
剤等を添加しても良い。
【0023】本発明の非水系顔料分散体は、以下のよう
な方法で製造することができる。 1.顔料と非水系用顔料分散剤を予め混合して得られる
顔料組成物を、非水系ビヒクル(すなわち、非水系樹脂
および溶媒)中に添加して分散する。 2.非水系ビヒクルに顔料と非水系用顔料分散剤を添加
して分散する。 3.非水系ビヒクルに顔料と非水系用顔料分散剤を予め
別々に分散し、得られた分散体を混合する。 4.非水系ビヒクルに顔料を分散した後、得られた非水
系用顔料分散体に非水系用顔料分散剤を添加する。 等の方法があり、これらのいずれによっても目的とする
効果が得られる。
【0024】顔料組成物の調製法としては、顔料粉末と
本発明の非水系用顔料分散剤を単に混合しても充分な分
散効果が得られるが、ニーダー、ロール、アトライタ
ー、スーパーミル、各種粉砕機、分散機等により機械的
に混合するか、顔料の水または有機溶媒によるサスペン
ジョン系に本発明の非水系用顔料分散剤を含む溶液を添
加し、顔料表面に顔料分散剤を沈着させるか、硫酸等の
強い溶解力を持つ溶媒に有機顔料と顔料分散剤を共溶解
して水等の貧溶媒により共沈させる等の賢密な混合法を
行えば、更に良好な結果を得ることができる。また、非
水系ビヒクル、あるいは溶剤中への顔料または顔料分散
剤の分散、混合等に、分散機械としてディゾルバー、ハ
イスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロール
ミル、サンドミル、アトライター等を使用することによ
り顔料の良好な分散ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
例中、「部」「%」は、それぞれ「重量部」「重量%」
をそれぞれ表す。
【0026】製造例1 温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた四つ口フラスコ
に、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加
物(水酸基価53mg KOH/g)266部、、N−メチルピロ
リドン200部、オクチル酸錫0.075部を仕込み、
撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱する。1時間
還流後、イソホロンジイソシアネート31部を添加し、
同温度で4時間反応させイソシアネート末端ポリマー溶
液を得たこのポリマーの数平均分子量は20000であ
った。さらに、N−メチルピロリドン360部を添加し
た混合物に、アミノメチル銅フタロシアニン25.4部
を加え、80℃で4時間反応させた。未反応物および溶
媒を除去し、化合物(a)225部を含むペーストを得
た。
【0027】製造例2 温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた四つ口フラスコ
に、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加
物(水酸基価53mg KOH/g)256部、、N−メチルピロ
リドン200部、オクチル酸錫0.075部を仕込み、
撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱する。1時間
還流後、イソホロンジイソシアネート36部を添加し、
同温度で4時間反応させイソシアネート末端プレポリマ
ー溶液を得た。さらに反応液の温度を40℃に冷却し、
イソホロンジアミン8.0部とN−メチルピロリドン1
60部の混合液中にプレポリマー溶液456部を滴下し
てその後60℃に昇温し2時間反応させ、アミン末端ポ
リマー溶液を得た。このポリマーの数平均分子量は30
000であった。さらに、N−メチルピロリドン360
部、トリエチルアミン5.4部を添加した混合物に、銅
フタロシアニンカルボン酸(1分子当たり平均1.2個
のカルボキシル基を含有する。)17.0部を加え、還
流下で2時間反応させた。未反応物および溶媒を除去
し、化合物(b200部を含むペーストを得た。
【0028】製造例3 温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた四つ口フラスコ
に、ポリプロピレングリコール(水酸基価55mg KOH/g)
200部、ジメチロールプロピオン酸22部、N−メチ
ルピロリドン200部、オクチル酸錫0.075部を仕
込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱する。
1時間還流後、イソホロンジイソシアネート73部を添
加し、同温度で4時間反応させイソシアネート末端プレ
ポリマー溶液を得た。さらに反応液の温度を40℃に冷
却し、イソホロンジアミン13部とN−メチルピロリド
ン180部の混合液中にプレポリマー溶液479部を滴
下して、その後60℃に昇温し2時間反応させ、アミン
末端ポリマー溶液を得た。このポリマーの数平均分子量
は23000、酸価は30mg KOH/gであった。さらに、
N−メチルピロリドン400部、トリエチルアミン7.
7部を添加した混合物に、銅フタロシアニンカルボン酸
(1分子当たり平均1.2個のカルボキシル基を含有す
る。)24.3部を加え、還流下で2時間反応させた。
未反応物および溶媒を除去し、化合物(c)224部を
含むペーストを得た。
【0029】製造例4 製造例1のアミノメチル銅フタロシアニン25.4部を
アミノメチルキナクリドン14.3部に変えて合成した
後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(d218部
を含むペーストを得た。
【0030】製造例5 製造例1のアミノメチル銅フタロシアニン25.4部を
2−アミノアントラキノン9.4部に変えて合成した
後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(e)214
部を含むペーストを得た。
【0031】製造例6 製造例2の銅フタロシアニンカルボン酸17.0部をキ
ナクリドンカルボン酸(1分子当たり平均1.5個のカ
ルボキシル基を含有する。)10.4部に変えて合成し
た後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(f)19
2部を含むペーストを得た。
【0032】製造例7 製造例2の銅フタロシアニンカルボン酸17.0部をア
ントラキノン−2−カルボン酸6.8部に変えて合成し
た後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(g)19
3部を含むペーストを得た。
【0033】製造例8 製造例3の銅フタロシアニンカルボン酸24.3部をキ
ナクリドンカルボン酸(1分子当たり平均1.5個のカ
ルボキシル基を含有する。)14.7部に変えて合成し
た後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(h)21
2部を含むペーストを得た。
【0034】製造例9 製造例3の銅フタロシアニンカルボン酸24.3部をジ
オキサジンカルボン酸(1分子当たり平均1.7個のカ
ルボキシル基を含有する。)25.9部に変えて合成し
た後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(i)21
4部を含むペーストを得た。
【0035】製造例10 製造例3の銅フタロシアニンカルボン酸24.3部をア
ントラキノン−2−カルボン酸9.8部に変えて合成し
た後、未反応物および溶媒を除去し、化合物(j)21
2部を含むペーストを得た。
【0036】製造例11 製造例3で得たアミン末端ポリマー100部を含む溶液
に水400部を加え、溶媒を水に置換した懸濁液とし、
アセトアセチルアミノベンゼンカルボン酸2.0部を反
応させた化合物と、4,4−ジクロロベンジジンを常法
によりジアゾ化したジアゾニウム液とを常法によりカッ
プリングし、未反応物および溶媒を除去し、化合物
(k)120部を含むペーストを得た。
【0037】実施例1〜19、比較例1〜7 表1のように、顔料、製造例にて合成した化合物(a)
〜(k)、アルキッド樹脂(日立化成工業(株)製「フ
タルキッド133−60」)及びキシレンを配合し、分
散した後にメラミン樹脂(三井サイテック(株)製「ユ
ーバン20SE60」)を配合して、アミノアルキッド
塗料を得た。各塗料の粘度を測定したところ、表1に示
したように本発明によるものの方が比較例よりもチクソ
性(TI値)が小さく、優れた流動性を示した。また、
上記塗料をフォードカップ#4で20秒となるように粘
度調整し、中塗りした塗板(予めプライマー塗料を塗装
し、水研ぎした鋼板)に乾燥塗膜の厚さが約30μmと
なるようにエアースプレーで塗装し、10分間静置した
後、140℃で30分間焼き付けた。表1に示すよう
に、塗膜光沢においても本発明によるものの方が比較例
よりも優れていた。また、非集合性、非結晶性について
は、実用上特に問題となる色分かれ安定性によって評価
した。塗料を酸化チタンのベース塗料で顔料と酸化チタ
ンの比率が1/10になるようにカットし、淡色塗料を
調整する。ついでキシレンで希釈し、粘度を調整した後
に試験管に注入してガラス壁面の変化を観察すると本発
明によるものの方が比較例よりも経時による色分かれが
少なかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明により、インキおよび塗料などの
顔料分散体において、顔料の分散性を向上せしめ、非集
合性、流動性などの使用適性および、塗布物の色調の鮮
明性、光沢などを著しく向上させることができるように
なった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状ウレタン系重合体の末端にのみ有機
    色素および/または複素環を有することを特徴とする非
    水系用顔料分散剤。
  2. 【請求項2】 顔料および請求項1記載の非水系用顔料
    分散剤からなる顔料組成物。
  3. 【請求項3】 顔料、請求項1記載の非水系用顔料分散
    剤および非水系樹脂からなる非水系顔料分散体。
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