JP3397014B2 - 水系用顔料分散剤、およびそれを含有する顔料組成物、ならびに水性顔料分散体 - Google Patents

水系用顔料分散剤、およびそれを含有する顔料組成物、ならびに水性顔料分散体

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JP3397014B2
JP3397014B2 JP23216995A JP23216995A JP3397014B2 JP 3397014 B2 JP3397014 B2 JP 3397014B2 JP 23216995 A JP23216995 A JP 23216995A JP 23216995 A JP23216995 A JP 23216995A JP 3397014 B2 JP3397014 B2 JP 3397014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料粒子の分散剤
に関するものであり、更に詳しくは、水性印刷インキや
水性塗料の使用適性の向上を図る水系用顔料分散剤、お
よびそれを含有する顔料組成物、ならびに水性顔料分散
体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、資源保護、環境保全、作業の安定
性の向上等のニーズの高まりによって塗料およびインキ
の水性化が進行しつつある。水性塗料および水性インキ
に要求される品質は、油性塗料および油性インキと同
様、流動性、貯蔵安定性、皮膜の光沢、鮮明性、着色力
等である。しかしながら、大部分の顔料は水性ビヒクル
に対して油性の場合に比べ顔料分散性等の適性が著しく
劣るため通常の分散方法では満足な品質は得られない。
そこで従来より各種の添加剤、例えば水性用顔料分散樹
脂や界面活性剤の使用が検討されてきたが上記すべての
適性を満足し、既存の高品質を有する油性塗料または油
性インキに匹敵するような品質は得られていない。特開
平7-41689 号公報には有機色素とポリマーを結合させた
ポリマー型分散剤が提示され、水系において有効な分散
剤であると記載されている。これは、ポリマー型分散剤
に含まれる有機色素と顔料粒子の相互作用によって、ポ
リマー型分散剤の顔料粒子への吸着が促進され分散性が
向上するものと考えられる。しかしながら、該公報記載
のポリマー分散剤は、ポリマー中にランダムに存在する
官能基を用いて、有機色素とポリマーとを結合してい
る。この方法によると、ポリマー中にランダムに有機色
素が導入されるために、ポリマー部分と分散媒との親和
性が弱まり、分散安定化に充分な吸着層を確保しにくく
なったり、また、ポリマー中への有機色素の導入量が増
加すると分散媒への溶解性が減少するため、分散安定化
に充分な吸着層を確保できなくなったりするという問題
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の種々の
欠点を改良し、水系で良好に顔料を分散することがで
き、しかも工業的に有利に製造できる水系用顔料分散
剤、およびそれを用いた顔料組成物、ならびに水性顔料
分散体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、−COClおよび−SO2 Clから選ばれる少なく
とも一種の反応基を有する有機色素と、第1級アミノ基
および第2級アミノ基から選ばれる少なくとも一種の反
応基を末端にのみ有する水性線状ウレタン系重合体とを
反応させてなる水系用顔料分散剤であり、第2の発明
は、顔料および第1の発明の水系用顔料分散剤からなる
顔料組成物である。さらに、第3の発明は、顔料、第1
の発明の水系用顔料分散剤および水系樹脂からなる水性
顔料分散体である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の顔料分散剤は、ポリマー
部分の片末端あるいは両末端のみに有機色素を有する構
造であるため、顔料表面に効率よく有機色素を吸着せし
め、ポリマー部分と分散媒との良好な親和性によって、
顔料と有機色素との係る吸着を効率よく安定化せしめる
ことができるようになったものである。また、合成手法
上もポリマーの末端を用いることによって、ポリマー中
に精度良く、少ない量の有機色素を導入することができ
るようになったものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
顔料分散剤は、水性線状ウレタン系重合体の末端にのみ
有機色素を有するものである。該水性線状ウレタン系重
合体は、イソシアネート基と反応し得る少なくとも2個
の官能基を有し、且つ、−COOH、−COONa、−
COONH4 、 −SO 3 H、−SO3 Na、−SO3
4 などの親水基を分子内に少なくとも1個有する化合
物を必須成分として含有するジヒドロキシ化合物やジア
ミン化合物をジイソシアネート化合物と反応せしめてな
る線状ウレタン系重合体である。例えば、イソシアネー
ト基と反応し得る少なくとも2個の官能基を有し、上記
のような親水基を分子内に少なくとも1個有する化合物
としては、ジメチロールプロピオン酸、アミノ酸やアミ
ノスルホン酸並びにそれらのオキシアルキル化生成物及
びポリエステル化生成物、ジアミノカルボン酸、ジアミ
ノベンゼンスルホン酸ナトリウム、グリセリンモノ燐酸
エステル2ナトリウム塩などの化合物が挙げられる。こ
れら化合物を必須成分として含有するジヒドロキシ化合
物やジアミン化合物をイソシアネート基と反応せしめ、
後述するように、末端イソシアネート基含有ウレタン系
重合体か、あるいは末端にアミノ基を有するウレタン系
重合体を得る。これら末端イソシアネート基含有ウレタ
ン系重合体や末端にアミノ基を有するウレタン系重合体
は、前記したように種々の親水基を含有するものであ
り、該親水基によってウレタン系重合体を水性化し得る
ものである。
【0007】本発明の顔料分散剤は、以下の製造方法に
よって得られる。すなわち、ジヒドロキシ化合物とジイ
ソシアネート化合物とを反応させ、末端イソシアネート
基含有ウレタン系重合体を調製した後、次いでジアミン
化合物を反応させ、末端アミノ基を有するウレタン系重
合体を調製し、このアミノ基と−COClおよび−SO
2 Clから選ばれる少なくとも一種の反応基を有する有
機色素とを反応させる方法である。水性線状ウレタン系
重合体中の親水基は、親水基を有するジヒドロキシ化合
物を必須成分として用いることによって末端イソシアネ
ート基含有ウレタン系重合体中に存在せしめても良い
し、あるいは鎖延長する際のジアミン化合物の一つとし
て、親水基を有するジアミン化合物を用いてることによ
って末端アミノ基を有するウレタン系重合体中に存在せ
しめても良い。
【0008】本発明において用いられるジヒドロキシ化
合物としては、前記したような親水基を有するジヒドロ
キシ化合物の他に、水、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、プロパンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールな
どの低分子量グリコール類、ポリエーテルジオール類、
ポリエステルジオール類などの高分子量ジオールが使用
できる他、ビスフェノールAやビスフェノールFなどの
ビスフェノール類、ビスフェノールAやビスフェノール
Fにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドを付加させたグリコール類も使用
することができる。ポリエーテルジオール類としては、
例えば、テトラヒドロフラン、エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキ
レンオキサイドの重合体、共重合体またはグラフト重合
体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれ
らの混合物の縮合によるポリエーテルグリコール類、プ
ロポキシル化またはエトキシル化されたポリエーテルグ
リコール類がある。ポリエステルジオール類としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタ
ンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサンジオール、メチル−1,5-ペンタンジオー
ル、オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、2-エ
チル−1,3-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコールなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グ
リコールと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香
族二塩基酸エステルとから縮合反応により得られるポリ
エステルジオールやε−カプロラクトンなどの環状エス
テル化合物の開環重合により得られるポリエステルジオ
ール、ポリカーボネートジオール、シリコンジオールな
どがあり、これらとジイソシアネートとの反応によって
得られる末端水酸基の反応生成物も用いることができ
る。
【0009】ジイソシアネート化合物としては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシア
ネートなどのジイソシアネート類、あるいはこれらとグ
リコール類またはアミン類との両末端イソシアネートア
ダクト体、あるいはこれらの混合物が用いられる。
【0010】ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化
合物との反応における合成条件は、反応温度としては室
温〜140℃、好ましくは40〜100℃で反応させる
のが良い。また、イソシアネート基と水酸基の当量比
は、約1.02:1〜約2:1の範囲、好ましくは約
1.05:1〜約1.5:1の範囲内が適当である。ま
た、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、例えばジ
ラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウ
ム、ジエチル亜鉛テトラ(n-ブトキシ)チタンなどを用
いることができる。これらの反応は、無溶剤下でも行い
得るが、反応の均一化や粘度調整のために、イソシアネ
ートに対して不活性な有機溶剤を使用することもでき
る。このような溶剤としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン、ジグライム、N−メチルピロリドン
などがあり、これらの溶剤単独あるいは混合系を挙げる
ことができる。
【0011】末端イソシアネートウレタン系重合体を鎖
延長させる際に用いられるジアミン化合物としては、前
記した親水基を有するものの他に、エチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペン
タメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジア
ミノオクタン、キシリレンジアミン、1,4-ジアミノシク
ロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミ
ン、ポリアミドアミンなどのジアミン類、あるいはこれ
らと有機ジイソシアネート化合物との反応によって得ら
れる末端アミノ基の反応生成物を用いることができる。
【0012】末端イソシアネートウレタン系重合体をジ
アミン化合物で鎖延長させる工程においては、ジアミン
化合物を前記不活性な有機溶剤で希釈した溶液を前記末
端イソシアネート基含有ウレタン系重合体に滴下させる
こともできるし、逆に前記末端イソシアネート基含有ウ
レタン系重合体にをジアミン化合物溶液に滴下して反応
させることもできる。ジアミン化合物の使用量は、末端
イソシアネート基含有ウレタン系重合体中の遊離イソシ
アネート基1当量に対して1当量よりも多く2当量以下
の範囲が好ましい。反応温度は反応性に応じて室温〜9
0℃程度の範囲で行うことができる。このようにしてジ
アミン化合物で鎖延長せしめてなる末端アミノ基を有す
るウレタン系重合体とカルボキシル基を有する有機色素
との反応は、水、アルコール、アセトンまたは、N,N
−ジメチルホルムアミドなどの反応溶媒中で場合によっ
てはアルカリ触媒存在下で反応させ、溶媒を除去し水系
に置換する方法が一般的である。ただし、アゾ顔料の場
合にはジアゾ成分またはカップラー成分に予め末端アミ
ンのポリマーを反応させた後にカップリングする方法が
工業的に有利である。
【0013】本発明の有機色素としては、フタロシアニ
ン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン
系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピ
ロール系、アンスラピリミジン系、アンサンスロン系、
インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペ
リレン系、チオインジゴ系、イソインドリノン系、ベン
ズイミダゾロン系等が挙げられ、特開昭56-167762 号公
報、特開昭52-132031 号公報等に示されるような方法に
従って、−COClおよび−SO2 Clから選ばれる少
なくとも一種の反応基を導入したものである。すなわ
ち、有機色素をクロルスルホン酸と反応せしめ−SO2
Clを導入するか、あるいは有機色素がスルホン基また
はカルボキシル基等の官能基を有する場合には、係る官
能基と塩化チオニル、五塩化リン等とを反応せしめ−C
OCl、−SO2 Clを導入すればよい。
【0014】本発明の顔料分散剤は、一般に市販されて
いる顔料に優れた分散効果を発揮する。例えば、可溶性
および不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、
フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイン
ドリノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロ
ール系顔料、アンスラピリミジン系顔料、アンサンスロ
ン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔
料、チオインジゴ系顔料等の有機顔料および、カーボン
ブラック、酸化チタン、黄鉛、カドミウムエロー、カド
ミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青等の無
機顔料に用いることができる。本発明の顔料分散剤の顔
料に対する配合は、顔料100重量部に対し、0.5〜
100重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと顔
料分散効果が小さく好ましくない。また、100重量部
より多く用いても用いた分の効果が得られなく、各種塗
膜性能に悪影響を及ぼすことがある。
【0015】本発明の水性顔料分散体に使用される水性
樹脂は、アクリル系共重合体、スチレン−アクリル酸系
共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、アルキド
系、エポキシ系、ポリエステル系、ウレタン系等の水分
散樹脂または水溶性樹脂が有るが、特に、アクリル系共
重合体の水分散樹脂または水溶性樹脂が好ましい。
【0016】上記アクリル系共重合体の水分散樹脂また
は水溶性樹脂は、乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重
合等によって製造したものでもよいし、あるいは親水性
有機溶媒中で重合された遊離のカルボン酸を有するアク
リル系共重合樹脂を、アンモニアや有機アミンで中和
し、水を添加することによって得られる水性分散性樹脂
であってもよい。アクリル系共重合体樹脂としては、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜80重量
%、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸等のカルボン酸含有単量体5〜30重量%およびその
他の単量体0〜20重量%を乳化重合または親水性有機
溶媒中で溶液重合して得られる、重量平均分子量500
0〜300000、酸価が1〜200の樹脂が特に好ま
しい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル等がある。上記その他のモノマ
ーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニト
リル、ビニルアルコール、エチレン等がある。
【0017】本発明に使用される水性樹脂の水性媒体
は、水のみであってもよいが、場合によってはエチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアル
コール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤や、エチ
レングリコールまたはジエチレングリコールのモノまた
はジアルキルエーテル等の水混和性有機溶剤を水性媒体
中の50重量%まで混和させることができる。
【0018】水性樹脂の使用量は、顔料100重量部に
対して固形分換算で5〜500重量部が好ましい。特
に、濃縮分散体として使用する場合、顔料100重量部
に対して水性樹脂が固形分換算で5〜200重量部が好
ましく、塗料または印刷インキとして使用する場合は、
顔料100重量部に対して水性樹脂が固形分換算で10
0〜500重量部が好ましい。顔料100重量部に対し
て水性樹脂が5重量部より少ないと顔料が分散しにくく
なり、500重量部より多いと着色が低いため塗料また
は印刷インキとしての使用に適さない場合がある。な
お、塗料または印刷インキとして使用する場合には、メ
ラミン樹脂等の硬化剤樹脂や硬化触媒、界面活性剤等を
添加しても良い。
【0019】本発明の水性顔料分散体は、以下のような
方法で製造することができる。 1.顔料と顔料分散剤を予め混合して得られる顔料組成
物を、水系ビヒクル(すなわち、水性樹脂および水性媒
体)中に添加して分散する。 2.水系ビヒクルに顔料と顔料分散剤を添加して分散す
る。 3.水系ビヒクルに顔料と顔料分散剤を予め別々に分散
し、得られた分散体を混合する。この場合、顔料分散剤
は溶剤のみで分散しても良い。 4.水系ビヒクルに顔料を分散した後、得られた顔料分
散体に顔料分散剤を添加する。 等の方法があり、これらのいずれによっても目的とする
効果が得られる。
【0020】顔料組成物の調製法としては、顔料粉末と
本発明の顔料分散剤を単に混合しても充分な分散効果が
得られるが、ニーダー、ロール、アトライター、スーパ
ーミル、各種粉砕機、分散機等により機械的に混合する
か、顔料の水または有機溶媒によるサスペンジョン系に
本発明の顔料分散剤を含む溶液を添加し、顔料表面に顔
料分散剤を沈着させるか、硫酸等の強い溶解力を持つ有
機顔料と顔料分散剤を共溶解して水等の貧溶媒により共
沈させる等の賢密な混合法を行えば、更に良好な結果を
得ることができる。顔料または顔料組成物を水性樹脂の
分散液または溶液に分散させるには、ディゾルバー、ハ
イスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロール
ミル、サンドミル、アトライター等の分散機を使用する
ことが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
例中、「部」「%」は、それぞれ「重量部」「重量%」
をそれぞれ表す。
【0022】製造例1 温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた四つ口フラスコ
に、ポリプロピレングリコール(水酸基価55mg KOH/g)
200部、ジメチロールプロピオン酸20.6部、メチ
ルエチルケトン200部、オクチル酸錫0.075部を
仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱す
る。1時間還流後、イソホロンジイソシアネート69.
9部を添加し、同温度で4時間反応させイソシアネート
末端プレポリマー溶液を得た。さらに反応液の温度を4
0℃に冷却し、イソホロンジアミン14.5部とメチル
エチルケトン180部の混合液中にプレポリマー溶液4
41部を滴下して、その後60℃に昇温し2時間反応さ
せ、アミン末端ポリマー溶液を得た。このポリマーの数
平均分子量は10000、酸価は30mg KOH/gであっ
た。さらに、メチルエチルケトン400部、トリエチル
アミン17.0部を添加した混合物に、銅フタロシアニ
ンスルホニルクロリド(1分子当たり平均1.2個のク
ロロスルホニル基を含有する。)49.2部を加え、8
0℃で2時間反応させた。未反応物および溶媒を除去
し、化合物(a)258部を含むペーストを得た。
【0023】製造例2 温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた四つ口フラスコ
に、ポリプロピレングリコール(水酸基価55mg KOH/g)
200部、ジメチロールプロピオン酸20.6部、メチ
ルエチルケトン200部、オクチル酸錫0.075部を
仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱す
る。1時間還流後、イソホロンジイソシアネート67.
1部を添加し、同温度で4時間反応させイソシアネート
末端プレポリマー溶液を得た。さらに反応液の温度を4
0℃に冷却し、イソホロンジアミン10.0部とメチル
エチルケトン180部の混合液中にプレポリマー溶液4
39部を滴下して、その後60℃に昇温し2時間反応さ
せ、アミン末端ポリマー溶液を得た。このポリマーの数
平均分子量は20000、酸価は30mg KOH/gであっ
た。さらに、メチルエチルケトン400部、トリエチル
アミン8.1部を添加した混合物に、銅フタロシアニン
カルボニルクロリド25.9部を加え、80℃で2時間
反応させた。未反応物および溶媒を除去し、化合物
(b)262部を含むペーストを得た。
【0024】製造例3 製造例1の銅フタロシアニンスルホニルクロリド49.
2部をキナクリドンスルホニルクロリド(1分子当たり
平均1.5個のクロロスルホニル基を含有する。)2
6.1部に変えて合成した後、未反応物および溶媒を除
去し、化合物(c)233部を含むペーストを得た。
【0025】製造例4 製造例2の銅フタロシアニンカルボニルクロリド25.
9部をジオキサジンスルホニルクロリド(1分子当たり
平均1.7個のクロロスルホニル基を含有する。)1
8.1部に変えて合成した後、未反応物および溶媒を除
去し、化合物(d)229部を含むペーストを得た。
【0026】製造例5 製造例1で得たアミン末端ポリマー100部を含む溶液
に水400部を加え、溶媒を水に置換した懸濁液とし、
アセトアセチルアミノベンゼンスルホニルクロリド5.
7部を反応させた化合物と、4,4−ジクロロベンジジ
ンを常法によりジアゾ化したジアゾニウム液とを常法に
よりカップリングし、未反応物および溶媒を除去し、化
合物(e)124部を含むペーストを得た。
【0027】実施例1〜9、比較例1〜8 表1のように、顔料、製造例1〜5にて合成した化合物
(a)〜(e)、水溶性アクリル系共重合体樹脂溶液
(重量平均分子量25000、酸価60mg KOH/g、アク
リル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/メタアク
リル酸エチル/メタクリル酸メチル/酢酸ビニル共重合
体、固形分20%)及びイオン交換水を配合し、分散し
た後にメラミン樹脂(三井サイテック(株)製「サイメ
ル303」)を配合して、水性のアクリル樹脂/アミノ
樹脂系の塗料を得た。得られた水性塗料を4ミルのフィ
ルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、14
0℃で30分間焼き付けた。表1に示すように、本発明
の顔料分散剤を用いた系は、顔料がより微細に分散され
たため塗膜光沢において、顔料分散剤を用いない系より
も優れていた。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により、インキおよび塗料などの
顔料分散体において、顔料の分散性を向上せしめ、非集
合性、流動性などの使用適性および、塗布物の色調の鮮
明性、光沢などを著しく向上させることができるよにな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−77986(JP,A) 特開 昭63−264674(JP,A) 特開 平5−320561(JP,A) 特開 平6−212088(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 67/20 C09B 67/46 C09B 69/10 C09D 17/00 B01F 17/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −COClおよび−SO2 Clから選ば
    れる少なくとも一種の反応基を有する有機色素と、第1
    級アミノ基および第2級アミノ基から選ばれる少なくと
    も一種の反応基を末端にのみ有する水性線状ウレタン系
    重合体とを反応させてなる水系用顔料分散剤。
  2. 【請求項2】 顔料および請求項1記載の水系用顔料分
    散剤からなる顔料組成物。
  3. 【請求項3】 顔料、請求項1記載の水系用顔料分散剤
    および水性樹脂からなることを特徴とする水性顔料分散
    体。
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