JP4186386B2 - ポリウレタンの製造方法、及び該製造方法によって得られるポリウレタンの利用 - Google Patents

ポリウレタンの製造方法、及び該製造方法によって得られるポリウレタンの利用 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性化し得るポリウレタンの製造方法、及び該製造方法によって得られるポリウレタンを用いた水性印刷インキに関するものである。本発明の製造方法によって得られるポリウレタンは、水性化、即ち水に溶解もしくは分散し得るものでありながら、耐水性、耐有機溶剤性及び密着性に優れる塗膜を形成.し得るので、水性塗料、水性インキ、水性接着剤等に適用でき、とりわけ水性印刷インキに好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン(以下、ウレタン樹脂ということもある)は、基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性に優れていることから、塗料、インキ、接着剤、各種コーティング剤として、紙、プラスチックス、フィルム、金属、繊維製品等に幅広く使用されている。
従来、ポリウレタンを水性媒体に溶解ないしは分散せしめてなるポリウレタンの水性溶液、エマルジョン、コロイダルデスバージョン等(以上をまとめてポリウレタンの水性溶液等という)は、主としてアセトン、メチルエチルケトン、n一メチルピロリドン、芳香族系有機溶剤等の中でポリウレタンを製造した後、脱溶剤過程及び水性化過程を経ることによって得ていた(Progress in Organlc Coatings、、281、(1981))。
【0003】
ところで、ポリウレタンを水性化せしめるには、水性媒体との親和性に富む部分をポリウレタン中に導入する必要があり、一般に大きく2つの方法がある。
1つは、ポリウレタン中に−(CH2CH2O)n−を導入する方法であり、ポリウレタンの原料の1つとして−(CH2CH2O)n−を有するジオール成分を使用することによって、ポリウレタン中に−(CH2CH2O)n−を導入することができる。
もう1つは、水性媒体中でイオン化可能な解離基をポリウレタンに導入する方法であり、このようなポリウレタンは、イオン化可能な解離基を有する原料を用いることによって得ることができる。多くの場合、イオン化可能な解離基を有する原料としては、カルボキシル基、スルフォン酸基(−SO3H)、又は3級アミノ基等を有するジオールが用いられる。ポリウレタンを得た後にこれらのイオン化可能な解離基を中和等せしめることによって、ポリウレタンを水性媒体に溶解ないしは分散せしめることができる。
【0004】
しかし、ポリウレタンを十分に水性化できる程度に−(CH2CH2O)n−、又はイオン化可能な解離基のいずれか一方を導入すると、得られる塗膜の耐水性が不十分となる。
これに対し、その理由は詳細には解明されていないが、−(CH2CH2O)n−及びイオン化可能な解離基によって水性化し得るポリウレタンは、−(CH2CH2O)n−又はイオン化可能な解離基のいずれか一方を導入してなるポリウレタンよりも、耐水性に富む塗膜を形成することができる。そこで、従来より−(CH2CH2O)n−及びイオン化可能な解離基を併せ持つポリウレタンを水性化してなるものが、印刷インキ等に好適に適用されてきた。
【0005】
ポリウレタンを水性化してなるもの、即ち、ポリウレタンの水性溶液等は、使用、取扱いの点では従来のポリウレタンの有機溶剤溶液よりも優れたものではあるが、その製造過程において多量の有機溶剤を使用しているので、ポリウレタンを得た後、水性化に際し、上記したように有機溶剤を除去する工程が必要であった。この脱溶剤工程には労力、時間、コストを要するので作業性、生産性、経済性の点で問題があった。さらに、再利用するにせよ、焼却廃棄するにせよ、水性化する際に除去した有機溶剤を如何に処理するかということも大きな問題であった。
そこで、塗料、インキ、接着剤等に好適なポリウレタンであって、有機溶剤を除去する工程を経ることなく水性化し得るポリウレタンの開発が、強く要望されていた。
【0006】
ここで、脱溶剤の工程を省くことを目的として、アセトン、メチルエチルケトン、n−メチルピロリドン、芳香族系有機溶剤等の有機溶剤を単純に用いないという方法も考えられる。
しかし、−(CH2CH2O)n−を有するジオール成分と、カルボキシル基等を有するジオール成分とは一般に相溶性が悪いので、これらを併用しつつ、有機溶剤を単に用いずにポリウレタンを得た場合には、均一なポリウレタンを得ることができなかった。その結果、水性溶液ないしは水性分散体としての保存安定性に欠けるばかりでなく、インキ、塗料等として用いた場合には、基材への密着性が不十分となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水性化可能なポリウレタンであって、耐水性及び基材への密着性に富むインキ塗膜等を形成し得るポリウレタンを有機溶剤を除去する工程を経ずに得ることを目的とし、さらに係るポリウレタンを用いて水性インキを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的に鑑み、鋭意検討した結果、相溶性の悪い−(CH2CH2O)n−を有するジオール成分と、カルボキシル基等のイオン化可能な解離基を有するジオール成分とを相溶化温度以上に加熱することによって、両者を併用しつつ、有機溶剤を除去する工程を経ずに水性化可能なポリウレタンを製造し得る方法を見出し、本発明を完成した。即ち、第1の発明は、ポリエチレングリコール(a1)及びイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)を含むポリオール(A)を無溶媒下に前記ポリオール(A)の相溶温度以上に加熱した後に、ポリオール(A)の相溶温度以上で、前記ポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを反応せしめることを特徴とするポリウレタンの製造方法である。
【0010】
の発明は、ポリオール(A)が、ポリエチレングリコール(a1)及びイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)以外のジオール(a3)を含むことを特徴とする第1の発明に記載のポリウレタンの製造方法である。
【0011】
の発明は、ジオール(a3)が、1,4−シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする第の発明記載のポリウレタンの製造方法である。
【0012】
の発明は、ポリオール(A)が、水酸基を3個以上有するポリオール(a4)を含むことを特徴とする第1ないし第の発明いずれかに記載のポリウレタンの製造方法である。
【0013】
の発明は、水酸基を3個以上有するポリオール(a4)が、ポリオール(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に0.05〜3重量%であることを特徴とする第の発明記載のポリウレタンの製造方法である。
【0014】
の発明は、ポリイソシアネート化合物(B)が、ジイソシアネート化合物(b1)を含むことを特徴とする第1ないし第の発明いずれかに記載のポリウレタンの製造方法である。
【0015】
の発明は、ポリイソシアネート化合物(B)が、イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)を含むことを特徴とする第1ないし第の発明いずれかに記載のポリウレタンの製造方法である。
【0016】
の発明は、ポリイソシアネート化合物(B)が、3官能性イソシアネート化合物(b3)を含むことを特徴とする第1ないし第の発明いずれかに記載のポリウレタンの製造方法である。
【0017】
の発明は、3官能性イソシアネート化合物(b3)が、ポリオール(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に0.5〜5重量%であることを特徴とする第の発明に記載のポリウレタンの製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の最も大きな特徴は、相溶性の悪い−(CH2CH2O)n−を有するジオール成分と、カルポキシル基等のイオン化可能な解離基を有するジオール成分とを含むポリオール(A)を、無溶媒下、相溶温度以上に加熱し、ポリオール(A)を均一にした後に、均一な状態にある前記ポリオール(A)をポリイソシアネート化合物(B)と反応せしめることである。
つまり、ポリオール(A)を均一な状態にした後に、該ポリオール(A)をポリイソシアネート化合物(B)と反応せしめることによって、有機溶剤を使用しないにも関わらず、有機溶剤中で製造した場合と同様に均一なポリウレタンを得ることができる。
【0024】
本発明に用いるポリエチレングリコール(a1)としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の低分子量のポリエチレングリコールの他、重合度10〜120程度の高分子量のポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体(以下、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールという)、さらには上記のポリエチレングリコールと二塩基酸との重縮合により得られる両末端が水酸基のポリエステル系のポリエチレングリコールも挙げられる。
【0025】
ここで用いられる二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。また、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオールも必要に応じて用いることができる。
【0026】
ポリエチレングリコール(a1)は、ポリオール(A)及び後述するポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に1〜20重量%含まれるように使用することが好ましい。1重量%未満では重付加によって得られるポリウレタンの水性化能が不十分となり易く、分散粒子の粒径の大きな分散体になり易い。その結果、水性分散体としての分散安定性を損ない易い。あるいはポリエチレングリコール(a1)を1重量%未満しか含まない原料から得られるポリウレタンを水性媒体に分散ないしは水溶化するためには、イオン化可能な解離基を多量に含ませる必要があり、その結果係るポリウレタンを含有するインキ、塗料等を用いて塗膜(皮膜)を形成した場合に、当該塗膜の耐水性が不良となり易い。
一方、20重量%を越えるポリエチレングリコール(a1)を用いて得たポリウレタンを含有するインキ、塗料等を用いて塗膜(皮膜)を形成した場合には、当該塗膜の耐水性が不良となり易い。
【0027】
本発明に用いるイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基(−SO3H)又は3級アミノ基等を有するジオールが用いられる。
カルボキシル基含有ジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。特に、反応性、溶解性点からはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸が好ましい。
3級アミノ基含有ジオールとしては、アルキル(ジヒドロキシアルキル)アミンが挙げられる。
ポリウレタンを得た後、これらジオール(a2)に由来するイオン化可能な解離基を中和等することによってポリウレタンを水性化し得る。
イオン化可能な解離基を有するジオール(a2)は、ポリオール(A)及び後述するポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に1〜30重量%含まれるように使用することが好ましい。1重量%未満では重付加によって得られるポリウレタンの水性化能が不十分となり易く、分散粒子の粒径の大きな分散体になり易い。その結果水性分散体としての分散安定性を損ない易い。一方、30重量%を越えるジオール(a2)を用いて得たポリウレタンを含有するインキ、塗料等を用いて塗膜(皮膜)を形成した場合に、当該塗膜の耐水性が不良となり易い。
【0028】
本発明において用いられるポリオール(A)のうち、上記のポリエチレングリコール(a1)及びイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)以外のポリオールとしては、上記(a1)(a2)以外のジオール(a3)の他、水酸基を3個以上有するポリオール(a4)が挙げられる。
上記(a1)(a2)以外のジオール(a3)としては、例えば、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の他、ポリカプロラクトン、ポリβ−メチルーδ−バレロラクトン等のラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネイトジオール等が挙げられ、環状脂肪族の1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用すると、結晶性が高くなり凝集力の大きなポリウレタンが得られる。
さらに、これらのジオールと、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸とを縮合してなるポリエステルジオールが挙げられる。
【0029】
水酸基を3個以上有するポリオール(a4)を使用すると得られるポリウレタンの凝集力が増し、係るポリウレタンを水性印刷インキ等に用いた場合、塗膜の耐揉み、耐スクラッチ性が向上する。水酸基を3個以上有するポリオール(a4)を使用する場合には、ポリオール(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に0.05〜3重量%含まれるように使用することが好ましい。0.05重量%未満では未使用の場合に比してさほど疑集力が向上せず、3重量%を越えるとポリイソシアネート化合物(B)との反応時にゲル化し易くなる。
本発明において用いられる水酸基を3個以上有するポリオール(a4)としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等がある。
【0030】
ポリエチレングリコール(a1)、イオン化可能な解離基を有するジオール(a2)、他のジオール(a3)、及び水酸基を3個以上有するポリオール(a4)は、それぞれ数平均分子量が5,000以下であることが好ましい。数平均平均分子量が5,000を越えると、ポリイソシアネート化合物(B)との反応時に著しく増粘し、強力な撹拌措置が必要になる場合もある。
【0031】
上記したように本発明では、相溶性の悪いポリエチレングリコール(a1)と、カルボキシル基等のイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)とを必須成分として、そして他のジオール(a3)及び/又は水酸基を3個以上有するポリオール(a4)を任意成分として含むポリオール(A)を、無溶媒下、まず相溶温度以上に加熱して、ポリオール(A)を均一にすること、具体的にはポリオール(A)がほぼ透明になるまで加熱することが重要である。相溶温度は、ポリエチレングリコール(a1)、イオン化可能な解離基を有するジオール(a2)及びその他のポリオール成分の種類、それぞれの量により決まる。
さらに、本発明では、ポリオール(A)を均一にした後、相溶温度以上のポリオール(A)に、ポリイソシアネート化合物(B)を添加し、相溶温度以上でポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを反応せしめることが好ましい。
【0032】
本発明に用いるポリイソシアネート化合物(B)としては、ジイソシアネート化合物(b1)、イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)、3官能性イソシアネート化合物(b3)等が挙げられ、これらを単独で、または複数併用することができる。
ジイソシアネート化合物(bl)としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、P−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシー4,4’−ビフエニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、
イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIという)、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(以下、NBDIという)等の脂環式のジイソシアネート化合物が挙げられる。
【0033】
次にイソシアネート基を有するウレア化合物(b2)について説明する。
イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)と前述のポリオール(A)とを用いてなるポリウレタンポリウレアは、ウレア結合を有しない場合に比して伸び及び強度に優れるので、係るポリウレタンポリウレアを用いてなる水性印刷インキ、塗料等からは特に薄く強靭な塗膜を得ることができる。
イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)は、例えば、2官能のアミン化合物と上述のジイソシアネート化合物(b1)とをイソシアネート基過剰の条件下に反応せしめることによって得ることができる。
具体的には、過剰のイソシアネート化合物の中にアミン化合物を室温下で添加することが好ましい。ジアミン化合物とジイソシアネート化合物とのモル比は、1/3〜1/50であることが好ましい。1/3未満だと得られるイソシアネート基を有するウレア化合物(b2)の粘度が極めて高くなったり、凝集塊ができやすい。また、1/50を越えるとアミン化合物に由来するウレア結合、ビュレツト結合が少なくなり、疑集力が低下する。
【0034】
イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)を得る際に用いられる2官能のアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン等の脂環族ジアミン、ピベラジン、ジフェニルジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
また、下記一般式(1)で示されるエチレンオキサイド鎖を有するジアミン化合物(以下、EOジアミン化合物という)も必要に応じて使用することができる。イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)の原料の1つとして下記一般式(1)で示されるエチレンオキサイド鎖を有するジアミン化合物を使用する場合には、ポリエチレングリコール(a1)の使用量も考慮し、生成物たるポリウレタン中に占める−(CH2CH2O)n−の量を勘案して、その使用量を決定することが好ましい。
一般式(1)
H2N−R−(OCH2CH2n−O−R’−NH2
(式中、R及びR’は、それぞれ独立に炭素数1〜7のアルキレン基であり、nは1〜500の整数である。)
EOジアミン化合物のエチレンオキサイドの繰り返し数、即ち上記一般式中のnは1〜500であり、好ましくは20〜100である。水性化の点からはnは大きい方が好ましいが、形成される塗膜の耐水性の点からは大きすぎない方が好ましい。
また、エチレンオキサイド鎖の両末端に結合している−R−、−R’−で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−エチルテトラメチレン、などの鎖状のアルキレン基や、シクロテトラメチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、メチルシクロヘキシレン等のシクロアルキレン基が挙げられ、エチレンが好ましい。
例えば、日本油脂(株)製のPEG1000ジアミン、PEG2000ジアミン等が挙げられる。
さらに必要応じてトリエチレンテトラミン等の3官能以上のアミン化合物も用いることができる。
【0035】
イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)を得る際に用いられるジイソシアネート化合物(bl)としては、前記のものが同様に例示できる。
さらに必要応じて後述する3官能以上のイソシアネート化合物やモノイソシアネート化合物も用いることできる。
【0036】
次に、ポリイソシアネート化合物(B)のうち3官能性イソシアネート化合物(b3)について説明する。
3官能性イソシアネート化合物(b3)としては、
1)トリメチロールプロパンのアダクト体タイプ、例えばタケネートD−160N(武田薬品工業(株)製)、スミジュールHT(住友バイエルウレタン(株)製)、
2)ビュレツト体タイプ、例えばタケネートD−165N(武田薬品工業(株)製)、スミジュールN3200(住友バイエルウレタン(株)製)、
3)イソシアヌレート環タイプ、例えばVESTANAT T1890(ヒュルス(株)製)等がある。
3官能性イソシアネート化合物(b3)を使用する場合には、ポリオール(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に0.5〜5重量%含まれるように使用することが好ましい。0.5重量%未満では未使用の場合に比して得られるポリウレタンの凝集力がさほど向上しない。一方、5重量%を越えるとポリオール(A)との反応時に、増粘し易く、ゲル化し易い。
【0037】
ポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応には触媒を用いなくても十分であるが、必要に応じて用いることも可能である。
触媒としては、公知の金属系触媒、アミン系触媒が使用できる。
金属系触媒のうち、有機金属系触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)、2−エチルヘキソエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキソエート鉄、2一エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチルすず等が、無機金属系触媒としては、塩化第一錫、塩化第二錫、塩化鉄等が挙げられる。
【0038】
ポリイソシアネート化合物(B)として、イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)以外のジソシアネート化合物(b1)や3官能性イソシアネート化合物(b3)を用いる場合には、ポリオール(A)とこれらイソシアネート化合物との反応は、120〜200℃で10分〜2時間行うのが好ましく、ポリオール(A)中にこれらイソシアネート化合物を添加ないしは滴下することが好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物(B)として、イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)を含むものを用いる場合にも、120〜200℃で10分〜2時間、ポリオール(A)と反応させるのが好ましく、ポリオール(A)中にこれらイソシアネート化合物を添加ないしは滴下することが好ましい。この場合ポリオール(A)中にイソシアネート基を有するウレア化合物(b2)等を添加ないしは滴下するに際し、イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)等を前もって加熱しておくとポリイソシアネート化合物(B)の粘度が低下し、滴下、添加が容易になる場合もある。
このようにして得られるポリウレタンポリウレアは、ウレタン結合、ウレア結合の他、アロファネート結合、ビュレツト結合等が混在した樹脂になる場合もある。
尚、反応の終点は、どのイソシアネート化合物を用いる場合でも、粘度測定、IR(赤外)測定によるNCOピークの消失により確認できる。
【0039】
ポリオール(A)とイソシアネート基を有するウレア化合物(B)との反応によって得られるポリウレタンポリウレアは、数平均分子量5,000〜20,000であることが好ましく、数平均分子量5,000〜18,000であることがより好ましい。
数平均分子量が5,000未満のポリウレタンポリウレアを含有する水性印刷インキ等を用いると、得られる塗膜の耐ブロッキング性、耐レトルト性等が劣る傾向にある。
無溶媒下でポリオール(A)とイソシアネート基を有するウレア化合物(B)とを反応せしめる場合は、溶剤の存在下に両者を反応せしめる場合に比して、一般に反応系の粘度が高くなる。粘度が著しく高くなると十分に撹拌することが困難となり、均一に反応せしめ難くなる。その結果、反応終了まで長時間を要し易すくなる。従って、溶剤の存在下にポリオール(A)とイソシアネート基を有するウレア化合物(B)とを反応せしめる場合に比して、無溶剤下に両者を反応せしめる場合には、得られるポリウレタンポリウレアの分子量を比較的小さくすることが好ましい。即ち、数平均分子量で20,000以下程度におさめることが好ましい。さらに、数平均分子量18,000を越えるポリウレタンポリウレアを含有する水性印刷インキ等を用いると、再溶解性ないしは再分散しにくくなるので、数平均分子量は18,000以下であることが好ましい。
再溶解性等とは、即ち、印刷中及び印刷後に刷版ロール等に付着した印刷インキが乾燥した場合に、その乾燥物がインキ中に再度溶解ないしは分散することをいう。係る再溶解性ないしは再分散性が悪くなると、印刷を止め、刷版ロール等を頻繁に洗浄することを余儀なくされ、作業性が悪くなる傾向にあるばかりでなく、印刷後の塗膜中にも擬集物が発生し易くなる。
【0040】
尚、上記のようにして得られるポリウレタンは、後述するように水性媒体に容易に溶解ないしは分散し得るようにするために、ポリウレタン100重量%中に、−(CH2CH2O)−を0.5〜15重量%有することが好ましく、2〜10重量%有することがより好ましい。さらに、イオン化可能な解離基がカルボキシル基の場合には、ポリウレタンの酸価は、15〜45(mgKOH/g)であることが好ましく、25〜40(mgKOH/g)であることがより好ましい。
【0041】
上記のようにして得られたポリウレタンは、例えばウレタン化反応の後、そのまま水性媒体に溶解ないしは分散せしめてもよいし、あるいはウレタン化反応後そのまま取り出すこともできる。取り出した後、常温で固体のポリウレタンであれば、冷却、粉砕し、適度な大きさのペレツト状、粒状、粉状としてもよい。そして、その後固体ないしは粘稠のポリウレタンを水性媒体に溶解ないし分散せしめて、ポリウレタンの水性溶液ないしは水性分散体を得ることもできる。
または固体ないしは粘稠のポリウレタンと乾燥工程を経た顔料とを水性媒体の存在下又は不存在下に混練したり、あるいは固体ないしは粘稠のポリウレタンと顔料の水性ペーストとを混練したりして、処理顔料(加工顔料)を得ることもできる。
【0042】
ポリウレタンの水性溶液ないしは水性分散体は、以下に示すような種々の方法で得ることができる。
(1)ウレタン化反応の後、該ポリウレタンを取り出し、ポリウレタンを水性媒体に溶解ないし分散せしめる。
水性媒体とは、水、又は水及び水酸基を有する有機溶剤をいう。単に「水性化」という点からは、水のみを使用することが好ましいが、ポリウレタンの溶解性、分散安定性の確保等の観点からは水酸基を有する有機溶剤を併用することが好ましい。この場合、▲1▼ポリウレタンに水酸基を有する有機溶剤を加えてから、次いで水を加えてもよいし、▲2▼水と水酸基を有する有機溶剤との混合物をポリウレタンに加えてもよいし、▲3▼ポリウレタンに水を加えてから、次いで水酸基を有する有機溶剤を加えてもよいし、▲4▼あるいは水酸基を有する有機溶剤にポリウレタンを加えてから、次いで水を加えても良いし、▲5▼水と水酸基を有する有機溶剤との混合物にポリウレタンを加えてもよいし、▲6▼ポリウレタンに水を加えてから、次いで水酸基を有する有機溶剤を加えてもよいが、ポリウレタンに水酸基を有する有機溶剤を加えてポリウレタンを水酸基を有する有機溶剤に溶解した後、該ポリウレタン溶液に水を加え、ポリウレタンを水性媒体に溶解ないし分散せしめることが好ましい。
(2)上記(1)の場合において、さらにイオン化可能な解離基を中和等するための塩基性化合物、又は酸性の化合物等を使用することもできる。
この場合、水、水酸基を有する有機溶剤、塩基性化合物等の使用順序、添加順序は適宜選択することができる。
(3)ウレタン化反応の後、ポリウレタンを取り出さずに一連の作業・工程として、ポリウレタンを水性媒体に溶解ないし分散せしめる。
水酸基を有する有機溶剤を併用することが好ましい。添加の順序は適宜選択できるが、ポリウレタンに水酸基を有する有機溶剤を加えてポリウレタンを水酸基を有する有機溶剤に溶解した後、該ポリウレタン溶液に水を加え、ポリウレタンを水性化、即ち水性媒体に溶解ないし分散せしめることが好ましい点は、上記(1)め場合と同様である。
(4)上記(3)の場合において、(2)の場合と同様にさらにイオン化可能な解離基を中和等するための塩基性化合物等を使用することもできる。
この場合も、水、水酸基を有する有機溶剤、塩基性化合物等の使用順序、添加順序は適宜選択することができる。
【0043】
作業性の観点からは、上記(3)(4)が好ましく、特に(4)が好ましい。さらに、高粘稠状態にあるポリウレタンと水ないしは塩基性化合物等とは相溶し難い場合も多いので、(イ)高粘稠状態にあるポリウレタンにまず水酸基を有する有機溶剤を加えた後に、水及び塩基性化合物等とをはぼ同時に加えたり、(ロ)ポリウレタンにまず水酸基を有する有機溶剤を加えた後に、水を加え、次いで塩基性化合物等を加えたり、又は(ハ)ポリウレタンにまず水酸基を有する有機溶剤を加えた後に、塩基性化合物等を加え、次いで水を加えたり、あるいは(ニ)ポリウレタンにまず水酸基を有する有機溶剤を加えた後に、水と塩基性化合物等との混合物を加えたりすることが好ましい。
【0044】
水性化の際に用いられる水酸基を有する有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート(テキサノール、イーストマンケミカル社製)等を単独、或いは混合して用いることができる。
これら水酸基を有する有機溶剤のうち、ポリウレタンの水性溶液等の粘度を低く抑えるという機能、あるいは成膜助剤、塗工助剤としての機能の面からは、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及び2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3一モノイソブチレートが好ましく、ポリウレタンの水性溶液等を水性印刷インキに用いる場合には、特にイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールを使用することが好ましい。
また、これら水酸基を有する有機溶剤の他に、必要に応じて水酸基を有しない有機溶剤を併用することも可能である。
【0045】
イオン化可能な解離基を有するジオール(a2)として、カルボキシル基含有ジオールを用いた場合には、該ジオール(a2)由来のカルボキシル基を塩基性化合物で中和することにより、水性化し得る。
使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノー2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチルー1−プロパノール、モルホリン等が挙げられ単独、又は2種類以上を混合して使用することもできる。ポリウレタンに対するなじみ易さ、水分散後の安定性等を考慮してこれら塩基性化合物を適宜選択し、使用することが好ましい。ジメチロールアルカン酸等のカルボキシル基を有するジオールの中和においては、カルボキシル基1当量に対し0.6〜1.2当量の塩基性化合物を使用することが好ましい。
【0046】
イオン化可能な解離基を有するジオール(a2)として、3級アミノ基含有ジオールを用いた場合には、該ジオール(a2)由来の3級アミノ基を酸性化合物やアルキル化剤で4級化することにより、水性化し得る。
【0047】
本発明には、界面活性剤を使用しないことが好ましいが、ポリウレタンの水性分散体の安定性を改良する目的で少量の界面活性剤の併用も可能である。
界面活性剤を使用する場合、水酸基を有する有機溶剤に溶解し添加する方法、水に溶解、分散した状態で漆加する方法等がある。
界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルフオコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル等のノニオン性界面活性剤がある。
【0048】
このようにして得られた本発明のポリウレタンは、特に水性印刷インキとして有用であり、また水性の塗料、接着剤のビヒクル、バインダー樹脂、またポリオレフインヘの密着性にも優れていることから種々のプライマーにも適用することができる。
【0049】
【実施例】
以下の実施例によって本発明を詳細に説明する。実施例中の「部」は「重量部」を表す。
実施例1
還流冷却管、滴下満斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール13部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸7部、及び(a3)として数平均分子量約1,500(水酸基価76)のポリテトラメチレングリコール57部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート23部を20分間かけて滴下し、その後、徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約11,500のポリウレタン(C1)を得た。
次に冷却しながらn−プロピルアルコール20部を徐々に加え、ポリウレタン(C1)を溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C1)の水性分散体を得た。
【0050】
得られた水性分散体の分散性、保存安定性を以下に示す評価方法及び基準で評価し、その結果を表1に示す。
1)分散性:ブツの発生の有無、フラスコ内壁の汚れの有無等を目視で評価した。
◎:ブツの発生及びフラスコ内壁の汚れもなく、水分散性が非常に良い。
○:ブツの発生はない。フラスコ内壁にやや付着物が生じるが、該付着物は水で洗浄すれば速やかに除去できる程度であり、水分適性が良い。
△:ブツが若干発生するか、又はフラスコ内壁にやや付着物が生じたりし、水分散性が少し悪い。
×:ブツが発生するか、又はフラスコ内壁に付着物が生じ、水で洗浄した程度では、該付着物は簡単には除去できない状態にあり、水分散性が悪い。
【0051】
2)保存安定性
ポリウレタンの水性分散体を40℃の恒温槽に30日間入れ沈殿物の程度を調べた。
◎ 沈殿物がない。
○ 沈殿集物が殆どない。
△ 沈殿物が少し生じる。
× 沈殿物がかなり生じる。
【0052】
実施例2
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール10部、(a2)としてジメチロールブタン酸7部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール63部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてジフェニルメタンジイソシアネート20部を20分間かけて滴下し、その後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約12,000のポリウレタン(C2)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタン(C2)を溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C2)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0053】
実施例3
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量2,000(水酸基価56)のポリエチレングルコール5部、(a2)としてジメチロールブタン酸10部、(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリカプロラクトンジオール40部、及び(a3)として1,4−シクロヘキサンジメタノール10部を仕込み、乾燥窒素で置換し、170℃まで昇湿し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート35部を20分間かけて滴下し、その後、徐々に190℃まで昇湿した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約10,500のポリウレタン(C3)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタン(C3)を溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水3部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C3)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0054】
実施例4
実施例3で用いたイソホロンジイソシアネート 35部の代わりに、ノルボルナンジイソシアネート 34.5部を用いた以外は、実施例3と同様にして、数平均分子量約11,000のポリウレタン(C4)を得、以下同様にして固形分約24重量%のポリウレタン(C4)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0055】
実施例5
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール8部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸8部、(a3)として数平均分子量約1,500(水酸基価76)のポリテトラメチレングリコール63部、及び(a4)としてトリメチロールプロパン0.03部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート21部を20分間かけて滴下し、滴下後、徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約13,000のポリウレタン(C5)を得た。
次に冷却しながらn−プロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C5)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0056】
実施例6
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール10部、(a2)としてジメチロールブタン酸7部、(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール62部、及び(a4)としてトリメチロールプロパン1部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてジフエニルメタンジイソシアネート20部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約12,000のポリウレタン(C6)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン樹脂(C6)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0057】
実施例7
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入菅、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量2,000(水酸基価56)のポリエチレングルコール5部、(a2)としてジメチロールブタン酸9部、(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリカブロラクトンジオール63部、及び(a4)としてトリメチロールプロパン2部を仕込み、乾操窒素で置換し、170℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート21部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約11,500のポリウレタン(C7)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水3部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン樹脂(C7)の水性分散体を得た
得られた分故体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0058】
実施例8
撹拌装置、窒素導入管を備えた100mlのフラスコに、イソホロンジイソシアネート29部を仕込み、室温で、激しく撹拌しながヘキサメチレンジアミン4部を加え、イソシアネート基を有するウレア化合物を得た。
次に還流冷却管、窒素導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコを乾燥窒素で置換し、(a1)として数平均分子量2,000(水酸基価56)のポリエチレングルコール4部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸10部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール53部を仕込み、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、先に得たウレア化合物全量を10分かけて加え、添加後190℃まで徐々に昇温し、昇温後更に20分反応させ、数平均分子量約9,500のポリウレタンポリウレア(C8)を得た。
次に冷却しながらアンモニア水5部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタンポリウレア(C8)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0059】
実施例9
撹拌装置、窒素導入管を備えた100mlのフラスコに、イソホロンジイソシアネート29部を仕込み、室温で、激しく撹拌しながジブチルアミン3部を加え、イソシアネート基を有するウレア化合物を得た。
次に還流冷却管、窒素導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコを乾燥窒素で置換し、(a1)として数平均分子量2,000(水酸基価56)のポリエチレングルコール7部、(a2)としてジメチロールブタン酸7部、(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール47部、及び(a3)として1,4−シクロヘキサンジメタノール7部を仕込み、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、先に得たウレア化合物全量を10分間かけて加え、添加後190℃まで徐々に昇温し、昇温後更に20分反応させ、数平均分子量約6,000のポリウレタンポリウレア(C9)を得た。
次に冷却しながらアンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタンポリウレア(C9)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0060】
実施例10
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール13部、(a2)としてジメチロールブタン酸8部、及び(a3)として数平均分子量約1,500(水酸基価76)のポリテトラメチレングリコール57部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート22部、(b3)としてタケネートD−160N(トリメチロールプロパンアダクト体)0.2部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ数平均分子量約11,500のポリウレタン(C10)を得た。
次に冷却しながらn−プロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水5部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C10)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0061】
実施例11
還流冷却管、滴下満斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール10部、(a2)としてジメチロールブタン酸8部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール63部を仕込み、乾操窒素で置換し、160℃まで昇湿し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてジフェニルメタンジイソシアネート18部、(b3)としてタケネートD−160N(トリメチロールプロパンアダクト体)1部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ数平均分子量約13,500のポリウレタン(C11)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C11)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0062】
実施例12
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに(a1)として数平均分子量2,000(水酸基価56)のポリエチレングルコール6部、(a2)としてジメチロールブタン酸10部、(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリカプロラクトンジオール40部及び(a3)として1,4−シクロヘキサンジメタノール10部、を仕込み、乾燥窒素で置換し、170℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート33部、(b3)としてスミジュールN3200(ビュレツト体)1部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ数平均分子量約13,500のポリウレタン(C12)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C12)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表1に示す。
【0063】
比較例1
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール10部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸7部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール63部を仕込み、乾燥窒素で置換し、110℃まで昇温したが、不透明状態であった。
同温度で撹拌下、(b1)としてジフェニルメタンジイソシアネート20部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約9,500のポリウレタン(C13)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C13)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表2に示す。
【0064】
比較例2
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a2)としてジメチロールプロピオン酸8部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール73部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温した。
次いで撹拌下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート19部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約11,500のポリウレタン(C14)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C14)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表2に示す。
【0065】
比較例3
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール10部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸7部、(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール62部、及び(a4)としてトリメチロールプロパン1部、を仕込み、乾燥窒素で置換し、100℃まで昇温したが、不透明状態であった。
同温度で撹拌下、(b1)としてジフェニルメタンジイソシアネート20部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約9,500のポリウレタン(C15)を得た。
次に冷却しながらt一プチルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C15)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表2に示す。
【0066】
比較例4
撹拌装置、窒素導入管、を備えた100mlのフラスコに、イソホロンジイソシアネート29部を仕込み、室温で、激しく撹拌しながヘキサメチレンジアミン
4部を加えイソシアネート基を有するウレア化合物を得た。
次に還流冷却管、窒素導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコを乾燥窒素で置換し、(a1)として数平均分子量2,000(水酸基価56)のポリエチレングルコール4部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸10部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール53部を仕込み、110℃まで昇温したが、不透明状態であった。
同温度で撹拌下、先に得たウレア化合物全量を10分間かけて加え、添加後190℃まで徐々に昇温し、昇温後更に20分反応させ、数平均分子量約10,500のポリウレタンポリウレア(C16)を得た。
次に冷却しながらアンモニア水5部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタンポリウレア(C16)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表2に示す。
【0067】
比較例5
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a1)として数平均分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレングルコール10部、(a2)としてジメチロールプロピオン酸7部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール63部を仕込み、乾燥窒素で置換し、110℃まで昇温したが、不透明状態であった。
同温度で撹拌下、(b1)としてジフェニルメタンジイソシアネート19部、及び(b3)としてタケネートD−160N(トリメチロールプロパンアダクト体)0.5部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。 昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約11,000のポリウレタン(C17)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C17)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表2に示す。
【0068】
比較例6
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4ツロの1000mlフラスコに、(a2)としてジメチロールプロピオン酸8部、及び(a3)として数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリコール73部を仕込み、乾燥窒素で置換し、160℃まで昇温し、透明状態にした。
次いで撹絆下、(b1)としてイソホロンジイソシアネート19部を20分間かけて滴下し、滴下後徐々に190℃まで昇温した。昇温後更に30分反応させ、数平均分子量約11,500のポリウレタン(C18)を得た。
次に冷却しながらイソプロピルアルコール20部を徐々に加えポリウレタンを溶解させた。
更に3時間撹拌した後、アンモニア水4部を含む蒸留水300部を加え、固形分約24重量%のポリウレタン(C18)の水性分散体を得た。
得られた分散体について実施例1と同様に分散性、保存安定性を評価し、結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004186386
【0070】
【表2】
Figure 0004186386
【0071】
実施例13
実施例1で得られたポリウレタン(C1)の水性分散体 50部、
フタロシアニン系青色顔料
(東洋インキ製造株式会社製 リオノールブルーKLH) 20部、
消泡剤 0.1部、
水 29.1部
をホモミキサーにて7,000rpmで20分間撹拌し、顔料分散体を得た。
該顔料分散体に、水/イソプロピルアルコール=1/1の混合溶剤を加え、ザーンカップ#4で19秒になるように調整し、水性インキを得た。
得られた水性インキを、処理OPPフィルム(東洋紡績社製「パイレンP2161」)、処理PETフィルム(東洋紡績社製「エステルE5100」)上にそれぞれ#7のバーコ一夕で塗布し、続いて60℃の乾燥オーブンで10分間乾燥し、インキ層の各フィルムへの密着性、耐揉み性、発色性を評価した。結果を表3に示す。
【0072】
3)OPP、PETフィルムヘのインキ層の密着性の評価
インキ層にセロハンテープを貼り付けた後、これを剥がし、インキ層の剥離状態を目視で評価した。
◎ 全く剥離しない。
○ 殆ど剥離しない。
△ 少し剥離する。
× かなり剥離する。
【0073】
4)耐揉み性の評価
OPP、PETフィルム上のインキ層を手でこすり合わせる様に揉み、インキ層が剥離するまでの回数で、耐揉み性を評価した。
◎ 20回以上
○ 10以上〜20回未満
△ 5以上〜10回未満
× 5回未満
【0074】
5)発色性の評価
PETフィルム上のインキ層の発色性を、濃度、光沢、透明性より目視にて総合的に評価した。
◎ 非常に優れている
○ 優れている
△ 普通
× 劣っている
【0075】
実施例14〜24,比較例7〜12
実施例13で用いたポリウレタン(C1)の水性分散体の代わりに実施例2〜12、比較例2〜6で得たポリウレタン(C2)〜(C18)の水性分散体を用いた以外は、実施例13と同様にして水性インキを得、同様に密着性等を評価した。結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
Figure 0004186386
【0077】
【発明の効果】
本発明により、水性化可能なポリウレタンであって、耐水性及び基材への密着性に富むインキ塗膜等を形成し得るポリウレタンを有機溶剤を除去する工程を経ずに得ることができるようになった。有機溶剤を除去する工程を省くことができるようになったため生産性のみならずコストの面でも優れたポリウレタンを得ることができるようになった。また、本発明により得られるポリウレタンは、基材への密着性、耐摩耗性、耐溶剤性、耐衝撃性に優れる塗膜を形成し得るので、塗料、接着剤、インキ等の分野、とりわけ水性印刷インキに有用であり、本発明により実用性の極めて高い水性印刷インキを提供することが可能となった。

Claims (9)

  1. ポリエチレングリコール(a1)及びイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)を含むポリオール(A)を無溶媒下に前記ポリオール(A)の相溶温度以上に加熱した後に、ポリオール(A)の相溶温度以上で、前記ポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを反応せしめることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
  2. ポリオール(A)が、ポリエチレングリコール(a1)及びイオン化可能な解離基を有するジオール(a2)以外のジオール(a3)を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンの製造方法。
  3. ジオール(a3)が、1,4−シクロヘキサンジメタノールであることを特緻とする請求項2記載のポリウレタンの製造方法。
  4. ポリオール(A)が、水酸基を3個以上有するポリオール(a4)を含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
  5. 水酸基を3個以上有するポリオール(a4)が、ポリオール(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に0.05〜3重量%であることを特徴とする請求項4記載のポリウレタンの製造方法。
  6. ポリイソシアネート化合物(B)が、ジイソシアネート化合物(b1)を含むことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
  7. ポリイソシアネート化合物(B)が、イソシアネート基を有するウレア化合物(b2)を含むことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
  8. ポリイソシアネート化合物(B)が、3官能性イソシアネート化合物(b3)を含むことを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
  9. 3官能性イソシアネート化合物(b3)が、ポリオール(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計100重量%中に0.5〜5重量%であることを特徴とする請求項8記載のポリウレタンの製造方法。
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