JP4186273B2 - プラズマ表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルを用いた表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−244578号公報には、プラズマディスプレイパネル(以下PDPと略す)の2つの例の記載がある。図8は同公報に示された第1のPDPの概略ブロック図である。図において、10はパネル20と駆動回路30で構成されたパネル部であり、上記パネル20は複数のX電極21と、複数のスキャン用のY電極22と、上記Y電極22に交叉して設けられた複数のアドレス電極23を有する。
【0003】
上記駆動回路30は、上記パネル20のアドレス電極23に接続されたアドレスドライバ31と、上記パネル20のスキャン用のY電極22に接続されたスキャンドライバ32と、上記パネル20のX電極21に接続されたXドライバ33と、上記スキャンドライバ32に接続されたYドライバ34を有する。
【0004】
40は外部よりクロック信号、表示データ信号、同期信号の各信号を入力して、上記パネル20を駆動する制御回路で、41は上記アドレスドライバ31に接続された表示データ制御部、42は上記スキャンドライバ32に接続されたスキャンドライバ制御部、43は上記Xドライバ33、Yドライバ34に接続されたXYドライバ制御部である。
【0005】
以上の様な構成の従来のPDPは、図9の駆動波形により表示を行う。すなわち、PDPの全セルを同じ状態にするリセット期間と、それに続き点灯すべきセルを選択するアドレス期間と、アドレス期間中に選択されたセルの放電を維持させる維持放電期間を組み合わせて駆動される。リセット期間は、パネル20のX電極21に全面書き込みパルスを一斉に印加し、全てのセルを放電させて壁電荷の無い状態にリセットする。アドレス期間は、パネル20のY電極22のスキャンに同期して、点灯させるべきセルに対応するアドレス電極23に対しアドレスパルスを印加し、上記Y電極22とアドレス電極23との間の選択的な放電により壁電荷を蓄積する。このアドレスは、パネル20の全Y電極22を順次スキャンして行う。維持放電期間は、パネル20の全てのX電極21とY電極22との間に維持パルスを交互に印加し、上記アドレス期間中に壁電荷が蓄積されたセルのみが維持放電を行う。この維持放電期間の長さによって輝度が変化するので、PDPの階調は維持放電期間を調節して制御される。
【0006】
図10は従来のPDPの1フレーム分(16.6msec)のタイムチャート図であり、1フレームをN=6個のサブフィールドに分割した場合を示す。各サブフィールドは、それぞれが同じ長さのリセット期間とアドレス期間、及びそれぞれが異なる長さの維持放電期間で構成される。維持放電期間の長さは、各サブフィールドに対し1、2、4、・・・・、2N-1 の比率で割り当てるので、1フレームを6個のサブフィールドに分割した図12の場合には64階調の表示を行う。
【0007】
同特開平9−244578号公報記載の第2のPDPは、1個のパネルを2つの部分に分け、一方がアドレス期間の時、他方を維持放電期間とし、一方が維持放電期間の時には、他方をアドレス期間とするように駆動するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の第1のPDPは、リセット期間と維持放電期間にはパネル全面が同時に放電するので、短時間に大きな電流が流れる。このようなPDPのパネルを複数配列して表示装置を構成した場合、複数のパネルが同時にリセットの放電や維持放電を行うので、非常に大きな電流で電圧が低下して動作が不安定になったり、EMIが大きくなるといった問題点があった。
【0009】
また、従来の第2のPDPにおいても、1個のパネルでは、それを2つの部分に分けて交互にアドレスと維持を行うので電流は分散するが、複数のパネルを同時に駆動すると、パネル数に応じた大電流が流れ、従来の第1のPDPと同様に電圧が低下して動作が不安定になったり、EMIが大きくなるといった問題点があった。
【0010】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、PDPのパネルを複数配列した表示装置において、各パネルの放電時間が異なるようにして大電流を回避し、安定して動作するプラズマ表示装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
【0011】
この発明に係るプラズマ表示装置は、画像を表示するプラズマディスプレイパネル、パネルに駆動パルスを供給する駆動回路、駆動回路のパルスシーケンスを制御する制御回路を備え、パネル全面の画素を同時に放電させるリセット期間と、表示画素を選択するアドレス期間と、選択画素を点灯して画像表示を行う維持放電期間とで駆動されるプラズマディスプレイパネルを複数配列したプラズマ表示装置において、
上記複数のプラズマディスプレイパネルのリセット期間とアドレス期間と維持放電期間とを同期させ、リセット期間では、個々のプラズマディスプレイパネルのリセットとなる全面放電を上記複数の各パネルに対し順次行い、維持放電期間では、個々のプラズマディスプレイパネルの維持放電を上記複数の各パネルに対し順次行う複数のパネルの駆動回路の制御部を設けた
【0016】
また、本発明の第の構成に係るプラズマ表示装置の駆動方法は、画像を表示するプラズマディスプレイパネル、パネルに駆動パルスを供給する駆動回路、駆動回路のパルスシーケンスを制御する制御回路を備え、パネル全面の画素を同時に放電させるリセット期間と、表示画素を選択するアドレス期間と、選択画素を点灯して画像表示を行う維持放電期間とで駆動するプラズマディスプレイパネルを複数配列したプラズマ表示装置において、
上記複数のプラズマディスプレイパネルのリセット期間とアドレス期間と維持放電期間とを同期させ、リセット期間では、個々のプラズマディスプレイパネルのリセットとなる全面放電を上記複数の各パネルに対し順次行わせ、維持放電期間では、個々のプラズマディスプレイパネルの維持放電を上記複数の各パネルに対し順次行わせるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面に従って本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明のPDPの概略ブロック図である。図において、101、102、103及び110は、それぞれパネル1、2、・・、Npと駆動回路で構成されたパネル部で、図8のパネル部10に相当する部分である。
【0018】
400は制御回路で表示データ制御部401、スキャンドライバ制御部402、XYドライバ制御部403及びリセット・維持放電制御部404で構成されるる。このリセット・維持放電制御部404は、各パネル部101〜110のリセットの全面放電が重ならず、かつ、維持放電が重ならないように各パネルのリセット及び維持放電のタイミングを制御する機能を有する。
【0019】
図2は図1のように構成したPDPを駆動する場合の1フレーム分のタイムチャート図である。各パネル部101〜110のパネル1〜Npはリセット期間、アドレス期間、維持放電期間から成るサブフィールド1、2、・・、6の順で駆動される。各サブフィールドでは、リセット期間は上記リセット・維持放電制御部404の制御に従いパネル1、2、・・、Npの順で全面書き込みパルスが印加され、全てのセルが放電して壁電荷の無い状態に順次リセットが行われる。
【0020】
続くアドレス期間はパネル毎にY電極のスキャンに同期して、点灯させるべきセルに対応するアドレス電極に対しアドレスパルスを印加し、Y電極とアドレス電極との間の選択的な放電により壁電荷が蓄積される。このアドレスは、パネル1、2、・・、Npにおいて同時に行われる。
【0021】
維持放電期間はパネルの全てのX電極とY電極との間に維持パルスを交互に印加し、上記アドレス期間中に壁電荷が蓄積されたセルのみが維持放電を行う。この維持放電は上記リセット・維持放電制御部404の制御に従いパネル1、2、・・、Npの順で行われる。
【0022】
図3は本発明のPPDの駆動波形図(1)であり、1例としてサブフィールド1について示したものである。リセット期間において上記リセット・維持放電制御部404の制御で全面書き込みパルスがパネル1、パネル2、・・、パネルNpの順で印加される。このため全てのセルが放電して壁電荷の無い状態となるリセットがパネル毎に順次行われる。
【0023】
続くアドレス期間は各パネルのアドレス電極に各パネルの表示データに応じたアドレスパルスが印加され、Y電極にはスキャンパルスが印加される。このアドレスは全パネルにおいて同時に行われる。
【0024】
続く維持放電期間は上記リセット・維持放電制御部404の制御で、まずパネル1に対し維持パルスがサブフィールド毎の所定の時間だけ印加され、パネル1の維持放電が行われる。パネル1の維持放電が終了すると次いでパネル2に維持放電パルスが印加されてパネル2の維持放電が行われる。このようにして各パネルは、それぞれの維持放電期間が重ならないようにして維持放電を行う。
【0025】
実施の形態2.
図4は本発明のPDPの駆動波形図(2)である。リセット期間及びアドレス期間は上記説明の図3と同様にして行われる。アドレス期間に続く維持放電期間は次のようにしてパルスが印加される。まず上記リセット・維持放電制御部404の制御によりパネル1のY電極に一方の極性の維持パルスが印加され、パネル1が放電する。次いでパネル2のY電極に上記パネル1と同じ極性の維持パルスが印加され、パネル2が放電する。このようにして同じ極性の維持パルスが順次各パネルに印加され、パネルはそれぞれ異なるタイミングで放電を行う。
【0026】
パネルNpの放電後、上記とは逆極性の維持パルスがパネル1から順次印加され、各パネルは上記説明と同じようにそれぞれ異なるタイミングで放電を行う。かかるパネル毎に位相をずらした維持パルスの印加は、サブフィールド毎の所定の時間、詳しくは各サブフィールドの所定の維持期間にパネル数Npを乗じた時間継続する。このようにして各パネルは、それぞれの放電が重ならないようにして維持放電を行う。
【0027】
図5は本発明のPDPのタイムチャート図(2)である。リセット期間及びアドレス期間は前述の図2と同様である。すなわち、リセット期間はパネル毎に順次全面放電のリセットが行われ、アドレス期間は全パネル同時に各パネルの表示データに応じたアドレスが行われる。
【0028】
維持放電期間は、リセット・維持放電制御部404の制御によりパネル毎に位相をずらした維持パルスが印加され、各パネルはそれぞれの放電が重ならないようにして維持放電を行う。
【0029】
実施の形態3.
図6は本発明の複数のPDPを配列した複合画面プラズマ表示装置の斜視図 (1)であり、図において、100はパネル及び駆動回路から成るパネル部で、複数のパネルの表示面は同じ方向である。
【0030】
実施の形態4.
図7は本発明の複合画面プラズマ表示装置の斜視図(2)であり、図において、100はパネル及び駆動回路から成るパネル部である。複数パネルを複数のブロックに分け、ブロック毎のパネルの表示面を異なる方向としたものである。例えば2つのブロックに分け、各ブロックのパネル表示面を互いに反対方向となるように180度の角度としたものが図7の2方向型である。
【0031】
同様に、4つのブロックに分け、各ブロックのパネルの表示面を90度ずつ異なる角度としたものが図7の4方向型である。
【0032】
かかる図7の複合画面プラズマ表示装置は複合画面全体あるいは各ブロック毎に前述した駆動がなされる。
【0033】
以上、説明したように本発明のPDPは、パネルに全面書き込みパルスを印加して全面放電により各セルの壁電荷を無くすリセット期間に、リセット・維持放電制御部の制御により各パネルへの全面書き込みパルスの印加時期を異なるようにしたので、パネル毎に全面放電の時期が異なり複数パネルの全面放電電流が重ならず、ほぼパネル1個に相当する程度の電流に抑えることが出来る。
【0034】
また、維持放電期間ではリセット・維持放電制御部の制御によりパネル毎に維持パルスの印加期間を異なるようにしたり、パネル毎に位相をずらした維持パルスを印加するようにしたので、パネル毎の維持放電の時期やタイミングが異なり複数パネルの維持放電電流が重ならず、ほぼパネル1個に相当する程度の電流に抑えることが出来る。
【0035】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、複数のPDPを配列し、パネルのリセット期間にパネル毎に異なる時期に全面書き込みパルスを印加して複数のパネルの全面放電が同時に起こらないようにし、維持放電期間にはパネル毎に維持パルスの印加期間を異なるようにしたり、パネル毎に位相をずらした維持パルスを印加するようにしてパネル毎の維持放電の時期やタイミングが異なるようにしたので、複数パネルの全面書き込み放電や維持放電の電流が重ならず、ほぼパネル1個に相当する程度の電流に抑えることが出来るので、複数のパネルを同時にリセットの全面放電や維持放電を行う場合に比べ、瞬間的な大電流による電圧降下が小さく、安定した表示がなされ、EMIを低く抑える効果がある。また、電源の容量を小さく出来る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のPDPの概略ブロック図である。
【図2】 本発明のPDPのタイムチャート図(1)である。
【図3】 本発明のPDPの駆動波形図(1)である。
【図4】 本発明のPDPの駆動波形図(2)である。
【図5】 本発明のPDPのタイムチャート図(2)である。
【図6】 本発明の複合画面プラズマ表示装置の斜視図(1)である。
【図7】 本発明の複合画面プラズマ表示装置の斜視図(2)である。
【図8】 従来のPDPの概略ブロック図である。
【図9】 従来のPDPの駆動波形図である。
【図10】 従来のPDPのタイムチャート図である。
【符号の説明】
10,100,101,102,103,110 パネル部、20 パネル、21 X電極、22 Y電極、23 アドレス電極、30 駆動回路、31 アドレスドライバ、32 スキャンドライバ、33 Xドライバ、34 Yドライバ、40,400 制御回路、41,401 表示データ制御部、42,402スキャンドライバ制御部、43,403 XYドライバ制御部、404 リセット・維持放電制御部。

Claims (2)

  1. 画像を表示するプラズマディスプレイパネル、パネルに駆動パルスを供給する駆動回路、駆動回路のパルスシーケンスを制御する制御回路を備え、パネル全面の画素を同時に放電させるリセット期間と、表示画素を選択するアドレス期間と、選択画素を点灯して画像表示を行う維持放電期間とで駆動されるプラズマディスプレイパネルを複数配列したプラズマ表示装置において、
    上記複数のプラズマディスプレイパネルのリセット期間とアドレス期間と維持放電期間とを同期させ、リセット期間では、個々のプラズマディスプレイパネルのリセットとなる全面放電を上記複数の各パネルに対し順次行い、維持放電期間では、個々のプラズマディスプレイパネルの維持放電を上記複数の各パネルに対し順次行う複数のパネルの駆動回路の制御部を設けたことを特徴とするプラズマ表示装置。
  2. 画像を表示するプラズマディスプレイパネル、パネルに駆動パルスを供給する駆動回路、駆動回路のパルスシーケンスを制御する制御回路を備え、パネル全面の画素を同時に放電させるリセット期間と、表示画素を選択するアドレス期間と、選択画素を点灯して画像表示を行う維持放電期間とで駆動するプラズマディスプレイパネルを複数配列したプラズマ表示装置において、
    上記複数のプラズマディスプレイパネルのリセット期間とアドレス期間と維持放電期間とを同期させ、リセット期間では、個々のプラズマディスプレイパネルのリセットとなる全面放電を上記複数の各パネルに対し順次行わせ、維持放電期間では、個々のプラズマディスプレイパネルの維持放電を上記複数の各パネルに対し順次行わせるプラズマ表示装置の駆動方法。
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