JP4186206B2 - スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リミットスイッチやキースイッチ等のスイッチに関し、更に詳しくは、ドアスイッチ等に好適なスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、キースイッチは、自動化された工作機械を設置した作業エリアの出入り口に設けたドアの開閉を検知して、電源を入り切りするドアスイッチなどに用いられており、一般に、ドア側にキーが設けられるとともに、出入り口の固定枠側にスイッチ本体が設けられ、ドアが閉じられてキーがスイッチ本体のキー挿入口に挿入されることで、室内に設置された工作機械の電源が入れられ、ドアが開かれてキーがスイッチ本体から抜かれると電源が切られるように設置されて使用されるものである。
【0003】
このようなキースイッチは、例えば、図に示されるように、図示しない下方の復帰バネによって上方へ復帰付勢されたプランジャ70を装備した本体ケース71に、プランジャ70の上端に当接作用する回転式のカム72を備えたヘッドケース73が連結されており、カム72の回転に伴うプランジャ70の変位に応じて、プランジャ70に連動する図示しない可動端子が固定端子に対して接触離反することで、スイッチング機構の接点切換え状態がもたらされるように構成されている。
【0004】
すなわち、ヘッドケース73に形成したキー挿入口74にキー75が挿入されない図(a)に示されるドア開放状態では、カム72によってプランジャ70が復帰付勢力に抗して押し込み状態に保持されて可動端子が固定端子から離反したスイッチオフ状態がもたらされ、また、キー挿入口74にキー75が挿入された図(b)に示されるドア閉止状態では、カム72の回転によってプランジャ70の押し込みが解除されることで、スイッチング機構が復帰付勢力によって変位作動して可動端子が固定端子に接触するスイッチオン状態がもたらされるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなスイッチは、キー75が挿入されない限り、ヘッドケース73のカム72によってプランジャ70が押込み変位されて、スイッチオフ状態に保持されているので、ヘッドケース73がメンテナンスのために取外されたり、ヘッドケース73が衝撃による損傷などによって本体ケース71から浮上ったり飛んでしまったりすると、プランジャ70を押込む作用が消滅してしまって、スイッチング機構のプランジャ70が復帰付勢力によって作動してしまい、スイッチオン状態が現出されてしまうことになる。
【0006】
このため、例えば、故障したヘッドケース73を取り替えたり、キー挿入方向の変更のためにヘッドケース73を本体ケース71から取外すようなメンテナンス時には、上記のようにスイッチオン状態がもたらされると、工作機械が作動してしまう虞がある。また、ヘッドケース73を本体ケース71に組付けない状態で本体ケース71への配線接続を行っているような場合にも同様な状況となる。従って、上記のようなメンテナンス作業やヘッドケース組付け前の配線作業、等を行う場合には、別箇所に設置された元電源を予め切って作業を行い、作業終了後に再び元電源を入れる必要があり、煩わしいものとなっていた。
【0007】
また、ドアの開閉の際に、過大な衝撃荷重などがヘッドケース73に加わってヘッドケース73が本体ケース71から飛んでしまって工作機械が作動したままでドアが開いてしまう虞がある。
【0008】
なお、ヘッドケース73が本体ケース71から浮上ったり飛んでしまう原因としては、ドアスイッチとして利用されるキースイッチにおいては、ドア受け用のストッパが備えられていない場合、ドアを勢いよく閉めてしまうと、その際の衝撃荷重が直接にヘッドケース73に作用することになり、重いドアではその閉じ衝撃によってヘッドケース73が本体ケース71から浮上ったり、外れてしまう虞がある。また、キーが変形したままでドアを閉じられたような場合にも、キー75がキー挿入孔74に挿入されることなくヘッドケース73にぶつかることになり、ヘッドケース73が本体ケース71から浮上ったり飛んでしまう虞がある。
【0009】
また、電磁式のインターロック機能を備えたキースイッチ(ドアスイッチ)においては、ドアを閉じることでスイッチング機構がロックされるのであるが、留め金やフックを用いることなく、その電磁ロックをドアのロックとして使用してしまうと、電磁ロックを解除することなく無理やりドアが開けられた場合、ヘッドケース内のカムはスイッチング機構のロックによって回転不能となっているので、このカムにキーを引っ掛かけたままドアと共にキーを無理に引き抜くことになって、ヘッドケース73が本体ケース71から浮上ったり飛んでしまうこともある。
【0010】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、ヘッドケースが本体ケースから浮上ったり離脱したりして連結状態に異常が生じていれば、直ちにこれを認識して適切な措置を施すことができるスイッチを提供することを主たる目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0012】
すなわち、本発明のスイッチは、復帰付勢されたスイッチング機構を装備した本体ケースに、前記スイッチング機構に対する操作機構を備えたヘッドケースを連結したスイッチであって、前記ヘッドケースの前記操作機構は、内装した回転カムが外部から挿抜されるキーによって回転操作され、前記スイッチング機構の可動部材が復帰付勢力に抗して第1の接点切換え位置に保持され、前記操作機構に外部から前記キーによる回転操作が加えられると、スイッチング機構の可動部材が復帰付勢力によって第2の接点切換え位置に変位するように、本体ケースのスイッチング機構とヘッドケースの操作機構とを連動させ、前記ヘッドケースの本体ケースに対する変位を検知して外部に検知出力を与える変位検知手段を前記本体ケース側に設け、前記スイッチング機構には、複数組の接点対が組み込まれるとともに、各接点対の各可動接点が前記可動部材にそれぞれ弾性支持され、前記変位検知手段は、前記複数組の接点対の内の少なくとも1組の接点対を有し、この接点対は、前記第1の接点切換え位置および第2の接点切換え位置では接点切換え作動を行わず、前記スイッチング機構の可動部材が前記第2の接点切換え位置を越えて復帰付勢方向に過剰変位した時のみ接点切換え作動を行って前記検知出力を外部に与えるものである。
【0013】
ここで、ヘッドケースの本体ケースに対する変位とは、例えば、ヘッドケースが本体ケースから完全に離脱したり、ヘッドケースが本体ケースから浮き上ったり、傾斜したり、あるいは、ねじれたりして正規の連結位置からずれることをいう。
【0014】
本発明によると、本体ケースにヘッドケースが正しく連結されている状態では変位検知手段から変位検知の出力がなされることはなく、ヘッドケースが本体ケースから浮上ったり離脱したりして正規の連結位置から変位すると、変位検知手段から変位検知の出力がなされる。この検知出力がされると、この出力に基づいて警報を発して適切な措置を促したり、あるいは、その出力に基づいて直ちに別の電源スイッチを自動的に切ったりすることができる。
【0015】
また、前記スイッチング機構の可動部材が復帰付勢力に抗して第1の接点切換え位置に保持され、前記操作機構に外部からのキー操作が加えられると、スイッチング機構の可動部材が復帰付勢力によって第2の接点切換え位置に変位するように、本体ケースのスイッチング機構とヘッドケースの操作機構とを連動させ、前記変位検知手段は、本体ケース側に設けられて、前記スイッチング機構の可動部材が前記第の接点切換え位置を越えて復帰付勢方向に過剰変位したこと検知するものである。
【0017】
また、過剰変位とは、ヘッドケースが本体ケースに正規に連結されている正常な状態における最大の変位を超える変位をいう。
【0018】
本発明によると、スイッチング機構の可動部材の過剰変位を、変位検知手段を作動させるための変位に利用するので、変位検知手段を作動させる専用の変位部材が不要となる。
【0019】
また、前記変位検知手段は、前記スイッチング機構に組み込まれた複数組の接点対の内の少なくとも1組の接点対を有し、この接点対は、前記第1の接点切換え位置および第2の接点切換え位置では接点切換え作動を行わず、前記過剰変位した時のみ接点切換え作動を行うものである。
【0020】
本発明によると、変位検知手段を構成する少なくとも1組の接点対を、正規の接点対とともにスイッチング機構に組み込むことができる。
【0023】
また、前記ヘッドケースの前記操作機構は、内装した回転カムを外部から挿抜されるキーで回転操作するものである。
【0024】
本発明によると、自動工作機械を設置した作業エリアの出入り口に備えるドアスイッチなどとして利用した場合、事故などによってヘッドケースが浮上ったり飛んでしまったとしても、このような状況を変位検知手段の作動によって直ちに認識することができ、変位検知手段からの出力で警報を発して適切な処置を促したり、あるいは、変位検知手段からの出力に基づいて直ちに別の電源スイッチを自動的に切ったりすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、キースイッチに適用した実施態様を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1に、キースイッチの一例の全体外観が示されている。
【0029】
このキースイッチは、自動工作機械が設置された工作エリアの出入り口などに取付けられるドアスイッチとして利用されるものであって、出入り口の固定枠に取付けられるスイッチ本体1と、開閉されるドアに取付けられるキー2とからなる。
【0030】
スイッチ本体1は、本体ケース3とこれの上端にピン連結されるヘッドケース4とを備え、図2に示すように、本体ケース3にスイッチング機構5が内装されるとともに、ヘッドケース4には、スイッチング機構5を操作する操作機構6が組み込まれ、また、ヘッドケース4の前面にキー挿入口7が形成されている。
【0031】
スイッチング機構5は、インナーケース10を介して本体ケース3に組み込まれており、インナーケース10に固定された3対の固定端子11,12,13と、上下動可能な可動部材14に弾性支持された3個の可動端子15,16,17とから構成されており、3組の接点対が可動部材14の上下変位によって接点切換え作動するようになっている。ここで、可動部材14は、復帰バネ18によって上方に付勢されるとともに、その上端に連設したプランジャ19が本体ケース3の上面からヘッドケース4内に突入されて操作機構6に対向されている。また、各可動端子15,16,17は、ストローク吸収用のバネ20,21,22を介して後退変位可能に弾性支持されている。
【0032】
図2は、可動部材14が復帰バネ18に抗して下方変位しているスイッチオフ状態を示し、この時、各可動端子15,16がそれぞれ固定端子11,12から離反して、固定端子11,12に配線接続された電源回路が断たれるようになっている。また、図3は、可動部材14が復帰バネ18によって上方に付勢変位しているスイッチオン状態を示し、各可動端子15,16がそれぞれ固定端子11,12に接触導通されて、電源回路が入れられるようになっている。
【0033】
前記操作機構6は、回転カム8をブラケット9介して水平横軸心p周りに回転可能に支持して構成されており、回転カム8の外形が前記キー挿入口7へのキー2の挿抜に伴って正逆に回転操作される形状に形成されている。そして、図2に示すように、キー2が抜き出された状態では、回転カム8の大径部8aによってプランジャ19が復帰バネ18に抗して押し下げられることで、可動部材14が下方変位して上記スイッチオフ状態が現出され、また、図3に示すように、キー2が挿入されて回転カム8が図中反時計方向に略90°回動されると、プランジャ19が回転カム8の凹部8bに係入して上方に変位可能となり、可動部材14が上方に付勢変位して上記スイッチオン状態が現出されるのである。このように、回転カム8によって可動部材14を強制的に押し下げてスイッチオフとすることで、接点に溶着が発生しても、強制的に開離することができるようになっているのである。
【0034】
なお、キー2が抜き出された上記スイッチオフ状態では、回転カム8は図示しないロック部材によって回転阻止され、正規の形状のキー以外のもので回転カム8が操作されることが防止される。そして、キー2の挿入行程の初期にそのロック部材がキー2によって後退されて回転カム8の回転が許容され、引き続くキー挿入操作によって上記スイッチオン状態もたらされるようになっている。
【0035】
以上の構成は従来のスイッチと特に変わるところはなく、本発明では、ヘッドケース4が本体ケース3から浮上ったり、離脱したりした変位を検知して出力する変位検知手段Eが付加されており、その実施形態を以下に説明する。
【0036】
図2〜図4中に示すように、前記スイッチング機構5に組み込まれた1組の接点対である固定端子13と可動端子17とが前記変位検知手段Eとしての機能を備えている。つまり、スイッチング機構5の可動部材14が前記スイッチオフ位置(第1の接点切換え位置)aからスイッチオン位置(第2の接点切換え位置)bまでの正規の作動域で変位している間は、これら固定端子13と可動端子17とは接触導通状態を維持し、可動部材14が前記スイッチオン位置bを越えて付勢方向(上方向)に過剰変位した時にのみ、固定端子13が可動端子17から離反して接点切換わり作動するように、固定端子13と可動端子17との相対位置および可動端子17の融通ストロークが設定されている。
【0037】
従って、図2および図3に示すように、ヘッドケース4が本体ケース3の上端に適正に嵌合連結されて、スイッチング機構5が正規に接点切換わり作動している状態では、固定端子13と可動端子17とは接触導通状態を維持し、図4に示すように、ヘッドケース4が本体ケース3から離脱したりしていると、操作機構6の回転カム8による押込みが解除されたスイッチング機構5の可動部材14は、付勢力によってスイッチオン位置bを越えた、例えば、cで示される過剰変位位置まで大きく変位してしまい、この時、固定端子13が可動端子17から離反する。
【0038】
ここで、変位検知手段Eにおける固定端子13を外部に別途備えた補助電源スイッチや警報装置のリレー回路に接続して、固定端子13の導通状態を出力するように構成しておくことで、ヘッドケース4が本体ケース3から浮上ったり離脱したりすると、変位検知手段Eから出力される変位検知信号によって自動的に補助電源スイッチを切ったり、警報装置を作動させて故障の発生を報知することが可能となる。なお、ヘッドケース4が本体ケース3から離脱していなくても、浮き上ったり、傾いたりすることによって、正常な最大変位を超える過剰変位が生じて異常を検知できるものである。
【0039】
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ヘッドケースが本体ケースから浮上ったり離脱したりして変位が生じると、これが変位検知手段で検知されて出力がなされるので、この出力を利用して直ちに自動的に電源を切ったり、警報装置を作動させて事故の発生を報知することができ、その結果、事故発生状態のまま長く放置されるようなことなく、ヘッドケースの取替えなどの適切な措置を施して速やかに所期の機能を回復させることができる。
【0045】
また、本発明によれば、スイッチング機構の過剰変位を検知するように構成することで、変位検知手段の構造を簡素化して安価に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キースイッチの斜視図である。
【図2】 キー抜き出し状態における内部を示す正面図である。
【図3】 キー挿入状態における内部を示す正面図である。
【図4】 ヘッドケースが離脱された状態におけるスイッチの内部を示す正面図である。
【図】 従来例の要部の縦断側面図である。

Claims (1)

  1. 復帰付勢されたスイッチング機構を装備した本体ケースに、前記スイッチング機構に対する操作機構を備えたヘッドケースを連結したスイッチであって、
    前記ヘッドケースの前記操作機構は、内装した回転カムが外部から挿抜されるキーによって回転操作され、
    前記スイッチング機構の可動部材が復帰付勢力に抗して第1の接点切換え位置に保持され、前記操作機構に外部から前記キーによる回転操作が加えられると、スイッチング機構の可動部材が復帰付勢力によって第2の接点切換え位置に変位するように、本体ケースのスイッチング機構とヘッドケースの操作機構とを連動させ、
    前記ヘッドケースの本体ケースに対する変位を検知して外部に検知出力を与える変位検知手段を前記本体ケース側に設け、
    前記スイッチング機構には、複数組の接点対が組み込まれるとともに、各接点対の各可動接点が前記可動部材にそれぞれ弾性支持され、
    前記変位検知手段は、前記複数組の接点対の内の少なくとも1組の接点対を有し、この接点対は、前記第1の接点切換え位置および第2の接点切換え位置では接点切換え作動を行わず、前記スイッチング機構の可動部材が前記第2の接点切換え位置を越えて復帰付勢方向に過剰変位した時のみ接点切換え作動を行って前記検知出力を外部に与えることを特徴とするスイッチ。
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