JP4186175B2 - 防水構造物及び防水シートの接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異種材料の防水シートを使用した防水構造物および防水シートの接合方法に関するものである。これら本発明に係わる防水シートは、具体的には、貯水池、産業廃棄物処理場等において貯留水の流失、汚染水の地下水への混入や河川水への混入の防止に用いられる遮水シートや屋根の防水シート等として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
貯水池や産業廃棄物処理場等において貯留水の流出を防止する手段として地面に掘削して形成した穴の底面と周囲に沿ってゴムやプラスチックのシート、いわゆる防水シートを施工し、これを接着して水の流失を防止することが行われている。その際、多量の水や廃棄物が蓄積されたり、重量物を投入した際の衝撃的な力が加わっても、シートの接着が破壊して水が漏洩しないような強固な接着が要求される。
【0003】
かかる要求を充たすために、従来は接着が容易であり、かつ高い接着強度が得られる、同種の材料を底面と法面に使用する防水シートの接合方法と防水構造物が採用されていた。
【0004】
しかし、一般に、貯水池、産業廃棄物処理場等の形状は、断面が逆台形であり、ほぼ平坦な底面と、傾斜を有する法面を備えており、法面は形状がまちまちで、しかも平坦面に仕上げることが底面より難しい。従って、法面に施工する防水シートは、かかる凹凸に沿いやすいように可とう性の高い低弾性率材料で構成されることが要求される。かかる低弾性率の防止シートとしては、エチレンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ポリオレフィン/EPRアロイ等が知られているが、いずれも防水シートとしては高コストの材料である。
【0005】
一方、低コストの防水シートとしては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が知られているが、これらは高弾性率であり、防水シートの剛性が高く、可とう性に欠けるため、法面に施工すると、掘削面の凹凸との間に空隙を生じ、好ましいものではない。
【0006】
また、底面の防水シートとして低コスト品であるポリエチレンを使用し、法面に加硫エチレンプロピレンゴムを使用することが検討されており、たとえば、特開平8−281236号公報、特開平9−3950号公報に記載の技術が知られている。しかし、上記いずれの技術も接着にキュアシートを使用するものであり、早期に接着力を発揮させるには、加熱、加圧が必要であり、産業廃棄物処理施設等の巨大な現場における施工は困難である。またキュアシートを環境温度下にて硬化させるには、特に冬場においては長時間を必要とし、好ましいものではない。
【0007】
また異種材料の防水シートを接合する方法としては、図1に示すように、異種材料の防水シート(a)および防水シート(b)のそれぞれの端部を重畳して、当該端部重畳面を直接熱融着接合するとともに、防水シート(a)または防水シート(b)と同様の構成材料を接着剤(図1では接着剤として(a)を採用)として押出接合により接合する方法が知られている。かかる方法によれば、重畳部の接着強度を、ある程度向上させることができるが、こうして形成された接合部の接着強度は必ずしも十分ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、異種材料の防水シートを優れた強度で接合した防水構造物およびかかる防水構造物を施工するための異種材料で構成された防水シートを高強度にて接合することが可能な防水シートの接合方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下示す防水構造物及び防水シートの接合方法により前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、本発明は、底面と法面を備えた凹部内面に沿って防水シートを配設して形成された防水構造物であって、
前記底面には防水シート(a)が配設され、前記法面には防水シート(b)が配設され、前記防水シート(a)と前記防水シート(b)は異種材料であり、かつ前記防水シート(a)と前記防水シート(b)は端部を重畳して端部重畳面の直接熱融着接合と押出接合により接合されており、前記押出接合は、重畳面において下側のシートになる、前記防水シート(a)または前記防水シート(b)のいずれか一方の防水シートの構成材料を接着剤として、上側シートの非重畳面から他方の下側シートの重畳面に及ぶ第一接着層を形成し、さらに重畳面において上側のシートになる防水シートの構成材料を接着剤として、上側になる防水シートの非重畳面から前記第一接着層に及ぶ第二接着層を形成することにより接着されたものである防水構造物、に関する。
【0011】
かかる本発明の防水構造物の接合部は、具体的には、図2に示すような構造をしており、重畳面において下側となる防水シート(a)と第一接着層(X:接着剤a)に、重畳面において上側となる防水シート(b)が狭持され、一方、重畳面において上側となる防水シート(b)と第二接着層(Y:接着剤b)に、前記第一接着層(X:接着剤a)が狭持されるようになっており、同種の材料により異種の材料を挟み込むような構造となっている。本発明では、防水構造物を構成する異種材料の防水シートの接合部を、上記のような構成とすることによって、従来のように(図1)、単に一種の接着剤により、異種材料の防水シートの重畳面を押出接合した場合に比して、飛躍的に接着強度を向上したものである。
【0012】
かかる本発明の防水構造物によれば、たとえば、従来十分な接着強度が得られなかったポリプロピレンとポリエチレンの防水シートを高強度に接着することも可能となり、目的に応じて幅広い材料を選択した防水構造物を構築することができる。
【0013】
なお、図2では、防水シート(a)が重畳面において下側となる場合を示したが、重畳面における防水シート(a)および防水シート(b)の上下側の関係は、図2とは反対に、防水シート(a)の重畳面が上側となってもよい。この場合は、図2の第一接着層(X)、第二接着層(Y)の構成材料である接着剤aと接着剤bは、防水シート(a)および防水シート(b)の上下側の関係に従って入れ換った構造になる。
【0014】
前記防水構造物において、防水シート(a)および防水シート(b)は、底面を構成する防水シート(a)の弾性率が、法面を構成する防水シート(b)の弾性率より高くなるように、防水シート(a)および防水シート(b)の材料を選択するのが好ましい。
【0015】
防水シート(a)、(b)の材料を、弾性率が前記関係になるようなものを選択することにより、防水構造物を法面の凹凸形状に沿った形状になりやすいように施設でき、低コスト化を図ることが可能である。
【0016】
なお、前記防水シートの弾性率の関係は、一方の防水シートが他方の防水シートに対して相対的に高弾性または低弾性の関係にあることを示し、防水シートの使用される目的に応じて、高弾性率防水シートと低弾性率防水シートが選択、組み合わされて使用される。
【0017】
さらに、本発明は、異種材料の防水シート(a)と防水シート(b)の端部を重畳して接合する防水シートの接合方法であって、
直接熱融着接合方法と押出接合方法を使用し、前記押出接合方法は、重畳面において下側のシートになる、前記防水シート(a)または前記防水シート(b)のいずれか一方の防水シートの構成材料を接着剤として、上側シートの非重畳面から他方の下側シートの重畳面に及ぶ第一接着層を形成し、さらに重畳面において上側のシートになる防水シートの構成材料を接着剤として、上側になる防水シートの非重畳面から前記第一接着層に及ぶ第二接着剤層を形成することにより接着するものである防水シートの接合方法、に関する。
【0018】
かかる接合方法により、優れた接着強度の接合面を有する防水シートが得られる。
【0019】
前記接合方法において、防水シート(a)および防水シート(b)は、底面を構成するト防水シート(a)の弾性率が、法面を構成する防水シート(b)の弾性率より高くなるように、防水シート(a)および防水シート(b)の材料を選択するのが好ましい。
【0020】
防水シート(a)、(b)の材料を、弾性率が前記関係になるようなものを選択することにより、防水シートを法面の凹凸形状に沿った形状になりやすいように接合でき、低コスト化を図ることが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は地面に掘削により底面1A、法面1Bを形成し、底面1Aに沿って防水シート(a)を施工し、法面1Bに沿って防水シート(b)を施工した防水構造物の断面の一部を示したものである。この防水構造物の法面には小段2が形成されている。
【0022】
図3では、底面のPにおいて防水シート(a)と防水シート(b)の端部が重畳されている。なお、防水シート(a)と防水シート(b)の端部は法面で重畳されていてもよいが、図3のように、法面からある程度離れた底面において防水シート(a)と防水シート(b)の端部を重畳するのが、作業性がよく好ましい。
【0023】
前記Pにおいて、重畳部には防水シート(a)と同様の構成材料の第一接着層(X:接着剤a)と防水シート(b)と同様の構成材料の第二接着層(Y:接着剤b)が形成されている。また、法面1Bに沿って施工した防水シート(b)の端部の重畳部には、補強および水密性確保のため、接着層(Z)が形成されている。なお、接着層(Z)は、防水シート(b)と同様の構成材料とするのが好ましい。
【0024】
図3における防水シート(a)と防水シート(b)の接合部Pを拡大して斜視図として示したのが図4である。防水シート(a)と防水シート(b)の端部のシート幅方向の接合部において直接熱融着接合部3が形成されている。また長尺の防水シート(b)同士の端部の長さ方向の接合部においても直接熱融着接合部3が形成されている。また、防水シート(a)と防水シート(b)のシート幅方向の端部の中央部、即ち防水シート(b)同士のコーナー部近傍において押出接合が行われ、第一接着層(X:接着剤a)と第二接着層(Y:接着剤b)が形成されている。また、長尺の防水シート(b)の端部の重畳部から前記コーナー部近傍に架けて押出接合が行われ、接着層(Z)が形成されている。
【0025】
図4におけるα−α断面の形状は図2に示すものと同様である。すなわち、第一接着層(X:接着剤a)は防水シート(b)の非重畳面b1から防水シート(a)の重畳面a1に及んで形成されている。かかる第一接着層(X)のL1が接着幅である。なお、防水シート(b)の重畳面の反対側の非重畳面b1に形成されている第一接着層の幅は特に制限されず、接着幅L1は、図2のように重畳面の幅より短くてもよく、また重畳面の幅より長くてもよい(図示せず)。重畳面a1に形成される第一接着層の幅も特に制限されないが、L1と同様の幅とするのが好ましい。
【0026】
さらに、防水シート(b)の構成材料を接着剤として、防水シート(b)の非重畳面b2から前記第一接着層(X)に及ぶ第二接着層(Y)が形成されている。第二接着層の、接着幅であるL2は、図2のように第一接着層(X)の一部に及ぶ場合でもよく、第一接着層(X)の全域または全域を越えて防水シート(a)の重畳面a2に及んでいてもよい(図示せず)が、接着幅L2は接着幅L1と同様とするのが好ましい。非重畳面b2に形成される第二接着層の幅も特に制限されないが、L2と同様の幅とするのが好ましい。
【0027】
また、防水シート(a)と防水シート(b)の重畳面の幅は、従来と同様と同様であり、通常50〜150mm程度である。また防水シート(a)と防水シート(b)を重畳するシートの端部とは、シートの最端部またはその近傍をいう。
【0028】
防水シート(a)、(b)の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5mm〜5mmであることが好ましい。薄過ぎると強度が低下して高重量の廃棄物を投入した際に破断する等の問題が発生する場合があり、厚過ぎると強度的には問題はないが、施工に必要な可とう性が低下し、かつ高コストになる。より好ましくは1〜2mmである。
【0029】
また第一接着層と第二接着層の形状、厚みも特に制限されないが、形状は図2に示すような断面形状がよく、厚みは防水シートの厚みと同じまたはそれ以上とするのが好ましい。
【0030】
防水シート(a)、(b)としては、従来より、防水シート、遮水シートとして用いられている各種の材料を使用できる。
【0031】
たとえば、高弾性率材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリプロピレン(PP)等があげられ、中弾性率材料としては、軟質ポリプロピレンアロイ(ポリプロピレン・エチレンプロピレンアロイ:FPA)、ポリオレフィン系エラストマ−(TPO)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン(TPU)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等があげられ、低弾性材料としてはエチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)等があげられる。
【0032】
なお、ポリプロピレン・エチレンプロピレンアロイシート(FPA)は、ポリプロピレンとエチレンプロピレンゴムのアロイ状混合物であり、十分な物理強度と可とう性を有するものが使用可能である。特にポリプロピレン中にエチレンプロピレンゴムを微粒子状にて分散したアロイが好ましく、具体的にはFPA CA721GW、FPA CA743GA(モンテル社製)等の使用が好適である。またEPDMシートは、一般に防水シートとして使用されるものは特に限定なく使用可能であるが、表面に凹凸を多数形成したシボを有するシートの使用が、高い接着強度が得られ、好ましい。
【0033】
防水シート(a)、(b)は、前記例示のものを適宜に選択して使用するが、防水シート(a)は、防水シート(b)より弾性率が高いものがよい。特に、防水シート(a)としては高弾性率材料が好ましく、防水シート(b)としては、低弾性率材料が好ましい。
【0034】
次いで、前記防水構造物を実現しうる、直接熱融着接合方法と押出接合方法を使用した防水シートの接合方法について説明する。
【0035】
本発明にいう直接熱融着接合は、異種材料の防水シートの重畳面の接触面を加熱して溶融し、溶融状態で外面側から加圧圧接して接着する方法であり、接着剤を使用しない接合方法である。
【0036】
直接熱融着接合は、公知の直接熱融着接合装置を使用して行うことが好ましく、高温の熱鏝をシート接合面に当接させて溶融、接合する装置である自走式接合機、高温の熱風をシート接合面に吹き付けて溶融、接合する装置である自走式接合機等の使用が好適である。これらの接合機はLEISTER社製等が市販されており、好適に使用可能である。
【0037】
なお、直接熱融着接合は、接合する防水シートの非重畳面、すなわち外面同士を押圧した際に、シート剛性の低いシートがより大きな伸び歪を発生し、圧力が開放されると収縮し、接合面が湾曲を発生するという問題を生じる。かかる接合面の湾曲は、接合部に歪を生じる結果となり、外観上も問題があり、また防水構造物に投入した物による衝撃力、応力により接着剥離が発生する場合もあって好ましいものではない。このような問題を避けるために、前記直接熱融着接合方法は、重畳して接合する防水シートの、よりシート剛性の低い防水シートの非重畳面に高剛性テープを貼着して行うことができる。
【0038】
高剛性のテープは、ポリエチレンテレフタレートテープ、ポリアラミド系樹脂テープ等の樹脂テープ、アルミニウムテープ等の金属テープが例示されるが、低価格で耐熱性がよいという点でアルミニウムテープの使用が好ましい。
【0039】
上述の直接熱融着接合で用いる自走式接合機は、2m/minにも及ぶ速度で防水シートの接合が行え、しかも高い接着強度が得られる。従って、防水シートの接合部の80〜90%程度は、自走式接合機を使用した直接熱融着接合が行われる。ただし、直接熱融着接合は重畳して接合するシート面を加熱する必要があり、シート間をある程度広げなければならない。ところが、角部を有し、4隅を接合するような箇所においては、1方向に直接熱融着接合が行えるが、これと直交する方向は、既に一部が接合されており、熱融着を行うことができない。このような箇所については、シート間隔を広げることができないので押出接合が行われる。
【0040】
押出接合方法は、このような特に防水構造物のコーナー部等の、自走式接合機による接合が行えない部位、すなわち自走接合機による直接熱融着接合だけではシール性が十分得られない可能性の有る部位において、自走接合機による直接熱融着接合と併せて行われる。
【0041】
押出接合機としては公知の押出接合機が使用可能であるが、具体的には、ポータブル押出接合機(MUNSCH社製)の使用が好適である。押出接合に用いられる接着剤は、ペレット状、ロッド状等の形状にて押出接合機に供される。
【0042】
具体的な防水シート(a)、(b)の押出接合は、まず上側に位置する防水シートの端縁に沿って第一接着層を形成する接着剤を所定幅に押し出して、上側シートの非重畳面と下側シートの重畳面の双方に当該接着剤を押し出して接合することによって上記異種の防水シートを接合した後、上側に位置する防水シートの非重畳面の第一接着層に沿って第二接着層を形成する接着剤を所定幅に押し出して上側に位置する防水シートの非重畳面と前記第一接着層の双方に当該接着剤を押し出して接合する。
【0043】
押出接合において第一接着層、第二接着層を形成する接着剤は、接合する防水シート(a)または防水シート(b)の構成材料と同様のものが用いられる。図2でいえば、第一接着層(X)の接着剤には防水シート(a)と同様の構成材料が用いられ、第二接着層(Y)には防水シート(b)と同様の構成材料が用いられる。
【0044】
なお、防水構造物の特に強固な接合が要求される箇所、水密性が要求される箇所等においては、直接熱融着接合を行った上で、さらに押出接合を行うことも好適である。
【0045】
また、前記本発明の防水構造物並びに防水シートの接合方法において、直接熱融着接合部においては熱融着面を、また押出接合部においては接着剤塗布面を、それぞれ接合の前にディスクサンダー等の研磨手段によって研磨し、表面の酸化皮膜層を除去することが好ましい態様である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1
FPAシート(厚さ2.0mm)とHDPEシート(厚さ1.5mm)のそれぞれの端部(100mm)を、FPAシートを上にして重畳した後、HDPEを溶融した接着剤により押出接合機(MUNSCH社製U7R)を使用して接合した。次いで、FPAを溶融した接着剤により押出接合機(MUNSCH社製U7R)を使用して接合した。
【0047】
接合部の形状は図2と同様の形状であり、下側のHDPEシートの重畳面からFPAシートの非重畳面に及んで第一接着層(X:HDPE)が形成されている。各シートとの接着幅L1は、約20mmである。また上側のFPAシートの非重畳面から接着層(X)に及んで第二接着層(Y:FPA)が形成されている。接着幅L2は、約20mmである。
【0048】
なお、第一接着層(X)、第二接着層(Y)の形成にあたり、接着剤塗布面は、予めディスクサンダーを使用して研磨加工を行った。
【0049】
比較例1
FPAシート(厚さ2.0mm)とHDPEシート(厚さ1.5mm)のそれぞれの端部(100mm)を、FPAシートを上にして重畳した後、HDPEを溶融した接着剤により押出接合機(MUNSCH社製U7R)を使用して接合した。接合部の形状は図1と同様の形状であり、下側のHDPEシートの重畳面からFPAシートの非重畳面に及んで接着層(HDPE)が形成されている。各シートとの接着幅L1は、約20mmである。なお、接着層の形成にあたり、接着剤塗布面は、予めディスクサンダーを使用して研磨加工を行った。
【0050】
比較例2
FPAシート(厚さ2.0mm)とHDPEシート(厚さ1.5mm)のそれぞれの端部(100mm)を、FPAシートを上にして重畳した後、FPAを溶融した接着剤により押出接合機(MUNSCH社製U7R)を使用して接合した。接合部の形状は図1と同様の形状であり、下側のHDPEシートの重畳面からFPAシートの非重畳面に及んで接着層(FPA)が形成されている。各シートとの接着幅L1は、約20mmである。なお、接着層の形成にあたり、接着剤塗布面は、予めディスクサンダーを使用して研磨加工を行った。
【0051】
(性能評価)
実施例および比較例で得られた接合シートについて、引張剪断強度および引張剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
前記引張強度は、接合シートを接合方向に対し、直角に25mm幅の短冊状となる試験片を作製し、オートグラフAG−500C(島津製作所製)を使用し、20℃±2℃の温度条件下、引張速度50mm/minで引張ったときの最大荷重を測定した。表1には、3回測定した結果の平均値を示す。
【0053】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の防水構造物のシート接合部の断面の一部を示した図である。
【図2】本発明の防水構造物のシート接合部の断面の一部を示した図である。
【図3】本発明の防水構造物の断面の一部を示した図である。
【図4】図3におけるX−X断面の構造を示した図である。
【符号の説明】
a:防水シート
b:防水シート
X:第一接着層
Y:第二接着層
Claims (4)
- 底面と法面を備えた凹部内面に沿って防水シートを配設して形成された防水構造物であって、
前記底面には防水シート(a)が配設され、前記法面には防水シート(b)が配設され、前記防水シート(a)と前記防水シート(b)は異種材料であり、かつ前記防水シート(a)と前記防水シート(b)は端部を重畳して端部重畳面の直接熱融着接合と押出接合により接合されており、前記押出接合は、重畳面において下側のシートになる、前記防水シート(a)または前記防水シート(b)のいずれか一方の防水シートの構成材料を接着剤として、上側シートの非重畳面から他方の下側シートの重畳面に及ぶ第一接着層を形成し、さらに重畳面において上側のシートになる防水シートの構成材料を接着剤として、上側の防水シートの非重畳面から前記第一接着層に及ぶ第二接着層を形成することにより接着されたものである防水構造物。 - 前記防水シート(a)の弾性率が、前記防水シート(b)の弾性率より高いことを特徴とする請求項1記載の防水構造物。
- 異種材料の防水シート(a)と防水シート(b)の端部を重畳して接合する防水シートの接合方法であって、
直接熱融着接合方法と押出接合方法を使用し、前記押出接合方法は、重畳面において下側のシートになる、前記防水シート(a)または前記防水シート(b)のいずれか一方の防水シートの構成材料を接着剤として、上側シートの非重畳面から他方の下側シートの重畳面に及ぶ第一接着層を形成し、さらに当該重畳面において上側のシートになる防水シートの構成材料を接着剤として、上側になる防水シートの非重畳面から前記第一接着層に及ぶ第二接着層を形成することにより接着するものである防水シートの接合方法。 - 前記防水シート(a)の弾性率が、前記防水シート(b)の弾性率より高いことを特徴とする請求項3記載の防水シートの接合方法。
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