JP4184942B2 - 集塵機 - Google Patents

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本発明は、ファンを備えたモータを本体内に収容し、モータの駆動に伴うファンの回転によって本体内に外気を通過させ、ファンの上流側に設けたフィルタによって塵埃を捕捉可能とした集塵機に関する。
集塵機は、ファンを備えたモータを本体内に収容し、モータの駆動に伴うファンの回転により、ファンの上流側で本体に設けた吸気口から外気を吸込み、ファンの下流側で本体に設けた排気口から排出する。ファンの上流側での外気の通路上にはフィルタが設けられており、このフィルタによって外気と共に吸い込まれた塵埃を捕捉可能としている。
このような集塵機においては、フィルタに捕捉された塵埃によってフィルタに目詰まりが生じ、フィルタの通気性が低下してくると、集塵効率の低下は勿論、モータが過熱して故障等のおそれも生じる。そこで、特許文献1には、ハウジングにおけるフィルタとモータとの間に、空気流入孔と、その開閉を行う弁とを設けると共に、弁を閉弁方向へ付勢する形状記憶合金からなる板バネを、一端をモータの排気側に露出するように設けてリリーフ弁を形成した技術が開示されている。すなわち、フィルタの目詰まりによって排気側の温度が上昇すると、板バネが変形してリリーフ弁が開弁し、空気流入口から外気を導入可能としたものである。
特開平5−49557号公報
しかし、上記特許文献1の技術にあっては、リリーフ弁がユニット化されてハウジング内に組み込まれているため、ユニットの製造や組付けに余分な手間やコストがかかっている。また、ハウジング内にユニットを組み込むスペースを確保する必要があるため、ハウジングの大型化にも繋がる。
そこで、請求項1に記載の発明は、このようなモータ保護に係るリリーフ弁を、低コスト且つ省スペースでコンパクトに採用可能な集塵機を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、フィルタを本体内へ装着するための支持部材に、フィルタの上流側と下流側とを連通させる逃がし路と、その逃がし路におけるフィルタの下流側を常態で閉塞するリリーフ弁とを設ける一方、本体内に、支持部材の装着状態で逃がし路を外気の通路と独立して本体の外部に開放させる連通路を形成して、逃がし路内とフィルタの下流側との間に所定の圧力差が生じた場合には、リリーフ弁が開弁してフィルタの下流側を逃がし路及び連通路を介して外部へ開放可能としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、リリーフ弁を少ない部品点数で合理的に形成するために、リリーフ弁を、逃がし路の閉塞部位にシール部材を取着して装着部材へ着脱可能に取り付けられるリーフスプリングとしたものである。
請求項1に記載の発明によれば、支持部材を利用してリリーフ弁を簡単に得ることができる。また、フィルタと一体に構成できるので、組付けの手間も少なくて済み、リリーフ弁を単独でユニット化したものに比べてコストダウンが図れる。さらに、本体側では連通路のみの採用で済むため、本体内にリリーフ弁採用のために大きなスペースを必要とすることがなく、本体のコンパクト化も維持できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、リーフスプリングの弾性を利用して閉弁付勢が容易に得られると共に、スペースもとらないので、リリーフ弁が少ない部品点数で合理的に構成可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,2は、集塵機の一例である携帯用集塵機を示す断面図で、図1が長手方向の縦断面、図2が短手方向の縦断面を夫々示す。携帯用集塵機1は、二分割される左右一対のハウジング3,4を組み付けてなる本体2の底部に、アンダーカバー5を開閉可能に蝶着してなる。本体2内は、中央に連通口7を穿設した仕切壁6によって上下に仕切られて、その仕切壁6の下方に、吸込口となる筒状のホルダ8を突設したタンク9が形成される一方、仕切壁6の上方に、出力軸にファン11を固着したモータ10を下向きに収容している。12は、タンク9内でホルダ8に装着された袋状のペーパーフィルタ、13は商用電源を得るためのコード、14はモータ10を駆動させる操作スイッチである。
また、仕切壁6の下面には、メインフィルタ15が着脱可能に装着されている。このメインフィルタ15は、図3,4に示すように、底部に通気孔17,17・・を並設した支持部材としての四角皿状のフレーム16に、シート状の不織布フィルタ18を装着してなり、フレーム16の短手方向の両側板19,19の上端縁には、フランジ20,20が延設されて、一方のフランジ20の両端際には、半円状の係止凹部21,21が、他方のフランジ20の中央部には、斜め下へ伸びる係止片22が夫々形成されている。また、フレーム16の上面には、フランジ20,20を含むフレーム16の形状に合わせてスポンジシール23,23・・が略全面に亘って貼着されている。
このメインフィルタ15の装着構造は以下の通りである。まず、仕切壁6の下面には、フレーム16の係止凹部21,21が係合可能な図示しない一対の係合突起が突設されており、ハウジング3,4の内壁には、メインフィルタ15の装着状態で係止片22の先端が係合可能な突条24が突設されている。よって、メインフィルタ15は、アンダーカバー5を開放した本体2の底部側から、フレーム16の係止凹部21,21を先に係合突起に係合させ、そのまま上面を仕切壁6に押し付けるようにすれば、係止片22が突条24に弾性的に係合して、図1のように、仕切壁6の連通口7を塞ぐ格好でメインフィルタ15が装着される。この装着状態で、スポンジシール23は仕切壁6の下面に押圧されてフレーム16の周囲をシールするため、空気は不織布フィルタ18のみを通過する。なお、メインフィルタ15を取り外す場合は、上記手順と逆に、係止片22を突条24から取り外して係止凹部21の係合を解除させればよい。
なお、メインフィルタ15のフレーム16において、係止凹部21側のフランジ20の先端には、側板19と平行な垂下部25が延設されており、垂下部25の中央で側板19との間に、フレーム16の長手方向に沿って、フレーム16の内外を連通させる逃がし路となる通気溝26が凹設されている。但し、この通気溝26は、フランジ20に貼着されるスポンジシール23によって上方が閉塞されているため、一端が側板19の内面側に、他端が垂下部25の外面側にのみ夫々開口する格好となっている。なお、垂下部25の表面にも、通気溝26の開口を除いてスポンジシール27が貼着されている。
そして、フレーム16における垂下部25側の側板19には、リリーフ弁として図5に示すリーフスプリング28が設けられている。このリーフスプリング28は、フレーム16のコーナー際で側板19の内面に突設されたL字状の内側リブ29と、側板19からやや離れて立設された一対の外側リブ30,30とによって一端が挟持されると共に、下縁に形成された切欠き31と内側リブ29の水平部との係止によって、側板19に沿った姿勢で固定されている。また、リーフスプリング28は、固定端側近くで側板19側へくの字状に折曲されて、自由端を通気溝26の開口に押圧させている。自由端において通気溝26との対向面側には、ラバーシール32が貼着されていることから、常態では、リーフスプリング28に押圧されるシール部材としてのラバーシール32によって通気溝26がシールされる。
一方、タンク9内において、仕切壁6の下面側には、一端が本体2の外部に、他端がタンク9内に夫々開口する筒状の連通路33が形成されている。この連通路33は、メインフィルタ15の装着状態で垂下部25の中央が当接する位置にあり、この装着状態では、図1に示すように通気溝26と直結し、通気溝26を、タンク9内で連通口7を通る外気の通路とは独立して本体2の外部に開放させるようになっている。
以上の如く構成された携帯用集塵機1においては、操作スイッチ14をON操作すると、モータ10が駆動してファン11が回転する。すると、吸引ホース等を介してホルダ8から外気がタンク9内に導かれ、ペーパーフィルタ12を通過する。これにより、外気と共に比較的大きな粉塵がペーパーフィルタ12に捕捉されて集塵される。ペーパーフィルタ12を通過した外気は、メインフィルタ15の不織布フィルタ18を通過し、連通口7を通って仕切壁6の上側へ入り、ファン11を介して本体2内を通過して、図示しない排気孔から本体2の外部へ排出される。よって、ペーパーフィルタ12を通過した小さな塵埃は、不織布フィルタ18に付着して集塵されることになる。
この通常使用状態では、本体2の外部と連通する通気溝26及び連通路33と、メインフィルタ15におけるフレーム16の内側(連通口7での外気の通過路)との圧力差は小さく、リーフスプリング28の付勢力が上回るので、リーフスプリング28による通気溝26のシールは維持される。
そして、不織布フィルタ18への塵埃の目詰まりによって、メインフィルタ15での通気性が低下すると、ファン11の回転によってフレーム16の内側が負圧となり、通気溝26及び連通路33との圧力差が大きくなる。この圧力差がリーフスプリング28の付勢力を上回ると、リーフスプリング28が通気溝26への押圧付勢に抗してフレーム16の内側へ撓み、図3の二点鎖線で示すように、通気溝26をフレーム16の内側に開放させる。よって、本体2外部の空気が連通路33から通気溝26を通ってフレーム16内側へ吸い込まれ、連通口7を通って排気側へ流れるため、モータ10の過熱は生じない。
このように上記形態の携帯用集塵機1によれば、メインフィルタ15のフレーム16に、不織布フィルタ18の上流側と下流側とを連通させる通気溝26と、その通気溝26における不織布フィルタ18の下流側を常態で閉塞するリーフスプリング28とを設ける一方、本体2内に、フレーム16の装着状態で通気溝26を外気の通路と独立して本体2の外部に開放させる連通路33を形成して、通気溝26内と不織布フィルタ18の下流側との間に所定の圧力差が生じた場合には、リーフスプリング28が開弁して不織布フィルタ18の下流側を通気溝26及び連通路33を介して外部へ開放可能としたことで、フレーム16を利用してリリーフ弁を簡単に得ることができる。また、メインフィルタ15と一体に構成できるので、組付けの手間も少なくて済み、リリーフ弁を単独でユニット化したものに比べてコストダウンが図れる。さらに、本体2側では連通路33のみの採用で済むため、本体2内にリリーフ弁採用のために大きなスペースを必要とすることがなく、本体2のコンパクト化も維持できる。
特に、リリーフ弁を、通気溝26の閉塞部位にラバーシール32を取着してフレーム16へ着脱可能に取り付けられるリーフスプリング28としたことで、リーフスプリング28の弾性を利用して閉弁付勢が容易に得られると共に、スペースもとらないので、リリーフ弁が少ない部品点数で合理的に構成可能となっている。
なお、リーフスプリングの固定は、上記形態のような内側、外側リブを用いたものに限らず、メインフィルタのフレームに形成したスリットに差し込み装着したりしても良いし、リーフスプリングの長さや形状も、上記形態より短くしたり、幅を大きくしたり等の設計変更は可能である。また、取付位置も、スペース的に可能であればフレームの底板でも良い。
さらに、上記形態では、リリーフ弁としてリーフスプリングを採用しているが、メインフィルタのスペースに余裕があれば、弁体として球体を採用し、これを板バネやコイルバネ等で閉弁付勢することでリリーフ弁を得る構造であっても差し支えない。同様に支持部材も、上記形態の四角形状に限らず、円盤状や多角形状、深底形状等でも採用可能であるし、本体内への装着構造も、上記フレーム形状では左右とも係止片を利用したりする他、ツマミネジ等による螺着やねじ込み装着等の他の構造も適用できる。
一方、逃がし路は、上記形態のように通気溝の上部をスポンジシールで閉塞した態様に限らず、フレームに穿設した筒状の貫通孔とすることもできる。また、このような溝や貫通孔に代えて、垂下部のないフレームの側板に透孔を形成してこれを逃がし路とする一方、本体側でも、連通路を筒状体にせず、ハウジングに穿設された透孔として、支持部材の装着状態で、フィルタ側と本体側との透孔同士が直結されるようにしても、リリーフ弁を介したフィルタ下流側の独立した連通は得られる。
そして、本発明は、上記形態のような携帯用集塵機に限らず、底部のタンクにモータを備えた本体を上方から載置して両者を連結固定するような大型の集塵機等でも採用可能である。
携帯用集塵機の長手方向の縦断面図である。 携帯用集塵機の短手方向の縦断面図である。 メインフィルタの平面図である。 メインフィルタの側面図である。 リーフスプリングの説明図(左が側面、右が正面)である。
符号の説明
1‥携帯用集塵機、2‥本体、3,4‥ハウジング、5‥アンダーカバー、6‥仕切壁、7‥連通口、8‥ホルダ、9‥タンク、10‥モータ、11‥ファン、12‥ペーパーフィルタ、13‥コード、14‥操作スイッチ、15‥メインフィルタ、16‥フレーム、17‥通気孔、18‥不織布フィルタ、19‥側板、20‥フランジ、21‥係止凹部、22‥係止片、23,27‥スポンジシール、24‥突条、25‥垂下部、26‥通気溝、28‥リーフスプリング、29‥内側リブ、30‥外側リブ、31‥切欠き、32‥ラバーシール、33‥連通路。

Claims (2)

  1. ファンを備えたモータを本体内に収容し、前記モータの駆動に伴うファンの回転により、前記本体内に外気を通過させると共に、前記ファンの上流側での前記外気の通路を、支持部材を介して前記本体内へ着脱可能に装着されるフィルタで閉塞した集塵機であって、
    前記支持部材に、前記フィルタの上流側と下流側とを連通させる逃がし路と、その逃がし路における前記フィルタの下流側を常態で閉塞するリリーフ弁とを設ける一方、前記本体内に、前記支持部材の装着状態で前記逃がし路を前記外気の通路と独立して前記本体の外部に開放させる連通路を形成して、前記逃がし路内とフィルタの下流側との間に所定の圧力差が生じた場合には、前記リリーフ弁が開弁して前記フィルタの下流側を前記逃がし路及び連通路を介して外部へ開放可能としたことを特徴とする集塵機。
  2. リリーフ弁が、逃がし路の閉塞部位にシール部材を取着して支持部材へ着脱可能に取り付けられるリーフスプリングである請求項1に記載の集塵機。
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