JP4184335B2 - 非水電解液 - Google Patents
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Description
高誘電率溶媒は粘度が高く、イオン移送が非常に遅い。そこで、粘度を下げてイオンの移送能力を高めるために、低粘性溶媒を高誘電率溶媒と併用している。例えば高誘電率溶媒であるエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステルと低粘性溶媒であるジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステルとの混合溶媒からなる電解液は、高い導電率が得られることから、従来より汎用されている。エチレンカーボネートは、凝固点が38℃付近と高いため、これを単独で用いると、溶質との混合による凝固点降下を見込んでも0℃程度までしか凝固点が下がらない。そのため、上記のようにエチレンカーボネートを低粘性でかつ低凝固点の溶媒と混合することにより、低温特性を確保している。しかし、混合溶媒においても、エチレンカーボネートの低温特性への影響は少なからず残り、十分な低温特性が確保できていないのが現状である。
炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)は、不飽和結合部が非常に重合しやすいため、負極上で連鎖的に重合反応を起こし、迅速に負極上に緻密で強固な被膜を形成する。この負極上に形成された被膜がリチウムイオン周囲の溶媒分子の負極への接触を阻止する物理的バリアーとなる結果、負極での環状カルボン酸エステルの還元分解が抑制される。
前記非水溶媒は、さらに鎖状炭酸エステル(D)を含有することができる。
鎖状炭酸エステル(D)は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
グライム(E)は、ジグライム、トリグライムおよびテトラグライムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明は、正極がリチウム含有遷移金属酸化物からなり、負極が黒鉛からなる非水電解液二次電池用電解液として好適である。
Lia(Co1-x-yMgxMy)bOc
(Mは、Mn、Ni、Y、Yb、Ca、Al、Ti、Cu、Zn、SrおよびBaからなる群より選択される少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されることが好ましい。
前記ベンゼン誘導体は、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルおよびラクトン基を有するベンゼン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の非水電解液は、高誘電率を有し、低温環境下でのイオン移送能力に優れた環状カルボン酸エステル(A)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)および炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)からなる非水溶媒ならびに溶質を含有する。溶質は、LiPF 6 とLiBF 4 との混合物である。
前記非水溶媒における炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)の含有量は、0.5〜20体積%である。
前記非水溶媒における炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)の含有量は、40体積%以下であり、0.1〜30体積%がさらに好ましく、0.1〜20体積%が最も好ましい。
また、過充電時に分解して電極上に被膜を形成し、電池を不活性化する従来からよく知られているベンゼン誘導体(F)を本発明にかかる非水溶媒に添加することも効果的である。ベンゼン誘導体(F)には、フェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基からなるベンゼン誘導体を用いることが好ましい。
ベンゼン誘導体(F)の具体例としては、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ラクトン基を有するベンゼン誘導体、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記非水溶媒におけるベンゼン誘導体(F)の含有量は、10体積%以下であることが好ましい。
前記非水電解液における溶質濃度は、0.8モル/リットル〜2.5モル/リットルが
好ましい。
正極材料は、電池容量を向上させ、エネルギー密度を高める点から、リチウムと一種以上の遷移金属を含有する複合酸化物(リチウム含有遷移金属酸化物)を主体とすることが好ましい。例えばLixMO2(式中、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態により異なり、通常0.05≦x≦1.10である)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を主体とする活物質が適している。このLixMO2において、遷移金属MはCo、NiおよびMnの少なくとも一種であることが好ましい。その他、リチウム含有遷移金属酸化物としては、LixMn2O4を用いてもよい。
Lia(Co1-x-yMgxMy)bOc(Mは、Mn、Ni、Y、Yb、Ca、Al、Ti、Cu、Zn、SrおよびBaからなる群より選択される少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物を用いることが好ましく、活物質の電子伝導性を向上させることができる。しかしこの場合、活物質の反応性も高くなるため、従来の環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルを非水溶媒の主成分とする電解液と組み合わせて用いると、非水溶媒と活物質とが反応しやすいという欠点を有する。それに対し、本発明の電解液を用いると、電池のサイクル特性が向上する。この理由について詳細は不明であるが、本発明によれば正極表面にも安定な被膜が形成され、電解液の分解が抑制されるためではないかと考えられる。
リチウム塩としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
マグネシウム塩としては、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硫化マグネシウム、水酸化マグネシウムを用いることができる。
コバルト塩としては、酸化コバルト、水酸化コバルト等を用いることができる。
また、共沈法により、マグネシウムや金属Mを含有する水酸化コバルトを作製した後、その水酸化コバルトとリチウム塩とを混合し、焼成することによっても前記リチウム含有遷移金属酸化物を得ることができる。
本発明の非水電解液を用いる電池の形状等には、円筒型、角型、コイン型、ボタン型、大型等があり、正極、負極の態様をそれに応じて変更すればよい。
《参考例1》
図1に本実施例で用いた円筒型非水電解液二次電池(直径18mm、総高65mm)の右半分断面正面図を示す。この電池は以下のように作製した。
セパレータ1を介して、帯状正極板2と負極板3とを複数回渦巻状に捲回して、極板群を構成した。正極板2と負極板3にはそれぞれアルミニウム製正極リード4およびニッケル製負極リード5を溶接した。極板群の下にポリエチレン樹脂製底部絶縁板6を装着し、内面をニッケルメッキした鉄製電池ケース7内に収容し、負極リード5の他端を電池ケース7の内定面にスポット溶接した。極板群の上面にポリエチレン樹脂製上部絶縁板8を載置してから電池ケース7の開口部の所定位置に溝入れし、所定量の非水電解液を電池ケース7内に注入し、極板群に含浸させた。ポリプロピレン樹脂製ガスケット9を周縁部に装着させたステンレス鋼製の封口板10を準備し、その下面に正極リード4の他端をスポット溶接した。その後、電池ケース7の開口部に封口板10装着し、電池ケース7の上縁部をガスケット9にかしめて開口部を封口し、電池を完成した。
Li2CO3とCo3O4とを混合し、900℃で10時間焼成してLiCoO2を合成した。100重量部のLiCoO2に、導電剤としてアセチレンブラック3重量部、結着剤としてポリ四フッ化エチレン7重量部を混合し、1重量%カルボキシメチルセルロース水溶液100重量部を加え、攪拌・混合してペースト状正極合剤を得た。そして、厚さ30μmのアルミニウム箔製集電体の両面に前記ペースト状正極合剤を塗布し、乾燥後、圧延ローラーを用いて圧延を行い、所定寸法に裁断して正極板2とした。
平均粒径が約20μmになるように粉砕・分級した鱗片状黒鉛100重量部と、結着剤のスチレン/ブタジエンゴム3重量部とを混合した後、1重量%カルボキシメチルセルロース水溶液100重量部を加え、攪拌・混合してペースト状負極合剤を得た。そして、厚さ20μmの銅箔製集電体の両面に前記ペースト状負極合剤を塗布し、乾燥後、圧延ローラーを用いて圧延を行い、所定寸法に裁断して負極板3とした。
表1に示した組成の各種非水電解液を用いて、本発明の参考例1の電池1A〜22Aを作製した。表1において、電池5A〜8Aのエチルメチルカーボネート/γ−ブチロラクトン(EMC/GBL)比は、体積比で1:1とし、実施例の電池9A〜12Aのジメチルカーボネート/γ−ブチロラクトン(DMC/GBL)比は、体積混合比で1:1とした。また、電池1A〜22Aの非水溶媒におけるビニレンカーボネート(VC)の含有量は2体積%、プロピレンカーボネート(PC)またはエチレンカーボネート(EC)の含有量はそれぞれ1体積%とした。各非水電解液における溶質濃度は1.25mol/lとした。
表2に示した組成の各種非水電解液を用いたこと以外、参考例1と同様に比較の電池1B〜12Bを作製した。表2において、電池3B、4Bのエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(EC/EMC)比は、体積混合比で1:3とした。また、電池7B、8Bの非水溶媒におけるビニレンカーボネート(VC)の含有量は2体積%、電池9B〜12Bの非水溶媒におけるプロピレンカーボネート(PC)またはエチレンカーボネート(EC)の含有量はそれぞれ1体積%とした。各非水電解液における溶質濃度は1.25mol/lとした。
(i)ガス量
参考例1の電池1A〜22Aおよび比較例1の電池1B〜12Bを環境温度20℃で、充放電電流300mA、充電終止電位4.1V、放電終止電位3.0Vの定電流充放電を行い、3サイクル後の電池内のガス発生量を測定した。結果を表3に示す。
電池の低温環境下における放電特性を比較した。この試験において、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃と−20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。20℃における放電容量に対する−20℃における放電容量の割合を百分率(%)で求め、低温環境下での容量維持率とした。結果を表3に示す。
85℃の環境下に充電状態の電池を72時間放置した後の放電特性を比較した。この試験において、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。電池を85℃に放置する前と後の20℃における放電容量を測定し、放置する前に対する放置後の放電容量の割合を百分率(%)で求め、高温保存後の容量維持率とした。結果を表3に示す。
ビニレンカーボネート(VC)は、負極上で非常に迅速に重合反応を起こすため、その電解液への添加量が多すぎる場合、負極上で被膜が過剰に生成し、低温特性が低下するおそれがある。そこで、非水溶媒におけるVCの含有量について検討した。
2Aと同様の電池1C〜7Cを作製した。すなわち、環状カルボン酸エステル(A)とし
てはγ−ブチロラクトン(GBL)、炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル
(C)としてはプロピレンカーボネート(PC)、溶質としてはLiBF4を用い、非水
溶媒におけるPCの含有量は1体積%、非水電解液におけるLiBF4の濃度は1.25
mol/lとした。
得られた電池1C〜7Cの低温環境下での容量維持率を参考例1と同様に評価した。結
果を表5に示す。
次に、非水溶媒におけるプロピレンカーボネート(PC)またはエチレンカーボネート(EC)の含有量について検討した。
非水溶媒におけるPCまたはECの含有量を表6に示すように変化させたこと以外、参考例の電池2Aまたは4Aと同様の電池1D〜18Dを作製した。すなわち、環状カルボン酸エステル(A)としてはγ−ブチロラクトン(GBL)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステルとしてはビニレンカーボネート(VC)、溶質としてはLiBF4を用い、非水溶媒におけるVCの含有量は2体積%、非水電解液におけるLiBF4の濃度は1.25mol/lとした。
得られた電池1D〜18Dの低温環境下での容量維持率および高温保存後の容量維持率を参考例1と同様に評価した。結果を表7に示す。
次に、非水溶媒における鎖状炭酸エステル(D)の含有量について検討した。表8に示す組成の非水電解液を用いたこと以外、参考例1と同様の電池1E〜7Eを作製した。ここでは、環状カルボン酸エステル(A)としてγ−ブチロラクトン(GBL)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)としてビニレンカーボネート(VC)、炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)としてエチレンカーボネート(EC)、鎖状炭酸エステル(D)としてジエチルカーボネート(DEC)、溶質としてLiBF4を用いた。また、非水溶媒におけるVCの含有量は2体積%、ECの含有量は20体積%、非水電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。非水溶媒におけるDECの含有量を1〜60体積%の範囲で変化させ、それに伴い、GBLの含有量も変化させた。
得られた電池1E〜7Eの低温環境下での容量維持率および高温保存後の容量維持率を参考例1と同様に評価した。結果を表9に示す。
高温保存後の容量維持率は、DECの含有量が1〜30体積%の範囲では、DECの含有量が増え、GBLの含有量が減るに従って、上昇する傾向が見られた。しかし、DECの含有量が50〜60体積%の範囲では、DECの含有量が増え、GBLの含有量が減るに従って、高温保存後の容量維持率が低下する傾向が見られた。これは、電解液がDECを過剰に含むと、保存時に何等かの副反応がおこり、特性が劣化したものと考えられる。なお、非水溶媒におけるDECの含有量が0.1体積%未満では、電池特性の向上はほとんど見られなかった。よって、非水溶媒におけるDECの含有量は50体積%以下であることが好ましく、0.1〜30体積%がさらに好ましく、0.1〜20体積%が最も好ましいと言える。
次に、非水電解液の溶質としてLiPF6とLiBF4とを併用する場合について検討した。
非水溶媒には、表10に示すように、γ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比68:2:20:10で混合したものを用いた。電解液におけるLiPF6とLiBF4との合計の溶質濃度が1mol/lとなるように、LiPF6とLiBF4との混合モル比率を変化させた。その他は、参考例1と同様にして電池1F〜5Fを作製した。なお、電池5Fは、参考例4の電池5Eと同じ構成である。
得られた電池1F〜5Fについて測定した特性は次の通りである。結果を表11に示す。
(i)高温保存後の容量維持率
高温保存後の容量維持率は、参考例1と同様に測定した。
(ii)サイクル寿命
電池の充放電サイクルを繰り返し、3サイクル目の容量を100%として容量が50%になった時点のサイクル数をサイクル寿命とみなした。
なお、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。
(iii)サイクル後のガス発生量
上記評価(ii)においてサイクル寿命を迎えた電池の電池内ガス発生量を測定した。
次に、非水電解液が、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)としてビニレンカーボネート(VC)のみを含有する場合と、さらにビニルエチレンカーボネート(VEC)を含有する場合について検討を行った。
ここでは、表12に示す組成の非水電解液を用いた。すなわち、非水溶媒には、γ−ブチロラクトン(GBL)と、VCと、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比68:2:20:10で混合したもの、またはGBLと、VC+VECと、ECと、DECとを、体積比67:(2+1):20:10で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。その他は、参考例1と同様にして電池1G〜2G(2Gは参考例4の電池5Eと同じ)を作製した。
次に、過充電添加剤(ベンゼン誘導体)として、非水電解液にシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)またはジフェニルエーテル(DPE)を含ませた場合の効果を調べた。
ここでは、表14に示す組成の電解液を用いた。すなわち、非水溶媒にはγ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)と、CHB、BPまたはDPEとを、体積比65:2:20:10:3で混合したもの、またはGBLと、VCと、ECと、DECとを、体積比68:2:20:10で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。その他は、参考例1と同様にして電池1H〜4H(4Hは参考例4の電池5Eと同じ)を作製した。
得られた電池1H〜4Hについて測定した特性は次の通りである。
(i)シャットダウン温度
電池の充放電サイクルを3サイクル繰り返した後、電流値:1500mAの条件で過充電を行い、シャットダウン(セパレータが目詰まりを起して電流が流れなくなる現象のこと)が起こる電池の表面温度を測定した。
なお、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。結果を表15に示す。
次に、正極活物質としてLi1Co0.95Mg0.05O2、Li1Co0.90Ni0.05Mg0.05O2、Li1Co0.90Al0.05Mg0.05O2、Li1Co0.90Mn0.05Mg0.05O2またはLiCoO2を用いた電池5種を作製し、それらの特性を比較した。
Li1Co0.95Mg0.05O2の合成方法は下記の通りである。
0.95mol/リットルの濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸マグネシウムを含む水溶液を反応槽に連続供給し、水のpHが10〜13になるように反応槽に水酸化ナトリウムを滴下して、活物質の前駆体を合成した。その結果、Co0.95Mg0.05(OH)2からなる水酸化物を得た。
さらにLiCoO2を用いて電池9I、10Iを作製した。
ここでは、表16に示す組成の非水電解液を用いた。すなわち、非水溶媒には、γ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比68:2:20:10で混合したもの、またはECと、DECとを、体積比25:75で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。
次に、非水電解液が、グライムを含有する場合について検討を行った。
ここでは、表18に示す組成の非水電解液を用いた。すなわち、非水溶媒には、γ−ブチロラクトン(GBL)と、VCと、エチレンカーボネート(EC)と、グライムとを、体積比68:2:20:10で混合したもの、またはGBLと、VCと、ECとを、体積比78:2:20で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。グライムとしては、ジグライム、トリグライムまたはテトラグライムを用いた。その他は、参考例1と同様にして電池1J〜4Jを作製した。
2 正極版
3 負極板
4 正極リード
5 負極リード
6 底部絶縁板
7 電池ケース
8 上部絶縁板
9 ガスケット
10 封口板
Claims (4)
- 非水電解液二次電池用電解液であって、
(A)環状カルボン酸エステル、(B)炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステルおよび(C)炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルからなる非水溶媒、ならびに前記非水溶媒に溶解させた溶質からなり、前記溶質が、LiPF6とLiBF4との混合物であり、
環状カルボン酸エステル(A)が、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−アンゲリカラクトン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−オクタノラクトンおよびγ−メチル−γ−デカノラクトンからなる群より選択される少なくとも一種であり、
炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)が、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であり、
炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびブチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であり、
環状カルボン酸エステル(A)の含有量が、10〜97体積%であり、
炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)の含有量が、0.5〜20体積%であり、
炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)の含有量が、0.1〜40体積%である非水電解液。 - 炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)が、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとの二種の混合物である請求項1記載の非水電解液。
- 前記非水溶媒が、さらに鎖状炭酸エステル(D)を含有し、前記鎖状炭酸エステル(D)が、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1または2記載の非水電解液。
- 前記非水溶媒が、さらにフェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基からなるベンゼン誘導体を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液。
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